JP4639554B2 - 便座・便蓋の開閉装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、便座又は便蓋が自動的に開閉される便座・便蓋の開閉装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、便座・便蓋が自動的に開閉される便座・便蓋の開閉装置には、例えば、実用新案登録第２５５５８２６号に記載されているように、便座・便蓋を自動的に開閉している最中の駆動モータの回転運動の有無を検出し、駆動モータの回転運動が無いときに、駆動モータを停止し又は逆転させることにより、便蓋上に物が置かれるなどの異常過負荷から駆動モータを保護するものがある。
【０００３】
さらに、閉じる方向に回転する便座・便蓋が閉位置の直前にまで到達したことを、駆動モータの回転数などで検知し、このときに、駆動モータを減速させれば、便蓋の閉動作をスムーズに終了させることができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、閉じる方向に回転する便座・便蓋が閉位置の直前にまで到達したことを検知した後に、便座・便蓋を強制的に閉じる方向へ回転させると、このとき、駆動モータには減速によるブレーキが作用していることから、駆動モータの駆動力を便座・便蓋に伝達するギヤに大きなトルクが作用して、強度の弱いギヤの部分が破損するおそれがあった。
【０００５】
また、閉じる方向に回転する便座・便蓋が閉位置の直前にまで到達したことを検知した後に、便座・便蓋を強制的に開ける方向へ回転させても、このとき、駆動モータには減速によるブレーキが作用していることから、駆動モータの駆動力を便座・便蓋に伝達するギヤに大きなトルクが作用して、強度の弱いギヤの部分が破損するおそれがあった。
【０００６】
そして、これらの点は、開ける方向に回転する便座・便蓋が開位置の直前にまで到達したことを検知し、このとき、駆動モータを減速させて、便蓋の開動作をスムーズに終了させる場合でも同様である。
【０００７】
また、従来の便座・便蓋の開閉装置では、便座・便蓋を自動的でなく手動で閉じる場合には、便座・便蓋の自重が回転トルクとして働き、便座・便蓋の閉方向への回転速度が加速されるので、例えば、便座・便蓋を自動的に開閉させるための駆動モータにブレーキをかけて、便座・便蓋の閉方向への回転速度を減速させることにより、便座・便蓋を手動で閉じる際に便座・便蓋が急激に閉じることを防止しているが、このとき、さらに、便座・便蓋を強制的に手動開方向・閉方向に回転させると、便座・便蓋を自動的に開閉させるための駆動モータに既にブレーキがかかっていることから、駆動モータの駆動力を便座・便蓋に伝達するギヤに大きなトルクが作用して、強度の弱いギヤの部分が破損するおそれがあった。また、ギヤが破損しなくとも、ブレーキが作用している駆動モータを、ギヤを介して、強制的に回転させることになるので、駆動モータが損傷するおそれがあった。
【０００８】
もっとも、便座・便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回転させる行為は、一般に、取扱説明書などで禁止されているが、実使用においては、よろけたり・ついうっかりして蓋に手を突くケースなどがあり、使用者側で完全に防ぎきれないことから、製品側で構造的に対応することが望ましいものであった。
【０００９】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御されている場合において、便座・便蓋が閉じる位置に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、駆動モータや駆動手段を異常過負荷から保護できる便座・便蓋の開閉装置を提供することを第１の課題とする。
【００１０】
また、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御される便座・便蓋の開閉装置において、便座・便蓋が手動で閉じる方向へ回動されて駆動モータにブレーキが作用している場合に、便座・便蓋が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、駆動モータや駆動手段を異常過負荷から保護できることを第２の課題とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
第１の課題を解決するために成された請求項１に係る発明は、便座又は便蓋を開閉駆動するための駆動モータと、前記駆動モータの駆動力を伝達する歯車列からなる駆動手段と、前記駆動手段を駆動制御するためのコンピュータ制御手段と、前記便座又は前記便蓋が開閉動作中に前記駆動手段に外部から作用する力を検知するための荷重検知手段と、を有し、前記コンピュータ制御手段は、前記駆動手段が開閉駆動中に、前記駆動モータへの通電を停止する通電停止制御を行うとともに、前記便座又は前記便蓋が閉じる位置に到達するまで、前記駆動モータの端子間を短絡する端子短絡制御を行う一方、前記端子短絡制御が行われている間に、前記荷重検知手段の電気信号の論理状態が変化したときは、前記端子短絡制御を解除すること、を特徴としている。
【００１２】
すなわち、本発明の便座・便蓋の開閉装置は、コンピュータ制御手段で駆動手段を駆動制御すると、駆動手段の歯車列が駆動モータの駆動力を便座又は便蓋に伝達するので、便座又は便蓋を開閉駆動することができる。さらに、コンピュータ制御手段は、駆動手段が開閉駆動中に、駆動モータへの通電を停止する通電停止制御を行うとともに駆動モータの端子間を短絡する端子短絡制御を行うことにより、駆動モータの回転にブレーキをかけて、便座又は便蓋を開ける位置又は閉じる位置に到達させている。このとき、便座又は便蓋を強制的に回動させると、荷重検知手段の電気信号の論理状態が変化してコンピュータ制御手段が端子短絡制御の解除を行うことから、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することがなく、また、駆動モータがブレーキに抗して回転することもない。従って、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御されている場合において、便座・便蓋が閉じる位置に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、駆動モータや駆動手段を異常過負荷から保護できる。
【００１３】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、コンピュータ制御手段で開閉動作中の便座又は便蓋を強制的に回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、駆動手段の剛性を大きくする必要がなく、駆動手段を小型化することが可能となる。
【００１４】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、コンピュータ制御手段で開閉動作中の便座又は便蓋を強制的に回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御されている場合において、便座・便蓋が強制的に正方向・逆方向へ回転されても、便座・便蓋が破損することを防止できる。
【００１５】
また、第２の課題を解決するために成された請求項２に係る発明は、便座又は便蓋を開閉駆動するための駆動モータと、前記駆動モータの駆動力を伝達する歯車列からなる駆動手段と、前記駆動手段を駆動制御するためのコンピュータ制御手段と、前記便座又は前記便蓋が開閉動作中に前記駆動手段に外部から作用する力を検知するための荷重検知手段と、を有し、前記コンピュータ制御手段は、前記便座又は前記便蓋が手動で閉動作されると、前記便座又は前記便蓋が閉じる位置に到達するまで、前記駆動モータの端子間を短絡する端子短絡制御を行う一方、前記端子短絡制御が行われている間に、前記荷重検知手段の電気信号の論理状態が変化したときは、前記端子短絡制御を解除すること、を特徴としている。
【００１６】
すなわち、本発明の便座・便蓋の開閉装置は、コンピュータ制御手段で駆動手段を駆動制御すると、駆動手段の歯車列が駆動モータの駆動力を便座又は便蓋に伝達するので、便座又は便蓋を開閉駆動することができるものであり、さらに、便座又は便蓋を手動でも閉動作することができる。そして、便座又は便蓋が手動で閉動作されると、コンピュータ制御手段は、便座又は便蓋が閉じる位置に到達するまで、駆動モータの端子間を短絡する端子短絡制御を行うことにより、駆動モータの回転にブレーキをかけるので、便座又は便蓋の自重が回転トルクとして働いても、便座又は便蓋の閉動作の速度は減速されて、便座又は便蓋が急激に閉動作されることはない。さらに、便座又は便蓋が手動で閉動作されている最中に、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させる力が外部から駆動手段に作用し、荷重検知手段の電気信号の論理状態が変化する。これにより、コンピュータ制御手段は、端子短絡制御の解除し、駆動モータの回転に対するブレーキの解除を行うので、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することがなく、また、駆動モータがブレーキに抗して回転することもない。従って、本発明は、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御される便座・便蓋の開閉装置であり、便座・便蓋が手動で閉じる方向へ回動されて駆動モータにブレーキが作用している場合に、便座・便蓋が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、駆動モータや駆動手段を異常過負荷から保護できる。
【００１７】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、便座又は便蓋が手動で閉動作されている最中に、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、駆動手段の剛性を大きくする必要がなく、駆動手段を小型化することが可能となる。
【００１８】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、便座又は便蓋が手動で閉動作されている最中に、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、便座・便蓋が手動で閉じる方向へ回動されて駆動モータにブレーキが作用している場合に、便座・便蓋が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便座・便蓋が破損することを防止できる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置は、便器に設置されるものである。また、図７や図８に示すように、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２は、操作部が突設された後部装置収納部２１に対して、便蓋２３や便座２４が回動自在に取り付けられている。また、後部装置収納部２１の内部には、便蓋２３及び便座２４の片側のヒンジ部が連結された電動開閉駆動装置４が組み込まれている。さらに、後部装置収納部２１の内部には、制御回路２６や、脱臭装置２７、人体検出用光学センサ２８、洗浄ノズル装置２９などが内臓されている。尚、人体検出用光学センサ２８は、一体的に設けられた前面フィルターを介して、後部装置収納部２１の前面の上部隅に配置されている。
【００２０】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２は、後部装置収納部２１の操作部において、洗浄強さ調節ダイヤルなどの各種スイッチが配列されている。また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２は、リモコンスイッチを備えている。この点、リモコンスイッチには、洗浄・乾燥・便器洗浄などの各種スイッチ類が側面に配列されている。さらに、便蓋２３や便座２４を開閉させるためのスイッチ類が上面に配列されており、これにより、便蓋２３や便座２４に触れることなく、便蓋２３や便座２４を開閉させることができる。
【００２１】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２は、図９に示すように、電動開閉駆動装置４において、便蓋用駆動モータ４５ｆと、便座用駆動モータ４５ｚ、多数の歯車等から構成されるギヤ伝達手段４６（「駆動手段」に相当するもの）などがケース４１の内部に組み込まれており、ケース４１から突設された便座用出力軸４２と便蓋用出力軸４３に対して、便蓋用駆動モータ４５ｆや便座用駆動モータ４５ｚの駆動力をギヤ伝達手段４６で伝えている。
【００２２】
具体的には、図２に示すように、便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆを噛み合わせることにより、第４の二段ギア４６５ｆに軸止された便蓋用出力軸４３を回動させる。同様にして、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚを噛み合わせることにより、第４の二段ギア４６５ｚに軸止された便座用出力軸４２を回動させる。
【００２３】
尚、図２においては、第３の二段ギア４６４ｆ，４６４ｚと第４の二段ギア４６５ｆ，４６５ｚは、それぞれ重複して記載されている。また、便蓋用駆動モータ４５ｆと便座用駆動モータ４５ｚの回転は、ホールＩＣの回転センサ４８ｆ，４８ｚでそれぞれ検知される。
【００２４】
また、図１において、図２の線Ａ−Ａで電動開閉駆動装置４を切断したもの（便座２４の開閉駆動系）を示す。図１に示すように、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚの先端には、「荷重検知手段」としての便座用リミットスイッチ４７ｚが設けられている。かかる便座用リミットスイッチ４７ｚは、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸のウォームギア４６１ｚの先端に可動接点が設けられるとともに、ケース４１の固定部材に固定接点が設けられており、可動接点がばねに抗して押動されることにより、可動接点と固定接点とが当接する構造になっている。
【００２５】
そして、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座２４を手動で閉じる方向に回転させると、便座用出力軸４２を軸止した第４の二段ギア４６５ｚが回転し、さらに、第３の二段ギア４６４ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第１の二段ギア４６２ｚ、ウォームギア４６１ｚが回転して、かかるウォームギア４６１ｚが設けられた便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸を押動させるので、便座用リミットスイッチ４７ｚの可動接点と固定接点とを当接させることができる。
【００２６】
また、図１には図示されていないが、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸の後端にも、「荷重検知手段」としての便座用リミットスイッチ４９ｚ（上述した便座用リミットスイッチ４７ｚと同じ構造のもの）が設けられている（図３参照）。
【００２７】
そして、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座２４を手動で開ける方向に回転させると、便座用出力軸４２を軸止した第４の二段ギア４６５ｚが回転し、さらに、第３の二段ギア４６４ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第１の二段ギア４６２ｚ、ウォームギア４６１ｚが回転して、かかるウォームギア４６１ｚが設けられた便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸を押動させるので、便座用リミットスイッチ４９ｚの可動接点と固定接点とを当接させることができる。
【００２８】
また、図３に、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２のブロック図を示す。
図３に示すように、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２においては、制御回路２６に対し、便蓋用駆動モータ４５ｆや、便座用駆動モータ４５ｚ、回転センサ４８ｆ，４８ｚ、便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ、ギア伝達手段４６を構成するギアの位置を検知するためのセンサ４４ｆ，４４ｚ，４８ｆ，４８ｚなどが接続されている。
【００２９】
尚、ギア伝達手段４６を構成するギアには、上述したように、第１の二段ギア４６２ｆ，４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｆ，４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｆ，４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｆ，４６５ｚ、ウォームギア４６１ｆ，４６１ｚなどがあり、ギア伝達手段４６を構成するギアの位置を検知することにより、便蓋２３や便座２４の位置をも認識することができる。
【００３０】
次に、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２において、便座２５の開動作を行う場合の作用を図４のフローチャートに基づいて説明する。先ず、図４に示すように、Ｓ１０において、動作スタート信号がＯＮか否かを判断する。具体的には、リモコンスイッチ３から開信号を受け、且つ、便座２４が閉位置にあることをセンサ４４ｚで認識したときに、動作スタート信号がＯＮされる。ここで、動作スタート信号がＯＮであると判断しない場合には（Ｓ１０：Ｎｏ）、Ｓ１０の判断を繰り返す。一方、動作スタート信号がＯＮであると判断する場合には（Ｓ１０：Ｙｅｓ）、Ｓ１１に進んで、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の開方向に回転させる。
【００３１】
そして、Ｓ１２において、便座２４の動作角度が１０度以上であるか否かを判断する。具体的には、便座２４の閉位置からの角度をセンサ４４ｚで認識する。ここで、便座２４の動作角度が１０度以上であると判断しない場合には（Ｓ１２：Ｎｏ）、後述するＳ１５に進む。一方、便座２４の動作角度が１０度以上であると判断する場合には（Ｓ１２：Ｙｅｓ）、Ｓ１３に進んで、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔は正常か否かを判断する。
【００３２】
すなわち、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の開方向に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸のウォームギア４６１ｚが回転し、続いて、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが回転して、便座用出力軸４２が便座２４の開方向に回転されるので、便座２４の開動作を行うことができる。従って、便座２４の開動作が正常のときは、便座用駆動モータ４５ｚの回転も安定するので、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔により、便座２４の開動作が正常であるか否かを判断することができる。
【００３３】
ここで、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔は正常であると判断する場合には（Ｓ１３：Ｙｅｓ）、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであることを条件として（Ｓ１４：Ｙｅｓ）、Ｓ１５に進む。そして、Ｓ１５において、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたか否かを判断する。
【００３４】
すなわち、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の開方向に回転させた場合には、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数により、便座２４の位置を認識するので、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数が所定数に達したか否かにより、便座２４が開位置にあるか否かを判断することができる。
【００３５】
従って、ここで、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたと判断する場合には（Ｓ１５：Ｙｅｓ）、便座２４が開位置にあるとし、Ｓ１６に進んで、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止して、便座２４の開動作を終了させる。一方、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたと判断しない場合には（Ｓ１５：Ｎｏ）、便座２４が開位置にないとし、Ｓ１１に戻って、上述した処理を繰り返す。
【００３６】
また、上述したＳ１３において、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔は正常であると判断しない場合には（Ｓ１３：Ｎｏ）、Ｓ１７に進んで、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止するとともに、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを開始し、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであることを条件として（Ｓ１８：Ｙｅｓ）、Ｓ１９に進んで、便座２４の開動作を中止させる（通常のソフト閉止）。
【００３７】
具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の開方向に回転させた場合に、便座２４を強制的に静止状態にすると、便座用駆動モータ４５ｚの回転が遅くなって停止し、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔も長くなっていくことから、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔が所定時間を越えたときには、便座２４が強制的に静止状態になったとみなし、図６の回路図（図３や図７の制御回路２６に搭載されたもの）により、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止するとともに、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを開始する。この点、図６の回路図においては、マイコン２６１（「コンピュータ制御手段」に相当するもの）でリレー２６４をＯＮすることにより、便座用駆動モータ４５ｚの端子間を短絡し、便座用駆動モータ４５ｚの回転による発電電流が便座用駆動モータ４５ｚに流れることにより、便座用駆動モータ４５ｚの回転にブレーキを作用させる。
【００３８】
また、上述したＳ１４において、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであると判断しない場合には（Ｓ１４：Ｎｏ）、Ｓ２２に進んで、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止して、便座２４の開動作を中止させる（Ｓ２１の緊急の衝撃閉止）。具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の開方向に回転させた場合に、便座２４を閉方向に強制的に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４７ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止する。また、便座２４を開方向に強制的に回転させても、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４９ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４９ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４９ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止する。
【００３９】
一方、上述したＳ１８において、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであると判断しない場合には（Ｓ１８：Ｎｏ）、Ｓ２０に進んで、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除して、便座２４の開動作を中止させる（Ｓ２１の緊急の衝撃閉止）。具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の開方向に回転させた場合に、便座２４を強制的に静止状態にするだけでなく、さらに、便座２４を閉方向に強制的に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４７ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除する。また、便座２４を開方向に強制的に回転させても、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４９ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４９ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４９ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除する。この点、図６の回路図においては、マイコン２６１でリレー２６４をＯＦＦすることにより、便座用駆動モータ４５ｚの端子間の短絡を解除して、便座用駆動モータ４５ｚの回転に対するブレーキを解除する。
【００４０】
次に、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２において、便座２５の閉動作を行う場合の作用を図５のフローチャートに基づいて説明する。先ず、図５に示すように、Ｓ３１において、動作スタート信号がＯＮか否かを判断する。具体的には、リモコンスイッチ３から閉信号を受け、且つ、便座２４が開位置にあることをセンサ４４ｚで認識したときに、動作スタート信号がＯＮされる。ここで、動作スタート信号がＯＮであると判断しない場合には（Ｓ３１：Ｎｏ）、Ｓ３１の判断を繰り返す。一方、動作スタート信号がＯＮであると判断する場合には（Ｓ３１：Ｙｅｓ）、Ｓ３２に進んで、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させる。尚、便座用駆動モータ４５ｚの回転方向の切替は、図６の回路図において、トランジスタ２６２，２６３のいずれかに電流を流すことによって行われる、
【００４１】
そして、Ｓ３３において、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔は正常か否かを判断する。すなわち、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸のウォームギア４６１ｚが回転し、続いて、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが回転して、便座用出力軸４２が便座２４の閉方向に回転されるので、便座２４の閉動作を行うことができる。従って、便座２４の閉動作が正常のときは、便座用駆動モータ４５ｚの回転も安定するので、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔により、便座２４の閉動作が正常であるか否かを判断することができる。
【００４２】
ここで、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔は正常であると判断する場合には（Ｓ３３：Ｙｅｓ）、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであることを条件として（Ｓ３４：Ｙｅｓ）、Ｓ３５に進む。そして、Ｓ３５において、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたか否かを判断する。
【００４３】
すなわち、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させた場合には、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数により、便座２４の位置を認識するので、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数が所定数に達したか否かにより、便座２４が閉位置（図８参照）の直前にあるか否かを判断することができる。
【００４４】
従って、ここで、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたと判断する場合には（Ｓ３５：Ｙｅｓ）、便座２４が閉位置の直前にあるとし、Ｓ３６に進んで、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止するとともに、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを開始する。そして、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであることを条件として（Ｓ３７：Ｙｅｓ）、Ｓ３８に進んで、便座２４が自重により閉位置にソフトに停止するソフト閉止動作を行い、便座２４の閉動作を終了させる（Ｓ３９のソフト閉止終了）。このとき、便座２４は、図８に示す閉位置にある。一方、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたと判断しない場合には（Ｓ３５：Ｎｏ）、便座２４が閉位置の直前にないとし、Ｓ３２に戻って、上述した処理を繰り返す。
【００４５】
また、上述したＳ３３において、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔は正常であると判断しない場合には（Ｓ３３：Ｎｏ）、Ｓ４０に進んで、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止するとともに、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを開始し、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであることを条件として（Ｓ４１：Ｙｅｓ）、Ｓ３９に進んで、便座２４の閉動作を終了させる。
【００４６】
具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させた場合に、便座２４を強制的に静止状態にすると、便座用駆動モータ４５ｚの回転が遅くなって停止し、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔も長くなっていくことから、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔が所定時間を越えたときには、便座２４が強制的に静止状態になったとみなし、図６の回路図により、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止するとともに、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを開始する。この点、図６の回路図においては、マイコン２６１でリレー２６４をＯＮすることにより、便座用駆動モータ４５ｚの端子間を短絡し、便座用駆動モータ４５ｚの回転による発電電流が便座用駆動モータ４５ｚに流れることにより、便座用駆動モータ４５ｚの回転にブレーキを作用させる。
【００４７】
また、上述したＳ３４において、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであると判断しない場合には（Ｓ３４：Ｎｏ）、Ｓ４３に進んで、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止して、便座２４の閉動作を中止させる（Ｓ４２の緊急の衝撃閉止）。具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させた場合に、便座２４を開方向に強制的に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４９ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４９ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４９ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止する。また、便座２４を閉方向に強制的に回転させても、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４７ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止する。
【００４８】
一方、上述したＳ４１において、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであると判断しない場合には（Ｓ４１：Ｎｏ）、Ｓ４５に進んで、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除した後に、便座２４の閉動作を中止させる（Ｓ４２の緊急の衝撃閉止）。具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させた場合に、便座２４を強制的に静止状態にするだけでなく、さらに、便座２４を開方向に強制的に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４９ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４９ｚの可動接点と固定接点を当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４９ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除する。また、便座２４を閉方向に強制的に回転させても、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４７ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止する。この点、図６の回路図においては、マイコン２６１でリレー２６４をＯＦＦすることにより、便座用駆動モータ４５ｚの端子間の短絡を解除して、便座用駆動モータ４５ｚの回転に対するブレーキを解除する。
【００４９】
さらに、上述したＳ３７において、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであると判断しない場合には（Ｓ３７：Ｎｏ）、Ｓ４４に進んで、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除した後に、便座２４の閉動作を中止させる（Ｓ４２の緊急の衝撃閉止）。具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させた場合に、便座２４が閉位置の直前にあっても、便座２４を開方向に強制的に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４９ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４９ｚの可動接点と固定接点を当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４９ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除する。また、便座２４を閉方向に強制的に回転させても、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４７ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除する。この点、図６の回路図においては、マイコン２６１でリレー２６４をＯＦＦすることにより、便座用駆動モータ４５ｚの端子間の短絡を解除して、便座用駆動モータ４５ｚの回転に対するブレーキを解除する。
【００５０】
以上詳細に説明したように、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、マイコン２６１で便座用駆動モータ４５ｚを回転させると（Ｓ３２）、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｚに軸止された便座用出力軸４２が回動するので、便座２４を閉方向に回転させることができる。
【００５１】
尚、説明の便宜上、以下、ウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚを、単に、「ギア伝達手段４６」という。
【００５２】
そして、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたと判断する場合には（Ｓ３５：Ｙｅｓ）、便座２４が閉位置の直前にあるとし、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止するとともに、便座２４が閉位置（図８参照）に到達するまで、便座用駆動モータ４５ｚの端子間を短絡することにより便座用駆動モータ４５ｚの回転にブレーキをかけて（Ｓ３６）、便座２４の閉動作を終了させている（Ｓ３９）。
【００５３】
さらに、便座用駆動モータ４５ｚの端子間が短絡されている間に、例えば、使用者がバランスを崩して便座２４に手を突いたときなど、閉動作中の便座２４を外力で強制的に回動させると、ウォームギア４６１ｚが取り付けられた便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に推力が発生して、ウォームギア４６１ｚが取り付けられた便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚを押下する。これにより、便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚが閉じられ（Ｓ３７：Ｎｏ）、便座用駆動モータ４５ｚの端子間の短絡を解除するので（Ｓ４４）、便座２４や、便座用駆動モータ４５ｚ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することはなく、また、便座用駆動モータ４５ｚがブレーキに抗して回転することもない。
【００５４】
従って、マイコン２６１で便座用駆動モータ４５ｚを回転させて（Ｓ３２）、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｚに軸止された便座用出力軸４２が回動し、便座２４が閉方向に回転されている場合において、便座２４が閉位置（図８参照）に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便座用駆動モータ４５ｚや「ギア伝達手段４６」を異常過負荷から保護できる。
【００５５】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、マイコン２６１で便座用駆動モータ４５ｚを回転させて（Ｓ３２）、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｚに軸止された便座用出力軸４２が回動し、便座２４が閉方向に回転されている場合において、例えば、使用者がバランスを崩して便座２４に手を突いたときなど、便座２４を外力で強制的に回動させると（Ｓ３７：Ｎｏ）、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり（Ｓ４４）、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することを防止しているので、「ギア伝達手段４６」の剛性を大きくする必要がなく、「ギア伝達手段４６」を小型化することが可能となる。
【００５６】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、マイコン２６１で便座用駆動モータ４５ｚを回転させて（Ｓ３２）、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｚに軸止された便座用出力軸４２が回動し、便座２４が閉方向に回転されている場合において、例えば、使用者がバランスを崩して便座２４に手を突いたときなど、便座２４を外力で強制的に回動させると（Ｓ３７：Ｎｏ）、便座２４や、便座用駆動モータ４５ｚ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり（Ｓ４４）、大きな曲げ応力が便座２４に作用することを防止しているので、便座２４が強制的に正方向・逆方向へ回転されても、便座２４が破損することを防止できる。
【００５７】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、２個の便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚを備えていたが（図３参照）、この点、便座２３を人の動作で急激に持ち上げることは、構造上難しく、手を突くなどの便座２３の閉方向の急激な動作のときよりも、「ギア伝達手段４６」に対する衝撃力は穏やかなものになる。従って、外力による便座２３の開方向の回転においては（図４参照）、回転センサ４８ｚで便座用駆動モータ４５ｚの回転パルスの間隔を読み取り、回転パルスの間隔が所定時間を超えたときに、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止することによっても、「ギア伝達手段４６」を殆どの異常過負荷から保護できるので、便座用リミットスイッチ４９ｚを省くことも可能である。
【００５８】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座２４の開閉動作について図４や図５のフローチャートで説明したが、便蓋２３の開閉動作についても、図４や図５のフローチャートで同様に説明することができる。従って、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、マイコン２６１で便蓋用駆動モータ４５ｆを回転させると（Ｓ３２）、便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｆに軸止された便蓋用出力軸４３が回動するので、便蓋４３を閉方向に回転させることができる。
【００５９】
尚、説明の便宜上、以下、ウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆを、単に、「ギア伝達手段４６」という。
【００６０】
そして、回転センサ４８ｆで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたと判断する場合には（Ｓ３５：Ｙｅｓ）、便蓋２３が閉位置の直前にあるとし、便蓋用駆動モータ４５ｆへの通電を停止するとともに、便蓋２３が閉位置（図８参照）に到達するまで、便蓋用駆動モータ４５ｆの端子間を短絡することにより便蓋用駆動モータ４５ｆの回転にブレーキをかけて（Ｓ３６）、便蓋２３の閉動作を終了させている（Ｓ３９）。
【００６１】
さらに、便蓋用駆動モータ４５ｆの端子間が短絡されている間に、例えば、使用者がバランスを崩して便蓋２３に手を突いたときなど、閉動作中の便蓋２３を外力で強制的に回動させると、ウォームギア４６１ｆが取り付けられた便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に推力が発生して、ウォームギア４６１ｆが取り付けられた便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸が、２個の便蓋用リミットスイッチのいずれかを押下する。これにより、２個の便蓋用リミットスイッチのいずれかが閉じられ（Ｓ３７：Ｎｏ）、便蓋用駆動モータ４５ｆの端子間の短絡を解除するので（Ｓ４４）、便蓋２４や、便蓋用駆動モータ４５ｆ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することはなく、また、便蓋用駆動モータ４５ｆがブレーキに抗して回転することもない。
【００６２】
従って、マイコン２６１で便蓋用駆動モータ４５ｆを回転させて（Ｓ３２）、便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｆに軸止された便蓋用出力軸４３が回動し、便蓋２３が閉方向に回転されている場合において、便蓋２３が閉位置（図８参照）に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便蓋用駆動モータ４５ｆや「ギア伝達手段４６」を異常過負荷から保護できる。
【００６３】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、マイコン２６１で便蓋用駆動モータ４５ｆを回転させて（Ｓ３２）、便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｆに軸止された便蓋用出力軸４３が回動し、便蓋２３が閉方向に回転されている場合において、例えば、使用者がバランスを崩して便蓋２３に手を突いたときなど、便蓋２３を外力で強制的に回動させると（Ｓ３７：Ｎｏ）、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり（Ｓ４４）、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することを防止しているので、「ギア伝達手段４６」の剛性を大きくする必要がなく、「ギア伝達手段４６」を小型化することが可能となる。
【００６４】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、マイコン２６１で便蓋用駆動モータ４５ｆを回転させて（Ｓ３２）、便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｆに軸止された便蓋用出力軸４３が回動し、便蓋２３が閉方向に回転されている場合において、例えば、使用者がバランスを崩して便蓋２３に手を突いたときなど、便蓋２３を外力で強制的に回動させると（Ｓ３７：Ｎｏ）、便蓋２３や、便蓋用駆動モータ４５ｆ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり（Ｓ４４）、大きな曲げ応力が便蓋２３に作用することを防止しているので、便蓋２３が強制的に正方向・逆方向へ回転されても、便蓋２３が破損することを防止できる。
【００６５】
もっとも、便蓋２３については、その構造上から、全体の剛性が便座２４のものよりも相当に低いのが一般的である。従って、便蓋２３が強制的に正方向・逆方向へ回転されても、その剛性が低い分だけ、便蓋２３が撓むことにより、衝撃力を吸収しやすい構造になっている。また、便蓋用出力軸４３についても、その使用環境から、洗剤や尿成分に強くて適度な撓りを持つ材質（例えば、フィラー入りの樹脂など）を採用することができ、さらに、その構造上からも、便蓋用出力軸４３が撓むことにより、衝撃力を吸収しやすい構造になっている。従って、２個の便蓋用リミットスイッチを設けなくても、「ギア伝達手段４６」を異常過負荷から保護できる場合や、便蓋２３が破損することを防止できる場合もある。
【００６６】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座２４が閉方向に回転されている場合において、便座２４が閉位置（図８参照）に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときについて説明しているが（図５のＳ４４参照）、便座２４が開方向に回転されている場合においても、同様に実施することができ、すなわち、便座２４が閉位置（図８参照）に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときに、便座用駆動モータ４５ｚの端子間の短絡を解除して、便座２４や、便座用駆動モータ４５ｚ、「ギア伝達手段４６」をフリーに回転できる状態にしてもよい。尚、この点は、便蓋２３についても同様である。
【００６７】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２は、図４や図５に示すように、マイコン２６１で便座用駆動モータ４５ｚを回転させて（Ｓ１１，Ｓ３２）、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｚに軸止された便座用出力軸４２が回動し、便座２４が開方向・閉方向に回転されるものであるが、さらに、便座２４を手動でも閉動作することができる。
【００６８】
尚、説明の便宜上、以下、ウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚを、単に、「ギア伝達手段４６」という。
【００６９】
この点、フローチャートによる図示はしないが、便座２４が手動で閉動作されると、マイコン２６１は、便座２４が閉位置（図８参照）に到達するまで、便座用駆動モータ４５ｚの端子間を短絡することにより、便座用駆動モータ４５ｚの回転にブレーキをかければ、便座２４の自重が回転トルクとして働いても、便座２４の閉動作の速度は減速されるので、便座２４が急激に閉動作されることはない。
【００７０】
さらに、便座２４が手動で閉動作されている最中に、使用者が便座２４を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、ウォームギア４６１ｚが取り付けられた便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に推力が発生して、ウォームギア４６１ｚが取り付けられた便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚを押下する。これにより、フローチャートによる図示はしないが、マイコン２６１は、便座用駆動モータ４５ｚの端子間の短絡を解除し、便座用駆動モータ４５ｚの回転に対するブレーキの解除を行えば、便座２４や、便座用駆動モータ４５ｚ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することがなく、また、便座用駆動モータ４５ｚがブレーキに抗して回転することもない。
【００７１】
従って、便座２４が手動で閉じる方向へ回動されて便座用駆動モータ４５ｚにブレーキが作用している場合に、便座２４が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便座用駆動モータ４５ｚや「ギア伝達手段４６」を異常過負荷から保護できる。
【００７２】
また、便座２４が手動で閉動作されている最中に、便座２４を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座２４や、便座用駆動モータ４５ｚ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することを防止しているので、「ギア伝達手段４６」の剛性を大きくする必要がなく、「ギア伝達手段４６」を小型化することが可能となる。
【００７３】
また、便座２４が手動で閉動作されている最中に、便座２４を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座２４や、便座用駆動モータ４５ｚ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することを防止しているので、便座２４が手動で閉じる方向へ回動されて便座用駆動モータ４５ｚにブレーキが作用している場合に、便座２４が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便座２４が破損することを防止できる。
【００７４】
そして、これらの点は、便蓋２３を手動で閉動作する際も同様である。すなわち、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２は、図４や図５に示すように、マイコン２６１で便蓋用駆動モータ４５ｆを回転させて（Ｓ１１，Ｓ３２）、便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｆに軸止された便蓋用出力軸４３が回動し、便蓋２３が開方向・閉方向に回転されるものであるが、さらに、便蓋２３を手動でも閉動作することができる。
【００７５】
尚、説明の便宜上、以下、ウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆを、単に、「ギア伝達手段４６」という。
【００７６】
この点、フローチャートによる図示はしないが、便蓋２３が手動で閉動作されると、マイコン２６１は、便蓋２３が閉位置（図８参照）に到達するまで、便蓋用駆動モータ４５ｆの端子間を短絡することにより、便蓋用駆動モータ４５ｆの回転にブレーキをかければ、便蓋２３の自重が回転トルクとして働いても、便蓋２３の閉動作の速度は減速されるので、便蓋２３が急激に閉動作されることはない。
【００７７】
さらに、便蓋２３が手動で閉動作されている最中に、使用者が便蓋２３を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、ウォームギア４６１ｆが取り付けられた便蓋用駆動モータ４５ｆ駆動軸に推力が発生して、ウォームギア４６１ｆが取り付けられた便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸が２個の便蓋用リミットスイッチのいずれかを押下する。これにより、フローチャートによる図示はしないが、マイコン２６１は、便蓋用駆動モータ４５ｆの端子間の短絡を解除し、便蓋用駆動モータ４５ｆの回転に対するブレーキの解除を行えば、便蓋２３や、便蓋用駆動モータ４５ｆ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することがなく、また、便蓋用駆動モータ４５ｆがブレーキに抗して回転することもない。
【００７８】
従って、便蓋２３が手動で閉じる方向へ回動されて便蓋用駆動モータ４５ｆにブレーキが作用している場合に、便蓋２３が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便蓋用駆動モータ４５ｆや「ギア伝達手段４６」を異常過負荷から保護できる。
【００７９】
また、便蓋２３が手動で閉動作されている最中に、便蓋２３を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便蓋２３や、便蓋用駆動モータ４５ｆ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することを防止しているので、「ギア伝達手段４６」の剛性を大きくする必要がなく、「ギア伝達手段４６」を小型化することが可能となる。
【００８０】
また、便蓋２３が手動で閉動作されている最中に、便蓋２３を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便蓋２３や、便蓋用駆動モータ４５ｆ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することを防止しているので、便蓋２３が手動で閉じる方向へ回動されて便蓋用駆動モータ４５ｆにブレーキが作用している場合に、便蓋２３が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便蓋２３が破損することを防止できる。
【００８１】
【発明の効果】
本発明の便座・便蓋の開閉装置は、コンピュータ制御手段で駆動手段を駆動制御すると、駆動手段の歯車列が駆動モータの駆動力を便座又は便蓋に伝達するので、便座又は便蓋を開閉駆動することができる。さらに、コンピュータ制御手段は、駆動モータへの通電を停止する通電停止制御を行うとともに駆動モータの端子間を短絡する端子短絡制御を行うことにより、駆動モータの回転にブレーキをかけて、便座又は便蓋を開ける位置又は閉じる位置に到達させている。このとき、便座又は便蓋を強制的に回動させると、荷重検知手段の電気信号の論理状態が変化してコンピュータ制御手段が端子短絡制御の解除を行うことから、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することがなく、また、駆動モータがブレーキに抗して回転することもない。従って、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御されている場合において、便座・便蓋が閉じる位置に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、駆動モータや駆動手段を異常過負荷から保護できる。
【００８２】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、コンピュータ制御手段で開閉動作中の便座又は便蓋を強制的に回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、駆動手段の剛性を大きくする必要がなく、駆動手段を小型化することが可能となる。
【００８３】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、コンピュータ制御手段で開閉動作中の便座又は便蓋を強制的に回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御されている場合において、便座・便蓋が強制的に正方向・逆方向へ回転されても、便座・便蓋が破損することを防止できる。
【００８４】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置は、コンピュータ制御手段で駆動手段を駆動制御すると、駆動手段の歯車列が駆動モータの駆動力を便座又は便蓋に伝達するので、便座又は便蓋を開閉駆動することができるものであり、さらに、便座又は便蓋を手動でも閉動作することができる。そして、便座又は便蓋が手動で閉動作されると、コンピュータ制御手段は、便座又は便蓋が閉じる位置に到達するまで、駆動モータの端子間を短絡する端子短絡制御を行うことにより、駆動モータの回転にブレーキをかけるので、便座又は便蓋の自重が回転トルクとして働いても、便座又は便蓋の閉動作の速度は減速されて、便座又は便蓋が急激に閉動作されることはない。さらに、便座又は便蓋が手動で閉動作されている最中に、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させる力が外部から駆動手段に作用し、荷重検知手段の電気信号の論理状態が変化する。これにより、コンピュータ制御手段は、端子短絡制御の解除し、駆動モータの回転に対するブレーキの解除を行うので、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することがなく、また、駆動モータがブレーキに抗して回転することもない。従って、本発明は、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御される便座・便蓋の開閉装置であり、便座・便蓋が手動で閉じる方向へ回動されて駆動モータにブレーキが作用している場合に、便座・便蓋が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、駆動モータや駆動手段を異常過負荷から保護できる。
【００８５】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、便座又は便蓋が手動で閉動作されている最中に、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、駆動手段の剛性を大きくする必要がなく、駆動手段を小型化することが可能となる。
【００８６】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、便座又は便蓋が手動で閉動作されている最中に、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、便座・便蓋が手動で閉じる方向へ回動されて駆動モータにブレーキが作用している場合に、便座・便蓋が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便座・便蓋が破損することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の便座・便蓋の開閉装置において、図２の線Ａ−Ａで電動開閉駆動装置を切断した図である。
【図２】本発明の便座・便蓋の開閉装置において、電動開閉駆動装置の内部を示す図である。
【図３】本発明の便座・便蓋の開閉装置において、電動開閉駆動装置と制御回路との間のブロック図である。
【図４】本発明の便座・便蓋の開閉装置において、便座の開動作を行う場合のフローチャート図である。
【図５】本発明の便座・便蓋の開閉装置において、便座の閉動作を行う場合のフローチャート図である。
【図６】本発明の便座・便蓋の開閉装置において、便座用駆動モータの端子間を短絡させる制御回路を示した図である。
【図７】本発明の便座・便蓋の開閉装置の平面図である。
【図８】本発明の便座・便蓋の開閉装置の側面図である。
【図９】本発明の便座・便蓋の開閉装置の電動開閉駆動装置を示す図である。
【符号の説明】
２ 便座・便蓋の開閉装置
２３ 便蓋
２４ 便座
４５ｆ 便蓋用駆動モータ
４５ｚ 便座用駆動モータ
４６ ギア伝達手段
４７ｚ 便座用リミットスイッチ
４９ｚ 便座用リミットスイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、便座又は便蓋が自動的に開閉される便座・便蓋の開閉装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、便座・便蓋が自動的に開閉される便座・便蓋の開閉装置には、例えば、実用新案登録第２５５５８２６号に記載されているように、便座・便蓋を自動的に開閉している最中の駆動モータの回転運動の有無を検出し、駆動モータの回転運動が無いときに、駆動モータを停止し又は逆転させることにより、便蓋上に物が置かれるなどの異常過負荷から駆動モータを保護するものがある。
【０００３】
さらに、閉じる方向に回転する便座・便蓋が閉位置の直前にまで到達したことを、駆動モータの回転数などで検知し、このときに、駆動モータを減速させれば、便蓋の閉動作をスムーズに終了させることができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、閉じる方向に回転する便座・便蓋が閉位置の直前にまで到達したことを検知した後に、便座・便蓋を強制的に閉じる方向へ回転させると、このとき、駆動モータには減速によるブレーキが作用していることから、駆動モータの駆動力を便座・便蓋に伝達するギヤに大きなトルクが作用して、強度の弱いギヤの部分が破損するおそれがあった。
【０００５】
また、閉じる方向に回転する便座・便蓋が閉位置の直前にまで到達したことを検知した後に、便座・便蓋を強制的に開ける方向へ回転させても、このとき、駆動モータには減速によるブレーキが作用していることから、駆動モータの駆動力を便座・便蓋に伝達するギヤに大きなトルクが作用して、強度の弱いギヤの部分が破損するおそれがあった。
【０００６】
そして、これらの点は、開ける方向に回転する便座・便蓋が開位置の直前にまで到達したことを検知し、このとき、駆動モータを減速させて、便蓋の開動作をスムーズに終了させる場合でも同様である。
【０００７】
また、従来の便座・便蓋の開閉装置では、便座・便蓋を自動的でなく手動で閉じる場合には、便座・便蓋の自重が回転トルクとして働き、便座・便蓋の閉方向への回転速度が加速されるので、例えば、便座・便蓋を自動的に開閉させるための駆動モータにブレーキをかけて、便座・便蓋の閉方向への回転速度を減速させることにより、便座・便蓋を手動で閉じる際に便座・便蓋が急激に閉じることを防止しているが、このとき、さらに、便座・便蓋を強制的に手動開方向・閉方向に回転させると、便座・便蓋を自動的に開閉させるための駆動モータに既にブレーキがかかっていることから、駆動モータの駆動力を便座・便蓋に伝達するギヤに大きなトルクが作用して、強度の弱いギヤの部分が破損するおそれがあった。また、ギヤが破損しなくとも、ブレーキが作用している駆動モータを、ギヤを介して、強制的に回転させることになるので、駆動モータが損傷するおそれがあった。
【０００８】
もっとも、便座・便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回転させる行為は、一般に、取扱説明書などで禁止されているが、実使用においては、よろけたり・ついうっかりして蓋に手を突くケースなどがあり、使用者側で完全に防ぎきれないことから、製品側で構造的に対応することが望ましいものであった。
【０００９】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御されている場合において、便座・便蓋が閉じる位置に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、駆動モータや駆動手段を異常過負荷から保護できる便座・便蓋の開閉装置を提供することを第１の課題とする。
【００１０】
また、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御される便座・便蓋の開閉装置において、便座・便蓋が手動で閉じる方向へ回動されて駆動モータにブレーキが作用している場合に、便座・便蓋が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、駆動モータや駆動手段を異常過負荷から保護できることを第２の課題とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
第１の課題を解決するために成された請求項１に係る発明は、便座又は便蓋を開閉駆動するための駆動モータと、前記駆動モータの駆動力を伝達する歯車列からなる駆動手段と、前記駆動手段を駆動制御するためのコンピュータ制御手段と、前記便座又は前記便蓋が開閉動作中に前記駆動手段に外部から作用する力を検知するための荷重検知手段と、を有し、前記コンピュータ制御手段は、前記駆動手段が開閉駆動中に、前記駆動モータへの通電を停止する通電停止制御を行うとともに、前記便座又は前記便蓋が閉じる位置に到達するまで、前記駆動モータの端子間を短絡する端子短絡制御を行う一方、前記端子短絡制御が行われている間に、前記荷重検知手段の電気信号の論理状態が変化したときは、前記端子短絡制御を解除すること、を特徴としている。
【００１２】
すなわち、本発明の便座・便蓋の開閉装置は、コンピュータ制御手段で駆動手段を駆動制御すると、駆動手段の歯車列が駆動モータの駆動力を便座又は便蓋に伝達するので、便座又は便蓋を開閉駆動することができる。さらに、コンピュータ制御手段は、駆動手段が開閉駆動中に、駆動モータへの通電を停止する通電停止制御を行うとともに駆動モータの端子間を短絡する端子短絡制御を行うことにより、駆動モータの回転にブレーキをかけて、便座又は便蓋を開ける位置又は閉じる位置に到達させている。このとき、便座又は便蓋を強制的に回動させると、荷重検知手段の電気信号の論理状態が変化してコンピュータ制御手段が端子短絡制御の解除を行うことから、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することがなく、また、駆動モータがブレーキに抗して回転することもない。従って、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御されている場合において、便座・便蓋が閉じる位置に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、駆動モータや駆動手段を異常過負荷から保護できる。
【００１３】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、コンピュータ制御手段で開閉動作中の便座又は便蓋を強制的に回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、駆動手段の剛性を大きくする必要がなく、駆動手段を小型化することが可能となる。
【００１４】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、コンピュータ制御手段で開閉動作中の便座又は便蓋を強制的に回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御されている場合において、便座・便蓋が強制的に正方向・逆方向へ回転されても、便座・便蓋が破損することを防止できる。
【００１５】
また、第２の課題を解決するために成された請求項２に係る発明は、便座又は便蓋を開閉駆動するための駆動モータと、前記駆動モータの駆動力を伝達する歯車列からなる駆動手段と、前記駆動手段を駆動制御するためのコンピュータ制御手段と、前記便座又は前記便蓋が開閉動作中に前記駆動手段に外部から作用する力を検知するための荷重検知手段と、を有し、前記コンピュータ制御手段は、前記便座又は前記便蓋が手動で閉動作されると、前記便座又は前記便蓋が閉じる位置に到達するまで、前記駆動モータの端子間を短絡する端子短絡制御を行う一方、前記端子短絡制御が行われている間に、前記荷重検知手段の電気信号の論理状態が変化したときは、前記端子短絡制御を解除すること、を特徴としている。
【００１６】
すなわち、本発明の便座・便蓋の開閉装置は、コンピュータ制御手段で駆動手段を駆動制御すると、駆動手段の歯車列が駆動モータの駆動力を便座又は便蓋に伝達するので、便座又は便蓋を開閉駆動することができるものであり、さらに、便座又は便蓋を手動でも閉動作することができる。そして、便座又は便蓋が手動で閉動作されると、コンピュータ制御手段は、便座又は便蓋が閉じる位置に到達するまで、駆動モータの端子間を短絡する端子短絡制御を行うことにより、駆動モータの回転にブレーキをかけるので、便座又は便蓋の自重が回転トルクとして働いても、便座又は便蓋の閉動作の速度は減速されて、便座又は便蓋が急激に閉動作されることはない。さらに、便座又は便蓋が手動で閉動作されている最中に、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させる力が外部から駆動手段に作用し、荷重検知手段の電気信号の論理状態が変化する。これにより、コンピュータ制御手段は、端子短絡制御の解除し、駆動モータの回転に対するブレーキの解除を行うので、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することがなく、また、駆動モータがブレーキに抗して回転することもない。従って、本発明は、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御される便座・便蓋の開閉装置であり、便座・便蓋が手動で閉じる方向へ回動されて駆動モータにブレーキが作用している場合に、便座・便蓋が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、駆動モータや駆動手段を異常過負荷から保護できる。
【００１７】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、便座又は便蓋が手動で閉動作されている最中に、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、駆動手段の剛性を大きくする必要がなく、駆動手段を小型化することが可能となる。
【００１８】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、便座又は便蓋が手動で閉動作されている最中に、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、便座・便蓋が手動で閉じる方向へ回動されて駆動モータにブレーキが作用している場合に、便座・便蓋が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便座・便蓋が破損することを防止できる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置は、便器に設置されるものである。また、図７や図８に示すように、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２は、操作部が突設された後部装置収納部２１に対して、便蓋２３や便座２４が回動自在に取り付けられている。また、後部装置収納部２１の内部には、便蓋２３及び便座２４の片側のヒンジ部が連結された電動開閉駆動装置４が組み込まれている。さらに、後部装置収納部２１の内部には、制御回路２６や、脱臭装置２７、人体検出用光学センサ２８、洗浄ノズル装置２９などが内臓されている。尚、人体検出用光学センサ２８は、一体的に設けられた前面フィルターを介して、後部装置収納部２１の前面の上部隅に配置されている。
【００２０】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２は、後部装置収納部２１の操作部において、洗浄強さ調節ダイヤルなどの各種スイッチが配列されている。また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２は、リモコンスイッチを備えている。この点、リモコンスイッチには、洗浄・乾燥・便器洗浄などの各種スイッチ類が側面に配列されている。さらに、便蓋２３や便座２４を開閉させるためのスイッチ類が上面に配列されており、これにより、便蓋２３や便座２４に触れることなく、便蓋２３や便座２４を開閉させることができる。
【００２１】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２は、図９に示すように、電動開閉駆動装置４において、便蓋用駆動モータ４５ｆと、便座用駆動モータ４５ｚ、多数の歯車等から構成されるギヤ伝達手段４６（「駆動手段」に相当するもの）などがケース４１の内部に組み込まれており、ケース４１から突設された便座用出力軸４２と便蓋用出力軸４３に対して、便蓋用駆動モータ４５ｆや便座用駆動モータ４５ｚの駆動力をギヤ伝達手段４６で伝えている。
【００２２】
具体的には、図２に示すように、便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆを噛み合わせることにより、第４の二段ギア４６５ｆに軸止された便蓋用出力軸４３を回動させる。同様にして、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚを噛み合わせることにより、第４の二段ギア４６５ｚに軸止された便座用出力軸４２を回動させる。
【００２３】
尚、図２においては、第３の二段ギア４６４ｆ，４６４ｚと第４の二段ギア４６５ｆ，４６５ｚは、それぞれ重複して記載されている。また、便蓋用駆動モータ４５ｆと便座用駆動モータ４５ｚの回転は、ホールＩＣの回転センサ４８ｆ，４８ｚでそれぞれ検知される。
【００２４】
また、図１において、図２の線Ａ−Ａで電動開閉駆動装置４を切断したもの（便座２４の開閉駆動系）を示す。図１に示すように、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚの先端には、「荷重検知手段」としての便座用リミットスイッチ４７ｚが設けられている。かかる便座用リミットスイッチ４７ｚは、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸のウォームギア４６１ｚの先端に可動接点が設けられるとともに、ケース４１の固定部材に固定接点が設けられており、可動接点がばねに抗して押動されることにより、可動接点と固定接点とが当接する構造になっている。
【００２５】
そして、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座２４を手動で閉じる方向に回転させると、便座用出力軸４２を軸止した第４の二段ギア４６５ｚが回転し、さらに、第３の二段ギア４６４ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第１の二段ギア４６２ｚ、ウォームギア４６１ｚが回転して、かかるウォームギア４６１ｚが設けられた便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸を押動させるので、便座用リミットスイッチ４７ｚの可動接点と固定接点とを当接させることができる。
【００２６】
また、図１には図示されていないが、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸の後端にも、「荷重検知手段」としての便座用リミットスイッチ４９ｚ（上述した便座用リミットスイッチ４７ｚと同じ構造のもの）が設けられている（図３参照）。
【００２７】
そして、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座２４を手動で開ける方向に回転させると、便座用出力軸４２を軸止した第４の二段ギア４６５ｚが回転し、さらに、第３の二段ギア４６４ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第１の二段ギア４６２ｚ、ウォームギア４６１ｚが回転して、かかるウォームギア４６１ｚが設けられた便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸を押動させるので、便座用リミットスイッチ４９ｚの可動接点と固定接点とを当接させることができる。
【００２８】
また、図３に、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２のブロック図を示す。
図３に示すように、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２においては、制御回路２６に対し、便蓋用駆動モータ４５ｆや、便座用駆動モータ４５ｚ、回転センサ４８ｆ，４８ｚ、便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ、ギア伝達手段４６を構成するギアの位置を検知するためのセンサ４４ｆ，４４ｚ，４８ｆ，４８ｚなどが接続されている。
【００２９】
尚、ギア伝達手段４６を構成するギアには、上述したように、第１の二段ギア４６２ｆ，４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｆ，４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｆ，４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｆ，４６５ｚ、ウォームギア４６１ｆ，４６１ｚなどがあり、ギア伝達手段４６を構成するギアの位置を検知することにより、便蓋２３や便座２４の位置をも認識することができる。
【００３０】
次に、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２において、便座２５の開動作を行う場合の作用を図４のフローチャートに基づいて説明する。先ず、図４に示すように、Ｓ１０において、動作スタート信号がＯＮか否かを判断する。具体的には、リモコンスイッチ３から開信号を受け、且つ、便座２４が閉位置にあることをセンサ４４ｚで認識したときに、動作スタート信号がＯＮされる。ここで、動作スタート信号がＯＮであると判断しない場合には（Ｓ１０：Ｎｏ）、Ｓ１０の判断を繰り返す。一方、動作スタート信号がＯＮであると判断する場合には（Ｓ１０：Ｙｅｓ）、Ｓ１１に進んで、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の開方向に回転させる。
【００３１】
そして、Ｓ１２において、便座２４の動作角度が１０度以上であるか否かを判断する。具体的には、便座２４の閉位置からの角度をセンサ４４ｚで認識する。ここで、便座２４の動作角度が１０度以上であると判断しない場合には（Ｓ１２：Ｎｏ）、後述するＳ１５に進む。一方、便座２４の動作角度が１０度以上であると判断する場合には（Ｓ１２：Ｙｅｓ）、Ｓ１３に進んで、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔は正常か否かを判断する。
【００３２】
すなわち、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の開方向に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸のウォームギア４６１ｚが回転し、続いて、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが回転して、便座用出力軸４２が便座２４の開方向に回転されるので、便座２４の開動作を行うことができる。従って、便座２４の開動作が正常のときは、便座用駆動モータ４５ｚの回転も安定するので、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔により、便座２４の開動作が正常であるか否かを判断することができる。
【００３３】
ここで、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔は正常であると判断する場合には（Ｓ１３：Ｙｅｓ）、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであることを条件として（Ｓ１４：Ｙｅｓ）、Ｓ１５に進む。そして、Ｓ１５において、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたか否かを判断する。
【００３４】
すなわち、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の開方向に回転させた場合には、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数により、便座２４の位置を認識するので、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数が所定数に達したか否かにより、便座２４が開位置にあるか否かを判断することができる。
【００３５】
従って、ここで、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたと判断する場合には（Ｓ１５：Ｙｅｓ）、便座２４が開位置にあるとし、Ｓ１６に進んで、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止して、便座２４の開動作を終了させる。一方、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたと判断しない場合には（Ｓ１５：Ｎｏ）、便座２４が開位置にないとし、Ｓ１１に戻って、上述した処理を繰り返す。
【００３６】
また、上述したＳ１３において、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔は正常であると判断しない場合には（Ｓ１３：Ｎｏ）、Ｓ１７に進んで、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止するとともに、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを開始し、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであることを条件として（Ｓ１８：Ｙｅｓ）、Ｓ１９に進んで、便座２４の開動作を中止させる（通常のソフト閉止）。
【００３７】
具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の開方向に回転させた場合に、便座２４を強制的に静止状態にすると、便座用駆動モータ４５ｚの回転が遅くなって停止し、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔も長くなっていくことから、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔が所定時間を越えたときには、便座２４が強制的に静止状態になったとみなし、図６の回路図（図３や図７の制御回路２６に搭載されたもの）により、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止するとともに、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを開始する。この点、図６の回路図においては、マイコン２６１（「コンピュータ制御手段」に相当するもの）でリレー２６４をＯＮすることにより、便座用駆動モータ４５ｚの端子間を短絡し、便座用駆動モータ４５ｚの回転による発電電流が便座用駆動モータ４５ｚに流れることにより、便座用駆動モータ４５ｚの回転にブレーキを作用させる。
【００３８】
また、上述したＳ１４において、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであると判断しない場合には（Ｓ１４：Ｎｏ）、Ｓ２２に進んで、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止して、便座２４の開動作を中止させる（Ｓ２１の緊急の衝撃閉止）。具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の開方向に回転させた場合に、便座２４を閉方向に強制的に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４７ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止する。また、便座２４を開方向に強制的に回転させても、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４９ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４９ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４９ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止する。
【００３９】
一方、上述したＳ１８において、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであると判断しない場合には（Ｓ１８：Ｎｏ）、Ｓ２０に進んで、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除して、便座２４の開動作を中止させる（Ｓ２１の緊急の衝撃閉止）。具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の開方向に回転させた場合に、便座２４を強制的に静止状態にするだけでなく、さらに、便座２４を閉方向に強制的に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４７ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除する。また、便座２４を開方向に強制的に回転させても、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４９ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４９ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４９ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除する。この点、図６の回路図においては、マイコン２６１でリレー２６４をＯＦＦすることにより、便座用駆動モータ４５ｚの端子間の短絡を解除して、便座用駆動モータ４５ｚの回転に対するブレーキを解除する。
【００４０】
次に、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２において、便座２５の閉動作を行う場合の作用を図５のフローチャートに基づいて説明する。先ず、図５に示すように、Ｓ３１において、動作スタート信号がＯＮか否かを判断する。具体的には、リモコンスイッチ３から閉信号を受け、且つ、便座２４が開位置にあることをセンサ４４ｚで認識したときに、動作スタート信号がＯＮされる。ここで、動作スタート信号がＯＮであると判断しない場合には（Ｓ３１：Ｎｏ）、Ｓ３１の判断を繰り返す。一方、動作スタート信号がＯＮであると判断する場合には（Ｓ３１：Ｙｅｓ）、Ｓ３２に進んで、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させる。尚、便座用駆動モータ４５ｚの回転方向の切替は、図６の回路図において、トランジスタ２６２，２６３のいずれかに電流を流すことによって行われる、
【００４１】
そして、Ｓ３３において、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔は正常か否かを判断する。すなわち、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸のウォームギア４６１ｚが回転し、続いて、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが回転して、便座用出力軸４２が便座２４の閉方向に回転されるので、便座２４の閉動作を行うことができる。従って、便座２４の閉動作が正常のときは、便座用駆動モータ４５ｚの回転も安定するので、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔により、便座２４の閉動作が正常であるか否かを判断することができる。
【００４２】
ここで、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔は正常であると判断する場合には（Ｓ３３：Ｙｅｓ）、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであることを条件として（Ｓ３４：Ｙｅｓ）、Ｓ３５に進む。そして、Ｓ３５において、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたか否かを判断する。
【００４３】
すなわち、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させた場合には、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数により、便座２４の位置を認識するので、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数が所定数に達したか否かにより、便座２４が閉位置（図８参照）の直前にあるか否かを判断することができる。
【００４４】
従って、ここで、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたと判断する場合には（Ｓ３５：Ｙｅｓ）、便座２４が閉位置の直前にあるとし、Ｓ３６に進んで、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止するとともに、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを開始する。そして、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであることを条件として（Ｓ３７：Ｙｅｓ）、Ｓ３８に進んで、便座２４が自重により閉位置にソフトに停止するソフト閉止動作を行い、便座２４の閉動作を終了させる（Ｓ３９のソフト閉止終了）。このとき、便座２４は、図８に示す閉位置にある。一方、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたと判断しない場合には（Ｓ３５：Ｎｏ）、便座２４が閉位置の直前にないとし、Ｓ３２に戻って、上述した処理を繰り返す。
【００４５】
また、上述したＳ３３において、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔は正常であると判断しない場合には（Ｓ３３：Ｎｏ）、Ｓ４０に進んで、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止するとともに、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを開始し、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであることを条件として（Ｓ４１：Ｙｅｓ）、Ｓ３９に進んで、便座２４の閉動作を終了させる。
【００４６】
具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させた場合に、便座２４を強制的に静止状態にすると、便座用駆動モータ４５ｚの回転が遅くなって停止し、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔も長くなっていくことから、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの間隔が所定時間を越えたときには、便座２４が強制的に静止状態になったとみなし、図６の回路図により、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止するとともに、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを開始する。この点、図６の回路図においては、マイコン２６１でリレー２６４をＯＮすることにより、便座用駆動モータ４５ｚの端子間を短絡し、便座用駆動モータ４５ｚの回転による発電電流が便座用駆動モータ４５ｚに流れることにより、便座用駆動モータ４５ｚの回転にブレーキを作用させる。
【００４７】
また、上述したＳ３４において、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであると判断しない場合には（Ｓ３４：Ｎｏ）、Ｓ４３に進んで、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止して、便座２４の閉動作を中止させる（Ｓ４２の緊急の衝撃閉止）。具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させた場合に、便座２４を開方向に強制的に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４９ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４９ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４９ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止する。また、便座２４を閉方向に強制的に回転させても、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４７ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止する。
【００４８】
一方、上述したＳ４１において、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであると判断しない場合には（Ｓ４１：Ｎｏ）、Ｓ４５に進んで、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除した後に、便座２４の閉動作を中止させる（Ｓ４２の緊急の衝撃閉止）。具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させた場合に、便座２４を強制的に静止状態にするだけでなく、さらに、便座２４を開方向に強制的に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４９ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４９ｚの可動接点と固定接点を当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４９ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除する。また、便座２４を閉方向に強制的に回転させても、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４７ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止する。この点、図６の回路図においては、マイコン２６１でリレー２６４をＯＦＦすることにより、便座用駆動モータ４５ｚの端子間の短絡を解除して、便座用駆動モータ４５ｚの回転に対するブレーキを解除する。
【００４９】
さらに、上述したＳ３７において、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚ）がＯＦＦであると判断しない場合には（Ｓ３７：Ｎｏ）、Ｓ４４に進んで、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除した後に、便座２４の閉動作を中止させる（Ｓ４２の緊急の衝撃閉止）。具体的には、便座用駆動モータ４５ｚを便座２４の閉方向に回転させた場合に、便座２４が閉位置の直前にあっても、便座２４を開方向に強制的に回転させると、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４９ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４９ｚの可動接点と固定接点を当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４９ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除する。また、便座２４を閉方向に強制的に回転させても、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚを押下し、便座用リミットスイッチ４７ｚの可動接点と固定接点とを当接させるので、これにより、過負荷検知ＳＷ（便座用リミットスイッチ４７ｚ）がＯＮされ、便座用駆動モータ４５ｚに対する発電ブレーキを解除する。この点、図６の回路図においては、マイコン２６１でリレー２６４をＯＦＦすることにより、便座用駆動モータ４５ｚの端子間の短絡を解除して、便座用駆動モータ４５ｚの回転に対するブレーキを解除する。
【００５０】
以上詳細に説明したように、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、マイコン２６１で便座用駆動モータ４５ｚを回転させると（Ｓ３２）、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｚに軸止された便座用出力軸４２が回動するので、便座２４を閉方向に回転させることができる。
【００５１】
尚、説明の便宜上、以下、ウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚを、単に、「ギア伝達手段４６」という。
【００５２】
そして、回転センサ４８ｚで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたと判断する場合には（Ｓ３５：Ｙｅｓ）、便座２４が閉位置の直前にあるとし、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止するとともに、便座２４が閉位置（図８参照）に到達するまで、便座用駆動モータ４５ｚの端子間を短絡することにより便座用駆動モータ４５ｚの回転にブレーキをかけて（Ｓ３６）、便座２４の閉動作を終了させている（Ｓ３９）。
【００５３】
さらに、便座用駆動モータ４５ｚの端子間が短絡されている間に、例えば、使用者がバランスを崩して便座２４に手を突いたときなど、閉動作中の便座２４を外力で強制的に回動させると、ウォームギア４６１ｚが取り付けられた便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に推力が発生して、ウォームギア４６１ｚが取り付けられた便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚを押下する。これにより、便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚが閉じられ（Ｓ３７：Ｎｏ）、便座用駆動モータ４５ｚの端子間の短絡を解除するので（Ｓ４４）、便座２４や、便座用駆動モータ４５ｚ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することはなく、また、便座用駆動モータ４５ｚがブレーキに抗して回転することもない。
【００５４】
従って、マイコン２６１で便座用駆動モータ４５ｚを回転させて（Ｓ３２）、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｚに軸止された便座用出力軸４２が回動し、便座２４が閉方向に回転されている場合において、便座２４が閉位置（図８参照）に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便座用駆動モータ４５ｚや「ギア伝達手段４６」を異常過負荷から保護できる。
【００５５】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、マイコン２６１で便座用駆動モータ４５ｚを回転させて（Ｓ３２）、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｚに軸止された便座用出力軸４２が回動し、便座２４が閉方向に回転されている場合において、例えば、使用者がバランスを崩して便座２４に手を突いたときなど、便座２４を外力で強制的に回動させると（Ｓ３７：Ｎｏ）、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり（Ｓ４４）、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することを防止しているので、「ギア伝達手段４６」の剛性を大きくする必要がなく、「ギア伝達手段４６」を小型化することが可能となる。
【００５６】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、マイコン２６１で便座用駆動モータ４５ｚを回転させて（Ｓ３２）、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｚに軸止された便座用出力軸４２が回動し、便座２４が閉方向に回転されている場合において、例えば、使用者がバランスを崩して便座２４に手を突いたときなど、便座２４を外力で強制的に回動させると（Ｓ３７：Ｎｏ）、便座２４や、便座用駆動モータ４５ｚ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり（Ｓ４４）、大きな曲げ応力が便座２４に作用することを防止しているので、便座２４が強制的に正方向・逆方向へ回転されても、便座２４が破損することを防止できる。
【００５７】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、２個の便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚを備えていたが（図３参照）、この点、便座２３を人の動作で急激に持ち上げることは、構造上難しく、手を突くなどの便座２３の閉方向の急激な動作のときよりも、「ギア伝達手段４６」に対する衝撃力は穏やかなものになる。従って、外力による便座２３の開方向の回転においては（図４参照）、回転センサ４８ｚで便座用駆動モータ４５ｚの回転パルスの間隔を読み取り、回転パルスの間隔が所定時間を超えたときに、便座用駆動モータ４５ｚへの通電を停止することによっても、「ギア伝達手段４６」を殆どの異常過負荷から保護できるので、便座用リミットスイッチ４９ｚを省くことも可能である。
【００５８】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座２４の開閉動作について図４や図５のフローチャートで説明したが、便蓋２３の開閉動作についても、図４や図５のフローチャートで同様に説明することができる。従って、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、マイコン２６１で便蓋用駆動モータ４５ｆを回転させると（Ｓ３２）、便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｆに軸止された便蓋用出力軸４３が回動するので、便蓋４３を閉方向に回転させることができる。
【００５９】
尚、説明の便宜上、以下、ウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆを、単に、「ギア伝達手段４６」という。
【００６０】
そして、回転センサ４８ｆで検知される回転パルスの数はカウントＵＰしたと判断する場合には（Ｓ３５：Ｙｅｓ）、便蓋２３が閉位置の直前にあるとし、便蓋用駆動モータ４５ｆへの通電を停止するとともに、便蓋２３が閉位置（図８参照）に到達するまで、便蓋用駆動モータ４５ｆの端子間を短絡することにより便蓋用駆動モータ４５ｆの回転にブレーキをかけて（Ｓ３６）、便蓋２３の閉動作を終了させている（Ｓ３９）。
【００６１】
さらに、便蓋用駆動モータ４５ｆの端子間が短絡されている間に、例えば、使用者がバランスを崩して便蓋２３に手を突いたときなど、閉動作中の便蓋２３を外力で強制的に回動させると、ウォームギア４６１ｆが取り付けられた便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に推力が発生して、ウォームギア４６１ｆが取り付けられた便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸が、２個の便蓋用リミットスイッチのいずれかを押下する。これにより、２個の便蓋用リミットスイッチのいずれかが閉じられ（Ｓ３７：Ｎｏ）、便蓋用駆動モータ４５ｆの端子間の短絡を解除するので（Ｓ４４）、便蓋２４や、便蓋用駆動モータ４５ｆ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することはなく、また、便蓋用駆動モータ４５ｆがブレーキに抗して回転することもない。
【００６２】
従って、マイコン２６１で便蓋用駆動モータ４５ｆを回転させて（Ｓ３２）、便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｆに軸止された便蓋用出力軸４３が回動し、便蓋２３が閉方向に回転されている場合において、便蓋２３が閉位置（図８参照）に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便蓋用駆動モータ４５ｆや「ギア伝達手段４６」を異常過負荷から保護できる。
【００６３】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、マイコン２６１で便蓋用駆動モータ４５ｆを回転させて（Ｓ３２）、便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｆに軸止された便蓋用出力軸４３が回動し、便蓋２３が閉方向に回転されている場合において、例えば、使用者がバランスを崩して便蓋２３に手を突いたときなど、便蓋２３を外力で強制的に回動させると（Ｓ３７：Ｎｏ）、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり（Ｓ４４）、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することを防止しているので、「ギア伝達手段４６」の剛性を大きくする必要がなく、「ギア伝達手段４６」を小型化することが可能となる。
【００６４】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、マイコン２６１で便蓋用駆動モータ４５ｆを回転させて（Ｓ３２）、便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｆに軸止された便蓋用出力軸４３が回動し、便蓋２３が閉方向に回転されている場合において、例えば、使用者がバランスを崩して便蓋２３に手を突いたときなど、便蓋２３を外力で強制的に回動させると（Ｓ３７：Ｎｏ）、便蓋２３や、便蓋用駆動モータ４５ｆ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり（Ｓ４４）、大きな曲げ応力が便蓋２３に作用することを防止しているので、便蓋２３が強制的に正方向・逆方向へ回転されても、便蓋２３が破損することを防止できる。
【００６５】
もっとも、便蓋２３については、その構造上から、全体の剛性が便座２４のものよりも相当に低いのが一般的である。従って、便蓋２３が強制的に正方向・逆方向へ回転されても、その剛性が低い分だけ、便蓋２３が撓むことにより、衝撃力を吸収しやすい構造になっている。また、便蓋用出力軸４３についても、その使用環境から、洗剤や尿成分に強くて適度な撓りを持つ材質（例えば、フィラー入りの樹脂など）を採用することができ、さらに、その構造上からも、便蓋用出力軸４３が撓むことにより、衝撃力を吸収しやすい構造になっている。従って、２個の便蓋用リミットスイッチを設けなくても、「ギア伝達手段４６」を異常過負荷から保護できる場合や、便蓋２３が破損することを防止できる場合もある。
【００６６】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２では、便座２４が閉方向に回転されている場合において、便座２４が閉位置（図８参照）に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときについて説明しているが（図５のＳ４４参照）、便座２４が開方向に回転されている場合においても、同様に実施することができ、すなわち、便座２４が閉位置（図８参照）に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときに、便座用駆動モータ４５ｚの端子間の短絡を解除して、便座２４や、便座用駆動モータ４５ｚ、「ギア伝達手段４６」をフリーに回転できる状態にしてもよい。尚、この点は、便蓋２３についても同様である。
【００６７】
また、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２は、図４や図５に示すように、マイコン２６１で便座用駆動モータ４５ｚを回転させて（Ｓ１１，Ｓ３２）、便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｚに軸止された便座用出力軸４２が回動し、便座２４が開方向・閉方向に回転されるものであるが、さらに、便座２４を手動でも閉動作することができる。
【００６８】
尚、説明の便宜上、以下、ウォームギア４６１ｚと、第１の二段ギア４６２ｚ、第２の二段ギア４６３ｚ、第３の二段ギア４６４ｚ、第４の二段ギア４６５ｚを、単に、「ギア伝達手段４６」という。
【００６９】
この点、フローチャートによる図示はしないが、便座２４が手動で閉動作されると、マイコン２６１は、便座２４が閉位置（図８参照）に到達するまで、便座用駆動モータ４５ｚの端子間を短絡することにより、便座用駆動モータ４５ｚの回転にブレーキをかければ、便座２４の自重が回転トルクとして働いても、便座２４の閉動作の速度は減速されるので、便座２４が急激に閉動作されることはない。
【００７０】
さらに、便座２４が手動で閉動作されている最中に、使用者が便座２４を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、ウォームギア４６１ｚが取り付けられた便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸に推力が発生して、ウォームギア４６１ｚが取り付けられた便座用駆動モータ４５ｚの駆動軸が便座用リミットスイッチ４７ｚ，４９ｚを押下する。これにより、フローチャートによる図示はしないが、マイコン２６１は、便座用駆動モータ４５ｚの端子間の短絡を解除し、便座用駆動モータ４５ｚの回転に対するブレーキの解除を行えば、便座２４や、便座用駆動モータ４５ｚ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することがなく、また、便座用駆動モータ４５ｚがブレーキに抗して回転することもない。
【００７１】
従って、便座２４が手動で閉じる方向へ回動されて便座用駆動モータ４５ｚにブレーキが作用している場合に、便座２４が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便座用駆動モータ４５ｚや「ギア伝達手段４６」を異常過負荷から保護できる。
【００７２】
また、便座２４が手動で閉動作されている最中に、便座２４を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座２４や、便座用駆動モータ４５ｚ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することを防止しているので、「ギア伝達手段４６」の剛性を大きくする必要がなく、「ギア伝達手段４６」を小型化することが可能となる。
【００７３】
また、便座２４が手動で閉動作されている最中に、便座２４を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座２４や、便座用駆動モータ４５ｚ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することを防止しているので、便座２４が手動で閉じる方向へ回動されて便座用駆動モータ４５ｚにブレーキが作用している場合に、便座２４が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便座２４が破損することを防止できる。
【００７４】
そして、これらの点は、便蓋２３を手動で閉動作する際も同様である。すなわち、本実施の形態の便座・便蓋の開閉装置２は、図４や図５に示すように、マイコン２６１で便蓋用駆動モータ４５ｆを回転させて（Ｓ１１，Ｓ３２）、便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸に取り付けられたウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆが噛み合うことにより、第４の二段ギア４６５ｆに軸止された便蓋用出力軸４３が回動し、便蓋２３が開方向・閉方向に回転されるものであるが、さらに、便蓋２３を手動でも閉動作することができる。
【００７５】
尚、説明の便宜上、以下、ウォームギア４６１ｆと、第１の二段ギア４６２ｆ、第２の二段ギア４６３ｆ、第３の二段ギア４６４ｆ、第４の二段ギア４６５ｆを、単に、「ギア伝達手段４６」という。
【００７６】
この点、フローチャートによる図示はしないが、便蓋２３が手動で閉動作されると、マイコン２６１は、便蓋２３が閉位置（図８参照）に到達するまで、便蓋用駆動モータ４５ｆの端子間を短絡することにより、便蓋用駆動モータ４５ｆの回転にブレーキをかければ、便蓋２３の自重が回転トルクとして働いても、便蓋２３の閉動作の速度は減速されるので、便蓋２３が急激に閉動作されることはない。
【００７７】
さらに、便蓋２３が手動で閉動作されている最中に、使用者が便蓋２３を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、ウォームギア４６１ｆが取り付けられた便蓋用駆動モータ４５ｆ駆動軸に推力が発生して、ウォームギア４６１ｆが取り付けられた便蓋用駆動モータ４５ｆの駆動軸が２個の便蓋用リミットスイッチのいずれかを押下する。これにより、フローチャートによる図示はしないが、マイコン２６１は、便蓋用駆動モータ４５ｆの端子間の短絡を解除し、便蓋用駆動モータ４５ｆの回転に対するブレーキの解除を行えば、便蓋２３や、便蓋用駆動モータ４５ｆ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することがなく、また、便蓋用駆動モータ４５ｆがブレーキに抗して回転することもない。
【００７８】
従って、便蓋２３が手動で閉じる方向へ回動されて便蓋用駆動モータ４５ｆにブレーキが作用している場合に、便蓋２３が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便蓋用駆動モータ４５ｆや「ギア伝達手段４６」を異常過負荷から保護できる。
【００７９】
また、便蓋２３が手動で閉動作されている最中に、便蓋２３を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便蓋２３や、便蓋用駆動モータ４５ｆ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することを防止しているので、「ギア伝達手段４６」の剛性を大きくする必要がなく、「ギア伝達手段４６」を小型化することが可能となる。
【００８０】
また、便蓋２３が手動で閉動作されている最中に、便蓋２３を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便蓋２３や、便蓋用駆動モータ４５ｆ、「ギア伝達手段４６」がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが「ギア伝達手段４６」に作用することを防止しているので、便蓋２３が手動で閉じる方向へ回動されて便蓋用駆動モータ４５ｆにブレーキが作用している場合に、便蓋２３が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便蓋２３が破損することを防止できる。
【００８１】
【発明の効果】
本発明の便座・便蓋の開閉装置は、コンピュータ制御手段で駆動手段を駆動制御すると、駆動手段の歯車列が駆動モータの駆動力を便座又は便蓋に伝達するので、便座又は便蓋を開閉駆動することができる。さらに、コンピュータ制御手段は、駆動モータへの通電を停止する通電停止制御を行うとともに駆動モータの端子間を短絡する端子短絡制御を行うことにより、駆動モータの回転にブレーキをかけて、便座又は便蓋を開ける位置又は閉じる位置に到達させている。このとき、便座又は便蓋を強制的に回動させると、荷重検知手段の電気信号の論理状態が変化してコンピュータ制御手段が端子短絡制御の解除を行うことから、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することがなく、また、駆動モータがブレーキに抗して回転することもない。従って、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御されている場合において、便座・便蓋が閉じる位置に到達するまでに強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、駆動モータや駆動手段を異常過負荷から保護できる。
【００８２】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、コンピュータ制御手段で開閉動作中の便座又は便蓋を強制的に回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、駆動手段の剛性を大きくする必要がなく、駆動手段を小型化することが可能となる。
【００８３】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、コンピュータ制御手段で開閉動作中の便座又は便蓋を強制的に回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御されている場合において、便座・便蓋が強制的に正方向・逆方向へ回転されても、便座・便蓋が破損することを防止できる。
【００８４】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置は、コンピュータ制御手段で駆動手段を駆動制御すると、駆動手段の歯車列が駆動モータの駆動力を便座又は便蓋に伝達するので、便座又は便蓋を開閉駆動することができるものであり、さらに、便座又は便蓋を手動でも閉動作することができる。そして、便座又は便蓋が手動で閉動作されると、コンピュータ制御手段は、便座又は便蓋が閉じる位置に到達するまで、駆動モータの端子間を短絡する端子短絡制御を行うことにより、駆動モータの回転にブレーキをかけるので、便座又は便蓋の自重が回転トルクとして働いても、便座又は便蓋の閉動作の速度は減速されて、便座又は便蓋が急激に閉動作されることはない。さらに、便座又は便蓋が手動で閉動作されている最中に、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させる力が外部から駆動手段に作用し、荷重検知手段の電気信号の論理状態が変化する。これにより、コンピュータ制御手段は、端子短絡制御の解除し、駆動モータの回転に対するブレーキの解除を行うので、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することがなく、また、駆動モータがブレーキに抗して回転することもない。従って、本発明は、駆動モータ及び駆動手段を介して便座・便蓋の開閉動作がコンピュータ制御される便座・便蓋の開閉装置であり、便座・便蓋が手動で閉じる方向へ回動されて駆動モータにブレーキが作用している場合に、便座・便蓋が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、駆動モータや駆動手段を異常過負荷から保護できる。
【００８５】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、便座又は便蓋が手動で閉動作されている最中に、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、駆動手段の剛性を大きくする必要がなく、駆動手段を小型化することが可能となる。
【００８６】
また、本発明の便座・便蓋の開閉装置では、便座又は便蓋が手動で閉動作されている最中に、便座又は便蓋を強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動させると、便座・便蓋や、駆動モータ、駆動手段がフリーに回転できる状態になり、大きなトルクが駆動手段に作用することを防止しているので、便座・便蓋が手動で閉じる方向へ回動されて駆動モータにブレーキが作用している場合に、便座・便蓋が強制的に閉じる方向・開ける方向へ回動されたときでも、便座・便蓋が破損することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の便座・便蓋の開閉装置において、図２の線Ａ−Ａで電動開閉駆動装置を切断した図である。
【図２】本発明の便座・便蓋の開閉装置において、電動開閉駆動装置の内部を示す図である。
【図３】本発明の便座・便蓋の開閉装置において、電動開閉駆動装置と制御回路との間のブロック図である。
【図４】本発明の便座・便蓋の開閉装置において、便座の開動作を行う場合のフローチャート図である。
【図５】本発明の便座・便蓋の開閉装置において、便座の閉動作を行う場合のフローチャート図である。
【図６】本発明の便座・便蓋の開閉装置において、便座用駆動モータの端子間を短絡させる制御回路を示した図である。
【図７】本発明の便座・便蓋の開閉装置の平面図である。
【図８】本発明の便座・便蓋の開閉装置の側面図である。
【図９】本発明の便座・便蓋の開閉装置の電動開閉駆動装置を示す図である。
【符号の説明】
２ 便座・便蓋の開閉装置
２３ 便蓋
２４ 便座
４５ｆ 便蓋用駆動モータ
４５ｚ 便座用駆動モータ
４６ ギア伝達手段
４７ｚ 便座用リミットスイッチ
４９ｚ 便座用リミットスイッチ
Claims (2)
- 便座又は便蓋を開閉駆動するための駆動モータと、
前記駆動モータの駆動力を伝達する歯車列を有する駆動手段と、
前記駆動モータの回転による回転パルスを検出する回転センサと、
前記駆動手段を駆動制御するためのコンピュータ制御手段と、
前記便座又は前記便蓋が開閉動作中に、前記駆動手段に対して作用する外力を検知するための荷重検知手段と、を有し、
前記コンピュータ制御手段は、前記駆動手段が閉駆動中に、前記駆動モータの回転パルスの数が所定数に達したときに、前記駆動モータへの通電を停止し、前記便座又は前記便蓋が閉じるまで、前記駆動モータの端子間を短絡させることにより、発電ブレーキを作動させ、前記発電ブレーキが作動している間に、前記荷重検知手段によって前記外力を検知したときには、前記駆動モータの端子間の短絡を解除することで前記発電ブレーキを解除すること、を特徴とする便座・便蓋の開閉装置。 - 便座又は便蓋を開閉駆動するための駆動モータと、
前記駆動モータの駆動力を伝達する歯車列からなる駆動手段と、
前記駆動手段を駆動制御するためのコンピュータ制御手段と、
前記便座又は前記便蓋が開閉動作中に前記駆動手段に外部から作用する力を検知するための荷重検知手段と、を有し、
前記コンピュータ制御手段は、前記便座又は前記便蓋が手動で閉動作されると、前記便座又は前記便蓋が閉じる位置に到達するまで、前記駆動モータの端子間を短絡する端子短絡制御を行う一方、前記端子短絡制御が行われている間に、前記荷重検知手段の電気信号の論理状態が変化したときは、前記端子短絡制御を解除すること、を特徴とする便座・便蓋の開閉装置。
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- 2001-08-31 JP JP2001263882A patent/JP4639554B2/ja not_active Expired - Fee Related
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