JP4637759B2 - 誤り訂正処理方法及び伝送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、デジタル伝送装置から出力されるデジタルデータの信頼性向上に関する技術である。
昨今、映像や音声信号をデジタル信号化した後、MPEG処理によりデータ圧縮し、デジタルデータを伝送可能な変調器や復調器で変復調し、伝送する技術が多用されている。従来技術と本発明に共通な映像デジタル伝送システム全体の構成を示すブロック図の図5を用いて、以下に説明する。
送信側において、映像信号はMPEGエンコーダ11に入力され、圧縮データとなる。この圧縮データの構成は、8ビット即ち1バイトを1ワードとした188ワードと16ワードのパリティの合計204ワードを単位を単位とする多数個の誤り訂正単位(以後パケット)から構成されるトランスポートストリーム(以後TS)信号と呼ぶ形態となる。このTS信号は、DVBエンコーダ(Digital Video Broadcasting−Encoder)12に入力され、DVB(Digital Video Broadcasting)処理を施されDVBe信号となる。このDVBe信号は、変調部13により、例えばOFDM変調され、送信部14に送られ送信アンテナ15から電波として放射される。
放射された電波は、伝送路W1を経由して、受信アンテナ16に到達する。なお、伝送路W1の状態においては、電波の強さも距離に応じて減衰するため雑音等も混入してしまう。受信アンテナ16により収集された電波は、受信部17に入力され、復調部18に入力され、変調と同一の処理に対応するOFDM復調が行われ、DVBr信号として出力される。このDVBr信号は、DVBデコーダ19に入力され、TSr信号となって、元のトランスポート信号に戻される。MPEGデコーダ20は、このTSr信号を伸張処理し、元の映像信号を出力する。
ここで、受信側におけるDVBデコーダ19で行うRS(Read Solomon)訂正の概念について簡単に述べる。RS訂正は、16ワードのパリティを与えた場合、パリティの数16だけ方程式を作れるので、16個の未知数が求められる。つまり、8つの誤りの位置8個とその値8個を算出できるため、場所不明の8個の誤りを訂正できる。すなわち、付加したパリティ数の半分の誤りに対し、その位置と誤った値を算出できる。ただし、検算に用いる式が無くなるため、多くの誤りが混入した場合、誤訂正を検出できない頻度が増加する。訂正の数を減らせば、一部の式を検算に用いることができ、誤訂正が発生する頻度は低下させられる。RS訂正は、訂正能力をフル活用しなければ、誤りを誤認する頻度を低減できる。しかし、204ワード中に9ワード以上の誤りがあると、誤り訂正は全く行わず、エラーフラグを発生する。ここで、エラーフラグとは誤り訂正が成功したか否かを示す情報のことであり、以下フラグと省略する。
そこで従来は受信部で、サイトダイバシチにおいて、各系統を誤り訂正し、誤りの無い系統のパケットを選択していた。さらに、9ワード以上の誤りがあり誤り訂正を行わずエラーフラグを発生する場合に備えて、多数決によりワードを決定して再生成した誤り訂正単位に対して、誤り訂正を行うことも提案されている。(特許文献2)
図6に、従来技術の多数決誤り訂正処理の構成を示すブロック図を示す。復調部1、2,3出力のDVBr信号を誤り訂正部4,5,6で処理しても、フラグNGで訂正不能な場合、多数決部8でDVBr信号の多数決によりワードを決定して再生成した誤り訂正単位に対して、誤り訂正部7で処理した誤り訂正結果を選択部9で出力する。
従来技術の多数決誤り訂正処理動作を示すタイムチャートの模式図の図7において、図7の上段の部分の様に、誤り訂正の信号が、3系統ともフラグNGで訂正不能な場合、図7の中段の部分の様に、ワード単位で多数決により選択するワードを決定し出力する。ここで、3系統の誤りは系統ごとにはバラバラであり、多数決により選択したワードが、必ずしも正常であるとは限らない。しかし、図7の中段に示す様に、多数決により選択したワードが誤りである確率より、正常である確率の方が高いため、誤り総数が8ヶ以内となり、誤り訂正可能となる可能性が大きい。
特開2003−283468号公報 特願2005−275857号公報
上記の誤り訂正は、それでも、従来技術の多数決誤り訂正処理の破綻動作を示すタイムチャートの模式図の図8の様に、誤りワードが多い場合には、図8の中段に示す様に3系統以上でワードが異なり多数決が成立しないで、誤り総ワードが9ヶ以上となり、誤り訂正できないケースも存在する。その場合は従来の構成においては、誤りワードが多い場合、訂正処理の誤った処理によって、誤りがさらに増加し、MPEG復号処理をさらに悪化させる欠点を持つ。この悪化は、時として、届くはずのないデータを待つなどの、大きな間違いをMPEGデコーダに与え、異常画像の生じる秒数を長くする欠点も生じる。
本発明はこれらの欠点を除去し、誤りワードが多い場合に存在する3系統以上でワードが異なり多数決が成立しないケースでも、誤り訂正の成功率を高めることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、誤り訂正符号化処理を施したデジタル信号を伝送する伝送装置において、受信側での復号化処理に際し、受信信号における3系統以上のブロック符号化信号を入力とし、前記3系統以上のブロック符号化信号の内、少なくとも誤り訂正不能な誤り訂正単位は、それぞれのタイミング位相を、ワード単位にて一致させ多数決によりワードを決定して再生成し、少なくとも誤り訂正不能な誤り訂正単位の中で前記3系統以上で異なるワードは、幾つか前までの誤り訂正単位から誤り最小と予測される誤り訂正単位のワードを選択し再生成した誤り訂正単位に対して、誤り訂正を行う。
また、前記幾つか前までの誤り訂正単位から誤り最小の誤り訂正単位を予測し選択する方法として、前記幾つか前までの誤り訂正単位において、誤りの累計の最小の誤り訂正単位または誤りの増加の最小の誤り訂正単位または誤りの累計と誤りの増加の合計の最小の誤り訂正単位または誤りの累計と誤りの増加と誤りの増加微分の合計の最小の誤り訂正単位のいずれかのワードを選択する。
そして、映像信号をデジタル圧縮符号化し、誤り訂正符号化等の伝送路符号化処理を施し、デジタル変調した後に伝送信号化する送信部と、該伝送信号を受信し、デジタル復調処理、誤り訂正等の伝送路復号化処理、デジタル圧縮情報の伸張処理をする受信部とからなる伝送装置において、前記受信部の伝送路復号化部での復号化処理に際し、上記の誤り訂正処理を行う手段を設けたことを特徴とする伝送装置を供給する。
以上説明したように本発明によれば、従来の方法では誤りワードが多く訂正不可能なTS信号においても、訂正できるケースが生じ、誤り訂正の成功率を高め、画像復調の処理を停止する頻度を低下することができる。
図5に、従来技術と本発明に共通な伝送システム全体の構成を示すブロック図であり、以下に説明する。本発明の実施例が従来技術と異なる点は、図5のDVBデコーダ19の内部の誤り訂正が改良されたことである。
図5の送信側において、映像信号はMPEGエンコーダ11に入力され、圧縮データとなる。この圧縮データの構成は、8ビットすなわち1バイトを1ワードとした188ワードを単位とする多数個のパケットから構成されるTS信号と呼ぶ形態となる。このTS信号は、DVBエンコーダ12に入力され、DVB処理を施されDVBe信号となる。このDVBe信号は、変調部13により、例えばOFDM変調され、送信部14に送られ送信アンテナ15から電波として放射される。
放射された電波は、伝送路W1を経由して、受信アンテナ16に到達する。なお、伝送路W1の状態においては、電波の強さも距離に応じて減衰するため雑音等も混入してしまう。受信アンテナ16により収集された電波は、受信部17に入力され、復調部18に入力され、変調と同一の処理に対応するOFDM復調が行われ、DVBr信号として出力される。このDVBr信号は、DVBデコーダ19に入力され、誤り訂正を施され、TSr信号となって、元のトランスポート信号に戻される。MPEGデコーダ20は、このTSr信号を伸張処理し、元の映像信号を出力する。
以下、本発明の実施例の誤り訂正処理について、図1から図4を用いて説明する。図1は本発明の誤り訂正処理動作を示すタイムチャートの模式図であり、図2は本発明の第一の誤り訂正処理の実施例による構成を示すブロック図であり、図3は本発明の第二の誤り訂正処理の実施例による構成を示すブロック図であり、図4は本発明の第三の誤り訂正処理の実施例による構成を示すブロック図である。
まず、本発明の誤り訂正処理動作を示すタイムチャートの模式図の図1において、図1の上段の部分の様に、誤り訂正の信号が、3系統ともフラグNGで訂正不能な場合、図1の中段の部分の様に、ワード単位で多数決により選択するワードを決定し出力する。ここで、3系統の誤りは系統ごとにはバラバラであり、多数決により選択したワードが誤りである確率より、正常である確率の方が一般には高い。しかし、図1の中段に示す様に、誤りが多い場合の内3系統でワードが異なり多数決が成立しないケースでは、今までのTSから誤り最小と予測される系のワードを選択し再生成した信号ブロック符号に対して、誤り訂正を行う。具体的な誤り最小系の予測方法として、今までの数TSにおいて、ア:誤りの累計の最小系、イ:誤りの増加の最小系、ウ:誤りの累計と誤りの増加の合計の最小系、エ:誤りの累計と誤りの増加と誤りの増加微分の合計の最小系のいずれかのワードを選択する。上記アの予測方法が計算量が最小で安定、エの予測方法が計算量が最大で精度が最良である。
図2に、本発明の第一の誤り訂正処理の実施例による構成を示すブロック図を示す。復調部1、2,3出力のDVBr信号を誤り訂正部4,5,6で処理しても、フラグNGで訂正不能な場合、多数決部8でDVBr信号の多数決してから、誤り訂正部7で処理した誤り訂正結果を選択部9で出力する。誤りが多く3系統でワードが異なり多数決が成立しない場合は、誤り最小予測部10でワードを選択し再生成した誤り訂正単位に対して、誤り訂正部7で処理した誤り訂正結果を選択部9で出力する。
次に、本発明の第二の誤り訂正処理の実施例による構成を示すブロック図を図3に示す。復調部1、2,3出力のDVBr信号を、多数決部8で多数決してから、誤り訂正部7で処理した誤り訂正結果を出力する。誤りが多く3系統でワードが異なり多数決が成立しない場合は、誤り最小予測部10でワードを選択し再生成した誤り訂正単位に対して、誤り訂正部7で処理した誤り訂正結果を選択データとして出力する。
さらに、本発明の第三の誤り訂正処理の実施例による構成を示すブロック図を図4に示す。復調部1、2,3出力のDVBr信号を、誤り最小予測部10でワードを選択し再生成した誤り訂正単位に対して、誤り訂正部7で処理した誤り訂正結果を選択部9で出力する。
本発明の誤り訂正処理動作を示すタイムチャートの模式図 本発明の第一の誤り訂正処理の実施例による構成を示すブロック図 本発明の第二の誤り訂正処理の実施例による構成を示すブロック図 本発明の第三の誤り訂正処理の実施例による構成を示すブロック図 従来技術と本発明に共通な伝送システム全体の構成を示すブロック図 従来技術の多数決誤り訂正処理による構成を示すブロック図 従来技術の多数決誤り訂正処理動作を示すタイムチャートの模式図 従来技術の多数決誤り訂正処理の破綻動作を示すタイムチャートの模式図
符号の説明
1、2、3:受信部、4、5,6、7:誤り訂正部、8:多数決部、
9:選択部、10:誤り最小予測部、11:MPEGエンコーダ、
12:DVBエンコーダ、13:変調部、14:送信部、15:送信アンテナ、W1:伝送路、16:受信アンテナ、17:受信部、18:復調部、
19:DVBデコーダ、20:MPEGデコーダ

Claims (3)

  1. 誤り訂正符号化処理を施したデジタル信号を伝送する伝送装置において、受信側での復号化処理に際し、受信信号における3系統以上のブロック符号化信号を入力とし、前記3系統以上のブロック符号化信号の内、少なくとも誤り訂正不能な誤り訂正単位は、それぞれのタイミング位相を、ワード単位にて一致させ多数決によりワードを決定して再生成し、少なくとも誤り訂正不能な誤り訂正単位の中で前記3系統以上で異なるワードは、幾つか前までの誤り訂正単位から誤り最小と予測される誤り訂正単位のワードを選択し再生成した誤り訂正単位に対して、誤り訂正を行うことを特徴とする信号処理方法。
  2. 請求項1の信号処理方法において、前記幾つか前までの誤り訂正単位から誤り最小の誤り訂正単位を予測し選択する方法として、前記幾つか前までの誤り訂正単位において、誤りの累計の最小の誤り訂正単位または誤りの増加の最小の誤り訂正単位または誤りの累計と誤りの増加の合計の最小の誤り訂正単位または誤りの累計と誤りの増加と誤りの増加微分の合計の最小の誤り訂正単位のいずれかのワードを選択することを特徴とする信号処理方法。
  3. 映像信号をデジタル圧縮符号化し、誤り訂正符号化等の伝送路符号化処理を施し、デジタル変調した後に伝送信号化する送信部と、該伝送信号を受信し、デジタル復調処理、誤り訂正等の伝送路復号化処理、デジタル圧縮情報の伸張処理をする受信部とからなる伝送装置において、前記受信部の伝送路復号化部での復号化処理に際し、請求項1乃至請求項2の誤り訂正処理を行う手段を設けたことを特徴とする伝送装置。
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