JP2007230185A - 平版印刷版用処理液および処理方法 - Google Patents

平版印刷版用処理液および処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インキ汚染のない機上現像が可能であり、インキ着肉性が良好な平版印刷版原版の処理方法、ならびに良好な検版および画像品質管理の方法を提供する。
【解決手段】印刷インキ、湿し水またはこれらの両方により除去可能な画像記録を有する平版印刷版原版を、画像様に露光した後、塩基性色素及びアニオン界面活性剤を含む水溶液で処理することを特徴とする平版印刷版原版の処理方法及び処理液。該処理方法を用いる平版印刷版原版の検版方法および画像品質管理方法ならびに処理に用いる塩基性色素及びアニオン界面活性剤を含む水溶液。
【選択図】なし

Description

本発明は、平版印刷版原版の処理方法、検版方法、画像品質管理方法、およびそれらに用いる処理液に関する。詳しくは、コンピュータ等のデジタル信号に基づいてレーザーを走査することにより直接製版することができ、印刷インキ、湿し水、またはこれらの両方により除去可能な画像記録材料を有する平版印刷版原版の処理方法、検版方法、画像品質管理方法、およびそれらに用いる処理液に関する。
一般に、平版印刷版は、印刷過程でインキを受容する親油性の画像部と、湿し水を受容する親水性の非画像部とからなる。平版印刷は、水と油性インキが互いに反発する性質を利用して、平版印刷版の親油性の画像部をインキ受容部、親水性の非画像部を湿し水受容部(インキ非受容部)として、平版印刷版の表面にインキの付着性の差異を生じさせ、画像部のみにインキを着肉させた後、紙等の被印刷体にインキを転写して印刷する方法である。この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(画像形成層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルム等の原画を通した露光を行った後、画像形成層の画像部となる部分を残存させ、それ以外の不要な画像形成層をアルカリ性現像液または有機溶剤によって溶解除去し、親水性の支持体の表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版して、平版印刷版を得ている。
従来の平版印刷版原版の製版工程においては、露光の後、不要な画像形成層をアルカリ性現像液等によって溶解除去する工程が必要であるが、このような付加的に行われる湿式処理を不要化または簡易化することが課題の一つとして挙げられている。特に、近年、地球環境への配慮から湿式処理に伴って排出される廃液の処分が産業界全体の大きな関心事となっているので、上記課題の解決の要請は一層強くなってきている。
この点に関して、特許文献1のように、平版印刷版原版の不要部分の除去を通常の印刷工程の中で行えるような画像形成層を用い、露光後、印刷機上で非画像部を除去して平版印刷版を得る機上現像と呼ばれる方法が提案されている。この方法に従えば、画像情報をコンピュータによって電子的に処理し、蓄積し、出力するデジタル化技術に対応し、レーザー光のような高収斂性の輻射線にデジタル化された画像情報を担持させて、その光で平版印刷版原版を走査露光する。露光後、印刷機上で印刷インキ、湿し水またはその両方を用いることで、非画像部を除去して平版印刷版を得ることが可能となり、従来の印刷製版業界で必須の工程であった平版印刷版の現像処理工程を省くことが可能となる。これにより製版作業が完全にドライ(液体を使用しない)な環境下での作業となり、環境面および作業面での負荷を低減することが可能となる。
なお、本発明においては、特別な説明がない限り、「現像処理工程」とは、印刷機以外の装置を使用して液体(通常はアルカリ性現像液)を接触させることにより、平版印刷版原版の画像形成層の未露光部分を除去し、親水性支持体表面を露出させる工程を指し、「機上現像」とは、印刷機を用いて、液体(通常は印刷インキおよび/または湿し水)を接触させることにより、平版印刷版原版の画像形成層の未露光部分を除去し、親水性支持体表面を露出させる方法および工程を指す。
上述の機上現像刷版は上記のような利点が有るが、印刷機を用いて画像形成層を除去するという工程を有する性格上、インキの着色汚染防止という観点から、画像形成層には最小限の着色剤しか用いることができない問題があった。一般に、印刷版を印刷機に取り付ける前工程として、印刷版が目的どおりの画像記録をされているか、何色のインキ用の版であるかなど、印刷版上の画像を検査、識別する作業が行われる。現像処理工程を伴う通常の平版印刷版原版は画像形成層に着色剤を添加しておくことで、製版後(現像処理後)、印刷前(印刷機に印刷版を取り付ける前)に、画像を確認することは容易である。しかし、印刷前に現像処理工程を伴わない機上現像型又は無処理(無現像)型の平版印刷版原版では、印刷版を印刷機に取り付ける段階では、画像形成層には最小限の着色剤しか用いることができないため画像確認が困難であり版の識別ができない。そのため、作業ミスを起こす場合もあった。特に、多色印刷において見当合わせの目印となるトンボ(レジスターマーク)が鮮明に描き込まれているかどうか判別できるか否かは印刷作業にとって重要である。本発明の第一の目的はこの課題を解決するものである。
また印刷業界では、網点面積測定機や濃度計を用いることで、適正な露光、現像が成されているかの確認を定期的に実施するのが一般的である。適正値を外れている場合、露光装置の入力信号を操作することで、最終アウトプットである網点面積や濃度を調整する。この作業をキャリブレーション作業と呼ぶが、画像品質を常に適正に保つため定期的に実施する重要な作業である。画像品質の確認方法は多種あるが、一般的な方法は定められた網点面積率の画像を露光機で出力した後に、現像処理を行い、得られた網点を網点面積率測定機や濃度計を用いて数値化し、値が外れていた場合は露光信号を変動させることで期待の数値に近づけるという方法を採る。ここで用いる濃度計は通常可視域(400〜700nm)に検出感度を有するが、この波長域に吸収が無い平版印刷版(例えば、特許文献1のような赤外感光性印刷版)の場合は、全く画像の検出が行えず、従ってキャリブレーション作業が行えない問題があった。本発明のもう一つの目的は、このように可視域に実質的に吸収を持たない平版印刷版の画像品質を管理する方法を提供することである。
更に、画像部を着色し非画像部は着色せずにコントラストの良い染色処理液を提供することである。
更に又、非画像部の除去性に優れ、除去した滓の分散性に優れた染色処理液を提供することである。
特開2001−277742号公報
本発明は、インキ汚染を生じない、すなわち実質的に可視域に吸収を有しない機上現像刷版の着色方法に関するものであり、その処理方法、検版方法、画像品質管理方法、およびそれらに用いる染色用処理液を提供するものである。
本発明者は、処理液に用いられる着色剤と界面活性剤に着目して鋭意研究した結果、塩基性色素及びアニオン界面活性剤を含む水溶液で処理することにより、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下のとおりである。
1.色素および界面活性剤を含む平版印刷版用処理液であって、色素が塩基性色素であり、界面活性剤がアニオン系界面活性剤であり、該アニオン界面活性剤の含有量が、該塩基性色素の含有量の10倍モル以上から70倍モル以下である平版印刷版用処理液。
2.上記1記載の処理液を用いて、平版印刷版を処理する平版印刷版の処理方法。
3.上記2の平版印刷版が、印刷インキ、湿し水またはこれらの両方により除去可能な画像記録材料を有する平版印刷版原版である、上記2の平版印刷版の処理方法。
本発明によれば、いかなる色調の平版印刷版においても画像品質の管理が可能となる。特に機上現像が可能な平版印刷版を処理することにより、検版性が良好な平版印刷版が得られる。
以下、本発明に関して、詳細に説明する。
本発明の処理液は、塩基性色素を含有する。ここで塩基性色素とは、水溶液中で正に荷電した色素を意味し、具体的には、塩基性染料、塩基性顔料、塩基性もしくはカチオン性樹脂で被覆された色材、塩基性もしくはカチオン性界面活性剤で被覆された色材等を表す。
塩基性染料および顔料としては、例えば、
C.I.べーシックイエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91
C.I.ベーシックレッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112
C.I.べーシックブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155
C.I.ベーシックブラック 2,8
が挙げられる。これらの中で特に好ましい染料として、クリスタルバイオレット、メチルバイオレット、ベーシックブルー3、ベーシックブルー75、エチルバイオレット、ビクトリアピュアブルー、およびメチレンブルーが挙げられる。
また塩基性もしくはカチオン性樹脂としては、市販のものを用いることが可能で、具体的には、PAS−A−1、PAS−A−5、PAS−A−120L、PAS−A−120S、PSA−J−81、PAS−880、PAS−92(ジアリルジメチルアンモニウム塩系共重合物)、PAS−H−5L、PAS−H−10L、PAS−M−1(ジアリルジメチルアンモニウム塩系重合物)(以上、日東紡績社製)、PAA−HCl−3L、PAA−HCl−10L(ポリアリルアミン塩酸塩)、PAA−10C(ポリアリルアミン)(以上、日東紡績社製)Q−101(ポリアミン系)、Q−311(ポリアミン系)、Q−501(ポリアミン系)(以上、ハイモ社製)、アコフロックC567、C573、C577、C581(ポリアミン系)(以上、三井サイテック社製)等が挙げられる。
また塩基性もしくはカチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザルコニウム塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、オニウム塩等がある。
またこれら塩基性もしくはカチオン性樹脂(活性剤)に配向し、被覆される色素としては、酸性染料および食用染料では、
C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142
C.I.アシッドレッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289
C.I.アシッドブルー 9,29,45,92,249
C.I.アシッドブラック 1,2,7,24,26,94
C.I.フードイエロー 3,4
C.I.フードレッド 7,9,14
C.I.フードブラック 1,2などが使用できる。
直接性染料では、
C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144
C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227
C.I.ダイレクトオレンジ 26,29,62,102
C.I.ダイレクトブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202
C.I.ダイレクトブラック 19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171などが使用できる。
反応性染料では、
C.I.リアクティブブラック 3,4,7,11,12,17
C.I.リアクティブイエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67
C.I.リアクティブレッド 1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97
C.I.リアクティブブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95などが使用できる。
また、塩基性樹脂(活性剤)を配向し、被覆する顔料としては、無機顔料では、酸化チタン及び酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
塩基性色素の水溶液への添加量は、好ましくは0.001〜5質量%であり、更に好ましくは0.01から2質量%である。これらの範囲であると良好な染色濃度が得られ、水溶液への可溶化性の観点でも好ましい。
次に、処理液に添加するアニオン界面活性剤についてについて説明する。アニオン界面活性剤としては脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、α−オレフィンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルモノスルホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類およびα−オレフィンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルモノスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
アニオン界面活性剤の添加量は、塩基性色素の含有量の10倍モル以上から70倍モル以下である。好ましくは、12倍モルから60倍モル以下である。より好ましくは、15倍モルから50倍モル以下である。
更に、処理液に添加するその他素材について説明する。
処理液には、塩基性色素及びアニオン界面活性剤以外に、有機溶剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、消泡剤、防腐剤、湿潤剤、硬水軟化剤、水溶性高分子、酸、アルカリ等のpH調整剤、pHバッファー剤等を添加することができる。ここで、有機溶剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、硬水軟化剤は、主に画像形成層の未露光部の除去を促進する目的で使用する。また、酸、アルカリ等のpH調整剤、pHバッファー剤は、主に着色剤の安定性、着色剤の固定化安定性、および色相安定性を維持する目的で使用する。また水溶性高分子は、主に平版印刷版を着色した後、印刷機で印刷する場合に非画像部の親水性を維持しいわゆる印刷汚れを防止する目的で使用する。
有機溶剤とは、常温(20℃)において水に対する溶解度が10質量%以下の化合物をいう。これらの化合物は感光性組成物層の非露出部(非画像部)に浸透する性質を有すことが多い。このような有機溶剤としては、次のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。即ち、例示するならば、例えば酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミン、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル、レブリン酸ブチルのようなカルボン酸エステル;エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、メチルフェニルカルビノール、n-アミルアルコール、メチルアミルアルコールのようなアルコール類;キシレンのようなアルキル置換芳香族炭化水素;メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロルベンゼンのようなハロゲン化炭化水素などがある。これら疎水性化合物は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。これら疎水性化合物の中では、エチレングリコールモノフェニルエーテルとベンジルアルコールが特に有効である。また、これら化合物の処理液中における含有量は、概ね0〜10質量%であり、特に0.5〜5質量%のときより好ましい結果を得る。
また、ノニオン型界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどが挙げられる。その中でもポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等が好ましく用いられる。又アセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物、フッ素系、シリコン系等のアニオン、ノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。これら界面活性剤は2種以上併用することもできる。例えば、互いに異なる2種以上のアニオン界面活性剤の併用やアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の併用が好ましい。これらの化合物は環境面への影響を考慮して適宜選択して使用することが好ましい。上記の界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、好ましくは全固形分量に基づいて0.01〜20質量%である。
カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等が用いられる。
両性界面活性剤としては、アルキルカルボキシベタイン類、アルキルイミダゾリン類、アルキルアミノカルボン酸類等が用いられる。
水溶性高分子化合物としては例えばアラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)及びその変性体、プルラン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、及びその共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。特にアラビアガム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。上記化合物を1種以上組合せて使用することもできる。これら化合物の含有量は、全固形分量に基づいて0.1〜20質量%が適当であり、より好ましくは0.3〜10質量%である。
湿潤剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等が好適に用いられる。これらの湿潤剤は単独で用いてもよいが、2種以上併用してもよい。一般に、上記湿潤剤は全固形分量に基づいて0.1〜5質量%の量で使用される。
防腐剤としては、フェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4-イソチアゾリン-3-オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン-3-オン、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール、1,1-ジブロモ-1-ニトロ-2-エタノール、1,1-ジブロモ-1-ニトロ-2-プロパノール等が好ましく使用できる。好ましい添加量は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、0.01〜4質量%の範囲が好ましく、また種々のカビ、殺菌に対して効力のあるように2種以上の防腐剤を併用することが好ましい。
硬水軟化剤としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることができる。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。これらキレート剤は不感脂化液組成中に安定に存在し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。添加量としては0.001〜1.0質量%が適当である。
消泡剤としては一般的なシリコン系の自己乳化タイプ、乳化タイプ、界面活性剤ノニオン系のHLBの5以下等の化合物を使用することができる。シリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型及び可溶化等がいずれも使用できる。消泡剤の含有量は、好ましくは、0.001〜1.0質量%の範囲が最適である。
〔処理液による平版印刷版原版の処理方法〕
本発明においては、画像様に露光した平版印刷版原版を、上記塩基性色素及びアニオン界面活性剤を含む水溶液に接触させて、平版印刷版原版の画像形成層未露光部を除去し、同時に画像部を着色させる。
この着色によって、検版性および画像品質管理が容易になる。
また、平版印刷版原版に、画像様露光および現像処理を行なった平版印刷版を処理し、画像部を着色させる、所謂染色液としても使用することができる。
処理の具体的方法としては、手現像、浸漬現像、および自動現像機による処理等が挙げられる。手現像の場合は、スポンジや脱脂綿に十分処理液を含ませ、版面全体をこすりながら現像し、現像終了後は十分に水洗する。浸漬現像の場合は、平版印刷版原版を水溶液の入ったバットや深タンクに約10〜180秒浸して攪拌した後、脱脂綿やスポンジなどでこすりながら十分水洗する。自動現像機としては、従来PS版用に知られている自動現像機を用いることができる。例えば、現像槽の現像液をポンプでくみ上げてスプレーノズルから吹き付けて現像処理する方式、現像液が満たされた現像液槽中に液中ガイドロールなどによって印刷版を浸漬搬送させて処理する方式、実質的に未使用の現像液を一版毎に必要な分だけ供給して処理するいわゆる使い捨て方式のいずれの方式も適用できる。どの方式においても、ブラシやモルトンなどによる擦り機構があるのがより好ましい。
〔検版方法および画像品質管理方法〕
上記の塩基性色素及びアニオン界面活性剤を含む処理液による処理を行う本発明において、検版は、(1)画像様に露光する工程、(2)塩基性色素及びアニオン界面活性剤を含む処理液に接触させて画像形成層の非画像部を除去し、画像記録材料の画像部を着色する工程、および(3)水洗、更に(4)乾燥する工程を経て、画像を可視化してから行うことが好ましい。
なお上記(2)の工程においては、処理液による画像記録材料の非画像部の除去と画像部の着色とは同時に実施してもよいし、または別の処理液(例えば現像液またはガム液)を用いて画像記録材料の非画像部を除去した後に本発明の水溶液を用いて画像部を着色してもよい。
また、画像品質管理は、上記(4)乾燥する工程の後に、(5)画像の網点面積または濃度を、網点面積測定機または濃度計により測定する工程によって計測して行うことが好ましい。
網点面積測定機は、GretagMacbeth社製D19C、エックスライト社製反射濃度計などの従来方式の反射濃度計や、内蔵されたビデオカメラにて網点パーセントを計測するGretagMacbeth社製iC PlateII、X-RiteDotなどいかなるものも使用できる。
〔平版印刷版原版〕
本発明に使用する平版印刷版原版は、印刷インキ、湿し水またはこれらの両方により除去可能な画像記録材料を有するものが好ましい。以下、これらの平版印刷版原版の構成要素について、詳細に説明する。
(画像記録材料)
本発明の画像記録材料は、塩基性色素と相互作用する化合物を含み、印刷インキ、湿し水またはこれらの両方により除去可能である。また、本発明の画像記録材料は、画像形成するための要素を含むことができる。
<塩基性色素と相互作用する化合物>
本発明で塩基性色素と相互作用する化合物とは、塩基性色素を固定化する機能を有する化合物を意味し、固定化する相互作用が静電的相互作用であっても、その他の相互作用であってもよい。より具体的には、塩基性色素と相互作用する化合物としては、水溶液中で塩解離して負の荷電となる化合物が挙げられ、また塩基性色素を固定化する化合物としては、塩基性色素と不溶性の塩を形成する化合物、分子量1000以上の高分子化合物、もしくは粒径5nm以上の粒子であることが好ましい。このような化合物の例として、無機層状化合物、無機微粒子、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等のアニオン性基含有高分子化合物等が挙げられるが、特に無機層状化合物、無機微粒子が好ましい。
無機層状化合物としては、アスペクト比20以上の化合物であることが好ましい。画像記録材料中で層状化合物は支持体に対して平行に積層分布することにより画像記録材料の凝集性を増す効果を有しており、これにより塩基性色素の単位面積当りの吸着量を増すことが可能となる。
層状化合物とは、薄い平板状の形状を有する粒子であり、例えば、下記一般式
A(B,C)2-5410(OH,F,O)2
〔ただし、AはLi,K,Na,Ca,Mg,有機カチオンの何れか、BおよびCはFe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg,Vの何れかであり、DはSiまたはAlである。〕で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群、式3MgO・4SiO・H2Oで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、りん酸ジルコニウムなどが挙げられる。
上記天然雲母としては白雲母、ソーダ雲母、金雲母、黒雲母および鱗雲母が挙げられる。また、合成雲母としては、フッ素金雲母KMg3 (AlSi310)F2、カリ四ケイ素雲母KMg2.5Si410)F2 等の非膨潤性雲母、およびNaテトラシリリックマイカNaMg2.5(Si410)F2 、NaまたはLiテニオライト(Na,Li)Mg2 Li(Si410)F2、モンモリロナイト系のNaまたはLiヘクトライト(Na,Li)1/8 Mg2/5Li1/8(Si410)F2 等の膨潤性雲母等が挙げられる。更に合成スメクタイトも有用である。
上記の層状化合物の中でも、合成の無機質の層状化合物であるフッ素系の膨潤性雲母が特に有用である。すなわち、この膨潤性合成雲母や、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト等の膨潤性粘度鉱物類等は、10〜15Å程度の厚さの単位結晶格子層からなる積層構造を有し、格子内金属原子置換が他の粘度鉱物より著しく大きい。その結果、格子層は正電荷不足を生じ、それを補償するために層間にLi+ 、Na+ 、Ca2+、Mg2+、有機カチオン等の陽イオンを吸着している。これらの無機質層状化合物は水により膨潤する。その状態でシェアーをかけると容易に劈開し、水中で安定したゾルを形成する。ベントナイトおよび膨潤性合成雲母はこの傾向が強い。
層状化合物の形状としては、吸着量を増すという観点から、厚さは薄ければ薄いほどよく、平面サイズは塗布面の平滑性や活性光線の透過性を阻害しない限りにおいて大きいほどよい。従って、アスペクト比は20以上であり、好ましくは100以上、特に好ましくは200以上である。なお、アスペクト比は粒子の長径に対する厚さの比であり、たとえば、粒子の顕微鏡写真による投影図から測定することができる。アスペクト比が大きい程、得られる効果が大きい。
層状化合物の粒子径は、その平均径が1〜20μm、好ましくは1〜10μm、特に好ましくは2〜5μmである。粒子径が1μmよりも小さいと酸素や水分の透過の抑制が不十分であり、効果を十分に発揮できない。また20μmよりも大きいと塗布液中での分散安定性が不十分であり、安定的な塗布を行うことができない問題が生じる。また、該粒子の平均の厚さは、0.1μm以下、好ましくは、0.05μm以下、特に好ましくは、0.01μm以下である。例えば、無機質の層状化合物のうち、代表的化合物である膨潤性合成雲母のサイズは厚さが1〜50nm、面サイズが1〜20μm程度である。
このようにアスペクト比が大きい無機質の層状化合物の粒子を画像記録材料に含有させると、画像記録材料層中で層状化合物は支持体に対して平行に積層分布することにより画像記録材料層の凝集性を増す効果を有しており、これにより塩基性色素の単位面積当りの吸着量を増すことが可能となる。
画像記録材料中に含まれる層状化合物の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、0.3〜30質量%が更に好ましく、1〜10質量%が最も好ましい。複数種の層状化合物を 併用した場合でも、これらの合計の量が上記の含有量であることが好ましい。
また無機微粒子としては例えば、シリカ、珪酸塩、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、100nm〜5μmであるのがより好ましい。上記範囲内であると、画像記録材料中に安定に分散して、画像記録材料の膜強度を十分に保持し、かつ親水性に優れる非画像部を形成することができる。これら無機微粒子は画像記録材料の全固形分に対して20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
<画像形成要素>
本発明においては、画像記録に用いられる画像形成要素の条件として特に限定されるものではなく、公知の画像形成要素を用いることができる。以下では、好ましい画像形成要素の一つである重合反応を利用した要素に関して記述する。なお本発明では、活性光線吸収剤、重合開始剤、重合性化合物、バインダーポリマー等を含有する層を画像形成層と定義し、画像形成層の上に設けられる保護層、および画像形成層の下に設けられる下塗り層との区別を行った。本発明の画像記録材料とは、画像形成層、保護層または下塗り層を有する場合はそれら全ての層を包含した意味である。
重合反応を利用した要素においては、(A)活性光線吸収剤と、(B)重合開始剤と、(C)重合性化合物と、(D)バインダーポリマーを主成分とする構成によって印刷画像を形成することができる。また、重合反応を利用した画像形成層は、必要に応じてこれら以外の公知の添加物を含有することができる。
この重合反応を利用した平版印刷版原版においては、例えば赤外線の照射により画像形成層の露光部が硬化して疎水性(親油性)領域を形成し、かつ、画像形成層の未露光部は湿し水、インキまたは湿し水とインキとの乳化物によって支持体上から速やかに除去される性質を有す。すなわち、上記画像形成層は、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能な画像形成層となる。
<(A)活性光線吸収剤>
本発明の平版印刷版原版を、760〜1200nmの赤外線を発するレーザーを光源により画像形成する場合には、通常、赤外線吸収剤を用いることが好ましい。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能と赤外線により励起して後述するラジカル重合開始剤(ラジカル発生剤)に電子移動/エネルギー移動する機能を有する。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料または顔料である。
またインキ汚染を防止する観点から、赤外線吸収剤は波長400〜700nmに実質的に吸収極大を有さないことが好ましい。具体的には、画像形成層の波長400〜700nmの領域における吸収極大の吸光度が0.1以下(平版印刷版原版の反射濃度)であることが好ましい。
染料としては、市販の染料および例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等の公報に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等の公報に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等の公報に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号明細書記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号の公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号の各公報に記載されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、本発明の赤外線吸収色素の好ましい他の例としては、特開2002−278057号公報記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。この範囲で、顔料分散物の画像形成層塗布液中での良好な安定性と画像形成層の良好な均一性が得られる。ただし上述のインキ汚染を防止する観点から、波長400〜700nmに実質的に吸収極大を有さないことが好ましい。具体的には、波長400〜700nmの領域における吸収極大の吸光度が0.1以下(平版印刷版原版の反射濃度)であることが好ましい。
これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよいが、ネガ型平版印刷版原版を作製した際に、画像形成層の波長760nm〜1200nmの範囲における極大吸収波長での吸光度が、反射測定法で0.3〜1.2の範囲にあるように添加する。好ましくは、0.4〜1.1の範囲である。この範囲で、画像形成層の深さ方向での均一な重合反応が進行し、良好な画像部の膜強度と支持体に対する密着性が得られる。
<(B)ラジカル重合開始剤>
本発明に用いられるラジカル重合開始剤としては、光、熱或いはその両方のエネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物を示す。本発明に使用できるラジカル重合開始剤(以下では単に重合開始剤ともいう)としては、公知の熱重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などを使用することができ、本発明において好適に用いられるラジカルを発生する化合物は、熱エネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を、開始、促進させる化合物を指す。本発明に係る熱ラジカル発生剤としては、公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などを、適宜、選択して用いることとができる。また、ラジカルを発生する化合物は、単独または2種以上を併用して用いることができる。
ラジカルを発生する化合物としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、カルボニル化合物、有機過酸化化合物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、が挙げられる。
これらの重合開始剤は、画像形成層を構成する全固形分に対して好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%の割合で添加することができる。この範囲で、良好な感度と印刷時の非画像部の良好な汚れ難さが得られる。これらの重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの重合開始剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
<(C)ラジカル重合性化合物>
本発明における画像形成層に用いる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
上記の重合性化合物は、画像形成層中に、好ましくは5〜80質量%、更に好ましくは25〜75質量%の範囲で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、更に場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
<(D)バインダーポリマー>
本発明では、画像形成層の皮膜特性や機上現像性の向上のため、バインダーポリマーを用いることができる。バインダーポリマーは、従来公知のものを制限なく使用でき、皮膜性を有するポリマーが好ましい。このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。
バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していてもよい。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレンなどが挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドのポリマーであって、エステルまたはアミドの残基(−COORまたは−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
バインダーポリマーの含有量は、画像形成層の全固形分に対して、好ましくは5〜90質量%であり、5〜80質量%であるのがより好ましく、10〜70質量%であるのがさらに好ましい。この範囲で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
また、重合性化合物とバインダーポリマーは、質量比で0.5/1〜4/1となる量で用いるのが好ましい。
<マイクロカプセルおよびミクロゲル>
本発明においては、上記の画像形成層構成成分(A)〜(D)および後述のその他構成成分を画像形成層に含有させる方法として、いくつかの態様を用いることができる。一つは、例えば、特開2002−287334号公報に記載のごとく、該構成成分を適当な溶媒に溶解して塗布する分子分散型画像形成層である。他の一つの態様は、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の全てまたは一部をマイクロカプセルに内包させて画像形成層に含有させるマイクロカプセル型画像形成層である。さらに、マイクロカプセル型画像形成層において、該構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。ここで、マイクロカプセル型画像形成層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。更に他の態様として、画像形成層に架橋樹脂粒子、即ちミクロゲルを含有する態様が挙げられる。該ミクロゲルは、その中および/または表面に該構成成分(A)〜(D)の一部を含有することが出来る。特に(C)重合性化合物をその表面に有することによって反応性ミクロゲルとした態様が、画像形成感度や耐刷性の観点から特に好ましい。
より良好な機上現像性を得るためには、画像形成層は、マイクロカプセル型もしくはミクロゲル型画像形成層であることが好ましい。
画像形成層構成成分をマイクロカプセル化、もしくはミクロゲル化する方法としては、公知の方法が適用できる。
例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号、同第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号の各明細書、特公昭38−19574号、同42−446号の各公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号、同第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に見られるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号、同第4087376号、同第4089802号の各明細書にみられる尿素−ホルムアルデヒド系または尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号、同51−9079号の各公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号、同第967074号の各明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、およびこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレアおよびポリウレタンが好ましい。また、マイクロカプセル壁に、後述のバインダーポリマーに導入可能なエチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を有する化合物を導入しても良い。
一方、ミクロゲルを調製する方法としては、特公昭38−19574号、同42−446号明細書に記載されている界面重合による造粒、特開平5−61214号明細書に記載されているような非水系分散重合による造粒を利用することが可能である。但し、これらの方法に限定されるものではない。
上記界面重合を利用する方法としては、上述した公知のマイクロカプセル製造方法を応用することができる。
本発明に用いられる好ましいミクロゲルは、界面重合により造粒され3次元架橋を有するものである。このような観点から、使用する素材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、およびこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレアおよびポリウレタンが好ましい。
上記のマイクロカプセルやミクロゲルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましい。0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
<界面活性剤>
本発明において、画像形成層には、印刷開始時の機上現像性を促進させるため、および、塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるノニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体が挙げられる。
本発明に用いられるアニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類が挙げられる。
本発明に用いられるカチオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキシエチレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等の「ポリオキシアルキレン」に読み替えることもでき、本発明においては、それらの界面活性剤も用いることができる。
更に好ましい界面活性剤としては、分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号、同62−226143号および同60−168144号の各公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
界面活性剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、画像形成層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましい。
<焼き出し剤>
本発明の画像形成層には、焼き出し画像生成のため、酸またはラジカルによって変色する化合物を添加することができる。ただし未露光部は印刷機で現像除去されるため、インキ汚染の観点から、変色前には実質的に可視域に吸収を有さないことが望ましい。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が挙げられる。
上記の他に、感熱紙や感圧紙用の素材として知られているロイコ染料も好適なものとし 酸またはラジカルによって変色する染料の好適な添加量は、それぞれ前述したように実質的に可視域に吸収を有さない程度、具体的には吸収極大の吸光度が0.1以下であることが望ましい。
<重合禁止剤>
本発明の画像形成層には、画像形成層の製造中または保存中において(C)ラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、画像形成層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
<高級脂肪酸誘導体等>
本発明の画像形成層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で画像形成層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、画像形成層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
<可塑剤>
本発明の画像形成層は、機上現像性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、画像形成層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
<低分子親水性化合物>
本発明の画像形成層は、機上現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有しても良い。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩等が上げられる。
<画像形成層の形成>
本発明の画像形成層は、必要な上記各成分を溶剤に分散、または溶かして塗布液を調製し、塗布される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独または混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
(保護層)
本発明の平版印刷版原版には、酸素遮断性付与、画像形成層での傷等の発生防止、高照度レーザー露光時に生じるアブレーション防止等のために、必要に応じて画像形成層の上に保護層(オーバーコート層)を設けることができる。
通常、平版印刷版の露光処理は大気中で実施する。露光処理によって生じる画像形成層中での画像形成反応は、大気中に存在する酸素、塩基性物質等の低分子化合物によって阻害され得る。保護層は、この酸素、塩基性物質等の低分子化合物が画像形成層へ混入することを防止し、結果として大気中での画像形成阻害反応を抑制する。従って、保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性を低くすることであり、更に、露光に用いられる光の透過性が良好で、画像形成層との密着性に優れ、かつ、露光後の機上現像処理工程で容易に除去することができるものである。このような特性を有する保護層については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書および特公昭55−49729号公報に記載されている。
保護層に用いられる材料としては、水溶性ポリマー、水不溶性ポリマーのいずれをも適宜選択して使用することができる。具体的には例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニルの部分鹸化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、水溶性セルロース誘導体、ゼラチン、デンプン誘導体、アラビアゴム等の水溶性ポリマーや、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリサルホン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、セロハン等のポリマー等が挙げられる。これらは、必要に応じて2種以上を併用して用いることもできる。
上記材料中で比較的有用な素材としては、結晶性に優れる水溶性高分子化合物が挙げられる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリル酸等の水溶性アクリル樹脂、ゼラチン、アラビアゴム等が好適であり、なかでも、水を溶媒として塗布可能であり、且つ、印刷時における湿し水により容易に除去されるという観点から、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾールが好ましい。その中でも、ポリビニルアルコール(PVA)は、酸素遮断性、現像除去性等の基本的な特性に対して最も良好な結果を与える。
また保護層には前述の層状化合物を含有することも好ましい。保護層中の無機質層状化合物の含有量は、保護層に使用されるバインダーの量に対し、質量比で5/1〜1/100であることが好ましい。複数種の無機質の層状化合物を併用した場合でも、これら無機質の層状化合物の合計の量が上記の質量比であることが好ましい。
保護層の塗布量としては、乾燥後の塗布量で、0.01〜10g/m2 の範囲であることが好ましく、0.02〜3g/m2 の範囲がより好ましく、最も好ましくは0.02〜1g/m2の範囲である。
(支持体)
本発明における平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましく、0.2〜0.3mmであるのが更に好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上および画像形成層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
(下塗層)
本発明の平版印刷版原版においては、特に機上現像型平版印刷版原版の場合、必要に応じて、画像形成層と支持体との間に下塗層を設けることができる。下塗層は、未露光部において、画像形成層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、機上現像性が向上する。また、赤外線レーザー露光の場合は、下塗層が断熱層として機能することにより、露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率よく利用されるようになるため、高感度化が図れるという利点がある。
下塗層用化合物(下塗り化合物)としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物等が好適に挙げられる。
最も好ましい下塗り化合物としては、支持体吸着性基を有するモノマー/親水性基を有するモノマー/架橋性基を有するモノマーを共重合した高分子樹脂が挙げられる。
下塗層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であるのが好ましく、3〜30mg/m2であるのがより好ましい。
〔露光〕
本発明の平版印刷版原版を画像様に露光する光源としては、特に限定されず、画像記録材料に応じて種々の光源を選択することができる。露光光源としては、例えば、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、紫外光レーザー、可視光レーザー、赤外光レーザーが挙げられる。特にレーザーが好ましく、250〜420nmの範囲の光を放射するガスレーザー、固体レーザーまたは半導体レーザー、450〜700nmn範囲の可視光を放射する固体レーザーおよび半導体レーザーなどが挙げられる。
また、赤外線レーザーの場合は、波長760〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザーが好適である。赤外線レーザーの出力は、100mW以上であるのが好ましい。
露光は上記のレーザー光源を搭載したプレートセッターで行なわれることが好ましく、露光方式は内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等のいずれでもよい。また、露光時間を短縮するため、複数のレーザー光源を有するマルチビームレーザーデバイスを用いるのが好ましい。
1画素あたりの露光時間は、20マイクロ秒以内であるのが好ましい。また、照射エネルギー量は、10〜300mJ/cm2 であるのが好ましい。
〔処理〕
本発明においては、上述したように、本発明の平版印刷版原版をレーザーで画像様に露光した後、塩基性色素及びアニオン界面活性剤を含有する処理液で処理された後、多色印刷において見当合わせの目印となる版上のトンボ(レジスターマーク)が鮮明に描き込まれているかどうか判別する。また、網点面積測定機や濃度計を用い版上の網点を測定することで、適正な露光、現像が成されているかの確認を行う。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔支持体の作製〕
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミ表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dm2の条件で、硝酸電解と同様の方法で、電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。この板を15質量%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dm2で2.5g/m2の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥して支持体Aを得た。この支持体の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
〔平版印刷版原版(1)の作製〕
上記支持体に下記下塗り液を、バーを用いて乾燥塗布量が10mg/m2になるよう塗布した後、80℃20秒間オーブンにて乾燥させて下塗層を作製した。得られた下塗層の上に下記組成の画像形成層塗布液(1)を、バーを用いて塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の画像形成層を形成し、平版印刷版原版(1)を得た。
下塗り液
・下記の化合物B 0.017g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
Figure 2007230185
画像形成層塗布液(1)
・バインダーポリマー(1) 0.162g
・重合開始剤(1) 0.100g
・赤外線吸収剤(1) 0.020g
・重合性化合物、アロニックスM-215(東亜合成(株)製) 0.385g
・フッ素系界面活性剤(1) 0.044g
・メチルエチルケトン 1.091g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.609g
・下記の通り合成したミクロゲル 2.640g
・層状化合物水分散液(1) 2.500g
Figure 2007230185
Figure 2007230185
Figure 2007230185
Figure 2007230185
<層状化合物水分散液(1)の調製>
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた分散無機粒子のアスペクト比は100以上であった。
<ミクロゲルの合成>
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N、75質量%酢酸エチル溶液)10g、アロニックスM-215(東亞合成(株)製)6.00g、パイオニンA−41C(竹本油脂(株)製) 0.12gを酢酸エチル16.67gに溶解した。水相成分としてPVA−205の4質量%水溶液37.5gを調製した。油相成分および水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、40℃で2時間攪拌した。このようにして得られたミクロゲル液の固形分濃度を、15質量%になるように蒸留水を用いて希釈した。平均粒径は0.2μmであった。
〔平版印刷版原版(2)の作製〕
上記支持体に、下記下塗り液をバーを用いて乾燥塗布量が10mg/m2になるよう塗布した後、80℃20秒間オーブンにて乾燥させて下塗層を作製した。得られた下塗層の上に、下記組成の画像形成層塗布液(2)をバー塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の画像形成層を形成して平版印刷版原版を得た。引き続き、下記組成の保護層塗布液を前記画像形成層上にバー塗布し、120℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.15g/m2の保護層を形成することで平版印刷版原版を得た。
<画像形成層塗布液(2)の作製>
画像形成層塗布液(2)は下記感光液(1)及びミクロゲル液(1)を塗布直前に混合し攪拌することにより得た。
感光液(1)
・バインダーポリマー(1) 0.162g
・重合開始剤(1) 0.100g
・赤外吸収染料(1) 0.020g
・重合性モノマー、アロニックスM-215(東亜合成(株)製) 0.385g
・フッ素系界面活性剤(1) 0.044g
・メチルエチルケトン 1.091g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.609g
ミクロゲル液(1)
・上記の通り合成したミクロゲル液 2.640g
・水 2.425g
保護層塗布液
・層状化合物水分散液(1) 1.5g
・ポリビニルアルコールPVA105 0.06g
((株)クラレ製、ケン化度98.5モル%、重合度500)
・ポリビニルピロリドンK30 0.01g
(東京化成工業(株)製、分子量Mw=4万)
・ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体LUVITEC VA64W 0.01g
(ISP社製、共重合比=6/4)
・ノニオン系界面活性剤エマレックス710 0.01g
(日本エマルジョン(株)製)
・イオン交換水 6.0g
〔実施例1〕
得られた平版印刷版原版(1)を水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。露光画像には200lpiの1%から95%の網点画像、およびベタ部(100%網点画像)を含むようにした。
得られた露光済み原版を下記の処理液(1)を付着させた富士写真フイルム(株)社製富士PSスポンジを用いて手で約30秒間、版面を擦ることで、画像形成層の未露光部を除去し、同時に露光部を着色させた。引き続き、シャワーを用いて版面を水道水にて洗浄した後、自然乾燥させて、平版印刷版を得た。
露光部の画像のみに着色され、処理液で除去された未露光部はほとんど着色されなかった。また、除去された未露光部の滓は処理液に分散され版面に付着しなかった。
更に版上の網点をGretagMacbeth社製iC PlateIIで測定しところ、
200lpiの1%から95%の網点画像を忠実に再現した値が得られた。
更に又、トンボ部分も着色され鮮明であった。
処理液(1)
・塩基性染料ビクトリア ピュア ブルー BOHconc 1.2g
(保土谷化学工業(株)社製)
・アニオン界面活性剤 エレミノールMON2 40.0g
(アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムとアルキルジフェニルエーテルモノスルホン酸ナトリウムの混合物)
(三洋化成工業(株)社製)(47%水溶液)
◇アニオン界面活性剤/塩基性染料のモル比25.7倍
・ベンジルアルコール 10.0g
(TESSENDERLO社製)
・イオン交換水 948.7g
・消泡剤KS−502
(シリコン系の自己乳化型消泡剤) 0.1g
(信越化学工業(株)社製)
〔実施例2〜3〕
〔比較例1〜3〕
得られた平版印刷版原版(2)を水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。露光画像には200lpiの1%から95%の網点画像、およびベタ部(100%網点画像)を含むようにした。
得られた露光済み原版を表1に示す処理液を付着させたサンファブレス社製スーパークリーナーのウレタンスポンジ面を用いて手で約20秒間、版面を擦ることで、画像形成層の未露光部を除去し、同時に露光部を着色させた。引き続き、シャワーを用いて版面を水道水にて洗浄した後、自然乾燥させ、平版印刷版を得た。
処理液の処方と結果を表1に示す。
Figure 2007230185
比較例1は非画像部が染まり網点測定が不可能であった。
比較例2は不溶解物が発生し処理液として使用できるものではなかった。
実施例2と3は露光部の画像のみに着色され、処理液で除去された未露光部はほとんど着色されなかった。また、除去された未露光部の滓は処理液に分散され版面に付着しなかった。
更に版上の網点をGretagMacbeth社製iC PlateIIで測定しところ、200lpiの1%から95%の網点画像を忠実に再現した値が得られた。
比較例3は、画像部にほとんど着色されなったため、網点測定装置での測定が出来なかった。

Claims (3)

  1. 色素および界面活性剤を含む平版印刷版用処理液であって、色素が塩基性色素であり、界面活性剤がアニオン系界面活性剤であり、該アニオン界面活性剤の含有量が、該塩基性色素の含有量の10倍モル以上から70倍モル以下である平版印刷版用処理液。
  2. 上記請求項1記載の処理液を用いて、平版印刷版を処理する平版印刷版の処理方法。
  3. 上記請求項2の平版印刷版が、印刷インキ、湿し水またはこれらの両方により除去可能な画像記録材料を有する平版印刷版原版である、上記請求項2記載の平版印刷版の処理方法。
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