JP4633907B2 - 文書を表わす画像データ内の走査時アーチファクトをマスキングするための方法及び装置並びに画像データ処理システム - Google Patents

文書を表わす画像データ内の走査時アーチファクトをマスキングするための方法及び装置並びに画像データ処理システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的には、文書を走査して、走査した文書を、後で記録媒体上に電子画像を描画するためにプリントシステムが使用できる電子画像データに変換するシステムに関する。詳細には、本発明は、走査した文書上の画像を電子画像データに変換する間に生成された走査時アーチファクト(人工生成物)を検出及びマスキングするためのシステム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば原文書の電子的走査によって生成されたビデオ画像データから、原文書を複製する際に、文書の外部エッジの決定に依存する機能を備えることが望ましいことがよくある。そのような機能としては、例えば、自動拡大、自動ツーアップ(two-up)コピー、検出された文書の外部エッジの外側に存在する背景画像データの削除、走査システム内の文書の自動位置割出し、及び電子画像の電子的スキュー補正(deskewing)等が挙げられる。言い換えれば、これらの機能を備えるためには、走査システムによって何らかの方法で文書の外部エッジを検出しなければならない。
【0003】
従来は、原文書の外部エッジの検出を達成するために、原文書と区別しやすいバッキングが設けられていた。例えば、黄色、黒色、又は白色より白い色のバッキングや、蛍光を発するバッキング、及び他の様々な代替品が設けられていた。たとえ様々な代替品が用いられていても、デジタル走査システムを用いて文書を走査する際には、両面又は透かしのある文書を走査するときに透けて見えるのを解消するために、光吸収性(例えば黒又は暗色)のバッキングを用いるのが望ましい。黒色などの光吸収性のバッキングを用いることにより、走査システムは文書を走査する際に透けて見えるのを解消できるとともに、走査システム又は例えば下流の画像処理システムが原文書の外部エッジの位置を自動的に割出せるようにし、それにより自動位置決め処理及び電子的スキュー補正処理を実行できるようにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光吸収性バッキングを使用した際の望ましくない結果として、原文書の例えば穴、切れた箇所、裂け目、耳折れ等の任意の欠陥、又は原文書の予めパンチされた穴等の他の特徴が、記録媒体に描画及びプリントされたときに黒いオブジェクトとして現れる。これは、取得された画像が、原文書の欠陥(例えば、予めパンチされた穴、切れた箇所、裂け目、耳折れ等)が存在する場所にはどこでもバッキング領域のグレー値(黒)を有するという事実に起因する。バッキング領域のグレー値が存在する原文書内のこれらの領域は、走査時アーチファクト(人工生成物)と見なされる。
【0005】
ほとんどの場合、特にコピーの背景が白でありアーチファクトが黒として描画される場合には、走査時アーチファクトをコピー内に描画することは望ましくない。例えば、図1は、予め3つの穴がパンチされた用紙にプリントされた画像4を含む原文書2を示し、3つの穴は欠陥6によって表わされている。この文書を、文書の背後のプラテンカバーや自動給紙ローラ又はスキー等のバッキングが非反射性である従来のシステムで走査した場合には、図2に示される記録された画像12は、原文書の欠陥6に対応する暗い又は黒い領域16(走査時アーチファクト)を含むことになる。同様に、図1の文書が、バッキングは白いが使用によって汚れているか、傷があるか、又は文書の背景と同等の反射率を有していないシステムによって走査された場合には、記録又は表示媒体12に複製される原画像(図3)は、原文書の欠陥6に対応する領域16の形態の走査時アーチファクトを含むことがある。
【0006】
従って、予めパンチされた穴、切れた箇所、裂け目等の、ある種の欠陥を有する原文書を読み込んで、走査時アーチファクトのいかなる痕跡もない画像を記録又は表示媒体に描画できることが望ましい。言い換えれば、原文書が欠陥を含むという事実に関わらず、描画された画像内のアーチファクトの出現を解消又は低減するために、走査時アーチファクトをマスキングすべきである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様は、画像データに対する画素分類タグを生成するステップと、画素分類タグを用いて、走査時アーチファクトと関連づけられた文書内のウィンドウを識別するステップと、画像データを解析して置換ビデオ値を生成するステップと、走査時アーチファクトと関連づけられた前記画像データを置換ビデオ値と置換するステップと、を有する、文書を表わす画像データ内の走査時アーチファクトをマスキングするための方法であって、前記画像データは、文書を第1の走査方向に読み取ると共に、該文書を第1の走査方向に読み取るごとに該第1の走査方向と直交する第2の方向に該文書の読み取る位置を移動させて、該文書を読み取ることにより得られた各画素の明度情報のデータであり、前記文書を読み取る際には、前記文書を読み取る側とは前記文書に対して反対側から、読み取って得られた画像データが前記文書とは明度上区別される平面部材であるバッキングにより前記文書が覆われ、前記画素分類タグは、各画素が前記文書の画像の画素なのか、前記文書に存在する穴、切れた箇所、裂け目、及び耳折れの何れかを介して前記バッキングを読み取って得られた画像である前記走査時アーチファクトとしてのバッキング画像の画素なのかを示し、前記ウィンドウを識別するステップでは、前記文書の画像を、各々の長手方向が前記第1の走査方向に対応する方向でありかつ前記第2の走査方向に対応する方向に隣接するように複数並んだ各々長方形の複数の画像部分に分割して得られる複数のウィンドウラインセグメント各々内で、各画素の画素分類タグに基づいて、同じ画素分類タグの画素をまとめてラインセグメントとし、前記第2の走査方向に対応する方向に隣接するラインセグメントで、同じ画素分類タグを持つラインセグメントをまとめて、同じ画素分類タグを持つ画素の集まりであるウィンドウを形成し、形成したウィンドウ及び前記バッキング画像を示す画素分類タグに基づいて、走査時アーチファクトと関連づけられた文書内のウィンドウを識別することを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の態様は、ビデオ画像データに対する画素分類タグを生成する分類回路と、画素分類タグを受け取るように接続された自動ウィンドウ化回路であって、走査時アーチファクトを識別するウィンドウデータを生成する自動ウィンドウ化回路と、ビデオ画像データ及びウィンドウデータを受け取るように接続された統計コンパイル回路であって、ビデオ置換データを生成する統計コンパイル回路と、ビデオ置換データを受け取るように接続されたビデオ置換回路であって、前記ビデオ画像データ内の選択された画素をビデオ置換データと置換するビデオ置換回路と、を有する、文書を表わすビデオ画像データ内の走査時アーチファクトをマスキングするための装置であって、前記ビデオ画像データは、文書を第1の走査方向に読み取ると共に、該文書を第1の走査方向に読み取るごとに該第1の走査方向と直交する第2の方向に該文書の読み取る位置を移動させて、該文書を読み取ることにより得られた各画素の明度情報のデータであり、前記文書を読み取る際には、前記文書を読み取る側とは前記文書に対して反対側から、読み取って得られた画像データが前記文書とは明度上区別される平面部材であるバッキングにより前記文書が覆われ、前記画素分類タグは、各画素が前記文書の画像の画素なのか、前記文書に存在する穴、切れた箇所、裂け目、及び耳折れの何れかを介して前記バッキングを読み取って得られた画像である前記走査時アーチファクトとしてのバッキング画像の画素なのかを示し、前記自動ウィンドウ化回路は、前記文書の画像を、各々の長手方向が前記第1の走査方向に対応する方向でありかつ前記第2の走査方向に対応する方向に隣接するように複数並んだ各々長方形の複数の画像部分に分割して得られる複数のウィンドウラインセグメント各々内で、各画素の画素分類タグに基づいて、同じ画素分類タグの画素をまとめてラインセグメントとし、前記第2の走査方向に対応する方向に隣接するラインセグメントで、同じ画素分類タグを持つラインセグメントをまとめて、同じ画素分類タグを持つ画素の集まりであるウィンドウを形成し、形成したウィンドウ及び前記バッキング画像を示す画素分類タグに基づいて、走査時アーチファクトを識別するウィンドウデータを生成することを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の態様は、走査画像を表わす画像データを供給する画像入力ターミナルと、画像データ内の走査時アーチファクトを検出及びマスキングするためのマスキングプロセッサであって、ビデオ画像データ内のバッキング画素を識別するための分類回路と、走査時アーチファクトを識別するウィンドウデータを生成するための自動ウィンドウ化回路と、ビデオ置換データを生成するための画像解析回路と、前記ビデオ画像データ内の選択された画素をビデオ置換データと置換するためのビデオ置換回路と、を含むマスキングプロセッサと、ビデオ置換回路から受け取った前記ビデオ置換データに応答して画像を生成するための画像出力ターミナルと、を有する、画像データ処理システムであって、前記ビデオ画像データは、文書を第1の走査方向に読み取ると共に、該文書を第1の走査方向に読み取るごとに該第1の走査方向と直交する第2の方向に該文書の読み取る位置を移動させて、該文書を読み取ることにより得られた各画素の明度情報のデータであり、前記文書を読み取る際には、前記文書を読み取る側とは前記文書に対して反対側から、読み取って得られたビデオ画像データが前記文書とは明度上区別される平面部材であるバッキングにより前記文書が覆われ、前記分類回路は、各画素が前記文書の画像の画素なのか、前記文書に存在する穴、切れた箇所、裂け目、及び耳折れの何れかを介して前記バッキングを読み取って得られた画像であるバッキング画像の画素なのかを示す画素分類タグを生成し、生成した画素分類タグに基づいてビデオ画像データ内のバッキング画素を識別し、前記自動ウィンドウ化回路は、前記文書の画像を、各々の長手方向が前記第1の走査方向に対応する方向でありかつ前記第2の走査方向に対応する方向に隣接するように複数並んだ各々長方形の複数の画像部分に分割して得られる複数のウィンドウラインセグメント各々内で、各画素の画素分類タグに基づいて、同じ画素分類タグの画素をまとめてラインセグメントとし、前記第2の走査方向に対応する方向に隣接するラインセグメントで、同じ画素分類タグを持つラインセグメントをまとめて、同じ画素分類タグを持つ画素の集まりであるウィンドウを形成し、形成したウィンドウ及び前記バッキング画像を示す画素分類タグに基づいて、走査時アーチファクトを識別するウィンドウデータを生成することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下の説明では、高速走査方向及び低速走査方向という用語を用いる。高速走査方向とは、走査線即ちラスタに沿った画素の走査のことである。これは一般的に、走査が光電センサの1つのアレイから画像データを収集した結果である、電子的走査とも呼ばれる。一方、低速走査方向とは、文書と走査システムとの間の相対移動方向のことである。これは、走査システムに画像データの走査線を生成させるための機械的な移動である。
【0011】
本発明は、走査した文書上の画像を電子画像データに変換する間に生じた走査時アーチファクトを検出及びマスキングするために画像データを処理するためのシステム及び方法に関する。上述したように、走査システムのバッキングのグレー値が存在する原文書内のこれらの領域を、走査時アーチファクトと見なす。本発明は、走査画像の走査時アーチファクトが存在する領域を識別するために、自動ウィンドウ化(autowindowing)技術を用いる。本発明の好ましい実施の形態は、2パス自動ウィンドウ化処理を用いることを提案する。2パス自動ウィンドウ化処理では、第1パスが、走査時アーチファクトを有するウィンドウを識別して、そのウィンドウに対する統計を集め、第2パスが、ウィンドウ化された走査時アーチファクトと関連づけられた画像データを、周囲の画像領域と“調和する(blend in)”画像データと置換することにより、走査時アーチファクトとして示されたウィンドウをマスキングする。
【0012】
走査時アーチファクトを検出及びマスキングするために2パス自動ウィンドウ化技術を用いる処理の一実施形態を、図4に示す。2パス処理では、1つの機会で、画像データを2回通過及び処理する。2パス自動ウィンドウ化処理では、第1パスの処理を用いて、走査画像内に含まれる“ウィンドウ”の位置を自動的に割出す。ウィンドウは、写真、連続階調、ハーフトーン、テキスト等や、それらの任意の組み合わせといった任意の非背景領域、及び走査時アーチファクトであり得る。更に、第1パスの処理中、及び第2パスの処理が完了する前に、識別されたウィンドウに対する統計を分析し、もしあれば、調整又は強調すべきウィンドウを決定する。第2パスの処理では、文書のウィンドウと関連づけられたデータを修正して、画像の描画及びプリント等の任意の後続の画像処理操作を最適化できる。図4に示される処理では、ステップS1、S3及びS5は、画像データを通る第1パスで実行される処理に対応し、ステップS7は画像データを通る第2パスで実行される処理に対応する。
【0013】
詳細には、この処理は、ステップS1で、ビデオ画像データ内の画素に対して分類タグを生成する。ステップS1は、ビデオ画像データ内の画素を調べ、分類タグを生成する。分類タグは、画素が走査システムのバッキングを表わす(即ち、バッキング画素)か否かを識別するとともに、好ましくは文書画像を表わす画素(非背景画素)の画像タイプを識別するセグメント化データを含む。ステップS3は、ステップS1で生成された分類タグを解析して、走査画像内のウィンドウを識別し、走査画像内の各ウィンドウの位置を記録し、各ウィンドウを分類する。
【0014】
ステップS5ではビデオ画像データが解析される。詳細には、ビデオ画像データから統計が集められ、ステップS3からの情報を用いて、走査時アーチファクトを識別するウィンドウに対応する画像データ統計を解析し、各走査時アーチファクトのマスキングに用いるのに適したビデオ値を決定できる。ステップS7は、ステップS3及びステップS5で収集された情報を用いて、走査画像データ内の走査時アーチファクトをマスキングするために画像データを修正する。次に、修正済画像データを処理して、適切な媒体上への出力画像の作成に使用できる即プリント可能(print ready)データを生成できる。
【0015】
図5は、図4のステップS1で実行される画像データ内の画素を分類するための処理をより詳細に示す。この処理では、ステップS12は、一般的に、各走査線が複数の画素の強度(明度)情報等といった画像データからなる、複数の走査線からなる、ビデオ画像データを受け取る。ステップS12は受け取った画像データの複数の走査線をメモリにバッファし、目標画素及びその近傍を識別する。目標画素及びその近傍の画像データが解析され、その目標画素に対する分類タグが生成される。
【0016】
バッキング検出ステップS14は、目標画素及びその近傍を調べ、その目標画素の画像データがバッキング画素を表わしているのか又は文書画像を表わしているのかを決定する。バッキング画素とは、その画素の画像データが、走査システムのバッキングから反射又は生成された光を表わす画素のことである。ステップS14は、画素のタイプに関する決定を行うためのバッキング画素の識別に、任意の方法を用いてよい。バッキング画素を識別する1つの方法は、バッキングの特徴(グレー値、高速又は低速走査方向におけるグレーの変化等)に基いた1つ以上の検出基準について、目標画素のコスト値を決定し、そのコスト値を総計して、総計コストが許容可能な閾値にある場合は、その画素をバッキング画素として分類する。なお、走査システムは、バッキングから反射するか又は文書の背後から発せられる光に対応する特定の波長を有する光を検出する別の組のセンサを用いてもよい。更に、走査システムは、文書上の画像に応答して、バッキングを走査すると飽和するように設計された1組のセンサと、バッキングを走査するとバッキングの反射率によって黒を検出するもう1組のセンサとを用いてもよい。目標画素がバッキング画素であるか又は文書画像画素であるかを決定する方法は、本明細書に参照として援用する、シュワイドら(Schweid et al.)による米国特許第5,959,290号に開示されている。
【0017】
セグメント化ステップS16は、セグメント化操作を行い、目標画素及びその近傍の画像データを解析して、目標画素の画像タイプを決定する。幾つかの一般的な画像タイプとしては、エッジ、グラフィック、テキスト、ティント上のテキスト、背景、滑らかな連続階調、粗い連続階調、低周波数ハーフトーン、高周波数ハーフトーン、ファジー周波数として実現され得る中間周波数ハーフトーン、等が挙げられる。解析及び画像タイプの決定は、自動コリレーション、周波数解析、パターン又はテンプレート照合、ピーク/谷検出、ヒストグラム等を含むがそれらに限定されない多くの周知の分類関数の任意のものに基くことができる。例えば、ステップS16は、各画素の強度(明度)が周囲の近傍画素の強度(明度)と顕著に異なるか否かを決定して、肯定される場合は、その画素をエッジ画素として分類してもよい。
【0018】
上述の処理は、バッキング検出ステップS14及び画像セグメント化ステップS16が、任意の順序で又は並行して実行されてよい個別の操作であることを示しているが、バッキング検出ステップS14はセグメント化操作S16の中に組み込まれてもよい。つまり、バッキング画素を、もう1つの画像タイプと見なし、バッキング検出操作をセグメント化操作に含まれる分類機能と見なしてもよい。別の実施の形態では、バッキング検出ステップS14を最初に実行し、その次に、バッキング画素ではないと決定された(即ち、文書画素として識別された)画素だけにセグメント化ステップS16を実行してもよい。
【0019】
次に図6を参照すると、ステップS3の自動ウィンドウ化操作を実行するための処理の一実施形態が示されている。ウィンドウの識別のより良い理解のために、図7に、自動ウィンドウ化操作によって生成されるウィンドウの構成要素を表わす模式図を示す。文書80は、ウィンドウ82のような1つ以上のウィンドウを有し得る。各ウィンドウ82を、ウィンドウセグメント84のような1つ以上のウィンドウセグメントに分解でき、ウィンドウセグメントを、更に、1つ以上のラインセグメント86に分解できる。各ラインセグメントは、所与の走査線の、隣接する画素分類タグの1グループを表わす。
【0020】
再び図6を参照すると、ステップS31で、画素分類タグが受け取られ、走査線内のあらゆるラインセグメントが識別される。各ラインセグメントは、所定のウィンドウ基準に合致する隣接する画素タグのグループを有する。そのようなウィンドウの識別のための1つの基準は、画素タグのうち、エッジである画素タグのグループを選択することである。別のウィンドウ基準は、選択された1つ以上の画像タイプを有するラインセグメントを識別することである。つまり、ウィンドウ基準は、ラインセグメントが特定の画像タイプを識別する画素タグで構成されることを要件としてもよい。
【0021】
ステップS33は、ステップS31で識別された各ラインセグメント内の画素分類タグに対する統計をコンパイルする。コンパイルされたタグ統計は、そのラインセグメントが存在するウィンドウを分類する際に用いられる。コンパイルされ得る統計としては、異なる各画素タグタイプの数、異なる各画素タグの周波数分布、優勢な画素タグタイプ、画素タグタイプの重み付けされたカウント等がある。
【0022】
ステップS35は、隣接する走査線のラインセグメントを結んで、ウィンドウセグメントを形成する。好ましくは、現在の走査線内のラインセグメントを識別した後で、ステップS35は現在の走査線のラインセグメントを、前の走査線内のあらゆる既存のウィンドウオブジェクト(ラインセグメント又はウィンドウセグメント)と比較する。現在の走査線のラインセグメントが、既存のウィンドウオブジェクトに隣接する閾値の数の画素タグを有する場合には、そのラインセグメントは既存のウィンドウオブジェクトに結合される。現在の走査線の1つ以上のラインセグメントが、ある既存のウィンドウオブジェクトに結合されたら、現在のラインセグメント(単数又は複数)についてコンパイルされた統計が、その既存のウィンドウオブジェクトの統計と組み合わされる。
【0023】
ステップS37は、走査した画素内に完成したウィンドウが存在するか否かを決定する。現在の走査線に、既存のウィンドウオブジェクトと結合できるラインセグメントが全くない場合には、そのウィンドウオブジェクトは完結し、完成したウィンドウとなる。完成したウィンドウが識別されない場合には、自動ウィンドウ化処理は、ステップS47で、処理すべき走査線が更にあるか否かを決定する。更に走査線がある場合には、処理はステップS31のラインセグメントの識別を続ける。完成したウィンドウが識別された場合は、処理は、ステップS39、ステップS41、及びステップS43で、完成したウィンドウに対する、ウィンドウの分類、記録、及びフィルタリング操作を行う。
【0024】
ステップS39は、コンパイルされたウィンドウ統計からウィンドウの分類を決定する。各ウィンドウを分類する試みにおいて、この統計が調べられる。コンパイルされた統計からウィンドウ分類を生成するために、任意の数のオプション(選択肢)を使用できる。例えば、主に1つのタイプの画像データを含むように見えるウィンドウは、その優勢な画像タイプに従って分類できる。主にバッキング画素を含むウィンドウは、走査時アーチファクトとして識別(分類)される。更なるオプションは、1つ以上の画像タイプを含むウィンドウを“混合”と分類する。更に、ウィンドウ分類は単一の画像タイプに限定されないことを留意されたい。例えば、ウィンドウは、そのウィンドウ内の優勢な画素タグ及び次に優勢な画素タグとして分類されてもよい。更なる例として、ステップS39は、ウィンドウを、画素タグ発生総数の所定の割合以上を有する画素タグとして分類してもよい。
【0025】
ステップS41は、走査画像内のウィンドウの位置を決定及び記録する。後でウィンドウ内に含まれる画素を識別するのに十分な、任意の公知の方法を用いて、ウィンドウの位置を識別できる。走査画像内のウィンドウの位置を記録するための多くの方法が存在することを当業者は認識するであろう。可能な方法の例は、各ラインセグメントの始点及びそのセグメントの長さの識別、各セグメントの開始画素及び終了画素の記録、各ウィンドウ又はラインセグメントがそこからのオフセットであると識別されたウィンドウ内の第1画素の位置の記録を含む。上述の例は単に説明目的で与えられたものであり、上述の例のうちの1つを使用するように本発明を限定するものではない。
【0026】
ウィンドウフィルタリングステップS43は、完成したウィンドウをフィルタリングして、小さなウィンドウを捨てる。このフィルタリング操作は、識別されたウィンドウの数がシステムのメモリを圧倒しないこと及び/又はシステムの処理時間を大きく増加させないことを確実にするように設計されている。適切なウィンドウサイズを決定し得るファクターは、処理速度及びスループット、メモリ、ウィンドウ分類、画像サイズ、画像解像度等を含むことができる。更に、完成したウィンドウをフィルタリングする代わりに(又はそれに加えて)、フィルタリング操作を用いてステップS31で識別されたラインセグメントをフィルタリングして、小さなラインセグメントを捨ててもよいことを認識されたい。
【0027】
図8は、図4のステップS5で実行される処理をより詳細に示す。詳細には、図8は、画像データ統計をコンパイル及び解析するための処理の一実施形態を示す。上述したように、走査時アーチファクトとして識別されたウィンドウの画像データ統計を解析して、走査時アーチファクトの画像データを置換するのに適切な画像データを決定する。更に、統計を用いて、画質を向上させるためにウィンドウ化領域の描画を改善又は最適化する画像強調オプションを決定してもよい。
【0028】
ステップS51で画素画像データを受け取ると、画像データ統計のコンパイルが開始される。走査画像の各ウィンドウ化領域に対して画像統計を入手できなければならない。ステップS51は、ウィンドウ化領域が識別されるまで待ってから統計収集するのではなく、走査画像を複数の統計収集領域に区分して、各収集領域について画像データ統計をコンパイルする。任意のウィンドウ化領域内の収集領域を後から取出して解析することができる。走査画像データは、長方形のグリッドとして配列された、M×N個の画素画像データブロックに区分されるのが好ましい。ブロックのサイズは、走査解像度、走査される文書のサイズ、メモリ要件等といった多くのファクターに基いて異なってもよい。しかし、サイズ及び形状が異なる領域及び/又は任意の角度で配列された領域も同様に用いることができることは理解されよう。
【0029】
ステップS53は、区分された各領域の画像データ統計をコンパイルする。所与の統計収集領域(例えばM×Nブロックの1つ)の画像データ統計をコンパイルするために、そのブロックを構成する画素画像データを識別しなければならない。画素画像データブロックの識別はウィンドウ化技術を用いて達成でき、受け取られた画像データはバッファに格納され、十分な数の画素が格納されたら、調査及び統計のコンパイルのために、バッファから画素ブロックが選択される。又は、各画素を受け取ったら、各画素と関連づけられたブロックを識別してもよい。ステップS53は、コントラスト統計(例えばヒストグラムデータ及びヒストグラム平均値)、露光統計(例えば黒色点及び白色点)、カラーバランス統計(例えば最小、最大、及び平均RGB値)、ニュートラルな統計(例えば彩度の平均値)等といった任意の数の画像データ統計をコンパイルできる。
【0030】
ステップS55は、ステップS3の自動ウィンドウ化操作からの情報を用いて、1つのウィンドウと関連づけられたブロックの画像データ統計を識別する。1つのウィンドウと関連づけられたブロックの数は、ウィンドウのサイズ及び形状並びにブロックのサイズ及び形状によって異なる。1つのウィンドウと関連づけられたブロックは、完全にそのウィンドウの中にあるブロックからなるのが好ましいが、部分的にそのウィンドウの中にあるか又はそのウィンドウに隣接するブロックを含んでもよい。更に、1つのウィンドウと関連づけられたブロックは、ウィンドウの分類及び位置に基いて異なっていてもよい。
【0031】
ステップS55で画像データ統計を識別した後、ステップS57は識別された統計を解析し、走査時アーチファクトが周囲の領域と調和するためのグレー又はカラーのビデオ値を決定する。例えば、走査時アーチファクトがピクチャ領域内に存在する場合は、ステップS57は、走査時アーチファクトの付近のブロックから最も優勢なビデオ値又は平均ビデオ値を識別することにより、周囲の値と調和するか又はぴったり一致するビデオ値を決定してもよい。更に、走査時アーチファクトをマスキングするためのビデオ値を識別する場合には、ステップS57は、アーチファクトを横断して変化するビデオ値を識別してもよい。例えば、ステップS57は、グラジエント又はスロープ検出を用いて、走査時アーチファクトを横断して明から暗へと又は複数の色の間で変化するビデオ値を識別してもよい。同様に、走査時アーチファクトが孤立しているか又は背景領域内に存在する場合には、ステップS57は、文書全体に対して収集されたグローバル統計から、背景色と一致するビデオ値を識別してもよい。
【0032】
オプションとして、解析ステップS59を、画像データ統計を解析してウィンドウに対する適切な画像強調オプションを決定するために実行してもよい。ステップS59で実行され得る解析としては、ヒストグラムの分散量の計算、露光及び/又はカラーバランス統計の比較等を挙げることができる。コンパイルされた統計及び解析に基き、露光レベル、カラーバランス、コントラスト、彩度等といった1つ以上のウィンドウパラメータを調整して、そのウィンドウに対する1つ以上の固有の階調再現曲線(TRC)を作成してもよい。
【0033】
図9は、画像データを通る第2パスで実行される処理をより詳細に示すフロー図である。詳細には、第2パスの処理は、走査画像データ内の走査時アーチファクトをマスキングするための、第2パスビデオ画像データ及び第2パス分類タグに対する操作を行う。第2パスビデオ画像データは、メモリ又は他の記憶ロケーションから取出された(第1パス)画像データからなっていてもよく、又は、原画像文書を再走査することにより取得した画像データからなっていてもよい。同様に、第2パス分類タグは、メモリ又は他の記憶ロケーションから取出された第1パスタグからなっていてもよく、又はメモリから取出した又は再走査によって取得したビデオ画像データから生成された分類タグからなっていてもよい。
【0034】
タグ再マッピングステップS72は、第1パス画素分類タグを修正する。ステップS72は、ステップS3で識別されたウィンドウに対応する第1パス画素分類タグを識別し、これらのタグを、ウィンドウ分類及び分類タグの関数として生成された分類タグと置換する。例えば、別のウィンドウの中に存在する走査時アーチファクトに対しては、タグ再マッピング関数は、走査時アーチファクトと関連づけられたタグを周囲のウィンドウの分類タグと置換してもよい。
【0035】
ビデオ置換ステップS74は、走査時アーチファクトとして分類されたウィンドウに対応する画素を識別し、識別された画素の画像データを、ステップS57で周囲の画像データと調和するように決定されたビデオ値と置換することにより、ビデオ画像データを修正する。ステップS76では、修正された分類タグに従って、修正済のビデオ画像データが描画される。
【0036】
走査文書内の走査時アーチファクトを、2パス自動ウィンドウ化技術を用いて検出及びマスキングする方法を説明してきたが、次に、走査時アーチファクトを検出及びマスキングするために走査画像データを処理するためのシステムについて論じる。図10を参照すると、本発明の一実施形態に従った、走査時アーチファクトを検出して、検出されたアーチファクトをマスキングするために画像データを補正するシステムのブロック図が示されている。
【0037】
図10に示されるように、走査画像文書を表わすビデオ画像データ100は、分類回路102及び画像データ統計コンパイル回路に送られる。分類回路102は、バッキング画素を識別するバッキング検出ステージ106及び画素の画像タイプを識別するセグメント化ステージ108を含む。バッキング検出ステージ106及びセグメント化ステージ108は、協働して分類タグ110を生成する。
【0038】
分類タグ110は自動ウィンドウ化回路112に送られ、自動ウィンドウ化回路112は、走査時アーチファクトを表わしている可能性があるウィンドウを識別し、識別したウィンドウのウィンドウデータ114を生成する。詳細には、自動ウィンドウ化回路112は、1つの走査線内のあらゆるラインセグメントを識別し、各ラインセグメントの統計をコンパイルし、ラインセグメントを結んでウィンドウセグメントを構築し、ウィンドウをフィルタリングし、位置を割出し、分類する。自動ウィンドウ化を実装するための方法及び装置は公知であり、例えば、本明細書に参照として援用するファンら(Fan et al.)の米国特許第5,850,474号が教示している。
【0039】
上述したように、ビデオ画像データ100は画像データ統計コンパイル回路104にも送られる。統計コンパイル回路104は、コンパイルステージ120及び解析ステージ122を含む。コンパイルステージ120は、入力されたビデオ画像データ100のM×N個の各ブロックについて、コントラスト統計、露光統計、及びカラー統計等といった画像データ統計を収集する。解析ステージ122は、自動ウィンドウ化回路112からのウィンドウデータ114を用いて、自動ウィンドウ化回路によって識別されたウィンドウと関連づけられた特定のM×N個のブロックを識別する。解析ステージは、1つ以上の関連ブロックのコンパイルされた統計を解析して、走査時アーチファクトをマスキングするためのビデオ値を識別する。解析ステージ122は、走査時アーチファクトのマスキングに用いられるビデオ値を識別するビデオ置換信号124を供給する。
【0040】
第2パスの処理では、第2パスビデオ画像データ100’がデータ置換回路130に送られ、データ置換回路130は、ビデオ置換信号124に応答して、修正済ビデオ画像データ132を生成する。詳細には、画像データ100’及びビデオ置換信号124が画像データ置換回路130に送られ、画像データ置換回路130は、走査時アーチファクトとして識別されたウィンドウに対応する画像データ100’内の画素を、信号124内のビデオ値と置換する。
【0041】
同様に、第2パス分類タグ110’及びウィンドウデータ114がタグ再マッピング回路134に送られ、タグ再マッピング回路134は、ウィンドウと対応する画素分類タグを、ウィンドウ分類及び第2パス分類タグの関数として生成された分類タグと置換し、再マッピング済の分類タグ136を生成する。再マッピング済分類タグ136及び修正済ビデオ画像データ132は描画回路138に送られ、再マッピング済分類タグに従って修正済ビデオ画像データが描画される。
【0042】
図10の各回路は、個々に又は1つ以上の他の回路と組合わされて、汎用又は専用コンピュータ、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ及び周辺集積回路素子、ASIC又は他の集積回路、ディスクリート素子回路などのハードワイヤード電子又は論理回路、PLD、PLA、FPGA、又はPALなどのプログラム可能論理デバイスを構成してもよいことを、当業者は理解するであろう。更に、特定のハードウェアとソフトウェアとを組み合わせて用いて、特定の操作を実現してもよい。
【0043】
本発明の一実施形態に従った2パス自動ウィンドウ化処理を、走査時アーチファクトの検出及びマスキングにどのように用いることができるかの一例を、図11から図15を参照して更に示す。この例では、図11の原文書を表わすビデオ画像データ140は、予め3つの穴がパンチされた用紙の3つの穴142、144及び146等からの走査時アーチファクトをマスキングするために処理される。ビデオ画像データは、各画素の分類タグを生成するための分類操作を通して処理される。図12は、画像データの幾つかの走査線の部分に対する分類ステップの結果を図示している。
【0044】
自動ウィンドウ化操作は、分類タグを処理して、各走査線内のウィンドウラインセグメントを識別し、各ラインセグメントの統計をコンパイルし、ラインセグメントを結んでウィンドウセグメントを構築し、完成したウィンドウをフィルタリングし、位置を割出し、分類する。例えば、図12に示されている画像データを操作する際に、走査線N内の、画素150から152までの非背景画素の第1セグメントと、バッキング画素として識別された画素からなる画素154から156までの第2セグメントと、画素158から160までの第3セグメントとの、3つのラインセグメントを識別するための、ウィンドウ選択基準を用いてもよい。識別された3つのラインセグメントの各々について、分類タグ統計がコンパイルされる。
【0045】
次の3つの走査線N+1からN+3までの各々では、同様の3つのラインセグメントが識別され、各々について統計がコンパイルされる。セグメントの識別及び統計の収集は走査線ごとに行われるので、自動ウィンドウ化操作は、ウィンドウセグメントを構築するために、連続する操作線のラインセグメントを周期的に結ばなくてはならない。走査線N+3を通して、自動ウィンドウ化操作は、走査線内で識別された3つのラインセグメントの各々を、隣接する走査線内の個々のラインセグメントと結び、ウィンドウセグメント162、164及び166を形成する。
【0046】
走査線N+4では、操作は、ウィンドウセグメント162及び166が、2つのセグメントのタグ統計をマージして1つのウィンドウセグメントを形成できるように結ばれていることを識別できる。更に、走査線N+4では、ウィンドウセグメント164が終結していることを決定でき、それにより、完成したウィンドウが形成される。完成したウィンドウの識別後、そのウィンドウを保持するか否かを決定でき(即ち、完成したウィンドウがフィルタリングされる)、ウィンドウ分類を生成でき、ウィンドウの位置を記録できる。自動ウィンドウ化操作は、文書内のウィンドウの位置及び分類を識別する出力を与える。図13は、図11の文書について識別されたウィンドウのウィンドウデータ170を図示している。
【0047】
上述したように、ビデオ画像データは、画像データ統計をコンパイル及び解析するための処理を通る。図14は、コンパイル及び解析処理を図示している。画像データ統計をコンパイルするには、文書画像をM×N個の複数のブロック172に区分することが必要である。入力されたビデオ画像データのM×N個のブロック172の各々について、コントラスト統計、露光統計、及びカラー統計等といった画像データ統計が収集される。自動ウィンドウ化操作を介して生成されたウィンドウ情報170を用いて、任意のウィンドウ176と関連づけられた特定のM×Nブロック174を識別できる。
【0048】
1つのウィンドウと関連づけられたブロック174が識別されたら、1つ以上の識別されたブロック174についてコンパイルされた統計を解析できる。例えば、ウィンドウ176内に存在する走査時アーチファクト178については、走査時アーチファクトをマスキングするためのビデオ値を導出するために、アーチファクトに隣接する又は近傍のブロック180だけに対する統計を解析してもよい。同様に、孤立している走査時アーチファクトについては、走査時アーチファクトをマスキングするためのビデオ値は、文書全体の背景ヒストグラムに基いて導出されてもよい。
【0049】
走査時アーチファクトをマスキングするための第2パスの処理で行われるビデオ置換操作は、図15に図示されている。図15では、文書182は図11の文書140のウィンドウの第1パスビデオ画像データを表わしており、文書184は、ビデオ置換操作後の、文書140のウィンドウの第2パスビデオ画像データを表わしている。文書182では、穴142、144及び146と関連づけられたビデオデータが、走査システムのバッキングを表わす値を有して示されている。文書184では、穴142のビデオ値はウィンドウ176内のブロックから導出されたビデオデータと置換されており、穴144及び146のビデオ画像データは、文書全体について収集されたグローバル統計から導出されたデータと置換されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】欠陥を有する原文書の一例を示す図である。
【図2】走査時アーチファクトを有したままの、図1に示されている文書の描画又は表示されたコピーの例を示す図である。
【図3】走査時アーチファクトを有したままの、図1に示されている文書の描画又は表示されたコピーの例を示す図である。
【図4】本発明の概念に従って走査時アーチファクトを検出及びマスキングする方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図5】本発明の概念に従って画素を分類する処理を示すフロー図である。
【図6】本発明の概念に従った自動ウィンドウ化処理の一実施形態を示すフロー図である。
【図7】自動ウィンドウ化操作によって生成されたウィンドウの構成要素の模式図である。
【図8】画像データ統計をコンパイル及び解析する処理の一実施形態を示すフロー図である。
【図9】画像データを通る第2パスで実行される処理を示すフロー図である。
【図10】本発明の概念に従って走査時アーチファクトを検出及びマスキングする装置の模式図である。
【図11】欠陥を有する原文書の一例を示す図である。
【図12】画像データの幾つかの走査線の部分の画素分類タグを表わす図である。
【図13】図11の文書内で識別されたウィンドウを表わす図である。
【図14】画像データ統計のコンパイル及び解析を表わす図である。
【図15】画像データ統計の解析から導出されたビデオ値を用いた走査時アーチファクトのマスキングを示す図である。
【符号の説明】
2 文書
6 欠陥
16 走査時アーチファクト
80 文書
82 ウィンドウ
84 ウィンドウセグメント
86 ラインセグメント
182 文書(第1パスビデオ画像データ)
184 文書(第2パスビデオ画像データ)

Claims (3)

  1. 画像データに対する画素分類タグを生成するステップと、
    画素分類タグを用いて、走査時アーチファクトと関連づけられた文書内のウィンドウを識別するステップと、
    画像データを解析して置換ビデオ値を生成するステップと、
    走査時アーチファクトと関連づけられた前記画像データを置換ビデオ値と置換するステップと、
    を有する、文書を表わす画像データ内の走査時アーチファクトをマスキングするための方法であって、
    前記画像データは、文書を第1の走査方向に読み取ると共に、該文書を第1の走査方向に読み取るごとに該第1の走査方向と直交する第2の方向に該文書の読み取る位置を移動させて、該文書を読み取ることにより得られた各画素の明度情報のデータであり、
    前記文書を読み取る際には、前記文書を読み取る側とは前記文書に対して反対側から、読み取って得られた画像データが前記文書とは明度上区別される平面部材であるバッキングにより前記文書が覆われ、
    前記画素分類タグは、各画素が前記文書の画像の画素なのか、前記文書に存在する穴、切れた箇所、裂け目、及び耳折れの何れかを介して前記バッキングを読み取って得られた画像である前記走査時アーチファクトとしてのバッキング画像の画素なのかを示し、
    前記ウィンドウを識別するステップでは、
    前記文書の画像を、各々の長手方向が前記第1の走査方向に対応する方向でありかつ前記第2の走査方向に対応する方向に隣接するように複数並んだ各々長方形の複数の画像部分に分割して得られる複数のウィンドウラインセグメント各々内で、各画素の画素分類タグに基づいて、同じ画素分類タグの画素をまとめてラインセグメントとし、
    前記第2の走査方向に対応する方向に隣接するラインセグメントで、同じ画素分類タグを持つラインセグメントをまとめて、同じ画素分類タグを持つ画素の集まりであるウィンドウを形成し、形成したウィンドウ及び前記バッキング画像を示す画素分類タグに基づいて、走査時アーチファクトと関連づけられた文書内のウィンドウを識別する
    ことを特徴とする文書を表わす画像データ内の走査時アーチファクトをマスキングするための方法。
  2. ビデオ画像データに対する画素分類タグを生成する分類回路と、
    画素分類タグを受け取るように接続された自動ウィンドウ化回路であって、走査時アーチファクトを識別するウィンドウデータを生成する自動ウィンドウ化回路と、
    ビデオ画像データ及びウィンドウデータを受け取るように接続された統計コンパイル回路であって、ビデオ置換データを生成する統計コンパイル回路と、
    ビデオ置換データを受け取るように接続されたビデオ置換回路であって、前記ビデオ画像データ内の選択された画素をビデオ置換データと置換するビデオ置換回路と、
    を有する、文書を表わすビデオ画像データ内の走査時アーチファクトをマスキングするための装置であって、
    前記ビデオ画像データは、文書を第1の走査方向に読み取ると共に、該文書を第1の走査方向に読み取るごとに該第1の走査方向と直交する第2の方向に該文書の読み取る位置を移動させて、該文書を読み取ることにより得られた各画素の明度情報のデータであり、
    前記文書を読み取る際には、前記文書を読み取る側とは前記文書に対して反対側から、読み取って得られた画像データが前記文書とは明度上区別される平面部材であるバッキングにより前記文書が覆われ、
    前記画素分類タグは、各画素が前記文書の画像の画素なのか、前記文書に存在する穴、切れた箇所、裂け目、及び耳折れの何れかを介して前記バッキングを読み取って得られた画像である前記走査時アーチファクトとしてのバッキング画像の画素なのかを示し、
    前記自動ウィンドウ化回路は、
    前記文書の画像を、各々の長手方向が前記第1の走査方向に対応する方向でありかつ前記第2の走査方向に対応する方向に隣接するように複数並んだ各々長方形の複数の画像部分に分割して得られる複数のウィンドウラインセグメント各々内で、各画素の画素分類タグに基づいて、同じ画素分類タグの画素をまとめてラインセグメントとし、
    前記第2の走査方向に対応する方向に隣接するラインセグメントで、同じ画素分類タグを持つラインセグメントをまとめて、同じ画素分類タグを持つ画素の集まりであるウィンドウを形成し、形成したウィンドウ及び前記バッキング画像を示す画素分類タグに基づいて、走査時アーチファクトを識別するウィンドウデータを生成する
    ことを特徴とする文書を表わすビデオ画像データ内の走査時アーチファクトをマスキングするための装置。
  3. 走査画像を表わす画像データを供給する画像入力ターミナルと、
    画像データ内の走査時アーチファクトを検出及びマスキングするためのマスキングプロセッサであって、
    ビデオ画像データ内のバッキング画素を識別するための分類回路と、
    走査時アーチファクトを識別するウィンドウデータを生成するための自動ウィンドウ化回路と、
    ビデオ置換データを生成するための画像解析回路と、
    前記ビデオ画像データ内の選択された画素をビデオ置換データと置換するためのビデオ置換回路と、
    を含むマスキングプロセッサと、
    ビデオ置換回路から受け取った前記ビデオ置換データに応答して画像を生成するための画像出力ターミナルと、
    を有する、画像データ処理システムであって、
    前記ビデオ画像データは、文書を第1の走査方向に読み取ると共に、該文書を第1の走査方向に読み取るごとに該第1の走査方向と直交する第2の方向に該文書の読み取る位置を移動させて、該文書を読み取ることにより得られた各画素の明度情報のデータであり、
    前記文書を読み取る際には、前記文書を読み取る側とは前記文書に対して反対側から、読み取って得られたビデオ画像データが前記文書とは明度上区別される平面部材であるバッキングにより前記文書が覆われ、
    前記分類回路は、
    各画素が前記文書の画像の画素なのか、前記文書に存在する穴、切れた箇所、裂け目、及び耳折れの何れかを介して前記バッキングを読み取って得られた画像であるバッキング画像の画素なのかを示す画素分類タグを生成し、生成した画素分類タグに基づいてビデオ画像データ内のバッキング画素を識別し、
    前記自動ウィンドウ化回路は、
    前記文書の画像を、各々の長手方向が前記第1の走査方向に対応する方向でありかつ前記第2の走査方向に対応する方向に隣接するように複数並んだ各々長方形の複数の画像部分に分割して得られる複数のウィンドウラインセグメント各々内で、各画素の画素分類タグに基づいて、同じ画素分類タグの画素をまとめてラインセグメントとし、
    前記第2の走査方向に対応する方向に隣接するラインセグメントで、同じ画素分類タグを持つラインセグメントをまとめて、同じ画素分類タグを持つ画素の集まりであるウィンドウを形成し、形成したウィンドウ及び前記バッキング画像を示す画素分類タグに基づいて、走査時アーチファクトを識別するウィンドウデータを生成する
    ことを特徴とする画像データ処理システム。
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