JP2002100045A - 情報記録装置及び情報記録方法並びに情報記録媒体 - Google Patents

情報記録装置及び情報記録方法並びに情報記録媒体

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JP2002100045A
JP2002100045A JP2000292360A JP2000292360A JP2002100045A JP 2002100045 A JP2002100045 A JP 2002100045A JP 2000292360 A JP2000292360 A JP 2000292360A JP 2000292360 A JP2000292360 A JP 2000292360A JP 2002100045 A JP2002100045 A JP 2002100045A
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Yasuhisa Shimoda
泰久 下田
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    • GPHYSICS
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
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    • G11B7/126Circuits, methods or arrangements for laser control or stabilisation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報記録用の光のパワーを最適化する。 【解決手段】 光情報記録媒体にピットを記録する際、
記録ピットの変調度を所定の閾値と比較し、その閾値よ
り大きな値の変調度に対応する書込み光のパワーであっ
て、且つ実際の求めたβ値のうちの目標β値に最も近い
β値に対応する書込み光のパワーを適切な書込み光のパ
ワーとすることで、光ディスクDSKに対するパワーキ
ャリブレーションを行う。また、実際に求めたβ値のう
ち所定範囲内のβ値に対応する射出パワーであって、最
も大きな値の変調度に対応する書込み光のパワーを適切
な書込み光のパワーとすることで、パワーキャリブレー
ションを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば追記型光デ
ィスクや書換え可能型光ディスク等の光情報記録媒体に
情報を記録する際にパワーキャリブレーションを行う情
報記録装置と、情報記録の際のパワーキャリブレーショ
ンの方法と、パワーキャリブレーションを行うための情
報を記録した光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、読出し専用のCD(Compact Dis
k)とDVD(Digital Video Disk又はDigital Versati
le Disk)の他、追記型CDとDVD、書換え可能型C
DとDVD、MD(Mini Disc)等が開発され、光情報
記録媒体のバリエーションが増加している。
【0003】追記型CDとDVD(以下、「追記型光デ
ィスク」と総称する)では、有機色素材料の記録膜に書
込み用のレーザ光を照射し、円又は長円状の記録ピット
を形成することで不可逆的に情報記録が行われている。
書換え可能型CDとDVD(以下、「書換え可能型光デ
ィスク」と総称する)では、相変化膜に書込み用のレー
ザ光を照射して結晶化とアモルファス化を繰り返すこと
で可逆的に情報記録が行われ、円又は長円状の記録ピッ
トによって情報記録が行われている。また、MDでは、
光磁気記録が行われている。
【0004】ここで、これら追記型光ディスクや書換え
可能型光ディスクに、規格で定められた適切な円又は長
円状の記録ピットを形成するために、書込み用のレーザ
光をライトパルスストラテジーによって制御している。
【0005】このライトパルスストラテジーでは、記録
マーク長に対するライトパルスの形状を調整することに
よって半導体レーザから射出されるレーザ光を最適化
し、その最適化したレーザ光により適切な形状の記録ピ
ットを形成することにより、情報再生の際にジッター等
の発生を抑えた高品位の再生信号が得られるようにす
る。
【0006】また、上記のライトパルスストラテジーに
よって本来の情報記録を行うのに先立って、予め半導体
レーザの射出パワーを調整するためのパワーキャリブレ
ーションが行われている。
【0007】このパワーキャリブレーションでは、予め
光ディスクの内周側に設けられているパワーキャリブレ
ーションエリアに記録ピットを形成し、そのパワーキャ
リブレーションエリアに形成した(すなわち、試し書き
した)記録ピットを光学読取りし、得られた検出信号
(「HF信号」と呼ばれている)を例えばACカップリ
ングして得られる波形に基づいて半導体レーザの射出パ
ワーを最適化している。
【0008】すなわち、通常の情報読取りを行う場合と
同様に、記録ピットを形成したパワーキャリブレーショ
ンエリアからの反射光を光検出器で検出し、その光検出
器の出力を合成することによって上記のHF信号を生成
する。つまり、HF信号は、RF信号等を生成するため
のイコライジングを施す前の信号である。
【0009】こうしてHF信号を生成すると、HF信号
によるアイパターンが得られる。その波形をACカップ
リングすると、図12(a)に示すように、その波形の
トップピークレベルa1は、記録ピットが形成されてい
ないランド(Land)からの反射光の強度を示す電位とA
CグランドGNDの電位との電位差、ボトムピークレベ
ルa2は、記録ピットからの反射光の強度を示す電位と
ACグランドGNDの電位との電位差を示すことにな
る。
【0010】そして、次式(1)に示すように、HF信号
のピークツーピーク値(a1+a2)と各レベルの差
(a1−a2)との比(以下、「β値」という)を求
め、例えば、β値=0をパワーキャリブレーションの目
標とした場合に、β値がほぼ0となれば、半導体レーザ
の射出パワーPは目標パワーPwと等しいと判断し、H
F信号のACカップリングした波形が図12(b)に示
す波形となって、β値が負の値となる場合には、半導体
レーザの射出パワーPは目標パワーPwより小さく、H
F信号のACカップリングした波形が図12(c)に示
すような波形となって、β値が正の値となれば、半導体
レーザの射出パワーPは目標パワーPwより大きいと判
断している。そして、各判断結果に基づいて、半導体レ
ーザの射出パワーPを目標パワーPwと等しくなるよう
に調整している。
【0011】 β=(a1−a2)/(a1+a2) …(1) また、パワーキャリブレーションエリアに形成した記録
ピットの大きさや形に応じて生じるHF信号自体のアシ
ンメトリを調べることで、半導体レーザの射出パワーP
が目標パワーPwとなっているか判断する方法も講じら
れている。
【0012】このアシンメトリを調べる方法では、図1
3に示すように、記録ピットが形成されていないランド
からの反射光の強度に該当するHF信号のトップピーク
レベルA1と、大きな記録ピットからの反射光の強度に
該当するボトムピークレベルA2と、小さな記録ピット
間のランドからの反射光の強度に該当するトップピーク
レベルB1と、小さな記録ピットからの反射光の強度に
該当するボトムレベルB2を検出し、各検出レベルA
1,A2,B1,B2を次式(2)に適用することによ
り、アシンメトリの値(以下、「α値」という)を求め
ている。
【0013】 α={(A1+A2)−(B1+B2)}/{2×(A1−A2)} …(2) そして、例えばα値=0をパワーキャリブレーションの
目標とした場合に、α値が0となれば、半導体レーザの
射出パワーPは目標パワーPwと等しいと判断し、α≠
0となれば、P≠Pwと判断して、射出パワーPを目標
パワーPwと等しくなるように、半導体レーザへの供給
電流を制御している。
【0014】また、光ディスクにピットを記録形成した
場合、次式(3)にて求められる変調度Mの規格も満足
しなければならない。 M=(A1−A2)/A1 …(3)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のβ値
とα値は、光ディスクの種類の違いやパルスストラテジ
ー、ピックアップに備えられている光学系や電子素子の
特性ばらつき等によって変動してしまい、このため、予
め上記のパワーキャリブレーションによってβ値とα値
に基づいて半導体レーザの射出パワーを調整したとして
も、変調度が取れない場合があり、本来の情報記録の際
に記録ピットを形成して、情報再生を行うと、再生信号
に変調度の低下やそれに伴うジッター等が発生する等の
問題があった。すなわち、従来のβ値とα値を基準とし
たパワーキャリブレーションでは、半導体レーザの射出
パワーを精度良く最適化することが困難になる場合があ
った。
【0016】本発明は、上記従来の問題点を克服し、ピ
ットを適切な形状で記録形成することを可能にする光情
報記録装置及び光情報記録方法を提供することを目的と
する。また、ピットを適切な形状で記録形成するための
制御情報が記録され、その制御情報に基づいて電子機器
を制御する情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、光情報記録媒体に対する書込み光のパワーを
調整する情報記録装置であって、上記書込み光を射出す
る光源と、上記書込み光の射出パワーを調整するパワー
調整手段と、上記光源から射出される異なったパワーの
書込み光により光情報記録媒体に記録ピットを形成する
書込み手段と、上記記録ピットが形成された光情報記録
媒体から、上記異なったパワーの書込み光により形成さ
れた記録ピットを含む記録状態を光学再生し、その光学
再生により得られる信号波形に基づいて、上記異なった
パワーの書込み光により形成された記録ピット毎の上記
記録状態の特徴情報を抽出する特徴抽出手段と、上記光
学再生により得られる上記信号波形に基づいて、上記異
なったパワー毎の上記書込み光の変調度を検出する検出
手段と、上記検出手段が検出した変調度のうち所定の閾
値より大きな値の変調度に対応する書込み光のパワーを
選択する選択手段と、上記特徴抽出手段が抽出した特徴
情報のうち、上記選択手段が選択した書込み光のパワー
に対応する特徴情報を選択し、その選択した特徴情報の
うちの予め決められた記録状態の目標特徴情報に最も近
い特徴情報に対応する書込み光のパワーを適切な書込み
光のパワーと判定する判定手段とを備え、上記判定手段
が判定した書込み光のパワーに基づいて、上記パワー調
整手段による光源の射出パワーを調整することを特徴と
する。
【0018】かかる構成の情報記録装置によれば、実際
に得られる変調度を所定の閾値と比較し、その閾値より
大きな値の変調度に対応する射出パワーであって、且つ
目標特徴情報に最も近い特徴情報に対応する書込み光の
パワーを適切な書込み光のパワーとすることで、パワー
キャリブレーションが行われる。
【0019】また、本発明は、光情報記録媒体に対する
書込み光のパワーを調整する情報記録装置であって、上
記書込み光を射出する光源と、上記書込み光の射出パワ
ーを調整するパワー調整手段と、上記光源から射出され
る異なったパワーの書込み光により光情報記録媒体に記
録ピットを形成する書込み手段と、上記記録ピットが形
成された光情報記録媒体から、上記異なったパワーの書
込み光により形成された記録ピットを含む記録状態を光
学再生し、その光学再生により得られる信号波形に基づ
いて、上記異なったパワーの書込み光により形成された
記録ピット毎の上記記録状態の特徴情報を抽出する特徴
抽出手段と、上記光学再生により得られる上記信号波形
に基づいて、上記異なったパワー毎の上記書込み光の変
調度を検出する検出手段と、上記特徴抽出手段が抽出し
た特徴情報のうち予め決められた範囲内の特徴情報に対
応する書込み光のパワーを選択する選択手段と、上記選
択手段が選択した書込み光のパワーのうち、上記検出手
段が検出した変調度のうちの最も大きな値の変調度に対
応する書込み光のパワーを適切な書込み光のパワーと判
定する判定手段とを備え、上記判定手段が判定した書込
み光のパワーに基づいて、上記パワー調整手段による光
源の射出パワーを調整することを特徴とする。
【0020】かかる構成の情報記録装置によれば、実際
に得られる特徴情報のうち所定範囲内の特徴情報に対応
する射出パワーであって、且つその射出パワーの中で最
も大きな値の変調度に対応する書込み光のパワーを適切
な書込み光のパワーとすることで、パワーキャリブレー
ションが行われる。
【0021】また、本発明は、光情報記録媒体に対する
書込み光のパワーを調整する情報記録方法であって、光
源から射出される異なったパワーの書込み光により光情
報記録媒体に記録ピットを形成し、上記記録ピットを形
成した光情報記録媒体から、上記異なったパワーの書込
み光により形成した記録ピットを含む記録状態を光学再
生し、その光学再生により得られる信号波形に基づい
て、上記異なったパワーの書込み光により形成した記録
ピット毎の上記記録状態の特徴情報を抽出し、上記光学
再生により得られる上記信号波形に基づいて、上記異な
ったパワー毎の上記書込み光の変調度を検出し、上記検
出した変調度のうち所定の閾値より大きな値の変調度に
対応する書込み光のパワーを選択し、上記抽出した特徴
情報のなかから、上記選択した書込み光のパワーに対応
する特徴情報を選択すると共に、その選択した特徴情報
のうちの予め決められた記録状態の目標特徴情報に最も
近い特徴情報に対応する書込み光のパワーを適切な書込
み光のパワーと判定し、上記判定した書込み光のパワー
に基づいて、上記光源の射出パワーを調整することを特
徴とする。
【0022】この情報記録方法によれば、実際に得られ
る変調度を所定の閾値と比較し、その閾値より大きな値
の変調度に対応する射出パワーであって、且つ目標特徴
情報に最も近い特徴情報に対応する書込み光のパワーを
適切な書込み光のパワーとすることで、パワーキャリブ
レーションを行う。
【0023】また、本発明は、光情報記録媒体に対する
書込み光のパワーを調整する情報記録方法であって、上
記光源から射出される異なったパワーの書込み光により
光情報記録媒体に記録ピットを形成し、上記記録ピット
を形成した光情報記録媒体から、上記異なったパワーの
書込み光により形成した記録ピットを含む記録状態を光
学再生し、その光学再生により得られる信号波形に基づ
いて、上記異なったパワーの書込み光により形成した記
録ピット毎の上記記録状態の特徴情報を抽出し、上記光
学再生により得られる上記信号波形に基づいて、上記異
なったパワー毎の上記書込み光の変調度を検出し、上記
抽出した特徴情報のうち予め決められた範囲内の特徴情
報に対応する書込み光のパワーを選択し、上記選択した
書込み光のパワーのうちから、上記検出した変調度のう
ちの最も大きな値の変調度に対応する書込み光のパワー
を適切な書込み光のパワーと判定し、上記判定した書込
み光のパワーに基づいて、上記光源の射出パワーを調整
することを特徴とする。
【0024】この情報記録方法によると、実際に得られ
る特徴情報のうち所定範囲内の特徴情報に対応する射出
パワーであって、且つその射出パワーの中で最も大きな
値の変調度に対応する書込み光のパワーを適切な書込み
光のパワーとすることで、パワーキャリブレーションを
行う。
【0025】また、本発明の情報記録媒体は、光源より
射出される書込み光を光情報記録媒体に照射することに
より情報記録を行う情報記録装置を制御する制御情報で
あって、上記書込み光のパワーを調整するための制御情
報が記録された情報記録媒体において、上記制御情報
は、上記情報記録装置を制御することにより、異なった
パワーの書込み光を上記光源より射出させて上記光情報
記録媒体に記録ピットを形成させると共に、上記記録ピ
ットを形成した光情報記録媒体から、上記異なったパワ
ーの書込み光により形成した記録ピットを含む記録状態
を光学再生させ、上記光学再生により得られる信号波形
に基づいて、上記異なったパワーの書込み光により形成
した記録ピット毎の上記記録状態の特徴情報を抽出さ
せ、上記光学再生により得られる上記信号波形に基づい
て、上記異なったパワー毎の上記書込み光の変調度を検
出させ、上記検出した変調度のうち所定の閾値より大き
な値の変調度に対応する書込み光のパワーを選択させ、
上記抽出した特徴情報のなかから、上記選択した書込み
光のパワーに対応する特徴情報を選択させると共に、そ
の選択した特徴情報のうちの予め決められた記録状態の
目標特徴情報に最も近い特徴情報に対応する書込み光の
パワーを適切な書込み光のパワーと判定させ、上記判定
した書込み光のパワーに基づいて、上記光源の射出パワ
ーを調整させる制御情報であることを特徴とする。
【0026】この情報記録媒体によれば、パーソナルコ
ンピュータ等の電子機器で上記の制御情報を実行させる
と、ハードウェアで構成された情報記録装置の機能をエ
ミュレートすることを可能にする。
【0027】また、本発明の情報記録媒体は、光源より
射出される書込み光を光情報記録媒体に照射することに
より情報記録を行う情報記録装置を制御する制御情報で
あって、上記書込み光のパワーを調整するための制御情
報が記録された情報記録媒体において、上記制御情報
は、上記情報記録装置を制御することにより、異なった
パワーの書込み光を上記光源より射出させて上記光情報
記録媒体に記録ピットを形成させると共に、上記記録ピ
ットを形成した光情報記録媒体から、上記異なったパワ
ーの書込み光により形成した記録ピットを含む記録状態
を光学再生させ、上記光学再生により得られる信号波形
に基づいて、上記異なったパワーの書込み光により形成
した記録ピット毎の上記記録状態の特徴情報を抽出さ
せ、上記光学再生により得られる上記信号波形に基づい
て、上記異なったパワー毎の上記書込み光の変調度を検
出させ、上記抽出した特徴情報のうち予め決められた範
囲内の特徴情報に対応する書込み光のパワーを選択さ
せ、上記選択した書込み光のパワーのうちから、上記検
出した変調度のうちの最も大きな値の変調度に対応する
書込み光のパワーを適切な書込み光のパワーと判定さ
せ、上記判定した書込み光のパワーに基づいて、上記光
源の射出パワーを調整させる制御情報であることを特徴
とする。
【0028】この情報記録媒体においても、パーソナル
コンピュータ等の電子機器で上記の制御情報を実行させ
ると、ハーウェアで構成された情報記録装置の機能をエ
ミュレートすることを可能にする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。 (第1の実施の形態)図1は、第1の実施形態の情報記
録装置1の構成を示すブロック図である。同図におい
て、この情報記録装置1には、スピンドルモータ2と、
ピックアップ3と、ピックアップ3を載置するキャリッ
ジ4とが備えられている。
【0030】スピンドルモータ2は、サーボ回路5によ
ってスピンドルサーボされ、クランプ位置に装填された
追記型又は書換え可能型の光ディスクDSKを所定の線
速度で回転駆動する。
【0031】ピックアップ3には、図示していない半導
体レーザと、対物レンズを備える光学系と、フォトダイ
オード等で形成された光検出器が備えられている。
【0032】情報記録の際には、ライトパルスストラテ
ジーによって最適化した所定パワーの書込み用レーザ光
を半導体レーザから射出し、そのレーザ光を光学系が収
束することによって書込み用光ビームを生成し、上記対
物レンズを介して光ディスクDSKにスポット照射する
ことで、光ディスクDSKの記録膜に記録ピットを形成
する。
【0033】情報再生の際には、所定パワーの読取り用
レーザ光を半導体レーザから射出し、そのレーザ光を上
記光学系が収束することによって読取り用光ビームを生
成し、上記対物レンズを介して光ディスクDSKにスポ
ット照射する。そして、光ディスクDSKからの反射光
を上記光学系で集光し、上記光検出器が反射光を光電変
換してRFアンプ部7に供給することにより、光ディス
クDSKの情報検出信号(以下、「HF信号」という)
SHFを生成し、HF信号特徴抽出部6と変調度検出部1
6及び既記録部検出部17に供給する。
【0034】キャリッジ4は、サーボ回路5によってキ
ャリッジサーボされ、ピックアップ3を光ディスクDS
Kの半径方向に進退移動する。
【0035】尚、図示していないが、ピックアップ3に
は、上記光学系に備えられている上記対物レンズを駆動
するアクチュエータが備えられており、サーボ回路5が
そのアクチュエータを制御することにより、フォーカス
サーボとトラッキングサーボを行うようになっている。
【0036】更に、情報記録装置1には、上記のHF信
号特徴抽出部6、RFアンプ部7、変調度検出部16及
び既記録部検出部17の他、デコーダ部8、出力部9、
入力部10、エンコーダ部11、記録パワー調整部1
2、システムコントローラ13、記憶部14、操作/表
示部15が備えられている。
【0037】システムコントローラ13は、マイクロプ
ロセッサ(MPU)を有し、所定のシステムプログラム
を実行することにより、後述のパワーキャリブレーショ
ンの制御を行う他、本情報記録装置1全体の動作を集中
制御する。
【0038】記憶部14は、SRAM等の不揮発性メモ
リで形成されており、半導体レーザの射出パワーをn段
階に可変設定するためのn個ずつの可変データ(Dc1
k,Dc2k,……,Dcnk)が記憶されている。尚、本実
施形態では、n=15段階としている。
【0039】更に、記憶部14には、図2に示すよう
に、目標β値データβkと変調度閾値データTHDkが、
光ディスクDSKの種類k毎に記憶されている。
【0040】ここで、目標β値データβkは、各種光デ
ィスクの記録された状態が予め決められた規格を満足
し、更に様々な記録状態のバラツキに対して十分なマー
ジンが取れるような状態で記録されたHF信号に基づい
て上記式(1)の演算をしたときのそれぞれのβ値を示
すデータであり、予め実験によって求められている。
【0041】変調度閾値データTHDkについては、目
標β値データβkを求めるのと同様に、各種光ディスク
の記録された状態が予め決められた規格を満足し、更に
様々な記録状態のバラツキに対して十分なマージンが取
れるような状態で記録されたHF信号に基づいて上記式
(3)の演算を行うことで、それぞれの目標の変調度
(modulation depth)MMkを求め、それぞれの目標変
調度MMkより所定値mkだけ小さな値の変調度(MMk
−mk)を変調度閾値データTHDkとしている。尚、符
号kは各光ディスクの種類を示している。
【0042】操作/表示部15は、ユーザーが情報記録
の開始等の入力操作をするための操作部と、情報記録再
生装置1の動作状況や操作メニュー等を表示するための
表示部を備えて構成されている。
【0043】入力部10は、情報記録の際に外部入力さ
れる入力信号Sinをデジタル入力データDinに変換する
等の前段処理を行い、エンコーダ部11は、デジタル入
力データDinをEFM変調等することで記録用データD
WTを生成する。
【0044】記録パワー調整部12は、記録用データD
WTをライトパルスストラテジーによって最適パルスを生
成し、その最適パルスに基づいてパルス列の電流Idを
生成して上記ピックアップ中の半導体レーザに供給し、
書込み用レーザ光を射出させる。
【0045】尚、記録パワー調整部12は、情報記録の
際には、上記のライトパルスストラテジーによってパル
ス列の電流Idを生成して上記ピックアップ中の半導体
レーザを駆動することにより、パルス状の書込み用レー
ザ光を射出させるが、情報再生の際には、一定値の電流
Idを半導体レーザに供給することで、一定パワーの読
取り用レーザ光を射出させる。
【0046】ピックアップ3に設けられている光検出器
より光電変換信号SdtがRFアンプ部7に入力される
と、RFアンプ部7からHF信号SHFが出力され、HF
信号特徴抽出部6が、このHF信号SHFをACカップリ
ングしてレベル検出する。
【0047】すなわち、図12(a)に示したのと同様
に、記録ピットが形成されていないランド(Land)から
の反射光の強度を示す電位とACグランドGNDの電位
との電位差に該当するトップピークレベルa1と、記録
ピットからの反射光の強度を示す電位とACグランドG
NDの電位との電位差に該当するボトムピークレベルa
2とをレベル検出し、その検出データDHFをシステムコ
ントローラ13に供給する。
【0048】尚、システムコントローラ13は、検出デ
ータDHFに基づいて上記式(1)の演算を行うことでβ値
を求める。つまり、光ディスクDSKに後述する試し書
を行って、その光ディスクDSKから情報再生すること
によって得られるHF信号SHFの波形に基づいて、その
特徴情報を検出データDHFとしてシステムコントローラ
13に供給し、光ディスクDSKの記録状態の特徴情報
をβ値として求める。
【0049】RFアンプ部7は、生成したHF信号SHF
からRF信号SRFを生成してデコーダ部8に供給し、デ
コーダ部8はRF信号SRFに対しEFM復調等の処理を
行って出力部9に供給し、出力部9はデコーダ部8から
のデータに対しD/A変換等の処理を行って出力信号S
outを出力する。
【0050】また、RFアンプ部7では、光電変換信号
Sdtからフォーカスエラーとトラッキングエラー等のエ
ラー信号を生成してサーボ回路5に供給することで、フ
ォーカスサーボとトラッキングサーボ等の各種サーボが
行われる。
【0051】変調度検出部16は、図13に示したのと
同様に、RFアンプ部7からのHF信号SHFの波形のト
ップピークレベルA1とボトムピークレベルA2を検出
し、その検出データDRFをシステムコントローラ13に
供給する。
【0052】尚、システムコントローラ13は、検出デ
ータDRFに基づいて、上記式(3)の演算を行うことに
より、実際の変調度(modulation depth)を求めるよう
になっている。
【0053】既記録部検出部17は、RFアンプ部7か
らのHF信号SHFの振幅をレベル検出して予め規定され
た規定レベルと比較し、その比較結果に基づいて、光デ
ィスクDSKの未記録部分と既に記録がなされている部
分との判別を行う。
【0054】次に、かかる構成を有する本情報記録装置
1の動作、主に、ピックアップ3に設けられている上記
半導体レーザの射出パワーを最適化するためにパワーキ
ャリブレーションを行う際の動作を説明する。尚、典型
例としてCD-Rに情報記録を行う際のパワーキャリブ
レーション動作について説明する。
【0055】まず、図3に示すように、CD-Rには、
リードインエリアよりもディスク中心側(光ディスクの
内周側)の部分に、パワーキャリブレーションエリアP
CAが予め割り当てられており、パワーキャリブレーシ
ョンエリアPCAは、テストエリアTAとカウントエリ
アCAによって構成されている。
【0056】テストエリアTAは、半導体レーザの射出
パワーPをn段階で変化させたときの各パワーの書込み
用レーザ光によって、記録ピットを試し書きとして形成
するために設けられている。
【0057】一方のカウントエリアCAは、上記テスト
エリアTAの既記録数をカウントするために、1回の試
し書きにおいて1フレーム記録されるようになってい
る。
【0058】図4は、パワーキャリブレーションの動作
を説明するためのフローチャートであり、ユーザーが記
録開始の指令をすると、システムコントローラ13の制
御の下でパワーキャリブレーションが行われる。
【0059】同図において、まず、ピックアップ3をカ
ウントエリアCA側に移動させる(ステップS10
0)。次に、HF信号SHFを既記録部検出部17に入力
して、得られた検出信号を使ってカウントエリアCAを
再生することにより、既記録部を調べる(ステップS1
02)。
【0060】次に、カウントエリアCA中、既にデータ
が記録されている部分の1フレーム前から1フレーム記
録するための先頭位置をサーチする。即ち、頭出しが行
われる(ステップS104)。
【0061】次に、本情報記録装置1を情報記録の状態
に設定して、テストエリアTAの使用回数ををカウント
するために、カウントエリアCAに1フレーム長を記録
した後(ステップS106)、再び情報再生の状態に設
定してから、カウントエリアCAに記録した上記フレー
ムに対応するテストエリアTAの場所に、ピックアップ
3を移動させる(ステップS108)。
【0062】次に、ステップS110において、再び情
報記録の状態に設定し、システムコントローラ13が、
記憶部14に記憶されているCD-Rに対応するn個の
可変データ(Dc11,Dc21,……,Dcn1)を取得し、
所定時間毎に各可変データ(Dc11,Dc21,……,Dcn
1)を順に記録パワー調整部12に供給することで、半
導体レーザの射出パワーPをPc1k,Pc2k,……,Pcn
kの順に可変させ、テストエリアTAにn段階の記録ピ
ットを記録形成する。
【0063】次に、ステップS112において、再び情
報再生の状態に設定し、n段階の記録ピットを記録形成
した場所にピックアップ3を移動させて再生すること
で、試し書きとして形成した各記録ピットの情報を検出
する。
【0064】ここで、上記したようにHF信号特徴抽出
部6が、HF信号SHFの波形をレベル検出し、記録ピッ
トが形成されていないランド(Land)からの反射光の強
度に該当するトップピークレベルa1と、記録ピットか
らの反射光の強度に該当するボトムピークレベルa2と
を検出し、その検出結果を示す検出データDHFをシステ
ムコントローラ13に供給する。尚、n段階の記録ピッ
ト毎に、トップピークレベルa1と、記録ピットからの
反射光の強度に該当するボトムピークレベルa2とを示
す検出データDHFをシステムコントローラ13に供給す
るようになっている。
【0065】更に、変調度検出部16からシステムコン
トローラ13へ、n段階の記録ピット毎に、HF信号S
HFのトップピークレベルA1とボトムピークレベルA2
の検出データDRFが供給される。
【0066】次に、ステップS114において、システ
ムコントローラ13が、n段階の検出データDRFに基づ
いて、n個の実際の変調度M1k〜Mnkを演算する。こ
れにより、図5に示すような、変調度M1k〜Mnkの分
布曲線が得られる。
【0067】次に、ステップS116において、記憶部
14からCD-Rの変調度閾値データTHD1を取得し、
変調度M1k〜Mnkの中から変調度閾値データTHD1
の値より大きな値の変調度を選択し、更に、選択した各
変調度に対応する各射出パワーを選択する。
【0068】より詳細に述べれば、図6に示すように、
実際の変調度M1k〜Mnkより得られる変調度分布曲線
と変調度閾値データTHD1とを対比し、変調度閾値デ
ータTHD1より大きな変調度の範囲内に属する射出パ
ワーPs〜Pcnkを選択し、更に、これらの射出パワーP
s〜Pcnkに対応する可変データをCD-Rの可変データ
(Dc11,Dc21,……,Dcn1)の中から選択する。
【0069】次に、ステップS118において、選択し
た可変データ(すなわち、射出パワーPs〜Pcnkに対応
する可変データ)に対応して得られている上記の各検出
データDHFに基づいて上記式(1)の演算を行うことによ
り、各パワー毎のβ値を求める。例えば、射出パワーP
s〜Pcnkに対応する可変データがDc7k〜Dcnkであった
場合には、それぞれの可変データDc7k〜Dcnkに対応し
て得られた各検出データDHFに基づいて、可変データD
c7k〜Dcnkに対応したβ値を演算する。
【0070】次に、ステップS120において、記憶部
14からCD-Rの目標β値データβ1を取得し、図7に
示すように、選択した射出パワーPs〜Pcnkに対応する
それぞれのβ値をこの目標β値データβ1(すなわち、
βk=β1)と比較し、目標β値データβ1に最も近い値
のβ値を選択する。そして、最も近い値のβ値に対応す
る射出パワーを最適な射出パワーPoptと判定し、更
に、この最適な射出パワーPoptに対応する1つの可変
データをCD-Rの可変データ(Dc11,Dc21,……,
Dcn1)の中から選択する。そして、選択した上記の可
変データを最適な射出パワーに設定するためのデータ
(最適データ)とする。
【0071】次に、ステップS122において、上記の
最適データを記憶部14に履歴データとして記憶させた
後、その最適データを記録パワー調整部12に供給する
ことにより、実際の情報記録の際に最適データに基づい
て駆動電流Idを調整するように指示し、ピックアップ
3を光ディスクDSKのプログラムエリア側に移動し
て、実際の情報記録を開始するまで待機させることで、
パワーキャリブレーションを完了する。
【0072】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、従来技術のように単にβ値に基づいて半導体レーザ
の射出パワーPを最適化するのではなく、実際に得られ
る変調度を所定の変調度閾値THDkと比較し、この変
調度閾値THDkより大きな値の変調度に対応する射出
パワーであって、且つ目標β値に最も近い値のβ値が得
られる射出パワーPを最適な射出パワーPoptとして判
定して最適化するので、従来技術に較べて、射出パワー
Pを極めて高精度で最適化することができる。
【0073】更に、ピックアップ3の半導体レーザや光
学系や光検出器等の各構成要素の特性が経年変化等によ
って変動するような場合でも、本実施形態によれば、半
導体レーザの射出パワーを実際の状況に即して最適化す
ることができる。
【0074】更に、典型例としてCD-Rのためのパワ
ーキャリブレーションについて説明したが、他の種類の
光ディスクに対しても最適なパワーキャリブレーション
が可能である。
【0075】更に、同一種類の光ディスクであっても、
製造時の製造バラツキや、ユーザーの使用環境等に応じ
て、情報記録時の環境状況が光ディスク毎に異なるのが
一般的であるが、本実施形態によれば、実際の環境状況
に応じて、半導体レーザの射出パワーを最適化するの
で、実際に即応した最適化を行うことができる。
【0076】尚、以上の説明では、β値を最適化の条件
として適用したが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。β値の代わりに、図13を参照して説明したアシ
ンメトリの値(α値)を最適化のための特徴情報として
適用してもよい。この場合には、目標β値データは目標
α値データとして記憶部14に予め記憶され、図4〜図
7に示した処理は、目標α値データを適用してパワーキ
ャリブレーションが行われる。 (第2の実施の形態)次に、本発明の第2の実施形態を
図8及び図11を参照して説明する。尚、本実施形態の
情報記録装置の構成は図1に示したのと同様であるの
で、情報記録装置の構成の説明を省略する。
【0077】尚、本実施形態では、図1に示した記憶部
14には、図8に示すように、各種光ディスクに対応す
る目標変調度データMkと、β値範囲データWkが光ディ
スクの種類k毎に予め記憶されている。
【0078】ここで、目標変調データMkは、各種光デ
ィスクの記録された状態が予め決められた規格を満足
し、更に様々な記録状態のバラツキに対して十分なマー
ジンが取れるような状態で記録されたHF信号に基づい
て上記式(3)の演算をしたときのそれぞれの変調度を
示すデータであり、予め実験によって求められている。
【0079】β値範囲データWkについては、目標変調
度データMkを求めるのと同様に、各種光ディスクの記
録された状態が予め決められた規格を満足し、更に様々
な記録状態のバラツキに対して十分なマージンが取れる
ような状態で記録されたHF信号に基づいて上記式
(1)の演算を行うことで、それぞれの目標のβ値を求
め、それらの目標β値を含む所定範囲のβ値の範囲を示
すデータである。そして、このβ値範囲データWkは、
光ディスクの種類k毎に実験的に求めて記録されてい
る。
【0080】図9は、典型例として、CD-Rに対しパ
ワーキャリブレーションを行う際の動作を説明するため
のフローチャートである。
【0081】同図において、ユーザーが情報記録の開始
を指令すると、パワーキャリブレーションが開始され
る。まず、ピックアップ3を図3に示したカウントエリ
アCA側に移動させ(ステップS200)、上記再生動
作によって既記録部を調べる(ステップS202)。
【0082】次に、カウントエリアCA中、既にデータ
が記録されている部分の1フレーム前から1フレーム記
録するための先頭位置をサーチし、頭出しを行う(ステ
ップS204)。
【0083】次に、情報記録装置1を情報記録の状態に
設定して、カウントエリアCAに1フレーム長記録した
後(ステップS206)、再び情報再生の状態に設定し
てから、カウントエリアCAに記録したフレームに対応
するテストエリアTAの場所に、ピックアップ3を移動
させる(ステップS208)。
【0084】次に、再び情報記録の状態に設定し、シス
テムコントローラ13が、記憶部14に記憶されている
CD-Rに対応するn個の可変データ(Dc11,Dc21,
……,Dcn1)を取得し、所定時間毎に各可変データ
(Dc11,Dc21,……,Dcn1)を順に記録パワー調整
部12に供給することで、半導体レーザの射出パワーP
をPc1k,Pc2k,……,Pcnkの順に可変させ、テスト
エリアTAにn段階の記録ピットを記録形成する(ステ
ップS210)。
【0085】次に、再び情報再生の状態に設定し、n段
階の記録ピットを記録形成した場所にピックアップ3を
移動させて再生することで、試し書きとして形成した各
記録ピットの情報を検出する(S212)。
【0086】これにより、n段階の記録ピット毎に、ト
ップピークレベルa1と、記録ピットからの反射光の強
度に該当するボトムピークレベルa2とを示す検出デー
タDHFがシステムコントローラ13に供給され、更に、
変調度検出部16からシステムコントローラ13へ、n
段階の記録ピット毎に、HF信号SHFのトップピークレ
ベルA1とボトムピークレベルA2の検出データDRFが
供給される。
【0087】次に、システムコントローラ13が、n段
階の検出データDHFに基づいて、n個の実際のβ値β1
k〜βnkを演算する(ステップS214)。これによ
り、図10に示すようなβ値の分布曲線が得られる。
【0088】次に、ステップS216において、記憶部
14からCD-Rのβ値範囲データW1を取得し、演算し
たβ値β1k〜βnkの中から、β値範囲データW1(Wk
=W1)の範囲内に属するβ値を選択する。更に、図1
0に示すように、β値範囲データW1の範囲内に該当す
る半導体レーザの射出パワーPa〜Pbを選択し、この射
出パワーPa〜Pbの範囲内に対応する可変データをCD
-Rの可変データ(Dc11,Dc21,……,Dcn1)の中か
ら選択する。
【0089】次に、ステップS218において、選択し
た射出パワーPa〜Pb毎のHF信号SHFから得られてい
るトップピークレベルA1とボトムピークレベルA2の
検出データDRFに基づいて、射出パワーPa〜Pbに対応
するそれぞれの変調度を演算する。
【0090】次にステップS220において、図11に
示すように選択した射出パワーPa〜Pbに対応するそ
れぞれの変調度の中から最も大きな変調度を示す射出パ
ワーを選択する。
【0091】尚、記憶部14から予め決められたCD-
Rの目標変調度データM1を取得し、選択した射出パワ
ーPa〜Pbに対応するそれぞれの変調度を目標変調度
データM1(Mk=M1)と比較し、目標変調度データ
M1に最も近い値の変調度を選択するようにしてもよ
い。また、最も近い値の変調度が目標変調度データM1
より小さな値の場合は、目標変調度データM1より大き
な値の変調度であって、且つ目標変調度データM1に最
も近い値の変調度を選択するようにしてもよい。更にま
た、目標変調度データM1より大きな値の変調度を選択
するようにしてもよい。
【0092】そして、上記の選択した変調度に対応する
射出パワーを最適な射出パワーPoptと判定し、更に、
この最適な射出パワーPoptに対応する1つの可変デー
タをCD-Rの可変データ(Dc11,Dc21,……,Dcn
1)の中から選択する。そして、選択した上記の可変デ
ータを最適な射出パワーに設定するためのデータ(最適
データ)とする。
【0093】次に、ステップS222において、上記の
最適データを記憶部14に履歴データとして記憶させた
後、その最適データを記録パワー調整部12に供給する
ことにより、実際の情報記録の際に最適データに基づい
て駆動電流Idを調整するように指示し、ピックアップ
3を光ディスクDSKのプログラムエリア側に移動し
て、実際の情報記録を開始するまで待機させることで、
パワーキャリブレーションを完了する。
【0094】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、従来技術のように単にβ値に基づいて半導体レーザ
の射出パワーPを最適化するのではなく、実際に得られ
るβ値のうちβ値範囲データWkの範囲内に属するβ値
を選択し、選択したβ値に対応する射出パワーであっ
て、且つ目標変調度Mkが得られる射出パワーPを最適
な射出パワーPoptとして最適化するので、従来技術に
較べて、射出パワーPを極めて高精度で最適化すること
ができる。
【0095】尚、本実施形態においても、β値を最適化
の条件として適用したが、本発明はこれに限定されるも
のではない。β値の代わりに、アシンメトリの値(α
値)を最適化のための特徴情報として適用してもよい。
【0096】また、第1の実施形態と第2の実施形態を
適宜に組み合わてもよい。
【0097】つまり、第1の実施形態では、各種のディ
スク毎に1つの変調度閾値データTHDkを決めておい
て、図6に示したようにその変調度閾値データTHDk
より大きな値となる実際の変調度に対応する射出パワー
Ps〜Pcnkを選択範囲としているが、第2の実施形態で
述べたβ値範囲データWkと同様の考えに基づいて、上
記の変調度閾値データTHDkを所定の選択範囲を表す
変調度範囲データWTHDkに代え、変調度範囲データ
WTHDkの範囲内に該当する実際の変調度に対応する
射出パワーを選択するようにしてもよい。
【0098】また、第2の実施形態では、各種のディス
ク毎にβ値範囲データWkを決めておいて、図10に示
したようにそのβ値範囲データWkの範囲内に該当する
実際のβ値に対応する射出パワーPa〜Pbを選択するこ
ととしているが、第1の実施形態で述べた変調度閾値デ
ータTHDkと同様の考えに基づいて、上記のβ値範囲
データWkを所定のβ値閾値データβTHDkに代え、β
値閾値データβTHDkより大きな値となる実際のβ値
に対応する射出パワーPs〜Pcnkを選択範囲としてもよ
い。
【0099】更に又、上記第1,第2の実施形態では、
いわゆるハードウェアで構成した情報記録装置について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、第1,第2の実施形態の情報記録装置のハー
ドウェア構成をコンピュータプログラム(エミュレー
タ)で実現し、そのコンピュータプログラムに基づい
て、マイクロプロセッサを内蔵する電子機器(例えば、
パーソナルコンピュータ等)を制御することで、ハード
ウェアの場合と同等の機能を発揮させるようにしてもよ
い。
【0100】また、上記のコンピュータプログラムをア
プリケーションファイルとして、CD(Compact Disk)
やDVD(Digital Video Disk又はDigital Versatile
Disk)等の情報記録媒体に記録しておき、その情報記録
媒体を再生することが可能な上記パーソナルコンピュー
タ等の電子機器に、そのアプリケーションファイルをイ
ンストール又はダウンロードして実行させるようにして
もよい。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、実
際に得られる変調度を所定の閾値と比較し、その閾値よ
り大きな値の変調度に対応する射出パワーであって、且
つ目標特徴情報に最も近い特徴情報に対応する書込み光
のパワーを適切な書込み光のパワーとすることで、パワ
ーキャリブレーションを行うようにしたので、従来のβ
値やアシンメトリの値に基づいてパワーキャリブレーシ
ョンを行うのに較べて、極めて高精度且つ適切なパワー
キャリブレーションが可能となる。
【0102】また、実際に得られる特徴情報のうち所定
範囲内の特徴情報に対応する射出パワーであって、最も
大きな値の変調度に対応する書込み光のパワーを適切な
書込み光のパワーとすることで、パワーキャリブレーシ
ョンを行うようにしたので、従来のβ値やアシンメトリ
の値に基づいてパワーキャリブレーションを行うのに較
べて、極めて高精度且つ適切なパワーキャリブレーショ
ンが可能となる。
【0103】これにより、例えばピット読取り用ピック
アップに設けられているレンズの開口率(Numerical ap
erture:NA)等の違いにより、書込み用ピックアップ
よりも変調度が低くなってしまう再生専用のピックアッ
プでの再生時や、読取り用ピックアップのレンズの汚れ
や経年劣化、性能バラツキ、調整バラツキ等の再生条件
の悪化等が発生した場合でも、変調度をより良い条件で
記録できるので、記録可能な光情報記録媒体の再生プレ
イアビリティの不具合を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の情報記録装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】第1の実施形態における記憶部に記憶されたデ
ータを示す図である。
【図3】CD-Rのキャリブレーションエリアの構成を
示す図である。
【図4】第1の実施形態の動作を説明するためのフロー
チャートである。
【図5】第1の実施形態において生成される変調度のデ
ータを射出パワーに対応付けて示した図である。
【図6】第1の実施形態において生成される実際の変調
度の中から変調度閾値データに基づいて所定の変調度を
選択するための動作を説明するための図である。
【図7】第1の実施形態において最適な射出パワーを決
定するための動作を説明するための図である。
【図8】第2の実施形態における記憶部に記憶されたデ
ータを示す図である。
【図9】第2の実施形態の動作を説明するためのフロー
チャートである。
【図10】第2の実施形態において生成される実際のβ
値の中からβ値範囲データに基づいて所定のβ値を選択
するための動作を説明するための図である。
【図11】第2の実施形態において最適な射出パワーを
決定するための動作を説明するための図である。
【図12】β値の演算方法を説明するための図である。
【図13】アシンメトリーの値を演算する方法を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1…情報記録装置 2…スピンドルモータ 3…ピックアップ 4…キャリッジ 5…サーボ回路 6…HF信号特徴抽出部 7…RFアンプ部 8…デコーダ部 12…記録パワー調整部 13…システムコントローラ 14…記憶部 16…変調度検出部 17…既記録部検出部 DSK…光ディスク

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光情報記録媒体に対する書込み光のパワ
    ーを調整する情報記録装置であって、 前記書込み光を射出する光源と、 前記書込み光の射出パワーを調整するパワー調整手段
    と、 前記光源から射出される異なったパワーの書込み光によ
    り光情報記録媒体に記録ピットを形成する書込み手段
    と、 前記記録ピットが形成された光情報記録媒体から、前記
    異なったパワーの書込み光により形成された記録ピット
    を含む記録状態を光学再生し、その光学再生により得ら
    れる信号波形に基づいて、前記異なったパワーの書込み
    光により形成された記録ピット毎の前記記録状態の特徴
    情報を抽出する特徴抽出手段と、 前記光学再生により得られる前記信号波形に基づいて、
    前記異なったパワー毎の前記書込み光の変調度を検出す
    る検出手段と、 前記検出手段が検出した変調度のうち所定の閾値より大
    きな値の変調度に対応する書込み光のパワーを選択する
    選択手段と、 前記特徴抽出手段が抽出した特徴情報のうち、前記選択
    手段が選択した書込み光のパワーに対応する特徴情報を
    選択し、その選択した特徴情報のうちの予め決められた
    記録状態の目標特徴情報に最も近い特徴情報に対応する
    書込み光のパワーを適切な書込み光のパワーと判定する
    判定手段とを備え、 前記判定手段が判定した書込み光のパワーに基づいて、
    前記パワー調整手段による光源の射出パワーを調整する
    ことを特徴とする情報記録装置。
  2. 【請求項2】 光情報記録媒体に対する書込み光のパワ
    ーを調整する情報記録装置であって、 前記書込み光を射出する光源と、 前記書込み光の射出パワーを調整するパワー調整手段
    と、 前記光源から射出される異なったパワーの書込み光によ
    り光情報記録媒体に記録ピットを形成する書込み手段
    と、 前記記録ピットが形成された光情報記録媒体から、前記
    異なったパワーの書込み光により形成された記録ピット
    を含む記録状態を光学再生し、その光学再生により得ら
    れる信号波形に基づいて、前記異なったパワーの書込み
    光により形成された記録ピット毎の前記記録状態の特徴
    情報を抽出する特徴抽出手段と、 前記光学再生により得られる前記信号波形に基づいて、
    前記異なったパワー毎の前記書込み光の変調度を検出す
    る検出手段と、 前記特徴抽出手段が抽出した特徴情報のうち予め決めら
    れた範囲内の特徴情報に対応する書込み光のパワーを選
    択する選択手段と、 前記選択手段が選択した書込み光のパワーのうち、前記
    検出手段が検出した変調度のうちの最も大きな値の変調
    度に対応する書込み光のパワーを適切な書込み光のパワ
    ーと判定する判定手段とを備え、 前記判定手段が判定した書込み光のパワーに基づいて、
    前記パワー調整手段による光源の射出パワーを調整する
    ことを特徴とする情報記録装置。
  3. 【請求項3】 前記特徴情報はβ値であることを特徴と
    する請求項1又は2記載の情報記録装置。
  4. 【請求項4】 前記特徴情報はアシンメトリの値である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録装置。
  5. 【請求項5】 光情報記録媒体に対する書込み光のパワ
    ーを調整する情報記録方法であって、 光源から射出される異なったパワーの書込み光により光
    情報記録媒体に記録ピットを形成し、 前記記録ピットを形成した光情報記録媒体から、前記異
    なったパワーの書込み光により形成した記録ピットを含
    む記録状態を光学再生し、その光学再生により得られる
    信号波形に基づいて、前記異なったパワーの書込み光に
    より形成した記録ピット毎の前記記録状態の特徴情報を
    抽出し、 前記光学再生により得られる前記信号波形に基づいて、
    前記異なったパワー毎の前記書込み光の変調度を検出
    し、 前記検出した変調度のうち所定の閾値より大きな値の変
    調度に対応する書込み光のパワーを選択し、 前記抽出した特徴情報のなかから、前記選択した書込み
    光のパワーに対応する特徴情報を選択すると共に、その
    選択した特徴情報のうちの予め決められた記録状態の目
    標特徴情報に最も近い特徴情報に対応する書込み光のパ
    ワーを適切な書込み光のパワーと判定し、 前記判定した書込み光のパワーに基づいて、前記光源の
    射出パワーを調整することを特徴とする情報記録方法。
  6. 【請求項6】 光情報記録媒体に対する書込み光のパワ
    ーを調整する情報記録方法であって、 前記光源から射出される異なったパワーの書込み光によ
    り光情報記録媒体に記録ピットを形成し、 前記記録ピットを形成した光情報記録媒体から、前記異
    なったパワーの書込み光により形成した記録ピットを含
    む記録状態を光学再生し、その光学再生により得られる
    信号波形に基づいて、前記異なったパワーの書込み光に
    より形成した記録ピット毎の前記記録状態の特徴情報を
    抽出し、 前記光学再生により得られる前記信号波形に基づいて、
    前記異なったパワー毎の前記書込み光の変調度を検出
    し、 前記抽出した特徴情報のうち予め決められた範囲内の特
    徴情報に対応する書込み光のパワーを選択し、 前記選択した書込み光のパワーのうちから、前記検出し
    た変調度のうちの最も大きな値の変調度に対応する書込
    み光のパワーを適切な書込み光のパワーと判定し、 前記判定した書込み光のパワーに基づいて、前記光源の
    射出パワーを調整することを特徴とする情報記録方法。
  7. 【請求項7】 光源より射出される書込み光を光情報記
    録媒体に照射することにより情報記録を行う情報記録装
    置を制御する制御情報であって、前記書込み光のパワー
    を調整するための制御情報が記録された情報記録媒体に
    おいて、 前記制御情報は、前記情報記録装置を制御することによ
    り、異なったパワーの書込み光を前記光源より射出させ
    て前記光情報記録媒体に記録ピットを形成させると共
    に、前記記録ピットを形成した光情報記録媒体から、前
    記異なったパワーの書込み光により形成した記録ピット
    を含む記録状態を光学再生させ、 前記光学再生により得られる信号波形に基づいて、前記
    異なったパワーの書込み光により形成した記録ピット毎
    の前記記録状態の特徴情報を抽出させ、 前記光学再生により得られる前記信号波形に基づいて、
    前記異なったパワー毎の前記書込み光の変調度を検出さ
    せ、 前記検出した変調度のうち所定の閾値より大きな値の変
    調度に対応する書込み光のパワーを選択させ、 前記抽出した特徴情報のなかから、前記選択した書込み
    光のパワーに対応する特徴情報を選択させると共に、そ
    の選択した特徴情報のうちの予め決められた記録状態の
    目標特徴情報に最も近い特徴情報に対応する書込み光の
    パワーを適切な書込み光のパワーと判定させ、 前記判定した書込み光のパワーに基づいて、前記光源の
    射出パワーを調整させる制御情報であることを特徴とす
    る情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 光源より射出される書込み光を光情報記
    録媒体に照射することにより情報記録を行う情報記録装
    置を制御する制御情報であって、前記書込み光のパワー
    を調整するための制御情報が記録された情報記録媒体に
    おいて、 前記制御情報は、前記情報記録装置を制御することによ
    り、異なったパワーの書込み光を前記光源より射出させ
    て前記光情報記録媒体に記録ピットを形成させると共
    に、前記記録ピットを形成した光情報記録媒体から、前
    記異なったパワーの書込み光により形成した記録ピット
    を含む記録状態を光学再生させ、 前記光学再生により得られる信号波形に基づいて、前記
    異なったパワーの書込み光により形成した記録ピット毎
    の前記記録状態の特徴情報を抽出させ、 前記光学再生により得られる前記信号波形に基づいて、
    前記異なったパワー毎の前記書込み光の変調度を検出さ
    せ、 前記抽出した特徴情報のうち予め決められた範囲内の特
    徴情報に対応する書込み光のパワーを選択させ、 前記選択した書込み光のパワーのうちから、前記検出し
    た変調度のうちの最も大きな値の変調度に対応する書込
    み光のパワーを適切な書込み光のパワーと判定させ、 前記判定した書込み光のパワーに基づいて、前記光源の
    射出パワーを調整させる制御情報であることを特徴とす
    る情報記録媒体。
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