JP4632684B2 - プロセス制御方法およびこれを用いた装置、並びにシート状物製造方法 - Google Patents

プロセス制御方法およびこれを用いた装置、並びにシート状物製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、温度、圧力、流量、レベルなどの物理量のプロセス制御に用いるプロセス制御方法およびこれを用いた装置、並びにシート状物製造方法に関する。
従来、工業・化学プラントでは温度、圧力、流量、レベル制御に、例えばPID制御が利用されている。このPID制御は、製造対象物の製造プロセスにおいて、制御対象である物理量の実測値と予め設定した基準値を比較し、求まる偏差を小さくするための演算制御出力値をデジタル演算機器により算出し、その結果をアナログ信号に変換した後に、当該アナログ信号にしたがって操作対象の操作量を調節している。このPID制御では、デジタル演算機器の算出結果の演算制御出力値に比例するアナログ信号に変換出力する連続比例方式や、算出結果の演算制御出力値にしたがって、操作対象のON/OFF操作のタイミングを調節する時間比例方式の2通りが提案・実施されている(例えば、特許文献1参照)。
上述の連続比例方式と時間比例方式を利用してヒータに供給する電力を調節する制御機器を例に採って説明する。
連続比例方式の場合、製造プロセスにおいて制御対象である温度(実測値)を熱電対を利用してデジタル制御機器に入力し、この実測値とデジタル制御機器に予め記憶されている温度の基準値を比較し、求まる偏差に応じて0〜100%の制御出力値(MV)をデジタル値として取得している。さらに、当該制御出力値を次式(1)を利用して4〜20mAのアナログ値(AO)に変換し、ヒータに供給する電力を調節する電力調節器に出力する。電力調節器では、入力されたアナログ値の4〜20mAの信号と電力調節器自体の最大出力電力(Pmax)を比較し、次式(2)からヒータに供給する電力(PA)を決定している。
AO=16/100×MV+4 … (1)
PA=Pmax(AO−4)/16 … (2)
また、時間比例方式の場合、デジタル制御機器により0〜100%の制御出力(MV)をデジタル値で取得する。さらに、デジタル制御機器に予め設定されている所定の時間間隔で演算処理を行う演算周期(CP[msec])と、制御出力(MV)からヒータに電力を供給する時間(PON[msec])と供給しない時間(POFF[msec])を次式(3),(4)を利用して決定している。つまり、電力を供給するON信号と供給しないOFF信号を所定の時間間隔で交互に出力している。
PON=CP×MV/100 … (3)
POFF=CP×(100−MV)/100 … (4)
特開平10−308635号公報
しかしながら、従来の方式を利用したデジタル制御機器では次のような問題がある。
すなわち、デジタル制御機器で算出されるデジタル値の制御出力をアナログ変換(D/A変換)する場合に、装置精度により分解能が悪くなるといった問題がある。
一般的なデジタル制御機器では、8ビットのD/A変換が利用されている。当該デジタル制御機器により浮動小数点演算された制御出力値が、小数点以下12位までを有効桁数として算出された場合でも、算出された制御出力値をD/A変換するときには小数点以下1位までを有効桁数とするので、変換後の分解能が悪くなる。したがって、算出されるデジタル値である制御出力値が、小数点以下第2位以下で連続的に変化していても、それらの値は切り捨てられるのでD/A変換されたときには、その数値変化はアナログ信号には反映されない。その結果、上述のように0〜100%の制御出力値を4〜20mAのアナログ値に変換する際にアナログ信号変換後の値が4.1mA未満となる値で制御したい場合は、少数点以下第2位以下の値が切り捨てられ、アナログ信号にその値が反映されずに出力0%と判断され、動作すべき操作対象が動作せず、変化量の小さい制御対象を精度よく制御することができないといった問題が発生している。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、プロセス制御において制御対象を精度よく制御することのできるプロセス制御方法およびこれを用いた装置、並びにシート状物製造方法を提供することを主たる目的としている。
第1の発明は、予め設定した溶融した原材料の制御パラメータの基準値と実測値の比較から求まる偏差を利用し、制御するための制御出力値をデジタル演算器により算出した後に、デジタル値である制御出力値をD/A変換器によりアナログ信号に変換し、このアナログ信号にしたがって操作対象を操作しながら制御対象を制御するプロセス制御方法において、
前記デジタル演算器とD/A変換器の精度差によって発生する制御出力値の偏差を、実制御出力値と出力時間によって補うように以下のように補正演算処理する、
(A)前記デジタル演算器で算出した理論制御出力値の浮動小数点以下の有効桁数をD/A変換器の浮動小数点の有効桁数まで切り上げ調整し、
(B)当該補正演算処理を所定の時間間隔で行う演算周期内において、前記切り上げ調整後の実制御出力値の出力時間を、調整後の実制御出力値と調整前の理論制御出力値の比較により算出し、
(C)演算周期内で出力する前記調整後の実制御出力値、当該実制御出力値を出力する時間である第1出力時間値、および当該実制御出力値を出力しない時間である第2出力時間値を前記D/A変換器に入力し、演算周期の最初に第1出力時間値を、その後に第2出力時間値を設定する
ことを特徴とする。
(作用・効果) この方法によると、デジタル演算器とD/A変換器の精度差によって発生する偏差を実制御出力値と出力時間によって補うことにより、出力することのできなかった偏差分を反映させて制御対象を制御することができる。すなわち、変化の小さい制御対象の変化量を偏差に含ませた状態で制御対象を制御することができるので、制御対象を精度よく制御することができる。
具体的には、デジタル演算器で算出した理論制御出力値の浮動小数点以下の有効桁数をD/A変換器の浮動小数点の有効桁数に合せるために、その有効桁数まで理論制御出力値を所定の浮動小数点まで切り上げ調整する。また、調整前後の両制御出力値を比較して、調整後の実制御出力値を所定の演算周期内で出力する出力時間を求め、実制御出力値と出力時間によって偏差分を補う。したがって、出力することのできなかった機器の精度差による偏差分を制御出力することができる。
すなわち、変換精度の低い汎用のD/A変換器を用いても、D/A変換器自体の最小出力値未満の値を制御出力することができる。その結果、汎用のD/A変換器を利用しながらも精度の高いプロセス制御を安価に構築することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記補正演算処理は、さらに以下の過程を備える、
(D)理論制御出力値の閾値を予め設定しておき、前記デジタル演算器で算出された理論制御出力値と閾値を比較し、
(D1)前記理論制御出力値が閾値以上の場合は、理論制御出力値と未補正の出力時間をD/A変換器に入力する過程と、
(D2)前記理論制御出力値が閾値未満の場合は、前記(A)過程から(C)過程の補正演算処理を行う過程と、
を備えたことを特徴とする。
(作用・効果) この発明によると、理論制御出力値の閾値を予め設定しておくことで、理論制御出力値が閾値未満になった場合に、D/A変化したときに発生する偏差分を制御出力することができる。例えば、ヒータにより温度制御する場合に温度が略一定で温度変化が小さい状態で温度制御するとき、ヒータに電力供給することのできる制御出力値の最小値を閾値に設定する。このように閾値を設定すれば、制御出力値の最小値未満の値を偏差分として実制御出力と出力時間とで補って温度制御を行うことができる。すなわち、温度変化の小さい状態において、精度よく温度制御することができる。なお、温度に限らず、圧力、流量、レベル、および各種物理量の変化の小さい状態において適用することができる。
第3の発明は、予め設定した溶融した原材料の制御パラメータの基準値と実測値の比較から求まる偏差を利用し、制御するための制御出力値をデジタル演算器により算出した後に、デジタル値である制御出力値をD/A変換器によりアナログ信号に変換し、このアナログ信号にしたがって操作対象を操作しながら制御対象を制御するプロセス制御方法において、
前記デジタル演算器とD/A変換器の精度差によって発生する制御出力値の偏差を、実制御出力値と出力時間によって補うように以下のように補正演算処理する、
(A)前記デジタル演算器で算出した理論制御出力値の浮動小数点以下の有効桁数をD/A変換器の浮動小数点の有効桁数まで切り上げ調整する過程と、
(B)当該補正演算処理を所定の時間間隔で行う演算周期内において、前記切り上げ調整後の実制御出力値の出力時間を、調整後の実制御出力値と調整前の理論制御出力値の比較により算出する過程と、
(C)演算周期内で出力する前記調整後の実制御出力値、当該実制御出力値を出力する時間である第1出力時間値、および当該実制御出力値を出力しない時間である第2出力時間値を前記D/A変換器に入力する過程と、
(E)調整後の前記実制御出力値の第1出力時間値および第2出力時間値に基づき、演算周期の最初に第1出力時間値を設定して操作対象をONにする信号を当該操作対象に入力し、その後に第2出力時間値を設定して操作対象をOFFに切換する信号を操作対象に入力する過程と、
を備えたことを特徴とする。
(作用・効果) この発明によると、ON/OFF切換の切換信号をアナログ信号に変換することなく操作対象に直接に入力して操作することができ、操作対象の切換操作が容易となる。
第4の発明は、加熱手段により加熱して溶融した原材料を加熱手段または/および冷却手段により加熱または/および冷却しながら原材料を溶融してシート状物を製造する過程において、予め設定した原材料の溶融温度の基準値と実測値の比較から求まる温度偏差を利用し、当該溶融温度を制御するための制御出力値をデジタル演算器により算出した後に、デジタル値である制御出力値をD/A変換器によりアナログ信号に変換し、このアナログ信号にしたがって加熱手段に供給する電力量または/および冷却手段に供給する冷却媒体の供給量を調整しながらシート状物を製造するシート状物製造方法において、
前記デジタル演算器とD/A変換器の精度差によって発生する制御出力値の偏差を次のようにして補正演算処理する、
(A)前記デジタル演算器で算出した理論制御出力値の浮動小数点以下の有効桁数をD/A変換器の浮動小数点の有効桁数まで切り上げ調整し、
(B)当該補正演算処理を所定の時間間隔で行う演算周期内において、前記切り上げ調整後の実制御出力値の出力時間を、調整後の実制御出力値と調整前の理論制御出力値の比較により算出し、
(C)演算周期内での前記調整後の実制御出力値、当該実制御出力値を出力する時間である第1出力時間値、および実制御出力値を出力しない時間である第2出力時間値を前記D/A変換器に入力し、演算周期の最初に第1出力時間値を、その後に第2出力時間値を設定する
ことを特徴とする。
(作用・効果) この発明によると、デジタル演算器とD/A変換器の精度差によって発生する原材料の溶融温度の温度偏差を実制御出力値と出力時間によって補うことにより、出力することのできなかった温度偏差分を反映させることができる。つまり、原材料の溶融温度を制御するための加熱手段に供給する電力量と、冷却手段に供給する冷却媒体の供給量を調整することで実現することができる。すなわち、小さい温度変化の変化量を偏差に含ませた状態で温度制御することができるので、溶融温度を精度よく制御することができる。
なお、本発明における「シート状物」とは、フィルムおよびシートを含むものである。
第5の発明は、予め設定した溶融した原材料の制御パラメータの基準値と実測値の比較から求まる偏差を利用し、デジタル演算処理により算出した制御出力値をD/A変換器によりアナログ信号に変換し、このアナログ信号にしたがって操作対象を操作しながら制御するプロセス制御装置において、
前記制御対象の基準値と実測値の比較から偏差を求めるとともに、この偏差から制御対象の演算制御出力値をデジタル演算により算出する制御演算手段と、
前記制御演算手段で算出された演算制御出力値に応じて制御対象への理論制御出力値に変換する数値変換手段と、
前記制御演算手段と前記数値変換手段とからなるデジタル演算器と前記D/A変換器との精度差によって発生する制御出力値の偏差を、デジタル演算器で算出した理論制御出力値の浮動小数点以下の有効桁数をD/A変換器の浮動小数点の有効桁数まで切り上げ調整し、
当該補正演算処理を所定の時間間隔で行う演算周期内において、前記切り上げ調整後の実制御出力値の出力時間を、調整後の実制御出力値と調整前の理論制御出力値の比較により算出し、演算周期内での実制御出力値、当該実制御出力値を出力する時間である第1出力時間値、および実制御出力値を出力しない時間である第2出力時間値によって補正する補正演算手段とを備え、
演算周期の最初に第1出力時間値を、その後に第2出力時間値を設定するよう構成した
ことを特徴とする。
(作用・効果) この発明によると、制御演算手段は、制御対象の基準値と実測値の比較から偏差を求めるとともに、この偏差から制御対象の演算制御出力値をデジタル演算により算出する。数値変換手段は、制御演算手段で算出された演算制御出力値に応じて制御対象の制御出力値に変換する。補正演算手段は、前記制御演算手段と数値変換手段とからなるデジタル演算器と前記D/A変換器との精度差によって発生する制御出力値の偏差を、実制御出力値と出力時間によって補正する。したがって、この発明によると、第1の発明を好適に実現することができる。
第6の発明は、第5の発明において、前記プロセス制御装置は、さらに以下の構成を備える、
理論制御出力値の閾値を予め記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された閾値と、前記数値変換手段により変換された理論制御出力値を比較し、理論制御出力値が閾値以上であれば、当該理論制御出力値と未補正の出力時間を前記D/A変換器に入力し、理論制御出力値が閾値未満であれば、前記補正演算手段により実制御出力値と出力時間によって補正するように判定する比較判定手段と、
を備えたことを特徴とする。
(作用・効果) この発明によると、記憶手段は、理論制御出力値の閾値を予め記憶する。比較判定手段は、記憶手段に記憶された閾値と、数値変換手段により変換された理論制御出力値を比較し、理論制御出力値が閾値以上であれば、当該理論制御出力値と未補正の出力時間を前記D/A変換器に入力し、理論制御出力値が閾値未満であれば、補正演算手段により実制御出力値と出力時間によって補正するように判定する。したがって、この発明によると、第2の発明を好適に実現することができる。
第7の発明は、予め設定した溶融した原材料の制御パラメータの基準値と実測値の比較から求まる偏差を利用し、デジタル演算処理により算出した制御出力値をD/A変換器によりアナログ信号に変換し、このアナログ信号にしたがって操作対象を操作しながら制御するプロセス制御装置において、
前記制御対象の基準値と実測値の比較から偏差を求めるとともに、この偏差から制御対象の演算制御出力値をデジタル演算により算出する制御演算手段と、
前記制御演算手段で算出された演算制御出力値に応じて制御対象の理論制御出力値に変換する数値変換手段と、
前記制御演算手段と前記数値変換手段とからなるデジタル演算器と前記D/A変換器との精度差によって発生する制御出力値の偏差を、デジタル演算器で算出した理論制御出力値の浮動小数点以下の有効桁数をD/A変換器の浮動小数点の有効桁数まで切り上げ調整し、
当該補正演算処理を所定の時間間隔で行う演算周期内において、前記切り上げ調整後の実制御出力値の出力時間を、調整後の実制御出力値と調整前の理論制御出力値の比較により算出し、演算周期内での実制御出力値、当該実制御出力値を出力する時間である第1出力時間値、および実制御出力値を出力しない時間である第2出力時間値によって補正する補正演算手段とを備え、
かつ、前記補正演算手段によって算出した実制御出力値はD/A変換器に入力され、補正した実制御出力値の第1出力時間値および第2出力時間値は、演算周期の最初に第1出力時間値を設定して操作対象をONにする信号を当該操作対象に入力し、その後に第2出力時間値を設定して操作対象をOFFに切換する信号を操作対象に入力するように構成した
ことを特徴とする。
(作用・効果) この発明によると、制御演算手段は、制御対象の基準値と実測値の比較から偏差を求めるとともに、この偏差から演算制御出力値をデジタル演算により算出する。数値変換手段は、制御演算手段で算出された演算制御出力値に応じて制御対象の制御出力値に変換する。補正演算手段は、制御演算手段と数値変換手段とからなるデジタル演算器とD/A変換器との精度差によって発生する制御出力値の偏差を、実制御出力値と出力時間によって補正する。さらに、補正演算手段によって算出した一方の実制御出力値はD/A変換器に入力され、他方の補正した実制御出力値の出力時間は、その出力開始時点と終了時点に基づいて操作対象をON/OFF切換する切換信号に変換されて操作対象に入力されるように構成する。したがって、この発明によると、第3の発明を好適に実現することができる。
この発明に係るプロセス制御方法およびこれを用いた装置は、デジタル演算器とD/A変換器の精度差によって発生する制御出力値の偏差を実制御出力値と出力時間によって補うことにより、出力することのできなかった偏差分を反映させて制御対象を制御することができる。すなわち、変化の小さい制御対象の変化量を偏差に含ませた状態で制御対象を制御することができるので、制御対象を精度よく制御することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
なお、本実施例の場合、フィルム製造用の押出機においてフィルム製造時の樹脂(材料)温度をシリンダの温度制御によって調節する場合を例に採って説明する。このフィルムは、本発明のシート状物に相当する。
図1は、押出機の概略構成を示す側面図、図2はシリンダおよびその周りの概略構成を示すブロック図である。
本実施例に用いる押出機1は、ペレット状のプラスチックなどの材料2を供給するホッパー3と、内装したスクリュー4によって材料2を摩擦・剪断しながら搬送する搬送部5と、搬送部内の材料2を加熱するシリンダ6と、搬送部内で溶融した材料2を冷却して硬化させる冷却ロール8の表面に塗工するダイ7とから構成されている。
なお、押出機1からロールに塗工されてフィルム成形された材料2は、厚み調節ロール9、搬送ロール群r、フィルム化された材料2の表面処理(例えばコロナ処理など)を行う表面処理部10の順で搬送処理され、回収部であるターレット11に巻取り回収されるようになっている。以下、各部の構成について具体的に説明する。
シリンダ6は、搬送部5の基端から先端に向かって略等間隔に複数個(例えば図1では5個)付設されている。各シリンダ内には、加熱手段としてのヒータ類と、冷却手段として冷却水を循環させることのできる配管(図示しない)を備えた構成をしている。また、図2に示すように、加熱手段を調節するための各種出力信号を送信するコントローラ12が設けられている。なお、コントローラ12については後述する。
加熱手段は、ヒータ13と、ヒータ13に電力を供給する電力調節器14とから構成されている。なお、電力調節器14としては、例えば、サイリスタが利用されるがこれに限定されるものではない。
図1に戻って、塗工材料の厚みを調節するロール9は、例えば金属やゴム製のものが適宜に利用される。また、冷却ロール8は、そのロール内部に冷却水が循環するようになっている。つまり、溶融した材料2がロール上で均一に延伸される過程で、冷却硬化されるようになっている。
次に、本実施例の特徴であるプロセスの制御方法として、上述の押出機1を用いてシリンダ6の温度を制御する場合について図2に示すコントローラ12の構成を参照しながら具体的に説明する。なお、本実施例では、熱電対Sにより検出した温度の実測値を利用しコントローラ内でPID制御用の制御出力値(0〜100%)をデジタル演算して算出するとともに、算出されたデジタル値を4〜20mAのアナログ信号に変換して電力調節器14に適時に入力するようになっている。
図2に示すように、コントローラ12は、制御演算部15と、数値変換部16と、D/A変換器17とから構成されている。なお、制御演算部15は、本発明の制御演算手段に、数値変換部16は数値変換手段にそれぞれ相当する。
制御演算部15は、熱電対Sにより検出されたシリンダ6の温度(実測値)が入力され、この入力された実測値と制御演算部15に予め設定された製造プロセスにおける温度プロファイルの基準値を比較して偏差を算出し、この偏差を利用してヒータ13への電力供給をPID制御による演算制御出力値(MV0)としてデジタル演算により算出する。本実施例において算出される演算制御出力値(MV0)は、小数点以下第12位の有効桁数を含む0〜100%の値である。
数値変換部16は、制御演算部15で算出された小数点以下第12位の有効桁数を含むデジタル値である0〜100%の演算制御出力値(MV0)を前述の式(1)を利用し、アナログ信号の4〜20mAに変換する。
さらに、数値変換部16は、デジタル値をアナログ信号に変換する前にデジタル演算とアナログ変換により発生する精度差を補うように調整および補正する補正演算部16Aを備える。つまり、アナログ信号に変換する前段階の実制御出力値(MV2)と実制御出力値(MV2)の出力時間を算出する。なお、補正演算部16Aは、本発明の補正演算手段に相当する。
具体的な演算は、式(1)を利用して算出された小数点以下第12位の値を含む4〜20mAの暫定の理論制御出力値(MV1)の小数点以下第1位有効の分解能となるように小数点以下第2位の値を切り上げた実制御出力値(MV2)として4.0〜20.0mAの範囲の値に変換する。なお、この切り上げ調整は、後述するD/A変換器17の最初の出力値に合せたものである。
例えば、コントローラ12から電力調節器14にアナログ信号を送信するように行なわれる演算処理の演算周期が、図3(a)に示すように1秒間隔であって、先の演算周期t0において算出された演算制御出力値(MV0)の値が38.125(%)から後の演算周期t1において算出された演算制御出力値(MV0)の値が38.50(%)に変化した場合において、式(1)を利用して数値変換した理論制御出力値(MV1)を算出すると、演算周期t0における理論制御出力値(MV1)は10.1mA、制御周期t1における理論制御出力値(MV1)は10.16mAとなる。
ここで、従来装置の場合であれば、小数点以下第1位有効の分解能としてD/A変換してアナログ信号を出力するために、小数点以下第2位を切り下げた場合に1秒ごとの各演算周期t0および演算周期t1では、図3の矢印Aで示す(b)のように、それぞれが10.1mAの値が演算周期の1秒間に連続的に電力調節器14に出力されることになる。図示しないが、逆に小数点以下第2位を切り上げた場合は、10.2mAの値が演算周期の1秒間に連続的に電力調節器14に出力されることになる。
しかしながら、本実施例の押出機1の数値変換部16の補正演算部16Aでは、さらに次のような処理が行なわれる。
すなわち、理論制御出力値(MV1)の値の小数点以下第2位の値を切り上げた実制御出力値(MV2)を求め、さらに、理論制御出力値(MV1)と実制御出力値(MV2)の偏差を実制御出力値(MV2)の出力時間で補う。
具体的には、演算周期t秒、実制御出力値(MV2)の最小分解能r(本実施例では0.1)、MV0×16/100+4=x+a(ただし、xは実制御出力値の最小分解能で制限される小数点yまで有効な実数で、0<a<r)とした場合に、所定分解能となるように所定の小数点以下の値を切り上げて求めた実制御出力値(MV2)を出力する第1出力時間値(ON)と、出力しない第2出力時間値(OFF)とを次式(5)、(6)により求める。
第1出力時間値(ON)=(x+a−4)/(x+r−4)×t(秒) … (5)
第2出力時間値(OFF)=(r−a)/(x+r−4)×t(秒) … (6)
例えば、演算周期t0と演算周期t1とでは次にようになる。図3(a)に示すように、演算周期t0では、演算制御出力値(MV0)が38.125(%)であって、図3の(c)に示すように、数値変換して求めた実制御出力値(MV2)が10.1mAとして算出される。この実制御出力値(MV2)が演算周期内で連続的に出力される。
これに対して、理論制御出力値(MV1)が10.1mAから10.16mAに変化した演算周期t1では、数値変換して求めた実制御出力値(MV2)は小数点以下第2位を切り上げて10.2mAとなる。つまり、実制御出力値(MV2)を10.16mAから10.2mAに切り上げた偏差分だけの時間補正をした第1出力時間値(ON)と第2出力時間値(OFF)を上述の式(5),(6)を用いて算出する。具体的には、演算時刻t1からt2の1秒間に10.2mAを6.16/6.2秒間出力し、0.04/6.2秒間出力をOFFにするようにする。なお、本実施例では、第1出力時間に実制御出力値(MV2)を出力するようにし、第2出力時間は出力しないようになっている。換言すれば、第1出力時間値(ON)および第2出力時間値(OFF)は、演算周期tの1秒間で実制御出力値(MV2)の出力時間を切り換えるON/OFFのタイミングを決定している。この補正演算部16Aで算出された実制御出力値(MV2)と実制御出力値を時間補正したON/OFF信号をD/A変換器17に送信する。
次に、D/A変換器17は、数値変換部16の補正演算部16Aから出力される出力時間の調整された、演算周期内で制御出力をON/OFF切り換えするタイミングの信号と実制御出力値(MV2)をデジタル信号からアナログ信号に変換する。
D/A変換器17により変換されたアナログ信号は、電力調節器14に送信される。電力調節器14は、入力された4〜20mAのアナログ信号と電力調節器自体の最大出力電力を利用し、式(2)からヒータ13に供給する電力を決定する。
以上の処理が製造対象物のフィルムの製造が完了するまで、所定の演算周期ごとに行なわれる。
上述のように、制御演算部15によって算出された演算制御出力値(MV0)を所定の数値に単純に変換して同じ浮動小数点以下の有効桁数を有する理論制御出力値(MV1)をD/A変換した場合に、切り捨てられる所定の浮動小数点以下の値を切り上げ調整した実制御出力値(MV2)を求め、さらに、理論制御出力値(MV1)と実制御出力値(MV2)の偏差分を実制御出力値(MV2)の出力時間に時間補正することにより、従来装置では、制御出力として反映させることができなかった偏差分を出力することができる。つまり、制御対象である温度変化が小さい場合であっても、検出された微小な変化に対応してシリンダ6の温度制御が可能となる。
また、D/A変換により発生していた分解能の低下を解消することができる。その結果、一般に利用されている、例えば8〜10ビット程度のD/A変換器を利用しても、温度などの制御対象を精度よく制御することができる。
本実施例では、数値変換部16で算出される理論制御出力値(MV1)に対する閾値を予め設定しておき、演算周期ごとに算出される理論制御出力値(MV1)が閾値以上である場合は、求まる理論制御出力値(MV1)の小数点以下を所定の有効桁数に調整した実制御出力値(MV2)を演算周期内で連続的に出力し、閾値未満の場合には、上述の実施例1と同様に数値変換部16の補正演算部16Aにおいて演算周期内での出力時間を調整した実制御出力値(MV2)を演算処理により求めるように構成したものである。
すなわち、本実施例のコントローラ12Aは、図4に示すように、数値変換部内に記憶手段に相当する記憶部18と比較判定手段に相当する比較判定部19を備えている。当該比較判定部19が、数値変換部16で変換された理論制御出力値(MV1)が記憶部18に予め設定した閾値未満であるか否かを判定するようになっている。なお、数値変換部内に記憶部18と比較判定部19を備える以外は上述の実施例1と同じ構成であるので、同じ部分には同一符号を付すに留め詳細な説明は省略する。以下、上述の押出機1を用いた場合を例に採って、その処理を具体的に説明する。
押出機1でフィルムを製造する場合、ホッパー3から投入したペレット状のプラスチックを溶融するために初期段階で温度を上昇させた後、プラスチックが溶融した状態からは温度を一定に保つようされている。そこで、本実施例では、温度を一定に保つ状態の工程で、シリンダ6に内装したヒータ温度を微調整する場合を示す。
したがって、温度を一定に保つ工程では、シリンダ6の温度変化も小さいので制御出力も小さくなること、かつ、D/A変換器17の最小出力値(4.1mA)を考慮して4.1を閾値として予め記憶部18に設定する。
数値変換部16は、先ず、熱電対Sからの温度の実測値の入力に基づいて制御演算部15でヒータ温度をPID制御するための演算制御出力値(MV0)と、式(1)を利用して理論制御出力値(MV1)を算出する。これら演算制御出力値(MV0)および理論制御出力値(MV1)は、小数点以下第12位の値を含むものである。同時に、補正演算部16Aにより理論制御出力値(MV1)の小数点以下第2位を切り上げ調整した実制御出力値(MV2)も算出する。
次に、比較判定部19が記憶部18に記憶された閾値4.1を読み取り、この閾値と理論制御出力値(MV1)を比較する。比較の結果、理論制御出力値(MV1)が閾値の4.1以上である場合は、補正演算部16Aにより算出された実制御出力値(MV2)をD/A変換器17に送信する。
比較の結果、理論制御出力値(MV1)が閾値の4.1未満の場合には、次のような演算処理を行う。例えば、制御演算部15で求まる演算制御出力値(MV0)=0.3125(%)の場合、数値変換部16により式(1)を利用して演算処理すると理論制御出力値(MV1)=4.05mAとなる。
ここで、補正演算部16Aにより理論制御出力値(MV1)の小数点以下第2位を切り上げ調整した実制御出力値(MV2)=4.1mAを求める。さらに、演算周期内における実制御出力値(MV2)の両出力時間を調整する。つまり、実制御出力値(MV2)=4.1mAを出力する第1出力時間値(ON)が式(5)を利用して、0.05/0.1×t秒間と算出され、出力しない第2出力時間値(OFF)が式(6)を利用して、0.05/0.1×t秒間と算出され、それぞれがD/A変換器17に送信される。
なお、本実施例の押出機1では実制御出力値(MV2)=4.1はアナログ信号に変換すると出力されるが、この実制御出力値(MV2)が小数点以下第2位を切り上げ調整したことにより、切り上げた分の偏差が出力時間により補正される。したがって、第2出力時間値(OFF)は、実制御出力値(MV2)の出力を停止する時点を求めたことになる。
D/A変換器17では、変換された実制御出力値(MV2)と第1出力時間値(ON)および第2出力時間値(OFF)がアナログ信号に変換され、当該アナログ信号が電力調節器14に送信される。以上で本実施例のコントローラ12Aでの一巡の演算処理が終了する。
電力調節器14は、入力されたコントローラ12Aからのアナログ信号と電力調節器自体の最大出力電力とに基づいて式(2)を利用してヒータ13に供給する電力を決定する。
以上の処理が製造対象物のフィルムの製造が完了するまで、所定の演算周期ごとに行なわれる。
上述のように、制御対象であるシリンダ6の温度変化が小さく、かつ、D/A変換の最小出力値を考慮して閾値を予め設定しておくことにより、従来装置では、D/A変換時に切り捨てた偏差分を制御出力として反映させることができずに温度制御できなかった温度変化の小さい状態であっても、精度よく温度制御を行うことができる。
本発明は上述した実施例のものに限らず、次のように変形実施することもできる。
(1)上記各実施例では、数値変換部16の補正演算部16Aで求めた実制御出力値(MV2)と第1出力時間値(ON)および第2出力時間値(OFF)のそれぞれをD/A変換器17でデジタル信号からアナログ信号に変化して電力調節器14に送信していたが、次のように構成してもよい。
例えば、図5に示すように、コントローラ12Bと電力調節器14の間に半導体リレーであるSSR(Solid State Relay)19を介在させ、数値変換部16の補正演算部16Aで算出した実制御出力値(MV2)はD/A変換されてSSR19に送信され、第1出力時間値(ON)および第2出力時間値(OFF)はSSR19をON/OFF切換する信号として数値変化部16から直接にSSR19に送信するように構成してもよい。この場合、実制御出力値(MV2)は、演算周期内で連続的に出力されるアナログ信号に変換されてSSR19を介して電力調節器14に送信され、その演算周期内における出力時間を数値変換部16から送信されるON/OFF信号に基づいて、SSR19が調節する。このように構成することにより、上述の実施例と同様の効果を奏する。
(2)上記各実施例では、シリンダ6にヒータ13を内装して温度調節する構成であったが、シリンダ6内の冷却用の冷却手段の配管に冷却水を供給循環させて同時に温度制御するように構成してもよい。この場合、ヒータ13と同様の制御方法を利用し配管に供給する略一定温度の冷却水の供給量をバルブ操作により行えばよい。このようにヒータ13と配管への冷却水の供給循環を併用してシリンダ6の温度制御を行うことにより、より精度よく温度制御を行うことがきる。
(3)上記各実施例では、PID制御をもとに説明したが、PまたはPI制御にも適用することができる。また、デジタル演算器とD/A変換器を用いた各種制御装置にも適用することができる。これらの場合も、上述の実施例と同様の効果を奏する。
(4)上記各実施例では、押出機のシリンダ6の温度制御を例に採って説明したが、制御対象は温度に限らず、圧力、流量、およびレベルなどの物理量である制御対象に対して当該制御方法を適用することができる。また、押出機に限らず圧力などの物理量を制御対象とする機器や装置などにも適用することができる。
(5)上記各実施例では、シート状物としてのフィルムを製造する場合を例に採って説明したが、フィルム以外のシートを製造する場合にも適用することができる。
実施例に用いる押出機およびその周辺の概略構成を示す側面図である。 実施例1のシリンダ周りの概略構成を示すブロック図である。 制御出力を定量的に示した図である。 実施例2のシリンダ周りの概略構成を示すブロック図である。 変形例のシリンダ周りの概略構成を示すブロック図である。
S … 熱電対
1 … 押出機
6 … シリンダ
12 … コントローラ
13 … ヒータ
14 … 電力調節器
15 … 制御演算部
16 … 数値変換部
16A… 補正演算部
17 … D/A変換器
18 … 記憶部
19 … 比較判定部

Claims (7)

  1. 予め設定した溶融した原材料の制御パラメータの基準値と実測値の比較から求まる偏差を利用し、制御するための制御出力値をデジタル演算器により算出した後に、デジタル値である制御出力値をD/A変換器によりアナログ信号に変換し、このアナログ信号にしたがって操作対象を操作しながら制御対象を制御するプロセス制御方法において、
    前記デジタル演算器とD/A変換器の精度差によって発生する制御出力値の偏差を、実制御出力値と出力時間によって補うように以下のように補正演算処理する、
    (A)前記デジタル演算器で算出した理論制御出力値の浮動小数点以下の有効桁数をD/A変換器の浮動小数点の有効桁数まで切り上げ調整し、
    (B)当該補正演算処理を所定の時間間隔で行う演算周期内において、前記切り上げ調整後の実制御出力値の出力時間を、調整後の実制御出力値と調整前の理論制御出力値の比較により算出し、
    (C)演算周期内で出力する前記調整後の実制御出力値、当該実制御出力値を出力する時間である第1出力時間値、および当該実制御出力値を出力しない時間である第2出力時間値を前記D/A変換器に入力し、演算周期の最初に第1出力時間値を、その後に第2出力時間値を設定する
    ことを特徴とするプロセス制御方法。
  2. 請求項1に記載のプロセス制御方法において、
    前記補正演算処理は、さらに以下の過程を備える、
    (D)理論制御出力値の閾値を予め設定しておき、前記デジタル演算器で算出された理論制御出力値と閾値を比較し、
    (D1)前記理論制御出力値が閾値以上の場合は、理論制御出力値と未補正の出力時間をD/A変換器に入力する過程と、
    (D2)前記理論制御出力値が閾値未満の場合は、前記(A)過程から(C)過程の補正演算処理を行う過程と、
    を備えたことを特徴とするプロセス制御方法。
  3. 予め設定した溶融した原材料の制御パラメータの基準値と実測値の比較から求まる偏差を利用し、制御するための制御出力値をデジタル演算器により算出した後に、デジタル値である制御出力値をD/A変換器によりアナログ信号に変換し、このアナログ信号にしたがって操作対象を操作しながら制御対象を制御するプロセス制御方法において、
    前記デジタル演算器とD/A変換器の精度差によって発生する制御出力値の偏差を、実制御出力値と出力時間によって補うように以下のように補正演算処理する、
    (A)前記デジタル演算器で算出した理論制御出力値の浮動小数点以下の有効桁数をD/A変換器の浮動小数点の有効桁数まで切り上げ調整する過程と、
    (B)当該補正演算処理を所定の時間間隔で行う演算周期内において、前記切り上げ調整後の実制御出力値の出力時間を、調整後の実制御出力値と調整前の理論制御出力値の比較により算出する過程と、
    (C)演算周期内で出力する前記調整後の実制御出力値、当該実制御出力値を出力する時間である第1出力時間値、および当該実制御出力値を出力しない時間である第2出力時間値を前記D/A変換器に入力する過程と、
    (E)調整後の前記実制御出力値の第1出力時間値および第2出力時間値に基づき、演算周期の最初に第1出力時間値を設定して操作対象をONにする信号を当該操作対象に入力し、その後に第2出力時間値を設定して操作対象をOFFに切換する信号を操作対象に入力する過程と、
    を備えたことを特徴とするプロセス制御方法。
  4. 加熱手段により加熱して溶融した原材料を加熱手段または/および冷却手段により加熱または/および冷却しながら原材料を溶融してシート状物を製造する過程において、予め設定した原材料の溶融温度の基準値と実測値の比較から求まる温度偏差を利用し、当該溶融温度を制御するための制御出力値をデジタル演算器により算出した後に、デジタル値である制御出力値をD/A変換器によりアナログ信号に変換し、このアナログ信号にしたがって加熱手段に供給する電力量または/および冷却手段に供給する冷却媒体の供給量を調整しながらシート状物を製造するシート状物製造方法において、
    前記デジタル演算器とD/A変換器の精度差によって発生する制御出力値の偏差を次のようにして補正演算処理する、
    (A)前記デジタル演算器で算出した理論制御出力値の浮動小数点以下の有効桁数をD/A変換器の浮動小数点の有効桁数まで切り上げ調整し、
    (B)当該補正演算処理を所定の時間間隔で行う演算周期内において、前記切り上げ調整後の実制御出力値の出力時間を、調整後の実制御出力値と調整前の理論制御出力値の比較により算出し、
    (C)演算周期内での前記調整後の実制御出力値、当該実制御出力値を出力する時間である第1出力時間値、および実制御出力値を出力しない時間である第2出力時間値を前記D/A変換器に入力し、演算周期の最初に第1出力時間値を、その後に第2出力時間値を設定する
    ことを特徴とするシート状物製造方法。
  5. 予め設定した溶融した原材料の制御パラメータの基準値と実測値の比較から求まる偏差を利用し、デジタル演算処理により算出した制御出力値をD/A変換器によりアナログ信号に変換し、このアナログ信号にしたがって操作対象を操作しながら制御するプロセス制御装置において、
    前記制御対象の基準値と実測値の比較から偏差を求めるとともに、この偏差から制御対象の演算制御出力値をデジタル演算により算出する制御演算手段と、
    前記制御演算手段で算出された演算制御出力値に応じて制御対象への理論制御出力値に変換する数値変換手段と、
    前記制御演算手段と前記数値変換手段とからなるデジタル演算器と前記D/A変換器との精度差によって発生する制御出力値の偏差を、デジタル演算器で算出した理論制御出力値の浮動小数点以下の有効桁数をD/A変換器の浮動小数点の有効桁数まで切り上げ調整し、
    当該補正演算処理を所定の時間間隔で行う演算周期内において、前記切り上げ調整後の実制御出力値の出力時間を、調整後の実制御出力値と調整前の理論制御出力値の比較により算出し、演算周期内での実制御出力値、当該実制御出力値を出力する時間である第1出力時間値、および実制御出力値を出力しない時間である第2出力時間値によって補正する補正演算手段とを備え、
    演算周期の最初に第1出力時間値を、その後に第2出力時間値を設定するよう構成した
    ことを特徴とするプロセス制御装置。
  6. 請求項5に記載のプロセス制御装置において、
    理論制御出力値の閾値を予め記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された閾値と、前記数値変換手段により変換された理論制御出力値を比較し、理論制御出力値が閾値以上であれば、当該理論制御出力値と未補正の出力時間を前記D/A変換器に入力し、理論制御出力値が閾値未満であれば、前記補正演算手段により実制御出力値と出力時間によって補正するように判定する比較判定手段と、
    を備えたことを特徴とするプロセス制御装置。
  7. 予め設定した溶融した原材料の制御パラメータの基準値と実測値の比較から求まる偏差を利用し、デジタル演算処理により算出した制御出力値をD/A変換器によりアナログ信号に変換し、このアナログ信号にしたがって操作対象を操作しながら制御するプロセス制御装置において、
    前記制御対象の基準値と実測値の比較から偏差を求めるとともに、この偏差から制御対象の演算制御出力値をデジタル演算により算出する制御演算手段と、
    前記制御演算手段で算出された演算制御出力値に応じて制御対象の理論制御出力値に変換する数値変換手段と、
    前記制御演算手段と前記数値変換手段とからなるデジタル演算器と前記D/A変換器との精度差によって発生する制御出力値の偏差を、デジタル演算器で算出した理論制御出力値の浮動小数点以下の有効桁数をD/A変換器の浮動小数点の有効桁数まで切り上げ調整し、
    当該補正演算処理を所定の時間間隔で行う演算周期内において、前記切り上げ調整後の実制御出力値の出力時間を、調整後の実制御出力値と調整前の理論制御出力値の比較により算出し、演算周期内での実制御出力値、当該実制御出力値を出力する時間である第1出力時間値、および実制御出力値を出力しない時間である第2出力時間値によって補正する補正演算手段とを備え、
    かつ、前記補正演算手段によって算出した実制御出力値はD/A変換器に入力され、補正した実制御出力値の第1出力時間値および第2出力時間値は、演算周期の最初に第1出力時間値を設定して操作対象をONにする信号を当該操作対象に入力し、その後に第2出力時間値を設定して操作対象をOFFに切換する信号を操作対象に入力するように構成した
    ことを特徴とするプロセス制御装置。
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