JP4638093B2 - スパークプラグ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスパークプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用エンジンなどの内燃機関に使用されるスパークプラグのうち、レース用等の高出力エンジンに搭載されるものは、エンジンからの強い振動を受けやすく、接地電極の折損や主体金具に対する溶接部の剥離といった不具合が生じやすい問題がある。その原因として、機関もしくは燃焼振動による共振と高加速度(G)とが考えられる。一般のスパークプラグは、接地電極が、先端側が中心電極側を向くようにアール状に曲げ加工されていることから、主体金具への取り付け基端側に曲げモーメントが作用しやすく、より折損等が生じやすいといえる。
【0003】
そこで、レース用に特化されたスパークプラグの仕様として、接地電極を上記のようにアール状に曲げ加工せず、主体金具との接合側端部から、主体金具の中心軸線に近づく向きに直線的に延びる形態としたものが、例えば特開平5−74549号や特開平2−32692号の各公報に開示されている。このような接地電極形態とすることにより、接地電極の全長が短くなり、振動が加わったときに電極の接合基端部に付加される片振り曲げモーメントを小さくできるので、折損や剥離等が生じにくくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、レース用自動車やオートバイ用のエンジンはさらに高性能・高出力化しており、より高温下にてスパークプラグに強い振動が加わるようになってきている。その結果、上記従来のスパークプラグにおける接地電極の形態改良だけでは、上記不具合の発生抑制を十分に図ることが困難となっている。
【0005】
本発明の課題は、レース用等の高出力エンジン用用途において、接地電極の折損や剥離を効果的に防止ないし抑制できるスパークプラグを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、本発明のスパークプラグは、中心電極と、その中心電極の外側に設けられた絶縁体と、絶縁体の外側に設けられるとともに内燃機関への取付ねじ部が外周面に形成された主体金具と、一端側が主体金具に結合され、他端側が中心電極の先端と対向するように配置されて中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備え、その特徴部が以下のように構成される(以下、理解の便宜を図るために図1、図2及び図10を援用して説明するが、本発明は該図面に開示されたスパークプラグの形態に限定されるものでないことはもちろんである)。
【0007】
すなわち、図1において、取付ねじ部6の中心軸線Oと直交する第一投影面Pへの正射投影像(図1(b))において、該接地電極4は中心軸線Oに関する半径方向に直線的に延伸した外形形態を有する。また、図1(b)に示すように、中心軸線Oと、投影面P上における接地電極4の正射投影像の延伸方向Lとのいずれとも平行な第二投影面Qを考えたとき、図2に示すように、接地電極4の火花放電ギャップgに近い側の側面(第一側面)Jが、該第二投影面Qへの正射投影像において、主体金具5との接合側の端Aから先端Bに向けて少なくともその途中区間まで、中心軸線Oに近づく向きに直線的に延びる形態を有してなる。また、接地電極4はPtを主成分とする合金にて構成される棒状素材の一方の端部を、溶接区間Wにおいて主体金具5端面に溶接接合して形成されたものである。なお、本発明において「Ptを主成分とする」とは、含有量の最も高い成分がPtであることを意味する。
【0008】
そして、本発明のスパークプラグの第一の構成においては、図10に示すように第一投影面Pへの正射投影像において接地電極4が、延伸方向Lにおける溶接区間Wの長さをw、該溶接区間Wよりも火花放電ギャップg側に突出している部分(以下、電極突出部ともいう)の長さをdとしたとき、d/(d+w)が0.55〜0.58に調整されてなる。また、主体金具5は、取付ねじ部6の形成部分にて内周面が円筒状面5eとされてなり、該円筒状面5eを火花放電ギャップgの存在側に延長したとき、接地電極4の該延長面5eよりも内側に突出する部分が、主体金具5との接合側の端Aから先端Bに向けて、少なくともその途中区間までが中心軸線が一定の直柱体状部とされ、該直柱体状部の軸断面積が0.64〜2mm2であることを特徴とする。
【0009】
上記構成によると、接地電極4の電極突出部の長さをd、同じく主体金具5に対する溶接区間Wの長さをwとして、d/(d+w)を0.55〜0.58に調整し、接地電極4の接合側の端Aから延びる直柱体状部の軸断面積を0.64〜2mm2に設定することにより、接地電極4の折損や主体金具5からの剥離を効果的に防止ないし抑制することができる。直柱体状部の軸断面積が0.64mm2未満になると、接地電極4の耐折損性あるいは耐剥離性が不十分となる。また、d/(d+w)が0.5未満になると、プレイグニッション発生の観点から見たスパークプラグの耐熱性が不足することにつながる。つまり、d/(d+w)が小さくなることは、電極突出部の長さdが短くなり、主体金具5の先端開口径が小さくなることを意味する。本発明のスパークプラグでは、絶縁体3の先端が主体金具5の先端よりも引っ込んで位置するため、主体金具5の先端開口径が小さくなると絶縁体3の先端部の冷却が進みにくくなって過度に温度上昇し、火花放電する点火進角よりも早く混合気に着火してしまう、プレイグニッションが発生しやすくなるのである。他方、直柱体状部の軸断面積が2mm2を超えると着火性の低下につながる。他方、d/(d+w)が0.58以上になることは、電極突出部長さが過大化して耐折損性の低下を招くことにつながる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1(a)及び(b)に示す本発明の一例たるスパークプラグ1は、筒状の主体金具5、その主体金具5の内側嵌め込まれた絶縁体3、その絶縁体3の内側に設けられた中心電極2、一端側が主体金具5に結合され、他端側が中心電極2の先端と対向するように配置されて中心電極2との間に火花放電ギャップgを形成する接地電極4等を備えている。
【0012】
絶縁体3は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、図1(c)に示すように、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極2を嵌め込むための孔部(貫通孔)3dを有している。また、主体金具5は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ1のハウジングを構成するとともに、その外周面には、図1(a)に示すように、スパークプラグ1を図示しないシリンダヘッドに取り付けるためのねじ部6が形成されている。
【0013】
他方、図1(c)に示すように、絶縁体3の孔部3dには、その一方の端部側に端子金具13が挿入・固定され、同じく他方の端部側に中心電極2が挿入・固定されている。また、該貫通孔3d内において端子金具13と中心電極2との間に抵抗体15が配置されている。この抵抗体15の両端部は、導電性ガラスシール層16,17を介して中心電極2と端子金具13とにそれぞれ電気的に接続されている。また、中心電極2は、電極の表層部分を構成する母材がNi合金にて構成され、必要に応じてその内部に熱引き改善のための、図示しない放熱促進用芯材部(例えばCuあるいはCu合金にて構成される)が埋設される。また、火花放電ギャップgに面する先端位置に、Ir合金あるいはPt合金からなる貴金属発火部32が溶接接合されている。
【0014】
図1(b)に示すように、取付ねじ部6の中心軸線Oと直交する第一投影面Pへの正射投影像において、該接地電極4は中心軸線Oに関する半径方向に直線的に延伸した外形形態を有する。そして、図2に示すように、中心軸線Oと、投影面P上における接地電極4の正射投影像の延伸方向Lとのいずれとも平行な第二投影面Qを考えたとき、接地電極4の火花放電ギャップgに近い側の側面(第一側面)Jが、該第二投影面Qへの正射投影像において、主体金具5との接合側の端Aから先端Bに向けて少なくともその途中区間まで、本実施形態においてはその全区間が、中心軸線Oに近づく向きに直線的に延びる形態を有してなる。そして、接地電極4は、その全体が、Pt−Ir合金等のPt合金(Ptを主成分とする合金(Ptの質量含有率が最も高い合金))にて構成されてなる。
【0015】
接地電極4は、具体的には上記合金からなる棒状素材の一方の端部を溶接区間Wにおいて溶接接合して形成されたものである。この溶接は、公知の抵抗溶接法あるいはレーザー溶接法により行われるものである。また、主体金具5は、取付ねじ部6の形成部分にて内周面が円筒状面5eとされてなり、該円筒状面5eを火花放電ギャップgの存在側に延長したとき、接地電極4の該延長面5eよりも内側に突出する部分、つまり電極突出部が、主体金具5との接合側の端Aから先端Bに向けて、少なくともその途中区間まで、本実施形態ではその全体が、正方形状又は長方形状の軸断面を有し、かつ中心軸線が一定の直柱体状部とされている。
【0016】
そして、第一投影面Pへの正射投影像において接地電極4は、図10に示すように、延伸方向Lにおける溶接区間Wの長さをw、該溶接区間Wよりも火花放電ギャップg側に突出している部分の長さをdとしたとき、以下の条件を満たすものとして構成されている。
d/(d+w)が0.55〜0.58に調整されてなり、電極突出部をなす前記直柱体状部の軸断面積が0.64〜2mm2である。
各数値範囲の臨界的意味は「課題を解決するための手段及び作用・効果」の欄にて説明済みであるからここでは繰り返さない。図10(a)は、抵抗溶接により接合した例であり、(b)はレーザー溶接により接合した例であるが、何れの場合も溶接区間Wの長さwは、接地電極4の溶接接合部位において、主体金具5との合金化の影響を受けていない部分の長さとして定義する。
【0017】
図2に示す態様では、着火性を上げるために、中心電極2の先端部(あるいは貴金属発火部32)を主体金具1の先端面から突出配置している。そこで、接地電極4は、第一側面Jが、主体金具5との接合側の端Aから先端Bに向けて、傾斜した形で中心軸線Oに近づく向きに、全区間に渡り直線的に延びる形態とされ、上記突出した中心電極2の先端面との間に火花放電ギャップgを形成している。このような接地電極形態を有するスパークプラグを、一般にスラント電極タイプと称している。このように接地電極4を傾斜形態に接合するためには、図2に示すように、主体金具5の先端面5tを内周側が突出する円錐面状に形成しておき、そこに角柱形態(例えば軸断面が正方形状あるいは長方形状のもの)の棒状素材の側面基端部を重ね合わせる形態で溶接するとよい。
【0018】
上記の形態の場合、着火性は大幅に向上するが、火花放電ギャップgを形成する第一側面Jが、電極先端に近づくほど中心電極2の先端面から離間してギャップ長が大きくなるため、火花がギャップ間隔の短くなる側に偏って発生しやすくなる。これが問題となる場合は、図9に示すように、接地電極4の全長は若干長くなるが、中心電極2の先端面と平行に対向する平行面部J’を形成するようにしてもよい。この形態においては、第一側面Jは、主体金具5との接合側の端Aから先端Bに向けて、途中区間までが、中心軸線Oに近づく向きに直線的に延びることとなる。
【0019】
他方、図3に示すように、中心電極2の先端部(あるいは貴金属発火部32)を、主体金具1の先端面より一定距離だけ引っ込んで位置させ、接地電極4を中心軸線Oと略直交する向きに非傾斜に配置することもできる。この構成の場合、接地電極4が傾斜しない分だけその全長を短くでき、ひいては耐折損性を一層高めることができる。また、接地電極4の第一側面Jを中心電極2の先端面と平行に対向させることができるので、図2の構成と比較して偏消耗が生じにくく、電極の長寿命化を図ることができる。このような接地電極形態を有するスパークプラグを、一般にサイド電極タイプと称している。
【0020】
また、接地電極4は、図4〜図8に示すように、火花放電ギャップgから遠い側の側面を第二側面Kとして、棒状素材の先端部を第二側面K側において一部切り欠く切欠部4a,4b,4cを形成することにより、該先端部にて体積が減じられた形態をなすものとして構成することができる。振動が加わったときに接地電極4が受ける曲げモーメントは、接地電極4の長手方向の質量分布において、拘束端(つまり主体金具1への接合端)からの距離が長い位置に質量集中していると大きくなる。そこで、接合端からの距離が長い電極先端部に上記のような切欠部4a,4b,4cを形成しておけば、同じレベルの振動が加わった場合でも、接地電極4が受ける曲げモーメントを小さくでき、ひいては耐折損性を高めることができる。この場合、図4のように切欠部4aが形成されると、その区間において電極突出部は直柱体状でなくなる。また、図5あるいは図6のように切欠部4bあるいは4cが形成されると、その区間の軸断面の重心位置が切欠部非形成の区間の重心位置からずれるため、「中心軸線が一定」の条件を満たさなくなる。いずれにしろ、電極突出部は、前記した端Aから先端Bに向けて途中区間までのみが、中心軸線が一定の直柱体状部となる。
【0021】
図4〜図6は、図2のスラント電極タイプのものに切欠部4a,4b,4cを形成した例である。図4では、第二側面Kの先端に向かうほど、接地電極4の厚みを長手方向に連続的に減少させる平面状の切欠部4aを形成している。なお、接地電極4の厚みを段階的に減少させる階段状の切欠部4aを形成してもよい。図5では、接地電極4の先端部に、基端側よりも薄肉となる一様な厚さの薄肉部を形成する切欠部4bが形成されている。さらに、図6においては、接地電極4の先端部において、幅方向両側に傾斜面状の切欠部4cを形成することにより、当該幅方向両側部分が中央部よりも薄肉となる形態とされている。図7及び図8は、図3のサイド電極タイプのものに、図4及び図5と同様の切欠部4a,4bを形成した例である。
【0022】
上記切欠部の形成長さが過度に大きくなると、薄肉化する区間が長くなりすぎ、耐折損性向上効果が帰って損なわれることにもつながる。この観点において、例えば図4、図5、図7あるいは図8に示すように、切欠部4a,4bは、接地電極4の先端から長手方向に2mmまでの区間Lに収まるように形成することが望ましい。
【0023】
また、図4、図5、図7あるいは図8において、主体金具5は、取付ねじ部6の形成部分にて内周面が円筒状面5eとされている。ここで、該円筒状面5eを火花放電ギャップgの存在側に延長し、接地電極4の該延長面5eよりも内側に突出する部分(以下、電極突出部という)の体積をV、切欠部4a,4bの形成により棒状素材から減じられる体積をV’としたとき、V’/(V+V’)の値は0.2以上0.5以下とすることが望ましい。V’/(V+V’)の値が0.2未満では接地電極4の耐折損性向上効果に乏しく、0.5を超えると電極先端温度が上昇しやすくなり、電極の異常消耗や溶損といった不具合を招きやすい。
【0024】
切欠部4a,4bの非形成区間においては、電極突出部が直柱体状に形成されているので、その直柱体状部と同一の軸断面形状及び寸法を有し、かつ電極突出部と同一長さの直柱体の体積をV0として求めれば、実際の電極突出部の体積Vを求めることにより、V’は、V0とVとの差分V0−Vとして算出することができる。各体積パラメータの値は、公知の3次元形状測定器を用いて測定した、電極突出部の3次元形状プロファイルから計算することが可能である。
【0025】
【実施例】
本発明の効果を確認するために、以下の実験を行った。
図1及び図2に示すスパークプラグの試験品として、取付ねじ部6の呼びがM14、中心電極2の主体金具5からの出寸法が0.3mm、火花放電ギャップgの間隔(最小となる位置での値)が0.6mm、接地電極4の断面形状が正方形状(一辺の長さが0.8〜1.56mm)であり、前記したd/(d+w)が0.49〜0.7のものを種々に作製した。接地電極4の材質として用いたのは、表1に示す種々の組成のPt−Ir二元合金であり、いずれも熱間伸線した線材を素材として用い、主体金具5に対して抵抗溶接により接合した。
【0026】
上記の各スパークプラグを以下のようにして評価した。
(1)耐折損性評価:排気量250ccの2サイクルエンジンを搭載したオートバイに取り付け、テストコースを、平均速度160km/hにて300km走行した。走行終了後、試験品を取り外し、接地電極と主体金具との溶接面及び電極母材にクラックが形成されているか否かを目視により確認し、クラックが全く検出されなかったものを良好(○)、0.5mm未満の微小なクラックのみ認められたものを可(△)、0.5mm以上の顕著なクラックが認められたものを不可(×)として判定した。
(2)着火性:上記(1)のテスト走行を3人のプロのテストライダーにより実施させ、その加速フィーリングについてのアンケートを行なうとともに、加速フィーリングに好感触を示したライダーの数が、3人のものを着火性良好(○)、2人のみのものを着火性普通(△)、1人以下のものを着火性不良(×)として判定した。
(3)耐熱性試験:排気量50ccの2サイクルエンジンに取り付け、点火進角を段階的に大きくしながら、スロットル全開状態、エンジン回転数8500rpmにて運転を行い、プレイグニッションの発生が始まる臨界点火進角を求めた(この臨界点火進角が小さいほどプレイグニッションが発生しやすく、耐熱性に劣ることを意味する)。そして、該臨界点火進角が、エンジンの規定進角と同等以上のものを良好(○)、規定進角未満であれば不良(×)として評価した。
以上の結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
これによると、接地電極4のd/(d+w)の値及び軸断面積の値を本発明の数値範囲内に設定することにより、着火性や耐熱性を確保しつつ、接地電極の耐折損性を良好なものとできることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパークプラグの一例を示す正面図、底面図及び部分縦断面図。
【図2】図1のスパークプラグの要部を拡大して示す半断面図。
【図3】図1のスパークプラグの、第一変形例の要部を拡大して示す半断面図。
【図4】図1のスパークプラグの、第二変形例の要部を拡大して示す半断面図。
【図5】図1のスパークプラグの、第三変形例の要部を拡大して示す半断面図。
【図6】図1のスパークプラグの、第四変形例の要部を拡大して示す半断面図。
【図7】図1のスパークプラグの、第五変形例の要部を拡大して示す半断面図。
【図8】図1のスパークプラグの、第六変形例の要部を拡大して示す半断面図。
【図9】図1のスパークプラグの、第七変形例の要部を拡大して示す半断面図。
【図10】接地電極の溶接接合形態をいくつか例示して示す拡大底面図。
【符号の説明】
1 スパークプラグ
2 中心電極
3 絶縁体
4 接地電極
4a,4b,4c 切欠部
5 主体金具
O 中心軸線
6 取付ねじ部
g 火花放電ギャップ
P 第一投影面
L 延伸方向
Q 第二投影面
J 第一側面
K 第二側面
W 溶接区間
Claims (1)
- 中心電極(2)と、その中心電極(2)の外側に設けられた絶縁体(3)と、前記絶縁体(3)の外側に設けられるとともに内燃機関への取付ねじ部(6)が外周面に形成された主体金具(5)と、一端側が前記主体金具(5)に結合され、他端側が前記中心電極(2)の先端と対向するように配置されて前記中心電極(2)との間に火花放電ギャップ(g)を形成する接地電極(4)とを備え、
前記取付ねじ部(6)の中心軸線(O)と直交する第一投影面(P)への正射投影像において、該接地電極(4)は前記中心軸線(O)に関する半径方向に直線的に延伸した外形形態を有し、
前記中心軸線(O)と、前記投影面(P)上における前記接地電極(4)の正射投影像の延伸方向(L)とのいずれとも平行な第二投影面(Q)を考えたとき、前記接地電極(4)の前記火花放電ギャップ(g)に近い側の側面(以下、第一側面という)(J)が、該第二投影面(Q)への正射投影像において、前記主体金具(5)との接合側の端(A)から先端(B)に向けて、少なくともその途中区間まで、前記中心軸線(O)に近づく向きに直線的に延びる形態を有してなり、
また、前記接地電極(4)はPtを主成分とする合金にて構成される棒状素材の一方の端部を、溶接区間(W)において前記主体金具(5)の端面に溶接接合して形成されたものであり、かつ、前記第一投影面(P)への正射投影像において前記接地電極(4)は、前記延伸方向(L)における前記溶接区間(W)の長さをw、該溶接区間(W)よりも前記火花放電ギャップ(g)側に突出している部分の長さをdとしたとき、d/(d+w)が0.55〜0.58に調整されてなり、
また、前記主体金具(5)は、前記取付ねじ部(6)の形成部分にて内周面が円筒状面(5e)とされてなり、該円筒状面(5e)を前記火花放電ギャップ(g)の存在側に延長したとき、前記接地電極(4)の該延長面(5e)よりも内側に突出する部分は、前記主体金具(5)との接合側の端(A)から先端(B)に向けて、少なくともその途中区間までが中心軸線が一定の直柱体状部とされ、該直柱体状部の軸断面積が0.64〜2mm2であることを特徴とするスパークプラグ。
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