JP4633375B2 - 軸受 - Google Patents

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Description

本発明は軸受に関し、より具体的には、自動車のエンジンやトランスミッションなどのように高温雰囲気(100〜200℃)で用いられる軸受に関するものである。
軸受に使用される鋼(特に軸受鋼等)は高い表面硬さ(HRC58以上)を得るために、A1変態点以上の温度で加熱した後、油等に焼入れを行い、マルテンサイト組織を得る。次いで、内部応力除去のため200℃以下の低温焼戻を行う。このとき、上記焼入れ前の加熱によって生成するオーステナイトがすべてマルテンサイトに変態するわけではなく、オーステナイト相の一部はマルテンサイトの中に残留オーステナイトとして残留する。この残留オーステナイトは熱的に不安定なため、長時間常温に放置しておくと、徐々にマルテンサイトに変態して体積が膨張する。この結果、軸受部品の寸法が時間と共に変化することになる。この経時的な寸法変化は、軸受としての機能を劣化させる要因となる。
機能劣化の代表例としては、寸法が規格外れになり、特に内方部材である内輪の内径の寸法が大きくなり、軸との間でクリープを発生させ場合を挙げることができる。また、軸受すき間(ラジアルすき間,円周方向すき間)が減少し、軸受内で温度上昇や金属同士の接触を助長する可能性がある。
上記の寸法の経年変化を抑えるために、焼入れ後に氷点以下に冷却して(サブゼロ処理)、残留オーステナイトをマルテンサイトに変態させる方法が実際に行われている。(非特許文献1参照)。
軸または内輪などの内方部材の一部分(ころ軌道面)を高周波熱処理により硬化させ、かつ内方部材の端面をかしめて固定するころ軸受では、高周波熱処理を用いるので表面のみ硬化することができる。このため、光輝熱処理を行った軸受と比較し、残留オーステナイト量が少なく、経年変化が小さい。この結果、上記内方部材は自動車のエンジンやトランスミッション等の高温雰囲気(100〜200℃)で使用されても、経年変化が問題になることはほとんどなく、従来は、転動軸の表面硬さや硬化層深さを管理していればよかった。たとえば、転動軸など内方部材の端面をかしめるためにその軸長手方向に沿って硬さ管理を行うことが提案されている(特許文献1参照)。
特開平5−321616号公報 不二越熱処理研究会:新・知りたい熱処理(ジャパンマシニスト社)、140〜142頁
自動車のエンジンやトランスミッション等の高温雰囲気(100〜200℃)には、軸受の部品の一部分に高周波熱処理によって硬化層を形成し、硬化しない端部をかしめた部品を含む軸受が用いられる。高周波熱処理を用いることから、表面のみ硬化することができ、光輝熱処理を行った軸受と比較し、上述のように残留オーステナイト量が少なく、経年変化が小さため、従来は経年変化がほとんど問題になることはなかった。
しかし、最近のエンジンやトランスミッションの高機能化(高速化・高荷重化)や軽量コンパクト化に伴い、軸受にも高機能化および長寿命化が要求されている。最近の軸受の破損形態は、上記経年寸法変化による局部的な面圧の上昇により、機能劣化が発生し、とくに軸受すき間(ラジアルすきま)が減少し、軸受内の温度上昇や金属同士の接触を助長し、表面損傷型の剥離が発生する可能性がある。
このため、軸受の内方部材の一部分、たとえば転動軸の表層部(軌道面)を高周波熱処理により硬化させ、非硬化部の端部をかしめて固定する軸受でも、経年変化抑制の対策が必要となっている。
本発明は、高周波焼入硬化層を有し、かしめ加工される内方部材を含み、自動車ミッション等のように高温にさらされる軸受において、表面損傷型の剥離を抑制することができる軸受を提供することを目的とする。
本発明の軸受は、内方部材と、その外側周囲に位置し内方部材と相対的に回動自由の関係にある外方部材とを有し、内方部材が高周波焼入れによる表面硬化層を有する軸受である。この軸受において、内方部材は、加熱処理230℃×2hの処理前と処理後とにおける中央の径の寸法変化率が10×10−5〜50×10−5の範囲にある。内方部材は、高炭素クロム軸受鋼を用いて形成されている。内方部材の長手方向中央部の表面硬化層の深さは表面硬化層の端部に比べて深く、長手方向中央部に向かうに従って深くなっているか、または長手方向中央部において全断面にわたっている。内方部材の軌道面中央部が軌道面端部に比べて残留オーステナイトが多くなっている。
この構成により、軸または内輪などの内方部材の一部分を高周波熱処理により硬化させ、非硬化部の端部をかしめる軸受では、経年寸法変化する部分を、高周波熱処理の影響がある部分に限定することができる。局部的な面圧の上昇により機能劣化が発生し、とくに軸受すき間(ラジアルすきま)の減少に起因する軸受内の温度上昇や金属同士の接触によって助長される表面損傷型の剥離を防止することが可能になる。また、その限定された部分における経年寸法変化を有効に活用することにより、上記の範囲の寸法変化により、たとえばころのエッジロードを解消し、かつ内方部材の形状を時間および温度とともに凸形状(太鼓状)に変形させ、緩やかなクラウニング形状を形成させることができる。この結果、ころのエッジ部との接触応力を緩和させることが可能となる。
(実施の形態1)
図1〜図3は、本発明の実施の形態1における軸受であるロッカーアーム用軸受10を示す断面図である。図1〜図3を参照して、いずれのロッカーアーム用軸受10も、図示していないカムと接触する外方部材(外輪)2と、ころ3と、ロッカーアーム部5と、ロッカーアーム部にかしめ加工により固定される内方部材(内輪または転動軸)1とを備えている。
転動軸1は、ころと接触する転走面に高周波焼入処理が施され、残留オーステナイト量が調整された高周波焼入層1aが形成されている。高周波焼入による硬化層は、かしめ部1bには及ばないようにされ、このためかしめ部1bは、高周波焼入層よりは大幅に低い硬度を有している。転動軸1は、JISG4805 SUJ2(C:0.95〜1.10重量%、Si:0.15〜0.35重量%、Mn:0.50重量%、P:0.025重量%以下、S:0.025重量%以下、Cr:1.30〜1.60重量%)を用いて形成されている。
図1に示す軸受の転動軸の高周波焼入層1aでは、ほぼ一定の深さで高周波焼入層が形成されており、その深さは図2〜図3に示す高周波焼入層よりも浅い。図2に示す転動軸の高周波焼入層1aは、中央部で深くなる形状を有している。図3に示す転動軸の高周波焼入層1aは、転動軸の中心軸にまで及び、転動軸全断面にわたって形成されている。
本発明の実施の形態におけるロッカーアーム用軸受10の転動軸1は、加熱処理230℃×2hの処理前と処理後とにおける中央の径の寸法変化率が10×10-5〜50×10-5の範囲にあるようにする。上記寸法変化率を実現するために、上記軸受10の転動軸1の高周波焼入層1aでは、高周波焼入処理(焼戻を含む)を行ったあと、その表面において硬度はHRC59〜65の範囲に調整され、またその表面において残留オーステナイト量は30%以下に調整されることが望ましい。上記残留オーステナイトは、耐転動疲労性の向上に有効なので、10%以上含むことが望ましい。
図4〜図6は、図1〜図3に示す転動軸1の使用後の形状を示す図である。図4〜図6を参照して分かるように、一般に、高周波焼入層が深く、その体積率が大きいほど、使用後の寸法変化率も大きい。図6に示す転動軸にのみ寸法変化率の定義式を示すが、図4および図5に示す転動軸においても同様の定義式が適用されることはいうまでもない。Doは230℃×2時間加熱処理前の径を表し、転動軸の端部での径にほぼ等しい。D1は上記加熱処理後の転動軸中央部での径である。図4〜図6の転動軸について、加熱処理230℃×2時間の処理前後における寸法変化率が10×10-5〜50×10-5の範囲にある。
図1〜図3に示す転動軸の高周波焼入層1aの形状は、高周波熱処理の条件設定によって、硬化層パターン(熱影響層)は自由に変化させることができる。高周波焼入条件は、周波数、加熱時間、電力量、ヒートパターンによって決められる。さらに、コイル形状(高周波コイルの変更を伴う場合もある)、冷却剤の種類、冷却時間、サブゼロ処理、製品の焼戻前温度、焼戻温度等の要件が重要である。その他に鋼素材の成分、表面硬化層の分布形状等を制御することによって、上記経年寸法変化をある一定範囲に抑制することが可能となる。
上記転動軸において、熱影響範囲が最も大きい図3に示す軸受では、残留オーステナイト量が多い傾向であり、寸法変化率も大きくなる。高周波焼入層において、図3→図2→図1の順に、残留オーステナイト量は順に少なくなり、寸法変化率も小さくなる。したがって、自動車のエンジンやトランスミッション等の高温雰囲気(100〜200℃)で使用される軸受としては、寸法変化率を上記範囲の低い範囲内に抑制しようとする場合、図1の硬化層パターンが望ましい。しかし、図2および図3に示す高周波焼入層パターンであっても熱処理条件を制御することで残留オーステナイト量を減らすことができ、寸法変化率を小さくすることができる。また、図2および図3に示す高周波焼入層パターンの場合、軌道面中央部が軌道面端部に比べ残留オーステナイトの体積が多いため、軌道面中央部が膨らむ緩やかな形状に変形させることができるため、ローラのクラウニング効果と同様にエッジ応力を効率よく回避することができる。
ころのエッジロードを解消するための経年変化は、例えば、上記軸径又は内輪外径がφ10mmの場合、軌道面中央部の経年変化量は+2〜+6μmであることが軸受の面圧計算より分かっている。上記内方部材の経年寸法変化を制御するためには、上述のように高周波熱処理における高周波焼入条件を制御する必要がある。
図7および図8に高周波焼入処理の条件を示す。図7に示す条件では、50kHzという比較的低い周波数を用いるので電力は、表面電流で遮蔽されることなく比較的深い位置にまで投入される。このため図2または図3に示す高周波焼入層を形成するのに適している。加熱温度は850〜900℃と低目にすることにより、未固溶の炭化物を多くして焼入後の残留オーステナイト量を抑制することができる。最高温度までの加熱時間は、1.2秒という短時間で行うため、オーステナイト粒径は比較的微細にすることができる。上記、高周波焼入の後に焼戻を行う。高周波焼入のあと焼戻を行う場合もあるし、行わない場合もある。どちらの場合も高周波焼入処理と呼ぶこととする。図7の場合は、180℃というやや高い温度にする。この焼戻温度を高めにすることによっても残留オーステナイトの分解量をそれほど多くはないが増やして、残留オーステナイト量の調整をすることができる。
図8では、150kHzという高い周波数を用いるので、電力が浸透する深さは図7の場合よりも浅くなり、図1または図2に示す高周波焼入層を形成するのに適している。この場合、最高温度までは1.0秒という短時間で加熱する。焼戻温度は、高周波焼入の条件が残留オーステナイトを抑制する条件であるため、160℃という低目の温度にする。
上記のように、焼戻条件を含む高周波焼入条件を調整することにより、任意の形状および任意の残留オーステナイト量の高周波焼入層を形成することができる。このような製造条件を目標とする残留オーステナイト量、硬さまたは寸法変化率、硬さとなるように設定する。この結果、高温環境で使用して高耐久性を示す軸受を提供することが可能になる。
経年寸法変化は、上記要因がそれぞれ相互に影響を及ぼし合って決定される。また上記経年寸法変化は、軸の形状,高周波熱処理設備等によって変化するため、演繹的に高周波焼入条件を設定することは難しい。このため、製品のできあがり具合に基づいて、トライアルエラーによって調整する。
図9は、経年寸法変化の加速試験である230℃×2時間加熱処理の処理前後のころの寸法変化率と、150℃、120℃および100℃にそれぞれ2500時間保持の前後のころの寸法変化率との関係を示す図である。150℃、120℃および100℃にそれぞれ2500時間保持後の縦軸における寸法変化率は、軸受を長時間使用した場合の寸法変化率と解することができる。また、230℃×2時間の加熱処理では、残留オーステナイトがマルテンサイトとε炭化物とにほとんど分解される加速試験(経年寸法変化の短時間評価試験)と解することができる。これらはいずれも光輝熱処理品である。
図9より、軸受を長時間使用した場合の経年変化を簡易的に短時間で推測することができる。本発明の実施の形態における軸受では、軸受の面圧計算および図9より、次のように管理する。
230℃×2h加熱処理前後の軌道面中央部寸法変化率((加熱処理後の寸法−加熱処理前の寸法)/加熱処理前の寸法):10×10-5〜50×10-5
上記のように管理した内方部材(軸又は内輪)を製作することにより、ころのエッジロードを解消し、かつ、軸受にとって適正な転動面圧下で使用できる軸受を提供する。また、高周波焼入処理の硬化層パターン(熱影響層)としては、転動軸の長手方向に沿って均一な深さの硬化層パターンではなく、中央部の硬化層を深くする。このような中央部で深い硬化層パターンを用いることで、より緩やかなクラウニング形状ができる。この結果、ころエッジ部の応力を緩和させることができローラのクラウニングを廃止及び少量のドロップ量にすることができ、コスト低減が可能となる。ただし、初期では軸の軌道面はストレートなため、エッジ応力の発生が予測される。これを避けるために、軸受として使用する前に熱影響にて経年変化させたものを組み込むことも可能である。
図10は、本発明の実施の形態1の変形例の軸受を示す図である。図10において、上記のロッカーアーム用軸受において、ころを含まず、外輪と内輪である転動軸とが接触するタイプの滑り軸受を示す図である。このような軸受10において、転動軸1の高周波焼入層を上記の範囲に設定することにより、高温環境で高い耐久性を確保できる軸受を提供することができる。
(実施の形態2)
図11は、本発明の実施の形態2における軸受を示す図である。このATミッション50に用いられる遊星歯車の軸受である。図11において、この軸受は、遊星歯車である外輪42と、内輪である転動軸48と、外輪と転動軸との間に介在するころ46とを含む。外輪42に設けた歯車の歯は、太陽歯車軸41に固定されその太陽歯車軸と連動する太陽歯車と、互いにかみ合うように配置される。内輪48は、その端部においてかしめ加工され、キャリア44に固定される。
図11に示す転動軸は、JISG4805 SUJ2(C:0.95〜1.10重量%、Si:0.15〜0.35重量%、Mn:0.50重量%、P:0.025重量%以下、S:0.025重量%以下、Cr:1.30〜1.60重量%)を用いて形成されている。
上記の遊星歯車の転動軸48の高周波焼入層では、上述したように高周波焼入処理(焼戻を含む)が施されている。この転動軸48において、230℃×2時間の加熱処理前後の寸法変化率は、10×10-5〜50×10-5の範囲にある。上記寸法変化率を実現するための高周波焼入などについては、本発明の実施の形態1に説明した方法を用いることができる。
高周波熱処理ヒートパターンとして図7および図8に示すパターンを用いて転動軸の高周波焼入を行ない、図1〜図3に示す軸受の転動軸1に高周波焼入硬化層を設けた。鋼素材には、上記のSUJ2を用いた。高周波熱処理条件は高周波熱処理設備(特に、周波数,コイル形状等)により、高周波出力、加熱時間等は大きく変化するため、代表的な条件のみを記載したが、本発明は製品のできあがり具合で判定しているため、高周波熱処理条件を限定するものではない。同様に、焼戻しについても、焼戻回数,焼戻温度,焼戻時間等の条件を限定するものではない。また、経年変化を抑制するために、高周波熱処理後にサブゼロ処理を入れることは可能である。結果を表1に示す。
Figure 0004633375
表1によれば、本発明の範囲の経年寸法変化率の軸受では、温度上昇が比較例に比べて小さく、温度上昇が抑制されていることが明瞭である。高周波焼入硬化層の形状は、図3→図2→図1の順に残留オーステナイト相は少なくなり、寸法変化率も小さくなる。自動車のエンジンやトランスミッション等の100℃〜200℃の高温雰囲気で使用される軸受としては図1に示す転動軸が望ましい。
しかし、図2および図3の硬化層形状であっても熱処理条件を制御することにより残留オーステナイト量を減らすことができ、寸法変化率を小さくすることができる。また、図2および図3に示す転動軸の場合、転動軸中央部が端部に比べて残留オーステナイト量は多いため、中央部が緩やかに膨らむ形状に変形させることができる。この結果、ローラのクラウニング効果と同様にエッジ応力を効率よく回避することができる。
次に上記本発明の実施の形態に例示されたものも含めて、本発明の実施の形態を羅列的に説明する。
上記内方部材の表層部に窒素富化層を有してよい。表層部に窒素富化層を形成することにより安定な残留オーステナイトを形成し、表面損傷型の剥離を抑制しながら経年寸法変化を調整してクラウニング形状を調整し、エッジ部の応力調整を容易化することができる
上述したように、軸受がロッカアーム用のローラフォロア軸受であり、内方部材の端部がロッカアームにかしめ固定されてもよい。
また、上記の軸受がトランスミッション用の遊星用の軸受であり、内方部材がキャリアにかしめ固定されていてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の軸受を用いることにより、内方部材の径中央の寸法変化率を10×10-5〜50×10-5の範囲内に入れ、ころのエッジロードを解消し、かつ、軸受にとって適正な転動面圧下で使用できる軸受を提供することができる。
本発明の実施の形態1における軸受を示す図である。 本発明の実施の形態1における他の軸受を示す図である。 本発明の実施の形態1におけるさらに別の軸受を示す図である。 図1の軸受の使用後の転動軸を示す図である。 図2の軸受の使用後の転動軸を示す図である。 図3の軸受の使用後の転動軸を示す図である。 本発明の実施の形態1における転動軸への高周波焼入条件を示す図である。 本発明の実施の形態1における転動軸への他の高周波焼入条件を示す図である。 加熱処理230℃×2時間における寸法変化率と、100、120、150℃×2500時間における寸法変化率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1における変形例を示す図である。 本発明の実施の形態2における軸受を示す図である。
符号の説明
1 転動軸(内方部材)、1a 高周波焼入硬化層、1b かしめ部、2 外輪(外方部材)、3 ころ(転動体)、5 ロッカーアーム、10 ロッカーアーム用軸受。

Claims (4)

  1. 内方部材と、その外側周囲に位置し前記内方部材と相対的に回動自由の関係にある外方部材とを有し、前記内方部材が高周波焼入れによる表面硬化層を有する軸受において、
    前記内方部材は、加熱処理230℃×2hの処理前と処理後とにおける中央の径の寸法変化率が10×10−5〜50×10−5の範囲にあり、
    前記内方部材は、高炭素クロム軸受鋼を用いて形成され、
    前記内方部材の長手方向中央部の前記表面硬化層の深さが前記表面硬化層の端部に比べて深く、長手方向中央部に向かうに従って深くなっているか、または長手方向中央部において全断面にわたっており
    前記内方部材の軌道面中央部が軌道面端部に比べて残留オーステナイトが多くなっている、軸受。
  2. 前記内方部材の表層部に窒素富化層を有する、請求項1に記載の軸受。
  3. 前記軸受がロッカアーム用のローラフォロア軸受であり、前記内方部材の端部がロッカアームにかしめ固定される、請求項1または2に記載の軸受。
  4. 前記軸受がトランスミッション用の遊星用の軸受であり、前記内方部材がキャリアにかしめ固定される、請求項1または2に記載の軸受。
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