JP4637072B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスク装置に関し、特に、記録部分の反射率が未記録部分の反射率よりも高くなる、いわゆるLow to Highタイプの光ディスクに情報を記録する際に用いて好適なものである。
現在、商品化が進められているHDDVD−Rディスクには、記録部分の反射率が未記録部分の反射率よりも高くなる、いわゆるLow to Highタイプのディスクが提案されている。この種のディスクは、記録層が有機色素材料によって形成されるため、記録層が無機材料によって形成されるHigh to Lowタイプのディスクに比べ、外部からの光によって感光を受け易いといった特性を有している。その一方、HDDVD規格では、最低、100万回の再生が求められており、Low to Highタイプのディスクにおいても高い信頼性が確保されなければならない。このため、ドライブ装置では、過度の感光による記録膜特性の劣化や、クロスイレーズが起こらないよう、記録時のレーザパワーを適正に設定することが求められる。
図12は、Low to HighタイプのHDDVD−Rディスクに情報を記録する際の動作を模式的に示す図である。図示の如く、この種のディスクでは、High to LowタイプのHDDVD−Rディスクと同じくグルーブのみに記録が行われる。また、この種のディスクは書き換え可能でないため、ディスク内周から外周にわたって1トラックずつ順番に記録が行われる。同図の場合、グルーブ(G1)への記録が済むと、これに隣接するグルーブ(G2)に記録が行われる。このため、グルーブ(G2)への記録時に、光スポットの周縁が既に記録済みのグルーブ(G1)に掛かることとなる。この場合、光スポット内におけるレーザ強度はスポット中心部分に集中するため、このように光スポットの周縁がグルーブ(G1)に掛かっても、これによりグルーブ(G1)上に記録マークが形成されることはない。しかし、微弱ながらもグルーブ(G1)にレーザ光が漏れこむため、これによりグルーブ(G1)の記録層が感光し、記録層に耐光性の面で劣化が生じる。この他、グルーブに強いパワーにてレーザ光が照射されると、記録膜特性に劣化が生じ、再生耐久性に問題が生じる可能性がある。このように、Low to HighタイプのHDDVD−Rディスクでは、High to LowタイプのHDDVD−Rディスクとは異なる側面から、記録レーザパワーの設定を検討する必要がある。
なお、以下の特許文献1には、データエリアとは別に用意されたテストゾーンに試し書きを行って最適な記録パワーを求めることが記載されている。
特開2003−228840号公報
一般に、追記型ディスクにおける記録レーザパワーは、再生信号特性が最良となるパワーに設定される。たとえば、High to LowタイプのHDDVD−Rディスクでは、テスト領域に対する試し書きによって、PRSNR(Partial Response Signal to Noise Ratio)が最大となり、あるいは、再生エラーレートが最小となる記録レーザパワーが求められ、この記録レーザパワーが、主情報記録用のレーザパワーに設定される。
この設定方法によれば、記録直後の再生信号特性は最良になるものと予測できる。しかし、これをLow to HighタイプのHDDVD−Rディスクにそのまま適用すると、上記の如く記録膜特性に劣化が生じ、これに起因して、規格で定める再生回数に到達する前に、十分な信号特性が得られなくなる惧れがある。発明者の検証によれば、PRSNRが最大となるレーザパワーにて記録を行った場合、再生回数が70〜80万回程度に達するあたりで再生信号のPRSNRが急速に劣化し、規格で定める100万回の再生動作を実現できないことが確認された(これについては、実施の形態にて明らかにする)。
なお、記録膜特性の劣化は、データリードイン領域やファイル情報の格納領域等、再生の都度リードされるためにレーザ光の照射を頻繁に受ける領域において顕著となる。しかし、これらの領域が再生不能になると、主情報再生に必要な情報が取得できなくなり、ディスク全体の情報が再生不能となってしまう。
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、Low to Highタイプの光ディスクに対する記録レーザパワーの設定を適正に行うことにより、記録膜特性の劣化を抑制し、ディスクの再生耐久性ないし記録情報の信頼性を高め得る光ディスク装置を提供することを課題とする。
上記課題に鑑み本発明は、以下の特徴を有する。
請求項1の発明は、ディスクに対してレーザ光を照射する光ピックアップと、前記ディスク上の第1のトラックに記録パワー(Pwt)にて試し書きを行った後、前記第1のトラックに隣接する第2のトラックに同じ記録パワー(Pwt)にて試し書きを行い、その後、前記第1のトラックを再生したときの再生信号に基づいて、前記記録パワー(Pwt)を主情報記録の際の記録レーザパワーPwを設定する記録パワー設定回路とを備えた光ディスク装置において、前記記録パワー設定回路は、前記第1のトラックを再生したときの再生信号から、当該再生信号の振幅レベル(L1)と、当該再生信号の良否に関するパラメータ値(P1)を取得し、さらに、前記ディスク上のエンボス領域を再生したときの再生信号の振幅レベル(L0)を取得し、前記振幅レベル(L1)が前記振幅レベル(L0)以下となり、且つ、前記パラメータ値(P1)が予め決められた閾値(Psh)の範囲内にあることを条件に、前記記録パワー(Pwt)を主情報記録の際の記録レーザパワーPwに設定するかを決定することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光ディスク装置に新たな特徴を追加するものである。すなわち、請求項2の発明おいて、記録パワー設定回路は、さらに、第2のトラックを再生して再生信号の良否に関するパラメータ値(P2)を取得し、振幅レベル(L1)が振幅レベル(L0)以下となり、パラメータ値(P1)が予め決められた閾値(Psh)の範囲内にあり、且つ、パラメータ値(P1)とパラメータ値(P2)の間の変化の大きさが予め決められた閾値(Pd-sh)の範囲内にあることを条件に、記録パワー(Pwt)を主情報記録の際の記録レーザパワー(Pw0)に設定するかを決定する。
なお、上記請求項における「記録パワー設定回路」は、以下の実施形態において、主として、レーザパワー調整回路104と、コントローラ111によって具現化されている。また、以下の実施形態のうち、実施例2が請求項1の発明の実施形態である。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
本発明によれば、Low to Highタイプの光ディスクに対する記録レーザパワーの設定を適正に行うことができ、これにより、ディスクの再生耐久性ないし記録情報の信頼性を高めることができる。
請求項1ないし2の発明によれば、主情報記録の際の記録パワーが、再生信号の良否に関するパラメータ値(PRSNR等)が最良となる記録パワーよりも低く抑えられるため、パラメータ値が最良となる記録パワーにて記録を行う場合に比べ、記録膜特性の劣化が抑制され、よって、ディスクの再生耐久性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。本実施の形態は、Low to HighタイプのHD DVD−Rに記録再生を行う光ディスク装置に本発明を適用したものである。
まず、図1に光ディスク100のエリアフォーマットを示す。
図示の如く、ディスク100は、その径方向に、BCA(Burst Cutting Area)、システムリードインエリア、データリードインエリア、データエリア、データリードアウトエリアに領域分割されている。さらに、データリードインエリアとデータリードアウトエリアは種々のゾーンに区分されており、このうち、インナードライブテストゾーンおよびアウタードライブテストゾーンを用いて、記録レーザパワーの設定動作が行われる。
BCAには、対応する規格書番号やディスクタイプ等が記録されている。光ディスク装置は、ディスク挿入時にBCAを読み取ることにより、ディスク種別などを判別できる。また、システムリードインエリアには、対応する規格書番号・ディスク種別の他、当該ディスクの記録再生に関する情報がピットによって記録されている。この情報は、たとえば当該ディスクに適用される記録スピードや反射率、最適な記録再生パワー、Write Strategy、記録エリアの設定および当該ディスクのディスク製造会社の識別情報等から構成されている。光ディスク装置は、ディスク挿入時にこのエリアを再生することでディスク種別の他、記録再生に必要な情報を取得する。
なお、ピット形成領域(システムリードイン領域)とグルーブ形成領域(データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域)は同じ膜構造となっている。すなわち、ピット形成領域にもグルーブ形成領域と同様、記録膜と反射膜が形成されている。
図2に、実施の形態に係る光ディスク装置の構成を示す。
図示の如く、光ディスク装置は、エンコーダ101と、変調回路102と、レーザ駆動回路103と、レーザパワー調整回路104と、光ピックアップ105と、信号増幅回路106と、復調回路107と、デコーダ108と、サーボ回路109と、ADIP再生回路110と、コントローラ111から構成されている。
なお、同図には、光ピックアップ105をディスク径方法に移動させるためのアクチュエータが図示省略されている。このアクチュエータは、サーボ回路109から入力されるサーボ信号によって駆動制御される。また、同図には、コントローラ111からサーボ回路に向かう信号線が図示省略されている。コントローラ111は、記録レーザパワーの設定時に、適宜、サーボ回路109に指令信号を出力する。
図において、エンコーダ101は、入力された記録データに対し誤り訂正符号の付加等のエンコード処理を施し、変調回路102へ出力する。変調回路102は、入力された記録データに所定の変調を施し、さらに記録信号を生成してレーザ駆動回路103に出力する。レーザ駆動回路103は、記録時には変調回路102からの記録信号に応じた駆動信号を半導体レーザ105aに出力し、再生時には一定強度のレーザ光を出射するための駆動信号を半導体レーザ105aに出力する。ここで、記録および再生時のレーザパワーは、レーザパワー調整回路104からの信号によってコントロールされる。レーザパワー調整回路104は、コントローラ111からの指令に応じて、記録および再生時のレーザパワーを規定する信号をレーザ駆動回路103に出力する。
光ピックアップ105は、半導体レーザ105aおよび光検出器105bを備え、レーザ光をグルーブ上に収束させることにより、ディスクに対するデータの書き込みおよび読み出しを行う。なお、光ピックアップ105は、この他、グルーブに対するレーザ光の照射状態を調整するための対物レンズアクチュエータと、半導体レーザ105aから出射されたレーザ光を対物レンズに導き、且つ、ディスク100からの反射光を光検出器105bに導くための光学系等を備えている。
信号増幅回路106は、光検出器105bから受信した信号を増幅および演算処理して各種信号を生成し、これを対応する回路に出力する。復調回路107は、信号増幅回路106から入力された再生RF信号を復調して再生データを生成し、デコーダ108に出力する。デコーダ108は、復調回路107から入力されたデータに対し誤り訂正等のデコード処理を施し、後段回路に出力する。
サーボ回路109は、信号増幅回路106から入力されたフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号からフォーカスサーボ信号およびトラッキングサーボ信号を生成し、光ピックアップ105の対物レンズアクチュエータに出力する。また、信号増幅回路106から入力されたウォブル信号からモータサーボ信号を生成し、ディスク駆動モータに出力する。ADIP再生回路110は、信号増幅回路106から入力されたウォブル信号からアドレス情報等を再生し、これらをコントローラ111に出力する。
コントローラ111は、内蔵メモリに各種データを格納するとともに、あらかじめ設定されたプログラムに従って各部を制御する。なお、コントローラ111の内蔵メモリには、記録パワー設定の際に行われる試し書きの初期パワーを規定する情報が保持されている。この情報は、たとえば、ディスク製造会社と初期パワーを対応付けたものとすることができる。この場合、コントローラ111は、システムリードインエリアからディスク製造会社に関する情報を読み取り、これに対応する初期パワーを内蔵メモリから取得して、試し書き時の初期パワーに設定する。
あるいは、これに代えて、システムリードインエリアに記録されている最適記録パワーを補正するための係数νをディスク製造会社に対応付けて内蔵メモリに記憶させても良い。この場合、コントローラ111は、システムリードインエリアに記録されている最適記録パワーとディスク製造会社に関する情報を読み取り、読み取ったディスク製造会社に対応する係数νを内蔵メモリから取得し、取得した係数νをシステムリードインエリアから読み取った最適記録パワーに乗じて、試し書き時の初期パワーを算出する。
なお、システムリードインエリアから取得したディスク製造会社が内蔵メモリ内に存在しない場合が起こり得る。これに対応するために、内蔵メモリには、初期パワーまたは係数νのデフォルト値が格納されている。システムリードインエリアから取得したディスク製造会社が内蔵メモリ内に存在しない場合、コントローラ111は、内蔵メモリに格納されている初期パワーまたは係数νのデフォルト値を用いて試し書き時の初期パワーを設定する。
なお、内蔵メモリに記憶されている初期パワーまたは係数νは、試し書き時の初期パワーが、システムリードインエリアに記録されている最適記録パワーよりも小さくなるよう値に設定されている。したがって、記録パワー設定時の初回の試し書きは、ディスク製造会社によって設定された最適記録パワーよりも低く抑えられることとなる。
次に、図3を参照して、記録パワーの設定方法について説明する。
同図(a)は、サンプルディスク(Low to HighタイプのHDDVD−Rディスク)上のあるトラック(グルーブ)に記録を行った後、そのトラックを再生してPRSNRを測定したときの測定結果である。横軸は記録レーザパワー、縦軸はPRSNRである。なお、この測定では、トラックに測定対象パワーのレーザ光を照射して記録を行った。また、測定機は、パルステック工業製 ODU−1000を用いた。測定時のディスク線速は6.61m/s(一定)、再生パワーは0.4mWである。
従来の記録パワー設定方法では、記録したトラックのPRSNRを取得し、そのPRSNRが最良となるパワーに記録パワーが設定される。同図(a)の測定例の場合、記録パワーPwは、Pw=9.5mW程度に設定される。
同図(b)は、ある記録パワーPwtにてトラック(グルーブ)T1に記録を行った後、これに隣接する次のトラックT2に同じパワーPwtにて記録を行い、その後、トラックT2の記録部分を再生してPRSNR(P2)を求め、次いで、トラックT1の記録部分を再生してPRSNR(P1)を求め、さらに、P2とP1の差分を求めたときの測定結果である。横軸は記録レーザパワーPwt、縦軸はP2とP1の差分である。この測定は、トラックT1の記録部分とトラックT2の記録部分がディスク径方向に略完全に並ぶようにして行った。また、この測定には、同図(a)の場合と同じサンプルディスクを用いた。測定機および測定条件も同図(a)の場合と同じである。
この測定では、トラックT2に記録を行う際にトラックT1の記録済み部分にレーザ光が漏れこみ、トラックT1の記録部分にこのレーザ光の漏れ込みによる信号特性の劣化が生じる。ここで、劣化の程度は、P2とP1の差分の大きさによって評価できる。同図(b)の測定結果では、記録レーザパワーが8.5mwを超えるあたりでP2とP1の差分が急激に大きくなる。したがって、この場合には、記録レーザパワーを8.5mWよりも大きくすると、記録済みトラックにおける信号劣化が顕著となり、ディスクの再生耐久性が低下するものと予測できる。すなわち、PRSNRが最良となる9.5mW程度に記録レーザパワーを設定すると、記録信号特性が顕著に劣化し、ディスクの再生耐久性が低下するものと予測できる。
本実施例では、記録レーザパワー設定の際の試し書き時に、P2とP1の差分をモニタし、これが急激に変化するよりも低いレンジにおいて、記録レーザパワーPwを設定する。具体的には、P2とP1の差分Pdに上限値Pd−shを設定し、Pd≦Pd−shを満たす範囲から記録レーザパワーPwを設定する。たとえば、同図(b)の場合に、上限値Pd−sh=2に設定すると、記録レーザパワーの設定レンジが、8.5mWよりも低い範囲に設定される。記録レーザパワーは、このレンジの中から適宜設定される。
図4は、記録レーザパワー設定時の処理フローチャートである。
記録レーザパワーの設定処理が開始されると、まず、試し書き時の記録パワー(以下、「テストパワー」という)Pwtが初期パワーに設定される(S101)。初期パワーの設定は、上記の如く、コントローラ内の内蔵メモリから初期パワーまたは係数νを読み出すことによって行われる。
このようにしてテストパワーPwtが設定されると、光ピックアップ105がインナードライブテストゾーンまたはアウタードライブテストゾーン(以下、「テストゾーン」という)に送られ、テストゾーン中のトラックT1にテストパワーPwtにて試し書きが行われる(S102)。さらに、この試し書きが終了すると、トラックT1に隣接するトラックT2に同じテストパワーPwtにて試し書きが行われる(S103)。なお、試し書きは、トラックT1の試し書き部分とトラックT2の試し書き部分がディスク径方向に略完全に並ぶようにして行われる。
S102、103における試し書きが終了すると、次に、トラックT2、T1の試し書き部分が順番に再生され、PRSNR(P2)、(P1)が取得される(S104,105)。そして、P2とP1の差分PdがPd=P2−P1の演算により求められ(S106)、求めたPdと、P1、P2、Pwtがメモリに記憶される(S107)。
しかる後、当該記録パワー設定の際の試し書き回数が予め設定された回数Nに到達したかが判別され(S108)、到達していなければ(S108:No)、テストパワーPwtがΔPだけ高められた後(S109)、S102に戻り、以降の処理が行われる。これにより、新たなテストパワーPwtにて試し書きを行ったときのP1、P2およびPdが求められ、これらが新たなテストパワーPwtとともにメモリに記憶される(S102〜S107)。
S102からS107の処理は、試し書き回数がNに到達するまで繰り返される。これにより、テストパワーPwtとP1、P2、Pdを組とするサンプルがN個求められメモリに記憶される。
しかして、N個のサンプルがメモリに記憶されると(S108:YES)、N個のサンプル中から、差分Pdが予め設定された上限値Pd−sh以下となるサンプルが抽出される(S110)。さらに、抽出されたサンプルの中から、P1が予め決められたPRSNRの閾値Psh以上となるものが抽出され、ここで抽出された各サンプルのテストパワーPwtのうち最高のテストパワーPwtが記録パワーPwに設定される(S111)。
なお、閾値Pshは、Psh>15に設定される。これは、PRSNRが15以下の場合には、再生データにエラーが頻発し信号処理系にて誤り訂正を行っても訂正しきれないためである。実質的には、ディスク全面における信号特性のばらつきや、システムの安定性を考慮して、閾値Pshは、Psh=20程度に設定するのが好ましい。上限値Pd−shは、Low to HighタイプのHDDVD−Rディスクの特性を種々のディスクに対して検証した結果に基づいて設定される。
本実施例によれば、隣接する2つのトラックに試し書きを行い、そのときの再生信号の状態から記録パワーPwの設定を行うようにしたため、レーザ光の漏れこみによる記録済みトラックの信号特性の劣化を考慮した記録パワー設定を行うことができる。また、本実施例によれば、P1≧Pshとなるよう記録パワーPwが設定されるため、再生信号特性が信号処理系にて対応できないレベルまで低下するのを抑止することができる。特に、本実施例では、図4のS111において、P1≧Pshとなる各サンプルのテストパワーPwtのうち最高のテストパワーPwtを記録パワーPwに設定するようにしたため、他のサンプルのテストパワーを記録パワーに設定する場合に比べ、記録パワーPwをPRSNRが少しでも高くなるものに近付けることができる。すなわち、一般に、PRSNRと差分Pd(P2−P1)の間には図3(a)(b)の関係があり、P1≧Pshとなる各サンプルのテストパワーPwtはPRSNRが最高となるパワーよりも低いため、図4のS111において最高のテストパワーPwtを選択することにより、設定される記録パワーPwをPRSNRが最高となる記録パワーに近付けることができる。これにより、良好な再生信号特性を実現することができる。
なお、本実施例によれば、PRSNRが最高となる場合よりも記録パワーが低く抑えられるため、その分、記録膜特性の劣化を抑制することができる。よって、本実施例によれば、PRSNRが最高となるよう記録パワーを設定する場合に比べ、ディスクの耐久性を高めることができる。
図5に、ディスク耐久性の検証結果を示す。同図(a)は、PRSNRが最高となるよう記録パワーを設定した場合の検証結果、同図(b)は、本実施例に従って記録パワーを設定した場合の検証結果である。各図の横軸は再生回数、縦軸はPRSNRである。
なお、この検証は、上記図3にて用いたものと同種のサンプルディスクを用いて行った。同図(a)の検証例では、図3(a)に示す測定結果から、記録パワーPwをPRSNRが最高となる9.5mWに設定した。また、同図(b)の検証例では、図3(b)に示す測定結果から、P2−P1≦2となる4つのサンプルのうちP1が最高となるサンプルのパワーである8.5mWに記録パワーPwを設定した。
それぞれの検証例では、このようにして設定した記録パワーにてディスク内周から順に記録を行い、その後、隣接する内周側と外周側のトラックがともに記録された状態にあるトラックを選択して、このトラックを繰り返し再生するようにした。測定機は、パルステック工業製 ODU−1000を用いた。測定時のディスク線速は6.61m/s(一定)、再生パワーは0.4mWである。
同図(a)(b)を参照して分かるとおり、再生回数が少ない間は、比較例の方が実施例よりもPRSNRが高くなる。しかし、比較例においては、再生回数が70万回を超えたあたりから急激にPRSNRが低下し、80万回を超えると、PRSNRが15未満となって再生不可能となる。つまり、比較例においては、規格で定める再生可能回数100万回を満たすことができない。これに対し、実施例によれば、再生回数が80万回を超えてもなおPRSNRは25以上を維持し、さらに再生回数が100万回に到達しても25以上のPRSNR25を確保できる。実施例によれば、規格で定める再生回数100万回を満たすことができる。さらに、実施例によれば、再生回数が10万回を過ぎてからはPRSNRが上昇傾向となり、50万回を超えたあたりで、比較例のPRSNRよりも高くなる。
このように本実施例によれば、PRSNRを高く維持しつつ再生可能回数を規格が求める回数まで飛躍的に延ばすことができる。よって、本実施例によれば、ディスクの耐久性とデータの信頼性を飛躍的に高めることができる。
なお、本実施例では、P2−P1≦Pd−shとなるサンプルのうちP1が最高となるサンプルのパワーを記録パワーPwに設定するようにしたが、P1が最高となるサンプル以外のサンプルのパワーを記録パワーPwに設定することもできる。ただし、この場合は、本実施例の場合に比べ、設定された記録パワーPwが、PRSNRが最高となる記録パワーから離れることとなるため、少なくとも再生回数が少ない間は、本実施例の場合よりもPRSNRが低くなるものと予測できる。
また、本実施例では、2トラックに対する試し書きをN回実行してN個のサンプルを取得し、その中から記録パワーPwのPRSNRが最高となる記録パワーを取得するようにしたが、2トラックに対する試し書きを実行する度にPd≦Pd−shとP1≧Pshの判別を行い、この条件が満たされれば、その後の試し書きは行わずに、その試し書きの際のテストパワーを記録パワーに設定するようにすることもできる。
その場合の処理フローチャートを図6に示す。このフローチャートでは、図6のフローチャートのS107以降が変更されている。すなわち、上記の如くS101〜S106にて、2トラックに対する試し書きを行いPRSNR(P1)、(P2)の差分Pdが取得されると、P1≧Pshが判別される(S120)。ここで、P1≧Pshであれば(S120:YES)、さらに、Pd≦Ps−shが判別され(S121)、この条件が満たされれば(S121:YES)、そのときのテストパワーPwtが記録パワーPwに設定される(S122)。
一方、P1≧Pshでなければ(S120:NO)、テストパワーPwtがΔPaだけ高められた後(S123)、S102に戻り、以降の処理が行われる。また、P1≧Pshの条件は満たされるがPd≦Pd−shの条件が満たされなければ(S121:NO)、テストパワーPwtがΔPbだけ低められた後(S124)、S102に戻り、以降の処理が行われる。これらの処理により、新たなテストパワーPwtにて試し書きを行ったときのP1、P2およびPdが求められ、これをもとに、S120、S121の条件が評価される。
図6の処理フローチャートによれば、N回以下の試し書きによって記録パワーの設定が可能であるため、無駄な試し書きを抑制でき、記録パワー設定処理の迅速化を図ることができる。ただし、この処理フローチャートでは、図4の場合の場合に比べ、設定された記録パワーPwが、PRSNRが最高となる記録パワーから離れることとなるため、少なくとも再生回数が少ない間は、本実施例の場合よりもPRSNRが低くなるものと予測される。
図7を参照して、実施例2に係る記録パワーの設定方法について説明する。
同図(a)(b)は、同じLow to HighタイプのHDDVD−Rディスクに対し、それぞれ記録パワーPw1、Pw2(Pw2>Pw1)で記録を行ったときの再生RF信号を示す図である。図示の如く、Low to HighタイプのHDDVD−Rディスクでは、記録膜特性の劣化が進むに応じて、再生RF信号レベルが上昇する。したがって、再生RF信号レベルをもとに記録パワーの適否を評価することができる。すなわち、再生RF信号レベルが所定の閾値レベルを越える場合は記録パワーが過大であると評価し、再生RF信号レベルが閾値レベル以下のときは記録パワーが適正であると評価することができる。
本実施例では、再生RF信号レベルを評価するための閾値レベルとして、システムリードイン領域(ピット形成領域)を再生したときに得られる再生RF信号が用いられる。上記の如く、システムリードイン領域はデータ領域と同様の層構造を有しているため、そこから取得される再生RF信号は、そのディスクの膜特性を反映するものとなる。したがって、このように、試し書き時の再生RF信号レベルを評価するための閾値レベルとして、システムリードイン領域を再生したときに得られる再生RF信号を用いるようにすると、そのディスクの膜特性にあった記録パワーの設定を行うことができる。
なお、システムリードイン領域には記録が行われないため、この領域の膜特性が記録パワーのレーザ光照射によって変動することはない。また、システムリードイン領域の情報はデータリードイン領域にコピーされ、記録再生動作時には、通常、データリードイン領域にコピーされた情報が参照されるため、システムリードイン領域に再生パワーのレーザ光が照射される回数は少なく、このため、再生パワーレーザ光の照射によってシステムリードイン領域の膜特性が大きく変動することもない。このように、システムリードイン領域の膜特性は、記録再生動作による影響を受け難いため、そこから取得される再生RF信号レベルは、試し書き時の再生RF信号レベルを評価するための閾値レベルとして適正なものとなる。
図7(c)(d)は、それぞれ、システムリードイン領域を再生したときの再生RF信号波形と、適正パワーにて記録したときの再生RF信号波形である。本実施例では、図示の如く、試し書き時の取得した再生RF信号レベルL1がシステムリードイン領域から取得した再生RF信号レベルL0よりも小さくなるときに、当該試し書きの際のテストパワーPwtを記録パワーPwに設定する。
図8は、本実施例に係る記録レーザパワー設定時の処理フローチャートである。
記録レーザパワーの設定処理が開始されると、まず、再生パワーのレーザ光にてシステムリードインをリードして再生RF信号レベルL0が取得される(S201)。その後、上記実施例1の場合と同様にしてテストパワーPwtが初期パワーに設定される(S202)。
このようにしてテストパワーPwtが設定されると、光ピックアップ105がテストゾーンに送られ、テストゾーン中のトラックT1にテストパワーPwtにて試し書きが行われる(S203)。さらに、この試し書きが終了すると、トラックT1に隣接するトラックT2に同じテストパワーPwtにて試し書きが行われる(S204)。なお、試し書きは、トラックT1の試し書き部分とトラックT2の試し書き部分がディスク径方向に略完全に並ぶようにして行われる。
S203、204における試し書きが終了すると、次に、トラックT1の試し書き部分が再生され、再生RF信号レベルL1とPRSNR(P1)が取得される(S205)。そして、取得した再生RF信号レベルL1がS201で取得したシステムリードイン領域の再生RF信号レベルL0と比較され(S206)、L1≦L0であれば(S206:YES)、さらに、P1≧Pshが判別され(S207)、この条件が満たされれば(S207:YES)、そのときのテストパワーPwtが記録パワーPwに設定される(S208)。
一方、L1≦L0でなければ(S206:NO)、テストパワーPwtがΔPLだけ低められた後(S209)、S203に戻り、以降の処理が行われる。また、L1≦L0の条件は満たされるがP1≧Pshの条件が満たされなければ(S121:NO)、テストパワーPwtがΔPmだけ高められた後(S210)、S203に戻り、以降の処理が行われる。これらの処理により、新たなテストパワーPwtにて試し書きを行ったときのP1、L1が求められ、これをもとに、S206、S207の条件が評価される。
なお、S207における閾値Pshは、上記実施例1と同様、Psh>15に設定される。これは、PRSNRが15以下の場合には、再生データにエラーが頻発し信号処理系にて誤り訂正を行っても訂正しきれないためである。実用上、閾値Pshは、Psh=20程度に設定するのが好ましい。また、S206では、閾値としてL0を用いたが、L0に1未満の係数を掛けた値を閾値として用いても良い。ここで、係数は、たとえば、ディスク製造メーカ毎に変化させるようにすると良い。この場合、係数は、コントローラ111内の内蔵メモリに予め格納しておく。また、この係数は、Low to HighタイプのHDDVD−Rディスクの特性をディスク製造メーカ毎に検証した結果に基づいて設定される。
図9は、図8に示すフローチャートに、上記実施例1における評価要素を追加したものである。
同図を参照して、S201〜204においてトラックT1、T2に対する試し書きが終了すると、トラックT2の試し書き部分が再生され、PRSNR(P2)が取得される(S210)。次いで、トラックT1の試し書き部分が再生され、再生RF信号レベルL1とPRSNR(P1)が取得される(S205)。さらに、P2とP1の差分PdがPd=P2−P1の演算により求められる(S211)。
そして、取得した再生RF信号レベルL1がS201で取得したシステムリードイン領域の再生RF信号レベルL0と比較される(S206)。ここで、L1≦L0であれば(S206:YES)、さらに、P1≧Pshが判別され(S207)、この条件が満たされれば(S207:YES)、さらに、Pd≦Pd−shが判別され(S212)、この条件が満たされれば(S212:YES)、そのときのテストパワーPwtが記録パワーPwに設定される(S208)。
一方、L1≦L0でなければ(S206:NO)、テストパワーPwtがΔPLだけ低められた後(S209)、S203に戻り、以降の処理が行われる。また、L1≦L0の条件は満たされるがP1≧Pshの条件が満たされなければ(S207:NO)、テストパワーPwtがΔPmだけ高められた後(S210)、S203に戻り、以降の処理が行われる。さらに、L1≦L0の条件とP1≧Pshの条件は満たされるがPd≦Pd−shの条件が満たされなければ(S212:NO)、テストパワーPwtがΔPnだけ低められた後(S213)、S203に戻り、以降の処理が行われる。これらの処理により、新たなテストパワーPwtにて試し書きを行ったときのP1、P2、L1、Pdが求められ、これをもとに、S206、S207、S212の条件が評価される。
本実施例によれば、上記実施例1と同様、隣接する2つのトラックに試し書きを行い、そのときの再生信号の状態から記録パワーPwの設定を行うようにしたため、レーザ光の漏れこみによる記録済みトラックの信号特性の劣化を考慮した記録パワー設定を行うことができる。また、本実施例によれば、P1≧Pshとなるよう記録パワーPwが設定されるため、再生信号特性が信号処理系にて対応できないレベルまで低下するのを抑止することができる。
また、図8および図9のフローチャートによれば、初期設定したテストパワーにてS206,207およびS212に条件が満たされる場合には、1回の試し書きにて記録パワーを決定することができるため、テストゾーンの無駄な消費を抑制でき、また、記録レーザパワーの設定動作に要する時間を大幅に短縮することができる。図8および図9のフローチャートでは、記録レーザパワーの設定動作に要する時間を短縮する観点から、トラックT2の再生を行ってからトラックT1の再生を行うようにしたが、トラック1の方を先に再生するようにしても良い。
なお、本実施例によれば、以下に示す如く、PRSNRが最高となるよう記録パワーを設定する場合に比べ、ディスクの耐久性を高めることができる。すなわち、PRSNRが最高となるように記録パワーを設定する場合よりも、記録膜特性の劣化を抑制することができる。
図10は、ディスク耐久性の検証結果を示す図である。同図(a)は、PRSNRが最高となるよう記録パワーを設定した場合の検証結果、同図(b)は、本実施例に従って記録パワーを設定した場合の検証結果である。各図の横軸は再生回数、縦軸はPRSNRである。
なお、この検証は、上記図3にて用いたものと同種のサンプルディスクを用いて行った。同図(a)の検証例では、図3(a)に示す測定結果から、記録パワーPwをPRSNRが最高となる9.5mWに設定した。また、同図(b)の検証例では、図9のS206、207およびS212の条件を満たすよう、記録パワーPwを8.0mWに設定した。
なお、当該サンプルディスクでは、S206におけるL0は、L0=420mVであり、記録パワーPwをPw=8.0mWとしたときの再生RF信号レベルL1は、L1=368mVであった。よって、図10(b)に示す検証例では、S206における条件が満たされる。
また、S207におけるPshは、Psh=15とし、記録パワーPwをPw=8.0mWとしたときのトラック1のPRSNR(P1)は、P1=24であった。よって、図10(b)に示す検証例では、S207における条件が満たされる。
さらに、S208におけるPs−shは、Pd−sh=2とし、記録パワーPwをPw=8.0mWとしたときのPd=P2−P1は、Pd=2(図3参照)であった。よって、図10(b)に示す検証例では、S208における条件が満たされる。
図10(a)(b)の検証例では、上記実施例1の場合と同様、このようにして設定した記録パワーにてディスク内周から順に記録を行い、その後、隣接する内周側と外周側のトラックがともに記録された状態にあるトラックを選択して、このトラックを繰り返し再生するようにした。測定機は、上記実施例1の場合と同様、パルステック工業製 ODU−1000を用いた。測定時のディスク線速は6.61m/s(一定)、再生パワーは0.4mWである。
同図(a)(b)を参照して分かるとおり、再生回数が少ない間は、比較例の方が実施例よりもPRSNRが高くなる。しかし、比較例においては、上記実施例1で述べた如く、再生回数が70万回を超えたあたりから急激にPRSNRが低下し、80万回を超えると、PRSNRが15未満となって再生不可能となる。つまり、比較例においては、規格で定める再生可能回数100万回を満たすことができない。これに対し、本実施例によれば、再生回数が80万回を超えてもなおPRSNRは25以上を維持し、さらに再生回数が100万回に到達しても25以上のPRSNR25を確保できる。すなわち、本実施例によれば、規格で定める再生回数100万回を満たすことができる。さらに、本実施例によれば、再生回数が60万回程度に到達するまでPRSNRが上昇傾向となり、30万回を超えたあたりで、比較例のPRSNRよりも高くなる。
なお、図10(b)と図5(b)と比較して分かるとおり、本実施例によれば、上記実施例1の場合に比べ、再生耐久性をさらに引き延ばすことができる。すなわち、本実施例によれば、上記実施例1と比べても、さらに、記録レーザ光による記録膜特性の劣化を抑制することができることが分かる。
このように本実施例によれば、PRSNRを高く維持しつつ再生可能回数を規格が求める回数まで飛躍的に延ばすことができる。よって、本実施例によれば、ディスクの耐久性とデータの信頼性を飛躍的に高めることができる。
なお、本実施例および図10の検証例では、ピット形成領域(システムリードイン領域)とグルーブ形成領域(データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域)を同じパワーのレーザ光にて再生して各領域の再生RF信号を取得することを前提としているが、仕様上、ピット形成領域とグルーブ形成領域の再生パワーが相違する場合には、これら再生パワー間の比率を乗じることにより、ピット形成領域(システムリードイン領域)からの再生RF信号とグルーブ形成領域(テストゾーン)からの再生RF信号の尺度を一致させるようにすれば良い。たとえば、ピット形成領域(システムリードイン領域)に対する再生パワーが0.5mW、グルーブ形成領域(データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域)に対する再生パワーが0.4mWの場合には、システムリードイン領域から取得した再生RF信号レベルを0.8倍したものを、図8および図9のS201における再生RF信号レベルL0に設定する。もちろん、このようにL0を修正する方法に代えて、記録パワー設定時におけるシステムリードイン領域の再生パワーを、グルーブ領域に適用される再生パワーと同じく、0.4mWに設定するようにしても良い。
以上、本発明に係る実施例1、2ついて説明したが、本発明は、上記実施例1、2に制限されるものではない。
たとえば、上記実施例1、2では、再生信号の良否に関するパラメータ値としてPRSNRを用いたが、これに代えて、再生エラーレート、CN、ジッター等を用いることもできる。
なお、試し書きの際は、トラック1周に同じパワーにて試し書きを行わずに、トラック1周を複数の領域に分割し、領域毎にパワーを切り替えて、試し書きを行うようにしても良い。この場合、このトラックに隣接するトラックも同様に複数の領域に分割し、各トラックの隣り合う領域には同じパワーにて試し書きを行う。図11はトラック1周を4つの領域に分割する場合の例である。この場合、トラックT1、T2の領域1には、テストパワーPwt1にて試し書きを行い、これに続く領域2には、テストパワーPwt1とは異なるテストパワーPwt2で試し書きを行う。
また、上記実施例では、マーク長毎に記録パワーのピークを階段状に変化させる、いわゆるライトストラテジに関する説明は省略したが、当然ながら、これらの実施例は、ライトストラテジを含むパワー条件の要請にも適宜適応するものである。
なお、上記実施例では、隣接する2つのトラックに同じパワー条件にて試し書きを行うようにしたが、隣接する3つ以上のトラックに同じパワー条件にて試し書きを行うようにすることもできる。ただし、この場合には、上記実施例に比べ、記録パワーの設定に要する時間が長くなる。
その他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
実施の形態に係る光ディスクのエリアフォーマットを示す図 実施の形態に係る光ディスク装置の構成を示す図 実施例1に係る記録パワーの設定方法を説明する図 実施例1に係る記録パワー設定時の処理フローチャート 実施例1に係る検証例を示す図 実施例1に係る記録パワー設定時の処理フローチャートの変更例 実施例2に係る記録パワーの設定方法を説明する図 実施例2に係る記録パワー設定時の処理フローチャート 実施例2に係る記録パワー設定時の処理フローチャートの変更例 実施例2に係る検証例を示す図 実施の形態に係る試し書きトラックの分割例を示す図 従来例の問題点を説明する図
符号の説明
103 レーザ駆動回路
104 レーザパワー調整回路
105 光ピックアップ
106 信号増幅回路
107 復調回路
108 デコーダ
109 サーボ回路

Claims (2)

  1. ディスクに対してレーザ光を照射する光ピックアップと、前記ディスク上の第1のトラックに記録パワー(Pwt)にて試し書きを行った後、前記第1のトラックに隣接する第2のトラックに同じ記録パワー(Pwt)にて試し書きを行い、その後、前記第1のトラックを再生したときの再生信号に基づいて、前記記録パワー(Pwt)を主情報記録の際の記録レーザパワーPwを設定する記録パワー設定回路とを備えた光ディスク装置において、
    前記記録パワー設定回路は、前記第1のトラックを再生したときの再生信号から、当該再生信号の振幅レベル(L1)と、当該再生信号の良否に関するパラメータ値(P1)を取得し、さらに、前記ディスク上のエンボス領域を再生したときの再生信号の振幅レベル(L0)を取得し、前記振幅レベル(L1)が前記振幅レベル(L0)以下となり、且つ、前記パラメータ値(P1)が予め決められた閾値(Psh)の範囲内にあることを条件に、前記記録パワー(Pwt)を主情報記録の際の記録レーザパワーPwに設定するかを決定する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 請求項1に記載の光ディスク装置において、
    前記記録パワー設定回路は、さらに、前記第2のトラックを再生して前記再生信号の良否に関するパラメータ値(P2)を取得し、前記振幅レベル(L1)が前記振幅レベル(L0)以下となり、前記パラメータ値(P1)が予め決められた閾値(Psh)の範囲内にあり、且
    つ、前記パラメータ値(P1)と前記パラメータ値(P2)の間の変化の大きさが予め決められた閾値(Pd-sh)の範囲内にあることを条件に、前記記録パワー(Pwt)を主情報記録の際の記録レーザパワーPwに設定するかを決定する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
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