JP4633487B2 - 超音波駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波駆動装置に関する。
近年、電磁型モータに代わる新しいモータとして、圧電素子などの振動子の振動を利用した超音波モータ(超音波駆動装置)が注目されている。この超音波モータは、従来の電磁型モータと比較して、ギアなしで低速高推力が得られる点や、保持力が高い点や、ストロークが長く、高分解能である点や、静粛性に富む点や、磁気的ノイズを発生せず、また、磁気的ノイズの影響を受けない点等の利点を有している。
上述の利点の内で、特に高分解能などの位置決め性能を発揮させるためには、超音波モータの振動子を高精度に位置決めすることが必要とされる。
しかしながら、振動子を剛性の高い取付け部材などに固定すると、振動子による振動の発生が阻害されて超音波モータの性能が阻害される恐れがあった。また、振動子による振動の発生を阻害しないように、振動子を弾性体などに固定する方法では、弾性体が変形等を起こし位置決め精度が悪化するという問題があった。
そのため、超音波モータにおいて振動子の位置を高精度に決めるとともに、振動子による振動の発生が阻害されない振動子の保持構造、保持方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−96984号公報
上述の特許文献1においては、振動子を被駆動部材に押圧するピン等の付勢部材を、振動子の位置決めにも用いる技術が開示されている。
しかしながら、付勢部材を用いて振動子の位置決めを行うと、位置決め精度の向上を図りにくいという問題があった。つまり、付勢部材には振動子を付勢するために弾性が備えられているが、この弾性により振動子の移動が許容されるため、振動子の位置決め精度が低下するという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その内部に有する振動子を被駆動部材に押圧するとともに、振動子を高い位置精度で位置決めすることができる超音波駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、電力が供給されることにより振動を発生する振動子と、前記振動子に固定される保持部材と、前記振動子を所定方向に向けて付勢する付勢部材と、前記保持部材を前記所定方向に移動可能に支持する支持部材とを有し、前記保持部材および前記支持部材に、前記所定方向に対して略垂直な平面上に投影される前記振動子の位置を所定の精度で定める位置決め部が備えられ、前記保持部材が、少なくとも前記振動子を前記所定方向に対して交差する方向に挟む一対の側壁部を有し、前記位置決め部が、前記側壁部および前記側壁部から突出する凸部と、前記支持部材に備えられ、前記側壁部に接触する対向面および該対向面において前記所定方向に延び、前記凸部を所定方向に移動可能に収容する溝部とからなる超音波駆動装置を提供する。
本発明によれば、振動子を所定方向に付勢する付勢部材と、振動子の位置を略一定に保持する位置決め部とが分かれているため、振動子の位置決め精度の悪化を防止できる。つまり、付勢部材と位置決め部とが分けられているため、位置決め部に弾性を付与する必要がなく、振動子の位置決め精度を向上させることができる。
位置決め部が備えられた支持部材は振動子を所定方向に移動可能に支持するため、振動子は所定方向に向けて付勢される。また、付勢部材と位置決め部とが分かれているため、振動子のバランスが取りやすい。そのため、例えば、所定方向に被駆動体が配置されている場合、被駆動体へ振動子を所定の姿勢で接触させ、押圧することができる。
そして、本発明によれば、側壁部が振動子を所定方向に対して交差する方向に挟んで支持し、側壁部と対向面とが接触するように配置されているため、振動子を上記交差する方向について所定の精度で位置決めできる。また、側壁部に備えられた凸部が支持部材の溝部に所定方向に移動可能に挿入され、振動子の所定方向に対して直交する方向への移動を規制しているため、所定の精度で位置決めできる。そのため、振動子の所定方向に対して略垂直な平面上に投影される位置を所定の精度で位置決めできる。
また、凸部が支持部材の溝部に所定方向に移動可能に挿入されているため、振動子は所定方向に移動可能に支持され、所定方向に付勢されることができる。
さらに、上記発明においては、前記保持部材が、前記一対の側壁部を連結する基部を備え、前記振動子が、前記基部を介して前記付勢部材により押圧されることが望ましい。
本発明によれば、基部を介して一対の側壁部が連結され一体に形成することができるため、保持部材の部品点数を減らすことができる。
上記発明においては、前記側壁部が前記振動子との接触面において固定されていることが望ましい。
上記発明においては、前記基部が前記振動子との接触面において固定されていることが望ましい。
本発明によれば、例えば、側壁部と基部とが振動子にとの接触面において固定されている場合と比較して、固定されている面積が少ないため、振動子の振動を阻害しにくくすることができる。そのため振動子の振動効率の低下を防止できる。
上記発明においては、前記振動子と前記側壁との間に隙間が形成されていることが望ましい。
本発明によれば、側壁部が振動子と接触しないため、振動子の振動を阻害しにくくすることができ、振動子の振動効率の低下を防止できる。
上記発明においては、前記側壁部と前記基部とが前記振動子との接触面において固定されていることが望ましい。
上記発明においては、例えば、側壁部が振動子との接触面において固定されている場合、または、基部が振動子との接触面において固定されている場合と比較して、固定されている面積が広いため、振動子をより確実に保持できる。
上記発明においては、前記保持部材が樹脂材から形成され、前記保持部材が前記位置決め部と一体に形成され、前記振動子に固定されていることが望ましい。
本発明によれば、保持部材と保持部材に備えられた位置決め部とを一体に形成するため、部品点数を減らすこととができ、振動子の組立工程を減らすことができる。
保持部材および位置決め部を振動子と一体に形成するため、振動子に保持部材と位置決め部とを取り付ける工程を削減することができる。また、一体化形成により保持部材等を直接振動子に取り付けることができるため、振動子への取り付け部材を形成する必要がなくなり、部材費を削減できる。
上述のように、振動子と保持部材とを一体に形成する方法としては、例えば、アウトサート形成を挙げることができる。
上記発明においては、前記振動子により発生された振動により駆動される被駆動体と、前記振動子と前記被駆動体との間に配置された駆動接触部と、を有し、該駆動接触部が、前記保持部材と一体に形成されていることが望ましい。
本発明によれば、駆動接触部を保持部材と一体に形成することにより、部品点数を減らすこととができ、振動子の組立工程を減らすことができる。
また、振動子と被駆動体との間に駆動接触部が配置されているため、例えば、被駆動体の駆動に適した材質の駆動接触部を用いることにより、被駆動体の駆動効率を向上できる。
上記発明においては、前記振動子に、振動の節となる位置に、振動方向と交差する向きに延びる貫通孔が形成され、該貫通孔が形成された領域に、少なくとも前記保持部材が前記振動子と一体に形成されていることが望ましい。
本発明によれば、貫通孔が形成された領域に保持部材を形成することにより、保持部材は貫通孔を介して振動子に固定される。その結果、振動子の周囲に保持部材を形成する方法と比較して、振動子の周囲に配置される保持部材を小さくできるため、振動子の振動を阻害しにくくでき、振動効率の低下をさらに防止できる。
本発明の超音波駆動装置によれば、振動子を所定方向に付勢する付勢部材と、振動子の位置を略一定に保持する位置決め部とが分かれているため、振動子を高い位置精度で位置決めすることができるという効果を奏する。また、位置決め部が備えられた支持部材は振動子を所定方向に移動可能に支持するため、振動子を所定方向に押圧することができるという効果を奏する。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態にかかる超音波駆動装置について図1から図5を参照して説明する。ここでは、超音波駆動装置をカメラにおけるレンズを駆動する超音波モータとして用いる例に適用して説明する。
図1は、本実施形態に係る超音波モータの全体構成を説明する断面図である。図2は、図1の超音波モータの構成を説明する部分平面視図である。
超音波モータ(超音波駆動装置)1は、図1および図2に示すように、電力が供給されることにより超音波振動を発生する圧電素子(振動子)3と、圧電素子3が収められるケース(支持部材)5と、圧電素子3の超音波振動により駆動される被駆動体7と、圧電素子3を押圧する押え蓋9と、から概略構成されている。
被駆動体7には、その回転移動を中心軸Cに沿う方向(所定方向)に変換する変換機構(図示せず)が接続され、変換機構によりカメラのレンズ(図示せず)の位置が中心軸Cに沿う方向に移動される。
ケース5は略円環状に形成されるとともに、圧電素子3が内部に配置される配置孔11が形成されている。配置孔11は略角柱状に形成され、同一円周上に等間隔に3つ形成されている。配置孔11における半径方向に対して略垂直なガイド面(位置決め部、対向面)13には、後述するピン部が挿入される誘導溝(位置決め部、溝部)15が形成されている。誘導溝15は、ケース5の中心軸Cと略平行となるように形成されている。
被駆動体7は、図1に示すように、略円環状に形成され、ケース5と中心軸Cを共有するように配置されている。また、被駆動体7の圧電素子3と対向する面には後述する圧電素子3の駆動接触部が接触するように配置されている。
押え蓋9は縁部を有する略円環状に形成され、ケース5と中心軸Cを共有するように配置されている。また、押え蓋9の圧電素子3と対向する面には後述する圧電素子3の板バネが接触するように配置されている。
図3は、図1の圧電素子に付属する構成要素を説明する図であり、図3(a)は超音波モータの半径方向から圧電素子を見た図であり、図3(b)は円周方向から圧電素子見た図である。
圧電素子3は、図1から図3に示すように、ケース5の円周方向に長軸を有する略直方体状に形成されている。圧電素子3には、圧電素子3を保持する保持部(保持部材)17と、圧電素子3を被駆動体7に向けて付勢する板バネ(付勢部材)19と、被駆動体7と接触する駆動接触部21と、が備えられている。
保持部17は、超音波モータ1の半径方向について圧電素子3を保持する側壁部(位置決め部)23と、中心軸Cに沿う方向について保持する基部25と、側壁部23から上記半径方向に突出して形成された略円柱状のピン部(位置決め部、凸部)27と、から概略形成されている。
保持部17は、圧電素子3の振動における節の位置となる略中央に配置され、ピン部27も同様に、節の位置となる略中央に配置されている。そのため、保持部17により圧電素子3を保持しても、圧電素子3の振動発生を防止することがなく、振動発生効率の低下を防止できる。
また、ピン部27は略円柱状に形成されているため、圧電素子3はピン部27回りに回転可能に支持され、被駆動体7の変化に柔軟に追従することができる。
保持部17と圧電素子3とは接着剤により固定されている。接着剤としては、エポシキ系樹脂やシリコン系樹脂などを例示することができる。シリコン系樹脂のように比較的柔らかい材質の接着剤の場合には、圧電素子3のインピーダンス性能が低下しにくくできる。
図4は、図1の圧電素子と保持部との固定方法を説明する図である。
保持部17と圧電素子3との固定面は、図4に示すように、側壁部23と圧電素子3との間であってもよいし、基部25と圧電素子3との間であってもよいし、あるいは、側壁部23および基部25と圧電素子3との間であってもよい。
側壁部23において保持部17と圧電素子3とを固定する場合、および、基部25において固定する場合は、側壁部23および基部25において固定する場合と比較して、固定面積が狭くなるため、圧電素子3の振動を阻害せず、圧電素子3の振動効率を向上できる。また、側壁部23および基部25において保持部17と圧電素子3とを固定する場合は、圧電素子3を確実に保持することができる。
板バネ19は、圧電素子3に向かって凸となる形状に形成され、略中央から基部25に向けて略円柱状の押圧部29が突出して形成されている。板バネ19の両端部は押え蓋9と接触し、押圧部29が圧電素子3と接触するように配置されている。そのため、板バネ19は圧電素子3を所定の付勢力で押すことができる。また、押圧部29が圧電素子3と直接接触する場合、圧電素子3とは点接触になるため、圧電素子3の振動を阻害することなく、圧電素子3を付勢することができる。
駆動接触部21は略直方体状に形成され、圧電素子3と被駆動体7との間に配置されている。駆動接触部21は、圧電素子3の振動における腹の位置に2つ配置されている。そのため、圧電素子3の振動を効率よく被駆動体7に伝達することができる。
図5は、図1の圧電素子とケースとの組み合わせを説明する図である。
圧電素子3は、図5に示すように、ケース5の配置孔11に中心軸C方向に沿って入れられる。配置孔11に配置された状態では、圧電素子3における保持部17の側壁部23と、配置孔11のガイド面13とが対向し、当接される。
また、保持部17のピン部27は、配置孔11の誘導溝15に沿って中心軸C方向に移動するように組み合わされている。
次に、上記の構成からなる超音波モータ1における作用について説明する。
押え蓋9は、図1および図3に示すように、板バネ19を中心軸Cに沿う方向であって圧電素子3方向に押圧し、板バネ19により圧電素子3は被駆動体7方向に付勢される。圧電素子3は板バネ19により被駆動体7に所定の力で押圧され、電力が供給されることにより所定の振動を発生し、被駆動体7を駆動する。
圧電素子3の配置位置は、図1および図2に示すように、ケース5の配置孔11に配置されることにより所定の精度で位置決めされる。具体的には、保持部17の側壁部23と配置孔11のガイド面13とが当接されることにより、ケース5の半径方向について所定の精度で位置決めされる。また、保持部17のピン部27と配置孔11の誘導溝15とが組み合わされることにより、ケース5の円周方向について所定の精度で位置決めされる。
上記の構成によれば、圧電素子3を中心軸Cに沿う方向に付勢する板バネ19と、圧電素子3の位置を略一定に保持するガイド面13および側壁部23、誘導溝15およびピン部27と、が分かれているため、圧電素子3の位置決め精度の悪化を防止できる。つまり、板バネ19とガイド面13および側壁部23、誘導溝15およびピン部27とが分けられているため、ガイド面13および側壁部23、誘導溝15およびピン部27に弾性を付与する必要がなくなり、圧電素子3の位置決め精度を向上させることができる。
また、板バネ19と、ガイド面13および側壁部23、誘導溝15およびピン部27と、を分けているため、圧電素子3のバランスを保ちやすく、被駆動体7へ適正に接触させることができる。
側壁部23が圧電素子3をケース5の半径方向に対して支持し、側壁部23に対向するガイド面13と当接するように配置されているため、圧電素子3をケース5の半径方向について所定の精度で位置決めできる。また、側壁部23に備えられたピン部27が誘導溝15に組み合わされているため、圧電素子3ケース5の円周方向について所定の精度で位置決めできる。そのため、圧電素子3の中心軸Cに沿う方向に対して略垂直な平面上に投影される位置を所定の精度で位置決めできる。
また、ピン部27が誘導溝15を中心軸Cに沿う方向に移動可能に組み合わされているため、圧電素子3は中心軸Cに沿う方向に移動可能に支持され、被駆動体7方向に付勢される。
また、圧電素子3に対して、特許文献1の図1等に示されているような、位置決め用の凹部を形成する必要がない。そのため、上記凹部の形成による圧電素子3の振動性能低下を防止できるとともに余計な加工が必要なく、加工精度の向上にもなる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図6および図7を参照して説明する。
本実施形態の超音波モータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、保持部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図6および図7を用いて保持部周辺のみを説明し、押え蓋等の説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る超音波モータの構成を説明する平面視図である。図7は、図6の圧電素子の構成を説明する図であり、図7(a)は超音波モータの半径方向から圧電素子を見た図であり、図7(b)は円周方向から圧電素子を見た図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
超音波モータ(超音波駆動装置)51は、図6および図7に示すように、圧電素子3と、ケース5と、被駆動体7と、押え蓋9とから概略構成されている。
圧電素子3には、圧電素子3を保持する保持部(保持部材)67と、圧電素子3を被駆動体7に向けて付勢する板バネ19と、被駆動体7と接触する駆動接触部21と、が備えられている。
保持部67は、圧電素子3を保持する側壁部23および基部25と、側壁部23から超音波モータ51の半径方向に突出して形成された板状の突出部(位置決め部、凸部)77と、基部25に形成された押圧部29と、から概略形成されている。
突出部77は、中心軸Cに沿う方向に延びるように配置されているとともに、圧電素子3の振動における節の位置となる略中央に配置されている。
上記の構成からなる超音波モータ51においては、圧電素子3が配置孔11に配置された状態で、保持部67の側壁部23と配置孔11のガイド面13とが当接される。また、保持部67の突出部77は、配置孔11の誘導溝15に沿って移動するように組み合わされている。
上記の構成によれば、圧電素子3の配置位置は、図6および図7に示すように、配置孔11に配置されることにより所定の精度で位置決めされる。具体的には、保持部67の側壁部23と配置孔11のガイド面13とが当接されることにより、ケース5の半径方向について所定の精度で位置決めされる。また、保持部67の突出部77と配置孔11の誘導溝15とが組み合わされることにより、ケース5の円周方向について所定の精度で位置決めされる。
また、保持部67に第1の実施形態のピン部17を形成する場合と比較して、突出部77を形成する方が容易であり、超音波モータ51の製造が容易となる。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図8および図9を参照して説明する。
本実施形態の超音波モータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、保持部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図8および図9を用いて保持部周辺のみを説明し、押え蓋等の説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る超音波モータを説明する平面視図である。図9は、図8の圧電素子の構成を説明する図であり、図9(a)は超音波モータの半径方向から圧電素子を見た図であり、図9(b)は円周方向から圧電素子を見た図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
超音波モータ(超音波駆動装置)101は、図8および図9に示すように、圧電素子3と、ケース5と、被駆動体7と、押え蓋9とから概略構成されている。
圧電素子3には、圧電素子3を保持する保持部(保持部材)117と、圧電素子3を被駆動体7に向けて付勢する板バネ19と、被駆動体7と接触する駆動接触部21と、が備えられている。
保持部117は、超音波モータ101の半径方向について圧電素子3を保持する略円板状の側壁部(位置決め部)123と、側壁部123から超音波モータ101の半径方向に突出して形成された略円柱状のピン部127と、から概略構成されている。
保持部117は、圧電素子3の振動における節の位置となる略中央に配置され、ピン部127も同様に、節の位置となる略中央に配置されている。
上記の構成からなる超音波モータ101においては、圧電素子3が配置孔11に配置された状態で、保持部117の側壁部123と配置孔11のガイド面13とが当接される。また、保持部117のピン部127は、配置孔11の誘導溝15に沿って移動するように組み合わされている。
上記の構成によれば、圧電素子3の配置位置は、図8および図9に示すように、配置孔11に配置されることにより所定の精度で位置決めされる。具体的には、保持部117の側壁部123と配置孔11のガイド面13とが当接されることにより、ケース5の半径方向について所定の精度で位置決めされる。また、保持部117のピン部127と配置孔11の誘導溝15とが組み合わされることにより、ケース5の円周方向について所定の精度で位置決めされる。
また、圧電素子3を保持部117の側壁部123のみで支持するため、圧電素子3と保持部117との接触面積が小さくなる。その結果、圧電素子3の振動が保持部117により阻害されにくくなり、振動の発生効率を向上できる。
また、保持部117は形状が単純な円形形状のため、加工が容易となり、部材のコスト低減に寄与できる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について図10および図11を参照して説明する。
本実施形態の超音波モータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、保持部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図10および図11を用いて保持部周辺のみを説明し、押え蓋等の説明を省略する。
図10は、本実施形態に係る超音波モータの構成を説明する平面視図である。図11は、図10の圧電素子の構成を説明する図であり、図11(a)は超音波モータの半径方向から圧電素子を見た図であり、図11(b)は図11(a)におけるP−P´断面図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
超音波モータ(超音波駆動装置)151は、図10および図11に示すように、圧電素子(振動子)153と、ケース5と、被駆動体7と、押え蓋9とから概略構成されている。
圧電素子153の振動における節の位置となる略中央には、貫通孔154が形成されている。圧電素子153には、圧電素子153を保持する保持部(保持部材)167と、圧電素子3を被駆動体7に向けて付勢する板バネ19と、被駆動体7と接触する駆動接触部21と、が備えられている。
保持部167は、圧電素子3を保持する側壁部23および基部25と、側壁部23から超音波モータ151の半径方向に突出して形成されたピン部27とが樹脂により一体に形成されている。保持部167は、圧電素子3の振動における節の位置となる略中央にアウトサート形成され、貫通孔154にも樹脂が充填されている。
上記の構成からなる超音波モータ151においては、圧電素子153が配置孔11に配置された状態で、保持部167の側壁部23と配置孔11のガイド面13とが当接される。また、保持部167のピン部27は、配置孔11の誘導溝15に沿って移動するように組み合わされている。
上記の構成によれば、圧電素子153の配置位置は、図10および図11に示すように、配置孔11に配置されることにより所定の精度で位置決めされる。具体的には、保持部167の側壁部23と配置孔11のガイド面13とが当接されることにより、ケース5の半径方向について所定の精度で位置決めされる。また、保持部167のピン部27と配置孔11の誘導溝15とが組み合わされることにより、ケース5の円周方向について所定の精度で位置決めされる。
保持部167を構成する側壁部23と、基部25と、ピン部27とを樹脂により一体に形成するため、超音波モータ151の部品点数を減らすことができ、超音波モータ151の組立工程を減らすことができる。また、保持部167を圧電素子153にアウトサート形成するため、圧電素子153に保持部167を取り付ける工程を削減することができ、取り付けに用いる接着剤等の部材を削減できる。
また、貫通孔154にも樹脂が充填されているため、保持部167を圧電素子153により確実に取り付けることができる。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について図12および図13を参照して説明する。
本実施形態の超音波モータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、保持部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図12および図13を用いて保持部周辺のみを説明し、押え蓋等の説明を省略する。
図12は、本実施形態に係る超音波モータの構成を説明する平面視図である。図13は、図12の圧電素子の構成を説明する図であり、図13(a)は超音波モータの半径方向から圧電素子を見た図であり、図13(b)は円周方向から圧電素子を見た図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
超音波モータ(超音波駆動装置)201は、図12および図13に示すように、圧電素子3と、ケース5と、被駆動体7と、押え蓋9とから概略構成されている。
圧電素子3には、圧電素子3を保持する保持部(保持部材)217と、圧電素子3を被駆動体7に向けて付勢する板バネ19とが備えられている。
保持部217は、圧電素子3を保持する側壁部23および基部25と、側壁部23から超音波モータ201の半径方向に突出して形成されたピン部27と、被駆動体7と接触する駆動接触部21と、が樹脂により一体に形成されている。保持部217は、圧電素子3の振動における節の位置となる略中央にアウトサート形成されている。
保持部217を形成する樹脂としては、熱可塑性樹脂40〜60重量部、チタン酸カリウムウィスカー15〜30重量部、ポリテトラフルオロエチレン粉末5〜15重量部からなる樹脂組成物を成形して形成されたものを挙げることができる。具体的には、スーパーエンジニアリングプラスチックであるPPS(ポリフェニレンサルファイド)をベースにし、チタン酸カリウム繊維(例えばティスモ(登録商標))を含有した複合材料を例示できる。
上記の構成からなる超音波モータ201においては、圧電素子3が配置孔11に配置された状態で、保持部217の側壁部23と配置孔11のガイド面13とが当接される。また、保持部217のピン部27は、配置孔11の誘導溝15に沿って移動するように組み合わされている。
上記の構成によれば、圧電素子3の配置位置は、図12および図13に示すように、配置孔11に配置されることにより所定の精度で位置決めされる。具体的には、保持部217の側壁部23と配置孔11のガイド面13とが当接されることにより、ケース5の半径方向について所定の精度で位置決めされる。また、保持部217のピン部27と配置孔11の誘導溝15とが組み合わされることにより、ケース5の円周方向について所定の精度で位置決めされる。
保持部217を上述の樹脂材料から形成することにより、駆動接触部21が被駆動体7を駆動するのに必要な耐摩耗性を確保できるとともに、駆動接触部21を保持部217と一体に射出成形することができる。
保持部217を構成する側壁部23と、基部25と、ピン部27と、駆動接触部21と、を樹脂により一体に形成するため、超音波モータ201の部品点数を減らすことができ、超音波モータ201の組立工程を減らすことができる。また、保持部217を圧電素子3にアウトサート形成するため、圧電素子3に保持部217を取り付ける工程を削減することができ、取り付けに用いる接着剤等の部材を削減できる。
〔第6の実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態について図14および図15を参照して説明する。
本実施形態の超音波モータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、保持部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図14および図15を用いて保持部周辺のみを説明し、押え蓋等の説明を省略する。
図14は、本実施形態に係る超音波モータの構成を説明する平面視図である。図15は、図14の圧電素子の構成を説明する図であり、図15(a)は超音波モータの半径方向から圧電素子を見た図であり、図15(b)は円周方向から圧電素子を見た図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
超音波モータ(超音波駆動装置)251は、図14および図15に示すように、圧電素子3と、ケース5と、被駆動体7と、押え蓋9とから概略構成されている。
圧電素子3には、圧電素子3を保持する保持部(保持部材)267と、圧電素子3を被駆動体7に向けて付勢する板バネ19とが備えられている。
保持部267は、圧電素子3を保持する側壁部23および基部25と、側壁部23から超音波モータ251の半径方向に突出して形成されたピン部27と、被駆動体7と接触する駆動接触部21と、が樹脂により一体に形成されている。保持部267は、圧電素子3の振動における節の位置となる略中央にアウトサート形成されている。
また、圧電素子3と側壁部23との間には所定間隔の隙間Sが形成されている。
保持部267を形成する樹脂は、第5の実施形態で用いられた樹脂と同じ樹脂を用いることができる。
上記の構成からなる超音波モータ251においては、圧電素子3が配置孔11に配置された状態で、保持部267の側壁部23と配置孔11のガイド面13とが当接される。また、保持部267のピン部27は、配置孔11の誘導溝15に沿って移動するように組み合わされている。
上記の構成によれば、圧電素子3の配置位置は、図14および図15に示すように、配置孔11に配置されることにより所定の精度で位置決めされる。具体的には、保持部267の側壁部23と配置孔11のガイド面13とが当接されることにより、ケース5の半径方向について所定の精度で位置決めされる。また、保持部267のピン部27と配置孔11の誘導溝15とが組み合わされることにより、ケース5の円周方向について所定の精度で位置決めされる。
圧電素子3と側壁部23との間に隙間Sが形成され、側壁部23が圧電素子3と接触しない。そのため、圧電素子3の振動を阻害しにくくすることができ、圧電素子3の振動効率の低下を防止できる。
〔第7の実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態について図16および図17を参照して説明する。
本実施形態の超音波モータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、保持部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図16および図17を用いて保持部周辺のみを説明し、押え蓋等の説明を省略する。
図16は、本実施形態に係る超音波モータの構成を説明する平面視図である。図17は、図16の圧電素子の構成を説明する図であり、図17(a)は超音波モータの半径方向から圧電素子を見た図であり、図17(b)は円周方向から圧電素子を見た図であり、図17(c)は図17(a)におけるQ−Q´断面図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
超音波モータ(超音波駆動装置)301は、図16および図17に示すように、圧電素子(振動子)303と、ケース5と、被駆動体7と、押え蓋9とから概略構成されている。
圧電素子303の振動における節の位置となる略中央には、貫通孔304が形成されている。圧電素子303には、圧電素子3を保持する保持部(保持部材)317と、圧電素子303を被駆動体7に向けて付勢する板バネ19とが備えられている。
保持部317は、圧電素子303を保持する側壁部(位置決め部)323と、側壁部323から超音波モータ301の半径方向に突出して形成されたピン部27と、被駆動体7と接触する駆動接触部21と、が樹脂により一体に形成されている。保持部317は、圧電素子303の振動における節の位置となる略中央にアウトサート形成され、貫通孔304にも樹脂が充填されている。
保持部317を形成する樹脂は、第5の実施形態で用いられた樹脂と同じ樹脂を用いることができる。
上記の構成からなる超音波モータ301においては、圧電素子303が配置孔11に配置された状態で、保持部317の側壁部323と配置孔11のガイド面13とが当接される。また、保持部317のピン部27は、配置孔11の誘導溝15に沿って移動するように組み合わされている。
上記の構成によれば、圧電素子303の配置位置は、図16および図17に示すように、配置孔11に配置されることにより所定の精度で位置決めされる。具体的には、保持部317の側壁部323と配置孔11のガイド面13とが当接されることにより、ケース5の半径方向について所定の精度で位置決めされる。また、保持部317のピン部27と配置孔11の誘導溝15とが組み合わされることにより、ケース5の円周方向について所定の精度で位置決めされる。
圧電素子303を保持部317の側壁部323のみで支持するため、圧電素子3と保持部317との接触面積が小さくなる。その結果、圧電素子303の振動が保持部317により阻害されにくくなり、振動の発生効率を向上できる。
また、貫通孔304にも樹脂が充填されているため、保持部317を圧電素子303により確実に取り付けることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、この発明をカメラのレンズの駆動原に適応して説明したが、この発明はレンズの駆動源に限られることなく、その他各種の駆動源に適応できるものである。
本発明の第1の実施形態に係る超音波モータの全体構成を示す断面図である。 図1の超音波モータの構成を示す部分平面視図である。 図1の圧電素子に付属する構成要素を示す図である。 図1の圧電素子と保持部との固定方法を説明する図である。 図1の圧電素子とケースとの組み合わせを説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る超音波モータの構成を示す平面視図である。 図6の圧電素子の構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る超音波モータの構成を示す平面視図である。 図8の圧電素子の構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る超音波モータの構成を説明する平面視図である。 図10の圧電素子の構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る超音波モータの構成を示す平面視図である。 図12の圧電素子の構成を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る超音波モータの構成を示す平面視図である。 図14の圧電素子の構成を示す図である。 本発明の第7の実施形態に係る超音波モータの構成を示す平面視図である。 図16の圧電素子の構成を示す図である。
符号の説明
1,51,101,151,201,251,301 超音波モータ(超音波駆動装置)
3,153,303 圧電素子(振動子)
5 ケース(支持部材)
7,67 被駆動体
13 ガイド面(位置決め部、対向面)
15 誘導溝(位置決め部、溝部)
17,67,117,167,217,267,317 保持部(保持部材)
19 板バネ(付勢部材)
21 駆動接触部
23,123,323 側壁部(位置決め部)
25 基部
27 ピン部(位置決め部、凸部)
77 突出部(位置決め部、凸部)
154,304 貫通孔
S 隙間

Claims (10)

  1. 電力が供給されることにより振動を発生する振動子と、
    前記振動子に固定される保持部材と、
    前記振動子を所定方向に向けて付勢する付勢部材と、
    前記保持部材を前記所定方向に移動可能に支持する支持部材とを有し、
    前記保持部材および前記支持部材に、前記所定方向に対して略垂直な平面上に投影される前記振動子の位置を所定の精度で定める位置決め部が備えられ、
    前記保持部材が、少なくとも前記振動子を前記所定方向に対して交差する方向に挟む一対の側壁部を有し、
    前記位置決め部が、前記側壁部および前記側壁部から突出する凸部と、前記支持部材に備えられ、前記側壁部に接触する対向面および該対向面において前記所定方向に延び、前記凸部を所定方向に移動可能に収容する溝部とからなる超音波駆動装置。
  2. 前記保持部材が、前記一対の側壁部を連結する基部を備え、
    前記振動子が、前記基部を介して前記付勢部材により押圧される請求項1に記載の超音波駆動装置。
  3. 前記側壁部が前記振動子との接触面において固定されている請求項1または請求項2に記載の超音波駆動装置。
  4. 前記基部が前記振動子との接触面において固定されている請求項2に記載の超音波駆動装置。
  5. 前記振動子と前記側壁との間に隙間が形成されている請求項4に記載の超音波駆動装置。
  6. 前記側壁部と前記基部とが前記振動子との接触面において固定されている請求項2に記載の超音波駆動装置。
  7. 前記保持部材が樹脂材から形成され、
    前記保持部材が前記位置決め部と一体に形成され、前記振動子に固定されている請求項1から請求項6のいずれかに記載の超音波駆動装置。
  8. 前記振動子により発生された振動により駆動される被駆動体と、
    前記振動子と前記被駆動体との間に配置された駆動接触部とを有し、
    該駆動接触部が、前記保持部材と一体に形成されている請求項7に記載の超音波駆動装置。
  9. 前記振動子に、振動の節となる位置に、振動方向と交差する向きに延びる貫通孔が形成され、
    該貫通孔が形成された領域に、少なくとも前記保持部材が前記振動子と一体に形成されている請求項7または請求項8に記載の超音波駆動装置。
  10. 前記振動子により発生された振動により駆動される被駆動体と、
    前記振動子と前記被駆動体との間に配置された駆動接触部と、を有し、
    該駆動接触部が、前記保持部材と一体にアウトサート形成されるとともに、前記振動子と前記側壁部との間に隙間が形成されている請求項1または請求項2に記載の超音波駆動装置。
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