JP4637541B2 - 感熱性平版印刷版前駆体 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外吸収性化合物を含んでなりそして着色剤が像記録層上の別個の層の中にさらに存在する感熱性平版印刷版前駆体に関する。
平版印刷では、例えば印刷版の如きいわゆる印刷マスターが印刷機の胴上に設置される。マスターは平版像をその表面上に担持しそしてインキを該像に適用しそして次にインキをマスターから典型的には紙である受容体材料の上に転写することにより印刷されたコピーが得られる。従来のいわゆる「湿潤」平版印刷(“wet” lithographic printing)では、親油性(または疎水性、すなわちインキ受容性、撥水性)領域並びに親水性(または疎油性、すなわち水受容性、インキ反撥性)領域よりなる平版像にインキ並びに湿し水(湿し液とも称する)が供給される。いわゆる「ドリオグラフィー」印刷(“driographic” printing)では、平版像はインキ受容性およびインキ−不粘着性(ink−abhesive)(インキ反撥性)領域よりなりそしてドリオグラフィー印刷中にインキだけがマスターに供給される。
印刷マスターは一般にいわゆるコンピューター−ツー−フィルム(computer−to−film)(CtF)方法により得られ、そこでは例えば活字書体選択、走査、色分離、スクリーニング、トラッピング、レイアウトおよび組み付けのような種々の印刷前段階がデジタル方式で行われそして各々の色選択がイメージ−セッターを用いて版画フィルムに転写される。処理後に、フィルムを版前駆体と称する像形成材料の露出用マスクとして使用することができ、そして版処理後にマスターとして使用できる印刷版が得られる。大体1995年から、いわゆるコンピューター−ツー−プレート(computer−to−plate)(CtP)方法は大きな興味を持たれてきた。「ダイレクト−ツー−プレート(direct−to−plate)」とも称されるこの方法は、デジタル文書がいわゆるプレート−セッターにより版前駆体に直接転写されるため、フィルムの作成が回避される。
特に、熱および赤外線に敏感である熱版がそれらの昼光安定性のためにコンピューター−ツー−プレート方法で広く使用される。そのような熱材料は、例えば熱ヘッドを用いて、熱に直接露呈されうるが、好ましくは吸収した光を熱に転化させる化合物を含んでなりそしてその結果レーザーによる、特に赤外レーザーダイオードによる、露出に適する。像通りの露出で発生する熱は例えば融解、重合、重合体の架橋結合による不溶性化、分解、または熱可塑性重合体ラテックスの粒子凝集の如き(物理)化学的工程を引き起こし、そして場合に行われる処理後に平版像が得られる。
特許文献1は、支持体上に像形成層およびオーバーコート層を含んでなる現像剤を含まない感熱性平版印刷版前駆体を開示している。像形成層は、親水性結合剤重合体中に分散された疎水性熱可塑性重合体粒子を含んでなる。オーバーコート層は水中に可溶性であり且つ赤外線を吸収しそしてそれを熱に転化させうる水溶性シアニン染料を含んでなる。
特許文献2は、親水性ベース上に像形成層を含んでなる感熱性要素を開示している。その層は疎水性熱可塑性粒子および光を熱に転化させうる化合物を含んでなり、ここで該化合物は像形成層またはそれに隣接する層の中に存在する。像形成層は0.1〜3μmの間の厚さを有する被覆層でさらにコーティングされる。
特許文献3は、水溶性結合剤およびその中にある粒子を含んでなるネガ作用性(negaive working)感熱性組成物を開示している。粒子の各々は顔料成分および熱可塑性樹脂成分を含んでなる。乾燥コーティングの現像剤水溶解度が加熱時に低下するように、感熱性組成物は基質上に乾燥コーティング状で付与されうる。
特許文献4は、像形成材料が像通りに露出される方法を開示している。像形成材料は、親水性結合剤、光を熱に転化させうる化合物および疎水性熱可塑性重合体粒子よりなる像記録層を含んでなる。露出は、重合体粒子の凝集を誘発しそして露出された領域を印刷マスターの印刷領域を規定する疎水性相に転化させる。層は印刷機操作中に胴に供給される湿し水およびインキとの相互作用により現像されるため、印刷機操作は露出直後に追加処理なしに開始することができる。印刷の初期操作の間に、露出されなかった領域が支持体から除去されそしてそれにより版の非印刷領域を規定する。
熱可塑性重合体粒子の熱で誘発される凝集に基づく先行技術の熱版材料に伴う問題は、現像後に版上に形成される像における充分なコントラストの不足である。従って、最終使用者が版を同定すること(例えば、どの版がどの版のセットに属するか)が難しい。版上に形成された像の品質を分析すること並びにどの版を補正すべきかまたはどの版を再製造すべきかを決定することも非常に難しい。その結果、そのような版に関してはどの版が印刷工程を開始するのに適するかを評価するための試験印刷段階が必要である。
特許文献5は、親水性結合剤、光を熱に転化しうる化合物および疎水性熱可塑性重合体粒子よりなる像記録層を含んでなる像形成材料が像通りに露出され、それにより重合体粒子の凝集を誘発する平版印刷版の製造方法を開示している。像通りに露出された材料は、像記録層にゴム溶液を適用しそれによりコーティングの露出されなかった領域を支持体から除去することにより、処理される。処理後に可視像を与えるためには、着色剤を像記録層に加える。
先行出願である特許文献5の発明者は、像記録層に対するこれらの着色剤の添加が露出された領域内での重合体粒子の凝集を妨害して、より低い感度を誘発することを確認した。これらの着色剤に関連する別の問題は、汚染すなわち印刷工程中の非像領域におけるインキ受容性である。この問題は、処理後の露出されなかった領域内での基質の親水性表面上に残存して減じられた親水性および/または増加した疎水性を誘発する着色剤の吸着に関連する。
欧州特許出願公開第1106347号明細書 欧州特許出願公開第816070号明細書 米国特許第6,245,477号明細書 欧州特許出願公開第770494号明細書 欧州特許出願公開第1342568号明細書
本発明の目的は、処理後に改良された像コントラストおよび減じられた汚染を示す感熱性像形成要素を提供することである。この目的は、前駆体が像記録層またはコントラスト層の少なくとも一方に存在する赤外吸収性化合物を含んでなることおよびコントラスト層すなわち像記録層上の別個の層が着色剤をさらに含んでなることの特徴を有する請求項1に規定された前駆体により実現される。
本発明の他の具体的な態様は従属請求項に規定されている。
本発明によれば、(i)親水性表面を有する平版ベース、(ii)疎水性熱可塑性重合体粒子を含んでなる像記録層および(iii)コントラスト層を記載の順序で含んでなる感熱性平版印刷版前駆体であって、該前駆体が該像記録層またはコントラスト層の少なくとも一方に存在する赤外吸収性化合物を含んでなり、該コントラスト層が前駆体の露出および現像後に可視像を与えうる着色剤をさらに含んでなりそして該像記録層が該着色剤を実質的に含まない感熱性平版印刷版前駆体が提供される。
「実質的に含まない」は像記録層の製造において着色剤がコーティング溶液または分散液に加えられないことを意味するが、例えば、像記録層とコントラスト層との部分的混合によりまたはコントラスト層からの着色剤の像記録層中への部分的拡散により痕跡量の着色剤が像記録層中に存在することは除外されない。従って、1つもしくはそれ以上の中間層がコントラスト層と像記録層との間に存在しうる。コントラスト層は像記録層と直接接触してもよい。
該着色剤は染料または顔料でありうる。該染料または顔料は、染料または顔料を含んでなる層が人間の目で見て着色されている場合には、着色剤として使用することができる。
本発明の好ましい態様では、着色剤は顔料である。種々のタイプの顔料、例えば有機顔料、無機顔料、カーボンブラック、金属粉末顔料および蛍光顔料、を使用することができる。有機顔料が好ましい。
有機顔料の具体例には、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、フタロシアニン顔料、アントラピリミジン顔料、アンタンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ピリノン顔料、キノフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリノン顔料、アゾメチン顔料、およびアゾ顔料が包含される。
着色剤として使用可能な顔料の具体例は以下のものである(ここではC.I.はカラー・インデックスに対する略語であり、青色着色顔料は人間の目に青色に見える顔料であると理解され、他の着色顔料も同様に理解されるべきである):
−C.I.ピグメント・ブルー1、C.I.ピグメント・ブルー2、C.I.ピグメント・ブルー3、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:34、C.I.ピグメント・ブルー16、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60など、並びにC.I.バット・ブルー4、C.I.バット・ブルー60などを包含する青色着色顔料;
−C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド7、C.I.ピグメント・レッド12、C.I.ピグメント・レッド48(Ca)、C.I.ピグメント・レッド48(Mn)、C.I.ピグメント・レッド57(Ca)、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド112、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・レッド202およびC.I.ピグメント・レッド209を包含する赤色着色顔料;
−C.I.ピグメント・イエロー1、C.I.ピグメント・イエロー2、C.I.ピグメント・イエロー3、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14C、C.I.ピグメント・イエロー16、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー73、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー75、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー95、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー98、C.I.ピグメント・イエロー109、C.I.ピグメント・イエロー110、C.I.ピグメント・イエロー114、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー129、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー154、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー180およびC.I.ピグメント・イエロー185を包含する黄色着色顔料;
−C.I.ピグメント・オレンジ36、C.I.ピグメント・オレンジ43、およびこれらの顔料の混合物を包含する橙色着色顔料;
−C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、およびこれらの顔料の混合物を包含する緑色着色顔料;
−三菱化学株式会社(Mitsubishi Chemical Corporation)により製造されるもの、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、およびNo.2200B;コロンビアン・カーボン・カンパニー・リミテッド(Columbian Carbon Co.,Ltd.) により製造されるもの、例えば、ラベン(Raven)5750、ラベン5250、ラベン5000、ラベン3500、ラベン1255、およびラベン700;キャボット・コーポレーション(CABOT CORPORATION)により製造されるもの、例えば、レガル(Regal)400R、レガル330R、レガル660R、モグル(Mogul)L、モナーチ(Monarch)700、モナーチ800、モナーチ880、モナーチ900、モナーチ1000、モナーチ1100、モナーチ1300、およびモナーチ1400;並びにデグッサ(Degussa)により製造されるもの、例えば、カラー・ブラック(Color Black)FW1、カラー・ブラックFW2、カラー・ブラックFW2V、カラー・ブラックFW18、カラー・ブラックFW200、カラー・ブラックS150、カラー・ブラックS160、カラー・ブラックS170、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、スペシャル・ブラック(Special Black)6、スペシャル・ブラック5、スペシャル・ブラック4A、およびスペシャル・ブラック4を包含する黒色着色顔料。
別のタイプの顔料、例えば、褐色顔料、紫色顔料、蛍光顔料および金属粉末顔料を着色剤として使用することもできる。顔料は単独でまたは2種もしくはそれ以上の顔料の混合物としてコントラスト層中の着色剤として使用することができる。
本発明によれば、シアン顔料を包含する青色着色顔料が好ましく、そして青色着色フタロシアニンまたはフタロシアニン−含有顔料が最も好ましい。
顔料は顔料粒子の表面処理を受けてまたは受けずに使用することができる。本発明の別の好ましい態様によると、顔料は表面処理を受ける。
表面処理方法には、樹脂の表面コートを適用する方法、界面活性剤を適用する方法、および反応性物質(例えば、シラン結合剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネートなど)を顔料の表面に結合させる方法が包含される。表面処理された顔料の適した例は、国際公開第02/04210号パンフレットに記載された改質顔料である。具体的には、国際公開第02/04210号パンフレットに記載された青色着色改質顔料が本発明における着色剤として非常に好ましい。
本発明によると、顔料は好ましくは10μmより小さい、より好ましくは5μmより小さい、そして特に好ましくは3μmより小さい、粒子寸法を有する。顔料の分散方法は、インキまたはトナーなどの製造用に使用されるいずれかの既知の分散方法でありうる。分散機械には、超音波分散機、サンドミル、磨耗機、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、ディスペンサー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3ロールミルおよび加圧混練機が包含される。それらの詳細は「最近の顔料応用技術(Latest Pigment Applied Technology)」(CMCパブリケーションズ(CMC Publications)、1986年発行)に記載されている。
本発明の好ましい態様によると、コントラスト層をコーティングするためのコーティング溶液の製造において顔料分散液が使用される。顔料分散液は好ましくは1種もしくはそれ以上の分散化剤を含んでなる。分散化剤は分散された顔料粒子を安定化させそして粒子の凝集を防止する。従って、適した分散化剤は好ましくは分散液体中に可溶性である界面活性剤および/または重合体である。
本発明によると、顔料分散液用の分散液体は好ましくは水性液体である。そのような水性液体には、水および水と水混和性有機溶媒、例えば、アルコール類、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、イソ−アミルアルコール、オクタノール、セチルアルコールなど;グリコール類、例えばエチレングリコール;グリセリン;N−メチルピロリドン;メトキシプロパノール;並びにケトン類、例えば2−プロパノンおよび2−ブタノンなどとの混合物が包含される。
水性液体中の分散化剤として適した界面活性剤は好ましくはアニオン性もしくは非イオン性界面活性剤またはアニオン性および非イオン性界面活性剤の組み合わせである。アニオン性界面活性剤は、好ましくは、スルホネート、カルボキシレートまたはホスフェートイオン性基を含んでなる。非イオン性界面活性剤は、好ましくは、エチレン−オキシド基および/またはプロピレン−オキシド基を含んでなる。
分散化剤として適した非イオン性およびアニオン性界面活性剤の例は、
ジェネラル・アニリン(GENERAL ANILINE)からのリン酸二水素アルキルフェノキシポリエトキシであるガファック(GAFAC)TMRM710、
ジェネラル・アニリンからの約40単位長さのポリエチレンオキシド鎖を有するのニルフェノキシポリエトキシエタノールであるアンタロックス(ANTAROX)TMB290、
ジェネラル・アニリンからの約30単位のポリエチレンオキシド鎖長を有するひまし油の縮合生成物であるアンタロックスTMC0880、
チバ−ガイギー(CIBA−GEIGY)からのスルホン酸アルカリールのナトリウム塩であるウルトラフォン(ULTRAVON)TMW、
バイエル(BAYER)からのスルホン酸アルキルのナトリウム塩であるメルソラト(MERSOLAT)TMH、
ヒュルス(HUELS)からのスルホン酸ドデシルベンゼンのナトリウム塩であるマルロン(MARLON)TMA−396
アメリカン・シアナミド(AMERICAN CYANAMID)からのスルホ琥珀酸のビス−(2’−エチルヘキシル)エステルのナトリウム塩であるアエロゾル(AEROSOL)TMOT、
ヘキスト(HOECHST)からのβ−(メチル−オレイル−アミノ)エチルスルホン酸ナトリウムであるホスタポン(HOSTAPON)TMT、
ヘキストからの2,4,6−トリブチルフェノキシポリエトキシスルホン酸ナトリウムであるホスタパル(HOSTAPAL)TMBV、
バスフ(BASF)からの4,7−ジブチル−2−スルホナフタレンのナトリウム塩であるネファル(NEFAL)TMBX、
ヘミイ(CHEMY)からのオクチルフェノキシ−ポリエトキシ−酢酸のナトリウム塩であるアキポ(AKYPO)TMOP−80、
ユニオン・カーバイド(UNION CARBIDE)からの1−イソブチル−4−エチル−オクチル−硫酸エステルのナトリウム塩であるテルギトール(TERGITOL)TM4、
バイエルからの4,7−ビス(イソブチル)−2−ナフタレンスルホン酸のナトリウム塩であるエルカントール(ERKANTOL)TMBX、
デュポン(DU PONT)からのトリス(イソプロピル)ナフタレン−スルホン酸のナトリウム塩であるアルカノール(ALKANOL)TMXC
である。
水性液体中での分散化剤として適した重合体の具体例は、イオン性もしくはイオン化可能な基を含んでなるかまたはポリエチレノキシド基を含有する重合体である。イオン性もしくはイオン化可能な基の例は、酸基またはそれらの塩、例えばカルボン酸、スルホン酸、リン酸またはホスホン酸である。重合体中の酸基は、有機アミン(例えば、アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モルホリン、ジエタノールアミンもしくはトリエタノールアミン)またはアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウムもしくはカリウム)で中和することができる。重合体はアニオン性基を含んでなる単量体から構成されうる。重合体はアニオン性および/または非イオン性基を含んでなる2種もしくはそれ以上の相異なるタイプの単量体からも構成されうる。アニオン性基を含んでなる単量体の具体例は、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(メタ)アクリル酸、プロピル(メタ)アクリル酸、イソプロピル(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、 (メタ)アクリル酸スルホエチル、ブチル(メタ)アクリルアミドスルホン酸および(メタ)アクリル酸ホスホエチル、ポリスチレンスルホン酸並びにそれらの塩、例えばナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩である。一般に、重合体の重量平均分子量は好ましくは約1,000〜3,000,000の範囲内である。
分散化剤はいわゆる自己分散性顔料の分散液の製造において省略することができる。自己分散性顔料の具体例は、顔料表面が分散液体と相容性になるように表面処理を受ける顔料である。水性媒体中の自己分散性顔料の代表例は、粒子表面に結合されたイオン性もしくはイオン化可能な基またはポリエチレンオキシド連鎖を有する顔料である。イオン性もしくはイオン化可能な基の例は、酸基またはそれらの塩、例えばカルボン酸、スルホン酸、リン酸またはホスホン酸およびこれらの酸のアルカリ金属塩である。自己分散性顔料の具体例は国際公開第02/04210号パンフレットに記載されており、そしてこれらが本発明において好ましい。国際公開第02/04210号パンフレット中の青色着色自己分散性顔料がより好ましくそして特に国際公開第02/04210号パンフレット中のフタロシアニン含有青色着色自己分散性顔料が本発明において最も好ましい。
露出されなかった領域内での版の親水性表面上への着色剤の吸着を防止するために、顔料粒子は好ましくは正に荷電されず、すなわち粒子の表面上に存在する正の基の数が負の基の数より劣るようにする。好ましくは、正の基の存在はできる限り低く保たれる。従って、カチオン系界面活性剤またはカチオン性基を担持する重合体を顔料分散液の製造においてまたはコントラスト層のコーティング溶液の製造において使用しないことが好ましい。
典型的には、コントラスト層中の顔料の量は約0.005g/m〜2g/m、好ましくは約0.007g/m〜0.5g/m、より好ましくは約0.01g/m〜0.2g/m、最も好ましくは約0.01g/m〜0.1g/mの範囲内でありうる。
本発明によると、染料も本発明のコントラスト層中の着色剤として使用することができる。いずれかの既知の染料、例えば人間の目で見て着色される市販の染料または例えば「染料ハンドブック(Dye Handbook)」(有機合成化学会編集、1970年発行)に記載された染料、をコントラスト層中の着色剤として使用することができる。それらの具体例には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルビオニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料などが包含する。フタロシアニン染料が好ましい。適した染料は塩生成性有機染料でありそして油溶性染料および塩基性染料から選択できる。それらの具体例は(ここでCIはカラー・インデックスの略語である)、オイル・イエロー101、オイル・イエロー103、オイル・ピンク312、オイル・グリーンBG、オイル・ブルーGOS、オイル・ブルー603、オイル・ブラックBY、オイル・ブラックBS、オイル・ブラックT−505、ビクトリア・ピュア・ブルー、クリスタル・バイオレット(CI42555)、メチル・バイオレット(CI42535)、エチル・バイオレット、ローダミンB(CI415170B)、マラカイト・グリーン(CI42000)、メチレン・ブルー(CI52015)である。また、英国特許第2192729号明細書に開示された染料を着色剤として使用することもできる。
露出されなかった領域内で版の親水性表面上への着色剤の吸着を防止するために、染料は好ましくは正味で正電荷を有していない。アニオン性(または酸性)基を有する染料が着色剤として好ましい。
典型的には、コントラスト層中の染料の量は約0.005g/m〜2g/m、好ましくは約0.007g/m〜0.5g/m、より好ましくは約0.01g/m〜0.2g/m、最も好ましくは約0.01g/m〜0.1g/mの範囲内でありうる。
以上で示したように、アニオン性または非イオン性界面活性剤および/或いはアニオン性(もしくは酸性)基または非イオン性親水性基を有する親水性重合体を顔料分散液の製造において分散化剤としてまたはコントラスト層のコーティング溶液の製造において結合剤として使用することにより汚染を最少にすることができる。コントラスト層と像記録層との部分的混合を最少にするためには、コントラスト層のコーティング溶液のpHを低下させることが有利である。コントラスト層のコーティング溶液は好ましくは4より低い、より好ましくは3より低い、最も好ましくは2.5より低いpH値を有する。
処理後に形成される像のコントラストは、版の露出された領域内に残存する着色剤の量および吸光係数に依存する。処理後に形成される像のコントラストは、露出された領域内の光学濃度と露出されなかった領域内の光学濃度との間の差異として定義される。以下で報告される光学濃度値は、数個のフィルター(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー)が装備された光学濃度計により反射率で測定される。光学濃度は着色剤の色に応じたフィルターを用いて測定され、例えばシアンフィルターは青色着色された像層の光学濃度を測定するために使用される。
本発明にとって充分なコントラストを得るためには、光学濃度におけるこの差異の値は好ましくは少なくとも0.3であり、より好ましくは少なくとも0.4であり、そして最も好ましくは少なくとも0.5である。コントラスト値に関する具体的な上限はないが、典型的にはコントラストは3.0より高くなくまたは2.0よりも高くない。
人間観察者にとって良好な視覚的コントラストを得るためには、着色剤の色のタイプも重要でありうる。着色剤のための好ましい色はシアンまたは青色であり、すなわち青色とは我々は人間の目に青色に見える色であると理解する。
低い汚染は、露出されなかった領域内の光学濃度と平版ベース上の親水性表面の光学濃度との間の小さい差異により特徴づけられる。この差異は好ましくは0.25より小さく、より好ましくは0.20より小さく、最も好ましくは0.15より小さい。材料の寿命を模するために、印刷版前駆体を35℃および80%相対湿度において7日間にわたりエージングさせる。このエージング後の非像領域内の光学濃度の測定は、材料を室温で7日間にわたりエージングさせただけの場合と比べて汚染に関するより厳密な試験である。
該コントラスト層が好ましくは親水性重合体状結合剤または界面活性剤をさらに含んでなることも本発明の一面である。
コントラスト層に加えうる親水性重合体の具体例は、アラビアゴム、アルギン酸、プルラン、セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースもしくはメチルセルロース、(シクロ)デキストリン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリスチレンスルホン酸およびそれらの塩、例えばナトリウム、カリウムもしくはアンモニウム塩、ポリ(ビニルピロリドン)、多糖;アクリル酸、メタクリル酸もしくはアクリルアミドのホモ−および共重合体;ビニルメチルエーテルおよび無水マレイン酸の共重合体;酢酸ビニルおよび無水マレイン酸の共重合体;またはスチレンおよび無水マレイン酸の共重合体である。非常に好ましい重合体は、カルボン酸、スルホン酸もしくはホスホン酸基またはそれらの塩を含有する単量体、例えば(メタ)アクリル酸、酢酸ビニル、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸またはアクリルアミドプロパンスルホン酸、のホモ−および共重合体である。
別の好ましい態様では、コントラスト層はイオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤、より好ましくはアニオン性界面活性剤、を含んでなる。コントラスト層に加えうるアニオン性界面活性剤の具体例には、脂肪酸塩、アビエチン酸塩、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩、分枝鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテルの塩、ナトリウムN−メチル−N−オレイルタウレート、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム、石油スルホネート、硫酸処理されたひまし油、硫酸処理されたタロウ油、脂肪族アルキルエステルの硫酸エステルの塩、アルキル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル、脂肪族モノグリセリドの硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルの硫酸エステルの塩、アルキルリン酸エステルの塩、ポリオキシエチレナルキルエーテルのリン酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸エステルの塩、スチレン−無水マレイン酸の部分的に鹸化された化合物、オレフィン−無水マレイン酸の部分的に鹸化された化合物、およびナフタレンスルホネートホルマリン縮合物が包含される。ジアルキルスルホ琥珀酸塩、アルキル硫酸エステルの塩およびアルキルナフタレンスルホン酸塩がこれらのアニオン性界面活性剤の中で特に好ましい。適したアニオン性界面活性剤の他の例には、ドデシルフェノキシベンゼンジスルホン酸ナトリウム、アルキル化されたナフタレンスルホンネートのナトリウム塩、メチレン−ジナフタレン−ジスルホン酸二ナトリウム、ドデシル−ベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホン化されたアルキル−ジフェニルオキシド、ペルフルオロアルキルスルホン酸アンモニウムまたはカリウムおよびジオクチル−スルホ琥珀酸ナトリウムが包含される。非イオン性界面活性剤の適した例には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック重合体、グリセリン脂肪酸の部分エステル、ソルビタン脂肪酸の部分エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸の部分エステル、プロピレングリコールモノ脂肪族エステル、スクロース脂肪酸の部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸の部分エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸の部分エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリ−グリセリン脂肪酸の部分エステル、ポリオキシエチレン化されたひまし油、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸の部分エステル、脂肪族ジエタノールアミド、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪族エステル、およびトリアルキルアミンオキシドが包含される。これらの非イオン性界面活性剤の中で特に好ましいものは、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック重合体である。さらに、弗素系および珪素系のアニオン性および非イオン性界面活性剤も同様に使用することができる。
2種もしくはそれ以上の上記界面活性剤を組み合わせて使用することができる。例えば、2種もしくはそれ以上の相異なるアニオン性界面活性剤の組み合わせまたはアニオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤の組み合わせが好ましいことがある。界面活性剤および親水性重合体の混合物を使用することもできる。
本発明の好ましい態様によると、該コントラスト層は鉱酸、有機酸または無機塩をさらに含んでなる。鉱酸の例には、硝酸、硫酸、リン酸およびメタ燐酸が包含される。有機酸の例には、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸またはそれらの塩、例えば琥珀酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、硫酸塩およびスルホン酸塩が包含される。有機酸の具体例には、クエン酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、フィチン酸および有機ホスホン酸が包含される。無機塩の例には、硝酸マグネシウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、硫酸ニッケル、ヘキサメタリン酸ナトリウムおよびトリポリリン酸ナトリウムが包含される。他の無機塩、例えば硫酸マグネシウムまたは硝酸亜鉛を腐食抑制剤として使用することができる。鉱酸、有機酸または無機塩は単独でまたは1種もしくはそれ以上のそれらを組み合わせて使用することができる。
前記成分の他に、コントラスト層は湿潤剤、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンおよびジグリセリン、をさらに含んでなることができる。湿潤剤は単独でまたは1種もしくはそれ以上のそれらを組み合わせて使用することができる。一般に、前記の湿潤剤は好ましくはコントラスト層のコーティング溶液の1〜25重量%の量で使用される。
さらに、キレート化合物はコントラストコーティング溶液中に存在することもできる。希釈水中に含有されるカルシウムイオンおよび他の不純物は印刷に悪影響を与えそしてその結果として印刷された物体の汚染を引き起こしうる。この問題は、キレート化合物を希釈水に加えることにより、除くことができる。そのようなキレート化合物の好ましい例には、有機ホスホン酸またはホスホノアルカントリカルボン酸が包含される。具体例は、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−二ホスホン酸およびアミノトリ(メチレンホスホン酸)のカリウムまたはナトリウム塩である。これらのキレート化剤のこれらのナトリウムまたはカリウム塩の他に、有機アミン塩を使用可能である。そのようなキレート化剤の添加量はコントラストコーティング溶液に関して0.001〜1.0重量%である。
さらに、防腐剤および発泡防止剤がコントラストコーティング溶液中に存在することができる。そのような防腐剤の例には、フェノール、その誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、第四級アンモニウム塩、ピリジン誘導体、キノリン誘導体、グアニジン誘導体、ジアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾールおよびオキサジン誘導体が包含される。そのような防腐剤の好ましい添加量は、それが細菌、カビ、酵母などに対して永続的効果を与えうるようなものである。細菌、カビおよび酵母の種類によるが、それはコントラストコーティング溶液に関して0.01〜4重量%である。さらに、好ましくは、2種もしくはそれ以上の防腐剤を組み合わせて種々のカビおよび細菌に対して殺菌効果を与えることもできる。発泡防止剤は好ましくはシリコーン発泡防止剤である。これらの発泡防止剤の中では、乳剤分散剤タイプまたは可溶性化されたタイプの発泡防止剤のいずれかを使用することができる。そのような発泡防止剤の適切な添加量はコントラストコーティング溶液に関して0.001〜1.0重量%である。
前記成分の他に、所望するならインキ受容剤がコントラストコーティング溶液中に存在することができる。そのようなインキ受容剤の例には、テレビン油、キシレン、トルエン、低ヘプタン、溶媒ナフサ、ケロシン、ミネラルスピリット、炭化水素、例えば約120℃〜約250℃の沸点を有する石油画分、フタル酸ジエステル(例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジノニル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ブチルベンジル)、脂肪族二塩基性エステル(例えば、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ブチルグリコール、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジオクチル)、エポキシド化されたトリグリセリド(例えば、エポキシ大豆油)、リン酸エステル(例えば、リン酸トリクレシル、リン酸トリオクチル、リン酸トリスクロロエチル)並びに1気圧において15℃もしくはそれ以下の固化温度および300℃もしくはそれ以上の沸点を有する可塑剤、例えば安息香酸のエステル(例えば、安息香酸ベンジル)が包含される。これらの溶媒と組み合わせて使用できる他の溶媒の例には、ケトン(例えば、シクロヘキサノン)、ハロゲン化された炭化水素(例えば、エチレンジクロリド)、エチレングリコールエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル)、脂肪酸(例えば、カプロン酸、エナシック・アシド(enathic acid)、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシック・アシド(melissic acid)、ラクセル酸、イソ吉草酸)および不飽和脂肪酸(例えば、アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ウンデシル酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブテシジック・アシド(butecidic acid)、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオル酸、ステアロル酸、イワシ酸、タリリン酸、リカン酸)が包含される。好ましくは、それは50℃の温度において液体であり、より好ましくは5〜25個の炭素原子を有する、最も好ましくは8〜21個の炭素原子を有する脂肪酸である。インキ受容剤は単独でまたは1種もしくはそれ以上を組み合わせて使用することができる。インキ受容剤は好ましくは0.01〜10重量%の、より好ましくは0.05〜5重量%、の量で使用される。前記のインキ受容剤は水中油滴型乳剤として存在することができまたは溶解剤を用いて可溶性化することができる。
粘度増加化合物、例えば10〜10g/モルの間の分子量を有するポリ(エチレンオキシド)、を加えることにより、コントラスト層コーティング溶液の粘度を例えば1.7〜5cPの間の値に調節することができる。そのような化合物は0.01〜10g/lの濃度で存在しうる。
本発明の方法で使用される平版印刷版前駆体はネガ作用性でありそして疎水性および親水性領域よりなる平版像をそれぞれ露出されたおよび露出されなかった領域で現像する。親水性領域は、親水性表面を有するかまたは親水性層が付与されている支持体により、規定される。支持体はシート類似材料、例えば版、であることができ、またはそれは円筒状要素、例えば印刷機の印刷胴の周りを滑動しうるスリーブ、であることができる。好ましくは、支持体は金属支持体、例えばアルミニウムまたはステンレス鋼である。
特に好ましい平版支持体は、電気化学的に砂目かけされそして陽極酸化されたアルミニウム支持体である。陽極酸化されたアルミニウム支持体を処理してその表面の親水性質を改良することができる。例えば、アルミニウム支持体の表面を珪酸ナトリウム溶液で高められた温度、例えば95℃、で処理することにより、アルミニウム支持体を珪酸処理することができる。或いは、無機弗化物をさらに含有してもよいリン酸塩溶液で酸化アルミニウム表面を処理することを包含するリン酸塩処理を適用することもできる。さらに、酸化アルミニウム表面をクエン酸またはクエン酸塩溶液ですすぐこともできる。この処理は室温で行うことができ、または約30〜50℃のわずかに高められた温度で行うこともできる。別の興味ある処理は、酸化アルミニウム表面を炭酸水素塩溶液ですすぐことを包含する。さらにその他に、酸化アルミニウム表面をポリビニルホスホン酸、ポリビニルメチルホスホン酸、ポリビニルアルコールのリン酸エステル、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルベンゼンスルホン酸、ポリビニルアルコールの硫酸エステル、およびスルホン化された脂肪族アルデヒドとの反応により生成するポリビニルアルコールのアセタールで処理することができる。1種もしくはそれ以上のこれらの後処理を単独でまたは組み合わせて行えることも証明されている。これらの処理のさらなる詳細な記述は、英国特許出願公開第1084070号明細書、独国特許出願公開第4423140号明細書、独国特許出願公開第4417907号明細書、欧州特許出願公開第659909号明細書、欧州特許出願公開第537633号明細書、独国特許出願公開第4001466号明細書、欧州特許出願公開第292801号明細書、欧州特許出願公開第291760号明細書および米国特許弟4458005号明細書に示されている。
別の態様によると、支持体は柔軟性支持体であることもでき、それには以下で「ベース層」と称する親水性層を付与することができる。柔軟性支持体は例えば、紙、プラスチックフィルムまたはアルミニウムである。プラスチックフィルムの好ましい例は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどである。プラスチックフィルム支持体は不透明または半透明でありうる。
ベース層は好ましくは、例えばホルムアルデヒド、グリオキサル、ポリイソシアネートまたは加水分解されたテトラ−アルキルオルト珪酸塩の如き硬化剤で架橋結合された親水性結合剤から得られる架橋結合された親水性層である。後者が特に好ましい。親水性ベース層の厚さは0.2〜25μmの範囲内でありそして好ましくは1〜10μmである。ベース層の好ましい態様のさらなる詳細は例えば欧州特許出願公開第1025992号明細書に見ることができる。
像記録層は疎水性熱可塑性重合体粒子を含有する。適した疎水性重合体の具体例は例えば、ポリエチレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリ((メタ)アクリル酸メチル)、ポリ((メタ)アクリル酸エチル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリスチレンまたはそれらの共重合体である。ポリスチレンおよびポリ(メタ)アクリロニトリルまたはそれらの誘導体が非常に好ましい態様である。そのような好ましい態様によると、熱可塑性重合体は少なくとも50重量%のポリスチレン、そしてより好ましくは少なくとも60重量%のポリスチレン、を含んでなる。有機化学物質、例えば版クリーナー中で使用される炭化水素、に対する充分な耐性を得るためには、熱可塑性重合体は好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、の窒素含有単量体単位または20より大きい溶解度パラメーターにより同定される単量体に相当する単位、例えば(メタ)アクリロニトリル、を含んでなる。そのような窒素含有単量体単位の適した例は欧州特許出願公開第1219416号明細書に開示されている。
非常に好ましい態様によると、熱可塑性重合体は1:1〜5:1(スチレン:アクリロニトリル)の間の重量比で、例えば2:1比で、スチレンおよびアクリロニトリル単位よりなる共重合体である。
熱可塑性重合体粒子の重量平均分子量は5,000〜1,000,000g/モルの範囲でありうる。疎水性粒子は好ましくは200nmより小さい、より好ましくは10〜100nmの間の、数平均粒子直径を有する。像記録層中に含有される疎水性熱可塑性重合体粒子の量は好ましくは20重量%〜65重量%の間、そしてより好ましくは25重量%〜55重量%の間、そして最も好ましくは30重量%〜45重量%の間である。
疎水性熱可塑性重合体粒子は像記録層の水性コーティング液体中の分散液として存在しそして米国特許弟3,476,937号明細書に開示された方法により製造することができる。熱可塑性重合体粒子の水性分散液の製造に特に適した別の方法は、
−疎水性熱可塑性重合体を水非混和性有機溶媒中に溶解させ、
−そのようにして得られた溶液を水中または水性媒体中に分散させ、そして
−有機溶媒を蒸発により除去する
ことを含んでなる。
像記録層は好ましくは親水性結合剤、例えばビニルアルコール、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチルのホモ重合体および共重合体または無水マレイン酸/ビニルメチルエーテル共重合体を含んでなる。使用される(共)重合体または(共)重合体混合物の親水性は好ましくは、少なくとも60重量%、好ましくは80重量%の程度まで加水分解されたポリ酢酸ビニルの親水性と同じであるかまたはそれより高い。
感熱性平版印刷版前駆体は赤外吸収性化合物をさらに含んでなる。この化合物は好ましくは赤外波長範囲内に極大吸収を有する染料または顔料でありそして赤外線を熱に転化させうる。赤外吸収染料がより好ましい。特に有用で且つ特別に好ましい赤外吸収染料は、赤外−シアニン染料、赤外−メロシアニン染料、赤外−メチン染料、赤外−ナフトキノン染料または赤外−スクアリリウム染料である。非常に好ましい赤外−シアニン染料はアニオン性赤外−シアニン染料、特により好ましくは2個のスルホン酸基を有するもの、である。2個のインドレニンおよび少なくとも2個のスルホン酸基を有する赤外−シアニン染料がさらにより好ましい。
赤外吸収性化合物は像記録層およびコントラスト層の少なくとも一方または両方の層の中に存在する。感熱性コーティング中の赤外吸収性化合物の濃度はコーティング全体に関して好ましくは0.25〜20重量%の間、より好ましくは0.5〜10重量%の間である。
本発明の最も好ましい態様によると、前駆体は赤外吸収染料が赤外吸収性化合物として存在する像記録層と顔料が着色剤として存在するコントラスト層との組み合わせを含んでなる。アニオン性赤外−シアニン染料を含んでなる像記録層と自己分散性または表面処理された顔料を含んでなるコントラスト層との組み合わせが本発明によるとさらにより好ましい。
像記録層は他の成分、例えば追加結合剤、現像抑制剤または促進剤、を含有することもできる。
本発明で使用される印刷版前駆体は、例えば赤外レーザーにより、赤外線に露出される。好ましくは、約700〜約1500nmの範囲内の波長を有する近赤外線を発光するレーザー、例えば半導体レーザーダイオード、Nd:YAGまたはNd:YLFレーザー、が使用される。必要なレーザー出力は、像記録層の感度、点直径(最大強度の1/eにおける最新式プレート−セッターの典型値:10〜25μm)により測定されるレーザー光線の画素滞留時間、走査速度および露出装置の解像度(すなわち、インチ当たりのドット数すなわちdpiでしばしば表示される単位線状距離当たりのアドレス可能画素の数;典型値:1000−4000dpi)に依存する。2つのタイプのレーザー露出装置である内部(ITD)および外部ドラム(XTD)プレート−セッターが一般に使用される。熱版用のITDプレート−セッターは典型的には500m/秒までの非常に高い走査速度により特徴づけられそして数ワットのレーザー出力を必要としうる。約200mW〜約1Wの典型的なレーザー出力を有する熱版用のプレート−セッターは例えば0.1〜10m/秒のより低い走査速度で操作される。
露出段階中に発生する熱により、疎水性熱可塑性重合体粒子は融合または凝析して、印刷版の印刷領域に対応する疎水性相を形成する。重合体粒子の熱により誘発される凝集、軟化または溶融から凝析が生じうる。熱可塑性疎水性重合体粒子の凝析温度に対する具体的な上限はないが、その温度を重合体粒子の分解温度より充分に低くすべきである。好ましくは、凝析温度は重合体粒子の分解が起きる温度より少なくとも10℃低い。凝析温度は好ましくは50℃より高く、より好ましくは100℃より高い。
現像段階において現像溶液を供給することにより、像記録層の露出されなかった領域は除去されるが露出された領域は本質的に除去されず、すなわち露出された領域のインキ受容性を許容不能な程度までは露出された領域に影響を与えない。現像溶液は、水、水溶液または水性アルカリ性溶液でありうる。現像溶液を供給することによる現像は例えば回転ブラシによるような機械的摩擦と組み合わせることができる。現像溶液を版に、手動的または自動的処理装置中で、例えば、浸漬されたパッドを用いる摩擦により、浸漬、(回転)コーティング、噴霧、注入により適用することができる。
本発明の別の態様では、像通りに露出された印刷版前駆体はそれを印刷機の印刷胴の上に設置しそして印刷胴を回転させながら水性湿し液体および/またはインキを版の表面に供給することによって現像することもできる。最終使用者は版の取り扱い(版の充填、印刷機への版の設置など)における充分な自由度を有することを好む。従って、最終使用者は版が湿し水により湿らされる前に版表面とインキ(またはインキがついた部分)との接触を回避することが難しくなりうる。オンプレス処理段階中にインキにより汚染された部分を現像すること(以下では「クリーンアウト(clean−out)」とも称する)は難しい。この目的は、親水性重合体または界面活性剤をコントラスト層にさらに加えることにより、実現される。先行技術文献に記載されているようなオンプレス処理では、インキが版の表面に最初に加えられる時にクリーンアウトを得ることはさらに難しい。クリーンアウトを得るために必要な印刷数を減らすためには、最終使用者がインキの前に湿し水を加えることが推奨される。驚くべきことに、親水性重合体または界面活性剤をさらに含んでなるコントラスト層の存在により、クリーンアウトを得るために必要な印刷数を減らすために最終使用者が湿し水を最初に版の表面に加える必要はもはやない。
本発明のさらに別の態様では、印刷版前駆体を印刷機の印刷胴の上に設置しそして引き続き像通りに露出し、場合により印刷胴を回転させながら水性湿し液体および/またはインキを版の表面に供給することにより印刷機上でさらに現像することができる。
比較例1
平版支持体の製造
0.30mm厚さのアルミニウム箔を40g/lの水酸化ナトリウムを含有する水溶液中に60℃で8秒間にわたり浸漬することによりそれを脱脂しそして脱塩水で2秒間にわたりすすいだ。箔を次に15秒間にわたり交流を用いて12g/lの塩酸および38g/lの硫酸アルミニウム(18−水和物)を含有する水溶液中で33℃の温度および90A/dmの電流密度において電気化学的に砂目かけした。脱塩水で2秒間にわたりすすいだ後に、アルミニウム箔を次に155g/lの硫酸を含有する水溶液で70℃で4秒間にわたりエッチングすることにより汚染除去しそして脱塩水で25℃で2秒間にわたりすすいだ。箔を引き続き13秒間にわたり155g/lの硫酸を含有する水溶液中で45℃の温度および30A/dmの電流密度において陽極酸化にかけ、次に脱塩水で2秒間にわたり洗浄しそして10秒間にわたり4g/lのポリビニルホスホン酸を含有する溶液で40℃で後処理し、脱塩水で20℃で2秒間にわたりすすぎそして乾燥した。このようにして得られた支持体は0.22μmの表面粗さRaおよび4.0g/mのAlの陽極重量により特徴づけられた。
印刷版前駆体の製造
以上で製造された平版アルミニウム支持体をコーティング水溶液で30g/mの湿潤厚さでコーティングした。このコーティング水溶液はアンモニアで3.6のpHに調節され、そして像記録層組成物中の乾燥厚さも以下に示されているような下記の成分を含んでなる:
−630mg/mの65nmの平均粒子寸法を有し且つアニオン性湿潤剤により安定化されたスチレンおよびアクリロニトリルの(重量比60/40)共重合体の粒子、
−84mg/mの赤外吸収染料−1、
−84mg/mのアライド・コロイズ(ALLIED COLLOIDS)から市販されている高分子量ポリアクリル酸であるグラスコル(GLASCOL)E15、
−25mg/mのカボット・コーポレーションら市販されているCu−フタロシアニン顔料カボジェット(CABOJET)250。
赤外吸収染料−1は
Figure 0004637541
である。
エージング、像形成、処理および光学濃度測定
このようにして得られた印刷版前駆体を2種の条件下でエージングさせた:
−条件1:35℃および80%相対湿度における7日間
−条件2:室温および周囲相対湿度(測定値:50%)における7日間。
エージング後に、版を次に下記の仕様:動力出力40ワット、波長830nm、ドラム直径286mm、光線数192、点寸法10.6×2.5ミクロン(遅延走査×急速走査)、版上での275mJ/cmおよび150rpmにおける操作並びに2400dpiの解像度を有するカナダ、バーナビー(Burnaby)のクレオ(CREO)から入手可能なプレート−セッターであるクレオ・トレンドセッター(CREO TRENDSETTER)3244TH957で露出した。
像形成後に、版をアグファ−ゲベルト(AGFA−GEVAERT)NVから入手可能なベーキングゴム溶液であるRC520が充填されたアグファ−ゲベルトNVから入手可能なHWP45−プロセッサーの中で現像した。
処理後に、露出された領域および露出されなかった領域の光学濃度をシアンフィルターを用いるグレタグ(GRETAB)D19C−濃度計で測定した。これらの光学濃度は、コーティングされていない親水性アルミニウム支持体に関してのシアンフィルター後部の反射率で測定される。得られた結果を表1にまとめる。
本発明の実施例1
25mg/mのCu−フタロシアニン顔料カボジェット250を像記録層中で省略したことおよび別個のコントラスト層が上記の像記録層上にコーティングされたこと以外は、本発明の実施例1の印刷版前駆体の製造は比較例1に関して記載されたものと同じ方法で行う。このコントラスト層は、HClで2.5のpHに調節されそして単一成分であるカボジェット250を21mg/mの乾燥厚さで含んでなるコーティング水溶液から20g/mの湿潤厚さでコーティングされた。乾燥後に、エージング、像形成、処理および光学濃度測定を比較例1に記載されたものと同じ方法で行う。得られた結果を表1にまとめる。
本発明の実施例2
21mg/mのCu−フタロシアニン顔料であるカボジェット250を21mg/mのバスフから入手可能な別のフタロシアニン顔料であるヘリゲン・ブラウ(HELIGEN BLAU)D7565により置換したこと以外は、本発明の実施例2の印刷版前駆体の製造は本発明の実施例1に関して記載されたものと同じ方法で行う。(ヘリゲン・ブラウD7565はCuおよびClを含まない青色顔料である。)乾燥後に、エージング、像形成、処理および光学濃度測定を比較例1に記載されたものと同じ方法で行う。得られた結果を表1にまとめる。
本発明の実施例3
コントラスト層の溶液がHClで3.6のpHに調節されたことおよびCu−フタロシアニン顔料であるカボジェット250の量を21mg/mから42mg/mに増加させたこと以外は、本発明の実施例3の印刷版前駆体の製造は本発明の実施例1に関して記載されたものと同じ方法で行う。乾燥後に、エージング、像形成、処理および光学濃度測定を比較例1に記載されたものと同じ方法で行う。得られた結果を表1にまとめる。
本発明の実施例4
コントラスト層の溶液がHClで2.5のpHに調節されたこと以外は、本発明の実施例4の印刷版前駆体の製造は本発明の実施例3に関して記載されたものと同じ方法で行う。乾燥後に、エージング、像形成、処理および光学濃度測定を比較例1に記載されたものと同じ方法で行う。得られた結果を表1にまとめる。
本発明の実施例5
コントラスト層の溶液がHClで2のpHに調節されたこと以外は、本発明の実施例5の印刷版前駆体の製造は本発明の実施例3に関して記載されたものと同じ方法で行う。乾燥後に、エージング、像形成、処理および光学濃度測定を比較例1に記載されたものと同じ方法で行う。得られた結果を表1にまとめる。
本発明の実施例6
コントラスト層の溶液がHClで1のpHに調節されたこと以外は、本発明の実施例6の印刷版前駆体の製造は本発明の実施例3に関して記載されたものと同じ方法で行う。乾燥後に、エージング、像形成、処理および光学濃度測定を比較例1に記載されたものと同じ方法で行う。得られた結果を表1にまとめる。
本発明の実施例7
アルドリッヒ(ALDRICH)から市販されているアクリル酸およびマレイン酸の共重合体である「アルドリッヒ41,605−3」をコントラスト層の溶液に加えて乾燥後に63mg/mの厚さを生じたこと以外は、本発明の実施例7の印刷版前駆体の製造は本発明の実施例5に関して記載されたものと同じ方法で行う。乾燥後に、エージング、像形成、処理および光学濃度測定を比較例1に記載されたものと同じ方法で行う。得られた結果を表1にまとめる。
本発明の実施例8
アルドリッヒから市販されているアクリル酸およびマレイン酸の共重合体である「アルドリッヒ41,605−3」をコントラスト層の溶液に加えて乾燥後に84mg/mの厚さを生じたこと以外は、本発明の実施例8の印刷版前駆体の製造は本発明の実施例7に関して記載されたものと同じ方法で行う。乾燥後に、エージング、像形成、処理および光学濃度測定を比較例1に記載されたものと同じ方法で行う。得られた結果を表1にまとめる。
本発明の実施例9
84mg/mの赤外吸収染料−1が像記録層中で省略されそしてコントラスト層に同量で加えられたこと以外は、本発明の実施例9の印刷版前駆体の製造は本発明の実施例5に関して記載されたものと同じ方法で行う。乾燥後に、エージング、像形成、処理および光学濃度測定を比較例1に記載されたものと同じ方法で行う。得られた結果を表1にまとめる。
比較例2
比較例1の通りにして製造された平版アルミニウム支持体をコーティング水溶液で30g/mの湿潤厚さでコーティングした。このコーティング水溶液はアンモニアで3.6のpHに調節され、そして像記録層組成物中の乾燥厚さも以下に示されているような下記の成分を含んでなる:
−630mg/mの65nmの平均粒子寸法を有し且つアニオン性湿潤剤により安定化されたスチレンおよびアクリロニトリルの(重量比60/40)共重合体の粒子、
−42mg/mのカボット・コーポレーションら市販されているCu−フタロシアニン顔料であるカボジェット250。
乾燥後に、別個の層をこの像記録層上にコーティング水溶液で20g/mの湿潤厚さでコーティングした。このコーティング水溶液はHClで3.3のpHに調節され、そして像記録層組成物中の乾燥厚さも以下に示されているような下記の成分を含んでなる:
−84mg/mのアライド・コロイズから市販されている高分子量ポリアクリル酸であるグラスコルE15、および
−84mg/mの赤外吸収染料−1。
乾燥後に、エージング、像形成、処理および光学濃度測定を比較例1に記載されたものと同じ方法で行う。得られた結果を表1にまとめる。
Figure 0004637541
表1にある実施例は、着色剤がコントラスト層中に存在する場合には室温において7日間にわたりエージングさせた後並びに35℃および80%相対湿度において7日間にわたりエージングさせた後の非像領域内の光学濃度が非常に減少したことを示す。幾つかの場合には、光学濃度は0と区別不能でさえあり、汚染が全くないことを示す。
この汚染減少は、コントラスト層のコーティング溶液のpHを低下させることによりさらに改良することができる。
この汚染減少は、赤外吸収染料を像記録層からコントラスト層に移動させることにより並びにカルボン酸基を含んでなる重合体をコントラスト層に加えることにより、さらに改良することができる。両者の場合とも、処理後の支持体の親水性表面上の疎水性化合物の吸着が減少して、より少ない汚染を生ずる。
比較例は、着色剤が像記録層中に存在する場合に汚染が起きることを示す。赤外吸収染料および親水性結合剤が像記録層からコントラスト層に移動する場合にも、着色剤が像記録層中に存在する場合には汚染が起きる。

Claims (3)

  1. (i)親水性表面を有する平版ベース、(ii)疎水性熱可塑性重合体粒子を含んでなる像記録層および(iii)コントラスト層を記載の順序で含んでなり、前駆体が該像記録層またはコントラスト層の少なくとも一方に存在する赤外吸収性化合物を含んでなる感熱性平版印刷版前駆体であって、該コントラスト層が前駆体の露出および現像後に可視像を与えうる、自己分散性顔料および表面処理された顔料から選ばれる顔料をさらに含んでなりそして該像記録層が該顔料を実質的に含まないことを特徴とする感熱性平版印刷版前駆体。
  2. 該顔料が表面上にアニオン性または酸性基を有する請求項に記載の感熱性前駆体。
  3. 該コントラスト層が親水性重合体および/または界面活性剤をさらに含んでなる請求項1または2に記載の感熱性前駆体。
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