JP3639337B2 - 燃焼装置及びその制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば浴槽に接続される温水循環式の風呂釜や給湯器付風呂釜等の燃焼装置及びその燃焼制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、設定された湯温で湯または温水を供給する給湯器のような燃焼装置は燃焼を行うための燃焼部を内蔵している。この燃焼部には、例えば複数のブンゼン式バーナを収容したバーナユニットを備えている。
【0003】
このような給湯器においては、上記バーナユニットの各バーナを燃焼させるための空気は器具に内蔵されている燃焼ファンにより供給している。
そして、給湯器に接続されたリモコン等により設定温度が入力されると、燃焼制御部は、給湯器に供給される水の水温や流量等に基づいて、設定温度の湯を出湯するための目標熱量を求める。さらに燃焼制御部は、この目標熱量に応じた燃料ガス等の供給量を決定し、この供給量を維持するために燃料ガス供給量調節のための比例弁開度を調整する。この比例弁開度に応じて、上記燃焼ファンの回転数を決定しており、実際には空燃比にかなりばらつきが出ていたが、従来タイプのブンゼン式バーナの燃焼では問題なく良好な燃焼を維持できた。
【0004】
ところで、このような燃焼装置においては、近年、窒素酸化物等の排ガス対策が環境保護等の点から求められている。
このため、このような有害な排ガスの排出を抑制できる全一次方式の濃淡燃焼法に基づく燃焼装置の開発が進められている。
【0005】
このような燃焼装置においては、適切な空燃比により燃焼を行うと、どのような負荷においても、適切な燃焼を行うことができ、有害な排出物のないクリーンな燃焼装置を実現できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、例えば全一次方式の濃淡燃焼装置では、目的とするクリーンな燃焼を実現するためには、適切な空燃比を実現することが重要である。
ところが、このような燃焼装置に供給される燃料ガスの温度が変動すると、この燃料ガスの質量流量が変動し、適切な空燃比を実現することができないという問題があった。
すなわち、従来のように目標温度に対応する燃料ガスの量を決定して、これを供給調節する比例弁の開度を決め、この弁開度に追随させて、これに応じた供給風量になるようにしても、空燃比が正確に一定に定まらないことから、良好な燃焼をおこなうことができないという欠点があった。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑み、正確に空燃比を調整し、良好な燃焼を実現することができる燃焼装置およびその燃焼制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明によれば、ノズルユニットのガスノズルから供給される燃料ガスを燃焼させるバーナを有する燃焼装置において、
前記バーナを備えるバーナユニットに対して近接して対面配置され、かつ前記ガスノズルと熱的に一体に構成されたノズルユニットには、このノズルユニットの温度を検出することで、間接的に、燃焼開始からの時間経過とともに変化する前記燃料ガスの温度を検出するための温度検出手段を設けたことを特徴とする燃焼装置により、達成される。
また、上記目的は、本発明にあっては、複数のバーナを収容したバーナユニットと、前記バーナに空気を供給する燃焼ファンと、前記各バーナに燃料ガスを供給するガスノズルを備えるとともに、前記バーナユニットに対して近接して対面配置され、かつ前記ガスノズルと熱的に一体に構成されたノズルユニットと、前記ノズルユニットに取付けられ、間接的に、燃焼開始からの時間経過とともに変化する前記燃料ガスの温度を検出するための温度検出手段と、前記ノズルユニットに接続されて燃料ガスの供給量を可変する比例弁とを備えており、 前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記比例弁の開度を調節するようにしたことを特徴とする、燃焼装置によっても、達成される。
【0009】
好ましくは、前記温度検出手段の検出結果に基づいて、さらに燃焼ファンによる供給風量を調節するように構成する。
【0010】
さらに好ましくは、前記ノズルユニットの内部が、燃焼切り換えに対応して使用される複数のガス通路に区分されており、前記温度検出手段は、前記複数のガス通路のうち、燃焼切り換えが行われても常時燃焼の際に使用されるガス通路に対応した領域に配置されている。
【0011】
また、好ましくは、前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記ガスノズルの変形及び前記比例弁開度の誤差を演算する演算部を備え、この演算部の演算結果に基づいて比例弁の開度及び/又は燃焼ファンによる供給風量を調節するようにしてもよい。
【0012】
また、上記目的は、本発明にあっては、目標熱量を得るように燃料ガスの供給量を決めて、この燃料ガスを供給するための比例弁の開度を調節することで燃焼制御を行うものにおいて、前記燃料ガスを供給するガスノズルを有し、バーナユニットに対して近接して対面配置され、かつ前記ガスノズルと熱的に一体に構成されたノズルユニットの温度を検出することで、間接的に、燃焼開始からの時間経過とともに変化する前記燃料ガスの温度を検出し、この前記ノズルユニットの温度検出の結果に基づいて前記比例弁の開度及び/又は燃焼ファンによる供給風量を調節するようにしたことを特徴とする、燃焼装置の制御装置によっても、達成される。
【0013】
【作用】
上記構成によれば、この発明の燃焼装置では、バーナに燃料ガスを供給するノズルのノズルユニットに温度検出手段を設けている。
これにより、燃焼のために供給される燃料ガスの温度、ガスノズルの温度が測定でき、ガス温度も測定できる。又、ノズルユニットに直結して設けられた、燃料供給量を調節する比例弁の温度も推定することができる。
この温度は、燃焼装置の燃焼制御する上で、その燃料ガスの供給量の制御に特に有利に利用される。
即ち、温度の変動により供給される燃料ガスの質量流量が変化することから、適切な空燃比を実現するために、正確な燃料ガスの供給量を知るには、ガス温度を正確に知る必要がある。この燃料ガスはノズルユニットを通過して燃焼部へ供給されることから、このノズルユニットに温度検出手段を設ければ、正確なガス温度を検出できる。
【0014】
また、ノズルユニットに設けられたガスノズルや比例弁は、ガス温度が変動すると、ノズル径や比例弁開度に誤差が生じてくる。ノズルユニットの温度を知ることにより、各部の温度変化を包含した燃料ガスの質量流量が実験的にわかり、この検出結果に基づいて、比例弁の開度及び/又は供給風量を補正することで、正確な空燃比による良好な燃焼を実現できる。
【0015】
【実施例】
以下、この発明の好適な実施例を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0016】
図1は、本発明が適用される実施例に係る燃焼装置としての給湯器の全体の構成を示している。
給湯器10の器具ケース11内には、燃焼装置本体12が収容されている。この燃焼装置本体12には、複数のバーナを収容したバーナユニット13と、これらバーナに燃料ガスを供給するガスノズルを有するノズルユニット14を備えた燃焼部が収容されている。このノズルユニット13には燃料ガスのガス供給路15が接続されており、このガス供給路15の上流側には元ガス電磁弁16と、この元ガス電磁弁16からのガスの供給量を調整する電磁駆動型の比例弁17とが配置されている。この比例弁17は、後述するように、上記ノズルユニット13と物理的につながっており、温度変化による影響を、同様にうける温度系である。
【0017】
燃焼部の上方には熱交換器21が配置され、給水管23を介して供給される水とバーナユニット13の熱との熱交換を行い、出湯管25を介して湯を供給するようになっている。
上記給水管23には入水温度を検出するサーミスタでなる水温センサ27及び入水量を検出する入水フローセンサ24が接続されている。出湯管25には出湯サーミスタ26が配置され、出湯温度を検出できるようになっている。尚、入水管23と出湯管25とは一定の流路断面積をもつバイパス管28で接続されている。
【0018】
バーナユニット13の下方には燃焼ファン22が配置され、燃焼用の空気を供給できるようになっていると共に、この燃焼ファン22には、例えばホール素子等を利用した回転検出センサ33が設けられている。
燃焼部のバーナユニット13によって燃焼により生じる燃焼排気は、排気通路31を通って外部に排出されるようになっている。
さらに、バーナユニット13の下方側の空気室31と、バーナユニット13の上方側の燃焼室32との間には通路34を設けて、この通路には風量センサ35が配置されている。この風量センサ35は、空気室31と燃焼室32の差圧により、燃焼ファン22から送られる空気の燃焼時の実際の風量(空気量)を検出するようになっている。
【0019】
この給湯器の器具ケース11内には、さらに制御基板41が収容されており、この制御基板41にはリモコン42が接続されて、たとえば出湯温度としてユーザにより設定される設定温度等を入力できるようになっており、制御基板41はこの設定温度になるように給湯器10を制御するようになっている。この制御基板41でなる制御装置の構成は後で詳しく述べる。
【0020】
図2は、、燃焼部の構成を概略的に示す分解斜視図である。
本実施例の給湯器の場合、バーナユニット13の収容体13aに収容されるバーナは高濃度予混合気を燃焼させる濃バーナ43と、低濃度予混合気を燃焼させる淡バーナ44とを交互に多数並べたものである。これによって、本実施例の給湯器は濃淡燃焼を行うようにしている。
【0021】
この濃バーナ43は、板金をプレスして折り曲げ、図のような形状に形成したもので、上面に炎口43aが形成され、下部の燃料ガスの取り入れ口43bと連通している。燃料ガスの取り入れ口43bは下側に向けて開口されている。この濃バーナ43は、従来タイプのガスリッチの混合気(例えば一次空気0.3〜0.8)を燃焼させるタイプのバーナであるから、通常、燃焼の際には二次空気が供給される必要がある。
ところが、この燃焼装置にあっては、バーナ43が必要とする二次空気は、バーナ44の多量の一次空気により補われる。
【0022】
淡バーナ44は、図示されているように、所定の形状の金属板により全体として板状を呈している。
この淡バーナ44は、燃料用のガスと一次空気とを混合したエアリッチ(例えば一次空気率1.4〜1.8)の混合気を燃焼させるタイプである。
即ち、淡バーナ44の上面には炎口44aが形成されており、この炎口44aと下部の燃料取り入れ口である開口44bは混合気の通路44cにより連通されている。燃料取り入れ口44bは、水平方向に大きく開口している。
そして、バーナ44の混合気の通路44cには上部に狭搾部が設けられており、供給される燃料ガスの多量の一次空気は、この狭搾部等で混合が促進され、十分混合がなされるようになっている。これにより、エアリッチの混合気が、炎口44a手前の整流部44dで整流されたあと、早い流速で炎口44aから噴出するようになっている。
【0023】
したがって、濃バーナ43の炎口43a付近では高濃度予混合ガスの高温火炎が形成され、淡バーナ44の炎口44a付近では低濃度予混合ガスの火炎が形成される。この場合、低濃度予混合ガスの量は、高濃度予混合ガスの量より多く、その一次空気の一部は、濃バーナ43の燃焼の際に二次空気として供給される。これによって、バーナユニット13の燃焼面全体としては、ほぼ低濃度予混合ガスの低温火炎により占められるので、窒素酸化物の生成の少ないクリーンな燃焼を行うようになっている。
そして、このような濃淡燃焼を行う上では、燃焼に用いられる空気と燃料の比である空燃比を比較的精密に合わせる必要があるため、後述する制御装置により、空燃比の調整が行われる。
【0024】
このため、図2のノズルユニット14には、温度検出手段としての温度センサ51が配置されている。
ここで、ノズルユニット14は、図3に示すように、バーナユニット13側に対面する箇所の上部に複数のガスノズル52,53,54を備えており、図示の各ガスノズルは、図2の各淡バーナ44に燃料ガスを供給するためのものである。さらにノズルユニットの上面に図示しないガスノズルとしての孔が一列に長手方向に沿って形成されており、これらのガスノズルがバーナユニット13の濃バーナ43に供給されるようになっている。
【0025】
ノズルユニット14の内部は、図3に示されているように、A,B,Cの3つの通路に分割されている。これらの各分割通路に対応して、それぞれ上記ガスノズル52,53,54が形成されている。各分割通路は、ノズルユニット下部の切り換え弁55A,55B,55Cにより開閉され、ガス供給管56を介して供給される燃料ガスを上記各通路A,B,Cに切り換えて供給するようになっている。これにより、この給湯器10では、その時必要な燃焼能力をこのガス通路の切り換えによって、燃焼されるバーナの数を調整することで行っている。
【0026】
このガス通路56は、ノズルユニット14と一体に構成された管路であり、その上記切り換え弁55A,55B,55Cより上流側には図1で示したガス比例弁17が配置されている。この比例弁17は後述する制御装置に接続されて、そのコイルに通電される電流を制御することによって、燃料ガスの供給量を調整するようになっている。
したがって、上記各ガスノズル(52,53,54及び淡バーナ用ガスノズルを含む)と、ガス比例弁17とはノズルユニット14と一体に構成されており、このため燃料ガスがノズルユニット14内を通ることで、この燃料ガス、ノズルユニット14、ガスノズル、ガス比例弁17は、温度変化による影響を同様にうける温度系である。
即ち、図6は、このノズルユニット14内を通る燃料ガスの温度Iと、温度センサ51が取付けられるノズルユニット14の壁面温度Hと、比例弁17の壁面温度Jとを実測したグラフである。これらは、それぞれ燃料ガスGの温度、ガスノズルの温度、比例弁17の温度と対応しており、ノズルユニット14内を通る燃料ガスGの温度が変化すると、同様に変化することがわかる。そして、このようなグラフを予め作成しておくことにより、温度検出手段51の検出結果から、これらの各温度が推測できることがわかる。
【0027】
さらに、ノズルユニット14には、金属製の蓋14aが被せられており、この金属製の蓋14aの上面には温度センサ51が設けられている。この温度センサ51は、ノズルユニット14を通る燃料ガスGの温度を検出するもので、その温度の変化によって体積が変わることで、燃料ガスの質量流量が変動することによる燃焼制御上の補正するために使用される。
このため、好ましくはこの温度センサ51は、ノズルユニット14の蓋14a切り換え弁55A,55B,55Cの開閉による能力切り換えがあった場合にも、常時燃焼に使用されるガス通路Aと対面する箇所に配置される。
これによって、温度センサ51は、燃料ガスの温度だけでなく、このノズルユニット14に設けられているガスノズル(52,53,54及び淡バーナ用ガスノズルを含む)と、比例弁17の温度も同時に検出することが可能となる。
【0028】
図4は、この温度センサ51の取り付け構造を示している。温度センサ51はノズルユニットの蓋14aに一体に形成した窪みに、はめこむようにして配置され、上から耐熱性の弾性を有する保護部材57により被覆されている。これによって、強度の弱いセンサ部を保護している。図3に示すように、温度センサ51から延びる給電および信号伝達用のコード51aは、後述する制御装置に接続されている。
【0029】
図5は、給湯器10の運転制御を行うための図1の制御基板41の構成及び器具内の構成部品との接続状態を示している。
制御装置41には、燃焼に必要な燃料ガスの供給量を決める比例弁17のコイルに送る電流を出力する際に、その出力値を決める比例弁出力値目標設定部43が配されている。
【0030】
また、制御装置41は、この比例弁出力値目標設定部43が設定した出力値目標に対応して比例弁17にその開閉等の指示を出す比例弁コントロール部44を有している。さらに、制御部41は、比例弁出力値目標設定部43からの出力値に追従して燃焼ファン22による風量の目標を設定するためのファン風量目標設定部46と、このファン風量目標設定部46により設定された目標値に合わせるように燃焼ファン22の駆動を制御するファンコントロール部71と、この燃焼ファン22の回転数や風量センサ35の信号をモニタするファン回転数安全装置72と、このファン回転数安全装置72からの出力信号を受けて、実際風量とその時の燃焼ファン22の回転数との関係を演算する風量比較演算出力部49を有している。
【0031】
さらに、制御装置41は、リモコン42により設定された設定温度と、出湯サーミスタ26からの検出信号を比較して、その偏差を比例弁コントロール部44に与える目標湯温比較部及び偏差値出力部47と、ノズルユニット14の温度センサ51の信号を受けて、例えば燃料ガスの温度等から、燃料ガスの質量流量の変動を演算するガス流量比較演算部48と、このガス流量比較演算部48の演算結果を受けて、燃料ガスの温度変化に基づく、燃料ガスの質量流量の変動を補正する補正量演算・出力部45とを有している。
【0032】
上記水量センサ24と水温センサ27及びリモコン42は比例弁出力値目標設定部43に接続されている。比例弁出力値目標設定部43は、ファン風量目標設定部46及び比例弁コントロール部44に接続されている。出湯温サーミスタ26及びリモコン42は、目標湯温比較部及び偏差値出力部47と接続されている。ノズルユニット14の温度センサ51はガス流量比較演算部48に接続され、このガス流量比較演算部48は、補正量の演算・出力部45に接続されている。この補正量の演算・出力部45は、さらにファン風量目標設定部46に接続され、このファン風量目標設定部46及び風量比較演算部49はファンコントロール部71に接続されている。風量センサ35はファン回転数安全装置72に接続されている。
【0033】
リモコン42の湯温設定部を介して、比例弁出力値目標設定部43に設定温度に対応した信号が与えられると、これに対応して、比例弁出力値目標設定部43は、比例弁17を駆動する電流値に対応した信号を比例弁コントロール部44に与える。同時に比例弁出力値目標設定部43は、この比例弁17の開度に対応した風量の値を演算してファン風量目標設定部46に与える。
比例弁コントロール部44は、これに基づいて比例弁17の開度を決定し、これに対応した電流を比例弁17のコイルに与えて、適切な量の燃料ガスをバーナユニット13の各バーナ43,44に供給する。
また、リモコン42からの設定温度に関する信号は目標湯温比較部47にも与えられ、出湯温度サーミスタ26からの現在の出湯温度の検出結果と比較してその偏差が演算されて、この演算結果は比例弁コントロール部44に与えられ、上記比例弁制御のための電流値を算出する。
【0034】
一方、この比例弁17の開度に追従するように、ファン風量目標設定部46からの指令によりファンコントロール部71は燃焼ファン22に駆動電流を与え、この時の燃焼ファン22の回転数はファン回転数センサ33によりモニタされて上記ファンコントール部71に与えられるとともに、ファン回転数安全装置72に与えられる。
このファン回転数安全装置72は、例えば燃焼ファン22の毎分4500回転以上もしくは1000回転以下に対応した値が、10秒以上の間、風量センサ35から入ると、風量センサ35の異常と判断し、比例弁コントロール部44に停止信号を送って、比例弁17を閉じ、燃焼を停止する。
【0035】
燃焼ファン22の回転数と風量センサ35の検出値は、ファン回転数安全装置72を介して風量比較演算出力部49に与えられる。この風量比較演算出力部49は、燃焼ファン22の回転数と、器具の実際の圧損や周囲環境の有風状態を風量センサ35の値から知って、これに対応するファン回転数を演算し、適正な燃焼空気の量を確保すべくファンコントロール部71に指示を出す。
【0036】
従って、この実施例の給湯器10にあっては、ノズルユニット14を介して燃料ガスGの温度が、このノズルユニット14の蓋14aに伝えられる。温度検出手段としての温度センサ51がその温度を検出し、ガス流量比較演算部48に伝えられる。
ここで、燃料ガスGの温度が変動すると、その体積が変化し、質量流量が変動する。このため、比例弁17を所定の開度に合わせていても、温度変化によってバーナユニット13に供給される燃料ガスの質量流量が変わってしまう。
【0037】
さらに、燃料ガスの体積変化だけでなく、例えば燃料ガスGの温度が上がると、図3のノズルユニット14のガスノズル52,53,54のノズル径が大きくなる。また、燃料ガスの温度が上がると、ノズルユニット14と熱的に一体に構成されている比例弁17のコイルの抵抗値が変化する。
このため、温度検出手段としての温度センサ51の出力は、燃料ガスGの温度と、ガスノズル52,53,54の温度、さらには、比例弁17の温度を全て検出しているのと略同様の効果が得られることになる。温度センサ51のこのような意味をもつ検出結果が図5のガス流量比較演算部48に与えられる。
【0038】
ここで、ガス流量比較演算部18は、予め与えられたテーブルによる比較値から、燃料ガスの温度変化にともなう体積変化により変動した質量流量の変動量を演算し、この演算結果による燃料ガスの質量流量を補正量の演算・出力部45に与える。この場合、本実施例では温度センサ51は、ノズルユニット14に設けられているから、燃料ガスの正確な温度を検出できて、これに基づいた正確な補正量を得ることができる。
【0039】
また、好ましくは、ガス流量比較演算部48は、上記燃料ガスの体積変化に加えて、燃料ガスの温度変化に基づくガスノズル52,53,54のノズル径の変化及び/又は比例弁17のコイルの抵抗値変化を演算により求め、これらをさらに加えてより正確な燃焼ガスの質量流量を演算により求めるようにしてもよい。この演算結果は、上記と同様にして補正量の演算・出力部45に与えられる。
【0040】
補正量の演算・出力部45は、燃料ガスの温度変化に基づく燃料ガスの質量流量に基づいて、予め与えられている適正な空燃比となるような風量(空気量)を演算し、これをファン風量目標設定部46に与えて、燃焼ファン22を上述のように制御し、風量の補正を行う。
これによって、例えば濃淡燃焼に適した空燃比に正確に合わせた良好な燃焼を行うことができる。
【0041】
さらに、別の方法として、ガス流量比較演算部48からの信号を受けた補正量演算・出力部45は、これに基づいて比例弁17の補正値を求め、この補正値を図5の点線に示すように比例弁コントロール部44に与えるようにしてもよい。これによって、比例弁17の開度を変化させて、補正を行い、適切な空燃比とするようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、正確に空燃比を調整し、良好な燃焼を実現することができる、燃焼装置およびその燃焼制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃焼装置の一実施例としての給湯器の構成を示す概略図である。
【図2】図1の給湯器の燃焼部の構成を示す概略図である。
【図3】図1の給湯器の要部を示す説明図である。
【図4】図3の給湯器のノズルユニットに温度センサを取り付ける構成を示す要部断面図である。
【図5】図1の給湯器の燃焼制御を行う制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図1の給湯器の燃焼に際して、燃料ガスの温度の変化に応じて、ノズルユニットの温度及び比例弁の温度が変化する様子を示すグラフである。
【符号の説明】
10 給湯器
11 器具ケース
12 燃焼部
13 バーナユニット
14 ノズルユニット
15 ガス供給管
17 (ガス)比例弁
21 熱交換器
22 燃焼ファン
51 温度センサ
52,53,54 ガスノズル
Claims (6)
- ノズルユニットのガスノズルから供給される燃料ガスを燃焼させるバーナを有する燃焼装置において、
前記バーナを備えるバーナユニットに対して近接して対面配置され、かつ前記ガスノズルと熱的に一体に構成されたノズルユニットには、このノズルユニットの温度を検出することで、間接的に、燃焼開始からの時間経過とともに変化する前記燃料ガスの温度を検出するための温度検出手段を設けた
ことを特徴とする燃焼装置。 - 複数のバーナを収容したバーナユニットと、
前記バーナに空気を供給する燃焼ファンと、
前記各バーナに燃料ガスを供給するガスノズルを備えるとともに、前記バーナユニットに対して近接して対面配置され、かつ前記ガスノズルと熱的に一体に構成されたノズルユニットと、
前記ノズルユニットに取付けられ、間接的に、燃焼開始からの時間経過とともに変化する前記燃料ガスの温度を検出するための温度検出手段と、
前記ノズルユニットに接続されて燃料ガスの供給量を可変する比例弁と
を備えており、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記比例弁の開度を調節するようにしたことを特徴とする、燃焼装置。 - 前記温度検出手段の検出結果に基づいて、さらに燃焼ファンによる供給風量を調節するようにしたことを特徴とする、請求項2に記載の燃焼装置。
- 前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記ガスノズルの変形及び前記比例弁開度の誤差を演算する演算部を備え、
この演算部の演算結果に基づいて比例弁の開度及び/又は燃焼ファンによる供給風量を調節するようにしたことを特徴とする、請求項3に記載した燃焼装置。 - 目標熱量を得るように燃料ガスの供給量を決めて、この燃料ガスを供給するための比例弁の開度を調節することで燃焼制御を行うものにおいて、
前記燃料ガスを供給するガスノズルを有し、バーナユニットに対して近接して対面配置され、かつ前記ガスノズルと熱的に一体に構成されたノズルユニットの温度を検出することで、間接的に、燃焼開始からの時間経過とともに変化する前記燃料ガスの温度を検出し、
この前記ノズルユニットの温度検出の結果に基づいて前記比例弁の開度及び/又は燃焼ファンによる供給風量を調節するようにしたことを特徴とする、燃焼装置の制御装置。 - 前記ノズルユニットの内部は、燃焼切り換えに対応して使用される複数のガス通路に区分されており、
前記温度検出手段は、前記複数のガス通路のうち、燃焼切り換えが行われても常時燃焼の際に使用されるガス通路に対応した領域に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の燃焼装置。
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1995
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JPH08200655A (ja) | 1996-08-06 |
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