[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る画像形成装置を適用した複合機1の構成の一例を示す機能ブロック図である。
本発明に係る画像形成装置を適用した複合機1は、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークを介して図示しない周知のパーソナルコンピュータや、図示しない他の複合機に接続された、FAX機能、スキャナー機能、コピー機能、プリンター機能等を備える複合機である。
本実施の形態に係る複合機1は、図示しない操作釦、操作盤、又はタッチパネル等を含む表示器等のユーザーインターフェースの操作により文書の取り込み操作がなされると、例えば図示しない原稿読み取り面や原稿送り機構に載置された文書のデータを図示しないフラットヘッド又はドラムを介して電子ファイルの形で取り込み、取り込んだ文書データをPDF形式のファイルに変換する前に、取り込みの際に生じたノイズや、取り込み操作が繰り返し行われた際に生じた文書データの劣化に起因して発生するごみ印字を低減する種々の補正処理を実行した後、PDF形式のファイルに変換して、変換したPDF形式のファイルをLANやWAN等の通信ネットワークを介して接続された周知のパーソナルコンピュータや、他の複合機等の外部機器に対して出力するものである。
本実施の形態に係る複合機1は、図示しない操作釦、タッチパネル等の等を含む表示器等のパネル部1aや入力インターフェース1c等の操作により文書の取り込み操作がなされると、図示しない原稿読み取り面又は原稿送り機構に載置された文書をスキャナー部1bが電子ファイルの形態で取り込み、取り込まれた文書データが制御部1mを介して本実施の形態に係る複合機1の補正値取得部1gに入力されるように構成されている。
本実施の形態に係る複合機1は、パネル部1a、スキャナー部1b、入力インターフェース1c、補正対象値記憶部1d、補正パターン記憶部1e、補正値記憶部1f、補正値取得部1g、補正パターン生成部1h、補正対象値生成部1i、補正実行部1j、PDF生成部1k、出力部1l、及び制御部1mを有している。
なお、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、記録媒体又は通信ネットワークを介して画像形成プログラムがインストールされたコンピュータによって実現される。
本実施の形態に係る画像形成装置1を構成する各部は、ソフトウェア又はハードウェアもしくはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせの何れから構成されていてもよいことはいうまでもない。
パネル部1aは、タッチパネル上における操作者の操作によって、例えばFAX機能、コピー機能、及びスキャナー機能の切り換え、文書データを読み取る際の解像度、作成する文書データを含む電子ファイルの形式、画質、読み取り時の濃度、読み取り倍率の設定等を行うものであって、本実施の形態に係る複合機1では、文書データの文字又は画像の何れかがある印字領域(第2の領域)における背景色のグレーレベルに関するデータの入力が行われるものであって、入力された印字領域のグレーレベルのデータを制御部1mに出力する。
スキャナー部1bは、制御部1mから読み取り命令を受け取ると、図示しない原稿読み取り面又は原稿送り機構に載置された文書のデータを図示しないドラム又はフラッドヘッドを介して電子ファイルとして取り込み、取り込んだ電子ファイルのデータ(以下、単に文書データと称する。)を補正値取得部1gに出力する。
入力インターフェース1cは、図示しない原稿読み取り面又は原稿送り機構に載置された文書のデータの読み取りを開始させる読み取り開始命令の入力を行うものであって、入力された読み取り開始命令を制御部1mに出力する。
補正対象値記憶部1dには、スキャナー部1bによって取り込まれた文書データが読出/書込可能に記憶されている。
補正パターン記憶部1eには、複数のビットを有する任意のサイズ、例えば4ビット×4ビットのサイズを有し、文字及び画像の何れもない非印字領域(第1の領域)における白色光に等色しないビット、換言すれば非印字領域におけるごみ印字が発生したビットを含むごみ印字パターンが読出/書込可能に記憶されている。
補正値記憶部1fには、補正パターン生成部1hによって重複するグレーレベルのデータが削除された非印字領域(第1の領域)における背景色のグレーレベルのデータと、パネル部1aから操作者の操作により入力された背景色のグレーレベルのデータとが読出/書込可能に記憶されている。
補正値取得部1gは、制御部1mから入力された取得データ登録命令を受け取ると、スキャナー部1bから入力された文書データを読み込み、読み込んだ文書データを、制御部1mを介して補正対象値記憶部1dに記憶させる機能と、パネル部1aから制御部1mを介して入力された印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータを制御部1mを介して補正値記憶部1fに記憶させる機能とを有している。
補正パターン生成部1hは、非印字領域背景色登録機能、パターン生成機能、第1のごみ印字判定機能、ごみ印字パターン登録機能、パターン破棄機能、探査終了判定機能、登録完了通知出力機能、及びループ処理実行機能を有する。
非印字領域背景色登録機能は、制御部1mから出力された背景色登録命令を受け取ると、補正対象値記憶部1dから制御部1mを介して文書データを読み出し、読み出した文書データを探査して、当該文書データ内の文字及び画像の何れもない非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータを抽出して、抽出した非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータのうち、重複するグレーレベルのデータを削除して、重複するグレーレベルのデータを削除した非印字領域(第1の領域)における背景色のグレーレベルのデータを制御部1mを介して補正値記憶部1fに記憶させる機能である。
パターン生成機能は、制御部1mから出力されたごみ印字パターン生成命令を受け取ると、制御部1mを介して補正対象値記憶部1dから読み出した文書データ内の文字及び画像の何れも存在しない非印字領域(第1の領域)のデータを任意のサイズ、例えば4ドット毎に探査して、当該探査した任意サイズの探査対象ドットと、探査対象ドットの周縁の周縁ドットとを含む任意のサイズ、例えば4ドット×4ドットのサイズを有する探査対象パターンを生成する機能である。
第1のごみ印字判定機能は、前述したパターン生成機能により生成された探査対象パターン内に非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルと異なるグレーレベルを有するドットがあるか否か、換言すれば探査対象パターン内に白色光に等色しないドットがあるか否かにより、探査対象パターン内にごみ印字を発生したごみ印字ドットがあるか否かを判定する機能である。
ごみ印字パターン登録機能は、前述した第1のごみ印字判定機能による当該判定の結果、探査対象パターン内にごみ印字ドットがあると判定された場合に、当該ごみ印字ドットを含む探査対象パターンを、印字領域(第2の領域)のごみ印字ドットの有無を探査するための基準であるごみ印字パターンとして、制御部1mを介して補正値記憶部1fに記憶させる機能である。
パターン破棄機能は、前述した第1のごみ印字判定機能による判定の結果、探査対象パターン内にごみ印字ドットがないと判定した場合に、生成した探査対象パターンを破棄する機能である。
探査終了判定機能は、文書データの非印字領域(第1の領域)の全てのドットのデータに対してごみ印字ドットの有無に関する探査が終了したか否かを判定する機能である。
登録完了通知出力機能は、前述した探査終了判定機能による判定の結果、非印字領域(第1の領域)の全てのドットのデータに対してごみ印字ドットの有無に関する探査が終了したと判定した場合に、ごみ印字パターンの補正値記憶部1fへの記憶が終了したことを示すパターン登録完了通知を制御部1mに出力する機能である。
ループ処理実行機能は、前述した探査終了判定機能による判定の結果、非印字領域(第1の領域)の全てのドットのデータの探査が終了していないと判定した場合に、次の探査対象ドットを読み込み、探査対象ドットと、探査対象ドットの周縁の周縁ドットとを含む探査対象パターンを生成した後、ごみ印字ドットの有無に関する探査を、非印字領域の全てのドットのデータに対して終了するまで繰り返すように、パターン生成機能、ごみ印字判定機能、ごみ印字パターン登録機能、パターン破棄機能、探査終了判定機能、登録完了通知出力機能を制御する機能である。
補正対象値生成部1iは、印字領域抽出機能、ごみ探査対象パターン生成機能、及び生成パターン出力機能を有する。
印字領域抽出機能は、制御部1mを介して補正対象値記憶部1dから文書データを読み出し、読み出した文書データ内の補正対象である印字領域(第2の領域)のグレーレベルのデータを抽出する機能である。
ごみ探査対象パターン生成機能は、前述した印字領域抽出機能により抽出された印字領域(第2の領域)のグレーレベルのデータを任意のサイズ、例えば4ドット毎に探査して、当該探査した任意サイズの探査対象ドットと、探査対象ドットの周縁の周縁ドットとを含み、前述したごみ印字パターンと同一のサイズを有する任意のサイズ、例えば4ドット×4ドットのサイズを有するごみ探査対象パターンを生成する機能である。
生成パターン出力機能は、前述したごみ探査対象パターン生成機能により生成されたごみ探査対象パターンを補正実行部1jに出力する機能である。
補正実行部1jは、第2のごみ印字判定機能、第1の背景色置換機能、変色ドット判定機能、第2の背景色置換機能、置換終了判定機能、置換データ登録機能、置換ループ実行機能、及び変換完了通知出力機能を有している。
第2のごみ印字判定機能は、制御部1mから出力された補正実行命令を受け取ると、制御部1mを介して補正パターン記憶部1eからごみ印字パターンを読み出した後、制御部1mを介して補正対象値生成部1iから受け取ったごみ探査対象パターン内、換言すれば、文書データ内でかつ非印字領域(第1の領域)以外の印字領域(第2の領域)に、補正パターン生成部1hによってごみ印字ドットが含まれていると判定された探査対象パターン内に含まれるごみ印字ドットの配置と一致し、かつ、印字領域(第2の領域)の背景色の色成分データとは異なる色成分データを有するドットの配置があるかにより、印字領域(第2の領域)にごみ印字を発生しているごみ印字ドットがあるかを判定する機能である。
第1の背景色置換機能は、前述した第2のごみ印字判定機能により印字領域(第2の領域)にごみ印字を発生したごみ印字ドットがあると判定された場合に、補正値記憶部1fから制御部1mを介して非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータを読み出し、ごみ印字ドットのグレーレベルのデータを読み出した非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータで置換する機能である。
変色ドット判定機能は、前述した第2のごみ印字判定機能により印字領域(第2の領域)にごみ印字を発生したごみ印字ドットが無いと判定された場合、及び前述した第1の背景色置換機能によりごみ印字ドットを非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータに置換した後に、印字領域(第2の領域)内の探査対象のドットが非印字領域の背景色のグレーレベルのデータと一致するグレーレベルのデータを有する変色ドットであるかを判定する機能である。
第2の背景色置換機能は、前述した変色ドット判定機能による判定の結果、印字領域(第2の領域)における探査対象のドットが非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータと一致するグレーレベルのデータを有する変色ドットであると判定された場合、制御部1mを介して補正対象値記憶部1dから印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータを読み出し、当該変色ドットのグレーレベルのデータを読み出した印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータに置換する機能である。
置換終了判定機能は、前述した変色ドット判定機能による判定の結果、探査対象のドットが非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータと同一のグレーレベルのデータを有する変色ドットではないと判定された場合、及び前述した第2の背景色置換機能により変色ドットのグレーレベルのデータを読み出した印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータに置換した後、ごみ印字ドット及び変色ドットのデータの置換が文書データの印字領域(第2の領域)の全てのドットのデータに対して終了したか否かを判定する機能である。
置換データ登録機能は、前述した置換終了判定機能による判定の結果、ごみ印字ドット及び変色ドットのデータの置換が文書データの印字領域(第2の領域)の全てのドットのデータに対して終了したと判定された場合に、補正対象値記憶部1dから読み出した文書データの印字領域(第2の領域)のごみ印字ドット及び変色ドットのグレーレベルのデータを、印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータに置換して補正値記憶部1fに記憶させる機能である。
置換ループ実行機能は、前述した置換終了判定機能による判定の結果、ごみ印字ドット及び変色ドットのデータの置換が文書データの印字領域(第2の領域)の全てのドットのデータに対して終了していないと判定された場合に、次の探査対象ドットを読み込み、全てのドットのデータに対して印字領域のごみ印字ドット及び変色ドットの置換を実行するように、第2のごみ印字判定機能、第1の背景色置換機能、変色ドット判定機能、背景色置換機能、置換終了判定機能、及び置換データ登録機能を制御する機能である。
変換完了通知出力機能は、前述した置換データ登録機能による置換後の文書データを補正値記憶部1fに記憶させた後、置換後の文書データの補正値記憶部1fへの記憶させる処理が終了したことを示す置換終了通知を制御部1mに出力する機能である。
PDF生成部1kは、PDFファイルを作成させるためのファイル作成命令を制御部1mから受け取ると、印字領域のごみ印字ドット及び変色ドットを印字領域の背景色のグレーレベルのデータに置換した文書データを、制御部1mを介して補正値記憶部1fから読み出す機能と、補正値記憶部1fから読み出した文書データの形式をPDF(Portable Document Format)形式に変換して、変換したPDFファイル形式の文書のデータを、制御部1mを介して出力部1lに出力する機能とを有する。
出力部1lは、PDFファイル形式の文書データを外部機器に出力させるためのファイル出力命令を制御部1mから受け取ると、PDF生成部1kから制御部1mを介して出力されたPDFファイル形式の文書のデータを、通信ネットワークを介して接続された外部機器に出力する機能を有する。
なお、本実施の形態に係る複合機に接続される外部機器としては、例えばCRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ、FED(Field Emission Display)ディスプレイ、ELD(Electro Luminescence Display)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)を有するパーソナルコンピュータや、カラープリンター等が挙げられる。
制御部1mは、後述の基準パターン等登録処理、第1の補正処理、及びPDFファイル出力処理を実行可能にするように、パネル部1a、スキャナー部1b、入力インターフェース1c、補正対象値記憶部1d、補正パターン記憶部1e、補正値記憶部1f、補正値取得部1g、補正パターン生成部1h、補正対象値生成部1i、補正実行部1j、PDF生成部1k、及び出力部1lへの各命令の出力を通じた制御処理と、後述の基準パターン等登録処理、第1の補正処理、及びPDFファイル出力処理を行う上で必要な各部間におけるデータの転送処理とを実行する。
次に、以上のように構成された複合機1の実行処理に関し、図面を参照して説明する。
図2は、本実施の形態に係る複合機1の実行する全体処理を説明するためのフローチャートである。
本実施の形態に係る複合機1は、制御部1mに制御されたパネル部1a、スキャナー部1b、入力インターフェース1c、補正対象値記憶部1d、補正パターン記憶部1e、補正値記憶部1f、補正値取得部1g、補正パターン生成部1h、補正対象値生成部1i、補正実行部1j、PDF生成部1k、及び出力部1lが協働して、図2に示すように、基準パターン等登録処理(STA)、第1の補正処理(STB)、及びPDFファイル出力処理(STC)を順次実行する。
なお、以下の本実施の形態に係る複合機1の実行する実行処理の説明に関しては、説明の冗長化を回避する観点から、本発明のポイントのみに絞って説明を行い、本発明のポイントに直接関係のない制御部1mと各部との間の命令ないし通知の送信処理/受信処理の詳細、及び制御部1mによる各部間のデータの転送処理に関する記載についてはこれを省略する。
なお、以下の本実施の形態に係る複合機1の実行する実行処理の説明に関しては、パネル部1aから入力された印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータが予め補正値記憶部1fに記憶されているものとする。
(基準パターン等登録処理:STA)
以下、本実施の形態に係る複合機1の実行する基準パターン等登録処理(STA)に関して説明する。
図3は、本実施の形態に係る複合機1の基準パターン等登録処理(STA)を説明するためのフローチャートである。
始めに、補正値取得部1gは、制御部1mから入力された取得データ登録命令を受け取ると、スキャナー部1bから入力された文書のデータを読み込み、読み込んだ文書のデータを補正対象値記憶部1dに記憶させる(A1)。
ここでは、例えば図4に示すような印字領域(第2の領域)にごみ印字を発生したごみ印字ドットのある文書データが電子化されて入力されたものとする。図4に示す電子化された文書データには、印字領域(第2の領域)の略中央部に「A」という文字が、印字領域(第2の領域)の右下部分にごみ印字を発生したごみ印字発生ドットが、印字領域(第2の領域)を外囲するように文書データに設けられた非印字領域(第1の領域)の右側の略中央部にごみ印字を発生したごみ印字ドットが、それぞれ含まれている。
工程A2では、補正パターン生成部1hは、制御部1mから出力された背景色登録命令を受け取ると、補正対象値記憶部1dから文書のデータを読み出し、読み出した文書データを探査して、当該文書データの文字及び画像の何れもない非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータを抽出して、抽出した非印字領域の背景色のグレーレベルのデータを補正値記憶部1fに記憶させる。
なお、本実施の形態に係る補正パターン生成部1hは、ハードウェア資源の消費量を削減して処理速度の高速化を図る観点から、同一のグレーレベルを有するドットが非印字領域に複数存在する場合、それらのドットのグレーレベルのデータのうち1つのデータだけを補正値記憶部1fに記憶させて、同一のグレーレベルのドットのデータの重複記憶を回避することがより好ましい。
工程A3では、補正パターン生成部1hは、制御部1mから出力されたごみ印字パターン生成命令を受け取ると、補正対象値記憶部1dから読み出した電子ファイルの文字及び画像の何れも存在しない非印字領域(第1の領域)のデータを任意のサイズ、例えば4ドット毎に探査して、当該探査した任意サイズの探査対象ドットと、探査対象ドットの周縁の周縁ドットとを含む任意のサイズ、例えば4ドット×4ドットのサイズを有する探査対象パターンを生成する(A3:パターン生成手段)。
次の工程A4では、補正パターン生成部1hは、生成した探査対象パターン内に白色光に等色しないドットがあるか否かにより、当該探査対象パターン内にごみ印字を発生したごみ印字ドットがあるか否かを判定する(A4:第1のごみ印字判定手段)。
補正パターン生成部1hは、前述した工程A4で当該探査対象パターン内にごみ印字を発生したごみ印字ドットがあると判定した場合(A4:Yes)、当該ごみ印字ドットを含む探査対象パターンを印字領域のごみ印字を探査するためのごみ印字パターンとして補正値記憶部1fに記憶させた後(A5)、後述する工程A7に移行する。
図5は、本実施の形態に係る補正パターン生成部1hが補正値記憶部1fに記憶させるごみ印字パターンの一例を示す模式図である。
なお、本実施の形態の補正パターン生成部1hは、4ビット×4ビットのサイズを有するごみ印字パターンを補正値記憶部1fに記憶させたが、これに限らず、任意のサイズを有するごみ印字パターンを補正値記憶部1fに記憶させてもよいことはいうまでもない。
一方、補正パターン生成部1hは、前述した判定の結果、探査対象パターン内にごみ印字ドットがないと判定した場合(A4:No)、生成した探査対象パターンを破棄した後(A6)、後述する工程A7に移行する。
工程A7では、補正パターン生成部1hは、文書データ内の非印字領域(第1の領域)の全てのドットのデータに対してごみ印字ドットの有無に関する探査が終了したか否かを判定する。
補正パターン生成部1hは、前述した工程A7で電子ファイル内の非印字領域の全てのドットのデータに対してごみ印字ドットの有無に関する探査が終了したと判定された場合(A7:Yes)、実行中の基準パターン等登録処理を終了する。
一方、補正パターン生成部1hは、前述した工程A7で電子ファイル内の非印字領域の全てのドットのデータに対してごみ印字ドットの有無に関する探査が終了していないと判定された場合(A7:No)、前述した工程A2に戻る。
以上により、本実施の形態に係る複合機1は、実行中の基準パターン等登録処理(STA)を終了する。
(第1の補正処理:STB)
以下、本実施の形態に係る複合機1の実行する第1の補正処理(STB)に関して説明する。
図6は、本実施の形態に係る複合機1の実行する第1の補正処理(STB)を説明するためのフローチャートである。
始めに、補正実行部1jは、制御部1mから出力された補正実行命令を受け取ると、補正パターン記憶部1eからごみ印字パターンを読み出した後、補正対象値生成部1iから受け取ったごみ探査対象パターン、換言すれば、文書データ内でかつ非印字領域(第1の領域)以外の印字領域(第2の領域)に、補正パターン生成部1hによってごみ印字ドットが含まれていると判定されたごみ探査対象パターン内に含まれるごみ印字ドットの配置と一致し、かつ、印字領域(第2の領域)の背景色の色成分データとは異なる色成分データを有するドットの配置があるかにより、印字領域(第2の領域)にごみ印字を発生しているごみ印字ドットがあるかを判定する(B1:第2のごみ印字判定手段)。
補正実行部1jは、前述した工程B1で印字領域(第2の領域)にごみ印字を発生したごみ印字ドットがあると判定した場合には(B1:Yes)、探査対象パターン内のごみ印字を発生したドットのグレーレベルのデータを、補正値記憶部1fから読み出した非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータに置換する(B2:第1の背景色置換手段)。
一方、補正実行部1jは、前述した工程B1で印字領域にごみ印字を発生したごみ印字ドットがないと判定した場合には(B1:No)、後述する工程B3に移行する。
工程B3では、補正実行部1jは、補正対象値記憶部1dから読み出した文書データの印字領域(第2の領域)内に非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルと一致するグレーレベルを有するドットがあるかを判定する。
補正実行部1jは、前述した工程B3で印字領域(第2の領域)内に非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルと一致するグレーレベルを有するドットがあると判定された場合(B3:Yes)、非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルと一致するグレーレベルを有するドットのデータを、補正値記憶部1fから読み出した印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータに置換する(B4:第2の背景色置換手段)。
一方、補正実行部1jは、前述した工程B3で印字領域内に非印字領域の背景色のグレーレベルと一致するグレーレベルを有するドットがないと判定された場合(B3:No)、後述する工程B5に移行する。
工程B5では、補正実行部1jは、文書データ内の印字領域(第2の領域)の全てのドットのデータに対してごみ印字ドットの有無に関する探査が終了したか否かを判定する。
補正実行部1jは、前述した工程B5で文書データ内の印字領域(第2の領域)の全てのドットのデータに対してごみ印字ドットの有無に関する探査が終了したと判定された場合(B5:Yes)、実行中の補正処理を終了する。
一方、補正パターン生成部1hは、前述した工程B5で文書データ内の非印字領域(第1の領域)の全てのドットのデータに対してごみ印字ドットの有無に関する探査が終了していないと判定された場合(B5:No)、前述した工程B1に戻る。
以上により、本実施の形態に係る複合機1は、実行中の補正処理(STB)を終了する。
(PDFファイル出力処理:STC)
図7は、本実施の形態に係る複合機1の実行するPDFファイル出力処理(STC)を説明するためのフローチャートである。
始めに、PDF生成部1kは、印字領域(第2の領域)のごみ印字ドット及び変色ドットを印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータに置換した文書データを補正値記憶部1fから読み出す(C1)。
次に、PDF生成部1Kは、補正値記憶部1fから読み出した文書データの形式をPDF(Portable Document Format)形式に変換して、変換したPDFファイル形式の文書のデータを出力部1lに出力する(C2)。
次に、出力部1lは、生成されたPDF形式の文書ファイルのデータを、通信ネットワークを介して接続された外部機器に出力する(C3)。
以上の一連の処理により、本実施の形態に係る複合機1は、実行中のPDFファイル出力処理(STC)を終了する。
本実施の形態に係る複合機1によれば、文書データ内の画像及び文字の何れかがある印字領域にごみ印字を発生したドットがあった場合であっても、当該ごみ印字の発生したドットのグレーレベルのデータを予め定められた印字領域の背景色のグレーレベルのデータに置換するので、印字領域の背景色を白色に設定することによって、接続された外部出力機器の特性に左右されることなく安定して文書データの劣化を防止することが可能になる。
本実施の形態に係る複合機1によれば、補正パターン生成部1hが任意のサイズの探査対象パターンを生成するので、プリンターエンジンの特性に起因するごみ印字を効率的に除去することが出来る。
なお、本実施の形態に係る複合機1では、印字領域(第2の領域)内にごみ印字ドットが含まれていると判定されたごみ印字パターンと配置が一致し、印字領域(第2の領域)の背景色の色成分データとは異なる色成分データを有するドットの配置があるとき、該当する領域内のドットのグレーレベルのデータを、非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータに置換した後で、印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータに置換していたが、これに限らず、ごみ印字のパターンと一致する領域内のドットを予め定められた印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータに置換してもよいことはいうまでもない。
なお、本実施の形態に係る複合機1では、ごみ印字のデータを印字領域の背景色のグレーレベルのデータに置換した後、PDF(Portable Document Format)形式のファイルを生成したが、これに限らず、ビットマップ形式、EPSF(Encapsulated PostScript file)形式、PICT(Macintosh PICT Format)形式等の任意の形式のファイルを出力させてもよいことはいうまでもない。
なお、本実施の形態に係る複合機では、構成する各部の間におけるデータの転送時に制御部1mを介して転送を行っていたが、これに限らず、周知のDMA(Direct Memory Access)の手法を用いて、各部間でデータの転送を行ってもよいことはいうまでもない。
[第2の実施の形態]
図8は、本発明に係る画像形成装置を適用した複合機1´の構成の一例を示す機能ブロック図である。
なお、説明の効率化を図る観点から、前述した図面と同一部分に関しては、同一符号を付してその詳細な説明を省略し、ここでは主として異なる部分に関して説明する。
本実施の形態に係る複合機1´は、取り込んだ文書のデータの印字領域に重畳された非印字領域のグレーレベルのデータを除去する観点から考案されたものであり、具体的には、第1の実施の形態に係る複合機1の構成に、補正関数記憶部1nと、補正関数生成部1oとを付加すると共に、第1の実施の形態の補正実行部1jを補正実行部1j´に置換した構成となっている。
なお、本実施の形態に係る複合機1´の他の構成に関しては、前述した第1の実施の形態に係る画像形成装置1と同様であるので、ここでは、その説明を省略する。
補正関数記憶部1nには、補正関数生成部1oによって生成された変換関数のデータが記憶されている。
補正関数生成部1oは、背景色読み出し機能、変換関数生成機能、及び補正関数登録機能を有する。
背景色読み出し機能は、制御部1mから出力された背景色補正命令を受け取ると、補正値記憶部1fから印字領域の背景色のグレーレベルのデータと非印字領域の全てのドットに関する背景色のグレーレベルのデータとを読み出す機能である。
変換関数生成機能は、前述した背景色読み出し機能により読み出された印字領域の背景色のグレーレベルのデータと非印字領域の背景色のグレーレベルのデータとに基づいて、変換関数を生成する機能である。
補正関数登録機能は、前述した変換関数生成機能により、生成された変換関数を補正関数記憶部1nに記憶させる機能である。
補正実行部1j´は、第2のごみ印字判定機能、第1の背景色置換機能、変色ドット判定機能、第2の背景色置換機能、領域データ変換機能、置換終了判定機能、データ登録機能、ループ実行機能、及び変換終了通知出力機能を有する。
第2のごみ印字判定機能は、制御部1mから出力された補正実行命令を受け取ると、補正パターン記憶部1eからごみ印字パターンを読み出した後、補正対象値生成部1iから受け取ったごみ探査対象パターン内、換言すれば、文書データ内でかつ非印字領域(第1の領域)以外の印字領域(第2の領域)に、補正パターン生成部1hによってごみ印字ドットが含まれていると判定されたごみ探査対象パターン内に含まれるごみ印字ドットの配置と一致し、かつ、印字領域(第2の領域)の背景色の色成分データとは異なる色成分データを有するドットの配置があるかにより、印字領域(第2の領域)にごみ印字を発生しているごみ印字ドットがあるかを判定する機能である。
第1の背景色置換機能は、前述した第2のごみ印字判定機能により印字領域にごみ印字を発生したごみ印字ドットがあると判定された場合に、補正値記憶部1fから非印字領域(第1の領域)の背景色のデータを読み出し、ごみ印字ドットのデータを読み出した非印字領域(第1の領域)の背景色のデータで置換する機能である。
変色ドット判定機能は、前述した第2のごみ印字判定機能により印字領域にごみ印字を発生したごみ印字ドットが無いと判定された場合、及び前述した第1の背景色置換機能によりごみ印字ドットを非印字領域の背景色のグレーレベルのデータに置換した後に、印字領域内の探査対象のドットが非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータと一致するグレーレベルのデータを有する変色ドットであるかを判定する機能である。
第2の背景色置換機能は、前述した変色ドット判定機能による判定の結果、探査対象のドットが非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータと一致するグレーレベルのデータを有する変色ドットであると判定された場合、補正対象値記憶部1dから印字領域の背景色のデータを読み出し、当該変色ドットのグレーレベルのデータを読み出した印字領域(第2の領域)の背景色のデータに置換する機能である。
領域データ変換機能は、前述した変色ドット判定機能による判定の結果、探査対象のドットが非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータと一致するグレーレベルのデータを有する変色ドットでないと判定された場合、補正関数記憶部1nから補正関数のデータを読み出し、文書データの印字領域(第2の領域)のグレーレベルのデータを読み出した補正関数で変換する機能である。
置換終了判定機能は、前述した第2の背景色置換機能による置換、又は前述した領域データ変換機能による変換を実行した後、変色ドットのデータの置換、又はした領域データ変換機能による変換が文書データの印字領域の全てのドットのデータに対して終了したか否かを判定する機能である。
データ登録機能は、前述した置換終了判定機能による判定の結果、変色ドットのデータの置換、又は領域データ変換機能による変換が文書データの印字領域の全てのドットのデータに対して終了したと判定された場合に、補正対象値記憶部1dから読み出した文書データの印字領域(第2の領域)のデータを置換して補正値記憶部1fに記憶させる機能である。
ループ実行機能は、前述した置換終了判定機能による判定の結果、変色ドットのデータの置換、又は領域データ変換機能による変換が文書データの印字領域の全てのドットのデータに対して終了していないと判定された場合に、次の探査対象ドットを読み込み、全てのドットのデータに対してごみ印字ドットの置換、変色ドットのデータの置換、又は領域データ変換機能による変換を実行するように、第2のごみ印字判定機能、第1の背景色置換機能、変色ドット判定機能、第2の背景色置換機能、領域データ変換機能、置換終了判定機能、及びデータ登録機能を制御する機能である。
変換終了通知出力機能は、前述したデータ登録機能による印字領域のデータを置換した文書データを補正値記憶部1fに記憶させた後、印字領域のデータの置換が終了したことを示す置換完了通知を制御部1mに出力する機能である。
次に、以上のように構成された複合機1´の実行する処理に関し、図面を参照して説明する。
図9は、本実施の形態に係る複合機1´が実行する全体処理を説明するためのフローチャートである。
本実施の形態に係る複合機1´は、図9に示すように、基準パターン等登録処理(STA)、第2の補正処理(STB´)、及びPDF出力処理(STC)を順次実行する。
なお、基準パターン等登録処理(STA)及びPDFファイル出力処理(STC)に関しては、第1の実施の形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
(第2の補正処理:STB´)
以下、第2の補正処理(STB´)に関して図面を参照して説明する。
図10は、本実施の形態に係る複合機1´の実行する第2の補正処理(STB´)を説明するためのフローチャートである。
始めに、補正関数生成部1oは、制御部1mから出力された背景色補正命令を受け取ると、補正値記憶部1fから印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータと非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルのデータとを読み出した後、印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータと非印字領域の背景色のグレーレベルのデータとに基づいて、変換関数を生成して、生成した変換関数を補正関数記憶部1nに記憶させる(B1´)。
なお、本実施の形態に係る補正関数生成部1oは、予め定められた印字領域(第2の領域)の背景色である白色の3刺激値の組からなる色差座標と、文書データ上でかつ文字及び画像のない非印字領域(第1の領域)における全ドットの3刺激値の平均値の組からなる色差座標と間のマハラノビスの汎距離に基づいて文書データの背景色である白色部分のグレーレベルを修正するための変換関数を求めてもよいことはいうまでもない。
工程B2´では、補正実行部1j´は、制御部1mから出力された補正実行命令を受け取ると、補正実行部1j´は、制御部1mから出力された補正実行命令を受け取ると、補正パターン記憶部1eからごみ印字パターンを読み出した後、補正対象値生成部1iから受け取ったごみ探査対象パターン、換言すれば、文書データ内でかつ非印字領域(第1の領域)以外の印字領域(第2の領域)に、補正パターン生成部1hによってごみ印字ドットが含まれていると判定されたごみ探査対象パターン内に含まれるごみ印字ドットの配置と一致し、かつ、印字領域(第2の領域)の背景色の色成分データとは異なる色成分データを有するドットの配置があるかにより、印字領域(第2の領域)にごみ印字を発生しているごみ印字ドットがあるかを判定する(第2のごみ印字判定手段)。
補正実行部1j´は、前述した工程B2´で印字領域にごみ印字を発生したごみ印字ドットがあると判定された場合(B2´:Yes)、探査対象パターン内のごみ印字を発生したドットのグレーレベルのデータを補正値記憶部1fから読み出した非印字領域(第1の印字領域)の背景色のグレーレベルのデータに置換した後(B3´)、後述する工程B4´に移行する。
一方、補正実行部1j´は、前述した工程B2´で印字領域(第2の領域)にごみ印字を発生したごみ印字ドットがないと判定した場合には(B2´:No)、後述する工程B4´に移行する。
工程B4´では、補正実行部1j´は、補正対象値記憶部1dから読み出した文書データの印字領域(第2の領域)内に非印字領域の背景色のグレーレベルと一致するグレーレベルを有するドットがあるかを判定する。
補正実行部1j´は、前述した工程B4´で印字領域内に非印字領域の背景色のグレーレベルと一致するグレーレベルを有するドットがあると判定された場合(B4´:Yes)、非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルと一致するグレーレベルを有するドットのデータを、補正値記憶部1fから読み出した印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータに置換した後(B5´)、後述する工程B7´に移行する。
一方、補正実行部1j´は、前述した工程B4´で印字領域(第2の領域)内に非印字領域(第1の領域)の背景色のグレーレベルと一致するグレーレベルを有するドットがないと判定された場合(B4´:No)、補正関数記憶部1nから補正関数のデータを読み出し、文書データの印字領域(第2の領域)のグレーレベルのデータを読み出した補正関数で変換した後(B6´)、後述する工程B7´に移行する。
なお、本実施の形態に係る補正実行部1j´は、文書データの白色部分のグレーレベル等の修正、換言すれば文書データ全体の全体色の補正を行うために、補正値記憶部1fに、印字領域の背景色のグレーレベルとして記憶させた白色を示すグレーレベルのデータと、文書データ上で文字及び画像の何れもない非印字領域(第1の領域)のグレーレベルのデータとから、補正関数生成部1oによって求められた当該文書データの背景色である白色部分のグレーレベルを修正するための変換関数により文書データの背景色である白色部分の修正を行ったが、これに限らず、文書データ上で文字及び画像の何れもない領域のグレーレベルのデータの平均値を求めて、求めたグレーレベルのデータの平均値と白色を示すグレーレベルのデータとの相対的な差分を算出し、算出した差分に(−1)を乗じた値を、文書データ上で文字又は画像の何れかがある印字領域(第2の領域)のグレーレベルのデータに加算することにより文書データの印字領域(第2の領域)の背景色である白色部分の修正を行ってもよいことはいうまでもない。
工程B7´では、補正実行部1j´は、文書データ内の印字領域(第2の領域)の全てのドットのデータに対してごみ印字ドットの有無に関する探査が終了したか否かを判定する。
補正実行部1j´は、前述した工程B7´で電子ファイル内の印字領域の全てのドットのデータに対してごみ印字ドットの有無に関する探査が終了したと判定された場合(B7´:Yes)、実行中の補正処理を終了する。
一方、補正パターン生成部1hは、前述した工程B7´で電子ファイル内の非印字領域(第1の領域)の全てのドットのデータに対してごみ印字ドットの有無に関する探査が終了していないと判定された場合(B7´:No)、前述した工程B2´に戻る。
以上により、本実施の形態に係る複合機1´は、実行中の第2の補正処理(STB´)を終了する。
上述したように本実施の形態に係る複合機1´によれば、文書データ内の画像及び文字の何れかがある印字領域(第1の領域)にごみ印字を発生したドットがあった場合であっても、当該ごみ印字の発生したドットのグレーレベルのデータを予め定められた印字領域(第2の領域)の背景色のグレーレベルのデータに置換するので、第2の領域の背景色を白色に設定することによって、接続された外部出力機器の特性に左右されることなく安定して文書データの劣化を防止することが可能になる。
本実施の形態に係る複合機1´によれば、補正パターン生成部1hが任意のサイズの探査対象パターンを生成するので、プリンターエンジンの特性に起因するごみ印字を効率的に除去することが出来る。
なお、本実施の形態に係る複合機1´では、ごみ印字のデータを印字領域の背景色のグレーレベルのデータに置換した後、PDF形式のファイルを生成したが、これに限らず、ビットマップ形式、EPSF(Encapsulated PostScript file)形式、PICT(Macintosh PICT Format)形式等の任意の形式のファイルを出力させてもよいことはいうまでもない。
なお、本実施の形態に係る複合機1´では、構成する各部の間におけるデータの転送時に制御部1mを介して転送を行っていたが、これに限らず、周知のDMA(Direct Memory Access)の手法を用いて、各部間でデータの転送を行ってもよいことはいうまでもない。
なお、上記各実施の形態に係る画像形成プログラムは、コンピュータにインストールされた、アプリケーションプログラム、OS、ブラウザー、ミドルウェア等によってその機能が実現されるものであってもよい。
なお、上述した各実施の形態に示す手法は、コンピュータにより読み出して実行させることの出来るプログラムとして磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリ、ホログラフィックメモリ等の記録媒体に格納して頒布することによりユーザーに提供することが出来る。
また、本発明の画像形成プログラムの提供手法としては、例えば画像形成プログラムを記録媒体に記録させた状態でユーザーに頒布する手法や、例えばインターネット等の通信ネットワークを介してユーザーの保有するコンピュータに送信し、送信したプログラムをコンピュータにインストールさせる手法、無線を用いて提供する手法等が上げられる。また、本実施の形態に係る画像形成プログラムを提供する手法としては、いわゆる周知のASP(Application Service Provider)による手法によってもよいことはいうまでもない。
また、上記各実施の形態に係る画像形成プログラムは、一般的な高級言語、例えばC言語、C#、Delphi、XTLや、オブジェクト指向言語(C++、JAVA(登録商標)、JAVA2、Small Talk)等の任意のプログラム言語で作成されたものであってもよい。
また、本発明に関して記録媒体としては、プログラムを記録でき、かつ、コンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、記録形式はいかなる形式であっても、例えば、磁気テープ、半導体フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R/−RW、DVD+R/+RW、MO、ホログラフィックメモリ等のいずれの形態であってもよい。
更に、本発明の記録媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LAN、WAN、イントラネット、及びインターネット等の通信ネットワークを介して記憶又は一時記憶した媒体であってもよい。
また、本発明では、記録媒体の種類及び数は、ひとつである必要は無く、同一の形態または形態の異なる複数の記録媒体の組み合わせからなっていてもよいことはいうまでもない。
また、本発明は、上述した各機能を実現するプログラムを構成するのに必要不可欠なデータ構造、加工用プログラム、及び上記加工用プログラムが機能する各種ハードウェアを
包含する。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階では本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。更に上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が生成され得る。例えば実施の形態に示される全構成要件からいくつかの要件が省略されることで発明が生成される場合には、その生成された発明を実施する段階では省略部分が周知慣用技術で補われるものである。また、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが出来る。
1…複合機、1´…複合機、1a…パネル部、1b…スキャナー部、1c…入力インターフェース、1d…補正対象値記憶部、1e…補正パターン記憶部、1f…補正値記憶部、1g…補正値取得部、1h…補正パターン生成部、1i…補正対象値生成部、1j…補正実行部、1j´…補正実行部、1k…PDF生成部、1l…出力部、1m…制御部、1n…補正関数記憶部、1o…補正関数生成部