JP4631976B2 - 液滴吐出ヘッドの配線構造 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を吐出させるための圧電アクチュエータを備えた液滴吐出ヘッドに適用される配線構造に関する。
液滴吐出ヘッドの一例として、被記録媒体に画像を記録するインクジェットプリンタに搭載されるインクジェットヘッドが知られている。インクジェットヘッドでは、ノズル数を増やして記録される画像を高品質にするため、各ノズルに対応して設けられる圧力室の高密化が求められている。圧力室を高密化すると、隣接する圧力室間の距離が短くなるため、圧電アクチュエータを駆動する際の隣接する圧力室への影響、所謂クロストークが生じる。例えば特許文献1のインクジェットヘッドによれば、圧電アクチュエータを構成する圧電層のうち最も圧力室から離れた層に個別電極が形成され、個別電極の両側に溝が形成されている。このため圧電効果による活性部の変形時に、圧力室間の領域の変形をこの溝で吸収可能となる。
特開2003−311954号公報
このように個別電極の両側に溝を形成すると、溝を形成しない場合と比べ、活性部の変形が隣接する圧力室に伝播しにくくなり、上記クロストークを抑制することができる。しかし、更なる高品質化の要求により圧力室もより一層高密に配列することが求められており、より優れたクロストークの対策が求められている。
そこで本発明は、圧力室を高密化しても良好にクロストークを抑制可能な液滴吐出ヘッドを提供することを目的とし、このような目的を達成すべく構成された液滴吐出ヘッドに適用するに相応しい配線構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成すべく、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、複数の圧力室内の液体を選択的に吐出させるための圧電アクチュエータを備えた液滴吐出ヘッドであって、前記圧電アクチュエータは、前記圧力室の中央部に対応する第1活性部と、前記複数の圧力室の中央部分よりも外側の部分に対応する第2活性部とを備え、前記第1活性部は選択的に駆動電圧が付与される個別電極と、第1の定電位が付与される第1定電位電極とで挟まれた部分に形成され、前記第2活性部は前記個別電極と、第2の定電位が付与される第2定電位電極とで挟まれた部分に形成され、前記第1及び第2活性部はそれぞれ、電圧印加時に前記圧力室に向かう第1方向に伸長するとともにその第1方向と直交する第2方向に収縮する変形状態となるよう構成され、前記第1活性部への電圧印加時には前記第2活性部に電圧が印加されず、前記第1活性部に電圧を印加しないときには前記第2活性部に電圧が印加される構成であることを特徴としている。
この液滴吐出ヘッドによれば、圧力室の中央部分に対応する第1活性部と、圧力室の中央部分よりも外側の部分に対応する第2活性部とは、電圧の印加/非印加によって逆方向の変形が生じる。すると、第1活性部の変形が隣接する圧力室に伝達される際に、第2活性部の変形によってキャンセルされる。これにより、圧力室を高密化することによって隣接する圧力室同士が接近するようになっても、第1活性部の変形が隣接する圧力室に伝播するのを防ぐことができ、所謂クロストークを良好に抑制可能となる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの配線構造は、このような液滴吐出ヘッドに適用され、前記圧電アクチュエータに電圧を印加するための配線構造であり、前記配線構造が複数の前記配線が設けられた配線板と、前記配線板上に実装されて駆動電圧を選択的に出力するドライバとを有し、前記複数の配線には、前記ドライバからの駆動電圧を前記個別電極に付与するための個別配線と、前記ドライバに電源供給するための電源線と、前記ドライバをグランド電位に接続するためのグランド線と、前記第1定電位を前記第1定電位電極に付与するための第1定電位配線と、前記第2定電位を前記第2定電位電極に付与するための第2定電位配線と、前記電源線と前記第1定電位配線とを短絡する第1短絡線と、前記グランド線と前記第2定電位配線とを短絡する第2短絡線とが含まれていることを特徴としている。
このような構成とすることにより、配線構造より3種の電極にそれぞれ所定の電位を付与することができ、これら3種の電極によって構成される2種の活性部を備えた圧電アクチュエータを上記のようにクロストークを抑制するよう動作させることができる。
このとき、前記第1短絡線及び前記第2短絡線が前記ドライバ近傍に設けられていることが好ましい。これにより、第1活性部と第1短絡線との間の配線長及び第2活性部と第2短絡線との間の配線長が短くなるため、ドライバに入る電圧の電圧降下が小さくなるため、ドライバの規定電圧を越えることによりドライバが破壊してしまうおそれがない。また、第1及び第2活性部での電圧変動がなるべく小さくなるので、圧電アクチュエータを安定して動作させることができる。
前記配線板が、前記圧電アクチュエータに接合される第1配線板と、前記第1配線板の端縁に接合される接合部を有する第2配線板とを有し、前記ドライバが前記第1配線板の端縁に近接する位置に実装され、前記第1短絡線及び前記第2端絡線のうち少なくとも一方が前記第2配線板の前記接合部に近接する位置に設けられていてもよい。これにより、第1及び第2短絡線をドライバ近傍に設ける構成が実現される。
前記配線板は前記アクチュエータに対して少なくとも一方向に引き延ばされるように配設され、前記ドライバはその長手方向を前記一方向と直交する方向に向けるようにして前記配線板上に実装され、前記電源線、前記グランド線、前記第1定電位配線及び前記第2定電位配線の4つの配線が前記一方向に沿って並んで設けられていてもよい。これにより、4つの配線が整然と並ぶよう集約的に配置される。
前記配線板の外縁側から順に前記第1定電位配線及び前記第2定電位配線の組と、前記グランド線及び前記電源線の組とが並んで設けられており、前記第1定電位配線及び前記第2定電位配線の組は、前記ドライバの外側の領域を前記ドライバに対して前記一方向の両側へと直線状に延在するよう設けられていてもよい。これにより、第1定電位配線及び第2定電位配線を圧電アクチュエータ側に向けて延在させるにあたって直線状に設けることができ、集約的に配置することができる。
前記第2の定電位がグランド電位であり、前記第2定電位配線が前記第1定電位配線に対して外側に設けられており、前記第1短絡線が、前記第2定電位配線を跨ぎ越して設けられるジャンパ線を有し、前記第2短絡線が、前記グランド線を跨いで設けられるジャンパ線を有していてもよい。これにより、グランド電位を付与する側の配線を外側に配置して電気的な不具合が生じにくい配線構造を実現した上で、第1及び第2短絡線を設けた配線構造が実現される。
前記配線板は前記4つの配線が設けられる表面と、その反対側の裏面とを有し、前記第1短絡線のジャンパ線は、前記裏面において、前記電源線が設けられている部分に対応する領域と、前記第1定電位配線が設けられている部分に対応する領域とを跨いで設けられ、前記第2短絡線のジャンパ線は、前記裏面において、前記グランド線が設けられている部分に対応する領域と、前記第2定電位配線が設けられている部分に対応する領域とを跨いで設けられていてもよい。このように表裏両面を利用することにより、ジャンパ線を用いた短絡線を配線板の厚み方向にコンパクトに配置することができる。
本発明によると、圧力室を高密化しても良好にクロストークを抑制可能な液滴吐出ヘッドを提供することができ、このような作用効果を奏する液滴吐出ヘッドに適した配線構造を提供することができる。
本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視図である。 図1に示すインクジェットヘッドの部分縦断面図である。 図1に示すインクジェットヘッドの部分横断面図である。 (a)が図1に示すインクジェットヘッドに適用される配線構造の平面図、(b)がその背面図である。 図1乃至図4に示す圧電アクチュエータ及び配線構造の電気的構成を示す電気回路図である。 図1乃至図3に示す圧電アクチュエータの製造時における分極工程の説明図である。
これら図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ここでは、本発明に係る液滴吐出ヘッドをインクジェットプリンタに搭載されるインクジェットヘッドに適用した場合を例示し、該ヘッドよりインクが吐出する方向を下方として説明する。
図1乃至図3に示すインクジェットヘッド1は、流路ユニット2の上側から圧電アクチュエータ3を重ねて接合して構成される。両部品2,3は平面視略矩形状であり、便宜的にその長辺方向を「縦方向」、短辺方向を「横方向」とする。
図3には一部のみ示すが、流路ユニット2の下面にはノズル4が開口し、上面にはノズル4に連通する圧力室孔5が開口している。図1を参照すると、圧力室孔5は、横方向に長い略矩形状で、多数の圧力室孔5が流路ユニット2の上面に高密に配列されている。これら圧力室孔5は縦方向に略一定ピッチで並設されて複数の列をなし、横方向には千鳥状に配置されている。なお、各圧力室孔5は対応する1つのノズル4と連通し、流路ユニット2の下面には多数のノズル4が圧力室孔5と略同パターンで配列される。図3に戻り、これら圧力室孔5が圧電アクチュエータ3の下面で閉鎖されることによりインクジェットヘッド1に多数の圧力室6が形成される。流路ユニット2には、外部のインク供給源からのインクをその種類毎に貯留する共通インク室7が形成され、各圧力室6はこの共通インク室7の何れか1つと連通している。図1にはインクを流路ユニット2に導入するインク供給口47を示しており、流路ユニット2内には、該インク供給口47から共通インク室7及び各圧力室6を介して各ノズル4にインクを供給するためのインク流路が形成されている。
図2及び図3に示すように、圧電アクチュエータ3は、振動板であるボトム層8上に2つの圧電層9,10を積層してなる。ここでは、これら圧電層のうち下側を「中間層9」、上側を「トップ層10」と呼ぶ。ボトム層8は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなり、複数の圧力室6を覆うように、流路ユニット2の上面に配置されている。また、ボトム層8の厚みは20μm程度となっている。なお、ボトム層8の材料は、圧電材料には限られない。圧電層9,10は、ボトム層8と同様の圧電材料からなり、互いに積層されてボトム層8の上面に配置されている。この厚みも各20μm程度となっている。トップ層10の上部側には各圧力室6に対応し、各圧力室6の面積のほぼ全域と対向するように配置された略矩形状の個別電極11が設けられている。中間層9とトップ層10との間には各圧力室6に対応する上部定電位電極12が設けられ、ボトム層8と中間層9との間には多数の圧力室6に共通する下部定電位電極13が設けられている。
図2に示すように、個別電極11及び上部定電位電極12は互いの縦方向中心が略一致し、個別電極11の縦方向寸法は上部定電位電極12のそれよりも長い。そのため、個別電極11の縦方向中央部は上部定電位電極12と平面視で重なり、縦方向両端部は下部定電位電極13と平面視で重なっている。個別電極11の縦方向中央部と上部定電位電極12とで挟まれた部分は、これら電極11,12間で分極された第1活性部14をなす。また、個別電極11の縦方向各端部と下部定電位電極12とで挟まれた部分は、これら電極11,13間で分極された第2活性部15をなす。つまり、第1活性部14は圧力室6の中央部に対応して配置され、第2活性部15はこの第1活性部14の外側であって圧力室6の中央部の外側の部分に対応して配置される。
図1,図3に示すように、各個別電極11は、横方向に関してノズル4と反対側の端縁から、圧力室6と対向しない領域にまで横方向に突出するよう延びる部分を有し、この部分に端子部17が一体的に設けられている。上下の定電位電極12,13(図2及び図3参照)はそれぞれ、図示しない領域を上下に貫通するスルーホールを介し、トップ層10の上面に設けられた端子部18,19と電気的に導通している。このトップ層10の上面側には配線板20が重ねて設けられる。配線板20の下面側には、端子部17〜19と対応する接続端子が設けられており、配線板20は、これら接続端子が金属などの導電性材料からなる図示しないバンプ等を介して対応する端子部17〜19のそれぞれと電気的に導通するようにして、圧電アクチュエータ3に接合される。
図2及び図3を参照し、各個別電極11に付与される電位は、配線板20に実装されたドライバ23によって高電位とグランド電位との間で切り替えられるようになっている。対応する圧力室6の容積を変動させる駆動時には、個別電極11には例えば20V程度の高電位(以下「第1電位」と呼ぶ)が選択的に付与され、その後グランド電位(以下「第2電位」と呼ぶ)が付与される。一方、インクの吐出を要しない待機時には第2電位が付与される。また、配線板20を通じて上部定電位電極12には第1電位が常時付与され、下部定電位電極13には第2電位が常時付与される。このため、第1活性部14は、待機時に印加される電圧の方向と同方向に分極されて活性化され、第2活性部15は、駆動時に印加される電圧の方向と同方向に分極されて活性化されている。これら活性部を形成する一対の電極間に電位差が生じると、これら電極に挟まれた圧電層に電圧が印加されることとなり、積層方向の電界が生じる。圧電層の分極方向と電界方向とが同じ場合には逆圧電効果が生じ、圧電層9,10はその分極方向である積層方向に伸長し、該積層方向に直交する方向である水平方向に収縮する。
従って、待機時には、逆圧電効果の発揮に有効となる電圧が印加されていない第2活性部15は変形せず、有効となる電圧が印加されている第1活性部14は積層方向に伸張して水平方向に収縮する。このとき、中間層9はボトム層8に接合されているので、トップ層10と中間層9との間で水平方向への歪みに差が生じる。これによりボトム層8及び圧電層9,10は、圧力室6に向かう積層方向に突出変形する。駆動時は、逆圧電効果の発揮に有効となる電圧が印加されていない第1活性部14は変形から回復する。他方、有効となる電圧が印加された第2活性部15は積層方向に伸長して水平方向に収縮しようとするので、第2活性部15が圧力室6から離れる方向に反るように変形する。これら活性部14,15の変形の複合により圧力室6の容積が増大し、共通インク室7から圧力室6へとインクが供給されることとなる。そして、個別電極11の電位を下部定電位電極13と同電位にすると、上記同様ボトム層8及び圧電層9,10が圧力室6に向かうようにして積層方向に突出変形して圧力室6の容積が瞬時に減少する。これにより、この圧力室6内のインクがノズル4より下方に吐出される。
このように本インクジェットヘッド1においては、第1活性部14に対する電圧の印加と非印加との切替によって第1活性部14が変形する。これと同時に、第2活性部15に対する電圧の印加と非印加との切替が行われるが、この切替によって第2活性部15は、第1活性部14の変形が隣接する圧力室6に伝播するのを抑制するようにして変形する。このため、多数の圧力室6を高密化しても良好にクロストークを抑制することができる。
なお、本発明に係る液滴吐出ヘッド1の圧電アクチュエータ3の構成は上記のものに限られない。圧電アクチュエータが、各圧力室に対し2種の定電位電極と、1種の個別電極とを有し、これら3種の電極によって圧力室の中央部に対応する第1活性部と、この中央部よりも外側の部分に対応する第2活性部とが形成されていれば、どのように構成されていてもよい。なお、第2活性部15は圧力室6の外周縁よりも内側の領域を含んでいてもよい。これにより、第1活性部14だけでなく第2活性部15も圧力室6の容積変化に貢献することとなり、第1活性部14だけによる場合と比べ、圧力室6の容積変動量が大きくなる。
この圧電アクチュエータ3の製造時には、まずボトム層8、中間層9、トップ層10および各電極11〜13を前述した位置関係になるように互いに積層する。次に、この圧電アクチュエータ3の第1及び第2活性部14,15を分極するための分極工程を行うことにより、前述したようにインクを吐出するよう動作可能な圧電アクチュエータ3が作成される。この分極工程の詳細については後述する。
次に、図1を参照しつつ図4及び図5に基づき、圧電アクチュエータ3に電圧を印加するための配線構造について説明する。図4に示すように本配線構造は前述した配線板20を備えている。配線板20には、圧電アクチュエータ3に上側から重ねられて圧電アクチュエータ3の上部側に接合される矩形状のCOF部21と、このCOF部21の一端縁に接合された帯状のFPC部22とが含まれ、FPC部22は、COF部21を圧電アクチュエータ3に接合した状態において圧電アクチュエータ3から外側へと引き出されるように設けられる。COF部21及びFPC部22は何れも公知のフレキシブル配線板である。FPC部22は例えばハンダ付けによってCOF部21に電気的且つ機械的に接合され、この接合によって両部21,22に設けられている配線が電気的に導通し合う。なお、FPC部22には、COF部21との接合部分とは反対側の端縁において、各配線のコンタクトが設けられている。これらコンタクトはインクジェットプリンタの所定箇所に配設された基板上に実装されているレセプタクルコネクタに接続され得る。
配線板20のCOF部21には、各個別電極11に印加する電圧を選択的に出力するドライバ23が実装されている。また、配線板20には、多数の個別配線24、電源線(VDD2)25、グランド線(VSS2)26、上部定電位配線(VCOM)27、下部定電位配線(COM)28、第1短絡線29、及び第2短絡線30が設けられている。なお、図示しないが配線板20のFPC部22には、その他に、圧電アクチュエータ3の駆動態様を指定する波形信号線、ドライバ23から個別電極11へ出力される駆動信号をチャンネルごと指示する印字データ線、クロック信号等を出力するための複数の制御信号線、ドライバ23自体の電源電圧線(VDD1)(例えば3.3V)及び接地電圧線(VSS1)(例えば0V)等が設けられており、これら配線がドライバ23に接続されている。
各個別配線24は、各個別電極11に対応して設けられ、各個別電極11に第1及び第2の電位をインクの吐出タイミングに応じて付与するための配線である。各個別配線24は、ドライバ23から各個別電極11の各端子部17に対応する配線板20上の接続端子に向けて延びている。
電源線(VDD2)25は、ドライバ23に電源供給するための配線であり、ドライバ23に接続されている。グランド線(VSS2)26はドライバ23をグランド電位に接続するための配線であり、ドライバ23に接続されている。
上部定電位配線(VCOM)27は、上部定電位電極12に高電位である第1電位を常時付与するための配線であり、上部定電位電極12の端子部18に対応する配線板20上の接続端子に向けて延びている。下部定電位配線(COM)28は、下部定電位電極13にグランド電位である第2電位を常時付与するための配線であり、下部定電位電極13の端子部19に対応する配線板20上の接続端子に向けて延びている。
第1短絡線29は、電源線25と上部定電位配線27とを接続する配線である。第2短絡線30は、グランド線26と下部定電位配線28とを接続する配線である。
図5には上記圧電アクチュエータ3及び配線構造の電気的構成を説明する電気回路が示されており、図5に示すように、第1及び第2活性部14,15は、各電極11〜13を極板とする第1及び第2コンデンサ31,32とそれぞれ等価である。上部定電位配線(VCOM)27と下部定電位配線(COM)28とはこれらコンデンサ31,32を介して接続され、第1コンデンサ31が高電位側に位置する。コンデンサ31,32の充電時にはこれと等価の活性部14,15が変形し、コンデンサ31,32の放電時にはこれと等価の活性部14,15が変形状態から回復する。
ドライバ23は、第1コンデンサ31の充電/放電の状態と第2コンデンサ32の充電/放電の状態とが互いに逆の関係となるようにして、両コンデンサ31,32の状態を切り替える回路と等価であり、該回路は例えば電源線(VDD2)25とグランド線(VSS2)26との間に直列的に介在する2つのトランジスタ34,35より構成される。つまり、電源線25が第1トランジスタ34のコレクタに接続され、第1トランジスタ34のエミッタが第2トランジスタ35のコレクタに接続され、第2トランジスタ35のエミッタがグランド線26に接続される。そして個別配線24が、両トランジスタ34,35間を結ぶ配線と個別電極11との間を接続する。個別電極11は、第1活性部14と等価である第1コンデンサ31の低電位側極板として機能し、第2活性部15と等価である第2コンデンサ32の高電位側極板としても機能する。
前述したようにインクの吐出に際しては、個別電極11の電位をグランド電位である第2電位から高電位である第1電位へと立ち上げ、その後第1電位から第2電位へと立ち下げるという手順がとられる。また、待機時は個別電極11に第2電位が付与される。
個別電極11の電位の立ち上げは、第1トランジスタ34をONにして第2トランジスタ35をOFFにすることと等価である。このとき、電源線25が、第1トランジスタ34及び第2コンデンサ32を介して下部定電位配線28と接続され、第2コンデンサ32が充電される。個別電極11の電位の立ち下げは、第1トランジスタ34をOFFにして第2トランジスタ35をONにすることと等価である。このとき、上部定電位配線27が第1コンデンサ31及び第2トランジスタ35を介してグランド線26と接続され、第1コンデンサ31が充電される。また、立ち上げ時に充電された第2コンデンサ32が個別配線24、グランド線26、第2短絡線30及び下部定電位配線28により構成される閉回路上にあり、第2コンデンサ32に貯められた電荷が放電される。このときの各トランジスタ34,35のON/OFF設定は待機時にも維持される。そのため、個別電極11の電位の立ち上げ時を再び考慮すると、待機時に充電された第1コンデンサ31が上部定電位配線27、第1短絡線29及び個別配線24により構成される閉回路上にあり、第1コンデンサ31に貯められた電荷が放電される。
本配線構造には、個別配線24、電源線25、グランド線26、上部定電位配線27及び下部定電位配線28と共に2本の短絡線29,30が設けられているため、3種の電極11〜13に第1及び/又は第2電位を付与することができ、これら3種の電極11〜13によって構成される2種の活性部14,15を、クロストークが抑制されるようにして動作させることができる。
但し、ドライバ23の第1コンデンサ31から第1短絡線29までの配線長、及びドライバ23の第2コンデンサ32から第2短絡線30までの配線長が大きいほど、その配線抵抗も大きくなるためコンデンサ31,32での電圧降下が大きくなってしまう。ドライバ23は、ドライバ23に付与させることができる最大定格電圧が決まっていて、それ以上の電圧が付与されるとドライバ23が破壊してしまう。最大定格電圧は、主に、ドライバ23自体の駆動電圧である図示しないVDD1(例えば3.3V)が付与されるとともに、圧電アクチュエータ3を駆動させるために付与される高電位VDD2(例えば28V)に基づいて決定されている。FPC部22のコンタクトと接続される前述の基板上に短絡線を設けた場合には、FPC部22の長さに基づき配線抵抗及び電圧降下が増大する。つまり、ドライバ23に入力される電圧の電圧降下(例えばΔV)が大きくなってしまうため、ドライバ23が本来耐えうる最大定格電圧に対して、電圧降下分のΔVがさらに付与されることになり、ドライバ23が破壊されてしまうおそれが高くなる。また、個別電極11に所望の第2の電位を付与することが難しくなり、圧電アクチュエータ3に電圧変動を与えやすくなるため安定した動作に影響を及ぼす可能性が生じる。本配線構造では、このような電圧降下の防止を目的としてドライバ23及び配線のレイアウトがなされており、以下この観点を中心にして説明する。
図4に戻り、ドライバ23はCOF部21の上面側に実装され、FPC部22との接合部となる端縁に近接して配置されている。ドライバ23は平面視矩形状のICチップの形態をなし、その長手方向が端縁の延在方向と平行となるようにして配置されている。各個別配線24は、COF部21上にて、このように配置されるドライバ23から概ね反対側の端縁に向けて延在している。
FPC部22は略矩形帯状であり、電源線25、グランド線26、上部定電位配線27及び下部定電位配線28の4つの配線はそれぞれ、FPC部22の延在方向と平行に延在している。なお、FPC部22は少なくとも、その表側面及び裏側面に銅などの配線が印刷形成されるポリイミドなどからなる基板部と、基板部の表側面及び裏側面をソルダレジストなどで被覆する保護部とを有している。上記4つの配線25〜28は基板部の表側面に印刷形成されて保護部で被覆されるが、図4(a)では便宜的に保護部の図示を省略している。
上記4つの配線25〜28からなる配線群が、FPC部22には2群設けられている。帯状のFPC部22はその延在方向に延びる一対の外縁を有することとなるが、一方の配線群は一対の外縁のうち一方に近接して設けられ、他方の配線群は一対の外縁のうち他方に近接して設けられている。配線群が配線板20の外縁に2群設けられているのは、たとえば、どちらか一方の外縁のみに配線群が設けられた場合、各配線25〜28が接続されるドライバ23および圧電アクチュエータ3の各長手方向に対して、一方側からのみ電圧が供給されることとなり、ドライバ23および圧電アクチュエータ3の長手方向他方側に対して内部で電圧降下が発生して、吐出特性のばらつきを呈することがある。そのため、各配線群は、ドライバ23および圧電アクチュエータ3の長手方向の両方側から電圧を供給することで、電圧降下が起こらないにして吐出特性を安定するようにしている。また、各配線群の間には、図示しない複数の制御信号線や電源電圧線(VSS1)、接地電圧線(VDD1)線がFPC部22の延在方向と平行に延在している。各配線群においては、下部定電位配線28、上部定電位配線27、グランド線26、電源線25が外縁側から中央側へとこの順で並んで設けられている。
4つの配線25〜28のうち電源線25及びグランド線26はドライバ23に接続される必要がある。また、上部定電位配線27及び下部定電位配線28は圧電アクチュエータ3の端子部18,19との各接続端子まで延在させる必要があるが、これら接続端子は、COF部21上において、FPC部22側から見てドライバ23よりも遠位側に配置されている。そこで、本配線構造においては、上部定電位配線27及び下部定電位配線28の組を外縁側に配置し、電源線25及びグランド線26の組を中央側に配置している。そのため、配線板20の延在方向の略全体に亘って設けられる上部定電位配線27及び下部定電位配線28を、ドライバ23の実装箇所の周辺部分において、ドライバ23の外縁側の領域を直線状に通過させることができる。また、電源線25及びグランド線26を、上部定電位配線27及び下部定電位配線28と交差するようなことなくドライバ23に接続することができる。このようにして4つの配線25〜28を、これらが印刷形成される平面内において整然とコンパクトに配列することができる。
その上で、グランド電位を付与するための下部定電位配線28が高電位を付与するための上部定電位配線27よりも外縁側に配置されている。このため、外部からのノイズが発生する等しても電気的な不具合が生じにくくなる。また、グランド線26は電源線25よりも外縁側に配置されており、同様の作用効果を奏する。
なお、FPC部22の上面には、例えば抵抗器やコンデンサ等の複数の電子素子36が実装されており、これら電子素子36を介して4つの配線25〜28間が適宜接続されている。ここでは該電子素子36による電気的な作用について詳細に説明しないが、図4(a)に示すように、これら電子素子36は延在方向と直交する方向に略一直線状に並んで設けられている。即ち、これら電子素子36はFPC部22の延在方向に関して略同位置に設けられている。なお、FPC部22に電子素子36を実装すると、その電子素子36の実装箇所においてFPC部22を自在に曲げにくくなってしまう。そこで複数の電子素子36をFPC部22の延在方向に関して同じ位置に配置したことにより、自在に曲げにくくなる箇所を極力減らし、FPC部22の取り回し易さや屈曲性が極力損なわれないようにしている。
第1短絡線29及び第2短絡線30はそれぞれ、上記4つの配線25〜28からなる2つの配線群の各々に設けられている。第1短絡線29は電源線25と上部定電位配線27とを接続するため、これら配線25,27間に介在するグランド線26と干渉しないよう配置され、第2短絡線30はグランド線26と下部定電位配線28とを接続するため、これら配線26,28間に介在する上部定電位配線27と干渉しないよう配置される必要がある。他方、4つの配線25〜28は前述したようにFPC部22の基板部の表側面に整然とコンパクトに配置されている。
このため、第1及び第2短絡線29,30はそれぞれ、ジャンパ線37,38を基板部の裏側面に設けることによって実現される。具体的には、ジャンパ線37,38は基板部の裏側面に印刷形成されて保護部で被覆される所謂両面フレキシブルプリント基板であり、図4(b)では便宜的に保護部の図示を省略している。ジャンパ線37、38は、例えば、汎用のジャンパーケーブルで接続したり、ジャンパチップを設けて接続することで、両面フレキシブルプリント基板を用いなくとも、配線が表面のみにある片面フレキシブルプリント基板で行うことが可能である。しかし、短絡させる配線が高密度に形成されている場合には、ジャンパーケーブルでの接続は、接続工程において作業困難で製造しにくく、また、ジャンパチップを設けた場合、ジャンパ線を流れる放電電流が大きいため、チップの定格電流を超えてしまうことがあり、チップが壊れやすい。しかしながら、本実施形態のような構造でジャンパ線を設けることで、上記問題なくジャンパ構造をとることができる。また、基板部の表側面において第1及び第2短絡線29,30が、グランド線26又は上部定電位配線27を物理的に跨ぎ越すような架橋構造になるのを避けることができ、本配線構造が配線板20の厚さ方向に大型になるのを避けることができる。
FPC部22の基板部には、第1短絡線29を構成するジャンパ線37の一端部及び他端部の各々を貫通するスルーホール39,40が形成されている。一端部に設けられたスルーホール39は、基板部の表側面において、帯状の上部定電位配線27を部分的に切り欠くようにして形成された導電性を有する島状のランド部41内で開口している。このランド部41は、FPC部22の延在方向と直交する方向に、前述の電子素子36と一直線状に並ぶ位置に設けられている。他端部に設けられたスルーホール40は、基板部の表側面において、帯状の電源線26の幅方向中央部にて開口している。このスルーホール40は、ランド部41及び電子素子36から見てドライバ23の近位側に配置されている。
各スルーホール39,40には導電材が充填され、これによりジャンパ線37とランド部41、及びジャンパ線37と電源線25とがそれぞれ電気的に導通される。この段階において、ランド部41と上部定電位配線27とは、後述するようにハンダ等の導電材(図示せず)が設置していないため互いに導通していない。つまり、第1短絡線29が完全に構成されていない状態である。ランド部41と上部定電位配線27との導通は前述の分極工程の後に行われる。
具体的にいえば、未分極状態の圧電アクチュエータ3は、流路ユニット2と積層接合されると共に、FPC部22とは未接合状態のCOF部21と接合される。その後、COF部21にFPC部22が接合され、圧電アクチュエータ3の分極工程が行われる。
この分極工程においては、このような組立体を約100度の雰囲気下におき、FPC部22の端部を分極装置に接続する。そして、個別配線24、上部定電位配線27及び下部定電位配線28を介し、圧電アクチュエータ3の各電極11〜13間で高電位差を生じさせることにより、第1及び第2活性部14,15を分極させる。
例えば、図6(a)では、上部定電位電極12には36V、個別電極11には0Vの電位を付与することにより、第1活性部14には、高電圧が付与されて第1活性部14が上向きに分極される。そして、図6(b)では、例えば、上部低電位電極12には28V、下部定電位電極13には−60V、個別電極11には28Vの電位をそれぞれ付与することにより、第2活性部15と、第1及び第2定電位電極12,13に挟まれた部分とが下向きに分極させる。
この後、FPC部22を分極装置から取り外すと共に、FPC部22の基板部の表側面において、ランド部41と上部定電位配線27とを跨ぐようにしてハンダ等の導電材(図示せず)が設置され、ランド部41が該導電材を介して上部定電位配線23と電気的に導通される。このようにして、上部定電位配線27は、導電材、ランド部41、スルーホール39、ジャンパ線37及びスルーホール40からなる第1短絡線29を介し、電源線25と導通される。
第2短絡線30はこれと同様工程を経て製造されて同様の構成となるため簡単に説明する。つまり、FPC部22の基板部には、第2短絡線30を構成するジャンパ線38の各端部を貫通するスルーホール43,44が形成されており、基板部の表側面では一方のスルーホール43が下部定電位配線28を部分的に切り欠くようにして形成されたランド部45内で開口し、他方のスルーホール44がグランド線27の幅方向中央部にて開口している。ランド部45は電子素子36と一直線状に並ぶよう配置され、他方のスルーホール44はランド部45及び電子素子36から見てドライバ23の近位側に配置されている。各スルーホール43,44には導電材が充填される。そして、圧電アクチュエータの分極工程後にランド部45と下部定電位配線28とを跨ぐようにしてハンダ等の導電材(図示せず)が設置される。このようにして下部定電位配線28は、導電材、ランド部45、スルーホール43、ジャンパ線38及びスルーホール44からなる第2短絡線30を介し、グランド線27と導通される。
このように、分極工程を行っているときには、第1及び第2短絡線29,30は完全に構成されていない。逆に完全に構成した上で分極工程を行うと、例えば図6(a)に示す場合においては、電源線25と上部定電位配線27とが同電位となるため、電源線25を介してドライバ23に36Vの高電位が付与される。ドライバ23は、主にドライバ23自体の電源電圧(例えば3.3V)と駆動用の電源電圧(例えば28V)とによる電圧値が最大定格電圧として規定されているため、第1短絡線29を構成した状態で分極行程が行われると、この最大定格電圧を超える高電位がドライバ23に付与されてしまい、ドライバ23の破壊を招く。同様に図6(b)に示す場合においても、グランド線26と下部定電位配線28とが同電位となるため、グランド線26を介して60Vの高電位がドライバ23に付与されてしまい、ドライバ23の破壊を招く。このため、本配線構造においては、圧電アクチュエータ3の分極工程を終了した後に、第1及び第2短絡線29,30を構成するようにしている。
このように本配線構造では、圧電アクチュエータの分極工程後に、第1及び第2短絡線29,30を、基板部の表側面に導電材を設置することで容易に構成することができる。また、第1及び第2短絡線29,30を構成するに際して基板部の表側面に導電材が設置されるが、その導電材の設置箇所がFPC部22の延在方向に関して電子素子36の実装箇所と略同位置となっている。つまり、第1及び第2短絡線29,30は、電子素子36と協働して、FPC部22を自在に曲げ難くなる箇所が極力減るよう構成されており、これによりFPC部22の取り回し易さや屈曲性が極力損なわれないようになっている。
このように第1及び第2短絡線29,30の一方の接点(即ちスルーホール39,43の位置と略同等)を、他の電子素子36の実装箇所との関係に基づいて配置した場合、他方の接点(即ちスルーホール40,44の位置と略同等)はこれら電子素子36との干渉を避けるためもあってFPC部22の延在方向に関して変位させる必要が生じる。本配線構造では、この他方の接点が、電子素子36の実装箇所でもある一方の接点の位置から見てドライバ23側に位置している。しかも、第1及び第2短絡線29,30自体が、FPC部22上において、COF部21との接合される端縁に近接して設けられている。
そのため、第1及び第2活性部14,15から第1及び第2短絡線29,30までの配線長をなるべく短くすることができ、ドライバ23に入力する電圧の電圧降下をなるべく小さくすることができ、ドライバ23の破壊を防止できる。また、これら活性部14,15における電圧変動をなるべく小さくすることができる。但し、配線長を更に短くするため、これら第1及び第2短絡線29,30をCOF21部上に設けてもよい。また、ジャンパ線37,38の形状は図4(b)に例示するL字形状に限られない。上記のような構成を実現することができ、且つ互いに干渉しないように配置可能であれば、どのような形状であってもよい。
これまで本発明の実施形態について説明したが、上記構成は本発明の範囲内で適宜変更可能である。例えば「第1電位」が高電位、「第2電位」がグランド電位であるとしたが、この関係は逆となっていても圧電アクチュエータ3を同様にして動作させることができる。その場合、第1短絡線は、高電位を付与する側となる下部定電位配線と電源線とを短絡する配線となっていればよく、第2短絡線は、グランド電位を付与する側となる上部定電位配線とグランド線とを短絡する配線となっていればよい。
また、COF部21には、各配線群において、外側から下部定電位配線28、上部定電位配線27、グランド線26、電源線25いう順で外側から並んでいるのが好ましいが、圧電アクチュエータ3に接続される2本の配線、及びドライバ23に接続される2本の配線は、それぞれ順序を入れ替え可能である。つまり、圧電アクチュエータ3に接続される下部定電位配線28及び上部定電位配線27の2本の配線が4本の配線のうち外側2本の配線をなし、ドライバ23に接続されるグランド線26及び電源線25の2本の配線が4本の配線のうち内側2本の配線をなしていれば、配線の順序は図4に示すものに限られない。例えば、外側から上部定電位配線、下部定電位配線、グランド線及び電源線の順で並べてもよいし、下部定電位配線、上部定電位配線、電源線及びグランド線の順で並べる等してもよい。その場合、第1及び第2短絡線29,30は、適宜そのジャンパ線の長さ及び形状が変更される。
また、COF部21には、単一のドライバが実装され、このドライバに対応する電源線及びグランド線が設けられた単一のFPC部をCOF部に接合する場合を例示しているが、本配線構造はこのような所謂片側引き出し方式に限られない。つまり、COF部21に2つのドライバを実装し、これらドライバの各々に対応する電源線及びグランド線が設けられた2つのFPC部をCOF部の各端縁に接合した、所謂両側引き出し方式の配線構造にも好適に適用することができる。
本配線構造は、インクジェットプリンタに搭載されるインクジェットヘッドに限られず、インク以外の液体、例えば着色液を吐出して液晶表示装置のカラーフィルタを製造する装置や、導電液を吐出して電気配線を形成する装置等に使用する液体吐出装置に搭載される液体吐出ヘッドに対しても好適に適用することができる。
本発明は、圧力室を高密化しても良好にクロストークを抑制可能な液滴吐出ヘッドを提供することができ、且つクロストーク抑制のために3種の電極より形成された2種の活性部を夫々安定して動作させることができるという作用効果を奏し、被記録媒体にインクを着弾させることによって該媒体に画像を記録するインクジェットプリンタのインクジェットヘッドに適用すると有益である。
1 インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)
3 圧電アクチュエータ
6 圧力室
11 個別電極
12 上部定電位電極(第1定電位電極)
13 下部定電位電極(第2定電位電極)
14 第1活性部
15 第2活性部
20 配線板
21 COF部(第1配線板)
22 FPC部(第2配線板)
23 ドライバ
24 個別配線
25 電源線
26 グランド線
27 上部低電位配線(第1定電位配線)
28 下部定電位配線(第2定電位配線)
29 第1短絡線
30 第2短絡線

Claims (7)

  1. 複数の圧力室内の液体を選択的に吐出させるための圧電アクチュエータを備えた液滴吐出ヘッドに適用され、前記圧電アクチュエータに電圧を印加するための液滴吐出ヘッドの配線構造であって、
    前記圧電アクチュエータは、前記圧力室の中央部に対応する第1活性部と、前記複数の圧力室の中央部分よりも外側の部分に対応する第2活性部とを備え、前記第1活性部は選択的に駆動電圧が付与される個別電極と、第1の定電位が付与される第1定電位電極とで挟まれた部分に形成され、前記第2活性部は前記個別電極と、第2の定電位が付与される第2定電位電極とで挟まれた部分に形成され、
    前記第1及び第2活性部はそれぞれ、電圧印加時に前記圧力室に向かう第1方向に伸長するとともにその第1方向と直交する第2方向に収縮する変形状態となるよう構成され、前記第1活性部への電圧印加時には前記第2活性部に電圧が印加されず、前記第1活性部に電圧を印加しないときには前記第2活性部に電圧が印加され、
    前記配線構造が複数の前記配線が設けられた配線板と、前記配線板上に実装されて駆動電圧を選択的に出力するドライバとを有し、前記複数の配線には、
    前記ドライバからの駆動電圧を前記個別電極に付与するための個別配線と、
    前記ドライバに電源供給するための電源線と、
    前記ドライバをグランド電位に接続するためのグランド線と、
    前記第1定電位を前記第1定電位電極に付与するための第1定電位配線と、
    前記第2定電位を前記第2定電位電極に付与するための第2定電位配線と、
    前記電源線と前記第1定電位配線とを短絡する第1短絡線と、
    前記グランド線と前記第2定電位配線とを短絡する第2短絡線と
    が含まれていることを特徴とする液滴吐出ヘッドの配線構造。
  2. 前記第1短絡線及び前記第2短絡線が前記ドライバ近傍に設けられることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッドの配線構造。
  3. 前記配線板が、前記圧電アクチュエータに接合される第1配線板と、前記第1配線板の端縁に接合される接合部を有する第2配線板とを有し、
    前記ドライバが前記第1配線板の端縁に近接する位置に実装され、前記第1短絡線及び前記第2端絡線のうち少なくとも一方が前記第2配線板の前記接合部に近接する位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出ヘッドの配線構造。
  4. 前記配線板は前記アクチュエータに対して少なくとも一方向に引き延ばされるように配設され、前記ドライバはその長手方向を前記一方向と直交する方向に向けるようにして前記配線板上に実装され、
    前記電源線、前記グランド線、前記第1定電位配線及び前記第2定電位配線の4つの配線が前記一方向に沿って並んで設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドの配線構造。
  5. 前記配線板の外縁側から順に前記第1定電位配線及び前記第2定電位配線の組と、前記グランド線及び前記電源線の組とが並んで設けられており、
    前記第1定電位配線及び前記第2定電位配線の組は、前記ドライバの外側の領域を前記ドライバに対して前記一方向の両側へと直線状に延在するよう設けられていることを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出ヘッドの配線構造。
  6. 前記第2の定電位がグランド電位であり、前記第2定電位配線が前記第1定電位配線に対して外側に設けられており、
    前記第1短絡線が、前記第2定電位配線を跨ぎ越して設けられるジャンパ線を有し、前記第2短絡線が、前記グランド線を跨いで設けられるジャンパ線を有することを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出ヘッドの配線構造。
  7. 前記配線板は前記4つの配線が設けられる表面と、その反対側の裏面とを有し、
    前記第1短絡線のジャンパ線は、前記裏面において、前記電源線が設けられている部分に対応する領域と、前記第1定電位配線が設けられている部分に対応する領域とを跨いで設けられ、
    前記第2短絡線のジャンパ線は、前記裏面において、前記グランド線が設けられている部分に対応する領域と、前記第2定電位配線が設けられている部分に対応する領域とを跨いで設けられていることを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出ヘッドの配線構造。
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