JP4634420B2 - 単結晶引き上げ用ルツボの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコン、ガリウム又はこれらの化合物の単結晶引き上げ装置に用いられるルツボの製造方法に関わる。特に、炭素繊維強化炭素複合材製のルツボの製造方法に関する。
本発明はチョクラルスキー法(CZ法)による半導体単結晶引き上げ装置等に用いられる単結晶引き上げ用ルツボの製造方法に関する。CZ法によるシリコン単結晶の製造には、従来より、シリコンをその内部で溶融するための石英ルツボと、これを収容して外部から支持するための炭素製のルツボが用いられている。石英ルツボは使用中にシリコンの溶融熱を受けて軟化し、その外表面がルツボ内面に密着した状態となる。この状態のまま冷却すると、石英ルツボより熱膨張係数が大きな炭素製のルツボには大きな応力が発生する。
そこで、このような応力に耐える機械的強度を有し、比較的石英ルツボに近い熱膨張係数を有し、大型化に対応しやすい炭素繊維強化炭素複合材(Carbon Fiber Reinforced Carbon Composite)或いはC/C複合材(C/C Composite) で単結晶引き上げ用ルツボを製造することが提案されている。下記文献は、胴部と底部からなるルツボのうち、胴部のみ又はその全体をC/C複合材で製造することを提案している。その製造方法としては、フィラメントワインディング法を用い、マトリックス前駆体が含浸された炭素繊維をヘリカル状にルツボ状のマンドレルに巻き付けて成形することを提案している。
実公平3−43250号公報
しかしながら、ボウル状に湾曲した底部に滑りが生じないように、ヘリカル状に炭素繊維を巻き付けることは困難であるという問題があった。そのため、底部の巻き付けが不十分になって十分な強度を有する底部を形成することができなかった。
また、経験的に最も応力が集中するのは、胴部から底部に至る部分であり、全体をフィラメントワインディング法によるC/C複合材で製造することの困難性に鑑み、胴部と底部の境界部分だけをC/C複合材で製造することも提案されている。しかし、この場合の製造方法も、フィラメントワインディング法を用い、マトリックス前駆体が含浸された炭素繊維をパラレル巻き又はヘリカル巻きでルツボ状のマンドレルに巻き付けて成形する方法である。胴部と底部の境界部分だけをC/C複合材で製造することは、胴部と底部の全体をC/C複合材で製造することより優しいが、胴部と底部の境界部分も湾曲しており、この湾曲した部分に滑りを生じないようにパラレル巻き又はヘリカル巻きを行うことは依然として困難であった。その結果、胴部のみならず、底部まで十分な強度を有するC/C複合材製の単結晶引き上げ用ルツボを提案することができなかった。
また、フィラメントワインディング法に用いられるルツボ状のマンドレルは底部の中心と胴部の中心の両端に軸が突設された形状をしている。そのため、胴部と底部の全体をC/C複合材で製造したとしても、底部の中心には孔が残り、この部分を別途のC/C複合材で栓をする必要があった。また、C/C複合材は黒鉛よりポーラスであるため、シリコンと反応するSiC化が生じやすいという問題点もあった。
本発明は従来の技術のこのような問題点を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、シリンダ状の胴部のみならずボウル状の底部もフィラメントワインディング法で強化されたC/C複合材製の単結晶引き上げ用ルツボの製造方法を提供することにある。また第2の目的は、フィラメントワインディング法の足らざる部分を炭素繊維シートで補いつつ全体として強化されたC/C複合材製の単結晶引き上げ用ルツボの製造方法を提供することにある。
また第3の目的は、ボウル状の底部に孔がなく、底部の全体が強化されたC/C複合材製の単結晶引き上げ用ルツボの製造方法を提供することにある。また第4の目的は、C/C複合材の表面性状を改善し、SiC化が生じにくいC/C複合材製の単結晶引き上げ用ルツボの製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
(1) 上記目的を達成するために、本発明は、シリンダ状の胴部とボウル状の底部とからなり、炭素繊維強化炭素複合材料により形成された単結晶引き上げ用ルツボの製造方法であって、回転自在な回転軸それぞれの端部に、前記胴部の内径に相当する外径を有し、前記胴部の長さ以上に長い円筒部と、前記円筒部の一端に設けられ、前記底部が嵌まる膨出部と、前記円筒部の他端の中心から突出する軸部とを有するマンドレルを1つずつ、前記膨出部を外側にして左右対称に固定する工程と、マトリックス前駆体が含浸された炭素繊維を前記膨出部から前記円筒部の前記他端へと斜めに巻き付けられるレベル巻きと、マトリックス前駆体が含浸された前記炭素繊維を前記円筒部の周方向に巻きつけられるパラレル巻きとを含んだワインディングにより第1成形体を得る工程と、前記第1成形体の前記円筒部の前記他端の側を切断して1個のルツボ状の第2成形体を得る工程と、を有するものである。
上記(1)の構成によれば、一対のルツボ状マンドレルの反膨出側を突き合わせ状に一体にし、膨出側に軸を突設したマンドレルを用い、レベル巻きとパラレル巻きとを含んでいるので、シリンダ状の胴部のみならずボウル状の底部もフィラメントワインディング法で強化された底部に孔を有するC/C複合材製の単結晶引き上げ用ルツボを、同時に二個効率良く製造することができる。
(2)本発明の単結晶引き上げ用ルツボの製造方法においては、前記回転軸の中心部に、前記回転軸を駆動させるための駆動装置が設けられていることが好ましい。
上記(2)の構成によれば、さらに容易に、C/C複合材製の単結晶引き上げ用ルツボを、同時に二個効率良く製造することができる。
以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1において、マンドレル11は、円筒部12と、円筒部12の一端で膨出する膨出部13と、円筒部12の他端の中心から突設された軸部14とからなる金属製である。円筒部12はルツボ胴部の内径に相当する外径を有し、ルツボ胴部よりやや長くなっている。膨出部13はルツボ底部の内側の湾曲形状に沿う湾曲した外周面を有している。このマンドレル11を制御された回転が可能な軸部14によって支持し、マトリックス前駆体が含浸された炭素繊維を供給するデリバリアイ部15を図示のようにマンドレル11の外周に沿って移動させると、ポーラ巻き、パラレル巻き、レベル巻き等のフィラメントワインディングが自在に行える。このとき、円筒部12の他端側の側面に巻き付けられる炭素繊維は捨て巻きとなる。他端側円周部で炭素繊維がすべる事があるので、ピンを設置してズレ止めを行う事がある。
図2により図1のマンドレルを用いて成形体を得るまでの工程を説明する。マンドレル11の表面に、樹脂等のマトリックス前駆体が含浸された2Dクロス21の一層を織り目が中心軸16に交差するように張りつける(第1工程)。この2Dクロス21を最内層とすることにより、内表面がフラットになる。つぎに、フィラメントワインディング法により、樹脂等のマトリックス前駆体を含浸させた炭素繊維をマンドレル11の外周に巻き付ける。まず、膨出部13の頂点17を通るポーラ巻き22を行う(第2工程)。このポーラ巻き22は、中心軸16に対する巻き付け角度が0°となるように巻き付けられるものであって、頂点17の部分に密に集まる。このポーラ巻き22によって、最内層の2Dクロス21が締めつけられる。つぎに、円筒部12の周方向に沿って巻き付けるパラレル巻き23を行う(第3工程)。このパラレル巻き23は、中心軸16に対する巻き付け角度が90°近くとなるように巻き付けられるものであって、ルツボ胴部の周方向強化層を形成する。
つぎに、膨出部13のうち円筒部12に隣接する部分に、樹脂等のマトリックス前駆体が含浸された1Dプリプレグ又は2Dクロスのシート25の複数を環状に張り合わせる(第4工程)。この隣接部分は、ルツボ底部の曲率半径が小さい湾曲部分に相当し、厚み調整の為に張られる。シート25の炭素繊維の並ぶ方向を周方向とすることが好ましい。つぎに、膨出部13に掛けられ円筒部12に至るレベル巻き26を行う(第5工程)。このレベル巻き26は、中心軸16に対する巻き付け角度が0°〜10°なるように巻き付けられるものであって、ルツボ底部からルツボ胴部に至る軸方向強化層を形成する。このとき、膨出部13におけるレベル巻き26が頂点17に集中しないように、頂点17からの距離を変えた巻きかけを行い、膨出部13の大きな曲率半径の湾曲部分の全体に炭素繊維が通るように分散する。上述したパラレル巻き(第3工程)とシート張りつけ(第4工程)とレベル巻き(第5工程)の組み合わせにより、マンドレル11の外周に略均一厚みの組み合わせ層が形成される。マンドレル11の外周の成形体が所定厚みになるまで、第3〜第5工程による組み合わせ層を複数層重ねる。
図3により、以上の成形工程(S1)につづく工程を説明する。成形体が巻き付けられたマンドレルのまま乾燥させる。マンドレル外周の成形体に外圧を付与しながら加熱し、マトリックス前駆体の樹脂を熱硬化させる(S2)。そして、図2のA線で成形体をカットすることにより、ルツボ状の一次成形体を得る。ルツボ状一次成形体を不活性ガス中で加熱し、一次炭素化を行う(S3)。更に、ピッチ含浸(S4)と二次炭素化(S5)を必要数繰り返し、含浸による高密度化を行う。所定の密度が得られると、黒鉛化を行う(S6)。ルツボの長さ及びルツボ底部の外周に必要な機械加工を施して(S7)、所定形状となった二次成形体を得る。さらに、不純物を除去する高純度化処理を行い、更に、必要に応じて、CVI(Chemical Vapor Impregnation) により熱分解炭素(PyrolyticCarbon)を二次成形体表面の細孔に含浸させるとともに、二次成形体表面に被覆させ(S8)、最終製品を得る(S9)。
このようにして得られた単結晶引き上げ用ルツボの断面が図4に示される。ルツボ1は、シリンダ状の胴部2とボウル状の底部3の一体構造である。底部3は、胴部2に隣接する小さな曲率半径(R1)の湾曲部分4と、底部3の中心軸7の回りを形成する大きな曲率半径(R2)の湾曲部分5とからなっている。また底部3には孔がなく、機械加工による取付座6が形成されている。このようなルツボにあっては、底部3から胴部2にU字状に至る軸方向強化層8と胴部2の外周の周方向強化層9とを有している。このような単結晶引き上げ用ルツボ1に作用する応力の状態が図5に示される。ルツボ1の内部に石英ルツボ31が嵌められ、石英ルツボ31の中に少量のシリコン残渣32が残った状態で冷却される場合と、大きな応力がルツボ1に作用する。まず、シリコン残渣32の表面が固まり、次に底部に接する部分が固まり、やがて内部が固まっていく。ルツボ1は石英ルツボ31より熱膨張係数が大きく、また、シリコンは固体になる時に膨張するので、周方向に突っ張る力a1が発生し、つぎに下方向に突っ張る力a2が発生する。すなわち、胴部2には周方向の引っ張り応力b1以外に、底部3を胴部2から引き剥がそうとする軸方向の応力b2が発生する。周方向の引っ張り応力b1は、図4の周方向強化層9が受け持ち、軸方向の応力b2は、図4の軸方向強化層8が受け持つ。
図6は、2個取りのマンドレル111を示す。マンドレル111は、右円筒部112Rと、右円筒部112Rの一端で膨出する右膨出部113Rと、左円筒部112Lと、左円筒部112Lの一端で膨出する左膨出部113Lと、右膨出部113Rの中心から突設された右軸部114Rと、左膨出部113Lの中心から突設された左軸部114Lとからなる金属製である。左右円筒部112R,112Lはルツボ胴部の内径に相当する外径を有し、ルツボ胴部の二倍よりやや長くなっている。左右膨出部113R,113Lはルツボ底部の内側の湾曲形状に沿う湾曲した外周面を有している。このマンドレル111を、制御された回転が可能な左右軸部114R,114Lによって支持し、マトリックス前駆体が含浸された炭素繊維を供給するデリバリアイ部115を図示のようにマンドレル111の外周に沿って移動させる。
図7は、2個取りのマンドレル111で成形体を得る工程を示す。マンドレル111の表面に、樹脂等のマトリックス前駆体が含浸された2Dクロス121の一層を織り目が中心軸116に交差するように張りつける(第1工程)。つぎに、左右膨出部113R,113Lに掛けられ左右円筒部112R,112Lに至るレベル巻き122を行う(第2工程)。このレベル巻き122は、中心軸116に対する巻き付け角度が0°〜10°なるように巻き付けられるものであって、ルツボ底部からルツボ胴部に至る軸方向強化層を形成する。このとき、左右膨出部113R,113Lにおけるレベル巻き122が左右軸部114R,114Lの回りで散らばるような巻きかけを行い、左右膨出部113R,Lの全体に炭素繊維が通るようにする。つぎに、左右円筒部112R,112Lの周方向に沿って巻き付けるパラレル巻き123を行う(第3工程)。このパラレル巻き123は、中心軸116に対する巻き付け角度が90°近くとなるように巻き付けられるものであって、ルツボ胴部の周方向強化層を形成する。
つぎに、左右膨出部113R,113Lのうち左右円筒部112R,112Lに隣接する部分に、樹脂等のマトリックス前駆体が含浸された1Dプリプレグ又は2Dクロスのシート125の複数を環状に張り合わせる(第4工程)。この隣接部分は、ルツボ底部の曲率半径が小さい湾曲部分に相当し、厚み調整の為に張られる。シート125の炭素繊維の並ぶ方向を周方向とすることが好ましい。上述したレベル巻き(第2工程)とパラレル巻き(第3工程)とシート張りつけ(第4工程)との組み合わせにより、マンドレル111の外周に略均一厚みの組み合わせ層が形成される。マンドレル111の外周の成形体が所定厚みになるまで、第2〜第4工程による組み合わせ層を複数層重ねる。
このようにして得られたルツボの断面図が図8に示される。ルツボ101がシリンダ状の胴部102とボウル状の底部103の一体構造である点は図4と同様である。底部103の中心には、マンドレル111の左右軸部114R,114Lを通すための孔107が存在している。この孔107は、栓110が挿入されることによって塞がれる。その時、孔107を形成する面と、この面と接触する部分の栓の側面にそれぞれ雌ネジ、雄ネジを加工して栓110を取り付けてもよい。また、孔107を形成する面と、この面と接触する部分の栓の側面とを互いに係合するテーパ状としてもよいし、単にストレートな円筒状と円柱状の面としてもよい。したがって、軸方向強化層108は、孔107を迂回するようなU字状で掛け渡されている。周方向強化層109は図4と同様に胴部102の外周に沿うように配設されている。底部103特に孔107の回りの応力は、図4の孔無しに比較して大きくなるものの、マンドレル111の軸部の存在により、二個取りや効率的なワインディングが可能になる。
また、孔無しのルツボを二個同時に製作するためには、第1図に示した2個のマンドレル11を第9図(a)及び第9図(b)に示すように、駆動装置20を介して左右対称に連結するとよい。第9図(a)及び第9図(b)において、駆動装置20は左右両方に突き出した回転軸14a、14bを有する。この回転軸14a、14bによって2個のマンドレル11は支持されている。第9図(a)においては、マトリックス前駆体が含浸された炭素繊維を供給するための2個のデリバリアイ部15が、駆動装置20を介して点対称に配置されている。そして、それぞれのデリバリアイ部15をそれぞれのマンドレル11の外周に沿って移動させると、ポーラ巻き、パラレル巻き、レベル巻き等のフィラメントワインディングが自在に行える。第9図(b)においては、マトリックス前駆体が含浸された炭素繊維を供給するための2個のデリバリアイ部15が、駆動装置20を介して線対称に配置されている。そして、それぞれのデリバリアイ部15をそれぞれのマンドレル11の外周に沿って移動させると、ポーラ巻き、パラレル巻き、レベル巻き等のフィラメントワインディングが自在に行える。
さらに、具体的実施例について説明する。
(実施例1)
図1のマンドレルを使用し、マンドレル表面にトレカT−300 6K 平織りクロス(東レ(株)製)にフェノール樹脂を含浸したものを1層張りつけ、その上にフィラメントワインディングを施した。フィラメントワインディングは、トレカT−300 12K(東レ(株)製)フィラメント6本にフェノール樹脂を含浸させながら、レベル巻き、中心軸に対する巻き付け角が85°〜90°のパラレル巻きを交互に3層づつ巻き付けた。胴部はパラレル巻きとレベル巻きの6層になるが、底部はレベル巻きだけになるので、パラレル巻きを行った後に、底部のうち胴部との隣接部分に、1Dプリプレグを扇状に裁断したものを一枚一枚張り合わせて環状にした。これらにより層厚み7mmの成形体が得られた。つぎに、オーブン中にて100°Cで揮発分調整を行ったのち、真空パックを被せて真空引きをしながら、オーブンの温度を200°Cまで上げて成形体を熱硬化させた。熱硬化後、マンドレルから取り外し、ルツボ状成形体を得た。つぎに、胴部の真円度を保つために、黒鉛製の変形防止用治具を取付け、電気炉で窒素注入しながら10°C/hrの昇温で1000°Cまで昇温し、C/C複合材を得た。
また、ピッチ含浸と焼成を4回繰り返して緻密化を行った。更に最終熱処理として黒鉛製の変形防止用治具を取付けたまま、窒素気流中で2000°Cの熱処理を行った。そののち、ルツボ底部の機械加工を施し、更に高純度化処理のために、真空炉にセットし、2000°Cまで加熱したのち、塩素ガスを供給し、炉内圧力10torrで20時間キープした。更に、熱分解炭素の含浸及び被覆のために、真空炉内にセットし、メタンガスを供給し、炉内圧力25torrで100時間キープし、CVI法の熱分解炭素によるC/C複合材の緻密化処理を行い最終製品を得た。このCVI処理によって、C/C複合材のかさ密度は1.6から1.7に上昇し、気孔率が20%から14.5%に下がった。このようにして得られたC/C複合材製のルツボを単結晶引き上げ装置に使用した。単結晶引き上げ操業毎に使い捨てされる石英ルツボ底部に割れが発生し、C/C複合材製ルツボの胴部及び底部共に強度があることが確認された。また、C/C複合材製ルツボの内面についても、熱分解炭素によりSiO2 との反応が抑制されており、30回の操業回数で底部のうち胴部に隣接する部分に多少の損耗が見られただけである。
(実施例2)
図7のようなマンドレルを使用し、ルツボ底部に孔が存在すること以外は実施例1と同様である。軽くて堅牢であるというハンドリング性に優れるという点と、SiO2 との反応の抑制という点は実施例1と同じである。ただし、実施例1と同じ30回の操業回数で底部の孔の周辺に亀裂の兆候が見られた。
(比較例1)
図7に示すマンドレルを用い、ヘリカル巻きとパラレル巻きのみの組合せでルツボ形状の成形を行った。ヘリカル巻きは、炭素繊維糸がずれてしまい実施例2程に回転軸近傍まで巻き付けることが出来なかった。結果として実施例より底孔の大きなルツボとなった。パラレル巻きはヘリカル巻きと交互に行い、実施例1,2と同様に行った。また、CVI処理も同様に行い、同様な密度増加が得られた。しかし、実際の操業においては、底孔が大きいため毎回軟化した石英ルツボが底孔を塞いでいた栓を押し出す形で変形し、操業後は、必ずと言ってよいくらいルツボ自体が傾いていた。実施例1,2と同じ30回の操業回数では毎回の石英ルツボの変形による応力が大きかったためか亀裂が発生していた。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。
本発明実施の一つのルツボの成形体を得るためのマンドレルの側面図である。 本発明実施の一つのルツボの成形体を得るまでの成形工程を示す図である。 C/C複合材製ルツボの最終製品を得るまでの工程を示すフロー図である。 C/C複合材製ルツボの最終製品の断面図である。 C/C複合材製ルツボが応力に耐える様子を示す断面図である。 二つのルツボの成形体を得るためのマンドレルの側面図である。 二つのルツボの成形体を得るまでの成形工程を示す図である。 C/C複合材製ルツボの最終製品の断面図である。 二つのルツボの成形体を得るためのマンドレル等の配置を示す図である。
符号の説明
12 円筒部
13 膨出部
16 中心軸
17 頂点
21 クロス
22 ポーラ巻き
23 パラレル巻き
25 シート
26 レベル巻き

Claims (2)

  1. シリンダ状の胴部とボウル状の底部とからなり、炭素繊維強化炭素複合材料により形成された単結晶引き上げ用ルツボの製造方法であって、
    回転自在な回転軸それぞれの端部に、前記胴部の内径に相当する外径を有し、前記胴部の長さ以上に長い円筒部と、前記円筒部の一端に設けられ、前記底部が嵌まる膨出部と、前記円筒部の他端の中心から突出する軸部とを有するマンドレルを1つずつ、前記膨出部を外側にして左右対称に固定する工程と、
    マトリックス前駆体が含浸された炭素繊維を前記膨出部から前記円筒部の前記他端へと斜めに巻き付けられるレベル巻きと、マトリックス前駆体が含浸された前記炭素繊維を前記円筒部の周方向に巻きつけられるパラレル巻きとを含んだワインディングにより第1成形体を得る工程と、
    前記第1成形体の前記円筒部の前記他端の側を切断して1個のルツボ状の第2成形体を得る工程と、を有する単結晶引き上げ用ルツボの製造方法。
  2. 前記回転軸の中心部に、前記回転軸を駆動させるための駆動装置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の単結晶引き上げ用ルツボの製造方法。
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