JP4635865B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents
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Description
従来から、コモンレールを備える蓄圧式の燃料噴射装置では、レール圧の検出値が目標値よりも高い場合に、コモンレール内の燃料を逃してレール圧を減圧することができるものが公知となっている。このようなコモンレールからの燃料の逃しは、通常、コモンレールから燃料タンクへと通じる燃料逃し流路を介して行われる。そして、燃料噴射装置は、燃料逃し流路を開閉する減圧弁を駆動制御することで、レール圧における検出値と目標値との偏差(以下、レール圧偏差と呼ぶ)をゼロ近傍に収束させている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、減圧弁は、ソレノイドコイルのように給電を受けて駆動力を発生するアクチュエータを有し、この駆動力により弁体が駆動されることで、燃料逃し流路をコモンレールの内部に対して開放する。このため、燃料の逃し量、つまりレール圧の減圧幅は、駆動力の強さに大きな影響を受ける。すなわち、駆動力が強いほど早期に弁体が駆動され、より早期に燃料逃し流路が開放されるため、減圧幅は大きくなる。逆に、駆動力が弱いほど遅れて弁体が駆動され、より遅くに燃料逃し流路が開放されるため、減圧幅は小さくなる。このため、駆動力が変動すると、レール圧偏差に応じて算出された減圧期間(つまり、ソレノイドコイルへの給電期間)に基づいて減圧弁を駆動しても減圧幅がばらついてしまう。
請求項1に記載の燃料噴射装置は、燃料を高圧化して吐出する燃料供給ポンプと、エンジンに燃料を噴射供給するインジェクタと、燃料供給ポンプにより高圧化された燃料を蓄圧するとともに、蓄圧した燃料をインジェクタに分配するコモンレールと、コモンレール内の燃料を逃すための燃料逃し流路を開閉する弁体、および給電を受けて弁体を駆動する駆動力を発生するアクチュエータを有し、弁体を駆動することで燃料逃し流路を開放しレール圧を減圧する減圧弁と、アクチュエータへ給電する電源の電圧に応じて、アクチュエータへの給電期間を補正する給電期間補正手段とを備える。
ここで、減圧弁は、インジェクタとは別体である。
また、電源の電圧が所定の基準値以上である場合を理想状態とすると、給電期間補正手段は、電源の電圧が理想状態になっていない場合に、現実の減圧量が理想状態における減圧量に略一致するように、給電期間を補正するための補正値を算出する。そして、補正値は、電源の電圧が小さいほど給電期間が延長されるように算出される。
そして、電源の電圧が小さく補正値が算出される場合に、この電源の電圧で、弁体の変位量が理想状態で得られる変位量を確保できるときには、弁体の変位開始時点が、理想状態のときの弁体の変位開始時点よりも遅延する遅延時間分を、補正値として算出するとともに、この電源の電圧で、弁体の変位量が理想状態で得られる変位量を得られず低下するときには、上記遅延時間に加えて、変位量の低下分も考慮して、補正値を算出する。
これに対し、上記のような給電期間補正手段を備えれば、電源電圧のばらつきにより駆動力がばらついても、減圧弁から逃れる燃料の総量がほぼ一定になるように、給電期間を補正することができる。この結果、減圧弁において、電源電圧のばらつきにより駆動力がばらついても、減圧幅のばらつきを低減することができる。
また、電源電圧が小さく駆動力が弱いほど、弁体の駆動が遅れて燃料逃し流路の開放も遅れるので、レール圧の減圧開始が遅れてしまう。そこで、電源電圧が小さいほど給電期間を延長すれば、レール圧の減圧開始遅れを補うことができる。
請求項2に記載の燃料噴射装置によれば、給電期間補正手段は、レール圧が小さいほど給電期間を延長する。
レール圧が小さく減圧弁による単位時間当たりの逃し量が少ないほど、同一給電期間に減圧弁から逃れる燃料の総量は少なくなってしまう。そこで、レール圧が小さいほど給電期間を延長すれば、減圧弁から逃れる燃料の総量低下を補うことができる。
請求項3に記載の燃料噴射装置によれば、アクチュエータは、電源から通電を受けて駆動力を発生するソレノイドコイルである。
また、電源の電圧が所定の基準値以上である場合を理想状態とすると、給電期間補正手段は、電源の電圧が理想状態になっていない場合に、現実の減圧量が理想状態における減圧量に略一致するように、給電期間を補正するための補正値を算出する。そして、補正値は、電源の電圧が小さいほど給電期間が延長されるように算出される。
また、給電期間補正手段は、コモンレール内の燃料の圧力が小さいほど給電期間を延長する。
また、減圧弁のアクチュエータは、電源から通電を受けて駆動力を発生するソレノイドコイルである。
実施例1の燃料噴射装置1の構成を、図1および図2を用いて説明する。
燃料噴射装置1は、例えば、ディーゼルエンジン等の直噴型のエンジン(図示せず)に燃料を噴射供給するものである。
実施例1の燃料噴射装置1による制御方法を、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1で、レール圧の検出値、および電源電圧の検出値を取得し、ステップS2で、レール圧偏差を算出する。
実施例1の燃料噴射装置1の作用を、図5および図6に示すタイムチャートを用いて説明する。
まず、電源電圧の検出値が基準値以上である場合、減圧弁7の制御における制御信号、通電量およびボール弁30の変位量(以下、ボール弁変位量とする)は、図5に示すように推移する。まず、通電開始時期の指令値に相当する時間t0で、制御信号がオンになり、通電量が上昇を開始する。そして、時間t1で、磁気吸引力が閉弁付勢力よりも強くなり、ボール弁30が開弁方向への変位を開始する。これにより、減圧弁7が開弁し、コモンレール5から燃料逃し流路6への燃料逃しが始まる。
実施例1の燃料噴射装置1は、コモンレール5内の燃料を逃すための燃料逃し流路6を開閉するボール弁30、および通電を受けてボール弁30を変位させる磁気吸引力を発生するソレノイドコイル34を有し、ボール弁30を変位させることで燃料逃し流路6を開放しレール圧を減圧する減圧弁7と、電源電圧の検出値に応じて、ソレノイドコイル34への通電期間の指令値を補正する給電期間補正手段としてのECU8とを備える。
これにより、電源電圧のばらつきにより減圧弁7の開弁時期や開度がばらついても、減圧弁7の開弁時期や開度に応じて減圧弁7の閉弁時期を可変することができる。このため、電源電圧がばらついても減圧弁7から燃料タンク2に逃す燃料の総量を、ほぼ一定に保つことができるので、減圧幅のばらつきを低減することができる。
本実施例の燃料噴射装置1によれば、減圧弁7のアクチュエータは、通電量に応じた磁気吸引力を発生するソレノイドコイル34であったが、例えば、印加電圧に応じた伸長力を発生する圧電素子を減圧弁7のアクチュエータに採用することもできる。
本実施例の燃料噴射装置1によれば、電源電圧が基準値未満の場合にのみ、通電期間の指令値を増加補正したが、例えば、基準値を低めに設定しておき、通電期間の指令値を増加補正または低減補正のいずれの方向にも補正できるようにしてもよい。
3 燃料供給ポンプ
4 インジェクタ
5 コモンレール
6 燃料逃し流路
7 減圧弁
8 ECU(給電期間補正手段)
9 電源
30 ボール弁(弁体)
34 ソレノイドコイル(アクチュエータ)
Claims (3)
- 燃料を高圧化して吐出する燃料供給ポンプと、
エンジンに燃料を噴射供給するインジェクタと、
前記燃料供給ポンプにより高圧化された燃料を蓄圧するとともに、蓄圧した燃料を前記インジェクタに分配するコモンレールと、
このコモンレール内の燃料を逃すための燃料逃し流路を開閉する弁体、および給電を受けて前記弁体を駆動する駆動力を発生するアクチュエータを有し、前記弁体を駆動することで前記燃料逃し流路を開放し前記コモンレール内の燃料の圧力を減圧する減圧弁と、
前記アクチュエータへ給電する電源の電圧に応じて、前記アクチュエータへの給電期間を補正する給電期間補正手段とを備え、
前記減圧弁は、前記インジェクタとは別体であり、
前記電源の電圧が所定の基準値以上である場合を理想状態とすると、
前記給電期間補正手段は、前記電源の電圧が前記理想状態になっていない場合に、現実の減圧量が前記理想状態における減圧量に略一致するように、前記給電期間を補正するための補正値を算出し、
この補正値は、前記電源の電圧が小さいほど前記給電期間が延長されるように算出され、
前記電源の電圧が小さく、前記補正値が算出される場合に、
この電源の電圧で、前記弁体の変位量が前記理想状態で得られる変位量を確保できるときには、前記弁体の変位開始時点が、前記理想状態のときの前記弁体の変位開始時点よりも遅延する遅延時間分を、前記補正値として算出するとともに、
この電源の電圧で、前記弁体の変位量が前記理想状態で得られる変位量を得られず低下するときには、前記遅延時間に加えて、この変位量の低下分も考慮して、前記補正値を算出することを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項1に記載の燃料噴射装置において、
前記給電期間補正手段は、前記コモンレール内の燃料の圧力が小さいほど、前記給電期間を延長することを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項1に記載の燃料噴射装置において、
前記アクチュエータは、前記電源から通電を受けて駆動力を発生するソレノイドコイルであることを特徴とする燃料噴射装置。
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JP2000054929A (ja) * | 1998-08-05 | 2000-02-22 | Nissan Motor Co Ltd | ディーゼルエンジンの燃料噴射装置および制御装置 |
JP2005090341A (ja) * | 2003-09-17 | 2005-04-07 | Denso Corp | 蓄圧式燃料噴射装置 |
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