JP4635074B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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本発明は、例えば自動車用エンジン等に燃料を噴射するのに好適に用いられる燃料噴射弁に関する。
一般に、例えば自動車用エンジン等に用いられる燃料噴射弁は、弁ケーシングが磁性金属材料等により筒状に形成され、その内周側には、弁体が変位可能に挿通されている。そして、噴射弁の作動時には、電磁コイルから発生する磁界が弁ケーシングを通じて弁体に作用することにより、該弁体が磁気的に開弁されるものである(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−6467号公報
この種の従来技術による燃料噴射弁は、弁ケーシングの先端側に弁座部材が取付けられ、弁ケーシングの基端側にコア部材が固定されると共に、これらの弁座部材とコア部材との間には弁体が配置されている。また、弁体は、その先端側に位置して弁座部材の弁座に離着座する弁部と、該弁部の基端側に位置して前記コア部材と軸方向の隙間を挟んで対面する吸着部とを有している。また、弁体とコア部材側との間には、該弁体を閉弁方向に付勢する付勢ばねが設けられている。
そして、噴射弁の作動時には、弁ケーシングの外周側に設けられた電磁コイルにより磁界が形成されると、この磁界は弁ケーシングを通じて弁体の吸着部とコア部材の間に作用する。これにより、弁体はコア部材により磁気的に吸着されて開弁し、弁ケーシング内に供給される燃料が弁座部材の噴射口から外部に噴射されるものである。
この場合、弁ケーシングとコア部材とが磁気的に導通されていると、これらの間で磁界が短絡され、この磁界は弁体とコア部材との間の隙間を通過せずに閉磁路を形成するようになるため、弁体とコア部材との間に作用する磁力が減少する。このため、従来技術では、弁ケーシングとコア部材との間に非磁性部材を介在させることにより、これらの間を磁気的に遮断する構成としている。
一方、他の従来技術では、弁ケーシングを金属パイプ等により磁性筒体として一体に形成し、この磁性筒体の長さ方向途中部位には、その両側を磁気的に遮断する環状の非磁性部を設ける構成としている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−8990号公報
この場合、磁性筒体の形成時には、例えば誘導加熱等の手段により磁性筒体の長さ方向途中部位に対して加熱処理を施し、この部位で金属材料を非磁性化することによって非磁性部を形成するものである。
ところで、上述した従来技術では、弁ケーシングとコア部材との間を磁気的に遮断するため、これらの間に非磁性部材を設ける構成としている。
しかし、噴射弁の組立時には、コア部材や非磁性部材用の取付部が設けられた複雑な形状の弁ケーシングと非磁性部材とをそれぞれ個別に形成し、これらの部品を組立てる作業が必要となる。
このため、特許文献1等で示される従来技術では、これらの部品を加工、形成する作業や各部品の組立作業に手間がかかり、生産性が低下するばかりでなく、噴射弁全体の部品点数が増加して構造が複雑化し、信頼性が低下するという問題がある。
また、特許文献2で示される他の従来技術では、磁性筒体の一部を加熱することになるため、この加熱処理により磁性筒体が熱変形して微小な歪み、反り等が生じることがある。このため、弁体やコア部材、電磁コイル等の部品を磁性筒体に組付けるときには、磁性筒体の熱変形が原因となって各部品に組付誤差等が生じ易くなる上に、噴射弁の作動時には、磁性筒体の歪み、反り等によって弁体が円滑に変位できなくなる虞れがある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、磁性筒体に汎用的な機械加工処理を施すことにより、磁気的な遮断部位が設けられた磁性筒体を高い精度で容易に形成でき、噴射弁全体の部品点数を削減して構造を簡略化できると共に、生産性、信頼性を向上できるようにした燃料噴射弁を提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、磁性材料により筒状に形成された磁性筒体と、該磁性筒体の先端側に設けられ噴射口を囲んで弁座が形成された弁座部材と、前記磁性筒体内に変位可能に設けられ前記弁座部材の弁座に離着座する弁部と該弁部の基端側に配置された吸着部とを有する弁体と、前記磁性筒体内に固定して設けられ該弁体の吸着部と軸方向の隙間を挟んで対面したコア部材と、前記磁性筒体内に設けられ前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢ばねと、前記磁性筒体に設けられ前記弁体の吸着部と前記コア部材との間に磁界を形成することにより前記弁体を付勢ばねに抗して開弁させる電磁アクチュエータとからなる燃料噴射弁に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記磁性筒体は磁性材料からなる単一の金属パイプを用いて形成し、かつ前記磁性筒体には、前記弁体の吸着部とコア部材との間で前記磁性筒体の磁気抵抗を増大させる薄肉部を設け、この薄肉部全体は、前記磁性筒体のうち前記電磁アクチュエータの径方向内側で、かつ軸方向内側となる位置に配置する構成としたことにある。
このように構成することにより、例えばプレス加工、切削加工等の機械的な加工処理によって磁性筒体に薄肉部を形成でき、その磁気抵抗を薄肉部の位置で軸方向に対して増大させることができる。そして、前記磁性筒体のうち電磁アクチュエータの径方向内側で、かつ軸方向内側となる位置に薄肉部全体を配置することができる。これにより、磁性筒体のうち薄肉部を挟んで弁体側に位置する部位とコア部材側に位置する部位との間を磁気的にほぼ遮断できるから、噴射弁の作動時には、電磁アクチュエータにより発生される磁界が磁性筒体によって短絡され、弁体の吸着部とコア部材との間を通過せずに閉磁路を形成するのを防止することができる。
また、請求項2の発明によると、磁性筒体は、該磁性筒体の先端側に位置して前記弁体が変位可能に収容される弁体収容部と、該弁体収容部の基端側に隣接して設けられ前記コア部材が挿嵌されるコア部材挿嵌部と、該コア部材挿嵌部の基端側に設けられ内部が前記弁体収容部とコア部材挿嵌部とに亘って軸方向に延びる燃料通路となった燃料通路部とにより前記金属パイプを用いて一体に形成し、前記弁体収容部はストレートな円筒形状に形成し、前記弁座部材は前記弁体収容部内に先端側から挿嵌して設け、前記薄肉部は前記弁体収容部とコア部材挿嵌部との間に設ける構成としている。
これにより、弁座部材を磁性筒体内にストレートな円筒形状に形成された先端側から挿嵌して設けることができる。また、磁性筒体を構成する弁体収容部とコア部材挿嵌部との間の磁気抵抗を薄肉部によって増大させることができ、これらの部位を磁気的にほぼ遮断することができる。
また、請求項3の発明によると、薄肉部は、前記磁性筒体にプレス加工または切削加工を施すことにより形成している。
これにより、例えば金属パイプ等からなる磁性筒体にプレス加工または切削加工を施し、薄肉部を容易に形成することができる。
また、請求項4の発明によると、薄肉部は、前記磁性筒体に全周に亘って凹溝を設けることにより形成している。
これにより、磁性筒体の全周に溝加工を施して環状の薄肉部を形成でき、薄肉部の位置における磁性筒体の磁気抵抗を全周に亘って増大させることができる。
また、請求項5の発明によると、弁座部材は前記磁性筒体の先端側内周に挿嵌して設け、前記コア部材は該弁座部材と軸方向の間隔をもって前記磁性筒体の内周側に配設し、前記弁体は前記弁座部材とコア部材との間に位置して前記磁性筒体内に収容する構成としている。
これにより、磁性筒体には、弁座部材、弁体およびコア部材を直接的に取付けることができ、これらの取付構造を簡略化することができる。
また、請求項6の発明によると、磁性筒体は、前記薄肉部の前,後に位置する部位の径方向寸法を0.2〜10.0mmとし、前記薄肉部の径方向寸法を0.1〜9.0mmとする構成としている。
これにより、薄肉部の径方向寸法を前,後の部位と比較して小さく形成でき、その磁気抵抗を増大させることができる。
上述した通り、請求項1の発明によれば、磁性筒体を磁性材料からなる単一の金属パイプを用いて形成すると共に、前記磁性筒体には、弁体の吸着部とコア筒との間で磁性筒体の磁気抵抗を増大させる薄肉部を設け、この薄肉部全体は、前記磁性筒体のうち前記電磁アクチュエータの径方向内側で、かつ軸方向内側となる位置に配置する構成としたので、磁性筒体の薄肉部は、磁性筒体のうち弁体側に位置する部位とコア筒側に位置する部位との間を磁気的にほぼ遮断でき、電磁アクチュエータの作動時には、その磁界が磁性筒体により短絡されるのを確実に防止することができる。そして、噴射弁の組立時には、例えばプレス加工、切削加工等の汎用的な機械加工処理を単一の金属パイプに施すだけで磁性筒体を容易に形成でき、噴射弁全体の部品点数を削減して構造を簡略化することができる。しかも、従来技術のような加熱処理による磁性筒体の歪み、反り等を確実に防止できるから、磁性筒体を高い精度で形成でき、噴射弁の作動時には、弁体の開,閉動作を安定的に行うことができると共に、信頼性を向上させることができる。
また、請求項2の発明によれば、磁性筒体の先端側をストレートな円筒形状に形成することにより、弁座部材を前記磁性筒体内に先端側から挿嵌して設けることができる。また、薄肉部は磁性筒体の弁体収容部とコア部材挿嵌部との間に設ける構成としたので、薄肉部によって弁体収容部とコア部材挿嵌部との間の磁気抵抗を増大させることができ、これらの間を磁気的にほぼ遮断することができる。
また、請求項3の発明によれば、薄肉部は磁性筒体にプレス加工または切削加工を施すことにより形成する構成としたので、例えば金属パイプ等からなる磁性筒体にプレス加工または切削加工を施すだけで、薄肉部を容易に形成することができる。
さらに、請求項4の発明によれば、薄肉部は磁性筒体に全周に亘って凹溝を設けることにより形成する構成としたので、凹溝を用いて薄肉部の径方向寸法を正確に形成でき、その磁気抵抗を全周に亘って安定的に増大させることができる。
また、請求項5の発明によれば、弁座部材を磁性筒体の先端側内周に挿嵌して設け、弁体を弁座部材とコア部材との間に位置して磁性筒体内に収容する構成としたので、磁性筒体には、例えば他の取付用部材等を設けることなく、弁座部材、弁体およびコア部材を直接的に取付けることができ、これらを取付るための部品点数を削減して構造を簡略化することができる。
また、請求項6の発明によれば、磁性筒体のうち薄肉部の前,後に位置する部位の径方向寸法を0.2〜10.0mmとし、薄肉部の径方向寸法を0.1〜9.0mmとする構成としたので、薄肉部の径方向寸法を前,後の部位と比較して十分に小さく形成でき、この部位で磁性筒体の磁気抵抗を適切な大きさに増大させることができる。
以下、本発明の実施の形態による燃料噴射弁を、自動車用エンジンに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
1は燃料噴射弁の外殻をなす弁ケーシングで、該弁ケーシング1は、後述の磁性筒体2、磁性カバー13、樹脂カバー18等を含んで構成されている。
2は弁ケーシング1の本体部分を構成する磁性筒体で、該磁性筒体2は、例えば電磁ステンレス鋼等の磁性金属材料により形成された金属パイプ等からなり、図1、図7に示す如く段付き筒状をなして一体に形成されている。
そして、磁性筒体2は、その先端側に位置して後述の弁体8が変位可能に収容される弁体収容部2Aと、該弁体収容部2Aの基端側に隣接して設けられ、後述のコア筒9が挿嵌されるコア部材挿嵌部2Bと、該コア部材挿嵌部2Bよりも大径な筒状体としてコア部材挿嵌部2Bの基端側に設けられ、弁体収容部2Aとコア部材挿嵌部2Bとに亘って軸方向に延びる燃料通路3が設けられた燃料通路部2Cとを含んで構成され、これらはほぼ同軸状に配置されている。磁性筒体2の弁体収容部2Aは、図7に示すようにストレートな円筒形状に形成され、該弁体収容部2A内には、その先端側から後述の弁座部材5が挿嵌して設けられる。
また、弁体収容部2Aとコア部材挿嵌部2Bとは、図5、図6に示す如く、例えば0.2〜10.0mm程度、好ましくは0.2〜3.0mm程度の予め定められた径方向寸法(厚さ)t1を有し、互いにほぼ同径の筒状体として形成されている。また、弁体収容部2Aとコア部材挿嵌部2Bとは、弁体8とコア筒9との間の隙間Sを挟んで軸方向の両側に配置され、これらの間には磁性筒体2の一部を構成する後述の薄肉部16が設けられている。一方、燃料通路部2C内には、外部から燃料通路3に供給される燃料を濾過する燃料フィルタ4が取付けられている。
5は磁性筒体2の弁体収容部2Aの先端側内周に挿嵌して設けられた筒状の弁座部材で、該弁座部材5には、図4に示す如く、燃料通路3内の燃料を外部に噴射する噴射口5Aと、該噴射口5Aを取囲んで円錐状に形成され、後述する弁体8の弁部8Bが離着座する環状の弁座5Bとが設けられている。
そして、弁座部材5は、磁性筒体2の弁体収容部2Aの先端側内周に挿嵌され、その外周側が環状の溶接部6により弁体収容部2Aと全周に亘って溶接されている。また、弁座部材5の先端面には、複数のノズル孔7Aが穿設されたノズルプレート7が噴射口5Aを覆う位置に固着されている。
8は磁性筒体2の弁体収容部2A内に変位可能に収容された弁体で、該弁体8は、弁体収容部2A内に軸方向に延設された筒状の弁軸8Aと、該弁軸8Aの先端側に固着され、弁座部材5の弁座5Bに離着座する球状の弁8Bと、例えば磁性金属材料等を用いて弁軸8Aの基端側に一体に形成され、弁体収容部2A内に摺動可能に挿嵌された筒状の吸着部8Cとによって構成されている。
そして、弁体8の閉弁時には、その弁部8Bが後述する付勢ばね10のばね力によって弁座部材5の弁座5Bに着座した状態に保持され、このとき吸着部8Cの基端面とコア筒9とは、図4に示す如く、予め調整された寸法をもつ軸方向の隙間Sを挟んで対面している。
また、後述の電磁コイル12に給電したときには、電磁コイル12により磁界Hが形成されると、弁体8の吸着部8Cがコア筒9によって磁気的に吸着される。これにより、弁体8は、付勢ばね10のばね力に抗して隙間Sの寸法分だけ軸方向に変位し、図4中の矢示A方向に開弁するものである。
9は例えば磁性金属材料等により筒状に形成されたコア部材としてのコア筒で、該コア筒9は、磁性筒体2のコア部材挿嵌部2B内に吸着部8Cの基端面と軸方向の隙間Sをもって圧入して挿嵌され、弁体8の吸着部8Cと対面する位置でコア部材挿嵌部2Bに固定されている。
10は磁性筒体2内に設けられた付勢ばねで、該付勢ばね10は、コア筒9の内周側に圧入等の手段により固定された筒状のばね受11と弁体8との間に圧縮状態で配設され、弁体8を閉弁方向に常時付勢している。
12は磁性筒体2のコア部材挿嵌部2Bの外周側に挿通して設けられた電磁アクチュエータとしての電磁コイルで、該電磁コイル12は、後述のコネクタ19を用いて給電されることにより磁界Hを発生し、弁体8を付勢ばね10のばね力に抗して開弁させるものである。
13は例えば磁性金属材料等により段付き筒状に形成された磁性カバーで、該磁性カバー13は、図4、図7に示す如く、磁性筒体2の弁体収容部2Aの外周側に環状の溶接部14を用いて溶接された小径筒部13Aと、該小径筒部13Aよりも大径の筒状体として小径筒部13Aの基端側に一体に形成され、電磁コイル12を径方向外側から覆う大径筒部13Bとによって構成されている。
また、磁性筒体2のコア部材挿嵌部2Bの外周側には、図2に示す如く、例えば磁性金属材料等により略C字状に形成された連結コア15が挿嵌され、該連結コア15は、磁性カバー13の大径筒部13Bと磁性筒体2のコア部材挿嵌部2Bとの間を磁気的に連結すると共に、磁性カバー13と協働して電磁コイル12の外周側に磁路を形成している。
これにより、電磁コイル12の作動時には、磁性筒体2の弁体収容部2A、コア部材挿嵌部2B、弁体8の吸着部8C、コア筒9、磁性カバー13および連結コア15により構成された閉磁路に沿って磁界Hが形成され、弁体8の吸着部8Cがコア筒9に吸着されるものである。
16は弁体8とコア筒9との間に磁界Hを導くため磁性筒体2に設けられた環状の薄肉部で、該薄肉部16は、図3、図5、図6に示す如く、例えばプレス加工、切削加工等の手段を用いて磁性筒体2の外周側に環状の凹溝17を設け、該凹溝17の位置で磁性筒体2を全周に亘って薄肉化することにより形成されている。そして、薄肉部16は、磁性筒体2の弁体収容部2Aとコア部材挿嵌部2Bとの間に配設され、弁体8の吸着部8Cとコア筒9との間の隙間Sを径方向外側から取囲んでいる。この薄肉部16は、図4、図5に示すように、磁性筒体2のうち電磁コイル12の径方向内側で、かつ軸方向内側となる位置に配置されている。
また、薄肉部16は、例えば0.1〜9.0mm程度、好ましくは0.1〜2.8mm程度の予め定められた厚さt2を有し、この厚さt2は、薄肉部16の前,後に位置する弁体収容部2Aとコア部材挿嵌部2Bの厚さt1よりも寸法差Δt分だけ小さく形成されると共に、これらの寸法差Δtは、薄肉部16の磁性抵抗を十分に増大させるために、少なくとも0.1mm以上の大きさに設定されている(t1>t2、Δt=t1−t2≧0.1)。また、薄肉部16は、弁体8とコア筒9との間の隙間Sを跨ぐように軸方向の両側に延びた所定の長さLを有し、この長さLは例えば2〜20mm程度の寸法値として設定されている。
そして、薄肉部16は、磁性筒体2の肉厚(断面積)を弁体収容部2Aとコア部材挿嵌部2Bとの間で小さく絞り、これらの間の磁気抵抗を隙間Sの径方向外側で軸方向に対して増大させるものである。これにより、磁性筒体2は、弁体収容部2Aとコア部材挿嵌部2Bとが薄肉部16によって磁気的にほぼ遮断された状態となるため、電磁コイル12の作動時には、その磁界Hが磁性筒体2の内周側に導かれて弁体8の吸着部8Cとコア筒9との間の隙間Sを通過する構成となっている。
一方、18は例えば樹脂モールド等の手段により磁性筒体2と磁性カバー13の基端側を覆うように設けられた樹脂カバーで、該樹脂カバー18には、図1に示す如く、電磁コイル12に給電するためのコネクタ19が設けられている。
20は例えば樹脂材料等を用いて磁性筒体2の弁体収容部2Aに設けられた環状のプロテクタで、該プロテクタ20は弁体収容部2Aから径方向外向きに突出している。また、21は磁性筒体2の先端側外周に装着されたOリングで、該Oリング21は、磁性カバー13とプロテクタ20との間に抜止め状態で配置され、例えば磁性筒体2の先端側をエンジンの吸気管に設けられたボス部(図示せず)等に嵌合したときに、これらの間をシールするものである。
本実施の形態による燃料噴射弁は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、噴射弁の組立時には、図7に示す如く、例えばプレス加工、切削加工等の手段により磁性筒体2の外周側に凹溝17を形成し、その弁体収容部2Aとコア部材挿嵌部2Bとの間に薄肉部16を設ける。そして、磁性筒体2の内周側に弁座部材5を挿嵌して溶接し、磁性筒体2の外周側に電磁コイル12、磁性カバー13および連結コア15を挿嵌した後に、これらの外側に樹脂モールド等の手段によって樹脂カバー18等を設ける。さらに、磁性筒体2の内周側に弁体8、コア筒9、付勢ばね10等を組付け、噴射弁を組立てることができる。
また、噴射弁の作動時には、その基端側に接続された燃料供給配管等から磁性筒体2の燃料通路3内に燃料が供給される。そして、コネクタ19により電磁コイル12に給電すると、図4に示す如く磁界Hが形成され、この磁界Hは弁体8の吸着部8Cとコア筒9との間を通過するようになる。
このため、弁体8はコア筒9によって磁気的に吸着され、付勢ばね10に抗して矢示A方向に変位すると共に、その弁部8Bが弁座部材5の弁座5Bから離座して開弁する。これにより、燃料通路3内の燃料は噴射口5Aからエンジンの吸気管等に向けて噴射される。
また、電磁コイル12の作動時には、磁性筒体2の弁体収容部2Aとコア部材挿嵌部2Bとが薄肉部16によって磁気的にほぼ遮断されているため、磁界Hは、弁体収容部2Aとコア部材挿嵌部2Bとの間で軸方向に短絡されることなく、図5に示す如く弁体8とコア筒9との間の隙間Sを通過するようになり、これらの間には十分な大きさの磁力を安定的に発生することができる。
かくして、本実施の形態によれば、磁性筒体2の弁体収容部2Aとコア部材挿嵌部2Bとの間に薄肉部16を設ける構成としたので、該薄肉部16は、弁体8とコア筒9との間に位置する隙間Sの径方向外側で磁性筒体2の磁気抵抗を軸方向に対して増大させることができ、弁体収容部2Aとコア部材挿嵌部2Bとの間を磁気的にほぼ遮断することができる。
これにより、噴射弁の作動時には、電磁コイル12による磁界Hが弁体収容部2Aとコア部材挿嵌部2Bとの間で短絡されるのを薄肉部16によって確実に防止でき、この磁界Hを弁体8とコア筒9との間の隙間Sへと円滑に導くことができると共に、弁体8を十分な磁力によって安定的に開弁させることができる。
そして、噴射弁の組立時には、例えばプレス加工、切削加工等の汎用的な機械加工処理を金属パイプ等に施すだけで、磁気的な遮断部位が設けられた磁性筒体2を容易に形成でき、従来技術のように弁ケーシングに非磁性部材を設けたり、磁性筒体に加熱処理を施す必要がなくなるから、噴射弁全体の部品点数を削減して構造を簡略化でき、その組立作業を効率よく実行できると共に、生産性を向上させることができる。
しかも、磁性筒体2に加熱処理を施すことによる弁体収容部2A、コア部材挿嵌部2B等の歪み、反り等を確実に防止できるから、これらの部位を高い精度で形成することができる。これにより、磁性筒体2に弁座部材5、弁体8、コア筒9等を組付けるときの組付誤差等を小さく抑制できると共に、噴射弁の作動時には、弁体8の開,閉動作を安定的に行うことができ、信頼性を向上させることができる。
この場合、磁性筒体2には、環状の凹溝17を設けることにより薄肉部16を全周に亘って形成したので、凹溝17を用いて薄肉部16の厚さt2を正確に形成できると共に、その磁気抵抗を全周に亘って安定的に増大させることができる。
また、弁体収容部2Aの内周側には弁座部材5を挿嵌して溶接し、弁体8の弁軸8A、弁部8Bおよび吸着部8Cを収容したので、磁性筒体2には、例えば他の取付用部材等を設けることなく、その内周側に弁座部材5と弁体8とを直接的に取付けることができ、これらを取付けるための部品点数を削減して構造を簡略化することができる。
なお、前記実施の形態では、磁性筒体2の外周側に断面コ字状の凹溝17を設けることにより薄肉部16を形成する構成としたが、本発明はこれに限らず、例えば断面円弧状の凹溝を設けることにより薄肉部を形成してもよく、また凹溝を磁性筒体2の内周側に形成する構成としてもよい。
本発明の実施の形態による燃料噴射弁を示す縦断面図である。 図1中の矢示II-II方向からみた燃料噴射弁の拡大断面図である。 図1中の矢示III−III方向からみた燃料噴射弁の拡大断面図である。 燃料噴射弁の先端側を示す部分拡大断面図である。 磁性筒体の薄肉部近傍を示す図4中の要部拡大断面図である。 磁性筒体の薄肉部を図5と同様位置からみた要部拡大断面図である。 磁性筒体、弁座部材、電磁コイル、磁性カバーおよび連結コアを組立てる前の状態で示す縦断面図である。
符号の説明
1 弁ケーシング
2 磁性筒体
2A 弁体収容部
2B コア部材挿嵌部
5 弁座部材
5A 噴射口
5B 弁座
8 弁体
8A 弁軸
8B 弁部
8C 吸着部
9 コア筒(コア部材)
10 付勢ばね
12 電磁コイル(電磁アクチュエータ)
13 磁性カバー
15 連結コア
16 薄肉部
17 凹溝
18 樹脂カバー

Claims (6)

  1. 磁性材料により筒状に形成された磁性筒体と、該磁性筒体の先端側に設けられ噴射口を囲んで弁座が形成された弁座部材と、前記磁性筒体内に変位可能に設けられ前記弁座部材の弁座に離着座する弁部と該弁部の基端側に配置された吸着部とを有する弁体と、前記磁性筒体内に固定して設けられ該弁体の吸着部と軸方向の隙間を挟んで対面したコア部材と、前記磁性筒体内に設けられ前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢ばねと、前記磁性筒体に設けられ前記弁体の吸着部と前記コア部材との間に磁界を形成することにより前記弁体を付勢ばねに抗して開弁させる電磁アクチュエータとからなる燃料噴射弁において、
    前記磁性筒体は磁性材料からなる単一の金属パイプを用いて形成し、かつ前記磁性筒体には、前記弁体の吸着部とコア部材との間で前記磁性筒体の磁気抵抗を増大させる薄肉部を設け、この薄肉部全体は、前記磁性筒体のうち前記電磁アクチュエータの径方向内側で、かつ軸方向内側となる位置に配置する構成としたことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記磁性筒体は、該磁性筒体の先端側に位置して前記弁体が変位可能に収容される弁体収容部と、該弁体収容部の基端側に隣接して設けられ前記コア部材が挿嵌されるコア部材挿嵌部と、該コア部材挿嵌部の基端側に設けられ内部が前記弁体収容部とコア部材挿嵌部とに亘って軸方向に延びる燃料通路となった燃料通路部とにより前記金属パイプを用いて一体に形成し、前記弁体収容部はストレートな円筒形状に形成し、前記弁座部材は前記弁体収容部内に先端側から挿嵌して設け、前記薄肉部は前記弁体収容部とコア部材挿嵌部との間に設ける構成としてなる請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記薄肉部は、前記磁性筒体にプレス加工または切削加工を施すことにより形成してなる請求項1または2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記薄肉部は、前記磁性筒体に全周に亘って凹溝を設けることにより形成してなる請求項1,2または3に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記弁座部材は前記磁性筒体の先端側内周に挿嵌して設け、前記コア部材は該弁座部材と軸方向の間隔をもって前記磁性筒体の内周側に配設し、前記弁体は前記弁座部材とコア部材との間に位置して前記磁性筒体内に収容する構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の燃料噴射弁。
  6. 前記磁性筒体は、前記薄肉部の前,後に位置する部位の径方向寸法を0.2〜10.0mmとし、前記薄肉部の径方向寸法を0.1〜9.0mmとする構成としてなる請求項1,2,3,4または5に記載の燃料噴射弁。
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