JP4636241B2 - 通信規制システムおよび通信規制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話機やPHSに代表される移動端末に対する通信の規制を行うシステムおよび方法に関する。
移動通信システム(自動車電話システム/携帯電話システム等)が導入された当初は、端末ユーザが通信できる範囲(サービスエリア)の拡大に多くの努力が払われていた。サービスエリアを拡大するためには、より広い範囲に移動端末と通信を行う多くの基地局(アクセスポイント)を設置する必要があり、そのために基地局を構成する安価な装置の開発が行われてきた。
その後、サービスエリアの拡大によって移動通信システムの利便性が認識されたことにより、端末ユーザ数が急激に増大し、その結果、通信トラフィックが増大し、通信容量の不足が問題となった。この問題を解決するためには、通信チャネルの増大、即ち「単位面積あたりの通信呼量」を増大する必要があり、これを実現するために、通信効率の高い伝送方式、音声サービスにおいては高能率な符号化方式、或いは地理的/時間的に異なる通信密度を実現するために動的に通信チャネルを配置するダイナミックチャネル割り当て方式等が用いられてきた。
また、昨今のユーザアプリケーションの変化によって、従来の電話サービスからテキストや画像等を配信するサービスといった、あらゆる形態のサービス、いわゆるマルチメディアサービスの提供が求められてきている。
このように、移動通信システムにおいては、より多くのユーザが通信サービスを享受できるようにするために、より広範囲に、より高密度に、時間的に変化するユーザ端末の分布状態に対処することが求められてきた。
しかしながら、その一方で、より高い通信能力を求める技術動向とは逆行して、通信能力を敢えて抑制しようとする要求もある。すなわち、特定エリアにおいて移動端末による通信を制限するという要求である。携帯電話機等を用いた通信が周辺の者にとって迷惑な行為となり得ることがあり、また、それによるトラブルも増加している。
実際、携帯電話機を用いた通話においては、その話声が周囲の者にとって迷惑になる。さらに、着信があったときに起動される着信鳴動(ベル音、電子音や楽曲等)も、周囲の者を驚かすこととなり、これも迷惑行為とみなされている。このような迷惑行為は抑制されるべきである、との観点から、移動端末による通信を抑制するように喚起する通知や警告がなされている場所もある。しかし、一部の端末ユーザは、そのような通知や警告を無視して移動端末による通信を行っている。また、電話を掛けている相手に対し、周囲の者が通信を止めるよう告げることは、場合によって、トラブルになる可能性も有るため、放置されているのが現状である。このような状況は、電車・バス等の公共交通機関内、コンサート会場や講演会場、会議室内、その他、静寂が求められている場所において生じている。
また、移動端末から放射される電磁波が電子機器装置、例えば心臓ペースメーカ、補聴器、医療機器等に影響を与える可能性が指摘されている。例えば、移動端末からの電磁波エネルギーによって電子機器装置の計時機構やデータ処理機構が誤作動し、その結果、電子機器装置が本来の機能を果たさなくなる場合があり、心臓ペースメーカなどでは、生命の危機をもたらすことになり得る。このようなことから、心臓ペースメーカを体内に埋め込んでいる者或いは補聴器を装着している者の近隣、および、医療機器が配置されている病棟や処置室内において、移動端末の使用を厳しく規制することが望まれている。
上記の規制は、端末ユーザへのサービスの無条件規制の例であるが、これとは別に、場所や時間的な条件下で、端末ユーザへのサービスを選択的に規制する場合もある。例えば、車両内において、優先席(Priority Sheet)の周辺では、移動端末の電源投入を禁止し、それ以外の場所では、移動端末の呼び出し音の鳴動および音声通話を禁止するものの、メール送受信等の騒音を発しない通信サービスを許容する、というように、場所に応じて選択的な規制を行うケースがある。また、人々が互いに接近している混雑時等にサービスの規制を行い、非混雑時にサービスを許容する、というように周辺の状況に応じて選択的な規制を行うケースもある。
さらに、移動端末には、自端末の位置を移動通信網側に通知する、所謂「位置登録」という機能がある。この機能は常時稼働しているため、移動端末は、待機状態においても常に電波を放射している。この電波放射もまた、近隣の医療機器に対する影響を与え得る。
以上から分かるように、端末ユーザへの通信サービスに対しては、周辺の状況によって規制されるべき場所および時間があり、そのような場所および時間における通信サービス規制を実現する方法が求められている。この要求を解決するために、これまで多くの方法が採用されている。
端末ユーザの周囲情況に応じて通信サービスの規制を行う手法として、端末ユーザに対して通話を行わない旨を掲示する、あるいは音声放送により通知するという方法の他に、システムのメカニズムによってエリア内に在圏する移動端末を通信不能とさせる方法がある。この方法を大別すると、(1)外部からの電波がエリア内に届かないように遮断する方法(第1の方法)、(2)エリア内の移動端末が用いている無線周波数に対して妨害電波を与えて通信そのものを不可能とする方法(第2の方法)、(3)移動端末に対して、通信を抑制するための信号を移動端末が用いている無線周波数とは異なる無線周波数で送信することで、移動端末に通知する方法(第3の方法)、(4)移動端末の在圏エリアを認識することによって、そのエリアで通信を抑制する方法(第4の方法)、(5)その他の方法の5つに分類される。
第1の方法は、移動端末が居る空間全体を覆う様に、電波を遮断する壁面材料等を物理的に設置する方法である。その一例を図29に示す。図29を参照すると、サービス規制が行われるエリア801の空間は、電波を遮断する壁面材料701により覆われている。エリア801内に居る移動端末201、202は、サービス規制を受け、エリア801外に居る移動端末203は、サービス規制を受けない。エリア801をカバーする通信エリアを有する無線基地局は、図示しない別の場所に設けられている。
第1の方法では、電波を遮断する壁面材料701等の設置工事に費用を要する。
加えて、壁面材料701を設置した後に、エリア801を一時的或いは恒久的に通信可能なエリアとする場合には、壁面材料701を撤廃する必要がある。このため、コンサート会場等、イベントが終了した後は、通信規制が解除されるような場所にも適用が困難である。
また、車両等への適用も困難である。車体に電波遮断材料あるいは電波吸収体を貼り詰めることは、搭乗者に対して、視覚的にも換気的にも閉塞感を与えることになる。窓を開けた場合には、電波遮断状態を維持できなくなる。
上述のことから、第1の方法の適用が可能な場所は、定常的に通信が禁止される場所、電波遮断材料の存在が煩わしく感じない場所、設置コスト的に十分な余裕がある場所等に限定される。
第2の方法は、雑音電波発生源を置くことで、移動端末の通信そのものを不可能とする方法である。その一例を図30に示す。図30を参照すると、雑音電波発生源351が、サービス規制が行われるエリア810内に配置されている。実際にサービス規制が行われるエリア801は、雑音電波発生源351からの雑音電波の強さによって決まる。エリア801内の移動端末201は、雑音電波発生源351からの雑音電波により通信が妨げられて、サービスが規制される。エリア801外の移動端末202は、雑音電波発生源351からの雑音電波による通信妨害を受けないため、サービスの規制は行われない。
第2の方法では、雑音電波発生源351の他、雑音電波を発生するための電力を雑音電波発生源351に常時供給する給電装置を置く必要があり、コスト面で不利になる。
移動通信システムのカバレッジエリア内に移動端末と同一の周波数の電波を用いた雑音電波を生じさせ、サービス可能なエリアを調整する方法と類似の方法に、特許文献1に記載の基地局カバレッジエリア制御方式がある。この方式によれば、サービス規制の発動/解除のために雑音発生/停止を行うことが可能であるため、第1の方法に比べて、時間的に通信可能状態を制御可能という利点を有する。しかしながら、電波発生源より放射される電波の到達範囲を地理的に精密な形状にすることは困難であることから、移動端末の通信を抑制するエリアを厳密に設定することが困難である。例えば、図30(左側)に示すように、雑音電波発生源351からの雑音電波によって通信規制されるエリア801は球体あるいは楕円体形状をなし、移動端末の通信が抑制されるべきエリア810の形状が箱型である場合は、エリア801をエリア810内に収まるように設定すると、エリア810の隅において、移動端末に対するサービス制限を行うことができない。一方、図30(右側)に示すように、エリア801をエリア810より大きくして、エリア810の隅においても移動端末に対するサービス制限を行えるようにすると、エリア810外の移動端末251に対しても通信抑制が掛かってしまうことになる。
上記の問題を解決する方法として、雑音電波の到達距離が短い複数の雑音電波発生源を用いる方法と、雑音電波発生源のアンテナの放射パターンをエリア810の形状に近づける方法がある。前者は、複数の雑音電波発生源を用いるため、コストが増大する。後者も、アンテナの放射パターンを変形させるアンテナ放射技術(例えば、アダプティブ・アレー・アンテナ)を用いた、高機能で、高価な装置が必要となるため、実用的でなく、しかも、配置変更の柔軟性にも欠ける。
第3の方法は、移動端末での通信に用いられる無線周波数と異なる無線周波数を用いるという点で、雑音電波の発生とは異なり、移動端末に対して、通知信号の放送を行うという観点で、第2の方法と異なる。この第3の方法として、特許文献2に記載の無線移動通信端末の着信音鳴動制御方法、無線移動通信端末及び無線移動通信システム、および、特許文献3に記載の移動無線装置および移動通信システムならびに移動無線装置の通話規制方法がある。図30において、雑音電波発生源351に代えてサービス規制制御基地局を配置する。移動端末が、サービス規制制御基地局からサービス規制を通知する信号を受信することで、サービスの規制が行われる。
第3の方法においても、第2の方法の場合と同様、エリア801の形状とエリア810の形状を同一にすることは困難である。このため、第2の方法で説明したように、エリア801の大きさによっては、エリア810の隅でサービス制限を行うことができなかったり、エリア810外の移動端末がサービス規制を受けたりする、といった現象が生じる。サービス規制制御基地局からの通知信号の到達距離を変化させて、エリア801の形状をエリア810の形状に近づけることで、その問題を解決することは可能である。しかし、この場合も、第2の方法で説明した問題と同様の問題が生じる。
第4の方法は、移動端末が在圏するエリアを認識し、そのエリアにおいて通信が抑制されるべきか否かを判定する方法である。判定方法の1つに、測位システム等によって移動端末の位置する座標情報を得て、その座標情報に基づいてサービスの抑制の要否を判断する方法がある。この方法は、例えば、特許文献4(移動局の利用規制方法及び移動通信システム等)に開示されている。また、他の方法としては、移動端末が通信抑制エリアに進入したか否か、移動端末が通信抑制エリアから脱出したか否かを、付加的なセンサーによって検出する機構を設け、通信抑制エリア内に移動端末がいるか否かを把握して通信抑制処理を行う方法がある。この方法は、特許文献5(携帯電話通信抑制装置および方法)に開示されている。
特許文献4に開示されたような方法の場合は、測位システムを移動端末に搭載する必要があるため、移動端末が大きなものとなり、コストも増大する。また、測位システムとして、例えばGPS(全地球測位システム;Global Positioning System)等通信衛星を用いるようなシステムである場合は、さらに大掛かりな機構が必要となり、携帯性の面で不利なものとなる。加えて、通信衛星からの電波を受信できない場所(建造物内あるいは地下空間等)では使用できないという問題が生じる。
特許文献5に開示されたような方法の場合は、エントランス領域において、移動端末の入場および退場が正しく認識されることが必要である。しかしながら、移動端末の入場または退場を検出する際に、何らかの原因(例えば、センサーの場所的感度の違い、センサーを設置したゲート以外からの入退出、偶然に或いは故意にセンサーを電波的に遮蔽する行為など)によりセンサーが感応しなかった場合は、システムは、移動端末の入退場を正しく認識することができない。この場合は、入場した移動端末に対する通信を抑制できなかったり、退場した移動端末に対する通信抑制が継続して行われたりする。
以上は、主に、移動端末の通信サービスを抑制する方法に関するものである。一方で、移動端末の在圏する場所に応じて実行可能なサービスを一意的に決定するのではなく、あるサービスは禁止するが、他のサービスは許容する、というような選択的なサービスの規制も求められている。例えば、列車の車両内において、移動端末を使用した通話は禁止されているが、テキストデータ(例えば電子メール等)の送受は許可されているというような状況がある。この状況に対して、現状では、移動端末のユーザに対して、その旨を掲示あるいは音声放送により通知する、という方法が用いられている。しかし、この方法による規制は、ユーザ自身のマナー意識に委ねられるところが大きく、マナー違反者に対してサービスを抑制することはできない。
上記の場合に、第1の方法を適用すると、車両内の移動端末は、通話のみならず、すべての通信が不能となってしまい、上記の選択的なサービス規制を行うことはできない。第1の方法は、移動端末に対して、全ての通信サービスを不可とする場合にしか適用することができない。
同様に、第2の方法を適用した場合も、移動端末に対して、通話のみならず、すべての通信が不能となってしまい、上記の選択的なサービス規制を行うことは不可能である。この第2の方法も、移動端末に対して、全ての通信サービスを不可とする場合にしか適用することができない。
第3の方法は、通知情報の内容によって、A)通話および他のサービスを共に禁止、B)通話のみ禁止、C)全サービスの許可、というように選択的にサービスを規制することが可能であるが、規制エリアの設定にあたって、地理的な精密さを満たすことはできない。
第4の方法も、移動端末が在圏する地域或いはエリアに対し、サービス規制条件をあらかじめ定義しておくことによって、選択的にサービス規制を行うことができる。しかし、測位を行うことができない場所があり、移動端末の在圏位置を正しく認識することができない。
昨今の移動端末は、さまざまな機能を有しており、周囲の者に対して影響や不快感を与える原因は、通話や着信鳴動のみではない。例えば、移動端末内のメモリ内に蓄積した音楽データを再生した場合は、その再生音が周囲の者に対して騒音となり得る。また、録音機構や録画機構(静止画、動画に限らず)を有する移動端末を所持した者が、許可なしに他人を撮影する、といった迷惑行為もある。このような問題もまた、移動端末のユーザ自身のマナーに委ねられており、マナー違反者に対して抑制する術はないのが現状である。その主な原因は、再生、録音、録画といった移動端末の動作が、通信システムから切り離された装置としての、いわゆるオフライン動作であり、これを通信システムが抑制或いは規制すべき必要がないと考えられているからである。しかしながら、最近では、これら機能による周囲の者への迷惑行為も重要な問題として認識されており、何らかの方法で規制或いは抑制したい、という要望がある。
特開平5−167511号公報 特開平11−215561号公報 特開平11−215562号公報 特開2001−136564号公報 特開2002−271850号公報
上述したように、第1の方法においては、規制エリアを電波遮蔽体で覆うことにより移動端末を完全に通信不能にするというものであるため、規制解除を行う場合には、電波遮蔽体を撤去する必要がある。また、規制エリア内では、移動端末だけでなく、無線通信を用いる全ての通信端末が通信不能となってしまう。
第2の方法においては、移動端末の通信に関わる特定周波数帯域のみを妨害する必要があるために、高精度な妨害電波発生機能を必要とする。さらに、妨害電波発生局より放射される妨害電波の到達範囲を規制エリアの形状と一致させることが困難なため、規制エリア内で規制がなされない場所が生じたり、規制エリア外において通信が規制されたりする場合がある。
第3の方法は、移動端末の接続処理の制御シーケンスを操作して接続拒否動作を行う方法であるが、この場合も、上記第2の方法と同様、規制エリアの形状と一致させることが困難なため、規制エリア内で規制がなされない場所が生じたり、規制エリア外において通信が規制されたりする場合がある。
第4の方法のうち通信衛星を用いる方法においては、屋内および地下街等の場所では、移動端末の在圏位置を正しく認識することができない。第4の方法のうち規制エリアの入退場を検出する方法においては、移動端末を検出する装置が移動端末の移動に追随できない場合があるため、場内の規制対象である移動端末の通信を規制することができなかったり、場外の非規制対象である移動端末の通信を規制してしまったりする。
また、上述の問題の他、移動端末の在圏する場所や周辺状況に応じて実行可能な通信方式やサービスを規制したいと要求に対する適用の問題もある。従来の移動端末の通信を規制する方法はいずれも、規制エリア内の全ての移動端末、または一部の移動端末に対して、例えば、通話、着信、着信鳴動、メール送受信等の通信サービスの実行を完全に禁止あるいは許可するという二者択一で一律に規制する方式であるため、場所や周辺状況に応じた柔軟な通信やサービスの規制を行うことは困難である。以下に、具体的な要求および問題を説明する。
移動端末の通信規制の目的は、迷惑行為の抑制と電子機器への影響の抑止であるが、通信規制が要求される状況は様々であり、周囲の状況によっては、通信規制を行わなくてもよい場合がある。例えば、移動端末からの電磁エネルギーの影響を受ける生体医療機器を装着している人が、移動端末を所持している人の周囲に居ない場合に、その移動端末に対して、電子機器への影響の抑止すための通信規制を行う必要はない。例えば、電車の優先席に誰も座っていない場合において、そのような状況が生じる。
また、移動端末が発する無線信号のエネルギー形態(送信電力量、或いは信号送信のために放射される電波エネルギーの連続性/間欠性)は通信方式によって異なり、そのエネルギー形態によっては、生体医療機器等の電子機器に対する影響が小さく、通信規制の必要がない場合もある。具体的に説明すると、生体医療機器への電磁波エネルギーの影響は、移動端末から放射される電磁波エネルギーによって機器自体が損傷することや、間欠的な電磁波エネルギー放射によって生じるパルス状の雑音電力によって、電磁対策が十分に施されていない生体医療機器が誤動作する、といったことであるが、通信方式によってその度合いも異なる。例えば、TDMA(時分割多重アクセス)方式の端末からの電磁波エネルギー(パルス状の雑音電力)により誤動作を生じる電子機器でも、CDMA(符号分割多重アクセス)方式からの電磁波エネルギーでは誤動作を生じない場合がある。
また、電子機器への影響は、ユーザの転送情報の転送速度に関わる通信速度にも関係する。ユーザの転送情報の転送速度に関わる通信速度が高い場合は、所要送信電力量の増加をもたらすこととなり、そのような電子機器への影響が大きい。しかしながら、ユーザの転送情報の転送速度に関わる通信速度が低い場合には、所要送信電力量が少なくなるため、その影響は小さくなる。よって、ユーザの転送情報の転送速度に関わる通信速度を落とすことで、誤動作などの電子機器への影響を抑制することが可能であり、移動端末の電源をオフにしたり、移動端末に対する通信を完全に遮断したりする必要はない。
本発明の目的は、上述の問題を解決し、移動端末の在圏する場所や周辺状況に応じて実行可能な通信方式、通信品質、通信サービスなどを指定して通信規制を行うことのできる、通信規制システムおよび通信規制方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、それぞれが自身を識別するための識別情報を保持し外部装置からの要求動作によって前記識別情報を応答する機能を有する複数の無線タグと、前記複数の無線タグのそれぞれと近距離通信が可能な無線通信手段を備えており、複数の異なる通信方式の少なくとも1つの通信方式を使用して移動通信網を通じた通信が行われ、該通信の開始時に前記無線通信手段により応答要求信号を送信する移動端末と、前記移動端末と前記移動通信網を通じて通信が行われる通信規制判定手段とを有し、前記複数の無線タグのそれぞれは前記移動端末から前記応答要求信号を受信すると、自身の識別情報を含む応答信号を前記移動端末に送信し、前記移動端末は、前記複数の無線タグのいずれかから前記応答信号を受信すると、該受信した応答信号に含まれている識別情報を前記通信規制判定手段に送信し、前記通信規制判定手段は、前記複数の無線タグのそれぞれについて、前記複数の異なる通信方式のうちの該無線タグとの近距離通信が可能なエリアで提供可能な通信方式と該無線タグの識別情報とを関連付けて格納したデータベースを備えており、前記移動端末から前記複数の無線タグのいずれかの前記識別情報を受信すると、該受信した識別情報に基づいて前記データベースを参照して提供可能な通信方式を決定し、該決定した通信方式を使用した通信のみを前記移動端末に許可することを特徴する。
上記の構成によれば、周辺の無線応答装置から取得した識別情報からデータベースを参照して移動端末の通信方式が決定される。データベースに、CDMA、TDMAなどのアクセス方式のうち、任意に指定したアクセス方式と無線応答装置の識別情報を関連付けて格納することで、無線応答装置が設置された場所において、移動端末をその任意に指定したアクセス方式により規制することが可能である。例えば、データベースに、CDMA方式と無線応答装置の識別情報を関連付けて格納することで、その無線応答装置を設定した場所においては、CDMA方式の移動端末のみが通信可とされ、他のアクセス方式の移動端末は、通信不可とされる。このように、移動端末の在圏する場所に応じて実行可能な通信方式を指定することができる。
また、無線応答装置との無線通信が可能な範囲を通信規制エリアとすることができる。無線応答装置の無線通信が可能な距離は、例えばRFIDであれば2〜3mである。このように、通信距離が短いため、より厳密に、通信規制エリアの設定を行うことが可能である。
本発明の第2の態様は、それぞれが自身を識別するための識別情報を保持し外部装置からの要求動作によって前記識別情報を応答する機能を有する複数の無線タグと、前記複数の無線タグのそれぞれと近距離通信が可能な無線通信手段を備えており、複数の異なる通信品質のいずれかの通信品質で移動通信網を通じた通信が行われ、該通信の開始時に前記無線通信手段により応答要求信号を送信する移動端末と、前記移動端末と前記移動通信網を通じて通信が行われる通信規制判定手段とを有し、前記複数の無線タグのそれぞれは前記移動端末から前記応答要求信号を受信すると、自身の識別情報を含む応答信号を前記移動端末に送信し、前記移動端末は、前記複数の無線タグのいずれかから前記応答信号を受信すると、該受信した応答信号に含まれている識別情報を前記通信規制判定手段に送信し、前記通信規制判定手段は、前記複数の無線タグのそれぞれについて、前記複数の異なる通信品質のうちの該無線タグとの近距離通信が可能なエリアで提供可能な通信品質と該無線タグの識別情報とを関連付けて格納したデータベースを備えており、前記移動端末から前記複数の無線タグのいずれかの前記識別情報を受信すると、該受信した識別情報に基づいて前記データベースを参照して提供可能な通信品質を決定し、該決定した通信品質での通信のみを前記移動端末に許可することを特徴する。
上記の構成によれば、周辺の無線応答装置から取得した識別情報からデータベースを参照して移動端末の通信品質が決定される。データベースに、任意に指定した通信品質(ユーザの転送情報の転送速度に関わる通信速度など)と無線応答装置の識別情報を関連付けて格納することで、無線応答装置が設置された場所において、移動端末をその任意に指定した通信品質により規制することが可能である。例えば、データベースに、通常時より遅いユーザの転送情報の転送速度に関わる通信速度を無線応答装置の識別情報と関連付けて格納することで、その無線応答装置を設定した場所においては、移動端末は、低いユーザの転送情報の転送速度に関わる通信速度での通信のみが可とされる。このように、移動端末の在圏する場所に応じて実行可能な通信品質を指定することができる。
本発明の第3の態様は、それぞれが自身を識別するための識別情報を保持し外部装置からの要求動作によって前記識別情報を応答する機能を有する複数の無線タグと、前記複数の無線タグのそれぞれと近距離通信が可能な無線通信手段を備えており、複数の異なる通信サービスのいずれかの通信サービスが移動通信網を通じて実行され、該通信サービスの実行開始時に前記無線通信手段により応答要求信号を送信する移動端末と、前記移動端末と前記移動通信網を通じて通信が行われる通信規制判定手段とを有し、前記複数の無線タグのそれぞれは前記移動端末から前記応答要求信号を受信すると、自身の識別情報を含む応答信号を前記移動端末に送信し、前記移動端末は、前記複数の無線タグのいずれかから前記応答信号を受信すると、該受信した応答信号に含まれている識別情報を前記通信規制判定手段に送信し、前記通信規制判定手段は、前記複数の無線タグのそれぞれについて、前記複数の通信サービスのうちの該無線タグとの近距離通信が可能なエリアで提供可能な通信サービスと該無線タグの識別情報とを関連付けて格納したデータベースを備えており、前記移動端末から前記複数の無線タグのいずれかの前記識別情報を受信すると、該受信した識別情報に基づいて前記データベースを参照して提供可能な通信サービスを決定し、該決定した通信サービスのみを前記移動端末に許可することを特徴する。
上記の構成によれば、周辺の無線応答装置から取得した識別情報からデータベースを参照して移動端末の通信サービスが決定される。データベースに、任意に指定した通信サービス(電子メールなど)と無線応答装置の識別情報を関連付けて格納することで、無線応答装置が設置された場所において、移動端末をその任意に指定した通信サービスにより規制することが可能である。例えば、データベースに、電子メールに関する通信サービスを無線応答装置の識別情報と関連付けて格納することで、その無線応答装置を設定した場所においては、移動端末は、電子メールでの通信のみが可とされる。このように、移動端末の在圏する場所に応じて実行可能な通信サービスを指定することができる。
上述した第1から第3の態様において、無線応答装置を非固定設置型無線応答装置とすれば、非固定設置型無線応答装置から取得した識別情報からデータベースを参照して移動端末の通信方式、通信品質、通信サービスが決定されることになる。例えば、非固定設置型無線応答装置を帯同している心臓ペースメーカの使用者が、移動端末を所持しているユーザに接近すると、移動端末がその非固定設置型無線応答装置の識別情報を通信判定手段に供給する。通信判定手段は、移動端末からの識別情報からデータベースを参照してその移動端末の通信方式、通信品質、通信サービスを決定する。このように、移動端末の周辺状況に応じて実行可能な通信方式、通信品質、通信サービスなどを指定することが可能である。
本発明によれば、移動端末の在圏する場所や周辺状況に応じて実行可能な通信方式、通信品質、通信サービスを指定することのできるので、移動端末のユーザに対して、移動端末の利便性が向上する、という効果がある。
また、本発明によれば、移動通信網上に通信規制判定手段を設置するだけシステムを実現することが可能であるので、従来の手法に比べてコストの面で有利である、という効果もある。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態である通信規制システムの概略構成を示すブロック図である。図1を参照すると、この通信規制システムは、移動端末201、202、固定設置型無線応答装置1101、1102、1201、1202、非固定設置型無線応答装置1151、1251、無線基地局301、コア装置401、および通信方式判定装置501からなる。
固定設置型無線応答装置1101、1102、1201、1202は、ICカードやRFID(Radio Frequency-Identification)に代表される無線タグよりなり、その無線通信エリアは固定である。すなわち、これら固定設置型無線応答装置は、静止した状態で配置されている。例えば、コンサート会場や映画館、ビルなどの施設に設けられた固定物(固定型の椅子、壁、天井、床など)に無線タグを設置する場合が、この静止した状態での配置に相当する。
非固定設置型無線応答装置1151、1251も、上記無線タグよりなるが、その無線通信エリアは移動する。すなわち、これら非固定設置型無線応答装置は、地理的に移動可能な状態で配置されるものである。例えば、移動可能な物体に無線タグを設置したり、人に装着あるいは埋め込まれるものに無線タグを配置したりする場合が、この地理的に移動可能な状態での配置に相当する。
移動端末201、202は、携帯電話機やPHSに代表される携帯型端末よりなり、固定設置型無線応答装置1101、1102、1201、1202および非固定設置型無線応答装置1151、1251との間で無線による通信を行う無線通信機能を備える。無線通信機能は、無線応答装置が無線タグ(RFID)である場合は、そのタグ情報を読み取ることが可能な無線タグ読み取り装置(RFIDリーダ)である。また、移動端末201、202は、無線通信機能を通じて固定設置型無線応答装置や非固定設置型無線応答装置から取得した無線応答装置識別情報(具体的にはタグ情報)を、無線基地局301を通じてその上位局である通信方式判定装置501に送信することができる。
無線基地局301は、既存の移動通信網を構成する無線基地局である。この無線基地局301の無線通信エリア内において、移動端末201、202は既存の通話サービスおよびデータ通信サービスなどの各種通信サービスを受けられる他、コア装置401および通信方式判定装置501との通信が可能とされる。
コア装置401は、基地局装置301を通じて接続された移動端末に対して、通信方式判定装置501からの判定結果に基づく通信方式を割り当てる装置である。
通信方式判定装置501は、移動端末が基地局装置301を通じて送出した無線応答装置識別情報(固定設置型無線応答装置から読み取った識別情報、または固定設置型および非固定設置型の両無線応答装置から読み取った識別情報)に基づいて、移動端末の位置を把握し、その移動端末が使用し得る通信方式を判断する。通信方式判定装置501は、通信方式を決定するために必要な情報が固定設置型および非固定設置型の両無線応答装置の識別情報と関連付けられて格納されたデータベースを有し、移動端末からの無線応答装置識別情報を検索キーとして、データベースから該当する情報を抽出することで、移動端末が使用することができる通信方式を決定する。なお、通信方式判定装置501の機能をコア装置401に組み込んで、コア装置401自体が、そのような通信方式の判定処理を行うようにしてもよい。
サービスエリア901は、移動端末に対する通信サービスが提供されるエリアである。このサービスエリア901は、1つまたは複数の無線基地局の無線通信エリアによって形成される。図1中には、便宜上、サービスエリア901内に、1つの無線基地局301しか示していない。
また、図1中には、便宜上、4つの固定設置型無線応答装置1101、1102、1201、1202しか示されていないが、実際は、複数の固定設置型無線応答装置がサービスエリア901全体に配置される。
さらに、図1中には、便宜上、2つの非固定設置型無線応答装置1151、1251が示されているが、非固定設置型無線応答装置は移動可能な物体または人に設置または装着されるものであるため、サービスエリア901に位置する非固定設置型無線応答装置の数は変化する。
本実施形態の通信規制システムでは、移動端末が、サービスエリア901内で、自端末の位置の周辺に配置された固定型無線応答装置、または固定型および非固定型の両無線応答装置から無線応答装置識別情報を取得して、その取得した無線応答装置識別情報を、無線基地局301を通じて上位局の通信方式判定装置501に送信する。この無線応答装置識別情報の送信にあたって、移動端末は、自端末を識別可能な端末識別情報(端末ID)を、無線基地局301を通じてコア装置401に供給する。移動端末から無線応答装置識別情報が供給されると、通信方式判定装置501は、その無線応答装置識別情報に基づいて移動端末の位置の特定や移動端末が使用することができる通信方式を決定する。続いて、通信方式判定装置501は、決定した通信方式をコア装置401に供給する。そして、コア装置401が、移動端末から取得した端末識別情報および通信方式判定装置501から供給された通信方式に基づいて、移動端末に対する通信方式の規制を行う。
上記の通信方式の規制によれば、サービスエリア901内において、例えば、CDMA、TDMAなどのアクセス方式のうち、任意に指定したアクセス方式のみを設定することができる。CDMA方式を設定した場合は、サービスエリア901内では、CDMA方式の移動端末のみが通信可とされ、他のアクセス方式の移動端末は、通信不可とされる。具体的は、移動端末201がCDMA方式であり、移動端末202がTDMA方式である場合は、移動端末201のみが通信可とされる。
通信方式の規制に代えて、通信品質(ユーザの転送情報の転送速度に関わる通信速度など)やサービス(電子メールやWebページへのアクセスなど)など様々な規制を行うことができる。この場合は、無線応答装置識別情報と規制を行う通信品質またはサービスの設定内容を関連付けてデータベースに登録する必要がある。移動端末201、202のそれぞれは、異なる通信品質(ユーザの転送情報の転送速度に関わる通信速度など)または異なる通信サービスの設定が可能とされ、通信方式判定装置501(この場合は、通信品質または通信サービスを含む通信規制が行われるので、通信規制判定装置と表現する方が望ましい。)によって決定された通信品質または通信サービスに基づいてその通信が規制される。
以下に、本実施形態の通信規制システムにおける通信規制の動作を詳細に説明する。
まず、無線応答装置識別情報の取得動作について説明する。
図2Aに、移動端末が固定設置型無線応答装置から無線応答装置識別情報を取得する様子を模式的に示す。図2Aを参照すると、移動端末201は、サービスエリア901内に位置しており、その周辺には、固定設置型無線応答装置1101〜1108が存在するものとする。本説明では固定設置型無線応答装置を例にとって説明しているが、これらが非固定設置型無線応答装置であっても、又固定設置型無線応答装置と非固定設置型無線応答装置が混在した様相であっても同様の動作をすることは言うまでもない。固定設置型無線応答装置1101〜1104は、移動端末201との無線による相互通信が可能な距離範囲に位置している。固定設置型無線応答装置1105は、移動端末201からの応答要求信号(無線信号)を受信できるが、自装置からの応答信号(無線信号)は移動端末201に届かない距離に位置している。固定設置型無線応答装置1106〜1108は、移動端末201との無線による相互通信を行うことができない距離に位置している。
移動端末201は、周囲の固定設置型線応答装置に対して所定のタイミング(具体的には、通信サービスを開始するタイミングまたは一定の時間間隔)で応答要求信号を送出する。移動端末201から送出された応答要求信号は、固定設置型無線応答装置1101〜1105にて受信される。固定設置型無線応答装置1101〜1105のそれぞれは、移動端末201から応答要求信号を受信すると、自装置内のメモリに予め格納されている無線応答装置識別情報(無線信号)を送出する。
移動端末201は、相互通信が可能な範囲内に位置している固定設置型無線応答装置1101〜1104からの無線応答装置識別情報をそれぞれ受信する。無線応答装置識別情報を受信すると、移動端末201は、その受信した無線応答装置識別情報を、無線基地局301およびコア装置401を通じて上位局の通信方式判定装置501に供給する。
通信方式判定装置501では、以上のようにして取得した無線応答装置識別情報と第1および第2のデータベースとから、移動端末201の位置の特定や通信方式の決定を行うことが可能となる。
以上、固定設置型無線応答装置からの識別情報の取得について説明したが、移動端末の周辺(無線による相互通信が可能な距離範囲)に非固定設置型無線応答装置がある場合は、移動端末は、その非固定設置型無線応答装置からも識別情報を取得して通信方式判定装置501に供給する。
上記の図2Aの説明で、移動端末201から送られた応答要求信号(無線信号)に呼応して固定設置型無線応答装置1101〜1108から返送される信号の一例を示したが、移動端末201から送られる応答要求信号(無線信号)の電力強度によって応答する固定設置型無線応答装置が変化する例を図2Bに示す。本図において、移動端末201の周辺に位置している固定設置型無線応答装置1101〜1108の空間的な位置は、図2Aの場合と同一とする。しかしながら、移動端末201から送られる応答要求信号(無線信号)の電力強度を低くすると、移動端末201からの応答要求信号(無線信号)が受信可能な固定設置型無線応答装置が狭い範囲に限られることになり、すなわち図2Aの場合と比較して移動端末201により近傍に存在する固定設置型無線応答装置のみが応答が応答信号を送ることを可能とさせることができ、この結果、受信される無線応答装置識別情報もまた変化することとなる。即ち、図2Aにおいては、固定設置型無線応答装置1101乃至1105が移動端末201からの応答要求信号(無線信号)を受信でき、固定設置型無線応答装置1101乃至1104の応答信号が移動端末201によって受信され、固定設置型無線応答装置1101乃至1104の無線応答装置識別情報がコア装置に送られることになっていたが、図2Bにおいては、固定設置型無線応答装置1101乃至1103のみが移動端末201からの応答要求信号(無線信号)を受信でき、固定設置型無線応答装置1101乃至1103の応答信号が移動端末201によって受信され、固定設置型無線応答装置1101乃至1103の無線応答装置識別情報がコア装置に送られることになる。移動端末201によってコア装置に送られる無線応答装置識別情報は、移動端末201の周辺の固定設置型或いは非固定設置型無線応答装置の存在を示すものであるから、収集された無線応答装置識別情報の違いは、移動端末201の通信方式や通信品質を決定する要因となるので、移動端末201からの応答要求信号(無線信号)の電力強度によって通信方式や通信品質が選択できるエリアの大きさを変化させることが出来ることを示している。なお、図2Aおよび図2Bにおいて、実線矢印は送信側が信号を送信していること及び受信側でその送信信号を受信でていることを示し、破線矢印は送信側が信号を送信しているが受信側ではその送信信号を受信することができなことを示している。
次に、通信規制の動作を説明する。図6は、図1に示した通信規制システムにおいて行われる通信方式の規制動作を説明するための図である。図6において、RFID−1〜3は、固定設置または非固定設置の無線応答装置である。MS、CN、DBはそれぞれ、移動端末、コア装置、通信方式判定装置である。
移動端末MSは、サービス実行の開始時に、周辺に散在する無線応答装置RFID−1〜3に応答要求信号を送出する。ここでは、無線応答装置RFID−1〜3のうち無線応答装置RFID−2および無線応答装置RFID−3が、移動端末MSとの無線通信が可能な距離に位置し、無線応答装置RFID−1は、移動端末MSとの無線通信ができない距離に位置するものと仮定する。
無線応答装置RFID−2および無線応答装置RFID−3のそれぞれは、移動端末MSからの応答要求信号を受信すると、自装置を識別可能な識別情報を含む応答信号を移動端末MSに返す。なお、移動端末MSからの応答要求信号は無線応答装置RFID−1には届かないため、無線応答装置RFID−1は、移動端末MSへ応答信号を返さない。図6において、実線の矢印で示した応答要求信号は、矢印の先にある装置に信号が到達し正常に受信できたことを示し、破線の矢印で示した応答要求信号は、矢印の先にある装置に到達せず、信号が正常に受信できなかったことを示す。応答要求信号が正常に到達するか否かは、移動端末MSと各無線応答装置RFID−1〜3との間の距離によって決まる。これを利用して、移動端末MSの近傍にある無線応答装置を特定することができる。
移動端末MSは、無線応答装置RFID−2、RFID−3からの信号を受信すると、受信した信号に含まれる無線応答装置識別情報を抽出し、これをコア装置CNに通知する。コア装置CNは、無線応答装置識別情報の通知を受けると、通信方式判定装置DBにその識別情報を含む通信方式/サービス制御の判定要求信号を送信する。
通信方式判定装置DBは、コア装置から受信した判定要求信号に含まれている識別情報に基づき、移動端末MSが存在する地理上の位置やその周辺の実体(具体的には、無線応答装置が取り付けられている物または人)の存在を認識する。ここで、通信方式判定装置DBは、移動端末MSの存在する空間的な位置において、使用可能な通信方式は何か、ユーザ端末が所望しているサービスは実行可能か、実行できるサービスは何か、といった判定を、データベースに予め格納されているそれら項目に関する情報(いずれも、無線応答装置識別情報と関連付けられて格納されている)と判定要求信号に含まれている識別情報とに基づいて行う。そして、通信方式判定装置DBは、その判定結果(サービス制御判定結果)をコア装置CNに返す。
コア装置CNは、通信方式判定装置DBからサービス制御判定結果を受信すると、移動端末MSに対して、実行可能な通信方式、通信品質、サービス制御などの情報を通知する。移動端末MSは、その通知内容に従う。例えば、通信方式が指定された場合は、その指定された通信方式を採用する移動端末のみが、通信可とされる。通信品質が指定された場合は、移動端末は、その指定された通信品質での通信が許可される。サービスが指定された場合は、移動端末は、その指定されたサービスでの通信が許可される。
上述の通信規制の動作によれば、無線応答装置の識別情報を所望の通信規制の内容と関連付けて通信方式判定装置のデータベースに登録しておくことで、その無線応答装置と所定の通信距離の範囲内に位置する移動端末に対して、データベースに登録した通信規制を実行することができる。これにより、周辺状況に応じた移動端末の通信規制が可能となる。例えば、所望の場所(または空間)において、アクセス方式(変調方式)を規制した場合は、データベースにおいて、無線応答装置の識別情報とその無線応答装置の周辺で使用可能なアクセス方式を関連付けて登録する。これにより、無線応答装置との無線通信が可能な範囲内に位置する移動端末は、データベースに登録されたアクセス方式の移動端末のみが通信を許可されることになる。無線応答装置の通信距離は数メートルと短いことから、この無線応答装置を複数配置することで、所望の形状のエリアを容易に形成することが可能である。
以上の通信規制は、様々なシチュエーションに適用可能であるが、各シチュエーションで動作が異なる。以下、具体的なシチュエーションにおける動作を説明する。
(1)移動端末を所持したユーザが、歩行によって、または車両等に搭乗することによって移動する場合の動作について説明する。
図3に、移動端末の移動状況と通信方式設定エリアの関係を示す概念図を示す。図3を参照すると、通信方式設定エリア801内に、固定設置型無線応答装置1101〜1105が配置され、通信方式設定エリア801の周辺に固定設置型無線応答装置1106〜1108が配置されている。
通信方式設定エリア801の内外で、移動端末201に対する通信規制が異なる。移動端末201が、通信方式設定エリア801外から通信方式設定エリア801内に移動する場合、その移動に伴って、制限される通信方式も変更される。
移動端末201は、一定の時間間隔で応答要求信号を要求しており、周辺の固定設置型または非固定設置型の無線応答装置から識別情報を取得することができるようになっている。以下、図3および図1を参照する。
移動端末201が、通信方式設定エリア801内に移動すると、固定設置型無線応答装置1101〜1105の少なくとも1つが、移動端末201からの応答要求信号に応じて、自装置の識別情報を含む応答信号を移動端末201に送信する。移動端末201は、その応答信号を受信すると、その受信応答信号に含まれている無線応答装置識別情報を無線基地局301、コア装置401を介して通信方式判定装置501に供給する。
通信方式判定装置501は、移動端末201から供給された無線応答装置識別情報に基づいてデータベースを検索することで、移動端末201が使用可能な通信方式が何であるかを判定し、その判定結果をコア装置401に供給する。コア装置401は、通信方式判定装置501からの判定結果に基づいて、移動端末201に対して通信方式の割り当てを行う。移動端末201では、コア装置401による通信方式の割り当てにしたがって、通信方式での使用可能なサービスまたはサービス品質/サービスグレードに沿ったサービスが実行される。
移動端末201が通信方式設定エリア801内から通信方式設定エリア801外に移動すると、移動端末201では、通信方式設定エリア801外に配置された固定設置型無線応答装置(例えば、固定設置型無線応答装置1106〜1108)からの識別情報が受信されることになる。よって、移動端末201に対して、その受信した無線応答装置識別情報に基づく通信規制が実行される。
(2)次に、非固定設置型無線応答装置を搭載した移動体(または、非固定設置型無線応答装置を所持した人)が移動端末を所持したユーザに接近してくる場合の動作について説明する。
図4に、使用可能な通信方式を変化させうる環境(または実体)との位置関係が変化する場合の状態を模式的に示す。ここで、使用可能な通信方式を変化させうる環境とは、移動端末の使用が好ましくないと考えられる環境であって、例えば、移動端末の電磁波放射による電磁エネルギーに対して敏感な電子機器装置(電磁エネルギーにより誤動作などの障害が発生する可能性のある電子機器)が移動端末に接近して来る場合がそれにあたる。
図4を参照すると、固定設置型無線応答装置1101〜1104が移動端末201の周辺に配置されている。この状態では、移動端末201は、固定設置型無線応答装置1101〜1104の少なくとも1から受信した無線応答装置識別情報を通信方式判定装置(図1の501)に供給する。そして、通信方式判定装置501がその無線応答装置識別情報に基づいて通信方式を判定し、コア装置(図1の401)が、移動端末201に対して、その判定された通信方式を割り当てる。
上記の状態において、移動端末201から離れた場所に位置していた非固定設置型無線応答装置1151〜1155が移動端末201に接近して来ると、移動端末201から一定の時間間隔で送出された応答要求信号が、非固定設置型無線応答装置1151〜1155の少なくとも1つの装置にて受信される。移動端末201の周辺に位置する固定設置型無線応答装置においても、応答要求信号が受信される。
応答要求信号を受信した固定設置型および非固定設置型の無線応答装置は、自端末の識別情報を含む応答信号を移動端末201に送信する。移動端末201は、固定設置型および非固定設置型の両無線応答装置から受信した応答信号に含まれている無線応答装置識別情報を通信方式判定装置501に供給する。通信方式判定装置501は、移動端末201から供給された無線応答装置識別情報に基づいて移動端末201が使用可能な通信方式を判定する。この通信方式の判定において、通信方式判定装置501は、非固定設置型無線応答装置からの識別情報に基づく判定を優先する。こうして判定した通信方式がコア装置401に供給されて、移動端末201の通信規制が行われる。
なお、通信方式の判定における優先制御は、例えば、通信方式判定装置501のデータベースに無線応答装置識別情報と一緒に判定の優先度を示す情報を格納しておくことで実現することができる。
(3)次に、移動端末に対する規制状況が時間帯によって変化する場合について説明する。
図5に、固定エリアにおいて、移動端末に対して割り当てられる使用可能な通信方式が時間帯によって変化する状態を模式的に示す。図5中、(a)はある時間帯における規制状況を示し、(b)は、(a)に示す状況とは時間帯の異なる規制状況を示す。
図5の(a)および(b)のいずれの状況も、通信方式設定エリア801内に固定設置型無線応答装置1101〜1105が配置されており、移動端末201が、通信方式設定エリア801内に位置している状態である。
移動端末201は、通信サービスを開始しようとする際、周辺に存在する固定設置型無線応答装置1101〜1105に対して応答要求信号を送出する。固定設置型無線応答装置1101〜1105の少なくとも1つの装置が、移動端末201からの応答要求信号を受信し、自端末の識別情報を含む応答信号を移動端末201に送信する。移動端末201は、応答信号を受信すると、この受信応答信号に含まれている無線応答装置識別情報を通信方式判定装置(図1の501)に送信する。通信方式判定装置501は、移動端末201から供給された無線応答装置識別情報に基づいて移動端末201が使用可能な通信方式を判定する。通信方式判定装置501のデータベースには、時間帯別に、無線応答装置識別情報と利用可能な通信方式が関連付けられて格納されている。通信方式判定装置501は、自装置内に設けられた時計機能(現在時刻を提供可能な機能)から現在の時刻を取得し、該時刻と移動端末201から供給された無線応答装置識別情報に基づいてデータベースを参照して通信方式を決定する。
同じ場所で、上記とは異なる時間帯において、移動端末201が固定設置型無線応答装置1101〜1105の少なくとも1つの装置から識別情報を含む応答信号を受信し、該応答信号に含まれている無線応答装置識別情報を通信方式判定装置501に送信する。通信方式判定装置501は、移動端末201から供給された無線応答装置識別情報と現在時刻とに基づいてデータベースを参照して、移動端末201が現時点で使用可能な通信方式を決定する。
上述した通信方式の判定によれば、同じ場所において、時間帯別に、異なる通信方式を設定することができる。同様に、通信品質やサービスを時間帯別に設定することもできる。例えば、演奏や演技が行われている時間帯において、サービスの実行を規制するようにすれば、その時間帯において、移動端末はサービスを実行不能となる。
以上の通信規制は、車両等の移動物体内において、優先席等のある特定のエリアに移動端末の通信による影響を受ける電子機器を所持している人(または、電子機器が取り付けられている人)が居る場合、移動端末の使用を禁止し、そうでない場合には、移動端末を用いることを許可するような状況に適用することができる。また、コンサートホールや演劇会場等における様に、演奏または演技が行われている時間帯は、移動端末の使用を禁止し、それ以外の時間帯は、移動端末の使用を許可する場合にも、本例の通信規制を適用することができる。また、電磁放射に敏感な電子装置が動作している時間帯は、移動端末の使用を禁止し、それ以外の時間帯は、移動端末の使用を許可する場合にも、本例の通信規制を適用することができる。
(4)次に、複数の固定設置型無線応答装置の位置関係から移動端末が通信規制エリア内外にあるか否かを判定して通信規制を行う場合の動作を説明する。
図7に、通信規制エリアにおける無線応答装置の配置例を示す。図7を参照すると、通信規制エリア801内には、固定設置型無線応答装置1101〜1112が一様に配置されており、通信規制エリア801内のどの場所においても、移動端末は、固定設置型無線応答装置1101〜1112のうちの少なくとも1つの無線応答装置との間で無線通信が可能である。通信規制エリア801外には、固定設置型無線応答装置1120〜1128が配置されている。通信方式判定装置(図1の501)のデータベースには、固定設置型無線応答装置1101〜1112、1120〜1128のそれぞれの通信規制エリア801との位置関係を示す情報(通信規制エリアを形成する固定設置型無線応答装置の情報とそれ以外の固定設置型無線応答装置の情報)が、それぞれの識別情報と関連付けられて格納されるとともに、通信規制エリア801内において利用可能な通信方式の内容が格納されている。
通信規制エリア801内の移動端末201は、固定設置型無線応答装置1105、1106との無線通信が可能な距離に位置するが、他の固定設置型無線応答装置とは無線通信を行うことができない距離に位置する。この場合は、移動端末201は、固定設置型無線応答装置1105、1106からの応答信号を受信し、この受信した応答信号に含まれている識別情報を通信方式判定装置に送信する。
通信方式判定装置501は、移動端末201から供給された無線応答装置識別情報に基づいてデータベースを参照して、移動端末201が通信規制エリア801内に位置するか否かを判断する。この場合は、移動端末201からの識別情報は、通信規制エリア801内に位置する固定設置型無線応答装置1105、1106の識別情報であるので、通信方式判定装置501は、移動端末201が通信規制エリア801内に位置すると判断し、データベースに登録されている通信規制エリア801内で利用可能な通信方式をコア装置(図1の401)に送信する。コア装置401は、通信方式判定装置501から供給された通信方式にしたがって、移動端末201に対する通信規制を行う。
通信規制エリア801内の移動端末202は、固定設置型無線応答装置1111との無線通信が可能な距離に位置するが、他の固定設置型無線応答装置とは無線通信を行うことができない距離に位置する。この場合は、移動端末202は、固定設置型無線応答装置1111からの応答信号を受信し、この受信した応答信号に含まれている識別情報を通信方式判定装置に送信する。
通信方式判定装置501は、移動端末202から供給された無線応答装置識別情報に基づいてデータベースを参照して、移動端末202が通信規制エリア801内に位置するか否かを判断する。この場合は、移動端末202からの識別情報は、通信規制エリア801内に位置する固定設置型無線応答装置1111の識別情報であるので、通信方式判定装置501は、移動端末202が通信規制エリア801内に位置すると判断し、データベースに登録されている通信規制エリア801内で利用可能な通信方式をコア装置401に送信する。コア装置401は、通信方式判定装置501から供給された通信方式にしたがって、移動端末202に対する通信規制を行う。
通信規制エリア801外の移動端末203は、固定設置型無線応答装置1127との無線通信が可能な距離に位置するが、他の固定設置型無線応答装置とは無線通信を行うことができない距離に位置する。この場合は、移動端末203は、固定設置型無線応答装置1127からの応答信号を受信し、この受信した応答信号に含まれている識別情報を通信方式判定装置に送信する。
通信方式判定装置501は、移動端末203から供給された無線応答装置識別情報に基づいてデータベースを参照して、移動端末203が通信規制エリア801内に位置するか否かを判断する。この場合は、移動端末203からの識別情報は、通信規制エリア801外に位置する固定設置型無線応答装置1127の識別情報であるので、通信方式判定装置501は、移動端末203が通信規制エリア801内に位置していないと判断し、コア装置401への通信方式の提供は行わない。これにより、移動端末203は、通信規制エリア801内において設定された通信方式による規制を受けることはない。
通信規制エリア801外の移動端末204は、固定設置型無線応答装置1120との無線通信が可能な距離に位置するが、他の固定設置型無線応答装置とは無線通信を行うことができない距離に位置する。この場合は、移動端末204は、固定設置型無線応答装置1127からの応答信号を受信し、この受信した応答信号に含まれている識別情報を通信方式判定装置に送信する。
通信方式判定装置501は、移動端末204から供給された無線応答装置識別情報に基づいてデータベースを参照して、移動端末204が通信規制エリア801外内に位置するか否かを判断する。この場合は、移動端末204からの識別情報は、通信規制エリア801外に位置する固定設置型無線応答装置1120の識別情報であるので、通信方式判定装置501は、移動端末204が通信規制エリア801内に位置していないと判断し、コア装置401への通信方式の提供は行わない。これにより、移動端末204は、通信規制エリア801内において設定された通信方式による規制を受けることはない。
なお、通信規制エリア801の境界付近では、エリア内に配置された固定設置型無線応答装置からの無線がエリア外にも届いているが、図7に示した配置では、通信規制エリア801外に位置する固定設置型無線応答装置からの無線はエリア内に届かないようになっている。したがって、通信方式判定装置は、移動端末から供給された識別情報に、通信規制エリア801外に位置する固定設置型無線応答装置の識別情報が含まれている場合は、移動端末が通信規制エリア801外に位置すると判断することになる。
図7に示した配置において、通信方式判定装置のデータベース上で、固定設置型無線応答装置と通信規制エリアの位置関係(通信規制エリアを形成する固定設置型無線応答装置の情報とそれ以外の固定設置型無線応答装置の情報)を登録することで、任意の固定設置型無線応答装置により通信規制エリアを形成することができる(通信規制エリアの範囲の変更)。
図8に、図7に示した通信規制エリアとは形状の異なる通信規制エリアを示す。図8を参照すると、固定設置型無線応答装置1101〜1108により通信規制エリア802が形成されている。他の固定設置型無線応答装置は、通信規制エリア802外に位置する。
通信方式判定装置501のデータベースには、固定設置型無線応答装置1101〜1108の識別情報が、通信規制エリア802を構成する情報として格納され、それ以外の固定設置型無線応答装置の識別情報は、通信規制エリア802外に位置する装置の情報として格納されている。さらに、データベースには、通信規制エリア802内において利用可能な通信方式の内容も格納されている。
通信規制エリア801内の移動端末201は、固定設置型無線応答装置1105、1106との無線通信が可能な距離に位置するが、他の固定設置型無線応答装置とは無線通信を行うことができない距離に位置する。この場合は、移動端末201は、固定設置型無線応答装置1105、1106からの応答信号を受信し、この受信した応答信号に含まれている識別情報を通信方式判定装置に送信する。
通信方式判定装置501は、移動端末201から供給された無線応答装置識別情報に基づいてデータベースを参照して、移動端末201が通信規制エリア802内に位置するか否かを判断する。この場合は、移動端末201からの識別情報は、通信規制エリア802内に位置する固定設置型無線応答装置1105、1106の識別情報であるので、通信方式判定装置501は、移動端末201が通信規制エリア802内に位置すると判断し、データベースに登録されている通信規制エリア802内で利用可能な通信方式をコア装置401に送信する。コア装置401は、通信方式判定装置501から供給された通信方式にしたがって、移動端末201に対する通信規制を行う。
通信規制エリア802外の移動端末202は、固定設置型無線応答装置1111との無線通信が可能な距離に位置するが、他の固定設置型無線応答装置とは無線通信を行うことができない距離に位置する。この場合は、移動端末202は、固定設置型無線応答装置1111からの応答信号を受信し、この受信した応答信号に含まれている識別情報を通信方式判定装置501に送信する。
通信方式判定装置501は、移動端末202から供給された無線応答装置識別情報に基づいてデータベースを参照して、移動端末202が通信規制エリア802内に位置するか否かを判断する。この場合は、移動端末202からの識別情報は、通信規制エリア801外に位置する固定設置型無線応答装置1111の識別情報であるので、通信方式判定装置501は、移動端末202が通信規制エリア802内に位置していないと判断し、コア装置401への通信方式の提供は行わない。これにより、移動端末202は、通信規制エリア802内において設定された通信方式による規制を受けることはない。
図7および図8に示した通信規制エリア801、802は、同一の場所において異なる時間帯に設定される通信規制エリアとしてもよい。
また、通信規制エリア801、802内で通信方式を規制しているが、これとは反対に、通信規制エリア801、802外において通信方式を規制するようにしてもよい。
図7および図8に示した無線応答装置の配置位置および数は一例であり、他の配置および数であってもよい。
また、無線応答装置の無線通信距離は異なっていてもよい。
さらに、図7および図8において、無線応答装置の到達範囲を便宜上平面的な円形形状で表しているが、実際には立体的な球形形状となる。
次に、通信規制エリアの形状を変更する場合における、データベース上に格納されるデータ構造を説明する。
図9に、図7に示した通信規制エリア801をさらに2つの規制エリアに分割した場合のデータベースのデータ構造を示す。図9において、(a)は無線応答装置の配置状況を示し、(b)は、通信規制エリアを分割するエリア郡と無線応答装置の識別情報(ID番号)が関連付けられて格納された第1のテーブルを示し、(c)は、エリア群の種別とサービス群の種別が関連付けて格納された第2のテーブルを示す。
図9(a)に示す配置状況によれば、通信規制エリア801は、エリア群1、2に分割されている。これらエリア群1、2は、それぞれでエリア内において通信方式の規制が行われる。エリア群1、2における通信規制は、異なる時間帯で行ことができる。図9(b)に示した第1のテーブルを参照することで、通信規制エリア801内に配置された固定設置型無線応答装置の識別情報(ID番号)からエリア群1、2のそれぞれを形成する固定設置型無線応答装置を判断することができる。図9(c)に示した第2のテーブルを参照することで、エリア群1、2のそれぞれで利用可能なサービス群を判断することができる。
通信方式判定装置は、上記の第1のテーブルを参照して、移動端末からの識別情報からその移動端末がエリア群1、2のどちらのエリアに位置するかを判断する。そして、通信方式判定装置は、その判断したエリア群内において利用可能なサービスを上記の第2のテーブルを参照して判断する。
ここでは、通信規制エリア801は、ある建物の中のフロア部分を示すものであり、エリア群は、ある建物の中のフロア部分を仕切り壁やパーティションなどで一時的に仕切った場所を示す。ある時間帯において、通信規制エリア801は、図9(a)に示すようなエリア群1、2に仕切られる。通信規制エリア801であるフロア内には、図7に示したように、複数の無線応答装置が床面、天井壁面或いは机等に設置又は装着される。
図10に、図9の例とは異なる時刻での通信規制エリアの配置状況とそのデータベースのデータ構造を示す。図10において、(a)は無線応答装置の配置状況を示し、(b)は、通信規制エリアを分割するエリア郡と無線応答装置の識別情報(ID番号)が関連付けられて格納された第1のテーブルを示し、(c)は、エリア群の種別とサービス群の種別が関連付けて格納された第2のテーブルを示す。
図10の例では、エリア群1、2の大きさの関係が、図9に示した例とは異なる。この場合も、図10(b)に示した第1のテーブルを参照することで、通信規制エリア801内に配置された固定設置型無線応答装置の識別情報(ID番号)からエリア群1、2のそれぞれを形成する固定設置型無線応答装置を判断することができる。図10(c)に示した第2のテーブルを参照することで、エリア群1、2のそれぞれで利用可能なサービス群を判断することができる。
通信方式判定装置は、上記の第1のテーブルを参照して、移動端末からの識別情報からその移動端末がエリア群1、2のどちらのエリアに位置するかを判断する。そして、通信方式判定装置は、その判断したエリア群内において利用可能なサービスを上記の第2のテーブルを参照して判断する。
ある時間帯で、図9の配置状況とされ、他の異なる時間帯で、図10の配置状況とされる。これら図9の配置状況から図10の配置状況への変更は、第1および第2のテーブルの内容を書き換えることで容易に実現することができる。
図9および図10に示した通信規制は、例えば、ある部屋あるグループが行っていた会議が終了し、その後、他のグループがその部屋の広さと形状を変更する場合に適用することができる。また、ある時点における列車内での使用可能な通信方式或いは適用可能なサービス、例えば都内を走行していた場合と郊外を走行していた場合に移動端末が使用できるサービスを異ならせる場合にも適用することができる。
図11から図14に、図9および図10に示した第1および第2のテーブルの具体的な内容を示す。
図11(a)に示す第1のテーブルには、無線応答装置の識別情報がエリア群種別と関連付けられて格納され、図11(b)に示す第2のテーブルには、エリア群種別がそのエリア群内で使用可能な通信方式/サービスの種別と関連付けられて格納されている。これら第1および第2のテーブルを参照することで、無線応答装置の位置する場所がどのエリア群に属するのかを知ることができ、そのエリア群において使用可能な通信方式或いは適用可能なサービスを知ることができる。
エリア群毎に使用可能な通信方式が複数ある場合、或いは適用可能なサービスが複数ある場合には、これを格納するためにテーブルリンクをもう一段階加えた形式とすることも可能である。この場合は、第2のテーブルの内容は、複数の通信方式または複数の適用可能サービスを索引するための通信方式または適用可能サービスの種別の索引番号を含んでいてもよい。
図12に、図11(b)に示した第2のテーブルが通信方式或いは適用可能サービス種別の索引番号を含んでいる場合を示す。図12(a)に示すテーブルには、通信方式または適用可能サービスの種別の索引番号が通信方式またはサービスの種別のリスト番号と関連付けられて格納されている。図12(b)に示すテーブルには、サービス種別が通信方式またはサービスの種別のリストと関連付けられて格納されている。これらテーブルを参照するとことで、通信方式または適用可能サービスの種別の索引番号から通信方式またはサービスの種別のリスト番号を知ることができ、そのリスト番号から通信方式またはサービスの種別を知ることができる。
図11および図12において、「通信/サービス種別」とは、端末ユーザが、使用可能な通信方式または適用可能サービスを示す。適用可能サービスは、例えば電話サービス、メールサービス、Webアクセスといったサービスのうち、該当エリア群内でしようが許可されているサービスを示す。また、通信方式は、移動端末と無線基地局との間の通信方式を規定したもので、変調方式(CDMAやTDMAなどのアクセス方式)を含む。
図13に、通信/サービス種別の一例を示す。この図7に示すテーブルでは、通信/サービス種別と具体的なサービスおよび通信の通信条件が関連付けられて格納されている。通信条件は、例えば、最大/平均送信電力量、送信時間の連続性/間欠性、変調方式、周波数帯域、変調方式、サービス(音声/テキスト)、最大伝送速度などである。このテーブルを参照することで、エリア群内に在圏する移動端末が、どのような通信条件で使用できるのかを知ることができる。
ここで、変調方式は、例えばFDMA、TDMA、CDMA(符号分割多重)等である。送信電力量は、移動端末からの電波の強度を示し、これは移動端末の周辺にある電子機器に対する電磁的影響にも関係する。また、送信電力量は、CDMA方式においては、拡散率に関連して送信電力が変化するために、送信されるデータの伝送速度に関係する。
また、送信電力量は、CDMA方式においては、拡散率に関連して送信電力が変化するために、送信されるデータの伝送速度に関係する。これによって導出されるデータ伝送速度は、ユーザが享受するサービス種別およびサービス品質にも関連する。例えば、規定される伝送速度が移動端末で生成される符号化音声の速度より高い場合には、通常の音声通話は可能とされるが、低い場合には、ユーザの音声を即時に送ることは出来ず、一旦、蓄積した後に、所望のデータ伝送速度で送信する、という形態になる。これは、通信の実時間性という観点において、サービス品質が変化することになる。このような場合は、音声通信で行うことを諦めて、テキストで送るという手段を選択することで、規定されたデータ伝送速度での通信を行うことができる(サービス種別の導出)。
また、間欠送信可能か否かという属性は、間欠的に電磁放射が行われることによって電磁波エネルギーがパルス的に生成されることによる電子機器の誤動作を与えるか否かに関連し、その時間間隔が電子機器の動作特性に関係するために必要である。
従来の携帯端末において使用されている変調方式や通信方式は当初単一であったが、端末の機構として複数の変調方式を組み込むことが可能となってきた。例えば、PHS(Personal Handyphone System)はTDMA(時分割多重)という通信方式を採用しており、日本における第二世代携帯システムであるPDC(Personal Digital Cellular)はTDMA変調方式を採用している。両者は、TDMAという観点では同一であるが、時間的なパラメータや上下方向の通信チャネルの構成等は異なっている。これら二つの通信方式が一つの端末に組み込まれた端末は、既に存在しており、このような端末はDualMode端末或いはMulti−Mode端末と呼ばれている。Dual Mode端末或いはMulti−Mode端末が想定する通信方式の組み合わせには様々な形態が存在するが、例えばPHSや第二世代携帯システムに代表されるTDMA方式、第三世代携帯システムに用いられているCDMA方式が用いられ、無線LANには、CDMAやOFDMが用いられている。
本発明で着目している通信方式は、端末からの送信エネルギーや使用されている周波数帯域等によって周辺の電子装置が如何に影響を受けるかということが重要であり、FDMAやTDMAの様な狭帯域方式、CDMAの様な広帯域方式の違い、又、端末からの無線信号を受信する基地局と端末との距離に係る端末の送信電力の違いに関係している。Dual Mode或いはMulti−Modeという能力を有している端末であれば、周辺状況に応じた適切な通信方式を選択することが可能であり、従来であれば一意的に許可されなかったサービスが実行できるようになることが本発明の有用性の1つである。
図14に、非固定的無線応答装置の属性に関する情報を格納しているテーブルの一例を示す。図14(a)に示す第1のテーブルは、無線応答装置識別情報(応答装置識別番号)と装置種別番号の関係を示す、図14(b)に示す第2のテーブルは、装置種別番号と各装置(補聴器、ペースメーカなど)の関係を示す。第2のテーブルには、非固定的無線応答装置の使用者の疾患に関する情報も格納されている。図4に示した状況において、通信方式判定装置501は、これら第1および第2テーブルを参照して、非固定的無線応答装置の使用者の周辺に位置する移動端末の通信方式を判定することができる。
(5)次に、複数の無線応答装置を立体的に配置する場合について説明する。
図15に、一階フロアの一部と二階フロアの一部および階段部分を通信規制エリアとする場合の無線応答装置の配置状況を模式的に示す。図15を参照すると、複数の固定設置型無線応答装置1101が一階フロアの一部の床面や壁面に配置され、複数の固定設置型無線応答装置1102が階段部分に配置され、複数の固定設置型無線応答装置1103が二階フロアの一部の床面や壁面に配置されている。これら固定設置型無線応答装置1101〜1103が配置されたエリアが通信規制エリアである。移動端末201、202を所持しているユーザは、通信規制エリアを通ってフロア間を移動する。
通信方式判定装置のデータベースに、固定設置型無線応答装置1101〜1103の識別情報と通信規制エリア内で利用可能な通信方式(または通信品質、サービス)を関連付けて登録することで、通信規制エリア内において、移動端末201、202に対する通信規制を行うことができる。
図15に示したような通信規制エリアの設定においては、一つ又は少数の複数の妨害電波発生装置によって形成される従来の手法における規制エリアの形状よりも、遥かに精密なエリア形状を形成可能である。
なお、データベースに、固定設置型無線応答装置1101〜1103の識別情報別に異なる通信方式(または通信品質、サービス)を登録することで、一階フロアの一部、二階フロアの一部、階段部分のそれぞれで、異なる通信方式による規制を行うことができる。
上記の説明において、通信規制エリアは、空間的に連続するエリアとしているが、これに限定されるものではなく、固定設置型無線応答装置1101〜1103別に、通信規制エリアを設け、各エリアが空間的に分離されていてもよい。この場合は、フロアーのより狭いエリア(特定のスポット)において、通信方式の規制が行われる。このような特定スポットにおける通信規制は、発着信制御基地局を少数配置する従来の手法では行うことはできない。
(6)次に、列車等の移動物体内に通信規制エリアを形成する場合について説明する。
図16に、列車等の車両内に通信規制エリアを設ける場合の固定設置型無線応答装置の配置状況を模式的に示す。図16を参照すると、固定設置型無線応答装置1101、1102より形成された第1の通信規制エリアと、固定設置型無線応答装置1201〜1205より形成された第2の通信規制エリアとを含む。固定設置型無線応答装置1101、1102、1201〜1205は、車両内の座席、支柱、床、天井などに設置されている。
通信方式判定装置(図1の501)のデータベースには、固定設置型無線応答装置1101、1102の各識別情報と第1の通信規制エリア内で利用可能な通信方式の内容が関連付けられて格納され、固定設置型無線応答装置1201〜1205の各識別情報と第2の通信規制エリア内で利用可能な通信方式の内容が関連付けられて格納されている。
第1の通信規制エリア内に位置する移動端末201は、通信開始時に、固定設置型無線応答装置1101、1102に対して応答要求信号を送信する。固定設置型無線応答装置1101、1102のそれぞれは、移動端末201からの応答要求信号を受信すると、自装置の識別信号を含む応答信号を移動端末201に送信する。移動端末201は、固定設置型無線応答装置1101、1102からの応答信号を受信すると、その受信した応答信号に含まれている識別情報を通信方式判定装置501に供給する。通信方式判定装置501は、移動端末201から供給された無線応答装置識別情報に基づいてデータベースを参照して通信方式を判定し、その判定結果をコア装置(図1の401)に供給する。コア装置401は、通信方式判定装置501からの判定結果に基づいて移動端末201に対する通信規制を行う。
上記と同様に、第2の通信規制エリア内に位置する移動端末202も、通信開始時に、固定設置型無線応答装置1201〜1205のすくなくとも1つから識別情報を取得し、その識別情報を通信方式判定装置501に供給する。通信方式判定装置501は、移動端末202から供給された無線応答装置識別情報に基づいてデータベースを参照して通信方式を判定し、その判定結果をコア装置401に供給する。コア装置401は、通信方式判定装置501からの判定結果に基づいて移動端末202に対する通信規制を行う。
第1および第2の通信規制エリアにおいて利用可能とされる通信方式は、同じであっても、異なっていてもよい。車両内に設定する通信規制エリアの数は、3つ以上であってもよい。
上記の図16に示した例は、車両内に固定設置型無線応答装置のみが存在する場合であるが、これに、非固定設置型無線応答装置が存在するようなケースもある。図17に、非固定設置型無線応答装置が存在する場合の状況を模式的に示す。
図17を参照すると、車両内には図16に示した第1および第2の通信規制エリアが設定されており、第1の通信規制エリア内に、移動端末201を所持したユーザと、非固定設置型無線応答装置1151を所持した者(具体的には、心臓ペースメーカを埋め込んだ人や電子式補聴器を装着している人)が居る。通信方式判定装置501のデータベースには、非固定設置型無線応答装置1151の識別情報と非固定設置型無線応答装置1151の周辺で利用可能な通信方式の内容とが関連付けられて格納されるとともに、この格納された通信規制情報が他の通信規制の情報より優先される旨の指定がなされる。
非固定設置型無線応答装置1151は、移動端末201からの応答要求信号を受信すると、自装置の識別信号を含む応答信号を移動端末201に供給する。移動端末201は、非固定設置型無線応答装置1151からの応答信号を受信すると、その受信した応答信号に含まれている識別情報を通信方式判定装置501に供給する。通信方式判定装置501は、移動端末201から供給された無線応答装置識別情報に基づいてデータベースを参照して通信方式を判定する。この判定では、優先指定されている非固定設置型無線応答装置1151の識別情報に関する通信方式が選択される。この判定結果は、コア装置401に供給される。コア装置401は、通信方式判定装置501からの判定結果に基づいて移動端末201に対する通信規制を行う。この動作により、非固定設置型無線応答装置1151を所持した者の周辺に位置する移動端末に対しては、心臓ペースメーカや電子式補聴器に対して影響のない通信方式のみが許可される。この許可された通信方式以外の移動端末は、通信を行うことはできない。
図17に示した無線応答装置の配置状況によれば、電波放射によって被害を受ける人が存在しない場合においては、第1の通信規制エリア内で許可されている通信方式が実行可能となる。これにより、電波放射によって被害を受ける人が居ないにも関わらず、心臓ペースメーカや電子式補聴器に対して影響のない通信方式のみに通信規制される、という状況を回避することができる。
なお、図17に示した例において、非固定設置型無線応答装置1151を人ではなく、車両内の優先席付近に配置してもよい。この場合は、上記の回避はできなくなるが、優先席付近に位置する移動端末に対して通信規制を行うことができるので、非固定設置型無線応答装置を持たない、心臓ペースメーカや電子式補聴器の使用者に対する保護が可能となる。
また、図17に示した状況において、通信方式判定装置501は、図14に示した第1および第2テーブルを参照して、非固定的無線応答装置の使用者の周辺に位置する移動端末の通信方式を判定することができる。これにより、列車内等において所定の位置にいる人が電磁エネルギー放射に敏感な電子機器が存在している場合に適切な規制をおこなうことができる。具体的には、心臓ペースメーカの使用者が非固定設置型無線応答装置1151を持っている場合に、心臓ペースメーカが誤動作する無線強度を算出するために、心臓ペースメーカの製造者から得られる機器の動作条件、雑音耐性等の情報に基づき、図14に示した第1および第2テーブルを作成する。これらテーブルによる通信方式の判定は他のテーブル(例えば図9に示したテーブル)による通信方式の判定より優先する。なお、図9のテーブルを用いてサービスが禁止されていたと判定されても、図14のテーブル検索によって、電磁エネルギー放射に敏感な電子機器の使用者がその近辺にいないと判断した場合には、サービスが許容されるようにしてもよい。
(7)次に、コンサートホールや演劇場等の施設における適用例を説明する。
図18に、コンサートホールの一例を示し、図19に、その施設における固定設置型無線応答装置の配置状況を模式的に示す。
図18を参照すると、コンサートホールには、舞台および複数の座席が配置されている。コンサートホール内に位置する移動端末201〜203に対して、使用可能な通信方式またはサービスを規制する。具体的には、コンサートが行われている時間にのみ通信サービスを行うことができないような設定とする。ただし、コンサートホール外では、移動端末は通信規制を受けることはない。
図19を参照すると、コンサートホール内の各座席に固定設置型無線応答装置1101〜1108が設置されている。さらに、コンサートホールの壁面に、固定設置型無線応答装置1201〜1210が設置されている。固定設置型無線応答装置1101〜1104は前列の座席に配置され、固定設置型無線応答装置1105〜1108は、後列の座席に配置されている。
通信方式判定装置(図1の501)のデータベースには、固定設置型無線応答装置1101〜1108、1201〜1210の各識別情報とコンサートホール内で利用可能な通信方式およびその実行時間帯の情報が関連付けられて格納されている。
コンサートホール内に位置する移動端末201〜203のぞれぞれは、周囲の固定設置型無線応答装置に対して、一定の時間間隔で応答要求信号を送信する。移動端末201〜203の周辺の固定設置型無線応答装置は、移動端末201〜203からの応答要求信号を受信すると、自装置の識別情報を含む応答信号を移動端末201〜203に送信する。
移動端末201〜203のぞれぞれは、周辺の固定設置型無線応答装置から応答信号を受信すると、該受信した応答信号に含まれている識別情報を通信方式判定装置501に供給する。通信方式判定装置501は、移動端末201〜203から供給された識別情報に基づいてデータベースを参照して通信方式を判定する。この通信方式の判定において、通信方式判定装置501は、自装置内の時計機能を用いて、まず現在時刻情報を取得し、その現在時刻がデータベースに登録された指定時間帯であるか否かを判断する。現在時刻が指定時間帯である場合にのみ、登録された通信方式をコア装置(図1の401)に供給する。コア装置401は、通信方式判定装置501から供給された通信方式に従って移動端末201〜203に対する通信規制を実行する。
なお、データベースにおいて、前列の座席に配置された固定設置型無線応答装置1101〜1104の識別情報、後列の座席に配置された固定設置型無線応答装置1105〜1108の識別情報、コンサートホールの壁面に配置された固定設置型無線応答装置1201〜1210の識別情報に対してそれぞれ異なる通信方式を登録してもよい。このように構成することで、座席列別に異なる通信方式を規定したり、立ち見客やホール内を歩行中の観客が使用可能な通信方式を規定したりすることができる。
なお、移動端末を所持している人がホール外に出た場合は、その移動端末とホール外に設けられた固定設置型無線応答装置との間で通信を行うことで、通常の通信サービスが行われるように構成しておく。
座席に設置されている固定設置型無線応答装置1101〜1108は、本通信規制システムの管理・運用者が設置したものであっても、コンサートホールの管理・運用者が設置したものであってもよい。後者の場合は、座席誘導システム(チケットの番号から視聴者の席を誘導するシステム)のために設置される無線応答装置を借用/代用する形態となる。
以上説明したように、本通信規制システムは、様々な形態に適用可能である。また、通信規制エリアにおいて、利用可能とされる通信は、通信方式、通信品質、サービスなど様々である。
次に、移動通信システムの無線基地局カバレッジエリアと通信規制エリアの関係について説明する。
図20に、本実施形態の通信規制システムにおける無線基地局カバレッジエリアと通信規制エリアの関係を模式的に示す。図20を参照すると、無線基地局301の無線基地局カバレッジエリア901と無線基地局302の無線基地局カバレッジエリア902が隣接して配置されている。カバレッジエリア901内には、固定設置型無線応答装置1101〜1106が配置され、カバレッジエリア902内には、固定設置型無線応答装置1107〜1110が配置されている。固定設置型無線応答装置1101〜1103により通信規制エリア801が形成され、固定設置型無線応答装置1104〜1108により通信規制エリア802が形成されている。このように、無線基地局カバレッジエリア内に、任意の形状の通信規制エリアを構成できる。したがって、本実施形態の通信規制システムによれば、移動通信しシステムの無線基地局の配置状態に制約を受けることなく、通信規制エリアを設定することができる。
(実施形態2)
通信規制システムを運用する事業者は、企業の社屋内、コンサートホール、列車内等の局所的な場所の事情を認識することは困難であり、また、それら内部の事情の変化に追随することは、処理または管理が非常に煩雑となる。よって、コア側の通信方式判定装置とは別に、局所的な場所に、通信方式判定装置を設置することが望ましい。ここでは、通信方式判定装置を分散配置した形態について説明する。
図21は、本発明の第2の実施形態である通信規制システムの概略構成を示すブロック図である。本実施形態の通信規制システムは、通信方式判定装置501とは別の通信方式判定装置502を有する点が、第1の実施形態の通信規制システムと異なる。これ以外の構成は、基本的には、第1の実施形態の通信規制システムと同じであるので、ここでは、特徴となる構成および動作を中心に説明する。
図21を参照すると、無線基地局301、302のサービスエリア901内に、固定設置型無線応答装置1101〜1104が配置されており、これら固定設置型無線応答装置1101〜1104により通信規制エリア801が形成されている。通信方式判定装置502は、通信規制エリア801内に配置されており、通信方式判定装置501とネットワークを介して接続されている。通信規制エリア801は、例えば、企業の社屋内、コンサートホール内、列車内等に対応する。通信方式判定装置502は、固定設置型無線応答装置1101〜1104の各識別情報と通信規制エリア801内で利用可能な通信方式の情報が関連付けられて格納されたデータベースを有する。
図22に、図21に示した通信規制システムの動作を示す。図22において、RFID−1〜3は、固定設置型無線応答装置1101〜1104のいずれかに対応する。MS、CN、L_DB。T_DBはそれぞれ、移動端末201、コア装置401、通信方式判定装置502、通信方式判定装置501に対応する。
移動端末MSは、サービス実行の開始時に、周辺に散在する無線応答装置RFID−1〜3に応答要求信号を送出する。ここでは、無線応答装置RFID−1〜3のうち無線応答装置RFID−2および無線応答装置RFID−3が、移動端末MSとの無線通信が可能な距離に位置し、無線応答装置RFID−1は、移動端末MSとの無線通信ができない距離に位置するものと仮定する。
無線応答装置RFID−2および無線応答装置RFID−3のそれぞれは、移動端末MSからの応答要求信号を受信すると、自装置を識別可能な識別情報を含む応答信号を移動端末MSに返す。なお、移動端末MSからの応答要求信号は無線応答装置RFID−1には届かないため、無線応答装置RFID−1は、移動端末MSへ応答信号を返さない。図22において、実線の矢印で示した応答要求信号は、矢印の先にある装置に信号が到達し正常に受信できたことを示し、破線の矢印で示した応答要求信号は、矢印の先にある装置に到達せず、信号が正常に受信できなかったことを示す。応答要求信号が正常に到達するか否かは、移動端末MSと各無線応答装置RFID−1〜3との間の距離によって決まる。これを利用して、移動端末MSの近傍にある無線応答装置を特定することができる。
移動端末MSは、無線応答装置RFID−2、RFID−3からの応答信号を受信すると、受信した応答信号に含まれる無線応答装置識別情報を抽出し、これをコア装置CNに通知する。コア装置CNは、無線応答装置識別情報の通知を受けると、通信方式判定装置T_DBにその識別情報を含むサービス制御判定要求信号を送信する。
通信方式判定装置T_DBは、コア装置から受信した判定要求信号に含まれている識別情報を通信方式判定装置L_DBに供給する。通信方式判定装置L_DBは、通信方式判定装置T_DBから供給された識別情報に基づき、移動端末MSが存在する地理上の位置やその周辺の実体(具体的には、無線応答装置が取り付けられている物または人)の存在を認識する。ここで、通信方式判定装置L_DBは、移動端末MSの存在する空間的な位置において、使用可能な通信方式は何か、移動端末が所望しているサービスは実行可能か、実行できるサービスは何か、といった判定を、データベースに予め格納されているそれら項目に関する情報(いずれも、無線応答装置識別情報と関連付けられて格納されている)と通信方式判定装置T_DBから供給された識別情報とに基づいて行う。そして、通信方式判定装置L_DBは、その判定結果(サービス制御判定結果)を、通信方式判定装置T_DBを通じてコア装置CNに送信する。
コア装置CNは、通信方式判定装置L_DBからのサービス制御判定結果を受信すると、移動端末MSに対して、実行可能な通信方式、通信品質、サービス制御などの情報を通知する。移動端末MSは、その通知内容に従う。例えば、通信方式が指定された場合は、その指定された通信方式を採用する移動端末のみが、通信可とされる。通信品質が指定された場合は、移動端末は、その指定された通信品質での通信が許可される。サービスが指定された場合は、移動端末は、その指定されたサービスでの通信が許可される。
なお、複数の通信規制エリアを設け、これらエリアのそれぞれに通信方式判定装置502を配置する場合は、通信方式判定装置501は、移動端末201からの識別情報をどの通信方式判定装置502に送信するかを判断する必要がある。この判断では、通信方式判定装置501は、移動端末201が収集した識別情報を受信した無線基地局に含まれる一つ又は複数の通信規制エリアを特定し、その通信規制エリアに配置された通信方式判定装置502を特定する。
また、通信方式判定装置501による通信方式判定と通信方式判定装置502による通信方式判定とを切り替えるような構成にすることもできる。この切り替えの判断は、例えば、移動端末201が現在在圏している無線基地局エリアに基づいて行う。この場合は、通信方式判定装置501のデータベースに、無線基地局の識別情報と通信方式判定装置の識別情報(通信方式判定装置501または通信方式判定装置502の識別情報)を関連付けて格納する。コア装置が、移動端末から供給された無線応答装置識別情報に加えて、無線基地局の識別情報を通信方式判定装置501に供給し、通信方式判定装置501が、その無線基地局の識別情報に基づいて判定を行う通信方式判定装置を確認する。通信方式判定装置501は、判定を行う通信方式判定装置として自装置が指定されている場合は、コア装置から供給された無線応答装置識別情報とデータベースに基づいて前述の第1の実施形態で説明したような通信方式の判定を行う。他の通信方式判定装置が指定されている場合は、その指定された通信方式判定装置にコア装置から供給された無線応答装置識別情報を送信する。
図21に示したシステムにおいて、通信方式判定装置502の設定を行う情報処理端末を設けてもよい。図23に、その一例を示す。
図23を参照すると、通信方式判定装置502に情報処理端末512が接続されている。情報処理端末512は、通信機能を備えたコンピュータシステムよりなり、固定設置型無線応答装置1101〜1104により形成された通信規制エリアの管理者によって設置される。管理者は、情報処理端末512を用いて、通信方式判定装置502における様々情報の入力(データベースへの情報の登録など)や設定を行うことができる。これにより、通信規制エリア内で利用可能な通信方式、通信品質、サービスなどの設定/解除が可能となる。
以上説明した第1および第2の通信規制システムにおいて、移動端末は、応答要求信号を通信(またはサービス)の開始時または一定の時間間隔で送信するようになっている。既にサービス実行中の移動端末が、サービスを開始した後に周辺状況が変化する場合は、そのの移動端末は、移動通信システムのインフラ装置(具体的にはコア装置)からの報知情報あるいは通信開始時に通知された時間周期で、周辺に存在する無線応答装置に対して応答要求信号を送出する。その後、受信した応答信号をコア装置に送信することによって、移動端末の移動、あるいは移動端末の周囲に存在する実体の移動によって選択すべき通信方式或いは通信品質を決定する。
図24および図25に、サービス実行中に周辺状況を監視し、入手した情報によって通信方式や通信品質を制御する手順を示す。
図24において、MSは移動端末、CNはコア装置である。移動端末MSは通信開始時に、周辺に位置する固定設置型または非固定設置型の無線応答装置の監視周期をCNはコア装置から入手する。この他、図25に示すように、移動端末MSは通信開始時に、コア装置CNに無線応答装置識別情報を送信し、コア装置CNが、移動端末MSに対してサービス規制指示とともに、該当通信規制エリア内における周辺に位置する固定設置型または非固定設置型の無線応答装置の監視周期を送信する。これらいずれかの手順を実行することで、移動端末MSは、自端末が位置する通信規制エリア内において、コア装置から供給された監視周期で応答要求信号を送信することになる。
図26に、移動端末における監視周期に基づく動作の一手順を示す。まず、周辺監視周期値をコア装置から取得し(ステップS10)、監視タイマーを設定する(ステップS11)。次に、監視タイマーの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS12)。この判断で「No」となった場合は、監視タイマー値を1つ減じ(ステップS13)、再びステップS12の判断を行う。ステップS12の判断が「Yes」となった場合は、周辺への応答要求信号の送信(ステップS14)、応答信号受信(ステップS15)、無線応答装置識別情報の送信(ステップS16)の各動作を実行した後、再びステップS11の監視タイマー設定に戻る。ステップS11〜S16のループは、通信終了時に解除される。
以上の手順によってサービス実行中においても周辺状況を監視することでその周辺状況に応じた通信方式、通信品質、サービスなどの選択/指示することが可能となる。
図13の通信/サービス種別テーブルに関連して、ユーザ端末の周辺状況に応じて通信方式を選択する手順を説明する。図1によれば、移動端末201は、周辺に存在する非固定設置型無線応答装置1151或いは固定設置型無線応答装置1101乃至1102から得られたIDによって当該エリアにおいて使用可能な通信方式を図13の通信/サービス種別テーブルから導き出すことが出来る。ユーザ端末には、先に述べたように、複数の通信方式或いは変調方式の使用を可能とする所謂「Dual Mode」端末或いは「Multi Mode」端末という形態がある一方で、これら複数の通信方式或いは変調方式が使用できない「Single Mode」端末もある。この場合、図13の通信/サービス種別テーブルおいて、TDMA方式は禁止されているがCDMA方式が可能であるという表示がなされていた場合、TDMA方式とCDMA方式の「Dual Mode」端末であれば、このユーザ端末がTDMA方式で通信しようとして拒否されたとしても、CDMA方式での通信は可能である。しかし、TDMAのみの「Single Mode端末」であった場合には、CDMA通信が不可能なため、通信接続は拒否される事となる。また、同様に、図13の通信/サービス種別テーブルおいて大規模な無線基地局を擁する携帯電話システムは禁止されているが無線LAN方式が可能であるという表示がなされていた場合、携帯電話システムと無線LAN方式が共に使用可能な端末であれば、このユーザ端末が携帯電話システムとして通信しようとして拒否されたとしても、無線LAN方式での通信は可能である。しかし、携帯電話システムのみしか使用できない端末であった場合には、携帯電話システムでの通信が不可能なため、通信接続は拒否される事となる。即ち、本発明のシステムにおいては、特定エリアにおいて、ユーザ端末の能力によって、通信接続が許可される場合と拒否される場合がある。
(他の実施形態)
上述した第1および第2の実施形態の通信規制システムでは、非固定設置型無線応答装置から取得した識別情報に基づいて通信規制エリア内における使用可能な通信方式、通信品質、サービスなどを判定しているが、非固定設置型無線応答装置から識別情報から、その非固定設置型無線応答装置が設置された物体(または非固定設置型無線応答装置を持つ人)を識別することも可能である。すなわち、移動端末は、周辺の非固定設置型無線応答装置の識別情報を取得することが可能であるので、その識別情報と移動端末201の現在位置情報とから非固定設置型無線応答装置が設置された移動物(または人)の現在位置を特定することができる。これにより、例えば、非固定設置型無線応答装置が設けられた遺失物を不特定多数の移動端末に探させることが可能となる。以下、そのような遺失物の探索が可能なシステムを説明する。
図27に、本発明の他の実施形態のシステムの概略構成を示す。図27を参照すると、このシステムは、図1に示したシステムにおいて、ID通知装置601をさらに有する。ID通知装置601以外の構成は、基本的には、第1の実施形態の通信規制システムの構成と同じである。ID通知装置601は、通信方式判定装置501と相互通信可能に接続されている。
通信方式判定装置501は、移動端末201に対する通信方式、通信品質、サービスを決定するとともに、移動端末201から供給された無線応答装置の識別情報をID通知装置601に供給する。ID通知装置601は、通信方式判定装置501からの識別情報から移動端末201の周辺に位置する非固定設置型無線応答装置が遺失物に関するものであるか否かを判断する。
図28に、ID通知装置601の主要部の構成を示す。図28を参照すると、ID通知装置601は、フィルタ装置611、通知装置621およびフィルタ用データベース631からなる。フィルタ用データベース63には、届出のあった遺失物に設けられている非固定設置型無線応答装置の識別情報と、その遺失物が発見された際の送信先情報(例えば、メールアドレス)とが関連付けられて格納されている。
通信方式判定装置501から転送された識別情報は、フィルタ装置611に供給される。フィルタ装置611は、現在時刻を提示する時計機能を有する。フィルタ装置611は、通信方式判定装置501から供給された識別情報がフィルタ用データベース631に登録されているか否かを判断し、登録されている場合に、時計機能からの現在時刻情報に基づいて、その識別情報を受信した時刻情報を取得する。また、フィルタ装置611は、フィルタ用データベース631からその識別情報と関連付けられて格納されている送信先情報を取得する。さらに、フィルタ装置611は、識別情報の送信元である移動端末201の現在位置情報を通信方式判定装置501を通じてコア装置401から取得する。そして、フィルタ装置611は、それら受信時刻情報、送信先情報および移動端末現在位置情報を含む通知信号を通知装置621に供給する。通知装置621は、フィルタ装置611から供給された通信信号を、その信号中に含まれている送信先情報に基づいて送信する。
上記の動作によれば、フィルタ用データベース631に識別情報が登録されている非固定設置型無線応答装置が設けられた移動体が、移動端末201を所持しているユーザに接近すると、移動端末201が、その非固定設置型無線応答装置から識別情報を取得して通信方式判定装置501に供給する。この通信方式判定装置501に供給された識別情報は、フィルタ装置611に供給され、そこで、遺失物かどうかの判断が行われる。遺失物と判断された場合は、その遺失物を届けた者によって指定された送信先に、受信時刻情報および移動端末201の現在位置情報が通知される。この通知により、遺失物を届けた者は、遺失物の現在位置を判断することができる。移動端末201の現在位置情報は、遺失物の現在位置に相当する。
フィルタ用データベース631に登録した識別情報が、例えば特定の人物が常に装着あるいは所持するものに設置された非固定設置型無線応答装置の識別情報である場合は、その特定の人物の現在位置の情報が直接的あるいは間接的に、届者に通知することができる。
以上説明した各実施形態の通信規制システムの構成および動作は本発明の一例であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
コア装置と通信方式判定装置とを1つの装置(通信規制判定装置)で実現してもよい。
無線応答装置は、必ずしも、本発明の通信規制システムが有する無線応答装置である必要はない。無線応答装置は、本発明の通信規制システムのために設置された装置またはその一部であってもよいし、本発明の通信規制システムとは異なるシステムの付属装置、例えば移動ユーザの位置管理システムの指標、製品の在庫管理や追跡管理のために製品自身に付与されているタグ、人間自身が所持するドナーカードなどであってもよいし、あるいは、人体に埋め込まれた装置デバイスであってもよい。無線応答装置は、移動端末からの要求によって、応答する手段を有するものであれば、どのようなものであってもよい。
本発明の規制通信システムが適用される移動通信システムは、例えばセルラシステムに代表される自動車/携帯電話システム、衛星通信システム、WLANシステムなどを含む。
本発明の第1の実施形態である通信規制システムの概略構成を示すブロック図である。 移動端末が固定設置型無線応答装置から無線応答装置識別情報を取得する様子を示す模式図である。 移動端末が固定設置型無線応答装置から無線応答装置識別情報を取得する別の様子を示す模式図である。 移動端末の移動状況と通信方式設定エリアの関係を示す概念図である。 使用可能な通信方式を変化させうる環境との位置関係が変化する場合の状態を示す模式図である。 固定エリアにおいて、移動端末に対して割り当てられる使用可能な通信方式が時間帯によって変化する状態を示す模式図である。 図1に示す通信規制システムにおいて行われる通信方式の規制動作を説明するための図である。 通信規制エリアにおける無線応答装置の配置例を示す模式図である。 通信規制エリアにおける無線応答装置の他の配置例を示す模式図である。 データベースのデータ構造を示す図である。 データベースの他のデータ構造を示す図である。 データベースの他のデータ構造を示す図である。 データベースの他のデータ構造を示す図である。 データベースの他のデータ構造を示す図である。 データベースの他のデータ構造を示す図である。 一階フロアの一部と二階フロアの一部および階段部分を通信規制エリアとする場合の無線応答装置の配置状況を示す模式図である。 車両内に通信規制エリアを設ける場合の固定設置型無線応答装置の配置状況を示す模式図である。 非固定設置型無線応答装置が存在する場合の状況を示す模式図である。 コンサートホールの一例を示す模式図である。 図18に示すコンサートホールにおける固定設置型無線応答装置の配置状況を示す模式図である。 図1に示す通信規制システムにおける無線基地局カバレッジエリアと通信規制エリアの関係を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態である通信規制システムの概略構成を示すブロック図である。 図21に示す通信規制システムの動作を説明するための図である。 図21に示す通信規制システムの変形例を示すブロック図である。 サービス実行中に周辺状況を監視して移動端末による応答要求信号の送出を制御する手順を説明するための図である。 サービス実行中に周辺状況を監視して移動端末による応答要求信号の送出を制御する他の手順を説明するための図である。 移動端末における監視周期に基づく動作の一手順を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態のシステムの概略構成を示すブロック図である。 図27に示すシステムのID通知装置の主要部の構成を示すブロック図である。 電波遮断材料を用いる従来の手法を説明するための模式図である。 雑音電波発生源を用いる従来の手法を説明するための模式図である。
符号の説明
201、202 携帯端末
301 無線基地局
401 コア装置
501 通信方式判定装置
601 ID通知装置
611 フィルタ装置
621 通知装置
631 フィルタ用データベース
801、802 サービス規制エリア
810 想定するサービス規制エリア
901 サービスエリア
1101〜1128、1201、1202 固定設置型無線応答装置
1151、1251 非固定設置型無線応答装置

Claims (29)

  1. それぞれが自身を識別するための識別情報を保持し外部装置からの要求動作によって前記識別情報を応答する機能を有する複数の無線タグと、
    前記複数の無線タグのそれぞれと近距離通信が可能な無線通信手段を備えており、複数の異なる通信方式の少なくとも1つの通信方式を使用して移動通信網を通じた通信が行われ、該通信の開始時に前記無線通信手段により応答要求信号を送信する移動端末と、
    前記移動端末と前記移動通信網を通じて通信が行われる通信規制判定手段とを有し、
    前記複数の無線タグのそれぞれは前記移動端末から前記応答要求信号を受信すると、自身の識別情報を含む応答信号を前記移動端末に送信し、
    前記移動端末は、前記複数の無線タグのいずれかから前記応答信号を受信すると、該受信した応答信号に含まれている識別情報を前記通信規制判定手段に送信し、
    前記通信規制判定手段は、前記複数の無線タグのそれぞれについて、前記複数の異なる通信方式のうちの該無線タグとの近距離通信が可能なエリアで提供可能な通信方式と該無線タグの識別情報とを関連付けて格納したデータベースを備えており、前記移動端末から前記複数の無線タグのいずれかの前記識別情報を受信すると、該受信した識別情報に基づいて前記データベースを参照して提供可能な通信方式を決定し、該決定した通信方式を使用した通信のみを前記移動端末に許可することを特徴する通信規制システム。
  2. それぞれが自身を識別するための識別情報を保持し外部装置からの要求動作によって前記識別情報を応答する機能を有する複数の無線タグと、
    前記複数の無線タグのそれぞれと近距離通信が可能な無線通信手段を備えており、複数の異なる通信品質のいずれかの通信品質で移動通信網を通じた通信が行われ、該通信の開始時に前記無線通信手段により応答要求信号を送信する移動端末と、
    前記移動端末と前記移動通信網を通じて通信が行われる通信規制判定手段とを有し、
    前記複数の無線タグのそれぞれは前記移動端末から前記応答要求信号を受信すると、自身の識別情報を含む応答信号を前記移動端末に送信し、
    前記移動端末は、前記複数の無線タグのいずれかから前記応答信号を受信すると、該受信した応答信号に含まれている識別情報を前記通信規制判定手段に送信し、
    前記通信規制判定手段は、前記複数の無線タグのそれぞれについて、前記複数の異なる通信品質のうちの該無線タグとの近距離通信が可能なエリアで提供可能な通信品質と該無線タグの識別情報とを関連付けて格納したデータベースを備えており、前記移動端末から前記複数の無線タグのいずれかの前記識別情報を受信すると、該受信した識別情報に基づいて前記データベースを参照して提供可能な通信品質を決定し、該決定した通信品質での通信のみを前記移動端末に許可することを特徴する通信規制システム。
  3. それぞれが自身を識別するための識別情報を保持し外部装置からの要求動作によって前記識別情報を応答する機能を有する複数の無線タグと、
    前記複数の無線タグのそれぞれと近距離通信が可能な無線通信手段を備えており、複数の異なる通信サービスのいずれかの通信サービスが移動通信網を通じて実行され、該通信サービスの実行開始時に前記無線通信手段により応答要求信号を送信する移動端末と、
    前記移動端末と前記移動通信網を通じて通信が行われる通信規制判定手段とを有し、
    前記複数の無線タグのそれぞれは前記移動端末から前記応答要求信号を受信すると、自身の識別情報を含む応答信号を前記移動端末に送信し、
    前記移動端末は、前記複数の無線タグのいずれかから前記応答信号を受信すると、該受信した応答信号に含まれている識別情報を前記通信規制判定手段に送信し、
    前記通信規制判定手段は、前記複数の無線タグのそれぞれについて、前記複数の通信サービスのうちの該無線タグとの近距離通信が可能なエリアで提供可能な通信サービスと該無線タグの識別情報とを関連付けて格納したデータベースを備えており、前記移動端末から前記複数の無線タグのいずれかの前記識別情報を受信すると、該受信した識別情報に基づいて前記データベースを参照して提供可能な通信サービスを決定し、該決定した通信サービスのみを前記移動端末に許可することを特徴する通信規制システム。
  4. 前記複数の無線タグは、固定物に取り付けられた固定設置型無線タグを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の通信規制システム。
  5. 前記複数の無線タグは、移動体に取り付けられた非固定設置型無線タグを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の通信規制システム。
  6. 前記複数の無線タグは、固定物に取り付けられた固定設置型無線タグおよび移動体に取り付けられた非固定設置型無線タグを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の通信規制システム。
  7. 前記データベースは、前記非固定型無線タグの識別情報と関連付けられて格納された情報が、前記固定型無線タグの識別情報と関連付けられて格納された情報よりも優先順位が高くなるように設定されている、請求項6に記載の通信規制システム。
  8. 前記エリアで提供可能な通信方式と該通信方式を実行する時間帯と関連付けて前記データベースに格納しており、
    前記通信規制判定手段は、現在時刻を取得するための時計部を有し、前記データベースを参照して決定した通信方式による前記移動端末に対する通信の許可を、前記時計部から取得した現在時刻と前記時間帯とに基づいて実行する、請求項1に記載の通信規制システム。
  9. 前記エリアで提供可能な通信品質と該通信品質を実行する時間帯と関連付けて前記データベースに格納しており、
    前記通信規制判定手段は、現在時刻を取得するための時計部を有し、前記データベースを参照して決定した通信品質による前記移動端末に対する通信の許可を、前記時計部から取得した現在時刻と前記時間帯とに基づいて実行する、請求項2に記載の通信規制システム。
  10. 前記エリアで提供可能な通信サービスと該通信サービスを実行する時間帯と関連付けて前記データベースに格納しており、
    前記通信規制判定手段は、現在時刻を取得するための時計部を有し、前記データベースを参照して決定した通信サービスによる前記移動端末に対する通信の許可を、前記時計部から取得した現在時刻と前記時間帯とに基づいて実行する、請求項3に記載の通信規制システム。
  11. 前記通信規制判定手段は、前記通信方式別に利用可能な通信品質が関連付けて格納された別のデータベースを有し、前記データベースを参照して決定した通信方式で利用可能な通信品質を前記別のデータベースを参照して決定し、該決定した通信品質に基づいて前記移動端末に対する通信を制御する、請求項1に記載の通信規制システム。
  12. 前記通信規制判定手段は、前記通信方式別に利用可能な通信サービスが関連付けて格納された別のデータベースを有し、前記データベースを参照して決定した通信方式で利用可能な通信サービスを前記別のデータベースを参照して決定し、該決定した通信サービスに基づいて前記移動端末に対する通信を制御する、請求項1に記載の通信規制システム。
  13. 前記移動端末は、前記応答要求信号を一定の時間間隔で送信する、請求項1から3のいずれか1項に記載の通信規制システム。
  14. 前記移動端末は、前記通信規制判定手段からの指示により、前記一定の時間間隔での応答要求信号の送出を実行する、請求項13に記載の通信規制システム。
  15. 前記複数の異なる通信方式が、異なる変調方式を規定したものである、請求項1に記載の通信規制システム。
  16. 前記複数の異なる通信方式が、連続送信性および間欠送信性を規定したものである、請求項1に記載の通信規制システム。
  17. 前記複数の異なる通信品質が、前記移動端末の送信電力量を規定したものである、請求項2に記載の通信規制システム。
  18. 前記複数の異なる通信品質が、前記移動端末のユーザの転送情報の転送速度に関わる通信速度を規定したものである、請求項2に記載の通信規制システム。
  19. 前記通信規制判定手段は、前記移動通信網を構成する無線基地局の上位局であるコア装置と、該コア装置に接続された通信方式判定装置とからなり、該通信方式判定装置が前記通信方式の判定を行い、該判定結果に基づいて前記コア装置が前記移動端末に対する通信制御を行う、請求項1に記載の通信規制システム。
  20. 前記複数の無線タグの無線通信エリアのうちの複数の無線通信エリアによって規定される通信規制エリア内に設けられた、前記通信方式判定装置と相互通信可能な別の通信方式判定装置をさらに有し、該別の通信方式判定装置が前記通信方式の判定を行い、該判定結果に基づいて前記コア装置が前記移動端末に対する通信制御を行う、請求項19に記載の通信規制システム。
  21. 前記通信規制判定手段は、前記移動通信網を構成する無線基地局の上位局であるコア装置と、該コア装置に接続された通信方式判定装置とからなり、該通信方式判定装置が前記通信品質の判定を行い、該判定結果に基づいて前記コア装置が前記移動端末に対する通信制御を行う、請求項2に記載の通信規制システム。
  22. 前記複数の無線タグの無線通信エリアのうちの複数の無線通信エリアによって規定される通信規制エリア内に設けられた、前記通信方式判定装置と相互通信可能な別の通信方式判定装置をさらに有し、該別の通信方式判定装置が前記通信品質の判定を行い、該判定結果に基づいて前記コア装置が前記移動端末に対する通信制御を行う、請求項21に記載の通信規制システム。
  23. 前記通信規制判定手段は、前記移動通信網を構成する無線基地局の上位局であるコア装置と、該コア装置に接続された通信方式判定装置とからなり、該通信方式判定装置が前記通信サービスの判定を行い、該判定結果に基づいて前記コア装置が前記移動端末に対する通信制御を行う、請求項3に記載の通信規制システム。
  24. 前記複数の無線タグの無線通信エリアのうちの複数の無線通信エリアによって規定される通信規制エリア内に設けられた、前記通信方式判定装置と相互通信可能な別の通信方式判定装置をさらに有し、該別の通信方式判定装置が前記通信サービスの判定を行い、該判定結果に基づいて前記コア装置が前記移動端末に対する通信制御を行う、請求項23に記載の通信規制システム。
  25. 前記通信方式判定装置と相互通信可能なID通知装置をさらに有し、
    前記ID通知装置は、
    前記複数の無線タグのうちの、特定の移動体に設けられる非固定設置型無線タグの識別情報と、予め指定された送信先情報とが関連付けられて格納されたフィルタ用データベースと、
    供給された通知情報を、該通知情報に含まれている前記送信先情報に基づいて送信する通知装置と、
    前記通信方式判定装置から供給される前記複数の無線タグのうちのいずれかの前記識別情報が前記フィルタ用データベースに登録されているか否かを判断し、登録されている場合に、前記フィルタ用データベースから該識別情報と関連付けられて格納されている送信先情報を取得するとともに、該識別情報を送信した移動端末の現在位置を通信方式判定装置を通じて前記コア装置から取得し、これら取得した現在位置および送信先情報を前記通知情報として前記通知装置に供給するフィルタ装置とを有する、請求項19、21、23のいずれか1項に記載の通信規制システム。
  26. 前記移動端末より送信される応答要求信号の電力強度が可変である、請求項1から3のいずれか1項に記載の通信規制システム。
  27. それぞれが自身を識別するための識別情報を保持し外部装置からの要求動作によって前記識別情報を応答する機能を有する複数の無線タグと、これら無線タグのそれぞれと近距離通信が可能な無線通信手段を備えた移動端末と、該移動端末と通信が行われる通信規制判定装置と、を有する通信システムにおいて行われる通信規制方法であって、
    前記移動端末が、複数の異なる通信方式の少なくとも1つの通信方式を使用して移動通信網を通じた通信を開始する際に、前記無線通信手段により応答要求信号を送信するステップと、
    前記複数の無線タグのうち、前記応答要求信号を受信した無線タグが、身の識別情報を含む応答信号を前記移動端末に送信するステップと、
    前記移動端末が、前記応答信号を受信すると、該受信した応答信号に含まれている識別情報を、前記通信規制判定装置に送信するステップと、
    前記通信規制判定装置が、前記複数の無線タグのそれぞれに関して、前記複数の異なる通信方式のうちの該無線タグとの近距離通信が可能なエリアで提供可能な通信方式と該無線タグの識別情報とを関連付けて格納したデータベースを参照し、前記移動端末から受信した、前記応答要求信号を受信した無線タグの識別情報に基づいて提供可能な通信方式を決定し、該決定した通信方式を使用した通信のみを前記移動端末に許可するステップとを含む、通信規制方法。
  28. それぞれが自身を識別するための識別情報を保持し外部装置からの要求動作によって前記識別情報を応答する機能を有する複数の無線タグと、これら無線タグのそれぞれと近距離通信が可能な無線通信手段を備えた移動端末と、該移動端末と通信が行われる通信規制判定装置と、を有する通信システムにおいて行われる通信規制方法であって、
    前記移動端末が、複数の異なる通信品質のいずれかの通信品質で移動通信網を通じた通信を開始する際に、前記無線通信手段により応答要求信号を送信するステップと、
    前記複数の無線タグのうち、前記応答要求信号を受信した無線タグが、身の識別情報を含む応答信号を前記移動端末に送信するステップと、
    前記移動端末が、前記応答信号を受信すると、該受信した応答信号に含まれている識別情報を、前記通信規制判定装置に送信するステップと、
    前記通信規制判定装置が、前記複数の無線タグのそれぞれに関して、前記複数の異なる通信品質のうちの該無線タグとの近距離通信が可能なエリアで提供可能な通信品質と該無線タグの識別情報とを関連付けて格納したデータベースを参照し、前記移動端末から受信した、前記応答要求信号を受信した無線タグの識別情報に基づいて提供可能な通信品質を決定し、該決定した通信品質での通信のみを前記移動端末に許可するステップとを含む、通信規制方法。
  29. それぞれが自身を識別するための識別情報を保持し外部装置からの要求動作によって前記識別情報を応答する機能を有する複数の無線タグと、これら無線タグのそれぞれと近距離通信が可能な無線通信手段を備えた移動端末と、該移動端末と通信が行われる通信規制判定装置と、を有する通信システムにおいて行われる通信規制方法であって、
    前記移動端末が、複数の異なる通信サービスのいずれかの通信サービスで移動通信網を通じた通信を開始する際に、前記無線通信手段により応答要求信号を送信するステップと、
    前記複数の無線タグのうち、前記応答要求信号を受信した無線タグが、身の識別情報を含む応答信号を前記移動端末に送信するステップと、
    前記移動端末が、前記応答信号を受信すると、該受信した応答信号に含まれている識別情報を、前記通信規制判定装置に送信するステップと、
    前記通信規制判定装置が、前記複数の無線タグのそれぞれに関して、前記複数の異なる通信品質のうちの該無線タグとの近距離通信が可能なエリアで提供可能な通信サービスと該無線タグの識別情報とを関連付けて格納したデータベースを参照し、前記移動端末から受信した、前記応答要求信号を受信した無線タグの識別情報に基づいて提供可能な通信サービスを決定し、該決定した通信サービスのみを前記移動端末に許可するステップとを含む、通信規制方法。
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