JP2004048126A - 無線通信制限装置および無線通信中継局および無線通信基地局 - Google Patents
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Abstract
【課題】医療機器等に影響を及ぼす電波を強くすることなく,また,無線通信システムを運用する電話会社側で特別の対応を必要とすることなく,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にする。また,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にする際に、無線通信システムを運用する電話会社が協力することによって,その電話会社の携帯端末を使いやすくする。
【解決手段】無線通信システムの下りパイロット信号を,タイミングをずらせて特定の空間に発信する。協力を得られた電話会社が運用する無線通信システムの上り電波を中継し,その空間での使用を禁止した属性の通信がその上り電波に含まれている場合に限り,その通信を遮断する。
【効果】医療機器等に影響を及ぼす電波を強くすることなく遮断することができる。協力を得られた電話会社が運用する無線通信システムは,その空間での使用を禁止した属性の通信のみを遮断することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】無線通信システムの下りパイロット信号を,タイミングをずらせて特定の空間に発信する。協力を得られた電話会社が運用する無線通信システムの上り電波を中継し,その空間での使用を禁止した属性の通信がその上り電波に含まれている場合に限り,その通信を遮断する。
【効果】医療機器等に影響を及ぼす電波を強くすることなく遮断することができる。協力を得られた電話会社が運用する無線通信システムは,その空間での使用を禁止した属性の通信のみを遮断することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,携帯電話等のセルラー型無線通信の設備に関し,特に,周囲の人に迷惑となる通信を停止させる機能に関する。
本発明はまた,携帯電話等のセルラー型無線通信の設備に関し,特に,無線通信の品質を高めるための中継局または無線通信基地局に関する。
【0002】
【従来の技術】
列車およびバス等の公共交通機関や飲食店および劇場等の公共施設の客室内では,互いに面識のない不特定多数の人が狭い場所に密集することが多い。このような場所で,携帯電話等の携帯端末を周囲の人に使用して欲しくない人と使用したい人が居合わせた場合,トラブルが生じることがある。特に電子装置による医療機器を装着した人にとっては,周囲の人が使用する携帯端末の発信する電波が上記医療機器に影響する可能性があり,周囲の人による携帯端末の使用は深刻な問題である。医療機器等を装着しない人でも,周囲の人の音声による通話が耳障りな場合が有る。このため,公共交通機関や公共施設等においては,携帯端末の使用を禁止している場合が多い。
しかしながら,物理的な強制力を伴わずに携帯端末の使用を禁止している場合には,この規則を無視して携帯端末を使用する人が現実に存在する。従って,この規則を実効有るものとし多くの人が快適に公共交通機関や公共施設等を利用できるようにするためには,特定の場所において携帯端末による通信を物理的に不可能にすることが必要である。
特定の場所において携帯端末による通信を不可能にする従来の方法としては,特開平11−178054,特開2001−268636,特開2001−86566,特開2001−218264,特開2001−78264,特開2001−44918,特開2001−257772,特開2001−285952,特開2000−41282などに,種々の方法が開示されている。
このうち,特開平11−178054に開示されている方法は,基地局から携帯端末への下り通信に使われる電波と同じ周波数の電波を特定の場所において発信し,携帯端末が受信する下り電波に干渉させて通信を不可能にする方法である。特開2001−86566に開示されている方法は,基地局が発信する下り電波と類似の電波を発信する擬似基地局を設置し,この擬似基地局の近傍に近づいた携帯端末はこの擬似基地局にハンドオーバさせることにより,本来の基地局との間の通信を不可能にする方法である。
上記に示したその他の特許明細書に開示されている方法は,特定の場所における通信を不可能にするための特別な機能を携帯端末側に用意し,これを使って目的を達成する方法である。
上記いずれの方法でも,特定の場所における通信を不可能にするという目的は達成できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平11−178054に開示されている方法では,電波の干渉によって基地局からの下り電波の受信を妨害するため,基地局からの下り電波より強い電波を携帯端末に受信させる必要が有る。特に,今後普及すると思われるCDMA方式は,スペクトラム拡散によって電波の干渉の影響を軽減した方式であり,この方式による通信を電波の干渉によって妨害するためには,基地局からの下り電波より相当強い電波を携帯端末に受信させる必要が有る。すると,かえってその電波が医療機器等へ影響を及ぼす恐れがある。
特開2001−86566に開示されている方法は,特別に設置した擬似基地局にハンドオーバさせる方法である。ところが,現在広く使用されているCDMAの規格の内,例えば1995年5月18日に標準仕様が公開されたTIA/EIA/IS−95や2000年1月に標準仕様が公開されたARIB−STD−T63等の規格では,携帯端末が新たな基地局の電波を見つけてハンドオーバする時には,その直前までつながっていた基地局にその旨を伝える上り信号を発信し,その基地局からの信号により新たに見つけた基地局がその携帯端末の使用できる基地局であることを確認した後にハンドオーバするように定められている。従って,その通信システムを運用する電気通信事業者(以下,電話会社と称する)が認めない擬似基地局にはハンドオーバしない。
このような規格に則った携帯端末に対して特開2001−86566に開示されている方法を有効に作用させるためには,その通信システムを運用する電話会社の協力を得て何らかの対応をしてもらう必要がある。しかしながら,この装置を導入することによって,その電話会社の携帯端末のみが使用を制限されることになるにもかかわらず、電話会社側に余分の負担が生じ、実現が難しい。
また,従来の技術の項に示したその他の特許明細書に開示されている方法では,携帯端末側に特別な機能を付加する必要が有る。従って,これらの方法でも通信システムを運用する電話会社の対応が必要である。
本発明が解決しようとする第1の課題は,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にした時に,医療機器等に影響を及ぼす電波がかえって強くなることを避けることにある。
本発明が解決しようとする第2の課題は,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にする時に,その通信システムを運用する電話会社の対応を必要としない手段を提供することにある。
本発明が解決しようとする第3の課題は,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にする事にその通信システムを運用する電話会社が協力する場合には,その電話会社の携帯端末を使用しやすくする手段を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1および第2の課題は,携帯端末の使用を不可能にしようとする無線通信で使用される下り電波の位相基準となる信号(通常パイロット信号と呼ばれる信号)と類似の信号を載せた電波を,上記携帯端末の使用を不可能にしようとする空間に発信することにより解決できる。
本発明の第3の課題は,協力を得られた電話会社の基地局と通信中の携帯端末について,その通信に関する情報を予めその基地局から提供を受け,特定の空間における使用を禁止した通信を行なっている携帯端末の上り電波をその空間内で受信した時にその通信の中断を要求する信号を上記基地局に送信する手段と,協力を得られない電話会社の無線通信で使用される下りパイロット信号と類似の信号を載せた電波を上記空間に発信する手段とを,併設することにより解決できる。本発明の第3の課題はまた,協力を得られた電話会社の基地局と携帯端末が行なっている通信の内,特定の空間における使用を禁止していない通信を中継する手段を設け,その通信の品質を高めることにより解決できる。
【0005】
本発明の他の観点は、所定範囲において基地局と携帯端末間で交信される無線通信を制限する方法であって、所定範囲の無線通信を制限する無線通信制限装置を配置するステップと、所定範囲の携帯端末と基地局の交信を中継する中継器を配置するステップと、無線通信制限装置の無線通信制限にかかわらず、所定の基地局に対しては、中継器により携帯端末と基地局間の通信を行うステップを有する。具体例では、無線通信制限装置が基地局から発信されるパイロット信号のタイミングをずらした偽パイロット信号を発信し、所定範囲において携帯端末が基地局との間のチャネルの同期を取ることを妨害し、無線通信を禁止する。
【0006】
本発明では、無線通信制限装置が主体的に所定範囲の無線通信を制限することができる。例えば、電車内、劇場内、病院内など、携帯電話等の使用が周囲の迷惑になり、あるいは医療機器への影響が懸念される領域において、当該領域を管理する者がその領域内での通信をも管理することができる。
【0007】
他の使用例として、中継器は、データ通信を中継するが、音声通信を中継しないように設定することもできる。例えば、喫茶店などにおいて、電話の話し声は迷惑だが、メイルを送受信するのは差し支えないような場合、このような使用例が便利である。
【0008】
本発明の別の例では、所定範囲において基地局と携帯端末間で交信される無線通信を制限する方法であって、第1の基地局から発信されるパイロット信号のタイミングをずらした偽パイロット信号を発信し、所定範囲において携帯端末が第1の基地局との通信を制限するステップと、第2の基地局と携帯端末の交信を中継するとともに、通信の種類等に基づいて、所定範囲において携帯端末が第2の基地局との通信を制限するステップと、を有する。
この例では、電車内、劇場内、病院内などの管理者は、第1の基地局に対して通信を全て禁止し、第2の基地局に対しては所望の通信のみを許容し他を禁止するという通信制御方法を実現可能である。第2の基地局への中継可否を決定するために、第2の基地局の通信事業者から当該通信に関する制御情報などを入手するのが便利である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例について,図1を使って説明する。この実施例は,電話会社側で特別の処理や対応をする必要なく,その電話会社が運営する無線通信システムの携帯端末を所定の車両内で使用不可能にする手段の一実施例である。
【0010】
図1に示すように,ある車両の客室を100,その客室100内にある携帯端末を120,この車両の近くにあって携帯端末120と通信できる基地局を130で表わす。その客室100内に本発明の擬似中継局110を設置する。擬似中継局110のアンテナのうち,客室100内に設置するものを112,外部に設置するものを111で表わす。また,携帯端末120のアンテナを121,基地局130のアンテナを131で表わす。更に,基地局130が発信する下り電波を150,擬似中継局110が発信する擬似下り電波を160で表わす。
擬似中継局110は,基地局130が発信する下り電波150を外部アンテナ111で受信し,この電波150に載せられた信号の中から同期を取るために必要な信号(以後,パイロット信号と称する)を検出する。そして,このパイロット信号と同じパターンでタイミングを少しずつずらせた数種類の擬似パイロット信号を生成し,これを載せた擬似下り電波160を室内アンテナ112から発信する。この車両が走行して基地局130から遠ざかると,基地局130からの下り電波150はアンテナ111に到達しなくなるが,その後も暫くの間は基地局130のパイロット信号と同じパターンの擬似パイロット信号を発信し続けるように構成する。また,別の基地局からの下り電波を新たに受信すると,その電波のパイロット信号も検出し,そのパイロット信号のタイミングを少しずつずらせた数種類の擬似パイロット信号をすでに発信中の擬似パイロット信号に重畳させて発信する。
【0011】
基地局130が携帯端末120のすぐ近くにある時には,本来の下り電波150が強い電力で携帯端末のアンテナ121に到達するので,基地局130から携帯端末120への通信は確保される。しかしながら,この車両が走行して携帯端末120が基地局130から遠ざかると,アンテナ121における下り電波150の受信電力は小さくなる。この内のパイロット信号の受信電力が,擬似下り電波160に載せた擬似パイロット信号のアンテナ121における受信電力より小さくなると,携帯端末120はその擬似パイロット信号160と同期をとる。従って,基地局130からの下り電波150と同期が取れなくなる。
【0012】
仮にこの車両が時速60キロメートル以上で走行していたとすると,12秒で200メートル以上進む。すなわち,基地局130が携帯端末120のすぐ近くにあっても,約12秒後には200メートル以上離れることになる。また,アンテナ121が受信する下り電波150または擬似下り電波160の受信電力は,アンテナ131またはアンテナ112からアンテナ121までの距離の2乗に概ね反比例する。従って,携帯端末のアンテナ121が擬似中継局のアンテナ112から例えば約2メートル以内の位置にある場合には,擬似中継局のアンテナ112から送出する擬似パイロット信号の送信電力が基地局のアンテナ131から送出するパイロット信号の送信電力の約1万分の1であっても,この携帯端末120が基地局130に最も近くなる時刻から約12秒以上この車両が走行すれば,パイロット信号の受信電力は擬似パイロット信号の受信電力より小さくなり,携帯端末120は基地局130からの下り電波150と同期が取れなくなる。
【0013】
ところで,携帯端末120が待ち受け状態にある時には,通常は,基地局130から送信される下り電波150にはパイロット信号以外に携帯端末120に宛てた信号は含まない。従って,擬似パイロット信号のみから成る擬似下り電波160だけしか受信できない状態になっても,携帯端末120は基地局130からの下り電波150を受信できなくなったことを検知しない。また,携帯端末120が待ち受け状態にある時には上り電波を発信しないため,基地局130でも携帯端末120が下り電波150を受信できなくなったことを検知できない。この状態で基地局130から携帯端末120を呼び出す下り信号を発信しても,携帯端末120は基地局130と同期が取れないため受信できない。携帯端末120から基地局130を呼び出す上り信号を発信した場合は,たとえそれが基地局130で受信できたとしても,携帯端末120では基地局130からの下り信号を受信できないため,基地局130から携帯端末120を制御することはできない。従って,いずれの側から呼び出しても携帯端末120と基地局130との間で通信することはできない。
【0014】
次に,携帯端末120が基地局130のすぐ近くにあって通信している状態から,車両が走行し基地局130が遠ざかってパイロット信号の受信電力が小さくなり擬似パイロット信号の受信電力と同程度以下になる場合を想定する。この場合は,携帯端末120での受信エラーが増加するため,携帯端末120は他の基地局からの下り電波を探してハンドオーバしようとする。しかし,擬似中継局110のアンテナ111は外部にあるため,客室100内にある携帯端末120のアンテナ121より先に他の基地局からの下り電波を受信可能になる場合が多い。すなわち,携帯端末120が他の基地局からの下り電波を受信可能になる前に,その基地局から発信される下りパイロット信号と同じパターンの擬似パイロット信号を擬似中継局110が発信する場合が多い。従って,携帯端末120が他の基地局からのパイロット信号を探し当てるより,擬似中継局110が発信する擬似パイロット信号を探し当てる可能性の方が高い。すると,携帯端末120は他の基地局へハンドオーバできず通信が途切れることになる。
すなわち,室内アンテナ112から約2メートル以内の範囲にある携帯端末120は殆ど使用不可能になる。
【0015】
図2には他の実施例を示す。この実施例では,客室100内に多数の室内アンテナを設置する。これらの室内アンテナを2つのグループに分け,一方のグループを112,他方のグループを212で表わす。112で表わすグループのアンテナ群からは,図1の実施例と同じ擬似下り電波を発信する。212で表わすグループのアンテナ群からは,同じ擬似下り電波を断続的に発信する。他の構成は,図1の実施例と同じである。
【0016】
室内アンテナ112を多数設置することにより,客室100内全体に渡ってほぼどの位置からも約2メートル以内に室内アンテナ112が少なくとも1個以上存在するようにできる。しかし,これらのアンテナから同じ電波を同時に発信すると,干渉によって電波が弱くなる地点が発生する。その地点では擬似下り電波の受信電力が弱くなり,本発明の効果を充分に発揮できない。
【0017】
図2の実施例では,これを解消するため,アンテナ群112の隙間にアンテナ群212を設け,アンテナ群212から発信する擬似下り電波を約1ミリ秒程度の周期で発信したり停止したりする。これにより,擬似下り電波の受信電力が弱くなる地点が周期的に移動し,約1ミリ秒以上の時間で平均すればほぼ全ての地点で擬似下り電波を受信できるようになる。従って,図2の実施例によれば,客室100内のほぼ全体に渡って携帯端末120の使用が不可能になる。
【0018】
なお,図2の実施例では,アンテナ群212から発信する擬似下り電波を周期的に断続する替わりに,周期的に電波の強度を変えても同様の効果が得られる。また,周期的に位相を変化させながら一定の強度で発信してもよい。また,アンテナ群212から発信する擬似下り電波とアンテナ群112から発信する擬似下り電波の搬送波の周波数を約1kHz程度ずらせてもよい。いずれの場合も,アンテナ群112から発信する電波とアンテナ群212から発信する電波が相殺されて弱まる地点と加算されて強まる地点が約1kHzの周期で入れ替わるため,上記と同じ効果が得られる。
【0019】
図3には他の実施例を示す。この実施例は,無線通信システムを運営する電話会社の協力が得られることを前提とする。そして,携帯端末120が使用する通信の属性を識別し,この車両内での使用を禁止した通信のみを使用不可能にする。
【0020】
図3に示すように,中継局を310,中継局の室内アンテナを312,特別な機能を付加した基地局を330,携帯端末120から中継局310への上り電波を360,中継局310から基地局330への上り電波を350で表わす。
基地局330は,自局と通信している全ての携帯端末について,その電話番号および上りパイロット信号を受信するために必要な情報と通信の属性に関する情報を,各車両に設置した中継局310に向け放送する。ここでいう属性とは,通信の種類が音声通信かデータ通信かの区別や,緊急かつ重要と判断される特定の通信相手(例えば警察等)との通信か否か,所定の時間を超える通信か否か等を指す。各車両に設置した中継局310は,基地局330から放送される上記情報を使ってその車両内での使用を禁止した通信を選択する。そして,室内アンテナ312が受信した電波の中にその通信の上りパイロット信号が有るか否かを常時検索する。禁止した通信の上りパイロット信号が検出された時には,その通信を中断するように要求する信号を基地局330に対して発信する。これを受けた基地局330は,その通信を中断する。
【0021】
これにより,この車両内での携帯端末の使用を全面的に禁止するだけでなく,音声通信のみを禁止してデータ通信は許容したり,緊急かつ重要と判断される通信のみを許容したり,所定時間以内の短い通信のみを許容したり,これらの組み合わせ等のきめ細かい設定ができる。更に,各車両毎に異なる設定にすることもできる。また,音声通信の場合は合成音声等によりデータ通信の場合は画面表示等により,使用禁止にした通信を中断する際にその規則等について携帯端末の利用者に案内することも可能である。利用客は,車両を選択することにより,携帯端末による通信が全く行なわれない車両に乗ることもできるし,自分が使用したい種類の通信が可能な車両に乗ることもできる。
【0022】
なお,基地局330と通信中の携帯端末についての情報の放送は,全携帯端末についての情報を例えば約10秒の周期で定期的に発信すると共に,変更があった分は更に短い周期で発信する。これにより,基地局330から発信する情報量をあまり増やすことなく,各車両に設置した中継局310がその付近で行われている通信についての最新の状態を把握できる。また,その放送を暗号化して行なう場合は,全ての車両の中継局310にその内容を解読するための暗号解読鍵をあらかじめ設定しておくことにより,全車両に対して一斉に放送することができる。
【0023】
また,協力を得られた電話会社が運営する無線通信システムの上り電波を中継局310に中継させることもできる。すなわち,室内アンテナ312が受信する上り電波360の周波数帯の電波をそのまま増幅し,外部アンテナ111から上り電波350として発信する。従って,携帯端末120が発信する上り電波360の電力は室内アンテナ312まで届けば充分であり,中継局310が無い場合に比べて小さな電力で済む。これにより,携帯端末120が発信する上り電波360が周辺の医療機器等へ影響を与える範囲を狭くできると共に,携帯端末120のバッテリの電力消費を小さく抑えることができる。
【0024】
この場合,外部アンテナ111から発信した上り電波350が同じ車両や前後の車両の室内アンテナ312へ回り込まないように,車両の屋根の形状および材質と外部アンテナ111および室内アンテナ312の設置位置等を考慮して,中継局310による上り電波の増幅率を設計するのは言うまでもない。
【0025】
なお,列車がすれ違う時や追い越す時等に2つの車両が接近した場合,第1の車両の外部アンテナ111から発信する上り電波350が第2の車両の室内アンテナ312に受信されることが有り得る。この場合,第1の車両では許容されているが第2の車両では禁止されている属性の通信を第1の車両内の携帯端末が行なっていた場合,第2の車両の中継局310が基地局330に対してその通信を中止するように要求する信号を発信することにより,許容されている通信が中止されることが起き得る。また,第1の車両の外部アンテナ111から発信する上り電波350が第2の車両の室内アンテナ312に受信され,かつ,第2の車両の外部アンテナ111から発信する上り電波350が第1の車両の室内アンテナ312に受信される場合,この2つの車両の中継局310の間で発振が起き得る。
【0026】
これを避けるために,中継局310は携帯端末局120が発信しない独自の信号を上り電波350に載せ,外部アンテナ111から発信する。室内アンテナ312がこの信号を受信した時には,基地局330に対して通信を中断するように要求する信号を中継局310が発信しないように設定する。また,この信号を受信した時には,中継局310による上り電波の増幅率を下げる。これにより,2つの車両が接近した時に上記のような問題が起きるのを防ぐことができる。
【0027】
また,電話会社にとっては,ある車両内において自社の携帯端末だけを使用制限することは営業上の不利益となるため,図3の実施例のみを単独で実施しようとしても電話会社の協力は得にくいと考えられる。しかし,図1または図2の実施例と図3の実施例を同時に実施し,協力を得られない電話会社の携帯端末は図1または図2の実施例によって完全に使用不可能とし,協力を得られる電話会社については禁止する通信と許容する通信を図3の実施例によって車両毎にきめ細かく設定すれば,電話会社の協力を得やすいと考えられる。なお,その結果,この車両が運行する地域の全ての電話会社から協力を得られれば,図1または図2の実施例の設備は不要となる。
【0028】
図4には他の実施例を示す。この実施例も図3の実施例と同様に,無線通信システムを運営する電話会社の協力が得られることを前提とする。
図4に示すように,車両100内に設ける移動基地局を410,基地局制御装置を440,移動基地局410と基地局制御装置440の間をつなぐ位置固定された中継局を430,中継局430から移動基地局410への下り電波を450,移動基地局410から中継局430への上り電波を451,移動基地局410から携帯端末120への下り電波を460で表わす。
移動基地局410には基地局130と同様の機能を持たせ,外部から客室100内に入って来た携帯端末120は基地局130から移動基地局410にハンドオーバさせる。また,客室100内で電源を投入した携帯端末120は移動基地局410との間で初期設定を行なう。
【0029】
ただし移動基地局410には,携帯端末120が客室100内での使用が禁止されている属性の通信を開始しようとした時や,客室100内での使用が禁止されている属性の通信を行なっている携帯端末がハンドオーバしてきた時に,合成音声または画面表示等による案内によりその旨をその携帯端末の利用者に知らせると共に,その通信を中止する機能を持たせる。
移動基地局410は通常の基地局130と同様に基地局制御装置440によって制御されるが,基地局制御装置440と移動基地局410の間の通信は中継局430を介して行なう。中継局430と移動基地局410の間の通信は,通常の場所(本発明による設備の無い場所)において通常の基地局130と携帯端末120が行なう通信と同様に行なう。
【0030】
なお,移動基地局410のアンテナ111は,車両の外部に複数設置することが可能である。従って,客室100内の携帯端末120のアンテナ121より,効率良く外部からの電波を受信し外部へ電波を発信することができる。
また,中継局430のアンテナ431は,この列車の通る場所を考慮して効率よく通信のできる場所に設置し,また,トンネル内等に設置することもできる。従って,通常の基地局130からの電波が届かない場所にこの車両がある場合でも,通信できるようにすることが可能である。
更に,移動基地局410の中にハードディスク等の大容量記憶装置を設置し,アクセス頻度の高い情報を予め移動基地局410の側に送っておくことも可能である。これにより,電波の利用効率を上げることができる。
【0031】
図5に擬似中継局110の構成の一実施例を示す。図5に示すように,高周波受信部を501,マッチドフィルタを502,受信電力算出部を503,デジタル信号処理装置(以下,DSPと称する)を511,データ端末を512,メモリを513,パイロット信号のタイミングを設定するためのタイマを514,パイロット信号生成部を521,変調部を522,合成部を523,一定の電力で送信するための高周波送信部を524,周期的に位相を変化させながら送信するための高周波送信部を525,位相を変化させるタイミングを決めるためのタイマを526で表わす。
データ端末512は,この擬似中継局110を遠隔操作によって制御するためのデータ端末であり,電話会社等が運営する一般の商用無線通信システムのデータ端末であっても良いし,主要駅構内や車庫内等のみで使用できる鉄道会社等の専用無線通信システムのデータ端末であっても良い。
この擬似中継局110は,客室100内での携帯端末の使用を禁止しようとする無線通信システム(以下,禁止対象と称する)に関する各種情報を遠隔操作によってメモリ513に記憶させる機能と,禁止対象の基地局から送信される下りパイロット信号等を検索する機能と,検索により検出した下りパイロット信号等と同じ信号をタイミングをずらせて客室100内に送信する機能と,検出した下りパイロット信号等に関する情報を遠隔操作を行なう側に送信する機能とを有する。
【0032】
以下,禁止対象が本明細書の課題の項で述べたARIB−STD−T63の標準仕様書に記載された規格(以下,WCDMA規格と称する)に則った無線通信システムである場合を例にとって,具体的な動作を説明する。もちろん,禁止対象が他の規格に則った無線通信システムである場合にも,その規格に合わせたパラメータ等を設定することにより,同じようにその無線通信システムの携帯端末の使用を不可能にすることができる。
【0033】
まず,禁止対象の下りパイロット信号を受信したり生成したりするために必要な情報を,データ端末512およびDSP511を経由してメモリ513に記憶させる。この情報とは,WCDMA規格の1チップの時間(すなわち信号が変化する時間の最小単位)や第1同期符号(primary synchronisation code)および第2同期符号(secondary synchronisation code)および下り拡散符号(downlink scrambling code)および第1共通パイロットチャネル(primary common pilot channel)のチャネル化符号(channelization code)および各アンテナの変調パターン(modulation pattern)等の仕様,下り電波の周波数,下りパイロット信号や第1および第2の同期信号を受信したと判定する電力の閾値等である。これらの情報は,DSP511を動作させるためのプログラムの一部として記憶させることもできるし,そのプログラムが参照するパラメータの一部として記憶させることもできる。
【0034】
次に,DSP511がタイマ514の設定を行なう。WCDMA規格では,1チップの時間は約260ナノ秒である。そこで,タイマ514の中から空いている1つを選択し,約260ナノ秒毎に第1のパルスを出力するように設定する。WCDMA規格の禁止対象を検索している間は,この第1のパルスを1チップ刻みのクロック信号として使用する。
また,WCDMA規格では下り拡散符号は38400チップ周期で繰返す。そこで,上記タイマ514が38400チップ毎に第2のパルスを出力するように設定する。種々の信号のフレームの先頭などのタイミングは,この第2のパルスを基準に何チップ離れているかによって数値で把握できる。
【0035】
なお,タイマ514のうち既に使用中の1個がこれと同じ周期で第1および第2のパルスを出力するように設定されている場合には,そのタイマを共用する。更に,禁止対象の下り電波の周波数を高周波受信部501が抽出するように設定する。そして高周波受信部501は,アンテナ111に入力した電波の中から設定された範囲の周波数の成分を抽出し,その総電力をAGCによって調整する。これをベースバンドの周波数に変換し,マッチドフィルタ502に送出する。ここまでが,準備段階である。
WCDMA規格の下りパイロット信号を検索する場合は,まず,第1同期信号を検索することによってスロットの先頭を検出し,次にその中から第2同期信号を検索することによってフレームの先頭を検出すると共に拡散符号の候補を絞り込み,最後にその結果を使ってパイロット信号を検索すれば効率良く検索することができる。
【0036】
そこでまず,マッチドフィルタ502に第1同期符号をセットする。マッチドフィルタ502は,タイマ514が出力する第1のパルスを元に,この第1同期符号を1チップずつずらせた種々のタイミングの第1同期符号を生成する。そして,高周波受信部501から送出されて来る信号に各タイミングの第1同期符号をかけ,受信電力算出部503に送出する。受信電力算出部503は,マッチドフィルタ502から送出されて来る信号を所定の時間分(WCDMA規格では256チップ分が適当)だけ加算し,各タイミングの第1同期符号に対応する電力値を算出する。その電力値の中に第1同期信号を受信したと判定する閾値以上の電力値が有れば,そのタイミングの第1同期符号に合う第1同期信号を受信したと推定できる。従って,そのタイミングをスロットの先頭とする電波が存在すると推定できる。そのタイミングが,タイマ514が出力する第2のパルスから何チップ目に相当するかにより,スロットの先頭位置を数値で把握できる。WCDMA規格の第1同期符号は2560チップ後に同じパターンを繰り返すため,2560種類のタイミングについてこれを行なえば,アンテナ111に入力する検索対象の全てについてスロットの先頭位置を検索できる。この内,受信電力値の大きな方から予め定めた所定数以内の信号を,以後の検索対象とする。
【0037】
次に,第1同期信号により検出したスロットの先頭タイミングを基に第2同期信号を検索する。ただし,車両の走行による電波の経路長の変化等により,スロットの先頭が±1チップ分ずれる可能性がある。従って,第1同期信号により検出したスロットの先頭と,これを±1チップ分ずらせたタイミングの,計3種類のタイミングについて検索する。また,WCDMA規格では第2同期符号は全部で16種類あり,各スロットの第2同期信号はその内のいずれかにより符号化されている。そこでマッチドフィルタ502は,3種類のタイミングと16種類の第2同期符号との組合せによる計48種類の符号について,高周波受信部501から送出されて来る信号をかけ受信電力算出部503に送出する。
受信電力算出部503は,第1同期信号の場合と同様に電力値を算出する。算出された48個の電力値のうち最大のものが第2同期信号を受信したと判定する閾値以上であれば,それに対応する第2同期符号により送出された電波が存在すると推定できる。これを15スロット分繰り返した結果とWCDMA規格とを照合すれば,フレームの先頭が確定すると共に拡散符号を512種類の中から8種類に絞り込める。
【0038】
なお,各スロット毎に算出した48個の電力値のうち最大となるものが,タイミングを+1チップ分(または−1チップ分)ずらせた第2同期符号に対応する場合には,それ以後の動作はスロットの先頭が+1チップ分(または−1チップ分)ずれたものとして行なう。スロットの先頭が±1チップ分ずれることにより他の検索対象のスロットの先頭に一致する場合には,この検索対象に対する検索を打ち切る。
また,48個の電力値が全て閾値以下となった場合には,もう1スロット分だけ同じように受信電力算出を行なう。そして,その結果再び48個の電力値が全て閾値以下となった場合に,この検索対象に対する検索を打ち切る。これは,WCDMA規格の同期信号は基地局の2本のアンテナから交互に発信される場合があるからである。すなわち,電波の多重干渉により一方のアンテナから発信される電波の受信電力は低いが反対側のアンテナから発信される電波は充分な電力で受信できる場合,1スロット毎に受信電力が低くなったり高くなったりする。従って,1スロットだけ受信電力値が低い場合には反対側のアンテナから発信される電波を受信できる可能性があるが,2スロット連続で受信電力値が低い場合には受信できなくなった可能性が高いためである。従って,2スロット連続で受信電力値が低い場合にその検索対象に対する検索を打ち切る。
【0039】
次に,マッチドフィルタ502に,8種類に絞り込んだ拡散符号と,第1共通パイロットチャネルのチャネル化符号をセットする。そして,拡散符号および拡散符号をフレームの先頭から±1チップ分ずらせた計24種類の符号と高周波受信部501から送出されて来る信号をかける。更にチャネル化符号をかけ,受信電力算出部503に送出する。
受信電力算出部503は,同期信号の場合と同様に256チップ毎に電力値を算出する。WCDMA規格では,共通パイロットチャネルの変調パターンは,一方のアンテナから出力される側は切り替わらないが,他方のアンテナから出力される側は256チップまたは512チップ毎に切り替わる。従って,256チップ毎に電力値を算出すれば,変調パターンを考慮しなくても第1共通パイロット信号の受信電力を算出できる。そして,受信電力算出部503が算出した24個の電力値のうち最大のものがパイロット信号を受信したと判定する閾値以上であれば,それに対応する拡散符号により送出されたパイロット信号が存在すると推定できる。これを数回繰り返しても高い確率で同じ拡散符号が選択されれば,検索した禁止対象の規格(この場合はWCDMA規格)および搬送波の周波数や検出した拡散符号およびフレームの先頭(以下,これらをまとめてパイロット信号の仕様と称する)をメモリ513に登録する。
【0040】
なお,第2同期信号の時と同様に,各スロット毎に算出した電力値の最大となるものが拡散符号を+(または−)1チップ分ずらせた符号に対応する場合には,以後の動作はフレームの先頭が+(または−)1チップ分ずれたものとして行なう。
パイロット信号の仕様をメモリ513に登録する時には,同じパイロット信号の仕様が既に登録されているか否かをチェックする。登録されていなければ,そのパイロット信号の仕様および受信電力値およびその時の時刻を登録する。既に登録されていれば,受信電力値および時刻を更新する。そして,次の検索対象についても同様に検索を行なう。全ての検索対象についての検索が終了すれば,他の規格の禁止対象についても順次検索を行なう。そして,その全てが終了すれば再び元の禁止対象に戻って同様の検索を繰り返す。
【0041】
更に,上記の検索動作の合間に時分割で,メモリ513に登録した検索結果の更新を定期的に行なう。その頻度は,1チップ分の時間に電波が進む距離の半分(WCDMA規格では約39メートル)を列車が走るのに必要な時間に1回以上とする。この動作は,メモリ513に登録したパイロット信号の仕様の各組の中で,前回の受信電力値がパイロット信号を受信したと判定する閾値(以下,単に閾値と称する)以上である組について,その拡散符号および±1チップ分ずらせた拡散符号とフレームの先頭の組合せで受信電力値を算出し,その算出結果を反映してメモリ513に登録した受信電力値と時刻を更新する動作である。また,拡散符号を±1チップ分ずらせた方がずらさないより電力値が大きくなる場合には,それに合わせてフレームの先頭を更新する。その結果,パイロット信号の仕様が既に登録した他の組と一致する場合は,更新時刻の古い方を削除する。
【0042】
次に,メモリ513に登録した内容を元に擬似パイロット信号を生成し,アンテナ112および212から送出する。なお,検索の動作は種々の規格の禁止対象に対してマッチドフィルタ502および受信電力算出部503を1組だけ用意し時分割で使うこともできるが,擬似パイロット信号の送出は,タイマ514およびパイロット信号生成部521および変調部522を各禁止対象毎に用意し常時送出するのが望ましい。
パイロット信号生成部521は,メモリ513に登録した内容を元にパイロット信号を生成し,変調部522に送出する。ただし,高周波受信部501や変調部522および合成部523および高周波送信部524などの信号遅延を加味して,基地局130から送られてくる本来のパイロット信号のフレームの先頭がアンテナ111に入力する時刻より数チップ程度早い時刻にアンテナ112からフレームの先頭が出力されるタイミングで生成する。その電力値は,メモリ513に登録した受信電力値(それが閾値以下の場合には閾値)に比例する値となるようにする。更に,パイロット信号生成部521が変調部522に送出する信号は,上記のパイロット信号およびこれを1チップずつ数回遅延させた合計数種類のタイミングのパイロット信号を加算した信号とする。従って,本来のパイロット信号からのずれが1チップ以内の擬似パイロット信号と,これより早い数本の擬似パイロット信号を合わせた信号が生成されることになる。
【0043】
なお,メモリ513に登録したパイロット信号の仕様の数がパイロット信号生成部521で生成できる擬似パイロット信号の数を超える場合は,メモリ513に登録した更新時刻の新しいものから優先して生成できる最大数の擬似パイロット信号を生成する。
変調部522は,メモリ513に登録した周波数の搬送波を作成し,パイロット信号生成部521から送出されてくる信号によりその搬送波を変調して合成部523に送出する。合成部523は,変調部522から送出されてくる高周波信号を全て加算し,高周波送信部524および525に送出する。高周波送信部524は,合成部523から送出されてくる高周波信号をアンテナ112から送出する。高周波送信部525も,合成部523から送出されてくる高周波信号をアンテナ212から送出する。ただし高周波送信部525は,タイマ526から送出されてくるパルスに合わせて信号の遅延時間を変化させる。タイマ526は約1キロヘルツ程度のパルスを生成し,高周波送信部525に送出する。以上により,擬似中継局110を実現できる。
【0044】
なお,この実施例では,この擬似中継局110を搭載した車両が車庫に戻った時や折り返し駅に到着した時その他適当な時に,遠隔操作により,メモリ513に登録した内容をDSP511およびデータ端末512を介して読み出すことができる。この情報により,この車両が通った沿線に存在する禁止対象の基地局の種類と下り拡散符号等がわかる。従って,この車両が折り返し運転する時や後続の列車が出発する前に,その基地局を優先的に検索するように設定しておけば,効率良く検索することができる。
更に,メモリ513に登録した内容を読み出す機能により,未知の仕様の無線通信システムが存在する場合にも,その範囲を絞っていくことができる。すなわち,公開されている種々の仕様やその変形から未知の無線通信システムの仕様を仮定し,擬似中継局110の擬似パイロット信号発生機能(すなわち,パイロット信号生成部521,変調部522,合成部523,高周波送信部524および525から成る部分)以外を動作させることによって,仮定した仕様の基地局が存在するか否かを調査することができる。メモリ513に登録されたこの調査結果を遠隔操作によって読み取り,これを元に更に他の仕様の調査を繰り返すことにより,未知の無線通信システムの仕様の範囲を絞っていくことができる。
図6に中継局310の構成の一実施例を示す。図6に示すように,高周波受信部を601,周波数変換部を602,データ端末を612,高周波増幅部を621,識別符号生成部を622,変調部を623,合成部を624,高周波送信部を625で表わす。
この実施例の構成要素であるデータ端末612は,携帯端末120と共通の無線通信システムで使用できるデータ端末であり,基地局330と通信を行なう機能を有する。そして,通常のデータ端末として基地局330を介して遠隔操作元との間で個別のデータ通信を行なう機能の他に,基地局330から放送される信号を受信する機能を備える。
図6の高周波受信部601は,携帯端末120から基地局330への上り電波の帯域の成分を,アンテナ312に入力する電波の中から抽出し,そのままの周波数で周波数変換部602および高周波増幅部621に送出する。周波数変換部602は,高周波受信部601から送出された信号の電力をAGCによって調整した後,ベースバンドの周波数に変換してマッチドフィルタ502に送出する。高周波増幅部621は,高周波受信部601から送出された信号を増幅して合成部624に送出する。その時の増幅率は,DSP511が制御する。識別符号生成部622は,携帯端末120が発信しない特別の符号を生成し,変調部623に送出する。変調部623は,携帯端末120やデータ端末612の上り電波と同じ周波数の搬送波を,識別符号生成部622から送出されてくる信号により変調して合成部624に送出する。合成部624は,データ端末612および高周波増幅部621および変調部623から送出されて来る高周波信号を全て加算し,高周波送信部625に送出する。高周波送信部625は,合成部624から送出されてくる高周波信号をアンテナ111から送出する。
【0045】
この中継局310は,電源を投入し安定した直後等に,初期設定を行なうために必要な情報を要求する信号を,DSP511からデータ端末612を介して遠隔操作元に発信する。遠隔操作元は,データの暗号化および復号用の鍵と,識別符号生成用の情報と,この車両の客室内で禁止する通信の属性と許容する通信の属性を設定するための情報を,各車両の中継局310のデータ端末612に向け個別に送信する。また必要に応じて,後述する第1〜第3の閾値などを設定または修正する情報等も送信する。暗号の鍵と識別符号は全車両同じ内容でよいが,通信の禁止と許容の区分は各車両毎に決めた内容となる。また,暗号の鍵は,各基地局330にも同じものを予め設定しておく。
各車両の中継局310では,データ端末612が受信したこれらの情報を,DSP511を介してメモリ513に記憶する。更にタイマ514を,携帯端末120と基地局330の間の通信システムの仕様に基づき,携帯端末120が送信する上り信号の1チップの時間毎に第1のパルスを出力し1フレームの時間毎に第2のパルスを出力するように設定する。
【0046】
次に,DSP511は,メモリ513に記憶した識別符号生成用の情報を,識別符号生成部622にセットする。識別符号生成部622は,この情報とタイマ514から送出される第1のパルスを使って識別符号を生成する。この識別符号による識別信号が,変調部623および合成部624および高周波送信部625を経由してアンテナ111から発信される。他の車両の中継局310も,全て同じ識別信号を発信する。
DSP511は,この識別符号をマッチドフィルタ502に定期的(例えば100ミリ秒毎)にセットする。マッチドフィルタ502および受信電力算出部503は,図5の実施例のマッチドフィルタ502および受信電力算出部503が第1同期信号を検索する場合と同様の手順で,この識別信号を検索する。その電力値があらかじめ設定した第1の閾値以上である時には,他の車両の中継局310からの上り電波350をアンテナ312が受信していると判定できる。その場合には,その電力値に応じて高周波増幅部621の増幅率を下げ,他の車両の中継局310との間で発振を起こさないようにする。
【0047】
次に,データ端末612は基地局330から定期的に放送される情報を受信しDSP511に送る。この情報には,基地局330と通信中の全ての携帯端末について,その携帯端末の電話番号およびその通信の属性と,その携帯端末の上り拡散符号を生成するための情報が含まれる。そしてその情報は,初期設定時に送信された鍵により暗号化されて放送される。DSP511は,その鍵により復号してメモリ513に記録する。また,これを更新するための情報が放送される毎に,メモリ513に記録した内容を更新する。また,基地局330が発信する下り信号150のフレームの先頭がアンテナ111に到達する時刻と,タイマ514が第2のパルスを出力する時刻が何チップ離れているかを,データ端末612が基地局330からの信号を受信するタイミングを元に算出し,メモリ513に記録しておく。
【0048】
次にDSP511は,初期設定時にメモリ513に記憶した通信の禁止と許容の区分を設定する情報を使って,基地局330が行なっている通信の中からこの車両内で禁止されている属性の通信を選択する。その中から順次1つずつ選択し,その通信の上り拡散符号をマッチドフィルタ502にセットする。マッチドフィルタ502および受信電力算出部503は,図5の実施例のマッチドフィルタ502および受信電力算出部503がパイロット信号を検索する場合と同様の手順で,この拡散符号により拡散されたパイロット信号を検索する。その電力値があらかじめ設定した第2の閾値以下である時には,アンテナ312はその通信の上り電波を受信していないと推定できる。その場合は,他の通信の検索を行なう。
パイロット信号を検索した結果その電力値が上記第2の閾値以上である時には,アンテナ312がその通信の上り電波を受信していると判定できる。この場合には,マッチドフィルタ502に識別符号をセットし,識別信号を検索する。その電力値があらかじめ設定した第3の閾値以下である時には,他の車両の中継局310からの上り電波350をアンテナ312が受信している可能性は無いと判定する。パイロット信号の検索と識別信号の検索を2〜3回繰り返しても,アンテナ312がその通信の上り電波を受信し他の車両の中継局310からの上り電波を受信していないと判定される場合には,その通信を行なっている携帯端末が客室100の中にあると判断できる。その時には,DSP511はデータ端末612を介して基地局330に向け,その通信を行なっている携帯端末の電話番号およびその通信を中断するように要求する信号と,その車両内での通信を禁止する規則に関する情報を発信する。
【0049】
なお,基地局330が発信する下り信号150が,アンテナ111に到達する時刻と携帯端末120のアンテナ121に到達する時刻はほぼ等しいと考えられる。また,基地局330が発信する下り信号150のフレームの先頭が携帯端末120のアンテナ121に到達する時刻と,携帯端末120が発信する上り信号のフレームの先頭がアンテナ121から送出される時刻の差は,通常は仕様が決められている。更に,客室100の中は狭いため,アンテナ121から発信した上り電波がアンテナ312に到達するまでの時間は殆ど無視できると考えられる。更に前述のように,基地局330が発信する下り信号150のフレームの先頭が中継局310のアンテナ111に到達する時刻と,タイマ514が第2のパルスを出力する時刻の差を,メモリ513に記録してある。
従って,マッチドフィルタ502がパイロット信号を検索するべき時間の範囲は,タイマ514が第2のパルスを出力する時刻を基準に限られた範囲に限定できるため,短時間で効率良く検索できる。
【0050】
図7に基地局330の構成の一実施例を示す。図7に示すように,高周波受信部を701,復調部を702,通常の基地局としての機能を実現するためのメモリを703,DSPを711,インタフェース装置を712,本発明の機能を実現するために必要なメモリを713,DSP711にトリガをかけるためのタイマを714,変調部を721,高周波送信部を722で表わす。また,基地局制御装置と接続する信号を750および751で表わす。なお,メモリ703とメモリ713は,物理的に同一の半導体チップ上のメモリを使ってもよい。
DSP711は,インタフェース装置712を介して基地局制御装置への信号750を送出し,また基地局制御装置からの信号751を受信する。また,携帯端末120やデータ端末612等からの上り電波をアンテナ131で受信し,高周波受信部701により必要な周波数帯域の成分を取り出すと共にベースバンドの周波数に変換し,復調部702で各チャネル毎の信号に復調する。各携帯端末に向け発信する下り信号は,変調部721で搬送波に載せ,高周波送信部722からアンテナ131を介して送出する。以上は,基地局としての基本的な機能である。
この基地局330は,中継局310に向け情報を放送する時に使う暗号の鍵や通信の属性を定義する情報およびタイマ714を設定するための情報を,遠隔操作元から基地局制御装置を経由し信号751の一部として受け,DSP711を介してメモリ713に記憶する。DSP711は,この情報に基づいて,一定の周期(例えば1秒)で第1のパルスを出力しそれより長い周期(例えば10秒)で第2のパルスを出力するように,タイマ714を設定する。タイマ714が第1のパルスを出力する毎に,DSP711は,その時にこの基地局330と通信中の携帯端末の電話番号と上り拡散符号を生成するための情報およびその通信の属性をメモリ713に登録する。そして,前回から変更があった場合には,その変更部分を上記鍵によって暗号化し各中継局310のデータ端末612に向け放送する。また,タイマ714が第2のパルスを出力した時には,変更の無い部分を含めてメモリ713に登録した携帯端末の全情報を放送する。
また,DSP711は,ある携帯端末の通信を中断するように要求する信号を中継局310のデータ端末612から受信した時は,その携帯端末とその通信相手に向け,その通信を禁止する規則に関する情報を発信する。そして,所定の時間(例えば3秒)後にその通信を遮断する。
【0051】
図8に移動基地局410の構成の一実施例を示す。図8に示すように,中継局430と通信するための高周波受信部を801,復調部を802,変調部を821,高周波送信部を822で表わす。また,ハードディスク装置を813で表わす。
移動基地局410は,アンテナ321および高周波受信部701および復調部702および変調部721および高周波送信部722およびDSP711およびメモリ703を使って,通常の基地局と同様に携帯端末120と通信を行なう。また移動基地局410は,アンテナ111および高周波受信部801および復調部802および変調部821および高周波送信部822およびDSP711およびメモリ703を使って,通常の携帯端末と同様に中継局430と通信を行なう。この移動基地局410は,電源を投入し安定した直後等に,この移動基地局410を搭載する車両の客室100内で禁止する通信の属性と許容する通信の属性を設定するための情報を要求する信号を,DSP711から変調部821および高周波送信部822を介して遠隔操作元に向け発信する。これにより遠隔操作元から発信される情報を,高周波受信部801および復調部802を介して受信し,メモリ713に記憶しておく。
その後,当該客室100内のある携帯端末が新規に通信を開始しようとした時,その通信が当該客室100内で許容されているか否かを,メモリ713に記憶した情報に基づいてDSP711が判定する。許容されている場合にはその通信を開始させ,禁止されている場合にはその規則に関する情報をその携帯端末に向け発信する。外部から当該客室100内にある携帯端末との間で新規に通信を開始しようとした時にも,その通信が当該客室100内にて許容されているか否かを,メモリ713に記憶した情報に基づいてDSP711が判定する。許容されている場合にはその通信を開始させ,禁止されている場合にはその規則に関する情報をその通信を開始しようとした側に向け発信する。
【0052】
また,別の基地局を介して通信を行なっていた携帯端末が移動基地局410にハンドオーバして来たり,通信時間が所定の時間を超えたことにより禁止される属性になった場合には,その携帯端末とその通信相手の両方に向け,その通信を禁止する規則に関する情報を発信する。そして,所定の時間(例えば3秒)後にその通信を遮断する。
【0053】
また,ある地域において頻繁にアクセスされる情報を,その地域にある全移動基地局410に向け基地局制御装置440から予め放送しておく。DSP711は,この情報をハードディスク813に記憶しておく。その後,携帯端末120がこの情報の送信を要求した時には,DSP711はハードディスク813からこの情報を読み出して携帯端末120に向け送信する。これにより,移動基地局410と中継局430の間の通信量を削減できると共に,携帯端末120が送信を要求してからその送信が完了するまでの時間を短縮することができる。
なお,ここまでは客室100が列車の車両の客室である場合を想定して説明したが,列車以外にバスや船舶等の公共交通機関の客室であっても本発明の実施は可能である。また,劇場や飲食店等のように位置を固定された公共施設であっても,禁止対象の無線通信システムの基地局がすぐ近くに無い限り,本発明の実施は可能である。更に,位置を固定された公共施設で禁止対象の無線通信システムの基地局がすぐ近くにある場合でも,外部から客室100内に侵入する電波をシールド等により減衰させれば,本発明の実施は可能である。
また,本発明の図3または図4の実施例は,電話会社の協力を得ることが前提である。従って,電話会社と鉄道会社等との間で協力を得るための契約を締結することになる。すると,電話会社や鉄道会社等が多数存在する地域では,非常に多数の契約関係が必要となり煩雑である。また,個人経営の飲食店等では電話会社の協力を得にくいという問題がある。
【0054】
図9にこれらの問題を解決して本発明を円滑に実施するための契約方法について,その一実施例を示す。図9に示すように,電話会社や鉄道会社等と契約を締結するための組織を900,この組織900が所有する遠隔操作装置を901,ハードディスク装置を902で表わす。また,この組織900と契約を締結した電話会社を911〜913,契約を締結しない電話会社を914,契約を締結した鉄道または劇場または飲食店等の公共施設を経営する会社等または個人を921〜925で表わす。契約を締結しない公共施設等は省略する。また,組織900と電話会社の間の契約関係を950,組織900と公共施設等の間の契約関係を960で表わす。
契約関係950により,電話会社911〜913は,図3または図4の設備を使用する権利を得る代わりに,その使用料を支払う義務を負う。また,図3または
図4の実施に必要な情報を提供する。
契約関係960により,公共施設等921〜925は,本発明の実施に必要な設備を設置する義務を負う。また,携帯端末の使用を不可能とする設備を,この契約以外により設置することは禁止される。また,客室毎に設置した擬似中継局110内のデータ端末512や中継局310内のデータ端末612等の電話番号と,その客室内で禁止する通信の属性と許容する属性の定義等の情報を提供する。その代わりに,組織900が電話会社911〜913から受け取った使用料の一部を,設備の設置費および維持費の一部または全部として受け取る。
組織900は,電話会社911〜913と公共施設等921〜925から提供された情報をハードディスク装置902に記録する。そして必要に応じ,遠隔操作装置901から電話回線またはデータ通信網と各電話会社911〜913の基地局制御装置を経由して,中継局310内のデータ端末612または移動基地局410に向け設定情報等を送信する。これにより,各電話会社911〜913は図3または図4の設備を使用できる。
【0055】
また,組織900は,契約しない電話会社914がこの地域で運用する無線通信システムの仕様を調査し,ハードディスク装置902に記録する。その仕様を禁止対象として,遠隔操作装置901から電話回線またはデータ通信網と電話会社911〜913のいずれかの無線通信システムを経由して,擬似中継局110内のデータ端末512に向け設定情報等を送信する。これにより,電話会社914が運用する無線通信システムは,公共施設等921〜925の客室内では使用不可能となる。
【0056】
以上により,電話会社911〜913は,この契約を締結することにより他の電話会社914より不利になることは無く,また,組織900とだけ契約することにより公共施設等921〜925の全ての客室内で図3または図4の設備を使用することが可能になる。また,公共施設等921〜925の側は,個人経営など小さな組織であっても,電話会社911〜913の協力を得ることができる。また,遠隔操作装置901を使った作業は組織900が一括して行なうため,各公共施設等921〜925が個別に行なう場合に比べ設備や人件費を削減できる。
なお組織900は,独立した法人等であってもよいし,電話会社911〜913または公共施設等921〜924または中継局等の設備メーカのいずれかの子会社または一部門であってもよい。また,これらのいくつかが参加する組合等の組織であってもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように,本発明によれば,医療機器等に影響を及ぼす電波を強くすることなく,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にすることができる。
また本発明によれば,通信システムを運用する電話会社の協力の有無にかかわらず,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にすることができる。また本発明によれば,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にする事にその通信システムを運用する電話会社が協力することによって,その電話会社の携帯端末が使用しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例概念図。
【図2】本発明の他の実施例概念図。
【図3】本発明の他の実施例概念図。
【図4】本発明の他の実施例概念図。
【図5】図1または図2の実施例に使用する構成要素の1つについての,更に詳しい構成方法の一実施例ブロック図。
【図6】図3の実施例に使用する構成要素の1つについての,更に詳しい構成方法の一実施例ブロック図。
【図7】図3の実施例に使用する構成要素の他の1つについての,更に詳しい構成方法の一実施例ブロック図。
【図8】図4の実施例に使用する構成要素の1つについての,更に詳しい構成方法の一実施例ブロック図。
【図9】本発明を実施するに当たり必要となる契約関係を,円滑に進めるための方法の一実施例概念図。
【符号の説明】
100…客室
110…擬似中継局
120…携帯端末
130…通常の基地局
310…中継局
330…本発明に必要な機能を付加した基地局
410…移動基地局
430…位置固定した中継局
440…基地局制御装置
511…デジタル信号処理装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は,携帯電話等のセルラー型無線通信の設備に関し,特に,周囲の人に迷惑となる通信を停止させる機能に関する。
本発明はまた,携帯電話等のセルラー型無線通信の設備に関し,特に,無線通信の品質を高めるための中継局または無線通信基地局に関する。
【0002】
【従来の技術】
列車およびバス等の公共交通機関や飲食店および劇場等の公共施設の客室内では,互いに面識のない不特定多数の人が狭い場所に密集することが多い。このような場所で,携帯電話等の携帯端末を周囲の人に使用して欲しくない人と使用したい人が居合わせた場合,トラブルが生じることがある。特に電子装置による医療機器を装着した人にとっては,周囲の人が使用する携帯端末の発信する電波が上記医療機器に影響する可能性があり,周囲の人による携帯端末の使用は深刻な問題である。医療機器等を装着しない人でも,周囲の人の音声による通話が耳障りな場合が有る。このため,公共交通機関や公共施設等においては,携帯端末の使用を禁止している場合が多い。
しかしながら,物理的な強制力を伴わずに携帯端末の使用を禁止している場合には,この規則を無視して携帯端末を使用する人が現実に存在する。従って,この規則を実効有るものとし多くの人が快適に公共交通機関や公共施設等を利用できるようにするためには,特定の場所において携帯端末による通信を物理的に不可能にすることが必要である。
特定の場所において携帯端末による通信を不可能にする従来の方法としては,特開平11−178054,特開2001−268636,特開2001−86566,特開2001−218264,特開2001−78264,特開2001−44918,特開2001−257772,特開2001−285952,特開2000−41282などに,種々の方法が開示されている。
このうち,特開平11−178054に開示されている方法は,基地局から携帯端末への下り通信に使われる電波と同じ周波数の電波を特定の場所において発信し,携帯端末が受信する下り電波に干渉させて通信を不可能にする方法である。特開2001−86566に開示されている方法は,基地局が発信する下り電波と類似の電波を発信する擬似基地局を設置し,この擬似基地局の近傍に近づいた携帯端末はこの擬似基地局にハンドオーバさせることにより,本来の基地局との間の通信を不可能にする方法である。
上記に示したその他の特許明細書に開示されている方法は,特定の場所における通信を不可能にするための特別な機能を携帯端末側に用意し,これを使って目的を達成する方法である。
上記いずれの方法でも,特定の場所における通信を不可能にするという目的は達成できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平11−178054に開示されている方法では,電波の干渉によって基地局からの下り電波の受信を妨害するため,基地局からの下り電波より強い電波を携帯端末に受信させる必要が有る。特に,今後普及すると思われるCDMA方式は,スペクトラム拡散によって電波の干渉の影響を軽減した方式であり,この方式による通信を電波の干渉によって妨害するためには,基地局からの下り電波より相当強い電波を携帯端末に受信させる必要が有る。すると,かえってその電波が医療機器等へ影響を及ぼす恐れがある。
特開2001−86566に開示されている方法は,特別に設置した擬似基地局にハンドオーバさせる方法である。ところが,現在広く使用されているCDMAの規格の内,例えば1995年5月18日に標準仕様が公開されたTIA/EIA/IS−95や2000年1月に標準仕様が公開されたARIB−STD−T63等の規格では,携帯端末が新たな基地局の電波を見つけてハンドオーバする時には,その直前までつながっていた基地局にその旨を伝える上り信号を発信し,その基地局からの信号により新たに見つけた基地局がその携帯端末の使用できる基地局であることを確認した後にハンドオーバするように定められている。従って,その通信システムを運用する電気通信事業者(以下,電話会社と称する)が認めない擬似基地局にはハンドオーバしない。
このような規格に則った携帯端末に対して特開2001−86566に開示されている方法を有効に作用させるためには,その通信システムを運用する電話会社の協力を得て何らかの対応をしてもらう必要がある。しかしながら,この装置を導入することによって,その電話会社の携帯端末のみが使用を制限されることになるにもかかわらず、電話会社側に余分の負担が生じ、実現が難しい。
また,従来の技術の項に示したその他の特許明細書に開示されている方法では,携帯端末側に特別な機能を付加する必要が有る。従って,これらの方法でも通信システムを運用する電話会社の対応が必要である。
本発明が解決しようとする第1の課題は,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にした時に,医療機器等に影響を及ぼす電波がかえって強くなることを避けることにある。
本発明が解決しようとする第2の課題は,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にする時に,その通信システムを運用する電話会社の対応を必要としない手段を提供することにある。
本発明が解決しようとする第3の課題は,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にする事にその通信システムを運用する電話会社が協力する場合には,その電話会社の携帯端末を使用しやすくする手段を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1および第2の課題は,携帯端末の使用を不可能にしようとする無線通信で使用される下り電波の位相基準となる信号(通常パイロット信号と呼ばれる信号)と類似の信号を載せた電波を,上記携帯端末の使用を不可能にしようとする空間に発信することにより解決できる。
本発明の第3の課題は,協力を得られた電話会社の基地局と通信中の携帯端末について,その通信に関する情報を予めその基地局から提供を受け,特定の空間における使用を禁止した通信を行なっている携帯端末の上り電波をその空間内で受信した時にその通信の中断を要求する信号を上記基地局に送信する手段と,協力を得られない電話会社の無線通信で使用される下りパイロット信号と類似の信号を載せた電波を上記空間に発信する手段とを,併設することにより解決できる。本発明の第3の課題はまた,協力を得られた電話会社の基地局と携帯端末が行なっている通信の内,特定の空間における使用を禁止していない通信を中継する手段を設け,その通信の品質を高めることにより解決できる。
【0005】
本発明の他の観点は、所定範囲において基地局と携帯端末間で交信される無線通信を制限する方法であって、所定範囲の無線通信を制限する無線通信制限装置を配置するステップと、所定範囲の携帯端末と基地局の交信を中継する中継器を配置するステップと、無線通信制限装置の無線通信制限にかかわらず、所定の基地局に対しては、中継器により携帯端末と基地局間の通信を行うステップを有する。具体例では、無線通信制限装置が基地局から発信されるパイロット信号のタイミングをずらした偽パイロット信号を発信し、所定範囲において携帯端末が基地局との間のチャネルの同期を取ることを妨害し、無線通信を禁止する。
【0006】
本発明では、無線通信制限装置が主体的に所定範囲の無線通信を制限することができる。例えば、電車内、劇場内、病院内など、携帯電話等の使用が周囲の迷惑になり、あるいは医療機器への影響が懸念される領域において、当該領域を管理する者がその領域内での通信をも管理することができる。
【0007】
他の使用例として、中継器は、データ通信を中継するが、音声通信を中継しないように設定することもできる。例えば、喫茶店などにおいて、電話の話し声は迷惑だが、メイルを送受信するのは差し支えないような場合、このような使用例が便利である。
【0008】
本発明の別の例では、所定範囲において基地局と携帯端末間で交信される無線通信を制限する方法であって、第1の基地局から発信されるパイロット信号のタイミングをずらした偽パイロット信号を発信し、所定範囲において携帯端末が第1の基地局との通信を制限するステップと、第2の基地局と携帯端末の交信を中継するとともに、通信の種類等に基づいて、所定範囲において携帯端末が第2の基地局との通信を制限するステップと、を有する。
この例では、電車内、劇場内、病院内などの管理者は、第1の基地局に対して通信を全て禁止し、第2の基地局に対しては所望の通信のみを許容し他を禁止するという通信制御方法を実現可能である。第2の基地局への中継可否を決定するために、第2の基地局の通信事業者から当該通信に関する制御情報などを入手するのが便利である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例について,図1を使って説明する。この実施例は,電話会社側で特別の処理や対応をする必要なく,その電話会社が運営する無線通信システムの携帯端末を所定の車両内で使用不可能にする手段の一実施例である。
【0010】
図1に示すように,ある車両の客室を100,その客室100内にある携帯端末を120,この車両の近くにあって携帯端末120と通信できる基地局を130で表わす。その客室100内に本発明の擬似中継局110を設置する。擬似中継局110のアンテナのうち,客室100内に設置するものを112,外部に設置するものを111で表わす。また,携帯端末120のアンテナを121,基地局130のアンテナを131で表わす。更に,基地局130が発信する下り電波を150,擬似中継局110が発信する擬似下り電波を160で表わす。
擬似中継局110は,基地局130が発信する下り電波150を外部アンテナ111で受信し,この電波150に載せられた信号の中から同期を取るために必要な信号(以後,パイロット信号と称する)を検出する。そして,このパイロット信号と同じパターンでタイミングを少しずつずらせた数種類の擬似パイロット信号を生成し,これを載せた擬似下り電波160を室内アンテナ112から発信する。この車両が走行して基地局130から遠ざかると,基地局130からの下り電波150はアンテナ111に到達しなくなるが,その後も暫くの間は基地局130のパイロット信号と同じパターンの擬似パイロット信号を発信し続けるように構成する。また,別の基地局からの下り電波を新たに受信すると,その電波のパイロット信号も検出し,そのパイロット信号のタイミングを少しずつずらせた数種類の擬似パイロット信号をすでに発信中の擬似パイロット信号に重畳させて発信する。
【0011】
基地局130が携帯端末120のすぐ近くにある時には,本来の下り電波150が強い電力で携帯端末のアンテナ121に到達するので,基地局130から携帯端末120への通信は確保される。しかしながら,この車両が走行して携帯端末120が基地局130から遠ざかると,アンテナ121における下り電波150の受信電力は小さくなる。この内のパイロット信号の受信電力が,擬似下り電波160に載せた擬似パイロット信号のアンテナ121における受信電力より小さくなると,携帯端末120はその擬似パイロット信号160と同期をとる。従って,基地局130からの下り電波150と同期が取れなくなる。
【0012】
仮にこの車両が時速60キロメートル以上で走行していたとすると,12秒で200メートル以上進む。すなわち,基地局130が携帯端末120のすぐ近くにあっても,約12秒後には200メートル以上離れることになる。また,アンテナ121が受信する下り電波150または擬似下り電波160の受信電力は,アンテナ131またはアンテナ112からアンテナ121までの距離の2乗に概ね反比例する。従って,携帯端末のアンテナ121が擬似中継局のアンテナ112から例えば約2メートル以内の位置にある場合には,擬似中継局のアンテナ112から送出する擬似パイロット信号の送信電力が基地局のアンテナ131から送出するパイロット信号の送信電力の約1万分の1であっても,この携帯端末120が基地局130に最も近くなる時刻から約12秒以上この車両が走行すれば,パイロット信号の受信電力は擬似パイロット信号の受信電力より小さくなり,携帯端末120は基地局130からの下り電波150と同期が取れなくなる。
【0013】
ところで,携帯端末120が待ち受け状態にある時には,通常は,基地局130から送信される下り電波150にはパイロット信号以外に携帯端末120に宛てた信号は含まない。従って,擬似パイロット信号のみから成る擬似下り電波160だけしか受信できない状態になっても,携帯端末120は基地局130からの下り電波150を受信できなくなったことを検知しない。また,携帯端末120が待ち受け状態にある時には上り電波を発信しないため,基地局130でも携帯端末120が下り電波150を受信できなくなったことを検知できない。この状態で基地局130から携帯端末120を呼び出す下り信号を発信しても,携帯端末120は基地局130と同期が取れないため受信できない。携帯端末120から基地局130を呼び出す上り信号を発信した場合は,たとえそれが基地局130で受信できたとしても,携帯端末120では基地局130からの下り信号を受信できないため,基地局130から携帯端末120を制御することはできない。従って,いずれの側から呼び出しても携帯端末120と基地局130との間で通信することはできない。
【0014】
次に,携帯端末120が基地局130のすぐ近くにあって通信している状態から,車両が走行し基地局130が遠ざかってパイロット信号の受信電力が小さくなり擬似パイロット信号の受信電力と同程度以下になる場合を想定する。この場合は,携帯端末120での受信エラーが増加するため,携帯端末120は他の基地局からの下り電波を探してハンドオーバしようとする。しかし,擬似中継局110のアンテナ111は外部にあるため,客室100内にある携帯端末120のアンテナ121より先に他の基地局からの下り電波を受信可能になる場合が多い。すなわち,携帯端末120が他の基地局からの下り電波を受信可能になる前に,その基地局から発信される下りパイロット信号と同じパターンの擬似パイロット信号を擬似中継局110が発信する場合が多い。従って,携帯端末120が他の基地局からのパイロット信号を探し当てるより,擬似中継局110が発信する擬似パイロット信号を探し当てる可能性の方が高い。すると,携帯端末120は他の基地局へハンドオーバできず通信が途切れることになる。
すなわち,室内アンテナ112から約2メートル以内の範囲にある携帯端末120は殆ど使用不可能になる。
【0015】
図2には他の実施例を示す。この実施例では,客室100内に多数の室内アンテナを設置する。これらの室内アンテナを2つのグループに分け,一方のグループを112,他方のグループを212で表わす。112で表わすグループのアンテナ群からは,図1の実施例と同じ擬似下り電波を発信する。212で表わすグループのアンテナ群からは,同じ擬似下り電波を断続的に発信する。他の構成は,図1の実施例と同じである。
【0016】
室内アンテナ112を多数設置することにより,客室100内全体に渡ってほぼどの位置からも約2メートル以内に室内アンテナ112が少なくとも1個以上存在するようにできる。しかし,これらのアンテナから同じ電波を同時に発信すると,干渉によって電波が弱くなる地点が発生する。その地点では擬似下り電波の受信電力が弱くなり,本発明の効果を充分に発揮できない。
【0017】
図2の実施例では,これを解消するため,アンテナ群112の隙間にアンテナ群212を設け,アンテナ群212から発信する擬似下り電波を約1ミリ秒程度の周期で発信したり停止したりする。これにより,擬似下り電波の受信電力が弱くなる地点が周期的に移動し,約1ミリ秒以上の時間で平均すればほぼ全ての地点で擬似下り電波を受信できるようになる。従って,図2の実施例によれば,客室100内のほぼ全体に渡って携帯端末120の使用が不可能になる。
【0018】
なお,図2の実施例では,アンテナ群212から発信する擬似下り電波を周期的に断続する替わりに,周期的に電波の強度を変えても同様の効果が得られる。また,周期的に位相を変化させながら一定の強度で発信してもよい。また,アンテナ群212から発信する擬似下り電波とアンテナ群112から発信する擬似下り電波の搬送波の周波数を約1kHz程度ずらせてもよい。いずれの場合も,アンテナ群112から発信する電波とアンテナ群212から発信する電波が相殺されて弱まる地点と加算されて強まる地点が約1kHzの周期で入れ替わるため,上記と同じ効果が得られる。
【0019】
図3には他の実施例を示す。この実施例は,無線通信システムを運営する電話会社の協力が得られることを前提とする。そして,携帯端末120が使用する通信の属性を識別し,この車両内での使用を禁止した通信のみを使用不可能にする。
【0020】
図3に示すように,中継局を310,中継局の室内アンテナを312,特別な機能を付加した基地局を330,携帯端末120から中継局310への上り電波を360,中継局310から基地局330への上り電波を350で表わす。
基地局330は,自局と通信している全ての携帯端末について,その電話番号および上りパイロット信号を受信するために必要な情報と通信の属性に関する情報を,各車両に設置した中継局310に向け放送する。ここでいう属性とは,通信の種類が音声通信かデータ通信かの区別や,緊急かつ重要と判断される特定の通信相手(例えば警察等)との通信か否か,所定の時間を超える通信か否か等を指す。各車両に設置した中継局310は,基地局330から放送される上記情報を使ってその車両内での使用を禁止した通信を選択する。そして,室内アンテナ312が受信した電波の中にその通信の上りパイロット信号が有るか否かを常時検索する。禁止した通信の上りパイロット信号が検出された時には,その通信を中断するように要求する信号を基地局330に対して発信する。これを受けた基地局330は,その通信を中断する。
【0021】
これにより,この車両内での携帯端末の使用を全面的に禁止するだけでなく,音声通信のみを禁止してデータ通信は許容したり,緊急かつ重要と判断される通信のみを許容したり,所定時間以内の短い通信のみを許容したり,これらの組み合わせ等のきめ細かい設定ができる。更に,各車両毎に異なる設定にすることもできる。また,音声通信の場合は合成音声等によりデータ通信の場合は画面表示等により,使用禁止にした通信を中断する際にその規則等について携帯端末の利用者に案内することも可能である。利用客は,車両を選択することにより,携帯端末による通信が全く行なわれない車両に乗ることもできるし,自分が使用したい種類の通信が可能な車両に乗ることもできる。
【0022】
なお,基地局330と通信中の携帯端末についての情報の放送は,全携帯端末についての情報を例えば約10秒の周期で定期的に発信すると共に,変更があった分は更に短い周期で発信する。これにより,基地局330から発信する情報量をあまり増やすことなく,各車両に設置した中継局310がその付近で行われている通信についての最新の状態を把握できる。また,その放送を暗号化して行なう場合は,全ての車両の中継局310にその内容を解読するための暗号解読鍵をあらかじめ設定しておくことにより,全車両に対して一斉に放送することができる。
【0023】
また,協力を得られた電話会社が運営する無線通信システムの上り電波を中継局310に中継させることもできる。すなわち,室内アンテナ312が受信する上り電波360の周波数帯の電波をそのまま増幅し,外部アンテナ111から上り電波350として発信する。従って,携帯端末120が発信する上り電波360の電力は室内アンテナ312まで届けば充分であり,中継局310が無い場合に比べて小さな電力で済む。これにより,携帯端末120が発信する上り電波360が周辺の医療機器等へ影響を与える範囲を狭くできると共に,携帯端末120のバッテリの電力消費を小さく抑えることができる。
【0024】
この場合,外部アンテナ111から発信した上り電波350が同じ車両や前後の車両の室内アンテナ312へ回り込まないように,車両の屋根の形状および材質と外部アンテナ111および室内アンテナ312の設置位置等を考慮して,中継局310による上り電波の増幅率を設計するのは言うまでもない。
【0025】
なお,列車がすれ違う時や追い越す時等に2つの車両が接近した場合,第1の車両の外部アンテナ111から発信する上り電波350が第2の車両の室内アンテナ312に受信されることが有り得る。この場合,第1の車両では許容されているが第2の車両では禁止されている属性の通信を第1の車両内の携帯端末が行なっていた場合,第2の車両の中継局310が基地局330に対してその通信を中止するように要求する信号を発信することにより,許容されている通信が中止されることが起き得る。また,第1の車両の外部アンテナ111から発信する上り電波350が第2の車両の室内アンテナ312に受信され,かつ,第2の車両の外部アンテナ111から発信する上り電波350が第1の車両の室内アンテナ312に受信される場合,この2つの車両の中継局310の間で発振が起き得る。
【0026】
これを避けるために,中継局310は携帯端末局120が発信しない独自の信号を上り電波350に載せ,外部アンテナ111から発信する。室内アンテナ312がこの信号を受信した時には,基地局330に対して通信を中断するように要求する信号を中継局310が発信しないように設定する。また,この信号を受信した時には,中継局310による上り電波の増幅率を下げる。これにより,2つの車両が接近した時に上記のような問題が起きるのを防ぐことができる。
【0027】
また,電話会社にとっては,ある車両内において自社の携帯端末だけを使用制限することは営業上の不利益となるため,図3の実施例のみを単独で実施しようとしても電話会社の協力は得にくいと考えられる。しかし,図1または図2の実施例と図3の実施例を同時に実施し,協力を得られない電話会社の携帯端末は図1または図2の実施例によって完全に使用不可能とし,協力を得られる電話会社については禁止する通信と許容する通信を図3の実施例によって車両毎にきめ細かく設定すれば,電話会社の協力を得やすいと考えられる。なお,その結果,この車両が運行する地域の全ての電話会社から協力を得られれば,図1または図2の実施例の設備は不要となる。
【0028】
図4には他の実施例を示す。この実施例も図3の実施例と同様に,無線通信システムを運営する電話会社の協力が得られることを前提とする。
図4に示すように,車両100内に設ける移動基地局を410,基地局制御装置を440,移動基地局410と基地局制御装置440の間をつなぐ位置固定された中継局を430,中継局430から移動基地局410への下り電波を450,移動基地局410から中継局430への上り電波を451,移動基地局410から携帯端末120への下り電波を460で表わす。
移動基地局410には基地局130と同様の機能を持たせ,外部から客室100内に入って来た携帯端末120は基地局130から移動基地局410にハンドオーバさせる。また,客室100内で電源を投入した携帯端末120は移動基地局410との間で初期設定を行なう。
【0029】
ただし移動基地局410には,携帯端末120が客室100内での使用が禁止されている属性の通信を開始しようとした時や,客室100内での使用が禁止されている属性の通信を行なっている携帯端末がハンドオーバしてきた時に,合成音声または画面表示等による案内によりその旨をその携帯端末の利用者に知らせると共に,その通信を中止する機能を持たせる。
移動基地局410は通常の基地局130と同様に基地局制御装置440によって制御されるが,基地局制御装置440と移動基地局410の間の通信は中継局430を介して行なう。中継局430と移動基地局410の間の通信は,通常の場所(本発明による設備の無い場所)において通常の基地局130と携帯端末120が行なう通信と同様に行なう。
【0030】
なお,移動基地局410のアンテナ111は,車両の外部に複数設置することが可能である。従って,客室100内の携帯端末120のアンテナ121より,効率良く外部からの電波を受信し外部へ電波を発信することができる。
また,中継局430のアンテナ431は,この列車の通る場所を考慮して効率よく通信のできる場所に設置し,また,トンネル内等に設置することもできる。従って,通常の基地局130からの電波が届かない場所にこの車両がある場合でも,通信できるようにすることが可能である。
更に,移動基地局410の中にハードディスク等の大容量記憶装置を設置し,アクセス頻度の高い情報を予め移動基地局410の側に送っておくことも可能である。これにより,電波の利用効率を上げることができる。
【0031】
図5に擬似中継局110の構成の一実施例を示す。図5に示すように,高周波受信部を501,マッチドフィルタを502,受信電力算出部を503,デジタル信号処理装置(以下,DSPと称する)を511,データ端末を512,メモリを513,パイロット信号のタイミングを設定するためのタイマを514,パイロット信号生成部を521,変調部を522,合成部を523,一定の電力で送信するための高周波送信部を524,周期的に位相を変化させながら送信するための高周波送信部を525,位相を変化させるタイミングを決めるためのタイマを526で表わす。
データ端末512は,この擬似中継局110を遠隔操作によって制御するためのデータ端末であり,電話会社等が運営する一般の商用無線通信システムのデータ端末であっても良いし,主要駅構内や車庫内等のみで使用できる鉄道会社等の専用無線通信システムのデータ端末であっても良い。
この擬似中継局110は,客室100内での携帯端末の使用を禁止しようとする無線通信システム(以下,禁止対象と称する)に関する各種情報を遠隔操作によってメモリ513に記憶させる機能と,禁止対象の基地局から送信される下りパイロット信号等を検索する機能と,検索により検出した下りパイロット信号等と同じ信号をタイミングをずらせて客室100内に送信する機能と,検出した下りパイロット信号等に関する情報を遠隔操作を行なう側に送信する機能とを有する。
【0032】
以下,禁止対象が本明細書の課題の項で述べたARIB−STD−T63の標準仕様書に記載された規格(以下,WCDMA規格と称する)に則った無線通信システムである場合を例にとって,具体的な動作を説明する。もちろん,禁止対象が他の規格に則った無線通信システムである場合にも,その規格に合わせたパラメータ等を設定することにより,同じようにその無線通信システムの携帯端末の使用を不可能にすることができる。
【0033】
まず,禁止対象の下りパイロット信号を受信したり生成したりするために必要な情報を,データ端末512およびDSP511を経由してメモリ513に記憶させる。この情報とは,WCDMA規格の1チップの時間(すなわち信号が変化する時間の最小単位)や第1同期符号(primary synchronisation code)および第2同期符号(secondary synchronisation code)および下り拡散符号(downlink scrambling code)および第1共通パイロットチャネル(primary common pilot channel)のチャネル化符号(channelization code)および各アンテナの変調パターン(modulation pattern)等の仕様,下り電波の周波数,下りパイロット信号や第1および第2の同期信号を受信したと判定する電力の閾値等である。これらの情報は,DSP511を動作させるためのプログラムの一部として記憶させることもできるし,そのプログラムが参照するパラメータの一部として記憶させることもできる。
【0034】
次に,DSP511がタイマ514の設定を行なう。WCDMA規格では,1チップの時間は約260ナノ秒である。そこで,タイマ514の中から空いている1つを選択し,約260ナノ秒毎に第1のパルスを出力するように設定する。WCDMA規格の禁止対象を検索している間は,この第1のパルスを1チップ刻みのクロック信号として使用する。
また,WCDMA規格では下り拡散符号は38400チップ周期で繰返す。そこで,上記タイマ514が38400チップ毎に第2のパルスを出力するように設定する。種々の信号のフレームの先頭などのタイミングは,この第2のパルスを基準に何チップ離れているかによって数値で把握できる。
【0035】
なお,タイマ514のうち既に使用中の1個がこれと同じ周期で第1および第2のパルスを出力するように設定されている場合には,そのタイマを共用する。更に,禁止対象の下り電波の周波数を高周波受信部501が抽出するように設定する。そして高周波受信部501は,アンテナ111に入力した電波の中から設定された範囲の周波数の成分を抽出し,その総電力をAGCによって調整する。これをベースバンドの周波数に変換し,マッチドフィルタ502に送出する。ここまでが,準備段階である。
WCDMA規格の下りパイロット信号を検索する場合は,まず,第1同期信号を検索することによってスロットの先頭を検出し,次にその中から第2同期信号を検索することによってフレームの先頭を検出すると共に拡散符号の候補を絞り込み,最後にその結果を使ってパイロット信号を検索すれば効率良く検索することができる。
【0036】
そこでまず,マッチドフィルタ502に第1同期符号をセットする。マッチドフィルタ502は,タイマ514が出力する第1のパルスを元に,この第1同期符号を1チップずつずらせた種々のタイミングの第1同期符号を生成する。そして,高周波受信部501から送出されて来る信号に各タイミングの第1同期符号をかけ,受信電力算出部503に送出する。受信電力算出部503は,マッチドフィルタ502から送出されて来る信号を所定の時間分(WCDMA規格では256チップ分が適当)だけ加算し,各タイミングの第1同期符号に対応する電力値を算出する。その電力値の中に第1同期信号を受信したと判定する閾値以上の電力値が有れば,そのタイミングの第1同期符号に合う第1同期信号を受信したと推定できる。従って,そのタイミングをスロットの先頭とする電波が存在すると推定できる。そのタイミングが,タイマ514が出力する第2のパルスから何チップ目に相当するかにより,スロットの先頭位置を数値で把握できる。WCDMA規格の第1同期符号は2560チップ後に同じパターンを繰り返すため,2560種類のタイミングについてこれを行なえば,アンテナ111に入力する検索対象の全てについてスロットの先頭位置を検索できる。この内,受信電力値の大きな方から予め定めた所定数以内の信号を,以後の検索対象とする。
【0037】
次に,第1同期信号により検出したスロットの先頭タイミングを基に第2同期信号を検索する。ただし,車両の走行による電波の経路長の変化等により,スロットの先頭が±1チップ分ずれる可能性がある。従って,第1同期信号により検出したスロットの先頭と,これを±1チップ分ずらせたタイミングの,計3種類のタイミングについて検索する。また,WCDMA規格では第2同期符号は全部で16種類あり,各スロットの第2同期信号はその内のいずれかにより符号化されている。そこでマッチドフィルタ502は,3種類のタイミングと16種類の第2同期符号との組合せによる計48種類の符号について,高周波受信部501から送出されて来る信号をかけ受信電力算出部503に送出する。
受信電力算出部503は,第1同期信号の場合と同様に電力値を算出する。算出された48個の電力値のうち最大のものが第2同期信号を受信したと判定する閾値以上であれば,それに対応する第2同期符号により送出された電波が存在すると推定できる。これを15スロット分繰り返した結果とWCDMA規格とを照合すれば,フレームの先頭が確定すると共に拡散符号を512種類の中から8種類に絞り込める。
【0038】
なお,各スロット毎に算出した48個の電力値のうち最大となるものが,タイミングを+1チップ分(または−1チップ分)ずらせた第2同期符号に対応する場合には,それ以後の動作はスロットの先頭が+1チップ分(または−1チップ分)ずれたものとして行なう。スロットの先頭が±1チップ分ずれることにより他の検索対象のスロットの先頭に一致する場合には,この検索対象に対する検索を打ち切る。
また,48個の電力値が全て閾値以下となった場合には,もう1スロット分だけ同じように受信電力算出を行なう。そして,その結果再び48個の電力値が全て閾値以下となった場合に,この検索対象に対する検索を打ち切る。これは,WCDMA規格の同期信号は基地局の2本のアンテナから交互に発信される場合があるからである。すなわち,電波の多重干渉により一方のアンテナから発信される電波の受信電力は低いが反対側のアンテナから発信される電波は充分な電力で受信できる場合,1スロット毎に受信電力が低くなったり高くなったりする。従って,1スロットだけ受信電力値が低い場合には反対側のアンテナから発信される電波を受信できる可能性があるが,2スロット連続で受信電力値が低い場合には受信できなくなった可能性が高いためである。従って,2スロット連続で受信電力値が低い場合にその検索対象に対する検索を打ち切る。
【0039】
次に,マッチドフィルタ502に,8種類に絞り込んだ拡散符号と,第1共通パイロットチャネルのチャネル化符号をセットする。そして,拡散符号および拡散符号をフレームの先頭から±1チップ分ずらせた計24種類の符号と高周波受信部501から送出されて来る信号をかける。更にチャネル化符号をかけ,受信電力算出部503に送出する。
受信電力算出部503は,同期信号の場合と同様に256チップ毎に電力値を算出する。WCDMA規格では,共通パイロットチャネルの変調パターンは,一方のアンテナから出力される側は切り替わらないが,他方のアンテナから出力される側は256チップまたは512チップ毎に切り替わる。従って,256チップ毎に電力値を算出すれば,変調パターンを考慮しなくても第1共通パイロット信号の受信電力を算出できる。そして,受信電力算出部503が算出した24個の電力値のうち最大のものがパイロット信号を受信したと判定する閾値以上であれば,それに対応する拡散符号により送出されたパイロット信号が存在すると推定できる。これを数回繰り返しても高い確率で同じ拡散符号が選択されれば,検索した禁止対象の規格(この場合はWCDMA規格)および搬送波の周波数や検出した拡散符号およびフレームの先頭(以下,これらをまとめてパイロット信号の仕様と称する)をメモリ513に登録する。
【0040】
なお,第2同期信号の時と同様に,各スロット毎に算出した電力値の最大となるものが拡散符号を+(または−)1チップ分ずらせた符号に対応する場合には,以後の動作はフレームの先頭が+(または−)1チップ分ずれたものとして行なう。
パイロット信号の仕様をメモリ513に登録する時には,同じパイロット信号の仕様が既に登録されているか否かをチェックする。登録されていなければ,そのパイロット信号の仕様および受信電力値およびその時の時刻を登録する。既に登録されていれば,受信電力値および時刻を更新する。そして,次の検索対象についても同様に検索を行なう。全ての検索対象についての検索が終了すれば,他の規格の禁止対象についても順次検索を行なう。そして,その全てが終了すれば再び元の禁止対象に戻って同様の検索を繰り返す。
【0041】
更に,上記の検索動作の合間に時分割で,メモリ513に登録した検索結果の更新を定期的に行なう。その頻度は,1チップ分の時間に電波が進む距離の半分(WCDMA規格では約39メートル)を列車が走るのに必要な時間に1回以上とする。この動作は,メモリ513に登録したパイロット信号の仕様の各組の中で,前回の受信電力値がパイロット信号を受信したと判定する閾値(以下,単に閾値と称する)以上である組について,その拡散符号および±1チップ分ずらせた拡散符号とフレームの先頭の組合せで受信電力値を算出し,その算出結果を反映してメモリ513に登録した受信電力値と時刻を更新する動作である。また,拡散符号を±1チップ分ずらせた方がずらさないより電力値が大きくなる場合には,それに合わせてフレームの先頭を更新する。その結果,パイロット信号の仕様が既に登録した他の組と一致する場合は,更新時刻の古い方を削除する。
【0042】
次に,メモリ513に登録した内容を元に擬似パイロット信号を生成し,アンテナ112および212から送出する。なお,検索の動作は種々の規格の禁止対象に対してマッチドフィルタ502および受信電力算出部503を1組だけ用意し時分割で使うこともできるが,擬似パイロット信号の送出は,タイマ514およびパイロット信号生成部521および変調部522を各禁止対象毎に用意し常時送出するのが望ましい。
パイロット信号生成部521は,メモリ513に登録した内容を元にパイロット信号を生成し,変調部522に送出する。ただし,高周波受信部501や変調部522および合成部523および高周波送信部524などの信号遅延を加味して,基地局130から送られてくる本来のパイロット信号のフレームの先頭がアンテナ111に入力する時刻より数チップ程度早い時刻にアンテナ112からフレームの先頭が出力されるタイミングで生成する。その電力値は,メモリ513に登録した受信電力値(それが閾値以下の場合には閾値)に比例する値となるようにする。更に,パイロット信号生成部521が変調部522に送出する信号は,上記のパイロット信号およびこれを1チップずつ数回遅延させた合計数種類のタイミングのパイロット信号を加算した信号とする。従って,本来のパイロット信号からのずれが1チップ以内の擬似パイロット信号と,これより早い数本の擬似パイロット信号を合わせた信号が生成されることになる。
【0043】
なお,メモリ513に登録したパイロット信号の仕様の数がパイロット信号生成部521で生成できる擬似パイロット信号の数を超える場合は,メモリ513に登録した更新時刻の新しいものから優先して生成できる最大数の擬似パイロット信号を生成する。
変調部522は,メモリ513に登録した周波数の搬送波を作成し,パイロット信号生成部521から送出されてくる信号によりその搬送波を変調して合成部523に送出する。合成部523は,変調部522から送出されてくる高周波信号を全て加算し,高周波送信部524および525に送出する。高周波送信部524は,合成部523から送出されてくる高周波信号をアンテナ112から送出する。高周波送信部525も,合成部523から送出されてくる高周波信号をアンテナ212から送出する。ただし高周波送信部525は,タイマ526から送出されてくるパルスに合わせて信号の遅延時間を変化させる。タイマ526は約1キロヘルツ程度のパルスを生成し,高周波送信部525に送出する。以上により,擬似中継局110を実現できる。
【0044】
なお,この実施例では,この擬似中継局110を搭載した車両が車庫に戻った時や折り返し駅に到着した時その他適当な時に,遠隔操作により,メモリ513に登録した内容をDSP511およびデータ端末512を介して読み出すことができる。この情報により,この車両が通った沿線に存在する禁止対象の基地局の種類と下り拡散符号等がわかる。従って,この車両が折り返し運転する時や後続の列車が出発する前に,その基地局を優先的に検索するように設定しておけば,効率良く検索することができる。
更に,メモリ513に登録した内容を読み出す機能により,未知の仕様の無線通信システムが存在する場合にも,その範囲を絞っていくことができる。すなわち,公開されている種々の仕様やその変形から未知の無線通信システムの仕様を仮定し,擬似中継局110の擬似パイロット信号発生機能(すなわち,パイロット信号生成部521,変調部522,合成部523,高周波送信部524および525から成る部分)以外を動作させることによって,仮定した仕様の基地局が存在するか否かを調査することができる。メモリ513に登録されたこの調査結果を遠隔操作によって読み取り,これを元に更に他の仕様の調査を繰り返すことにより,未知の無線通信システムの仕様の範囲を絞っていくことができる。
図6に中継局310の構成の一実施例を示す。図6に示すように,高周波受信部を601,周波数変換部を602,データ端末を612,高周波増幅部を621,識別符号生成部を622,変調部を623,合成部を624,高周波送信部を625で表わす。
この実施例の構成要素であるデータ端末612は,携帯端末120と共通の無線通信システムで使用できるデータ端末であり,基地局330と通信を行なう機能を有する。そして,通常のデータ端末として基地局330を介して遠隔操作元との間で個別のデータ通信を行なう機能の他に,基地局330から放送される信号を受信する機能を備える。
図6の高周波受信部601は,携帯端末120から基地局330への上り電波の帯域の成分を,アンテナ312に入力する電波の中から抽出し,そのままの周波数で周波数変換部602および高周波増幅部621に送出する。周波数変換部602は,高周波受信部601から送出された信号の電力をAGCによって調整した後,ベースバンドの周波数に変換してマッチドフィルタ502に送出する。高周波増幅部621は,高周波受信部601から送出された信号を増幅して合成部624に送出する。その時の増幅率は,DSP511が制御する。識別符号生成部622は,携帯端末120が発信しない特別の符号を生成し,変調部623に送出する。変調部623は,携帯端末120やデータ端末612の上り電波と同じ周波数の搬送波を,識別符号生成部622から送出されてくる信号により変調して合成部624に送出する。合成部624は,データ端末612および高周波増幅部621および変調部623から送出されて来る高周波信号を全て加算し,高周波送信部625に送出する。高周波送信部625は,合成部624から送出されてくる高周波信号をアンテナ111から送出する。
【0045】
この中継局310は,電源を投入し安定した直後等に,初期設定を行なうために必要な情報を要求する信号を,DSP511からデータ端末612を介して遠隔操作元に発信する。遠隔操作元は,データの暗号化および復号用の鍵と,識別符号生成用の情報と,この車両の客室内で禁止する通信の属性と許容する通信の属性を設定するための情報を,各車両の中継局310のデータ端末612に向け個別に送信する。また必要に応じて,後述する第1〜第3の閾値などを設定または修正する情報等も送信する。暗号の鍵と識別符号は全車両同じ内容でよいが,通信の禁止と許容の区分は各車両毎に決めた内容となる。また,暗号の鍵は,各基地局330にも同じものを予め設定しておく。
各車両の中継局310では,データ端末612が受信したこれらの情報を,DSP511を介してメモリ513に記憶する。更にタイマ514を,携帯端末120と基地局330の間の通信システムの仕様に基づき,携帯端末120が送信する上り信号の1チップの時間毎に第1のパルスを出力し1フレームの時間毎に第2のパルスを出力するように設定する。
【0046】
次に,DSP511は,メモリ513に記憶した識別符号生成用の情報を,識別符号生成部622にセットする。識別符号生成部622は,この情報とタイマ514から送出される第1のパルスを使って識別符号を生成する。この識別符号による識別信号が,変調部623および合成部624および高周波送信部625を経由してアンテナ111から発信される。他の車両の中継局310も,全て同じ識別信号を発信する。
DSP511は,この識別符号をマッチドフィルタ502に定期的(例えば100ミリ秒毎)にセットする。マッチドフィルタ502および受信電力算出部503は,図5の実施例のマッチドフィルタ502および受信電力算出部503が第1同期信号を検索する場合と同様の手順で,この識別信号を検索する。その電力値があらかじめ設定した第1の閾値以上である時には,他の車両の中継局310からの上り電波350をアンテナ312が受信していると判定できる。その場合には,その電力値に応じて高周波増幅部621の増幅率を下げ,他の車両の中継局310との間で発振を起こさないようにする。
【0047】
次に,データ端末612は基地局330から定期的に放送される情報を受信しDSP511に送る。この情報には,基地局330と通信中の全ての携帯端末について,その携帯端末の電話番号およびその通信の属性と,その携帯端末の上り拡散符号を生成するための情報が含まれる。そしてその情報は,初期設定時に送信された鍵により暗号化されて放送される。DSP511は,その鍵により復号してメモリ513に記録する。また,これを更新するための情報が放送される毎に,メモリ513に記録した内容を更新する。また,基地局330が発信する下り信号150のフレームの先頭がアンテナ111に到達する時刻と,タイマ514が第2のパルスを出力する時刻が何チップ離れているかを,データ端末612が基地局330からの信号を受信するタイミングを元に算出し,メモリ513に記録しておく。
【0048】
次にDSP511は,初期設定時にメモリ513に記憶した通信の禁止と許容の区分を設定する情報を使って,基地局330が行なっている通信の中からこの車両内で禁止されている属性の通信を選択する。その中から順次1つずつ選択し,その通信の上り拡散符号をマッチドフィルタ502にセットする。マッチドフィルタ502および受信電力算出部503は,図5の実施例のマッチドフィルタ502および受信電力算出部503がパイロット信号を検索する場合と同様の手順で,この拡散符号により拡散されたパイロット信号を検索する。その電力値があらかじめ設定した第2の閾値以下である時には,アンテナ312はその通信の上り電波を受信していないと推定できる。その場合は,他の通信の検索を行なう。
パイロット信号を検索した結果その電力値が上記第2の閾値以上である時には,アンテナ312がその通信の上り電波を受信していると判定できる。この場合には,マッチドフィルタ502に識別符号をセットし,識別信号を検索する。その電力値があらかじめ設定した第3の閾値以下である時には,他の車両の中継局310からの上り電波350をアンテナ312が受信している可能性は無いと判定する。パイロット信号の検索と識別信号の検索を2〜3回繰り返しても,アンテナ312がその通信の上り電波を受信し他の車両の中継局310からの上り電波を受信していないと判定される場合には,その通信を行なっている携帯端末が客室100の中にあると判断できる。その時には,DSP511はデータ端末612を介して基地局330に向け,その通信を行なっている携帯端末の電話番号およびその通信を中断するように要求する信号と,その車両内での通信を禁止する規則に関する情報を発信する。
【0049】
なお,基地局330が発信する下り信号150が,アンテナ111に到達する時刻と携帯端末120のアンテナ121に到達する時刻はほぼ等しいと考えられる。また,基地局330が発信する下り信号150のフレームの先頭が携帯端末120のアンテナ121に到達する時刻と,携帯端末120が発信する上り信号のフレームの先頭がアンテナ121から送出される時刻の差は,通常は仕様が決められている。更に,客室100の中は狭いため,アンテナ121から発信した上り電波がアンテナ312に到達するまでの時間は殆ど無視できると考えられる。更に前述のように,基地局330が発信する下り信号150のフレームの先頭が中継局310のアンテナ111に到達する時刻と,タイマ514が第2のパルスを出力する時刻の差を,メモリ513に記録してある。
従って,マッチドフィルタ502がパイロット信号を検索するべき時間の範囲は,タイマ514が第2のパルスを出力する時刻を基準に限られた範囲に限定できるため,短時間で効率良く検索できる。
【0050】
図7に基地局330の構成の一実施例を示す。図7に示すように,高周波受信部を701,復調部を702,通常の基地局としての機能を実現するためのメモリを703,DSPを711,インタフェース装置を712,本発明の機能を実現するために必要なメモリを713,DSP711にトリガをかけるためのタイマを714,変調部を721,高周波送信部を722で表わす。また,基地局制御装置と接続する信号を750および751で表わす。なお,メモリ703とメモリ713は,物理的に同一の半導体チップ上のメモリを使ってもよい。
DSP711は,インタフェース装置712を介して基地局制御装置への信号750を送出し,また基地局制御装置からの信号751を受信する。また,携帯端末120やデータ端末612等からの上り電波をアンテナ131で受信し,高周波受信部701により必要な周波数帯域の成分を取り出すと共にベースバンドの周波数に変換し,復調部702で各チャネル毎の信号に復調する。各携帯端末に向け発信する下り信号は,変調部721で搬送波に載せ,高周波送信部722からアンテナ131を介して送出する。以上は,基地局としての基本的な機能である。
この基地局330は,中継局310に向け情報を放送する時に使う暗号の鍵や通信の属性を定義する情報およびタイマ714を設定するための情報を,遠隔操作元から基地局制御装置を経由し信号751の一部として受け,DSP711を介してメモリ713に記憶する。DSP711は,この情報に基づいて,一定の周期(例えば1秒)で第1のパルスを出力しそれより長い周期(例えば10秒)で第2のパルスを出力するように,タイマ714を設定する。タイマ714が第1のパルスを出力する毎に,DSP711は,その時にこの基地局330と通信中の携帯端末の電話番号と上り拡散符号を生成するための情報およびその通信の属性をメモリ713に登録する。そして,前回から変更があった場合には,その変更部分を上記鍵によって暗号化し各中継局310のデータ端末612に向け放送する。また,タイマ714が第2のパルスを出力した時には,変更の無い部分を含めてメモリ713に登録した携帯端末の全情報を放送する。
また,DSP711は,ある携帯端末の通信を中断するように要求する信号を中継局310のデータ端末612から受信した時は,その携帯端末とその通信相手に向け,その通信を禁止する規則に関する情報を発信する。そして,所定の時間(例えば3秒)後にその通信を遮断する。
【0051】
図8に移動基地局410の構成の一実施例を示す。図8に示すように,中継局430と通信するための高周波受信部を801,復調部を802,変調部を821,高周波送信部を822で表わす。また,ハードディスク装置を813で表わす。
移動基地局410は,アンテナ321および高周波受信部701および復調部702および変調部721および高周波送信部722およびDSP711およびメモリ703を使って,通常の基地局と同様に携帯端末120と通信を行なう。また移動基地局410は,アンテナ111および高周波受信部801および復調部802および変調部821および高周波送信部822およびDSP711およびメモリ703を使って,通常の携帯端末と同様に中継局430と通信を行なう。この移動基地局410は,電源を投入し安定した直後等に,この移動基地局410を搭載する車両の客室100内で禁止する通信の属性と許容する通信の属性を設定するための情報を要求する信号を,DSP711から変調部821および高周波送信部822を介して遠隔操作元に向け発信する。これにより遠隔操作元から発信される情報を,高周波受信部801および復調部802を介して受信し,メモリ713に記憶しておく。
その後,当該客室100内のある携帯端末が新規に通信を開始しようとした時,その通信が当該客室100内で許容されているか否かを,メモリ713に記憶した情報に基づいてDSP711が判定する。許容されている場合にはその通信を開始させ,禁止されている場合にはその規則に関する情報をその携帯端末に向け発信する。外部から当該客室100内にある携帯端末との間で新規に通信を開始しようとした時にも,その通信が当該客室100内にて許容されているか否かを,メモリ713に記憶した情報に基づいてDSP711が判定する。許容されている場合にはその通信を開始させ,禁止されている場合にはその規則に関する情報をその通信を開始しようとした側に向け発信する。
【0052】
また,別の基地局を介して通信を行なっていた携帯端末が移動基地局410にハンドオーバして来たり,通信時間が所定の時間を超えたことにより禁止される属性になった場合には,その携帯端末とその通信相手の両方に向け,その通信を禁止する規則に関する情報を発信する。そして,所定の時間(例えば3秒)後にその通信を遮断する。
【0053】
また,ある地域において頻繁にアクセスされる情報を,その地域にある全移動基地局410に向け基地局制御装置440から予め放送しておく。DSP711は,この情報をハードディスク813に記憶しておく。その後,携帯端末120がこの情報の送信を要求した時には,DSP711はハードディスク813からこの情報を読み出して携帯端末120に向け送信する。これにより,移動基地局410と中継局430の間の通信量を削減できると共に,携帯端末120が送信を要求してからその送信が完了するまでの時間を短縮することができる。
なお,ここまでは客室100が列車の車両の客室である場合を想定して説明したが,列車以外にバスや船舶等の公共交通機関の客室であっても本発明の実施は可能である。また,劇場や飲食店等のように位置を固定された公共施設であっても,禁止対象の無線通信システムの基地局がすぐ近くに無い限り,本発明の実施は可能である。更に,位置を固定された公共施設で禁止対象の無線通信システムの基地局がすぐ近くにある場合でも,外部から客室100内に侵入する電波をシールド等により減衰させれば,本発明の実施は可能である。
また,本発明の図3または図4の実施例は,電話会社の協力を得ることが前提である。従って,電話会社と鉄道会社等との間で協力を得るための契約を締結することになる。すると,電話会社や鉄道会社等が多数存在する地域では,非常に多数の契約関係が必要となり煩雑である。また,個人経営の飲食店等では電話会社の協力を得にくいという問題がある。
【0054】
図9にこれらの問題を解決して本発明を円滑に実施するための契約方法について,その一実施例を示す。図9に示すように,電話会社や鉄道会社等と契約を締結するための組織を900,この組織900が所有する遠隔操作装置を901,ハードディスク装置を902で表わす。また,この組織900と契約を締結した電話会社を911〜913,契約を締結しない電話会社を914,契約を締結した鉄道または劇場または飲食店等の公共施設を経営する会社等または個人を921〜925で表わす。契約を締結しない公共施設等は省略する。また,組織900と電話会社の間の契約関係を950,組織900と公共施設等の間の契約関係を960で表わす。
契約関係950により,電話会社911〜913は,図3または図4の設備を使用する権利を得る代わりに,その使用料を支払う義務を負う。また,図3または
図4の実施に必要な情報を提供する。
契約関係960により,公共施設等921〜925は,本発明の実施に必要な設備を設置する義務を負う。また,携帯端末の使用を不可能とする設備を,この契約以外により設置することは禁止される。また,客室毎に設置した擬似中継局110内のデータ端末512や中継局310内のデータ端末612等の電話番号と,その客室内で禁止する通信の属性と許容する属性の定義等の情報を提供する。その代わりに,組織900が電話会社911〜913から受け取った使用料の一部を,設備の設置費および維持費の一部または全部として受け取る。
組織900は,電話会社911〜913と公共施設等921〜925から提供された情報をハードディスク装置902に記録する。そして必要に応じ,遠隔操作装置901から電話回線またはデータ通信網と各電話会社911〜913の基地局制御装置を経由して,中継局310内のデータ端末612または移動基地局410に向け設定情報等を送信する。これにより,各電話会社911〜913は図3または図4の設備を使用できる。
【0055】
また,組織900は,契約しない電話会社914がこの地域で運用する無線通信システムの仕様を調査し,ハードディスク装置902に記録する。その仕様を禁止対象として,遠隔操作装置901から電話回線またはデータ通信網と電話会社911〜913のいずれかの無線通信システムを経由して,擬似中継局110内のデータ端末512に向け設定情報等を送信する。これにより,電話会社914が運用する無線通信システムは,公共施設等921〜925の客室内では使用不可能となる。
【0056】
以上により,電話会社911〜913は,この契約を締結することにより他の電話会社914より不利になることは無く,また,組織900とだけ契約することにより公共施設等921〜925の全ての客室内で図3または図4の設備を使用することが可能になる。また,公共施設等921〜925の側は,個人経営など小さな組織であっても,電話会社911〜913の協力を得ることができる。また,遠隔操作装置901を使った作業は組織900が一括して行なうため,各公共施設等921〜925が個別に行なう場合に比べ設備や人件費を削減できる。
なお組織900は,独立した法人等であってもよいし,電話会社911〜913または公共施設等921〜924または中継局等の設備メーカのいずれかの子会社または一部門であってもよい。また,これらのいくつかが参加する組合等の組織であってもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように,本発明によれば,医療機器等に影響を及ぼす電波を強くすることなく,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にすることができる。
また本発明によれば,通信システムを運用する電話会社の協力の有無にかかわらず,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にすることができる。また本発明によれば,特定の空間における携帯端末の使用を物理的に不可能にする事にその通信システムを運用する電話会社が協力することによって,その電話会社の携帯端末が使用しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例概念図。
【図2】本発明の他の実施例概念図。
【図3】本発明の他の実施例概念図。
【図4】本発明の他の実施例概念図。
【図5】図1または図2の実施例に使用する構成要素の1つについての,更に詳しい構成方法の一実施例ブロック図。
【図6】図3の実施例に使用する構成要素の1つについての,更に詳しい構成方法の一実施例ブロック図。
【図7】図3の実施例に使用する構成要素の他の1つについての,更に詳しい構成方法の一実施例ブロック図。
【図8】図4の実施例に使用する構成要素の1つについての,更に詳しい構成方法の一実施例ブロック図。
【図9】本発明を実施するに当たり必要となる契約関係を,円滑に進めるための方法の一実施例概念図。
【符号の説明】
100…客室
110…擬似中継局
120…携帯端末
130…通常の基地局
310…中継局
330…本発明に必要な機能を付加した基地局
410…移動基地局
430…位置固定した中継局
440…基地局制御装置
511…デジタル信号処理装置。
Claims (14)
- 所定範囲において基地局と携帯端末間で交信される無線通信を使用不可能にするための装置であって,
上記無線通信で使用される上記基地局から携帯端末への電波に載せられたパイロット信号と所定の関係にある偽パイロット信号を載せた電波を発信する手段を備えたことを特徴とする無線通信制限装置。 - 上記偽パイロット信号は,上記パイロット信号のタイミングをずらせた信号であることを特徴とする請求項1の無線通信制限装置。
- 上記基地局からの電波を受信する受信部と、
該受信した電波の中から上記パイロット信号を検索する処理部と、
その検索の結果を元に上記偽パイロット信号を生成するパイロット信号生成部を有することを特徴とする請求項1または2の無線通信制限装置。 - 上記偽パイロット信号を載せた電波を発信するための複数のアンテナと、
該複数のアンテナの一部から発信する電波の強度または位相を時間的に変化させる機能を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの無線通信制限装置。 - 上記偽パイロット信号を載せた電波を発信するための複数のアンテナと、
該複数のアンテナの一部から発信する電波の搬送波の周波数を他の一部から発信する電波の搬送波の周波数とずらせる機能を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの無線通信制限装置。 - 所定の客室等の内部において所定の無線通信を使用不可能にするための装置であって,
上記所定の無線通信に使われる基地局から送信される情報を受信する手段と,上記情報に基づいて上記基地局と通信中の携帯端末から発信される上り電波を受信する手段と、その受信電力を測定する手段と,上記基地局に対して上記携帯端末との通信を中断するように要求する手段とを備えたことを特徴とする無線通信制限装置。 - 上記携帯端末が送信する上り電波を増幅して外部に送信する手段を備えた無線通信中継局において,
請求項1〜6のいずれかの無線通信制限装置と併設したことを特徴とする無線通信中継局。 - 所定の客室等の内部にある携帯端末と通信する無線通信基地局であって,
予め定めた所定の種類の通信を上記携帯端末が開始しようとした時に,その通信を遮断する機能を備えたことを特徴とする無線通信基地局。 - 上記客室等は,列車やバス等の公共交通設備の客室であることを特徴とする請求項8記載の無線通信基地局。
- 請求項7または8のいずれかの無線通信中継局または無線通信基地局を使用させ,その使用料を受け取る契約を,電話会社等との間に締結し,
請求項7または8のいずれかの無線通信中継局または無線通信基地局を設置させる契約を,公共交通機関等または公共施設等との間に締結したことを特徴とする組織。 - 所定範囲において基地局と携帯端末間で交信される無線通信を制限する方法であって、
上記所定範囲の無線通信を制限する無線通信制限装置を配置するステップと、
上記所定範囲の携帯端末と基地局の交信を中継する中継器を配置するステップと、
上記無線通信制限装置の無線通信制限にかかわらず、所定の基地局に対しては、上記中継器により携帯端末と基地局間の通信を行うステップを有する無線通信制限方法。 - 上記無線通信制限装置が上記基地局から発信されるパイロット信号のタイミングをずらした偽パイロット信号を発信し、
上記所定範囲において携帯端末が基地局との間のチャネルの同期を取ることを妨害し、無線通信を禁止する請求項11記載の無線通信制限方法。 - 上記中継器は、データ通信を中継するが、音声通信を中継しない請求項11記載の無線通信制限方法。
- 所定範囲において基地局と携帯端末間で交信される無線通信を制限する方法であって、
第1の基地局から発信されるパイロット信号のタイミングをずらした偽パイロット信号を発信し、上記所定範囲において携帯端末が第1の基地局との通信を制限するステップと、
第2の基地局と携帯端末の交信を中継するとともに、通信の種類に基づいて、上記所定範囲において携帯端末が上記第2の基地局との通信を制限するステップと、を有する無線通信制限方法。
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Legal Events
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