以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態について図面を参照して説明する。まず、パチンコ機1についての機械的構成の概略について図面を参照して説明する。図1はパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、略正方形の遊技盤2が設けられ、遊技盤2には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。パチンコ機1の遊技盤2の下方部には、図示外の発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられ、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には発射ハンドル7が、下皿6の上にはスピーカー48が設けられている。
次に、遊技盤2の機械的構造について図2及び図3を参照して説明する。図2はパチンコ機1の遊技盤2の正面図であり、図3は特別図柄表示装置8の正面図である。遊技盤2には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。遊技領域4の略中央には、LCDから構成された表示画面28や各種ランプ、LEDを備えた特別図柄表示装置8が設けられている。また、特別図柄表示装置8の右上方には電飾風車9が設けられ、左上方にも電飾風車10が設けられている。さらに、特別図柄表示装置8の右側には普通図柄始動ゲート11が設けられ、左側にも普通図柄始動ゲート12が設けられている。
また、特別図柄表示装置8の下側には、特別図柄始動電動役物15が設けられており、その特別図柄始動電動役物15の下方には、大入賞口16が設けられている。さらに、普通図柄始動ゲート11の下方には、入賞口19が設けられ、普通図柄始動ゲート12の下方には、入賞口20が設けられている。さらに、特別図柄表示装置8の下部には遊技盤2の表面から遊技盤2の奥方向に向かって遊技球を暫時載置可能にステージ21が水平に設けられ、特別図柄表示装置8の右肩にはワープ口22が設けられ、特別図柄表示装置8の左肩にはワープ口23が設けられている。これらのワープ口22,23を通過した遊技球が特別図柄表示装置8の内部(ワープゾーン)を通ってステージ21に現出するようになっている。ステージ21に現出した遊技球は、ステージ21の直下に設けられている特別図柄始動電動役物15に向かって落下するようになっている。
また、特別図柄表示装置8の上部には、7セグメントLEDから成る特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、特別図柄始動電動役物15に入賞したいわゆる保留球の数を0〜9の数字で表示することができる。また、特別図柄記憶数表示LED60の右斜め下方には、7セグメントLEDから成る普通図柄記憶数表示LED59が設けられており、この普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート11,12を通過した遊技球のいわゆる保留球数を0〜9の数字で表示することができる。尚、遊技盤2には、上記以外に、種々の電飾ランプ、その他のLED、風車および多数の障害釘等が設けられている。
次に、特別図柄表示装置8の構造及びここに表示される画面を説明する。尚、本実施の形態では、特別図柄表示装置8に表示される図柄の可変表示の一例として、図柄が上から下又は下から上にスクロールされて表示される図柄の変動表示を例に説明する。図3に示すように、特別図柄表示装置8の表示画面28には、左から特別図柄表示部L1、特別図柄表示部L3及び特別図柄表示部L2の順で3つの特別図柄表示部が横一列に配置されている。この特別図柄表示部L1〜L3には、後述する図柄が上から下方向にスクロールするように変動表示され、また、表示画面28上には、特別図柄表示部L1〜L3の背景画像やキャラクターやメッセージ等も表示されるようになっている。また、図3に示すように、特別図柄表示装置8の表示画面28には、普通図柄表示部24も表示され、当該普通図柄表示部24には、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。
特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄は、通常時はそれぞれ縦スクロール(上から下へのスクロール)されて、特別図柄表示部L1、特別図柄表示部L2、特別図柄表示部L3の順に停止するようになっている。尚、この特別図柄表示部L1〜L3の配置及び停止表示させる順序などは任意に変更できることはいうまでもない。また、特別図柄表示装置8は、上記の特別図柄表示部L1〜L3に特別図柄が常に表示されているわけではなく、これらの表示に代えて動画やメッセージ等も表示できるようになっている。また、特別図柄表示装置8は、裏面に図4に示す図柄表示基板44を備えている。
上記の特別図柄表示部L1〜L3に各々表示される図柄としては、本実施の形態の例では数字の「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」の10種類があり、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞して大当たりの抽選が開始されると、これら10種類の図柄が原則としてこの順序で順次表示される。大当たりである場合には、横1列に表示された3つの特別図柄が同じ数字や文字の図柄で揃った状態(例えば、「7、7、7」のように3つ揃った場合)で大当たり図柄が構成されて表示され、遊技者に大当たりが報知される。そして、大入賞口16が開放される特別遊技状態が生起され、大入賞口16内に設けられているVゾーン(図示外)に遊技球が入賞すると、大入賞口16の開放が再度行われ、所定回数(例えば、15回や16回等)まで繰り返される。
また、前記10図柄の内、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」を確率変動図柄(以下、「特定図柄」という。)とし、これらの内の何れかの図柄が横1列に同じ図柄で揃った場合には、確率変動突入とし、有利状態(特定遊技状態)として次の大当たりを引く確率を高くするように変更する。大当たりの確率は、一例としては、通常状態(低確率状態)では、315分の1であり、確率変動状態(高確率状態又は有利状態)では、63分の1であるが、必ずしもこの値に限られるものではない。尚、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」、は非確率変動図柄(以下、「非特定図柄」という。)であり、その後に大当たりを引く確率は通常状態となる。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。パチンコ機1の制御部40はパチンコ機1の裏側に設けられ、この制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47から構成され、主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51、フラグやカウンタ値やデータ等を記憶するRAM52と、制御プログラム及び各種の初期値のデータや特別図柄表示装置8への表示内容を指示するコマンドのデータ等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。
また、CPUユニット50には、割込リセット回路57が接続され、割込リセット回路57は、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎に、割込信号をCPU51に与えるようになっており、CPU51は、ROM53に記憶された制御プログラムに従って、パチンコ機1の制御を行う。尚、CPU51の一例としては、8ビット、16ビット、32ビット、64ビット等のCPUが使用されている。
また、主基板41には、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等とデータ信号の送受信を行うI/Oインターフェース54が設けられている。このI/Oインターフェース54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
また、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、及び電飾基板46にも、CPU(図示外)、RAM(図示外)、ROM(図示外)、I/Oインターフェース(図示外)等が各々搭載されている。尚、主基板41はパチンコ機1の主制御を司り、電源基板42は各基板に直流電流を供給し、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は特別図柄表示装置8の制御を行い、払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御し、中継基板47は、各センサーの配線の中継を行っている。
ここで、電飾基板46には、7セグメントのLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、7セグメントのLEDから構成された特別図柄記憶数表示LED60、その他のLED62及び電飾ランプ63が接続され、また、図柄表示基板44には特別図柄表示装置8が接続され、また、音基板43には、スピーカー48が接続され、また、払出制御基板45には、賞品球払出装置49が接続され、さらに、中継基板47には、大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート11,12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16内のVゾーンに入賞した遊技球を検出するVスイッチ74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口19,20に入賞して図示外の案内通路により入賞球集合部に集められた入賞球を検出する入賞口スイッチ76とが接続されている。
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46に各々接続されて、直流の安定化された電力が供給されるようになっている。尚、電源基板42には、交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等を供給できるようになっている。尚、図4では、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47は、全て、アースラインで接続されている。
次に、図5を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。RAM52には、ループカウンタ記憶エリア52a、特別図柄乱数記憶エリア52b、普通図柄乱数記憶エリア52c、特別図柄始動入賞数記憶エリア52d、普通図柄始動入賞数記憶エリア52e、大当たりフラグ記憶エリア52f、普通図柄大当たりフラグ記憶エリア52h、初期設定記憶エリア52l、入賞球フラグ記憶エリア52m、確率変動フラグ記憶エリア52n、第1停止図柄記憶エリア52o、第2停止図柄記憶エリア52p、第3停止図柄記憶エリア52q、図柄表示コマンド記憶エリア52r、大当たり抽選時期決定カウンタ記憶エリア52s、普通図柄当たり抽選時期決定カウンタ記憶エリア52t等が設けられている。特別図柄始動入賞数記憶エリア52dには、入賞球カウンタTKが記憶され、通図柄始動入賞数記憶エリア52eには、入賞球カウンタFKが記憶されている。
また、ループカウンタ記憶エリア52aには、図示外の普通図柄選択用ループカウンタLC1、大当たり判定用ループカウンタLC2、特別図柄作成カウンタLC3、特別図柄作成カウンタLC4、特別図柄作成カウンタLC5、リーチ判定カウンタLC6、リーチパターン決定カウンタLC7、大当たり抽選時期決定カウンタLC8等が各々記憶されている。これらのカウンタは設定された範囲の数値内を循環するように、図4に示す割込リセット回路57からのリセット信号に従って、一定間隔の時間(例えば、2ms)毎に所定量ずつインクリメントされ、各々設定されている最大値になると、次は、「0」に戻るように構成されている。これらのカウント値は、後述する大当たり抽選が行われたときに、特別図柄乱数記憶エリア52bに各々取り込まれて格納されるようになっている。
次に、各カウンタについて以下に詳述する。まず、普通図柄選択用ループカウンタLC1のカウント値(乱数)は、普通図柄表示部24に表示される図柄を決定するために使用される。カウント値は、電源投入時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms)に1加算され256以上で0クリアされる。従って、普通図柄選択用ループカウンタLC1のカウント値「0」から「255」までの何れかの値を取り、1周期は、512msとなる。
次に、大当たり判定用ループカウンタLC2のカウント値は、大当たりを判定するために使用される。電源投入時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms)に1加算され315以上で0クリアされる。従って、大当たり判定用ループカウンタLC2のカウント値は、「0」から「314」までの何れかの値を取り、1周期は、630msとなる。
特別図柄作成カウンタLC3のカウント値は、大当たりが表示される場合には、大当たり図柄を決定するために使用される。また、はずれリーチの場合は、特別図柄表示部L1、特別図柄表示部L2に表示される図柄を決定するために使用される。さらに、はずれ表示の場合は、特別図柄表示部L1に表示される第1停止図柄を決定するために使用される。この特別図柄作成カウンタLC3のカウント値は、電源投入時は「0」からスタートし、1割込毎(2msのリセット毎)に1加算され10以上で0クリアされる。従って、特別図柄作成カウンタLC3のカウント値は、「0」から「9」までの何れかの値を取り、1周期は20msとなる。
また、特別図柄作成カウンタLC4のカウント値は、はずれの場合、特別図柄表示部L2に表示される第2停止図柄を決定するために使用される。電源投入時は「0」からスタートし、10割込毎(20ms毎、特別図柄作成カウンタLC3の1周期毎)に「1」加算され、10以上で0クリアされる。従って、特別図柄作成カウンタLC4のカウント値は、「0」から「9」までの何れかの値を取り、1周期は、200msとなる。
さらに、特別図柄作成カウンタLC5のカウント値は、はずれの場合、特別図柄表示部L3に表示される第3停止図柄を決定するために使用される。電源投入時は「0」からスタートし、100割込毎(200ms毎、特別図柄作成カウンタLC4の1周期毎)に1加算され10以上で0クリアされる。従って、特別図柄作成カウンタLC5のカウント値は、「0」から「9」までの何れかの値を取り、1周期は、2000msとなる。
次に、リーチ判定カウンタLC6のカウント値は、はずれの場合にリーチ動作を行なうかどうか(はずれリーチ)を判定するために使用される。電源投入時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms毎)に1加算され「200」以上で「0」クリアされる。従って、リーチ判定カウンタLC6のカウント値は、「0」から「199」までの何れかの値を取り、1周期は、400msとなる。尚、リーチ判定カウンタLC6のカウント値が、「20」から「39」までの間の場合には、はずれリーチの動作が行われる。このはずれリーチでは、特別図柄表示部L1に停止表示される第1停止図柄(左図柄)と、特別図柄表示部L2に停止表示される第2停止図柄(右図柄)とが、同じ図柄となり、特別図柄表示部L3の図柄が所定時間だけ変動表示され、結局、特別図柄表示部L3に停止表示される第3停止図柄(中図柄)は、第1停止図柄及び第2停止図柄とは異なる図柄となるものである。
また、リーチパターン決定カウンタLC7のカウント値は、大当たり又ははずれリーチと判定された場合のリーチパターンを決定するために使用される。電源投入時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms毎)に1加算され「60」以上で「0」クリアされる。従って、リーチパターン決定カウンタLC7のカウント値は、「0」から「59」までの何れかの値を取り、リーチのパターンは60通りとなる。尚、1周期は、120msとなる。
また、大当たり抽選時期決定カウンタLC8のカウント値は、電源投入時は「0」からスタートし、1割込毎(2msのリセット毎)に1加算され11以上で0クリアされる。従って、大当たり抽選時期決定カウンタLC8のカウント値は、「0」から「10」までの何れかの値を取り、1周期は22msとなる。
尚、大当たり判定用ループカウンタLC2の最大カウント値は、単一の設定値としてもよいし、設定1、設定2、設定3というように、異なる値を選択して設定できる設定手段を設けてもよい。
次に、図6を参照して、ROM53の記憶エリアについて説明する。図6は、ROM53の記憶エリアの模式図である。図6に示すように、ROM53には、制御プログラム記憶エリア53aと、大当たりリーチパターンテーブル記憶エリア53bと、はずれリーチパターンテーブル記憶エリア53cと、大当たり抽選時期決定テーブル記憶エリア53d等が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図7を参照して、大当たりリーチパターン記憶エリア53bに記憶される大当たりリーチパターンテーブル100について説明する。図7は、大当たりリーチパターン記憶エリア53bに記憶される大当たりリーチパターンテーブル100の模式図である。図7に示すように、大当たりリーチパターンテーブル100は、リーチパターン決定カウンタLC7から取得した乱数の値に対応して、大当たり時に行われるリーチのパターンのコマンドを記憶したデータテーブルである。この大当たりリーチパターンテーブル100は、LC7の値に対応して、リーチ動作のパターンを示すコマンドを記憶している。
その一例としては、図7に示すように、LC7の値が「0」の時は、リーチの変動パターンコマンドは「0」で「ノーマルリーチ」を示し、そして、LC7の値が図示外の「1〜53」の時は、各々異なるリーチパターンのコマンドを記憶している。また、LC7の値が「54〜59」の時は、リーチの変動パターンコマンドは「54〜59」で「スペシャルリーチA〜F」を示している。
次に、図10を参照して、大当たり抽選時期決定テーブル記憶エリア53dに記憶される大当たり抽選時期決定テーブル101について説明する。図10は、大当たり抽選時期決定テーブル記憶エリア53dに記憶される大当たり抽選時期決定テーブル101の模式図である。図10に示すように、大当たり抽選時期決定テーブル101は、大当たり抽選時期決定カウンタLC8から取得した乱数の値に対応して、後述するベース変動時間内での大当たり抽選時期を記憶したデータテーブルである。
その一例としては、図10に示すように、LC8の値が「0」の時は、大当たり抽選時期は、ベース変動開始後0.1秒後であり、LC8の値が「1」の時は、大当たり抽選時期は、ベース変動開始後0.2秒後であり、LC8の値が「2」の時は、大当たり抽選時期は、ベース変動開始後0.4秒後であり、LC8の値が「3」の時は、大当たり抽選時期は、ベース変動開始後0.6秒後であり、LC8の値が「4」の時は、大当たり抽選時期は、ベース変動開始後0.8秒後であり、LC8の値が「5」の時は、大当たり抽選時期は、ベース変動開始後1.0秒後であり、LC8の値が「6」の時は、大当たり抽選時期は、ベース変動開始後1.2秒後であり、LC8の値が「7」の時は、大当たり抽選時期は、ベース変動開始後1.4秒後であり、LC8の値が「8」の時は、大当たり抽選時期は、ベース変動開始後1.6秒後であり、LC8の値が「9」の時は、大当たり抽選時期は、ベース変動開始後1.8秒後であり、LC8の値が「10」の時は、大当たり抽選時期は、ベース変動開始後1.9秒後である。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の動作の詳細について、図8及び図9に示すフローチャートと図11に示すタイミングチャートとに従って説明する。フローチャートの各ステップについては、以下、「S」と略す。尚、図8はパチンコ機1のメインルーチンのフローチャートであり、図9はパチンコ機1の大当たり判定処理のフローチャートであり、図11は図柄変動と大当たり抽選の関係を示すタイミングチャートである。図8に示すメインルーチンのフローチャートは、一定間隔の時間(例えば、2ms)で、図4に示す割込リセット回路57が発生するリセット信号に従って、主基板41のCPU51がスタートから順に処理を行い、スタートから終了までの処理を、2ms以内で行うようになっている。従って、2ms間隔でリセット信号が入力されるごとに、スタートから処理が繰り返し行われる。尚、図8に示すフローチャートの処理を行うプログラムは図6に示すROM53の制御プログラム記憶エリア53aに記憶されている。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の動作の詳細について、図8及び図9のフローチャートに従って説明する。フローチャートの各ステップについては、以下、「S」と略す。図8は、パチンコ機1のメインルーチンのフローチャートであり、図9は、パチンコ機1の大当たり判定処理のフローチャートである。図8に示すメインルーチンのフローチャートは、一定間隔の時間(例えば、2ms)で、図4に示す割込リセット回路57が発生するリセット信号に従って、主基板41のCPU51がスタートから順に処理を行い、スタートから終了までの処理を、2ms以内で行うようになっている。従って、2ms間隔でリセット信号が入力されるごとに、スタートから処理が繰り返し行われる。尚、図8に示すフローチャートの処理を行うプログラムは図6に示すROM53の制御プログラム記憶エリア53aに記憶されている。
図8に示すフローチャートでは、まず、最初のリセット信号が入ると、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックポインタセット処理を行う(S1)。次いで、RAM52の記憶内容をチェックするRAMチェックが行われる(S2)。このRAMチェック(S2)は、電源投入時の初期設定処理が行われているか否かを判断するものである。このとき、RAM52の初期設定記憶エリア52lにS3に示す電源投入時初期設定処理で書き込まれる所定の数値が書き込まれているか否かが判断される。初期設定記憶エリア52lに所定の数値が書き込まれていない場合は(S2:NO)、電源投入後の初期処理が行われていない状態であるので、電源投入時初期設定処理が行われる(S3)。この処理では、RAM52の各記憶エリアの記憶値をリセットし、さらに、ループカウンタ記憶エリア52aに記憶されている各ループカウンタの値を各々初期値(例えば、「0」)にセットし、初期設定記憶エリア52lに所定の数値を記憶させる。その後、処理を終了する。
次のリセット信号で、また、スタートから処理が行われる。まず、RAMチェック(S2)では、初期設定記憶エリア52lに所定の数値が書き込まれているので、RAM52は正常と判断され(S2:YES)、次の液晶画面コマンド出力処理(S4)に移行する。この液晶画面コマンド出力処理(S4)では、I/Oインターフェース54を介して、図柄表示基板44に特別図柄表示装置8を制御する信号が送られる。次いで、音コマンド出力処理(S5)に移行する。この音コマンド出力処理(S5)では、I/Oインターフェース54を介して、音基板43にスピーカー48を駆動するための信号が送られる。次いで、ランプコマンド出力処理(S6)を行う。このランプコマンド出力処理(S6)では、パチンコ機1に設けられている各種のランプの点滅の制御を行う信号を電飾基板46へ出力する。次いで、ポート出力処理を行う(S7)。このポート出力処理(S7)では、図示外のホール管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動情報、時間短縮情報等の各種の情報を出力ポート55を介して出力する。
次いで、スイッチ読込処理(S8)が行われる。このスイッチ読込処理(S8)では、普通図柄始動ゲート11,12、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口19,20,30,31等への遊技球の入賞を検出するものである。このスイッチ読込処理(S8)では、具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート11,12に各々設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16のVゾーンに設けられているVスイッチ74、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口19,20等入賞口からの遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76が遊技球の入賞を検出した場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア52mに各スイッチに対応したフラグが立つ。
ここで、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の通過を検出する毎に、RAM52の特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶されている入賞球カウンタTKの値に「1」加算される。また、普通図柄始動ゲート11,12に各々設けられている普通図柄作動スイッチ73が遊技球の通過を検出した場合には、RAM52の普通図柄始動入賞数記憶エリア52eに記憶されている入賞球カウンタFKの値に「1」加算される。従って、入賞球カウンタTK及び入賞球カウンタFKは、無制限に入賞球を記憶できるので、特別図柄の始動の保留球数も普通図柄の始動の保留球数も無制限である。
尚、本実施の形態のパチンコ機1では特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の通過を検出した場合には、RAM52のループカウンタ記憶エリア52aに記憶されている各ループカウンタLC2乃至LC7の各値を取得して記憶せずに、単に、RAM52の特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶されている入賞球カウンタTKの値が「1」インクリメントされるだけであり、当該入賞球カウンタTKの値が、7セグメントLEDから構成されている特別図柄記憶数表示LED60に0〜9の数字で表示されるようになっている。入賞球カウンタTKの値が10以上となる場合には、「−」を表示する。
また、普通図柄始動ゲート11,12に各々設けられている普通図柄作動スイッチ73が、遊技球の通過を検出した場合には、RAM52のループカウンタ記憶エリア52aに記憶されている普通図柄選択用ループカウンタLC1の値を取得して記憶せずに、単に、RAM52の普通図柄始動入賞数記憶エリア52eに記憶されている入賞球カウンタFKの値が「1」インクリメントされるだけであり、当該入賞球カウンタFKの値が、7セグメントLEDから構成されている普通図柄記憶数表示LED59に0〜9の数字で表示されるようになっている。入賞球カウンタFKの値が10以上となる場合には、「−」を表示する。
スイッチ読込処理(S8)が終了すると、次いで、ループカウンタ更新処理(S9)を行う。このループカウンタ更新処理(S9)では、RAM52のループカウンタ記憶エリア52aに各々記憶されている普通図柄選択用ループカウンタLC1、大当たり判定用ループカウンタLC2、特別図柄作成カウンタLC3,LC4,LC5,リーチ判定カウンタLC6、リーチパターン決定カウンタLC7の値を上記の所定量だけ増加する(インクリメントする)。尚、各ループカウンタに設定されている最大値を越える場合には、各ループカウンタの値は0クリアされ、「0」に戻るようにプログラムされている。
次に、図8に示すパチンコ機1のメインルーチンでは、ループカウンタ更新処理S9が終了すると、パチンコ機1にエラーが発生しているか否かが判断され(S10)、パチンコ機1にエラーが発生している場合には(S10:YES)、条件装置処理(S11)、特別図柄処理(S12)、普通図柄処理(S13)を飛ばして処理を行い、特別図柄表示装置8にエラー表示等をさせる。エラーが発生していないときには(S10:NO)、条件装置処理(S11)に進む。
次いで、この条件装置処理(S11)では、RAM52の大当たりフラグ記憶エリア52fに大当たりフラグがONとなっていた場合、即ち、大当たりの場合には、大入賞口16の開放、閉鎖、特別図柄表示装置8への大当たりデモ表示処理が行われる。一巡目の処理では、後述する特別図柄処理(S12)での大当たり判定処理がまだ行われていないので、条件装置処理(S11)では、何も行われず次の処理に進む。次いで、特別図柄処理(S12)が行われる。
この特別図柄処理(S12)では、RAM52の特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶されている入賞球カウンタTKの値に基づいて、後述する大当たり判定処理等が行われる。また、この特別図柄処理(S12)が終了すると、次に、普通図柄処理(S13)が行われる。この普通図柄処理(S13)では、RAM52の普通図柄始動入賞数記憶エリア52eに記憶されている入賞球カウンタFKの値に基づいて、後述する普通図柄の当たり判定が行われる。
普通図柄処理(S13)が終了すると、次に、賞品球の払い出しを行う払出制御(S14)が行われ、枠ランプを点滅させる枠ランプ制御(S15)を経てメインルーチンの処理が終了する。尚、このメインルーチンの処理は各サブルーチンの処理を含めて、2ms以内に終了する。そして、割込リセット回路57からのリセット信号により、CPU51は、図8に示すメインルーチンの処理を、スタートから繰り返し行う。従って、図8に示すメインルーチンの処理が、2ms単位で繰り返されていることになる。先の一巡目のメインルーチンの処理の特別図柄処理(S12)で大当たり状態と判定されれば、RAM52の大当たりフラグ記憶エリア52fに「1」が記憶され、大当たりフラグがONし、次の二巡目の条件装置処理(S11)では、大当たりフラグ記憶エリア52fに「1」が記憶されていれば、大入賞口16の開放、閉鎖の動作が所定回数(例えば、15回や16回)行われる。
ここで、遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作することによって、遊技球を遊技領域4に打ち込み、遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞すると、図8に示すメインルーチンのスイッチ読込処理(S8)において、遊技球の特別図柄始動電動役物15への入賞が検出される。具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の通過を検出したときに、RAM52の特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶されている入賞球カウンタTKの値が「1」増加される。そして、ループカウンタ更新処理(S9)を経てS10に進む。通常時はパチンコ機1にエラーが発生していないので(S10:NO)、条件装置処理(S11)に進むが、まだ、大当たりの判定がなされていないので、条件装置処理(S11)では何もされず、特別図柄処理(S12)を行う。
この特別図柄処理(S12)では、図9に示すフローチャートの大当たり判定処理を行う。まず、特別図柄始動電動役物15へ入賞しているか否かが判断される(S21)。この判断は、特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶されている入賞球カウンタTKの値が0か否かで行われる。特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶されている入賞球カウンタTKの値が「0」の場合には(S21:NO)、大当たり判定処理を終了し、メインルーチンにリターンする。特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶されている入賞球カウンタTKの値が「0」でないと判断された場合には(S21:YES)、次に特別図柄表示部L1,L2,L3に変動表示される図柄の変動開始から確定表示までの時間を短縮する短縮変動を行うか否かを判断する(S22)。この判断は、特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶されている入賞球カウンタTKの値に基づいて行う。具体的には、入賞球カウンタTKの値が0〜2の場合は、短縮変動を行わず(S22:NO)、入賞球カウンタTKの値が3以上の場合には、短縮変動を行う(S22:YES)。
短縮変動を行う場合には(S22:YES)、図11に示すように、T0タイミングで主基板41から図柄表示基板44に短時間ベース変動コマンドを出力すると(S23)、特別図柄表示部L1,L2,L3の図柄の変動が開始する。この図柄の変動は単なる図柄のスクロールでT1タイミングまで継続する。このT0タイミング〜T1タイミングまでの時間を、「ベース変動時間」と称し、短縮変動の場合には2秒間となる。また、短縮変動を行わない場合には(S22:NO)、T0タイミングで主基板41から図柄表示基板44に長時間ベース変動コマンドを出力すると(S24)、特別図柄表示部L1,L2,L3の図柄の変動が開始する。この図柄の変動も単なる図柄のスクロールでT1タイミングまで継続する。短縮変動を行わない場合には、「ベース変動時間」は、5秒間となる。
次に、大当たり抽選時期決定を行う(S25)。この大当たり抽選時期決定は、以下のように行う。まず、大当たり抽選時期決定カウンタLC8の値を取得して、RAM52の大当たり抽選時期決定カウンタ記憶エリア52sに記憶する。そして、そのLC8の値に基づいて、図10に示す大当たり抽選時期決定テーブル101を参照して大当たり抽選時期決定を行う。具体的には、LC8の値が「0」の場合には、図11に示すT0タイミングから0.1秒後に大当たり抽選を行い、LC8の値が「1」の場合には、図11に示すT0タイミングから0.2秒後に大当たり抽選を行い、LC8の値が「2」の場合には、図11に示すT0タイミングから0.4秒後に大当たり抽選を行い、LC8の値が「3」の場合には、図11に示すT0タイミングから0.6秒後に大当たり抽選を行い、LC8の値が「4」の場合には、図11に示すT0タイミングから0.8秒後に大当たり抽選を行い、LC8の値が「5」の場合には、図11に示すT0タイミングから1.0秒後に大当たり抽選を行い、LC8の値が「6」の場合には、図11に示すT0タイミングから1.2秒後に大当たり抽選を行い、LC8の値が「7」の場合には、図11に示すT0タイミングから1.4秒後に大当たり抽選を行い、LC8の値が「8」の場合には、図11に示すT0タイミングから1.6秒後に大当たり抽選を行い、LC8の値が「9」の場合には、図11に示すT0タイミングから1.8秒後に大当たり抽選を行い、LC8の値が「10」の場合には、図11に示すT0タイミングから1.9秒後に大当たり抽選を行う。
上記の大当たり抽選時期決定処理(S25)が終了すると、次に、大当たり抽選を行う(S26)。この大当たり抽選は、大当たり抽選時期決定処理(S25)で決定されたタイミングで、図11に示すT0タイミング〜T1タイミング間のベース変動時間内で行い、RAM52のループカウンタ記憶エリア52aに各々記憶されている大当たり判定用ループカウンタLC2、特別図柄作成カウンタLC3,LC4,LC5、リーチ判定カウンタLC6、リーチパターン決定カウンタLC7の値を乱数として取得してRAM52の特別図柄乱数記憶エリア52bに記憶する(S26)。
次いで、特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶されている入賞球カウンタTKの値を「1」減算して、入賞球数を減算する(S27)。
次いで、大当たり判定を行う(S28)。大当たり判定用ループカウンタLC2の値は、本実施の形態では、「0」〜「314」の間をとるので、S26で取得して特別図柄乱数記憶エリア52bに記憶されている大当たり判定用ループカウンタLC2の乱数の値も「0」〜「314」の何れかになっている。ここで、S26で取得した大当たり判定用ループカウンタLC2の値が大当たりの値として決められている特定の値、例えば、「7」であるか否かが判定される。S26で取得した大当たり判定用ループカウンタLC2の値が「7」である場合には(S28:YES)、大当たりフラグをONするためにRAM52の大当たりフラグ記憶エリア52fに「1」を記憶し(S29)、次いで、S26で取得して特別図柄乱数記憶エリア52bに記憶されているリーチパターン決定カウンタLC7の値に基づいて、大当たりリーチパターン選択処理が行われる(S30)。
この大当たりリーチパターン選択処理S30では、図7に示す大当たりリーチパターンテーブル100を参照して、リーチの変動パターンコマンドが選択され、当該リーチの変動パターンコマンドがRAM52の図柄表示コマンド記憶エリア52rに記憶される(S30)。
次いで、大当たり図柄選択処理を行う(S31)。大当たり表示を行なう場合、特別図柄乱数記憶エリア52bの記憶されている特別図柄作成カウンタLC3の値に基づいて大当たり図柄を選択する。特別図柄作成カウンタLC3は、「0」〜「9」の間の何れかの数値である。
ここで、特別図柄乱数記憶エリア52bに記憶されている特別図柄作成カウンタLC3の値に対応して、次のように大当たり図柄が選択される(S31)。特別図柄作成カウンタLC3の値と特別図柄表示部L1に表示される第1停止図柄(左図柄)、特別図柄表示部L2に表示される第2停止図柄(右図柄)、特別図柄表示部L3に表示される第3停止図柄(中図柄)との関係は、0:「0、0、0」、1:「1、1、1」、2:「2、2、2」、3:「3、3、3」、4:「4、4、4」、5:「5、5、5」、6:「6、6、6」、7:「7、7、7」、8:「8、8、8」、9:「9、9、9」となる。選択された大当たり図柄を示すデータは、RAM52の第1停止図柄記憶エリア52o、第2停止図柄記憶エリア52p、第3停止図柄記憶エリア52qに各々記憶される(S31)。また、特別図柄表示部L1〜L3に上記の図柄を確定表示するための図柄表示コマンドがRAM52の図柄表示コマンド記憶エリア52rに記憶される(S31)。
尚、特別図柄作成カウンタLC3の値が、「1,3,5,7,9」の時は、次の大当たりの確率が高くなる確率変動モードに突入するので、RAM52の確率変動フラグ記憶エリア52nに「1」を記憶して確率変動フラグをONとする。また、特別図柄作成カウンタLC3の値が、「0,2,4,6,8」の時は、次の大当たりの確率は高くならず通常モードであるので、RAM52の確率変動フラグ記憶エリア52nに「0」を記憶して確率変動フラグをOFFとする(S27)。
尚、S28の判定で、S26の処理で取得した大当たり判定用ループカウンタLC2の乱数の値が例えば、大当たりとされる「7」以外の場合には(S28:NO)、S26で取得したリーチ判定カウンタLC6の値によりはずれリーチ動作を行うか否かが判定される(S32)、リーチ判定カウンタLC6の値が、「20〜39」の場合には、はずれリーチと判定される(S32:YES)。はずれリーチと判定された場合には(S32:YES)、ROM53のはずれリーチパターンテーブル記憶エリア53cに記憶されているはずれリーチパターンテーブルを参照して、はずれリーチのリーチの変動パターンコマンドが選択され、当該リーチの変動パターンコマンドがRAM52の図柄表示コマンド記憶エリア52rに記憶される(S33)。
次に、S32の判断処理でリーチと判定されなかった場合(S32:NO)には、S26の処理で取得した特別図柄作成カウンタLC3、特別図柄作成カウンタLC4、特別図柄作成カウンタLC5の乱数に基づいて、はずれ停止図柄作成処理(S34)を行い、RAM52の第1停止図柄記憶エリア52o、第2停止図柄記憶エリア52p及び第3停止図柄記憶エリア52qに各々記憶させ、また、特別図柄表示部L1〜L3に上記の図柄を表示するための図柄表示コマンドがRAM52の図柄表示コマンド記憶エリア52rに記憶される(S34)。
次に、変動パターンコマンド出力処理を行う(S35)。この変動パターンコマンド出力処理は、図11に示すタイミングチャートのT1タイミングで、主基板41のRAM52の図柄表示コマンド記憶エリア52rに記憶した図柄の変動パターンコマンドを図柄表示基板44に出力する(S35)。RAM52の図柄表示コマンド記憶エリア52rにリーチの変動パターンコマンドが記憶されている場合には、そのリーチの変動パターンコマンドを主基板41から図柄表示基板44に出力し、リーチの変動パターンコマンドが記憶されていない場合には、通常変動の変動パターンコマンドを主基板41から図柄表示基板44に出力する(S35)。図柄表示基板44では、主基板41から受信した変動パターンコマンドに基づいて、図示外のROMに記憶した図柄変動データに従って、特別図柄表示装置8の特別図柄表示部L1,L2,L3の図柄の変動を制御する。
次いで、図11に示すT2タイミングで、主基板41から図柄表示基板44に第1図柄停止コマンドを出力する(S36)。この第1図柄停止コマンドは、RAM52の第1停止図柄記憶エリア52oに記憶した第1停止図柄(左図柄)を表示するために図柄表示コマンド記憶エリア52rに記憶されている図柄表示コマンドであり、主基板41から図柄表示基板44に出力される(S36)。図柄表示基板44は、受信した図柄表示コマンドに基づいて、特別図柄表示装置8の特別図柄表示部L1に第1停止図柄を仮停止する。
次に、図11に示すT3タイミングで、主基板41から図柄表示基板44に第2図柄停止コマンドを出力する(S37)。この第2図柄停止コマンドは、RAM52の第2停止図柄記憶エリア52pに記憶した第2停止図柄(右図柄)を表示するために図柄表示コマンド記憶エリア52rに記憶されている図柄表示コマンドであり、主基板41から図柄表示基板44に出力される(S37)。図柄表示基板44は、受信した図柄表示コマンドに基づいて、特別図柄表示装置8の特別図柄表示部L2に第2停止図柄を仮停止する。
次いで、図11に示すT4タイミングで、主基板41から図柄表示基板44に第3図柄停止コマンドを出力する(S38)。この第3図柄停止コマンドは、RAM52の第3停止図柄記憶エリア52qに記憶した第3停止図柄(中図柄)を表示するために図柄表示コマンド記憶エリア52rに記憶されている図柄表示コマンドであり、主基板41から図柄表示基板44に出力される(S38)。図柄表示基板44は、受信した図柄表示コマンドに基づいて、特別図柄表示装置8の特別図柄表示部L3に第3停止図柄を仮停止する。その後T5のタイミングで、特別図柄表示部L1,l2,L3に仮停止された図柄が確定する。
以上の大当たり判定処理が終了した場合には、図8に示すパチンコ機1のメインルーチンにリターンする。図8に示すパチンコ機1のメインルーチンでは、特別図柄処理(S12)が終了すると、次に、普通図柄処理(S13)に移行する。
次に、普通図柄処理(S13)の詳細を説明する。この普通図柄処理(S13)では、まず、普通図柄始動入賞数記憶エリア52eに記憶されている入賞球カウンタFKの値が0か否かを判断し、入賞球カウンタFKの値が「0」でない、即ち「1」以上と判断された場合には、前記の「ベース変動時間」内に、RAM52のループカウンタ記憶エリア52aに記憶されている普通図柄選択用ループカウンタLC1のカウント値を取得する普通図柄乱数の抽選処理を行う。
この普通図柄乱数の抽選処理では、まず、普通図柄乱数の抽選時期が前記大当たり抽選時期と同様に決定される。具体的には、大当たり抽選時期決定カウンタLC8の値を取得して、RAM52の普通図柄当たり抽選時期決定カウンタ記憶エリア52tに記憶する。そして、普通図柄当たり抽選時期決定カウンタ記憶エリア52tに記憶されたLC8の値に基づいて、図10に示す大当たり抽選時期決定テーブル101を参照して普通図柄当たり抽選時期決定を行う。
具体的には、LC8の値が「0」の場合には、図11に示すT0タイミングから0.1秒後に普通図柄当たり抽選を行い、LC8の値が「1」の場合には、図11に示すT0タイミングから0.2秒後に普通図柄当たり抽選を行い、LC8の値が「2」の場合には、図11に示すT0タイミングから0.4秒後に普通図柄当たり抽選を行い、LC8の値が「3」の場合には、図11に示すT0タイミングから0.6秒後に普通図柄当たり抽選を行い、LC8の値が「4」の場合には、図11に示すT0タイミングから0.8秒後に普通図柄当たり抽選を行い、LC8の値が「5」の場合には、図11に示すT0タイミングから1.0秒後に普通図柄当たり抽選を行い、LC8の値が「6」の場合には、図11に示すT0タイミングから1.2秒後に普通図柄当たり抽選を行い、LC8の値が「7」の場合には、図11に示すT0タイミングから1.4秒後に普通図柄当たり抽選を行い、LC8の値が「8」の場合には、図11に示すT0タイミングから1.6秒後に普通図柄当たり抽選を行い、LC8の値が「9」の場合には、図11に示すT0タイミングから1.8秒後に普通図柄当たり抽選を行い、LC8の値が「10」の場合には、図11に示すT0タイミングから1.9秒後に普通図柄当たり抽選を行う。
上記の普通図柄当たり抽選時期決定処理が終了すると、次に、普通図柄当たり抽選を行う。この普通図柄当たり抽選は、普通図柄当たり抽選時期決定処理で決定されたタイミングで、図11に示すT0タイミング〜T1タイミング間のベース変動時間内で行い、RAM52のループカウンタ記憶エリア52aに記憶されている普通図柄選択用ループカウンタLC1の値を普通図柄乱数として取得してRAM52の普通図柄乱数記憶エリア52cに記憶する。次いで、普通図柄始動入賞数記憶エリア52eに記憶されている入賞球カウンタFKの値を「1」減算して、入賞球数を減算する。
次に、普通図柄の当たり判定を行う。具体的には、RAM52の普通図柄乱数記憶エリア52cに記憶される普通図柄乱数は「0」から「255」までであるので、普通図柄乱数記憶エリア52cに記憶された普通図柄乱数が、「0」から「63」の場合は、はずれとなり、普通図柄表示部24に、はずれ図柄である「−」が停止表示される。
また、RAM52の普通図柄乱数記憶エリア52cに記憶された普通図柄乱数が、「64」から「255」の場合は、当たりとなり、普通図柄表示部24に、当たり図柄である「7」が停止表示される。当たり図柄が普通図柄表示部24に表示されているときには、所定時間、特別図柄始動電動役物15の開閉部材(いわゆるチューリップ)が開成して、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞しやすくなる。
普通図柄処理(S13)が終了すると、賞品球の払出処理(S14)、枠ランプ処理(S15)が順次行われる。上記の処理が終了すると、次のリセット信号で、また、スタートから処理が行われ、S1〜S15の処理が繰り返される。
以上説明したように、上記の実施の形態のパチンコ機1では、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞して始動口スイッチ72が遊技球の通過を検出したときには、大当たり判定用ループカウンタLC2、特別図柄作成カウンタLC3,LC4,LC5、リーチ判定カウンタLC6、リーチパターン決定カウンタLC7の値を乱数として取得せず、単に、入賞した遊技球の個数を入賞球カウンタTKによりカウントするだけであるので、保留球数を制限せず記憶できるタイプのパチンコ機1でも、大当たり判定用ループカウンタLC2、特別図柄作成カウンタLC3,LC4,LC5、リーチ判定カウンタLC6、リーチパターン決定カウンタLC7の値を乱数として記憶する記憶エリアのメモリ量が増大してしまうことがない。
また、普通図柄始動ゲート11,12に遊技球が入賞して普通図柄作動スイッチ73が遊技球の通過を検出したときには、普通図柄選択用ループカウンタLC1の値を普通図柄乱数として取得せず、単に、入賞した遊技球の個数を入賞球カウンタFKによりカウントするだけであるので、普通図柄の保留球数を制限せず記憶できるタイプのパチンコ機1でも、普通図柄選択用ループカウンタLC1の値を乱数として記憶する記憶エリアのメモリ量が増大してしまうことがない。
また、上記の実施の形態のパチンコ機1では、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した場合に、大当たり判定用ループカウンタLC2、特別図柄作成カウンタLC3,LC4,LC5、リーチ判定カウンタLC6、リーチパターン決定カウンタLC7の値を乱数としてRAMに記憶して、その記憶した各乱数を判定エリアに、順次シフトする必要がないので、保留球数が多くなってRAMに記憶した乱数をシフトする時間が長くなる問題も生じない。また、同様に、普通図柄始動ゲート11,12に遊技球が入賞した場合に、普通図柄選択用ループカウンタLC1を普通図柄乱数としてRAMに記憶して、その記憶した普通図柄乱数を判定エリアに、順次シフトする必要がないので、保留球数が多くなってRAMに記憶した普通図柄乱数をシフトする時間が長くなる問題も生じない。
尚、本発明は、パチンコ機に限られず、パチコン機等の図柄表示部を備えた各種の遊技機に適用可能なことは言うまでもない。また、本発明は、各種の変形が可能なことは言うまでもない。例えば、上記の実施の形態では、大当たりの抽選時期を大当たり抽選時期決定カウンタLC8の乱数を用いて、変動させているが、大当たりの抽選の時期は、ベース変動時間の特定の時間に固定しても良い。また、普通図柄の当たりの抽選の時期も、ベース変動時間の特定の時間に固定しても良い。
また、大当たりの抽選時期や普通図柄の当たりの抽選時期は、短縮変動の場合(ベース変動時間が2秒の場合)も通常変動の場合(ベース変動時間5秒の場合)も同じ大当たり抽選時期決定テーブル101を参照して決定しているが、通常変動の場合(ベース変動時間5秒)には、図13に示す通常変動用の大当たり抽選時期決定テーブル102を使用するようにしても良い。この大当たり抽選時期決定テーブル102では、LC8の値が「0」の時の抽選時期は、ベース変動開始後0.4秒後であり、LC8の値が「1」の時の抽選時期は、ベース変動開始後0.8秒後であり、LC8の値が「2」の時の抽選時期は、ベース変動開始後1.2秒後であり、LC8の値が「3」の時の抽選時期は、ベース変動開始後1.6秒後であり、LC8の値が「4」の時の抽選時期は、ベース変動開始後2.0秒後であり、LC8の値が「5」の時の抽選時期は、ベース変動開始後2.4秒後であり、LC8の値が「6」の時の抽選時期は、ベース変動開始後2.8秒後であり、LC8の値が「7」の時の抽選時期は、ベース変動開始後3.2秒後であり、LC8の値が「8」の時の抽選時期は、ベース変動開始後3.6秒後であり、LC8の値が「9」の時の抽選時期は、ベース変動開始後4.0秒後であり、LC8の値が「10」の時の抽選時期は、ベース変動開始後4.4秒後である。尚、抽選時期は、他の方法により変動するようにしても良い。
さらに、本発明は、有利状態になったときに、普通図柄の停止時間が短くなる時間短縮を行う所謂時間短縮機に適用しても良いことは言うまでもない。