JP4633487B2 - 超音波駆動装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、振動子を剛性の高い取付け部材などに固定すると、振動子による振動の発生が阻害されて超音波モータの性能が阻害される恐れがあった。また、振動子による振動の発生を阻害しないように、振動子を弾性体などに固定する方法では、弾性体が変形等を起こし位置決め精度が悪化するという問題があった。
しかしながら、付勢部材を用いて振動子の位置決めを行うと、位置決め精度の向上を図りにくいという問題があった。つまり、付勢部材には振動子を付勢するために弾性が備えられているが、この弾性により振動子の移動が許容されるため、振動子の位置決め精度が低下するという問題があった。
本発明は、電力が供給されることにより振動を発生する振動子と、前記振動子に固定される保持部材と、前記振動子を所定方向に向けて付勢する付勢部材と、前記保持部材を前記所定方向に移動可能に支持する支持部材とを有し、前記保持部材および前記支持部材に、前記所定方向に対して略垂直な平面上に投影される前記振動子の位置を所定の精度で定める位置決め部が備えられ、前記保持部材が、少なくとも前記振動子を前記所定方向に対して交差する方向に挟む一対の側壁部を有し、前記位置決め部が、前記側壁部および前記側壁部から突出する凸部と、前記支持部材に備えられ、前記側壁部に接触する対向面および該対向面において前記所定方向に延び、前記凸部を所定方向に移動可能に収容する溝部とからなる超音波駆動装置を提供する。
また、凸部が支持部材の溝部に所定方向に移動可能に挿入されているため、振動子は所定方向に移動可能に支持され、所定方向に付勢されることができる。
本発明によれば、基部を介して一対の側壁部が連結され一体に形成することができるため、保持部材の部品点数を減らすことができる。
上記発明においては、前記基部が前記振動子との接触面において固定されていることが望ましい。
本発明によれば、例えば、側壁部と基部とが振動子にとの接触面において固定されている場合と比較して、固定されている面積が少ないため、振動子の振動を阻害しにくくすることができる。そのため振動子の振動効率の低下を防止できる。
本発明によれば、側壁部が振動子と接触しないため、振動子の振動を阻害しにくくすることができ、振動子の振動効率の低下を防止できる。
上記発明においては、例えば、側壁部が振動子との接触面において固定されている場合、または、基部が振動子との接触面において固定されている場合と比較して、固定されている面積が広いため、振動子をより確実に保持できる。
保持部材および位置決め部を振動子と一体に形成するため、振動子に保持部材と位置決め部とを取り付ける工程を削減することができる。また、一体化形成により保持部材等を直接振動子に取り付けることができるため、振動子への取り付け部材を形成する必要がなくなり、部材費を削減できる。
上述のように、振動子と保持部材とを一体に形成する方法としては、例えば、アウトサート形成を挙げることができる。
本発明によれば、駆動接触部を保持部材と一体に形成することにより、部品点数を減らすこととができ、振動子の組立工程を減らすことができる。
また、振動子と被駆動体との間に駆動接触部が配置されているため、例えば、被駆動体の駆動に適した材質の駆動接触部を用いることにより、被駆動体の駆動効率を向上できる。
以下、本発明の第1の実施形態にかかる超音波駆動装置について図1から図5を参照して説明する。ここでは、超音波駆動装置をカメラにおけるレンズを駆動する超音波モータとして用いる例に適用して説明する。
図1は、本実施形態に係る超音波モータの全体構成を説明する断面図である。図2は、図1の超音波モータの構成を説明する部分平面視図である。
超音波モータ(超音波駆動装置)1は、図1および図2に示すように、電力が供給されることにより超音波振動を発生する圧電素子(振動子)3と、圧電素子3が収められるケース(支持部材)5と、圧電素子3の超音波振動により駆動される被駆動体7と、圧電素子3を押圧する押え蓋9と、から概略構成されている。
被駆動体7には、その回転移動を中心軸Cに沿う方向(所定方向)に変換する変換機構(図示せず)が接続され、変換機構によりカメラのレンズ(図示せず)の位置が中心軸Cに沿う方向に移動される。
押え蓋9は縁部を有する略円環状に形成され、ケース5と中心軸Cを共有するように配置されている。また、押え蓋9の圧電素子3と対向する面には後述する圧電素子3の板バネが接触するように配置されている。
圧電素子3は、図1から図3に示すように、ケース5の円周方向に長軸を有する略直方体状に形成されている。圧電素子3には、圧電素子3を保持する保持部(保持部材)17と、圧電素子3を被駆動体7に向けて付勢する板バネ(付勢部材)19と、被駆動体7と接触する駆動接触部21と、が備えられている。
保持部17は、圧電素子3の振動における節の位置となる略中央に配置され、ピン部27も同様に、節の位置となる略中央に配置されている。そのため、保持部17により圧電素子3を保持しても、圧電素子3の振動発生を防止することがなく、振動発生効率の低下を防止できる。
また、ピン部27は略円柱状に形成されているため、圧電素子3はピン部27回りに回転可能に支持され、被駆動体7の変化に柔軟に追従することができる。
保持部17と圧電素子3との固定面は、図4に示すように、側壁部23と圧電素子3との間であってもよいし、基部25と圧電素子3との間であってもよいし、あるいは、側壁部23および基部25と圧電素子3との間であってもよい。
側壁部23において保持部17と圧電素子3とを固定する場合、および、基部25において固定する場合は、側壁部23および基部25において固定する場合と比較して、固定面積が狭くなるため、圧電素子3の振動を阻害せず、圧電素子3の振動効率を向上できる。また、側壁部23および基部25において保持部17と圧電素子3とを固定する場合は、圧電素子3を確実に保持することができる。
駆動接触部21は略直方体状に形成され、圧電素子3と被駆動体7との間に配置されている。駆動接触部21は、圧電素子3の振動における腹の位置に2つ配置されている。そのため、圧電素子3の振動を効率よく被駆動体7に伝達することができる。
圧電素子3は、図5に示すように、ケース5の配置孔11に中心軸C方向に沿って入れられる。配置孔11に配置された状態では、圧電素子3における保持部17の側壁部23と、配置孔11のガイド面13とが対向し、当接される。
また、保持部17のピン部27は、配置孔11の誘導溝15に沿って中心軸C方向に移動するように組み合わされている。
押え蓋9は、図1および図3に示すように、板バネ19を中心軸Cに沿う方向であって圧電素子3方向に押圧し、板バネ19により圧電素子3は被駆動体7方向に付勢される。圧電素子3は板バネ19により被駆動体7に所定の力で押圧され、電力が供給されることにより所定の振動を発生し、被駆動体7を駆動する。
また、板バネ19と、ガイド面13および側壁部23、誘導溝15およびピン部27と、を分けているため、圧電素子3のバランスを保ちやすく、被駆動体7へ適正に接触させることができる。
また、ピン部27が誘導溝15を中心軸Cに沿う方向に移動可能に組み合わされているため、圧電素子3は中心軸Cに沿う方向に移動可能に支持され、被駆動体7方向に付勢される。
次に、本発明の第2の実施形態について図6および図7を参照して説明する。
本実施形態の超音波モータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、保持部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図6および図7を用いて保持部周辺のみを説明し、押え蓋等の説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る超音波モータの構成を説明する平面視図である。図7は、図6の圧電素子の構成を説明する図であり、図7(a)は超音波モータの半径方向から圧電素子を見た図であり、図7(b)は円周方向から圧電素子を見た図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
圧電素子3には、圧電素子3を保持する保持部(保持部材)67と、圧電素子3を被駆動体7に向けて付勢する板バネ19と、被駆動体7と接触する駆動接触部21と、が備えられている。
突出部77は、中心軸Cに沿う方向に延びるように配置されているとともに、圧電素子3の振動における節の位置となる略中央に配置されている。
また、保持部67に第1の実施形態のピン部17を形成する場合と比較して、突出部77を形成する方が容易であり、超音波モータ51の製造が容易となる。
次に、本発明の第3の実施形態について図8および図9を参照して説明する。
本実施形態の超音波モータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、保持部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図8および図9を用いて保持部周辺のみを説明し、押え蓋等の説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る超音波モータを説明する平面視図である。図9は、図8の圧電素子の構成を説明する図であり、図9(a)は超音波モータの半径方向から圧電素子を見た図であり、図9(b)は円周方向から圧電素子を見た図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
圧電素子3には、圧電素子3を保持する保持部(保持部材)117と、圧電素子3を被駆動体7に向けて付勢する板バネ19と、被駆動体7と接触する駆動接触部21と、が備えられている。
保持部117は、圧電素子3の振動における節の位置となる略中央に配置され、ピン部127も同様に、節の位置となる略中央に配置されている。
また、保持部117は形状が単純な円形形状のため、加工が容易となり、部材のコスト低減に寄与できる。
次に、本発明の第4の実施形態について図10および図11を参照して説明する。
本実施形態の超音波モータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、保持部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図10および図11を用いて保持部周辺のみを説明し、押え蓋等の説明を省略する。
図10は、本実施形態に係る超音波モータの構成を説明する平面視図である。図11は、図10の圧電素子の構成を説明する図であり、図11(a)は超音波モータの半径方向から圧電素子を見た図であり、図11(b)は図11(a)におけるP−P´断面図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
圧電素子153の振動における節の位置となる略中央には、貫通孔154が形成されている。圧電素子153には、圧電素子153を保持する保持部(保持部材)167と、圧電素子3を被駆動体7に向けて付勢する板バネ19と、被駆動体7と接触する駆動接触部21と、が備えられている。
また、貫通孔154にも樹脂が充填されているため、保持部167を圧電素子153により確実に取り付けることができる。
次に、本発明の第5の実施形態について図12および図13を参照して説明する。
本実施形態の超音波モータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、保持部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図12および図13を用いて保持部周辺のみを説明し、押え蓋等の説明を省略する。
図12は、本実施形態に係る超音波モータの構成を説明する平面視図である。図13は、図12の圧電素子の構成を説明する図であり、図13(a)は超音波モータの半径方向から圧電素子を見た図であり、図13(b)は円周方向から圧電素子を見た図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
圧電素子3には、圧電素子3を保持する保持部(保持部材)217と、圧電素子3を被駆動体7に向けて付勢する板バネ19とが備えられている。
次に、本発明の第6の実施形態について図14および図15を参照して説明する。
本実施形態の超音波モータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、保持部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図14および図15を用いて保持部周辺のみを説明し、押え蓋等の説明を省略する。
図14は、本実施形態に係る超音波モータの構成を説明する平面視図である。図15は、図14の圧電素子の構成を説明する図であり、図15(a)は超音波モータの半径方向から圧電素子を見た図であり、図15(b)は円周方向から圧電素子を見た図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
圧電素子3には、圧電素子3を保持する保持部(保持部材)267と、圧電素子3を被駆動体7に向けて付勢する板バネ19とが備えられている。
また、圧電素子3と側壁部23との間には所定間隔の隙間Sが形成されている。
保持部267を形成する樹脂は、第5の実施形態で用いられた樹脂と同じ樹脂を用いることができる。
次に、本発明の第6の実施形態について図16および図17を参照して説明する。
本実施形態の超音波モータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、保持部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図16および図17を用いて保持部周辺のみを説明し、押え蓋等の説明を省略する。
図16は、本実施形態に係る超音波モータの構成を説明する平面視図である。図17は、図16の圧電素子の構成を説明する図であり、図17(a)は超音波モータの半径方向から圧電素子を見た図であり、図17(b)は円周方向から圧電素子を見た図であり、図17(c)は図17(a)におけるQ−Q´断面図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
圧電素子303の振動における節の位置となる略中央には、貫通孔304が形成されている。圧電素子303には、圧電素子3を保持する保持部(保持部材)317と、圧電素子303を被駆動体7に向けて付勢する板バネ19とが備えられている。
保持部317を形成する樹脂は、第5の実施形態で用いられた樹脂と同じ樹脂を用いることができる。
また、貫通孔304にも樹脂が充填されているため、保持部317を圧電素子303により確実に取り付けることができる。
例えば、上記の実施の形態においては、この発明をカメラのレンズの駆動原に適応して説明したが、この発明はレンズの駆動源に限られることなく、その他各種の駆動源に適応できるものである。
3,153,303 圧電素子(振動子)
5 ケース(支持部材)
7,67 被駆動体
13 ガイド面(位置決め部、対向面)
15 誘導溝(位置決め部、溝部)
17,67,117,167,217,267,317 保持部(保持部材)
19 板バネ(付勢部材)
21 駆動接触部
23,123,323 側壁部(位置決め部)
25 基部
27 ピン部(位置決め部、凸部)
77 突出部(位置決め部、凸部)
154,304 貫通孔
S 隙間
Claims (10)
- 電力が供給されることにより振動を発生する振動子と、
前記振動子に固定される保持部材と、
前記振動子を所定方向に向けて付勢する付勢部材と、
前記保持部材を前記所定方向に移動可能に支持する支持部材とを有し、
前記保持部材および前記支持部材に、前記所定方向に対して略垂直な平面上に投影される前記振動子の位置を所定の精度で定める位置決め部が備えられ、
前記保持部材が、少なくとも前記振動子を前記所定方向に対して交差する方向に挟む一対の側壁部を有し、
前記位置決め部が、前記側壁部および前記側壁部から突出する凸部と、前記支持部材に備えられ、前記側壁部に接触する対向面および該対向面において前記所定方向に延び、前記凸部を所定方向に移動可能に収容する溝部とからなる超音波駆動装置。 - 前記保持部材が、前記一対の側壁部を連結する基部を備え、
前記振動子が、前記基部を介して前記付勢部材により押圧される請求項1に記載の超音波駆動装置。 - 前記側壁部が前記振動子との接触面において固定されている請求項1または請求項2に記載の超音波駆動装置。
- 前記基部が前記振動子との接触面において固定されている請求項2に記載の超音波駆動装置。
- 前記振動子と前記側壁との間に隙間が形成されている請求項4に記載の超音波駆動装置。
- 前記側壁部と前記基部とが前記振動子との接触面において固定されている請求項2に記載の超音波駆動装置。
- 前記保持部材が樹脂材から形成され、
前記保持部材が前記位置決め部と一体に形成され、前記振動子に固定されている請求項1から請求項6のいずれかに記載の超音波駆動装置。 - 前記振動子により発生された振動により駆動される被駆動体と、
前記振動子と前記被駆動体との間に配置された駆動接触部とを有し、
該駆動接触部が、前記保持部材と一体に形成されている請求項7に記載の超音波駆動装置。 - 前記振動子に、振動の節となる位置に、振動方向と交差する向きに延びる貫通孔が形成され、
該貫通孔が形成された領域に、少なくとも前記保持部材が前記振動子と一体に形成されている請求項7または請求項8に記載の超音波駆動装置。 - 前記振動子により発生された振動により駆動される被駆動体と、
前記振動子と前記被駆動体との間に配置された駆動接触部と、を有し、
該駆動接触部が、前記保持部材と一体にアウトサート形成されるとともに、前記振動子と前記側壁部との間に隙間が形成されている請求項1または請求項2に記載の超音波駆動装置。
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