JP4637561B2 - 下水道の水質監視装置 - Google Patents
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Description
水質測定装置がマンホール内に設置されていることで、これに接続するケーブルも、特許文献1の図1に示されているように、マンホール内からマンホール蓋まで引き回されている。すなわち、このケーブルは、水質測定装置の上面側から引き出され、この水質測定装置の上面にてループ部を一周形成した後、マンホール蓋まで引き延ばされている。このようにすることで、マンホール蓋を持ち上げた際、ケーブルはそのループ部による余長が確保されていることにより、マンホール蓋の持ち上げに干渉することなく、したがって、ケーブルが引きちぎれるなどの破損が防止されているのである。
さらに、マンホール蓋にアンテナ機能を持たせるためには、既存のマンホール蓋に対して加工を施さなくてはならず、したがってその分のコストがかかってしまう。
前記管渠に連通する人孔の地上側の開口を覆う人孔蓋と、前記管渠内あるいは人孔内に設けられて前記管渠内を流れる下水の水質を検出するセンサと、該センサにケーブルを介して接続された、前記監視基地に通信するための通信手段と、を備えてなり、
前記人孔蓋が、内蓋と外蓋との二重構造に形成され、前記センサに接続するケーブルが、前記人孔蓋の内蓋に形成された貫通孔内を移動可能に通って該内蓋と前記外蓋との間の空間部に引き出され、かつ該空間部にて弛み部を形成してなることを特徴としている。
また、センサに接続するケーブルに弛み部を形成し、この弛み部を、内蓋と外蓋とからなる人孔蓋の空間部に配しているので、この弛み部は台風などの異常な降雨時における増水などにもほとんど影響を受けることがない。したがって、ケーブルはこの弛み部により、人孔蓋(マンホール蓋)の持ち上げに干渉してしまうことが防止されている。
このようにすれば、特に通信手段の保守点検を行う場合に、人孔内にまで降りることなく、単に人孔蓋の外蓋のみを開くことで、その保守点検を行うことができる。
さらに、前記下水道の水質監視装置においては、前記通信手段が、光電変換器であり、かつ、前記管渠内に設けられて前記監視基地に接続する光ファイバに、光ケーブルを介して接続されていてもよい。
このようにすれば、降雨などの不測の外力によってセンサ側のケーブルが引っ張られ、弛み部による余長部分が内蓋の貫通孔を通って人孔側に引き込まれてしまうのが防止される。
このようにすれば、例えばセンサの保守点検を行う場合などにおいて、人孔蓋を外蓋、内蓋ともに人孔から外し、地面に置いた際、前記脚体を避けてケーブルを内蓋よりその外側に引き出すことにより、内蓋がケーブル上に載ってしまい、人孔蓋の重量によってケーブルが破損してしまうのが防止される。
また、前記通信手段を内蓋と外蓋との間の空間部に配設するようにすれば、この通信手段の保守点検を、人孔内にまで降りることなく、単に人孔蓋の外蓋のみを開くことで行うことができ、したがって、その作業性を格段に改善することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の下水道の水質監視装置の第1の実施形態を示す図であり、図1中符号1は下水道の水質監視装置(以下、水質監視装置と記す)である。この水質監視装置1は、地中に設けられた管渠2内を流れる下水3の水質を検出し、検出結果を監視基地4に通信することで、下水3の水質を監視するものであり、前記管渠2に連通する人孔(マンホール)5の地上側の開口を覆う人孔蓋(マンホール蓋)6と、前記管渠2内を流れる下水3の水質を検出するセンサ7と、該センサ7にケーブル8を介して接続された通信手段9とを備えて構成されたものである。
人孔蓋6の内蓋6aは、その上端部が人孔5の開口部5aに引っ掛けられた状態で置かれたことにより、開口部5aに着脱可能に取り付けられ、保持されたものである。この内蓋6aには、その底部に貫通孔10が形成されており、この貫通孔10には、前記センサ7に接続するケーブル8の一端側(センサ7と反対の側)が移動可能に通り、前記空間部6c側に引き出されている。
また、内蓋6aの内周面には、この内蓋6aを地面側から引き上げるための取っ手(図示せず)が設けられている。
まず、通常時には、センサ7によって管渠2を流れる下水3の水質を、定常的、例えば10分間隔で検出する。すると、得られた検出値(検出信号)はケーブル8を介して変換器12に送られ、ここで通信信号に変換される。そして、この通信信号はアンテナ13から監視基地4に送られる。したがって、監視基地4では、下水3の水質の定常的な監視を行うことができるようになっているのである。
また、アンテナ13等からなる通信手段9を内蓋6aと外蓋6bとの間の空間部6cに配設しているので、この通信手段9の保守点検を、人孔5内にまで降りることなく、単に人孔蓋6の外蓋6bのみを開くことで行うことができる。したがって、その作業性を従来に比べ格段に改善することができる。
図3は、本発明の下水道の水質監視装置の第2の実施形態を示す図であり、図3中符号20は下水道の水質監視装置である。この水質監視装置20が図1に示した水質監視装置1と異なるところは、監視基地4への通信方式として、アンテナ13を介して無線で行うのに代えて、光ファイバを介して行う点にある。
また、特にセンサ7の保守点検や交換を行う場合にも、図1に示した水質監視装置1と同様に、ケーブル8と光ケーブル25に干渉されることなく内蓋6aを持ち上げ、地面に置くことで、人孔5を開くことができる。
また、光電変換器24等からなる通信手段23を内蓋6aと外蓋6bとの間の空間部6cに配設しているので、この通信手段9の保守点検を、人孔5内にまで降りることなく、単に人孔蓋6の外蓋6bのみを開くことで行うことができる。したがって、その作業性を従来に比べ格段に改善することができる。
Claims (6)
- 管渠内を流れる下水の水質を検出して監視基地に通信することで、下水の水質を監視する水質監視装置であって、
前記管渠に連通する人孔の地上側の開口を覆う人孔蓋と、前記管渠内あるいは人孔内に設けられて前記管渠内を流れる下水の水質を検出するセンサと、該センサにケーブルを介して接続された、前記監視基地に通信するための通信手段と、を備えてなり、
前記人孔蓋が、内蓋と外蓋との二重構造に形成され、前記センサに接続するケーブルが、前記人孔蓋の内蓋に形成された貫通孔内を移動可能に通って該内蓋と前記外蓋との間の空間部に引き出され、かつ該空間部にて弛み部を形成してなることを特徴とする下水道の水質監視装置。 - 前記通信手段が、前記ケーブルの弛み部に対して前記センサと反対の側に接続され、かつ、前記内蓋と前記外蓋との間の空間部に配設されていることを特徴とする請求項1記載の下水道の水質監視装置。
- 前記通信手段が、アンテナを備えてなることを特徴とする請求項1又は2記載の下水道の水質監視装置。
- 前記通信手段が、光電変換器であり、かつ、前記管渠内に設けられて前記監視基地に接続する光ファイバに、光ケーブルを介して接続されていることを特徴とする請求項1記載の下水道の水質監視装置。
- 前記ケーブルには、前記弛み部の弛んだ状態を保持する、保持具が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の下水道の水質監視装置。
- 前記内蓋には、その底面側に、前記センサに接続するケーブルの外径より大となる高さの脚体が、前記センサに接続するケーブルを内蓋より外側に引き出し可能とする状態に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の下水道の水質監視装置。
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