DRAM(Dynamic Random Access Memory)等のメモリLSIにおいては、その記憶容量が年々増大してきている。これ等メモリLSIのアドレス空間は、記憶容量の増大により、入出力端子を16ビットあるいは32ビット(一般に、多ビット品と称する)にした場合にも、十分に確保されるようになってきている。例えば、32ビットのマイクロコンピュータで使用するワークメモリは、32ビットのメモリLSIを1個使用することで構成可能である。
一方、外部端子の数の増大に伴い、試験用の評価基板に搭載できるメモリLSIの数は、減る傾向にある。メモリLSIの試験の効率は、LSIテスタの入出力端子の数に依存する。例えば、LSIテスタの入出力チャネルの数が256である場合、8ビットの入出力端子を有するDRAMでは、同時に32個を試験可能であるが、32ビットの入出力端子を有するDRAMでは、同時に8個しか試験できない。この結果、試験コスト(特に出荷用の試験)が大幅に増大する。
近時、入出力端子の増加に伴う試験コストの増大を防止するために、メモリLSI内でデータ信号を集約し、読み書き動作試験を効率的に行うデータ圧縮機能を有するメモリLSIが開発されている。
図12は、データの圧縮機能を有するSDRAM(Synchronous DRAM)におけるメモリコア10を示している。このSDRAMは、32ビットの入出力端子を有している。以後、入出力端子を介して伝達される入出力データの各ビットをDQとも称する。
メモリコア10は、図の縦方向に8行、横方向に12列に配置された96個のメモリセルアレイ12を有している。
メモリセルアレイ12の一行は、ブロックBLK0〜BLK7のいずれかに割り当てられている。ブロックBLK0、BLK4、ブロックBLK1、BLK5、ブロックBLK2、BLK6、ブロックBLK3、BLK7は、それぞれ同時に活性化されるブロックである。4行×3列で構成される12個のメモリセルアレイ12は、所定のDQに対応している。図中、記号Aを付したメモリセルは、DQ0、DQ1、DQ14、DQ15に対応している。記号Bを付したメモリセルは、DQ2、DQ3、DQ12、DQ13に対応している。記号Cを付したメモリセルは、DQ4、DQ5、DQ10、DQ11に対応している。記号Dを付したメモリセルは、DQ6、DQ7、DQ8、DQ9に対応している。記号Eを付したメモリセルは、DQ18、DQ19、DQ28、DQ29に対応している。記号Fを付したメモリセルは、DQ16、DQ17、DQ30、DQ31に対応している。記号Gを付したメモリセルは、DQ22、DQ23、DQ24、DQ25に対応している。記号Hを付したメモリセルは、DQ20、DQ21、DQ26、DQ27に対応している。記号A〜Hを付した12個のメモリセルアレイ12で構成されるメモリセルアレイ領域を、以後、グループA〜Hとも称する。
グループB、D、F、Hの端には、コラムデコーダ14が、それぞれ配置されている。グループC、DとグループE、Fとの間には、ロウデコーダ16が配置されている。ロウデコーダ16からは、横方向の両側のメモリセルアレイ12に向けてワード線WLが配線されている。
メモリセルアレイ12の間には、縦方向に沿って複数の主データ線対MDLPが形成され、横方向に沿って複数の副データ線対が形成されている。副データ線対SDLPは、黒丸で示したデータ線スイッチ18により主データ線対MDLPに接続されている。すなわち、データ線は、階層構造を有している。グループA、B、グループC、D、グループE、F、グループG、Hは、DQの番号を除いてそれぞれ同一の構造(鏡面対称を含む)である。このため、以後主に、グループA、Bについて説明する。
図13は、グループA、Bのレイアウトの詳細を示している。
各メモリセルアレイ12は、縦方向に沿って複数のビット線対BLPが形成されている。隣接するビット線対BLPは、互いの干渉を避けるため、別のビット番号のビット線対BLPを挟んで配線されている。ビット線対BLPは、白丸で示したコラム線スイッチ20により副データ線対SDLPに接続されている。ブロック間(例えば、BLK1とBLK2の間)に形成されたコラム線スイッチ20に接続されるビット線対BLPは、両ブロック内(BLK1とBLK2)に配線されている。ブロックBLK0、BLK3の端に形成されたコラム線スイッチ20に接続されるビット線対BLPは、ブロックBLK0、BLK3内にそれぞれ配線されている。
図中の太線で示した矢印は、読み出し動作および書き込み動作におけるデータの流れを示している。例えば、グループBのブロックBLK1のメモリセルアレイ12から読み出されるデータは、ビット線対BLP、コラム線スイッチ20、副データ線対SDLP、データ線スイッチ18、主データ線対MDLPを介してグループBの外部に伝達される(図13(i))。ブロックBLK4(グループA)のメモリセルアレイ12に書き込まれるデータは、主データ線対MDLP、データ線スイッチ18、副データ線対SDLP、コラム線スイッチ20、ビット線対BLPを介してグループAの外部からメモリセル(図示せず)に伝達される(図13(ii))。
各ブロック(例えば、図12に示したグループB、D、F、Hで構成されるBLK0)は、それぞれ2個のワード線救済回路22を有している。ワード線救済回路22は、冗長ワード線(図示せず)と、この冗長ワード線に接続される複数の冗長メモリセル(図示せず)とを有している。ブロックBLK0〜BLK7は、ワード線救済回路22を使用することで、それぞれ2個のワード線不良または2個のビット不良を救済できる。
各グループA〜Hは、少なくとも1個以上のビット線救済回路24を有している。ビット線救済回路24は、冗長ビット線対(図示せず)と、この冗長ビット線対に接続される複数の冗長メモリセル(図示せず)とを有している。グループA〜Hは、ビット線救済回路24を使用することで、1個のビット線不良または1個のビット不良を救済できる。
図14は、ブロックBLK0、BLK1の間に形成される制御回路26を示している。
ブロックBLK0、BLK1のビット線対BLPは、nMOSトランジスタからなるビット線スイッチ28を介して共有ビット線対SHBLPに接続されている。各ビット線スイッチ28は、コラムアドレスに応じて活性化される制御信号BT0、BT1でそれぞれ制御されている。共有ビット線対SHBLPには、センスアンプ30およびプリチャージ回路32が接続されている。プリチャージ回路32は、イコライズ信号BRSが高レベルのときに、共有ビット線対SHBLPと、制御信号BT0、BT1により共有ビット線対SHBLPに接続されているビット線対BLPとに、プリチャージ電圧VPRを供給する回路である。センスアンプ30およびプリチャージ回路32は、ビット線スイッチ28を介してブロックBLK0、BLK1に共有されている。共有ビット線対SHBLPは、nMOSトランジスタからなるコラム線スイッチ20を介して副データ線対SDLPに接続されている。コラム線スイッチ20のゲートは、コラムアドレスに応じて活性化されるコラム線選択信号CLで制御されている。副データ線対SDLPと主データ線対MDLPとを接続するデータ線スイッチ18は、nMOSトランジスタとインバータとで構成されている。データ線スイッチ18のゲートは、インバータを介してプリチャージ信号BRSで制御されている。例えば、ブロックBLK0の読み出し動作は、制御信号BT0およびコラム線選択信号CLが高レベルに変化し、制御信号BT1およびプリチャージ信号BRSが低レベルに変化し、ブロックBLK0のビット線対BLP、共有ビット線対SHBLP、副データ線対SDLP、主データ線対MDLPが接続されることで実行される。
図15は、ブロックBLK3、BLK4の間(グループA、Bの間)に形成される制御回路34を示している。
グループA、Bは、保持するデータのビット番号(DQ)が異なるため、それぞれに制御回路を有している。共有ビット線対SHBLPの端に接続されたビット線スイッチ28は、ゲートを接地線VSSに接続し、ビット線対BLPと反対側の端を開放している。ブロックBLK3では、プリチャージ回路32およびデータ線スイッチ18は、プリチャージ信号BRS3を受け、コラム線スイッチ20は、コラム線選択信号CLを受け、ビット線対BLPに接続されたスイッチ28は、制御信号BT3を受けている。ブロックBLK4では、プリチャージ回路32およびデータ線スイッチ18は、プリチャージ信号BRS4を受け、コラム線スイッチ20は、コラム線選択信号CLを受け、ビット線対BLPに接続されたビット線スイッチ28は、制御信号BT4を受けている。
このように、グループA、Bの境界部分には、グループA、Bにそれぞれ対応するセンスアンプ30、プリチャージ回路32等が配置されている。このため、ブロックBLK3、BLK4間は、他のブロック間に比べ、大きいレイアウト面積が必要になる。
図16は、従来のSDRAMにおける書き込みデータのデータ圧縮回路36を示してる。
データ圧縮回路36は、各入出力データ信号DQ0〜DQ7に対応する8個のバッファ回路38と選択回路40とを有している。バッファ回路38は、入出力データ信号DQ0〜DQ7をそれぞれ受け、書き込みデータ信号DINCZ0〜DINCZ7として出力している。選択回路40は、書き込みデータ信号DINCZ0〜DINCZ7および圧縮試験のイネーブル信号TEST8を受け、書き込みデータ信号DIN0〜DIN7を出力している。
図17は、選択回路40の詳細を示している。
選択回路40は、書き込みデータ信号DINCZ0〜DINCZ7にそれぞれ対応する8個のスイッチ回路42と、これ等スイッチ回路42を制御するインバータ40a、40b、40cとで構成されている。スイッチ回路42は、インバータを介して端子D1に供給される信号を伝達するCMOS伝達ゲート42aと、端子D2に供給される信号を伝達するCMOS伝達ゲート42bとを有している。CMOS伝達ゲート42a、42bの出力は、互いに接続され、縦続接続された2つのインバータを介して端子DOに接続されている。CMOS伝達ゲート42a、42bは、イネーブル信号TEST8と同相の信号および逆相の信号で制御されている。
CMOS伝達ゲート42aは、イネーブル信号TEST8が低レベル(通常の動作)のときにオンする。CMOS伝達ゲート42bは、イネーブル信号TEST8が高レベル(データ圧縮試験)のときにオンする。各選択回路42の端子D2は、インバータ40cを介して書き込みデータ信号DINCZ7の反転信号を受けている。すなわち、通常の動作では、書き込みデータ信号DINCZ0〜7が、それぞれ書き込みデータ信号DIN0〜7として伝達される。データ圧縮試験の動作では、8ビットの入出力端子が1ビットに圧縮され、書き込みデータ信号DINCZ7は、書き込みデータ信号DIN0〜7として伝達される。特に図示しないが、同じ構造の選択回路40が、入出力データ信号DQ8〜15、DQ16〜23、DQ24〜31についても形成されている。
このSDRAMを評価するLSIテスタの評価基板は、4ビット(DQ7、DQ15、DQ23、DQ31)の入出力チャネルを使用するだけで、1個のSDRAMの読み書き動作試験を実行できる。例えば、入出力チャネルの数が256であるLSIテスタでは、一度に64個のSDRAMの試験を実行可能になる。
データ圧縮試験は、ウェーハ状態でのプローブ試験(救済の判定)、およびパッケージに組み立て後の最終試験に、チップの動作を確認するために行われることが多い。
特開平6−333400号公報
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の半導体集積回路の第1の実施形態におけるメモリコアを示している。従来技術と同一の回路については、同一の符号を付し、これら回路については、詳細な説明を省略する。
半導体集積回路は、シリコン基板上にCMOSプロセス技術を使用してデータの圧縮機能を有するSDRAMとして形成されている。SDRAMは、入出力データを伝達する32ビットの入出力端子を備えている。
このSDRAMのメモリコア50は、図の縦方向に8行、横方向に12列に配置された96個のメモリセルアレイ12を有している。メモリセルアレイ12は、複数のメモリセルを有している。特に図示していないが、メモリコア50の周囲には、データの書き込み用のライトアンプおよびデータの読み出し用のセンスバッファ等が形成されている。
メモリセルアレイ12の一行は、ブロックBLK0〜BLK7のいずれかに割り当てられている。ブロックBLK0、BLK4、ブロックBLK1、BLK5、ブロックBLK2、BLK6、ブロックBLK3、BLK7は、それぞれ同時に活性化されるブロックである。例えば、あるアドレスが外部から供給されたときに、ブロックBLK0、BLK4が同時に活性化される。4行×3列で構成される12個のメモリセルアレイ12は、所定のDQに対応している。これらのメモリセルアレイ12からなるメモリセルアレイ領域を、従来技術と同様に、グループA〜グループHと称する。
グループB、D、F、Hの端には、それぞれ、コラムデコーダ14が配置されている。グループC、DとグループE、Fとの間には、ロウデコーダ16が配置されている。ロウデコーダ16からは、横方向の両側のメモリセルアレイ12にワード線WLが配線されている。
メモリセルアレイ12の間には、縦方向に沿って複数の主データ線対MDLPが形成され、横方向に沿って複数の副データ線対SDLPが形成されている。副データ線対SDLPは、黒丸で示したデータ線スイッチ18により主データ線対MDLPに接続されている。すなわち、データ線は、階層構造を有している。
ブロックBLK3、BLK4の間には、上側のグループに対応するデータ線スイッチ18と下側のグループに対応するデータ線スイッチ18とが接続された副データ線対SDLPが形成されている。
図2は、グループA、Bのレイアウトの詳細を示している。ここでは、従来技術で説明した図13と相違する要素のみを説明する。なお、従来と同様に、各ブロック(例えば、図1に示したグループB、D、F、Hで構成されるBLK0)は、それぞれ2個のワード線救済回路22を有し、各グループA〜Hは、少なくとも1個以上のビット線救済回路24を有している。
ブロックBLK3およびブロックBLK4のビット線対BLPは、白丸で示したコラム線スイッチ20により、ブロックBLK3、BLK4間に形成された副データ線対SDLPに接続されている。すなわち、ブロックBLK3、BLK4間に形成された副データ線対SDLPは、ブロックBLK3の動作時にはDQ2、DQ3用として使用され、ブロックBLK4の動作時には、DQ0、DQ1用として使用される。
なお、データ線は、ブロック間に形成される構造に限定されず、例えば、メモリセルアレイ上を通って配線される構造でもよい。
図3は、ブロックBLK3、BLK4の間に形成される制御回路52を示している。なお、他のブロック間には、従来技術(図14)と同一の制御回路26が形成されれている。
ブロックBLK3、BLK4のビット線対BLPは、nMOSトランジスタからなるビット線スイッチ28を介して共有ビット線対SHBLPに接続されている。各ビット線スイッチ28は、コラムアドレスに応じて活性化される制御信号BT3、BT4でそれぞれ制御されている。すなわち、制御信号BT3は、ブロックBLK3のビット線対BLPを活性化する活性化信号であり、制御信号BT4は、ブロックBLK4のビット線対BLPを活性化する活性化信号である。共有ビット線対SHBLPには、センスアンプ30およびプリチャージ回路32が接続されている。センスアンプ30およびプリチャージ回路32は、ビット線スイッチ28を介してブロックBLK3、BLK4に共有されている。このため、制御回路52のレイアウト面積は、従来の制御回路34(図15)に比べて大幅に低減されている。
共有ビット線対SHBLPは、nMOSトランジスタからなるコラム線スイッチ20を介して副データ線対SDLPに接続されている。コラム線スイッチ20のゲートは、コラムアドレスに応じて活性化されるコラム線選択信号CLで制御されている。副データ線対SDLPと2組の主データ線対MDLPとを接続するために、2個のデータ線スイッチ18が形成されている。グループAに対応するデータ線スイッチ18のゲートは、インバータを介してブロックBLK3(グループB)を制御する制御信号BT3で制御されている。グループBに対応するデータ線スイッチ18のゲートは、インバータを介してブロックBLK4(グループA)を制御する制御信号BT4で制御されている。換言すれば、制御信号BT3は、ブロックBLK3のビット線スイッチ28を活性化すると同時に、ブロックBLK4に対応するデータ線スイッチ18を非活性化する。制御信号BT4は、ブロックBLK4のビット線スイッチ28を活性化すると同時に、ブロックBLK3に対応するデータ線スイッチ18を非活性化する。データ線スイッチ18のゲートを、互いに相手のブロックの制御信号BT3、BT4の反転信号で制御したため、制御回路は簡易になる。
例えば、ブロックBLK3の読み出し動作は、制御信号BT3およびコラム線選択信号CLが高レベルに変化し、制御信号BT4およびプリチャージ信号BRSが低レベルに変化し、ブロックBLK3のビット線対BLP、共有ビット線対SHBLP、共有の副データ線対SDLP、グループBに対応する主データ線対MDLPが接続されることで実行される。
図4は、書き込みデータのデータ圧縮回路54を示している。データ圧縮回路54は、入出力データ信号DQ0〜DQ7に対応する8個のバッファ回路38と選択回路56とを有している。選択回路56は、書き込みデータ信号DINCZ0〜DINCZ7およびデータ圧縮試験のイネーブル信号TEST4、TEST8を受け、書き込みデータ信号DIN0〜DIN7を出力している。イネーブル信号TEST4は、4ビットのデータ圧縮試験のときに高レベルになり、イネーブル信号TEST8は、8ビットのデータ圧縮試験のときに高レベルになる。すなわち、この実施形態のSDRAMは、入出力データのビット数(入出力端子数)を4分の1または8分の1にできる2種類の圧縮試験モードを有している。
図5は、選択回路56の詳細を示している。選択回路56は、書き込みデータ信号DINCZ0〜DINCZ7にそれぞれ対応する8個(1バイト)のスイッチ回路42と、これ等スイッチ回路42を制御するOR回路56a、インバータ56bと、書き込みデータ信号DIN0、DIN1、DIN4、DIN5に対応するスイッチ回路42に供給するデータ信号を選択するスイッチ回路58とで構成されている。スイッチ回路42は、第2スイッチ回路に対応し、スイッチ回路58は、第1スイッチ回路に対応している。スイッチ回路58は、2個のCMOS伝達ゲートと2個のインバータとで構成されている。スイッチ回路58は、イネーブル信号TEST4が高レベルの時に書き込みデータ信号DINCZ0の反転信号を出力し、イネーブル信号TEST4が低レベルの時に書き込みデータ信号DINCZ7の反転信号を出力する回路である。
スイッチ回路42のCMOS伝達ゲート42a、42bは、イネーブル信号TEST4、TEST8のOR論理と同相の信号および逆相の信号で制御されている。CMOS伝達ゲート42aは、イネーブル信号TEST4、TEST8がともに低レベル(通常の動作)のときにオンする。CMOS伝達ゲート42bは、イネーブル信号TEST4、TEST8の一方が高レベル(4ビットのデータ圧縮試験または8ビットのデータ圧縮試験)のときにオンする。書き込みデータ信号DIN0、DIN1、DIN4、DIN5に対応する選択回路42の端子D2は、スイッチ回路58を介して書き込みデータ信号DINCZ0または書き込みデータ信号DINCZ7の反転信号を受けている。書き込みデータ信号DIN2、DIN3、DIN6、DIN7に対応する選択回路42の端子D2は、インバータ56bを介して書き込みデータ信号DINCZ7の反転信号を受けている。
このように、本実施形態では、従来と同一のスイッチ回路42を使用して、複数のデータ圧縮試験を行うことができる。これは、2段構成のスイッチ回路42、58で選択回路56を構成しているためである。すなわち、スイッチ回路42は、通常データ、試験用データのいずれかを選択し、スイッチ回路42の手前に形成されたスイッチ回路58は、複数の試験用データ(書き込みデータ信号DINCZ0、DINCZ7)のいずれかを選択する。書き込みデータ信号DIN0〜DIN7の負荷を従来と同一にできるため、タイミング設計は容易になる。また、複数の試験用データを、CMOS伝達ゲートで構成された簡易なスイッチ回路58で選択している。このため、レイアウト面積を最小限にして、データ圧縮試験の制御回路を形成できる。
次に、選択回路56の動作を説明する。通常動作モードでは、書き込みデータ信号DINCZ0〜7が、それぞれ書き込みデータ信号DIN0〜7として伝達される。4ビットのデータ圧縮試験の動作では、4ビットの入出力端子が1ビットに圧縮され、書き込みデータ信号DINCZ0およびDINCZ7は、それぞれ書き込みデータ信号DIN0、DIN1、DIN4、DIN5および書き込みデータ信号DIN2、DIN3、DIN6、DIN7として伝達される。8ビットのデータ圧縮試験の動作では、8ビットの入出力端子が1ビットに圧縮され、書き込みデータ信号DINCZ7は、全ての書き込みデータ信号DIN0〜7として伝達される。特に図示しないが、入出力データ信号DQ8〜15、DQ16〜23、DQ24〜31についても同じ選択回路56で制御されている。
このSDRAMを評価するLSIテスタの評価基板は、1個のSDRAMに対して4ビット(DQ7、DQ15、DQ23、DQ31)または8ビット(DQ0、DQ7、DQ8、DQ15、DQ16、DQ23、DQ24、DQ31)の入出力チャネルを使用するだけで、SDRAMの読み書き動作試験を実行できる。例えば、4ビットのデータ圧縮試験を不良の救済試験(ウェーハ状態での試験)に適用することで、実際に不良が発生したブロックのワード線救済回路22のみを使用して不良の救済ができる。したがって、データ圧縮試験を救済判定に適用した場合にも、救済効率(ワード線救済回路22の使用効率)を低下させることなく、かつLSIテスタでの同時測定するSDRAMの数を増大することができる。なお、救済効率を向上するためには、データ圧縮試験で確認される不良が、ワード線救済回路22の最小単位である一つのブロック内(例えばBLK0)に限定する必要がある。
8ビットのデータ圧縮試験を、組立後の最終試験に適用することで、最終試験のコストを低減できる。さらに、アクセス速度、消費電流等の電気的特性を測定する場合には、通常動作モードを使用できる。このように、試験工程に応じて最も効率のよい試験方法を選択し実行できる。また、DQの番号の異なるブロックBLK3、BLK4で使用するセンスアンプ30およびプリチャージ回路32を共有したため、制御回路52のレイアウト面積を、従来に比べて大幅に低減できる。
図6は、本発明の半導体集積回路の第2の実施形態におけるデータ圧縮回路60を示している。第1の実施形態と同一の回路については、同一の符号を付し、これら回路については、詳細な説明を省略する。この実施形態のSDRAMは、16ビットの入出力端子を備えている。
データ圧縮回路60は、第1の実施形態のデータ圧縮回路54を2つまとめた回路である。データ圧縮回路60は、入出力データ信号DQ0〜DQ15に対応する16個のバッファ回路38と、2個の選択回路62と、試験用データである書き込みデータ信号DINを伝達するバッファ回路38とを有している。入出力データ信号DQ0〜DQ7に対応する選択回路62は、書き込みデータ信号DINCZ0〜DINCZ7、データ圧縮試験のイネーブル信号TEST4、TEST8、TEST、および書き込みデータ信号DINを受け、書き込みデータ信号DIN0〜DIN7を出力している。入出力データ信号DQ8〜DQ15に対応する選択回路62は、書き込みデータ信号DINCZ8〜DINCZ15、データ圧縮試験のイネーブル信号TEST4、TEST8、TEST、および書き込みデータ信号DINを受け、書き込みデータ信号DIN8〜DIN15を出力している。イネーブル信号TEST4は、4ビットのデータ圧縮試験のときに高レベルになり、イネーブル信号TEST8は、8ビットのデータ圧縮試験のときに高レベルになり、イネーブル信号TESTは、16ビットのデータ圧縮試験のときに高レベルになる。すなわち、この実施形態のSDRAMは、3種類のデータ圧縮試験機能を有している。その他の構成は、入出力端子が16ビットであることを除き、第1の実施形態と同一である。入出力端子が16ビットであるため、例えば、図1に示したメモリコア50において、グループE、F、G、HのDQ6〜DQ31は、グループA、B、C、Dとは別アドレスに対応している。
図7は、入出力データ信号DQ0〜DQ7に対応する選択回路62の詳細を示している。なお、入出力データ信号DQ8〜DQ15に対応する選択回路62の信号名を括弧内に示している。
選択回路62は、書き込みデータ信号DINCZ0〜DINCZ7にそれぞれ対応する8個のスイッチ回路42と、これ等スイッチ回路42を制御するOR回路62aと、伝達回路62b、62c、62dからなるスイッチ回路63と、ラッチ回路62eと、書き込みデータ信号DIN2、DIN3、DIN6、DIN7に対応するスイッチ回路42に供給するデータ信号を選択するスイッチ回路64とで構成されている。スイッチ回路63、64は、第1スイッチ回路に対応している。
伝達回路62b、62c、62dは、CMOS伝達ゲートと、この伝達ゲートを制御するインバータとで構成されている。伝達回路62bは、イネーブル信号TEST4が高レベルの時にオンし、書き込みデータ信号DINCZ0をラッチ回路62eに伝達する。伝達回路62cは、イネーブル信号TEST8が高レベルの時にオンし、書き込みデータ信号DINCZ7をラッチ回路62eに伝達する。伝達回路62dは、イネーブル信号TESTが高レベルの時にオンし、書き込みデータ信号DIN(DQ8)をラッチ回路62eに伝達する。ラッチ62eは、2個のインバータ62f、62gの入力と出力とを互いに接続して構成されている。ラッチ回路62eのインバータ62gは、インバータ62fに貫通電流が発生することを防止している。すなわち、ラッチ62eが、インバータ62fのみで構成された場合、スイッチ回路63の伝達回路62b、62c、62dの出力が高インピーダンスのとき、インバータ62fの入力が不定になる。インバータ62gは、この不定状態をなくしている。
スイッチ回路64は、2個のCMOS伝達ゲートとインバータとで構成されている。スイッチ回路64は、イネーブル信号TESTが高レベルの時に書き込みデータ信号DINの反転信号を出力し、イネーブル信号TESTが低レベルの時に書き込みデータ信号DINCZ7の反転信号を出力する回路である。
スイッチ回路42のCMOS伝達ゲート(図示せず)は、イネーブル信号TEST4、TEST8、TESTのOR論理と同相の信号および逆相の信号で制御されている。すなわち、スイッチ回路42は、イネーブル信号TEST4、TEST8、TESTが全て低レベル(通常の動作)のときに、端子D1で受けた信号を端子DOから出力する。スイッチ回路42は、イネーブル信号TEST4、TEST8、TESTのいずれかが高レベル(4ビットのデータ圧縮試験、8ビットのデータ圧縮試験、16ビットのデータ圧縮試験のいずれか)のときに、端子D2で受けた信号を端子DOから出力する。書き込みデータ信号DIN0、DIN1、DIN4、DIN5に対応する選択回路42の端子D2は、ラッチ62eを介して、書き込みデータ信号DINCZ0、DINCZ7、DIN(DQ8)の反転信号のいずれかを受けている。書き込みデータ信号DIN2、DIN3、DIN6、DIN7に対応する選択回路42の端子D2は、スイッチ回路64を介して書き込みデータ信号DINCZ7の反転信号または書き込みデータ信号DINの反転信号を受けている。すなわち、通常の動作では、書き込みデータ信号DINCZ0〜7が、それぞれ書き込みデータ信号DIN0〜7として伝達される。
4ビットのデータ圧縮試験の動作では、4ビットの入出力データが1ビットに圧縮され、書き込みデータ信号DINCZ0の反転信号およびDINCZ7の反転信号は、それぞれ書き込みデータ信号DIN0、DIN1、DIN4、DIN5および書き込みデータ信号DIN2、DIN3、DIN6、DIN7として伝達される。このとき、入出力データ信号DQ8〜DQ15に対応する選択回路62では、書き込みデータ信号DINCZ8の反転信号およびDINCZ15の反転信号は、それぞれ書き込みデータ信号DIN8、DIN9、DIN12、DIN13および書き込みデータ信号DIN10、DIN11、DIN14、DIN15として伝達される。4ビットのデータ圧縮試験は、第1の実施形態と同様に、救済判定等で使用される。
8ビットのデータ圧縮試験の動作では、8ビットの入出力データが1ビットに圧縮され、書き込みデータ信号DINCZ7の反転信号は、書き込みデータ信号DIN0〜7として伝達される。このとき、入出力データ信号DQ8〜DQ15に対応する選択回路62では、書き込みデータ信号DINCZ15の反転信号は、書き込みデータ信号DIN8〜15として伝達される。8ビットのデータ圧縮試験は、組立後の最終試験等で使用される。
16ビットのデータ圧縮試験の動作では、16ビットの入出力データが1ビットに圧縮され、書き込みデータ信号DIN(DQ8)は、書き込みデータ信号DIN0〜7として伝達される。このとき、入出力データ信号DQ8〜DQ15に対応する選択回路62においても、書き込みデータ信号DIN(DQ8)は、書き込みデータ信号DIN8〜15として伝達される。16ビットのデータ圧縮試験は、後述するウェーハバーンイン試験で使用される。
ここで、各選択回路62には、通常動作で使用する書き込みデータ信号DINCZ8ではなく、試験専用のバッファ回路38が出力する書き込みデータ信号DINが供給されている。このため、書き込みデータ信号DINCZ8の負荷は、他の書き込みデータ信号DINCZ0〜7、9〜15と同一になる。通常動作時に、書き込みデータ信号DINCZ8だけ、書き込みタイミングが遅れることはない。
図8は、ブロックBLK3、BLK4の間に形成される制御回路66を示している。制御回路66では、DQ0、DQ1、DQ14、DQ15に対応するデータ線スイッチ18aのゲートをNANDゲートが制御している。制御回路66の他の構成は、図3に示した制御回路52と同一である。NANDゲートは、一方の入力で制御信号BT3を受け、他方の入力で試験モード信号WBIXを受けている。試験モード信号WBIXは、ウェーハバーンイン試験時に活性化(低レベル)される信号である。この実施形態では、圧縮効率が最大の16ビットのデータ圧縮試験モードを利用して、ウェーハバーンイン試験が実行される。ウェーハバーンイン試験は、ウェーハ上の複数のSDRAMに、一括してバーンインを行う試験である。ウェーハバーンイン試験では、チップ上の試験パッドを使用してワード線等に直接高電圧を印加できるため、短時間で多くのSDRAMをスクリーニングできる。
ウェーハバーンイン試験では、チップ上の全てのメモリセルを選択するため、制御信号BT3、BT4は、全て高レベルになる。このとき、データ線スイッチ18は、オフする。書き込みデータは、試験モード信号WBIXデータの低レベルを受けてオンするデータ線スイッチ18aを介してメモリセルに伝達される。すなわち、データ圧縮試験モードを利用してウェーハバーンイン試験が実行される。
この実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、スイッチ回路63とスイッチ回路42との間に試験用データをラッチするラッチ回路62eを備えた。このため、スイッチ回路63の伝達回路62b、62c、62dの出力が高インピーダンスのとき、インバータ62fの入力が不定になることを防止でき、インバータ62fに貫通電流が発生することを防止できる。
入出力データ信号DQ8を受け、受けた信号を書き込みデータ信号DINとしてスイッチ回路62d、64に供給する専用のバッファ回路38を備えた。このため、スイッチ回路42に供給される書き込みデータ信号DINCZ0〜DINCZ15の負荷を全て同じにできる。この結果、データ圧縮試験モードで使用する特定のビット(DQ8)のスイッチ回路42への供給タイミングがずれることを防止できる。
データ線スイッチ18aの制御に、試験モード信号WBIXの論理を加え、ウェーハバーンイン試験時に、データ線スイッチ18aをオンした。このため、一方の主データ線対MDLPを使用することで、他方の主データ線対MDLPに対応するブロックに対しても、入出力データを書き込むことができる。すなわち、ウェーハバーンイン試験を行う際に、書き込みデータを圧縮することができる。この結果、バーンイン試験において、書き込みデータを供給するためにチップ上のパッドに接続するプローブの本数を最小限にできる。
図9は、本発明の半導体集積回路の第3の実施形態を示している。第1の実施形態と同一の回路については、同一の符号を付し、これら回路については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、第1の実施形態の制御回路52にnMOSトランジスタ68a、68bを付加して制御回路68が構成されている。nMOSトランジスタ68a、68bは、高レベルの試験モード信号WBIZを受けてオンし、主データ線対MDLPを副データ線対SDLPに接続する機能を有している。試験モード信号WBIZは、ウェーハバーンイン試験時に活性化(高レベル)される信号である。
この実施形態においても、上述した第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、nMOSトランジスタを追加することで制御回路68が構成されるため、ブロックBLK3、BLK4の間のレイアウト面積を小さくすることができる。
なお、上述した第1の実施形態では、図5に示したように、スイッチ回路42をCMOS伝達ゲートで構成した例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、図10に示すように、スイッチ回路70をクロックドインバータで構成してもよい。あるいは、図11に示すように、クロックドインバータを有するスイッチ回路72aと、スイッチ回路72aの電源を利用したインバータを有するスイッチ回路72bとを形成してもよい。スイッチ回路72aは、クロックドインバータにおける電源側のpMOSトランジスタおよびnMOSトランジスタのドレインから、電圧VD1、VS1、VD2、VS1をそれぞれ出力している。スイッチ回路72bは、これ等電圧VD1、VS1、VD2、VS1をpMOSトランジスタ、nMOSトランジスタのソースでそれぞれ受けている。このため、スイッチ回路72bにおいて制御用のpMOSトランジスタ、nMOSトランジスタを不要にできる。
上述した第1の実施形態では、データ線スイッチ18をnMOS伝達ゲートで構成した例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。レイアウト面積に余裕がある場合には、データ線スイッチ18をCMOS伝達ゲートで構成してもよい。
上述した第1の実施形態では、データ圧縮試験時に書き込みデータDINCZ0
、DINCZ7を使用した例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。書き込みデータに使用するビットは、任意に決めてよい。
上述した第2の実施形態では、DQ0、DQ1、DQ14、DQ15に対応する主データ線対MDLPをデータ線スイッチ18aを介して副データ線対SDLPに接続した例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、DQ2、DQ3、DQ12、DQ13に対応する主データ線対MDLPをデータ線スイッチ18aを介して副データ線対SDLPに接続してもよく、DQ0、DQ1、DQ14、DQ15、およびDQ2、DQ3、DQ12、DQ13に対応する主データ線対MDLPを、それぞれデータ線スイッチ18aを介して副データ線対SDLPに接続してもよい。
上述した第2の実施形態では、2個のインバータの入力と出力とを接続してラッチ回路62eを形成した例について述べた(図7)。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、一方のインバータをNANDゲートに置き換え、このNANDゲートの一方の入力にパワーオン時に活性化(低レベル)されるパワーオンリセット信号あるいはパワーオンリセット信号の論理を含む制御信号を供給してもよい。この結果、NANDゲートがリセット回路として動作し、パワーオン時にラッチ回路が確実に初期化される。また、貫通電流の発生を防止できる。
上述した第2の実施形態では、本発明をウェーハバーンイン試験に適用した例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、組立後のSDRAMのバーンイン試験に適用してもよい。
上述した第3の実施形態では、DQ0、DQ1、DQ14、DQ15に対応する主データ線対MDLPをnMOSトランジスタ68a、68bを介して副データ線対SDLPに接続した例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、DQ2、DQ3、DQ12、DQ13に対応する主データ線対MDLPをnMOSトランジスタ68a、68bを介して副データ線対SDLPに接続してもよく、DQ0、DQ1、DQ14、DQ15、およびDQ2、DQ3、DQ12、DQ13に対応する主データ線対MDLPを、それぞれnMOSトランジスタ68a、68bを介して副データ線対SDLPに接続してもよい。
上述した実施形態では、本発明を、16本または32本の入出力端子を有するSDRAMに適用した例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、64本またはそれ以上の入出力端子を有するSDRAMに適用してもよい。
上述した実施形態では、本発明をSDRAMに適用した例について述べた。しかしながら、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明をクロック非同期式の通常のDRAM、SRAMに適用してもよい。あるいは、DRAMのメモリコアを内蔵したシステムLSIに適用してもよい。
また、本発明が適用される半導体製造プロセスは、CMOSプロセスに限られず、Bi-CMOSプロセスでもよい。
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。