JP7303916B2 - インクジェットヘッド、インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、インクジェットヘッド、インクジェットプリンタに関する。
インクジェットヘッドは、複数のインク室が形成された流路形成部材、各インク室に連通する複数のノズルが形成されたノズルプレート、インク室に対応する複数のアクチュエータ等の素子が配置されたヘッド基板を備える。
ヘッド基板は、フレキシブル基板、中継基板、ケーブル等を介してプリンタ制御部に接続する。複数の素子を駆動する駆動ICは、フレキシブル基板に実装される場合がある。
プリンタ制御部からの指令に基づいて駆動ICから駆動電力が出力されて、各素子に供給される。これにより、複数の素子が変形や発熱などして圧力室内のインク圧力が高まり、ノズルからインクが吐出される。
各素子には、駆動信号を供給する個別配線と、基準電位(グランド電位)を供給するコモン配線(共通配線)が接続される。
コモン配線は、フレキシブル基板を介さずに別経路で敷設されたり、フレキシブル基板の駆動ICを経由して敷設されたりする。
コモン配線をフレキシブル基板とは別経路で敷設すると、配線が長くて複雑になる。このため、ノイズの影響を受けやすくなったり、電圧降下による吐出特性の劣化を招いたりする。また、配線接続作業が煩雑になる。
コモン配線をフレキシブル基板の駆動ICを経由して敷設すると、コモン配線を伝搬するノイズにより駆動ICの誤動作が発生する。また、コモン配線が細くなって電圧降下による吐出特性の劣化を招く。コモン配線を太くすると、駆動ICの実装面積が大きくなり、装置の小型化が阻害される。
特開2007-083707号公報
本発明が解決しようとする課題は、第一配線を有する第一配線基板と第一配線よりも導体が厚い第二配線を有する第二配線基板の接続における配線抵抗の悪化を回避して、吐出特性の劣化を防止できるインクジェットヘッド、インクジェットプリンタを提供することである。
実施形態のインクジェットヘッドは、表面上に第一の厚さの導体による第一配線を形成した第一配線基板と、前記第一配線よりも厚い第二の厚さの導体による第二配線を形成した軟質フィルム基板の第二配線基板と、を備え、前記第一配線基板と前記第二配線基板を重ねて前記第一配線と前記第二配線を接続させたインクジェットヘッドであって、前記第一配線は、前記第一配線基板に設けたノズルからインクを吐出する複数の素子に前記第一配線基板上でそれぞれ接続されると共に一体に接続され、前記第一配線と前記第二配線の接続箇所に引き出されるコモン配線であり、前記第一配線と前記第二配線の接続箇所において、前記第一配線の導体幅は、前記第二配線の導体幅よりも大きい。
実施形態のインクジェットヘッドの電気回路の概略構成を示す図であって、(a)は一般例、(b)は変形例である。 第一実施形態のインクジェットヘッドを示す図であって、(a)は接合前、(b)は接合後を示す。 第一実施形態のインクジェットヘッドを示す図であって、(a)は図2(b)のA-A断面図、(b)図2(b)のB-B断面図、(c)は図2(b)のC部拡大図、(d)は図2(b)のD部拡大図、(e)は図2(b)のE部拡大図である。 スプロケットフィルムに形成されたフレキシブル基板を示す図である。 第二実施形態のインクジェットヘッドを示す図であって、(a)は接合前、(b)は接合後を示す。 スプロケットフィルムに形成されたフレキシブル基板を示す図である。 第三実施形態のインクジェットヘッドを示す図である。 スプロケットフィルムに形成されたフレキシブル基板を示す図である。 第四実施形態のインクジェットヘッドを示す図である。
以下、実施形態のインクジェットヘッド及びインクジェットプリンタについて、図面を参照して説明する。各図において、同一構成については同一の符号を付す。
〔第一実施形態〕
(インクジェットヘッド3)
図1は、実施形態のインクジェットヘッド3の電気回路の概略構成を示す図であって、(a)は一般例、(b)は変形例である。
インクジェットプリンタ1は、複数のインクジェットヘッド3を備える。また、インクジェットプリンタ1は、インクジェットヘッド3に向けてインクを供給するインク供給部やインクジェットヘッド3に向けて記録媒体を搬送する媒体搬送部、プリンタ制御部等を備える(いずれも不図示)。
各インクジェットヘッド3は、複数のアクチュエータ7、駆動IC8等を備える。駆動IC8は、出力トランジスタ8Tを含む駆動回路を備える。
複数のアクチュエータ(素子)7は、一端が個別配線11に接続され、他端がコモン配線16に接続される。
個別配線11は、アクチュエータ7毎に個別に接続する配線であり、駆動IC8に接続される。コモン配線16は、全てのアクチュエータ7に接続する共通の配線であり、接地される。すなわち、各アクチュエータ7は、別々の個別配線11を介して駆動IC8の駆動回路に接続され、共通するコモン配線16を介して基準電位GND(0V)に接続される。
駆動IC8の駆動回路は、出力トランジスタ8Tを駆動電位V1と基準電位GNDに選択的に導通制御する。駆動IC8の駆動回路が出力トランジスタ8Tを駆動電位V1に導通制御すると、アクチュエータ7には駆動電位V1が充電される。駆動IC8の駆動回路が出力トランジスタ8Tを基準電位GNDに導通制御すると、アクチュエータ7には基準電位GNDに放電される。
図2は、第一実施形態のインクジェットヘッド3を示す図であって、(a)は接合前、(b)は接合後を示す。説明の都合上、フレキシブル基板20と中継基板30は、各基板を透過して配線等を図示している。
図3は、第一実施形態のインクジェットヘッドを示す図であって、(a)は図2(b)のA-A断面図、(b)図2(b)のB-B断面図、(c)は図2(b)のC部拡大図、(d)は図2(b)のD部拡大図、(e)は図2(b)のE部拡大図である。(c)~(e)は、説明の都合上、各配線のみを図示している。
インクジェットヘッド3は、ヘッド基板10、フレキシブル基板20および中継基板30を備える。
ヘッド基板10は、インク室(不図示)に対応する複数のアクチュエータ7が配置される。ヘッド基板10に対して、フレキシブル基板20と中継基板30が接合される。
以下の説明において、ヘッド基板10の長手方向をX方向または左右方向という。+X方向を右側、-X方向を左側という。-X方向の端部(第一端)と+X方向の端部(第二端)を合わせて両端という。
ヘッド基板10の短手方向をY方向または上下方向という。+Y方向を上側または出力側、-Y方向を下側または入力側という。
ヘッド基板10の厚み方向をZ方向という。+Z方向を表側、-Z方向を裏側という。
また、電気的に繋ぎ合わせることを接続、物理的に繋ぎ合わせることを接合と表現する。
ヘッド基板10、フレキシブル基板20および中継基板30は、Y方向において順次接合する。ヘッド基板10が+Y方向、中継基板30が-Y方向に配置され、ヘッド基板10と中継基板30の間に、2つのフレキシブル基板20が並列に架け渡される。
ヘッド基板10の入力側の辺縁部10bにフレキシブル基板20の出力側の辺縁部20aが重ねられる。中継基板30の出力側の辺縁部30aにフレキシブル基板20の入力側の辺縁部20bが重ねられる。
(ヘッド基板10)
ヘッド基板(第一配線基板)10は、シリコンまたはガラスからなる硬質の片面基板であり、平面形状が矩形である。このヘッド基板10は、複数のアクチュエータ7を有する。アクチュエータ7は、圧電素子(ピエゾ素子)である。複数のアクチュエータ7は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)によって形成されて、ヘッド基板10の表面10sに配置される。アクチュエータ7は、例えば1000個である。
複数のアクチュエータ7は、左下側から右上側に向かって列をなす。このようなアクチュエータ7の列が左右方向に沿って並列に複数配置される。1つの列をなすアクチュエータ7の数は、例えば20個である。アクチュエータ7の列の数は、例えば50列である。
また、ヘッド基板10は、個別配線11とコモン配線16を有する。個別配線11とコモン配線16は、各アクチュエータ7に接続される。
個別配線11は、表面10sにおいて、各アクチュエータ7から入力側の辺縁部10bまで並列に敷設される複数の配線である。個別配線11には、駆動電位V1または基準電位GNDが供給される。
個別配線11の本数は、アクチュエータ7の個数と同数である。個別配線11は、例えば1000本である。
コモン配線(第一配線)16は、表面10sにおいて、各アクチュエータ7から出力側の辺縁部10aに向って並列に敷設される。そして、アクチュエータ7に接続した各コモン配線16は、辺縁部10aにおいて一体に接続し、辺縁部10aに沿って左右両端に向かって敷設される。さらに、コモン配線16は、辺縁部10aの左右両端から左右側の辺縁部10c,10dに沿って辺縁部10bまで敷設される。つまり、コモン配線16は、1本の配線であり、辺縁部10bを除く辺縁部10a,10c,10dに沿って敷設され、さらに辺縁部10aから分岐して各アクチュエータ7まで敷設される。
コモン配線16には、基準電位GNDが供給される。
ヘッド基板10の辺縁部10bにおいて、左右両端にコモン配線16L,16Rがそれぞれ配置される。このコモン配線16L,16R同士の間に、複数の個別配線11が配置される。個別配線11は、辺縁部10bの左右側に二分割して配置される。例えば、辺縁部10bの左側に500本、右側に500本ずつ配置される。
個別配線11は、辺縁部10bの左右側に二分割して配置されるため、アクチュエータ7と辺縁部10bの間で、X方向に対して傾斜するように敷設される。
個別配線11およびコモン配線16は、ニッケル、アルミ、金またはこれらの合金などによって形成される。これらの配線は、半導体プロセスで形成されるため導体の膜厚が比較的薄い。具体的には、個別配線11およびコモン配線16は、線厚が0.4μmである(図3(a)、図3(b)参照。
辺縁部10bにおいて、個別配線11は、線幅が20μm、配線間隔が20μm、配置間隔(ピッチ)が40μmである。コモン配線16L,16Rは、線幅が0.8mmである(図3(c)、図3(d)参照)。
(フレキシブル基板20)
フレキシブル基板(第二配線基板)20は、ポリイミドなどの合成樹脂フィルムからなる軟質の片面基板であり、平面形状が矩形である。フレキシブル基板20は、可撓性フィルム基板またはフレキシブルフィルム基板(FPC、Flexible Printed Circuit)とも呼ばれる。左側のフレキシブル基板20Lと右側のフレキシブル基板20Rは、同一形状、同一構成である。
各フレキシブル基板20は、一つの駆動IC8を有する。駆動IC8は、フレキシブル基板20の裏面20tに実装される。駆動IC8は、フレキシブル基板20の中央部において左右方向に沿うように配置され、各端子が樹脂封止される。
フレキシブル基板20は、駆動IC8のパッケージと考えることができるため、駆動IC8をフレキシブル基板20に搭載した封止状態で、TCP(テープキャリアパッケージ)あるいはCOF(チップオンフィルム)パッケージとも呼ばれる。
また、各フレキシブル基板20は、出力配線21、入力配線22、電源配線23、グランド配線24、出力モニタ配線25及びコモン連絡配線26を有する。
コモン連絡配線26を除く配線は、駆動IC8に接続する。すなわち、出力配線21、入力配線22、電源配線23、グランド配線24及び出力モニタ配線25は、駆動IC8に接続する。
一方、コモン連絡配線26は、駆動IC8や他の配線に接続することなく、独立して敷設される。
出力配線21は、裏面20tにおいて、駆動IC8から出力側の辺縁部20aまで並列に敷設される複数の配線である。出力配線21は、駆動IC8の裏面に設けられた複数の出力端子(不図示)にそれぞれ接続する。出力配線21には、駆動電位V1または基準電位GNDが供給される。
出力配線21の本数は、個別配線11の本数の半分である。出力配線21は、例えば500本である。
入力配線22は、裏面20tにおいて、駆動IC8から入力側の辺縁部20bまで並列に敷設される複数の配線である。入力配線22は、駆動IC8の裏面に設けられた複数の入力端子(不図示)にそれぞれ接続する。入力配線22には、制御信号が供給される。
入力配線22の本数は、出力配線21の本数よりも少ない。入力配線22は、例えば50本である。
電源配線23とグランド配線24は、裏面20tにおいて、駆動IC8の実装領域を左右方向に横切り、左右両端側でほぼ直角に曲がって辺縁部20bまで並列に敷設される配線である。すなわち、電源配線23とグランド配線24は、入力配線22出力側と左右両側を取り囲むように敷設される。
電源配線23は、駆動IC8の裏面に設けられた複数の電源端子(不図示)に接続する。電源配線23は、駆動電位V1が供給される。
グランド配線24は、駆動IC8の裏面に設けられた複数のグランド端子(不図示)に接続する。グランド配線24には、基準電位GNDが供給される。
電源配線23とグランド配線24は、それぞれ1本ずつであり、電源配線23が出力側・左右外側に配置され、グランド配線24が入力側・左右内側に配置される。
出力モニタ配線25は、駆動IC8から入力側の辺縁部20bまで敷設される2本の配線である。出力モニタ配線25は、駆動IC8の裏面に設けられた複数の出力端子(不図示)のいずれかに接続する。つまり、出力モニタ配線25は、複数の出力配線21のいずれかに接続する。出力モニタ配線25には、駆動IC8によって駆動電位V1から基準電位GNDの間で変化する駆動波形が供給される。
出力モニタ配線25は、左右側にそれぞれ1本ずつ配置される。各出力モニタ配線25は、出力配線21の端部から入力側に引き出され、駆動IC8の実装領域から左右両端に向かい、さらに直角に曲がって辺縁部20bまで敷設される。出力モニタ配線25は、電源配線23の出力側・左右外側に配置され、電源配線23に対して並列に敷設される。
コモン連絡配線(第二配線)26は、裏面20tにおいて、左右の辺縁部20c,20dに沿って上下方向に敷設される2本の配線である。すなわち、コモン連絡配線26Lが最左縁に配置され、コモン連絡配線26Rが最右縁に配置される。そして、コモン連絡配線26L,26Rは、駆動IC8等に接続することなく、辺縁部20bと辺縁部20aを直結するように敷設される。コモン連絡配線26には、基準電位GNDが供給される。
グランド配線24とコモン連絡配線26は、互いに離間する。言い換えれば、グランド配線24とコモン連絡配線26は、各々独立して中継基板30に接続されて、中継基板30において接続する。
フレキシブル基板20の辺縁部20aには複数の入力配線22が並び、その外側にはグランド配線24が、さらにその外側には電源配線23が敷設される。フレキシブル基板20は片面基板であるので、フレキシブル基板上の配線は他の配線を跨ぐことができない。
もっとも、フレキシブル基板20においては、コモン連絡配線26と駆動IC8が分離しているので、出力モニタ配線25の経路は出力配線21のいずれかを起点にコモン連絡配線26と電源配線23との間を通って他の配線を跨がずに辺縁部20bに至るよう敷設することができる。
なお、グランド配線24の外側に電源配線23が敷設される場合に限らず、電源配線23の外側にグランド配線24を敷設する場合であってもよい。
出力配線21、入力配線22、電源配線23、グランド配線24、出力モニタ配線25及びコモン連絡配線26は、銅によって形成される。これらの配線は、ポリイミドフィルム上に接着剤を用いて、あるいは電解によって積層した後にパターニングすることにより形成される。このため、ヘッド基板10の各配線(個別配線11、コモン配線16)に比べて導体厚が厚い。出力配線21からコモン連絡配線26の各配線は、線厚が8μmである(図3(a)、図3(b)参照。
辺縁部20aにおいて、出力配線21は、配置間隔(ピッチ)が40μmであり、個別配線11と同一である。また、出力配線21は、線幅が18μmであり、個別配線11よりも小さく、配線間隔が22μmであり、個別配線11よりも大きい(図3(d)参照)。
フレキシブル基板20の導体(各配線)は、ヘッド基板10の導体の約20倍の厚みを有するので、ヘッド基板10の導体に比べるとシート抵抗が十分に低い。シート抵抗が高いヘッド基板10の導体の幅(線幅)を小さくしてしまうと配線抵抗が大きく増加するのに対して、シート抵抗が低いフレキシブル基板20の導体の幅(線幅)を小さくしても抵抗増加の影響は比較的少ない。導体の幅を狭くしても比較的抵抗増加の影響が少ないポリイミドフィルム側の出力配線21の導体の幅は18μmと狭くし、その分配線間隔を22μmと広く取ることによって抵抗増加を抑えつつ接続時にズレが生じたとしても絶縁不良を起こし難いようにしている。
コモン連絡配線26は、線幅が0.4mmであり、コモン配線16L,16Rの半分である(図3(c)参照)。
フレキシブル基板20の導体(各配線)は、ヘッド基板10の導体の約20倍の厚みを有するので、ヘッド基板10の導体に比べるとシート抵抗が十分に低い。シート抵抗が高いヘッド基板10の導体の幅(線幅)を小さくしてしまうと配線抵抗が大きく増加するのに対して、シート抵抗が低いフレキシブル基板20の導体の幅(線幅)を小さくしても抵抗増加の影響は比較的少ない。導体の幅を狭くしても比較的抵抗増加の影響が少ないポリイミドフィルム側のコモン連絡配線26の導体の幅を0.4mmとすることによって抵抗増加を抑えつつポリイミドフィルムのX方向の長さを抑えることができる。これによってフレキシブル基板20とヘッド基板10との接合の作業性を向上させ、製造コストを抑え、かつフィルムのコストを抑えることができる。
辺縁部20bにおいて、入力配線22は、線幅が0.15mm、配線間隔が0.15mm、配置間隔(ピッチ)が0.3mmである。出力モニタ配線25は、線幅が100μmである。電源配線23、グランド配線24、コモン連絡配線26は、線幅が0.4mmである(図3(e)参照)。
フレキシブル基板20の辺縁部20aにおいて、左右両端にコモン連絡配線26L,26Rが配置される。辺縁部20aの中央部には、複数の出力配線21が配置される。
これにより、ヘッド基板10の辺縁部10bの左側にフレキシブル基板20Lを接合すると、コモン連絡配線26Lがコモン配線16Lに接続し、出力配線21が個別配線11にそれぞれ接続する(接続箇所)。
また、ヘッド基板10の辺縁部10bの右側にフレキシブル基板20Rを接合すると、コモン連絡配線26Rがコモン配線16Rに接続し、出力配線21が個別配線11にそれぞれ接続する(接続箇所)。
フレキシブル基板20とヘッド基板10は、異方性導電フィルム(ACF、Anisotropic Conductive Film)を介して接続される。ACFは、フレキシブル基板20の裏面20tの辺縁部20aとヘッド基板10の表面10sの辺縁部10bの間に配置される。
フレキシブル基板20とヘッド基板10の間にACFを挟んでヒーターなどで熱圧着すると、フレキシブル基板20とヘッド基板10が接合し、さらに、各配線同士が電気的に接続する。例えば、コモン配線16L,16Rとコモン連絡配線26L,26Rが電気的に接続する。
熱圧着時のフレキシブル基板20の伸びを無視できない場合は、接続前の状態で配置間隔(ピッチ)を40μmよりも狭く形成して、接続後に配置間隔(ピッチ)が40μmになるようにしてもよい。
フレキシブル基板20の辺縁部20bにおいて、左右両端にコモン連絡配線26L,26Rが配置される。辺縁部20bの中央部には、複数の入力配線22が配置される。さらに、コモン連絡配線26Lと入力配線22の間に、出力モニタ配線25、電源配線23、グランド配線24が配置される。同様に、コモン連絡配線26Rと入力配線22の間に、出力モニタ配線25、電源配線23、グランド配線24が配置される。
(中継基板30)
中継基板30は、ガラス繊維入りのエポキシ樹脂層と銅配線層を多重に積層した硬質のスルーホール基板であり、平面形状が矩形である。
中継基板30は、電子部品やコネクタ(いずれも不図示)を有する。また、中継基板30は、入力配線32、電源配線33、グランド配線34、出力モニタ配線35を有する。
入力配線32、電源配線33およびグランド配線34は、コネクタに接続する。
出力モニタ配線35は、中継基板30の表面30sに立設するモニタピン37に接続する。
入力配線32は、出力側の辺縁部30aからコネクタに向かって並列に敷設される複数の配線である。入力配線32は、辺縁部30aにおいて表面30sに露出し、辺縁部30a以外では内層に配置される。
入力配線32の本数は、入力配線22の本数(例えば50本×2)と同数である。個別配線11は、例えば100本である。
入力配線32には、駆動IC8に対する制御信号がプリンタ制御部からシリアル通信により入力(供給)される。つまり、入力配線32には、アクチュエータ7を制御するための制御信号がコネクタ等を介してプリンタ制御部から入力(供給)される。
電源配線33とグランド配線34は、辺縁部30aからコネクタに向かって並列に敷設される配線である。電源配線33は、辺縁部30aにおいて表面30sに露出し、辺縁部30a以外では内層に配置される。グランド配線34は、辺縁部30aにおいて表面30sに露出する。
電源配線33は、辺縁部20aにおいて4本に分岐する。電源配線33は、辺縁部20aの左側に2本、右側に2本ずつ配置される。
電源配線33には、アクチュエータ7を駆動するための駆動電位V1がコネクタ等を介して電源部(図2(b)参照)から供給される。
グランド配線34は、辺縁部30aにおいて6つに分岐する。グランド配線34は、辺縁部20aの左側に2本、右側に2本ずつ配置される。さらに、グランド配線34は、辺縁部20aの左右両端にそれぞれ1本ずつ配置される(グランド配線34L,34R)。
辺縁部20aの左右側において、2本のグランド配線34は、2本の電源配線33の内側に並列に敷設される。辺縁部20aの左右両端において、グランド配線34L,34Rは、電源配線33の外側に並列に敷設される。
グランド配線34には、アクチュエータ7を放電させる基準電位GNDがコネクタを介して電源部から供給される。
出力モニタ配線35は、辺縁部30aから4つのモニタピン37まで敷設される4本の配線である。4つのモニタピン37は、中継基板30の表面30sの任意の場所に配置される。インクジェットヘッド3では、インクの特性に応じて駆動波形を調整する必要が生じる場合がある。その際に、4つのモニタピン37にオシロスコープなどの計測器(不図示)を接続して駆動波形を確認することができる。
出力モニタ配線35は、辺縁部30aにおいて表面30sに露出し、辺縁部30a以外では内層に配置される。
辺縁部30aにおいて、出力モニタ配線35は、電源配線33の外側に敷設される。辺縁部30aの中央において、2本の出力モニタ配線35が並列に配置される。辺縁部20aの左右両端において、出力モニタ配線35がグランド配線34L,34Rと電源配線33の間に並列に敷設される。
入力配線32、電源配線33、グランド配線34、出力モニタ配線35は、銅によって形成される。入力配線32から出力モニタ配線35の各配線は、線厚が35μmである(図3(a)、図3(b)参照)。中継基板30の導体(各配線)は、フレキシブル基板20の導体に比べると、線厚が厚い。
辺縁部30aにおいて、入力配線32は、配置間隔(ピッチ)が0.3mmであり、個別配線11と同一である。入力配線32は、線幅が0.1mmであり、入力配線22よりも小さく、配線間隔が0.2mmであり、入力配線22よりも大きい(図3(e)参照)。
中継基板30の導体(各配線)は、フレキシブル基板20の導体の約4倍の厚みを有するので、ヘッド基板10の配線に比べるとシート抵抗が十分に小さい。このため、中継基板30は、導体の幅(線幅)を小さくしても、抵抗増加の影響が比較的少ない。
導体の幅を狭くしても比較的抵抗増加の影響が少ない中継基板側の入力配線32の導体の幅を0.1mmにして、入力配線22の導体の幅0.15mmよりも狭くした。入力配線32の分配線間隔を0.2mmと広くすることによって抵抗増加を抑えつつ、接続時にズレが生じたとしても絶縁不良を起こし難いようにしている。
つまり、上述したヘッド基板10の個別配線11とフレキシブル基板20の出力配線21との関係と同様である。
シート抵抗の異なる2つの配線基板を接続する際に、シート抵抗の大きい側の基板(第一配線基板)における配線(第一配線)の線幅と配線間隔を1:1に設定し、シート抵抗の小さい側の基板(第二配線基板)における配線(第二配線)が第一配線と同ピッチであっても線幅を配線間隔よりも狭く設定する。こうすることによって抵抗増加を抑えつつ接続時にズレが生じたとしても絶縁不良を起こし難い接続が得られる。
辺縁部30aにおいて、電源配線33、グランド配線34は線幅が0.4mmである。出力モニタ配線35は線幅が100μmである。
中継基板30の辺縁部30aにおいて、左側から中央に向けて、グランド配線34L、出力モニタ配線35、電源配線33、グランド配線34、複数の入力配線32、グランド配線34、電源配線33、出力モニタ配線35の順に配置される。
また、中継基板30の辺縁部30aにおいて、右側から中央に向けて、グランド配線34R、出力モニタ配線35、電源配線33、グランド配線34、複数の入力配線32、グランド配線34、電源配線33、出力モニタ配線35の順に配置される。
これにより、中継基板30の辺縁部30aの左側にフレキシブル基板20Lを接合すると、各配線同士が接続する。すなわち、入力配線32が入力配線22、電源配線33が電源配線23、グランド配線34がグランド配線24、出力モニタ配線35が出力モニタ配線25にそれぞれ接続する。グランド配線34Lは、フレキシブル基板20Lのコモン連絡配線26Lにそれぞれ接続する(接続箇所)。
また、中継基板30の辺縁部30aの右側にフレキシブル基板20Rを接合すると、各配線同士が接続する。すなわち、入力配線32が入力配線22、電源配線33が電源配線23、グランド配線34がグランド配線24、出力モニタ配線35が出力モニタ配線25にそれぞれ接続する。グランド配線34Rは、フレキシブル基板20Rのコモン連絡配線26Rにそれぞれ接続する(接続箇所)。
中継基板30と2枚のフレキシブル基板20は、ACFを介して接続される。ACFは、中継基板30の表面30sの辺縁部30aとフレキシブル基板20の裏面20tの辺縁部20bの間に配置される。
中継基板30の辺縁部30aとフレキシブル基板20の辺縁部20bの間にACFを挟んでヒーターなどで熱圧着すると、中継基板30と2枚のフレキシブル基板20が接合し、さらに、各配線同士が電気的に接続する。例えば、コモン連絡配線26L,26Rとグランド配線34L,34Rが電気的に接続する。
図4は、スプロケットフィルムFに形成されたフレキシブル基板20を示す図である。説明の都合上、フレキシブル基板20は、合成樹脂フィルムを透過して図示している。
フレキシブル基板20は、ポリイミドなどの合成樹脂からなるスプロケットフィルムFに連なって形成される。複数のフレキシブル基板20は、スプロケットフィルムFに形成された状態で、インクジェットヘッド3の組立工場等に供給(搬送)される。
スプロケットフィルムFから個々のフレキシブル基板20を切り取るとき、フレキシブル基板20の外周(図4の破線)をカットする。これにより、フレキシブル基板20(20L,20R)として、ヘッド基板10等に接合可能になる。
このように、インクジェットヘッド3は、アクチュエータ7を駆動する駆動IC8が実装されたフレキシブル基板20における共通配線(グランド配線24、コモン連絡配線26)の複雑化と細線化を回避することができる。したがって、ノイズの影響を受けづらくなり、吐出特性の劣化を防止できるインクジェットプリンタ1を実現できる。
また、上述したように、インクジェットヘッド3のヘッド基板10に形成されたコモン配線16は、線厚(導体厚)が0.4μmであって極めて薄い。コモン配線16は、個別配線11と異なって、全てのアクチュエータ7の駆動電流が集まるため、大きな電流が流れる。このため、コモン配線16は、個別配線11の80倍の線幅(導体幅)が必要である。そこで、辺縁部10bに、線幅が0.8mmのコモン配線16を2本配置している。
フレキシブル基板20に形成されたコモン連絡配線26は、線厚が8μmであり、コモン配線16の20倍の厚みを有する。このため、コモン連絡配線26は、線幅がコモン配線16の線幅(0.8mm)の半分(0.4mm)であっても、導体断面積が大きいため、十分に低い電気抵抗を有する。
ヘッド基板10とフレキシブル基板20の接合に左右方向の位置ずれが発生すると、コモン配線16とコモン連絡配線26の一部同士が接続して、この接続箇所の電気抵抗が高くなるおそれがある。
コモン配線16とコモン連絡配線26の接続箇所の電気抵抗が大きいと、アクチュエータ7の駆動電圧が低下してインク吐出の安定性が損なわれたり、コモン配線16が発熱して耐久性が損なわれたりする。
インクジェットヘッド3では、線幅が大きいコモン配線16に対して線幅が小さいコモン連絡配線26を重ねて接続する。このため、コモン連絡配線26がコモン配線16の線幅の範囲内に確実に配置される。導体断面積が大きくて電気抵抗が低いコモン連絡配線26に対して、導体断面積が小さくて電気抵抗が高い(または等しい)コモン配線16が完全に接続するので、接続箇所の電気抵抗の上昇を回避できる。
したがって、ヘッド基板10とフレキシブル基板20の接合時の位置合わせ精度が高くならず、接合を容易に行うことができる。
インクジェットヘッド3では、中継基板30に、アクチュエータ7のみに基準電位GNDを供給するグランド配線34L,34Rが敷設される。このため、グランド配線34L,34Rにスイッチ等を設けて、アクチュエータ7に供給する基準電位を任意に制御することができる。
例えば、図1(b)に示すように、スイッチを切り替えて、アクチュエータ7に負電位V2を供給することができる。これにより、アクチュエータ7を分極処理することができる。
また、電位V2を可変にして、アクチュエータ7に与えるバイアス電圧を調整することもできる。
インクジェットヘッド3では、フレキシブル基板20において、アクチュエータ7に基準電位を供給するコモン連絡配線26と駆動IC8に基準電位を供給するグランド配線24を別個独立して設けた。これにより、駆動IC8の出力配線21とコモン連絡配線26の間に、出力モニタ配線25を敷設することができる。出力モニタ配線25は、駆動IC8の複数の出力端子のいずれかに接続して、中継基板30の出力モニタ配線35に接続する。
これにより、中継基板30において駆動IC8の出力波形を確認することができる。言い換えれば、従来のように、フレキシブル基板20において駆動IC8の出力波形を確認する必要がない。
したがって、インクジェットヘッド3の開発時や故障解析時に、駆動IC8の出力波形を容易に確認することができる。
〔第二実施形態〕
(インクジェットヘッド4)
図5は、第二実施形態のインクジェットヘッド4を示す図であって、(a)は接合前、(b)は接合後を示す。説明の都合上、フレキシブル基板40と中継基板30は、基板を透過して配線等を図示している。
第一実施形態のインクジェットヘッド3と同一の部材等には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
インクジェットヘッド4は、ヘッド基板10、フレキシブル基板40および中継基板30を備える。ヘッド基板10と中継基板30の間に、2つのフレキシブル基板40が並列に架け渡される。
(フレキシブル基板40)
フレキシブル基板40は、フレキシブル基板20とほぼ同一構成である。
左側のフレキシブル基板40Lはコモン連絡配線26Rを有さず、右側のフレキシブル基板40Rはコモン連絡配線26Lを有しない。すなわち、フレキシブル基板20からコモン連絡配線26Rを切り取ったものがフレキシブル基板40Lであり、フレキシブル基板20からコモン連絡配線26Lを切り取ったものがフレキシブル基板40Rである。
図6は、スプロケットフィルムFに形成されたフレキシブル基板40を示す図である。説明の都合上、フレキシブル基板40は、合成樹脂フィルムを透過して図示している。
フレキシブル基板40は、ポリイミドなどの合成樹脂からなるスプロケットフィルムFに連なって形成される。複数のフレキシブル基板40は、スプロケットフィルムFに形成された状態で、インクジェットヘッド4の組立工場等に供給(搬送)される。
スプロケットフィルムFに形成されたフレキシブル基板40は、第一実施形態のフレキシブル基板20と同一構成である。つまり、スプロケットフィルムFに形成されたフレキシブル基板40は、2本のコモン連絡配線26を有する。
スプロケットフィルムFから個々のフレキシブル基板40Rを切り取るとき、コモン連絡配線26LをスプロケットフィルムFに切り残す(図6の破線)。つまり、フレキシブル基板40からコモン連絡配線26Lを除去する。これにより、フレキシブル基板40Rとして、ヘッド基板10等に接合可能になる。
また、スプロケットフィルムFから個々のフレキシブル基板40Lを切り取るとき、コモン連絡配線26RをスプロケットフィルムFに切り残す(図6の破線)。つまり、フレキシブル基板40からコモン連絡配線26Rを除去する。これにより、フレキシブル基板40Lとして、ヘッド基板10等に接合可能になる。
インクジェットヘッド4は、インクジェットヘッド3と同様の作用効果を奏する。すなわち、アクチュエータ7を駆動する駆動IC8が実装されたフレキシブル基板40における共通配線(グランド配線24、コモン連絡配線26)の複雑化と細線化を回避することができる。したがって、吐出特性の劣化を防止できるインクジェットプリンタ1を実現できる。
さらに、インクジェットヘッド4は、製造効率の向上を図ることができる。すなわち、スプロケットフィルムFから個々のフレキシブル基板40を切り取るとき、カットラインを異ならせる。これにより、同一構成のフレキシブル基板40が複数形成されたスプロケットフィルムFから、フレキシブル基板40L,40Rを切り出すことが可能である。
カットラインを異ならせるだけなので、製造効率が向上する。複数種類の基板を製造する必要がないので、コスト低減できる。
上述したように、インクジェットヘッド4では、フレキシブル基板40Lはコモン連絡配線26Rを有さず、右側のフレキシブル基板40Rはコモン連絡配線26Lを有しない。このため、第一実施形態に比べて、2枚のフレキシブル基板40の幅が小さくなる。
これにより、ヘッド基板10において、左右に二分割した複数の個別配線11を、中央部に近づけて配置することができる。すなわち、個別配線11の敷設方向をより上下方向に沿うように形成できる。
個別配線11をX方向に対して傾斜して敷設すると、各個別配線11の電気抵抗が不均一になったり、絶縁信頼性が低下する。さらに、ヘッド基板10の歩留まりを下げる原因ともなる。
インクジェットヘッド4では、左右方向において、2枚のフレキシブル基板40を近接配置させることにより、個別配線11を直線状に形成できる。個別配線11をX方向に沿うように形成できる。これにより、各個別配線11の電気抵抗が均一になり、絶縁信頼性が向上して、ヘッド基板10の歩留まりを上げることができる。
〔第三実施形態〕
(インクジェットヘッド5)
図7は、第三実施形態のインクジェットヘッド5を示す図である。説明の都合上、フレキシブル基板40と中継基板30は、基板を透過して配線等を図示している。
第一、第二実施形態のインクジェットヘッド3,4と同一の部材等には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
インクジェットヘッド5は、ヘッド基板10、フレキシブル基板40および中継基板30を備える。ヘッド基板10と中継基板30の間に、3つのフレキシブル基板40L,40C,40Rが並列に架け渡される。
(フレキシブル基板40)
左側のフレキシブル基板40Lはコモン連絡配線26Rを有さず、右側のフレキシブル基板40Rはコモン連絡配線26Lを有しない。中央のフレキシブル基板40Cはコモン連絡配線26を有さない。すなわち、フレキシブル基板20から2本のコモン連絡配線26を切り取ったものがフレキシブル基板40Cである。
図8は、スプロケットフィルムFに形成されたフレキシブル基板40を示す図である。説明の都合上、フレキシブル基板40は、合成樹脂フィルムを透過して図示している。
フレキシブル基板40は、スプロケットフィルムFに連なって形成される。スプロケットフィルムFに形成されたフレキシブル基板40は、2本のコモン連絡配線26を有する。
スプロケットフィルムFから個々のフレキシブル基板40Rを切り取るとき、コモン連絡配線26LをスプロケットフィルムFに切り残す(図8の破線)。フレキシブル基板40からコモン連絡配線26Lを除去する。これにより、フレキシブル基板40Rとして、ヘッド基板10等に接合可能になる。
スプロケットフィルムFから個々のフレキシブル基板40Cを切り取るとき、コモン連絡配線26L,26RをスプロケットフィルムFに切り残す(図8の破線)。フレキシブル基板40からコモン連絡配線26Rを除去する。これにより、フレキシブル基板40Lとして、ヘッド基板10等に接合可能になる。
スプロケットフィルムFから個々のフレキシブル基板40Lを切り取るとき、コモン連絡配線26RをスプロケットフィルムFに切り残す(図8の破線)。フレキシブル基板40からコモン連絡配線26Rを除去する。これにより、フレキシブル基板40Lとして、ヘッド基板10等に接合可能になる。
インクジェットヘッド5は、インクジェットヘッド3,4と同様の作用効果を奏する。すなわち、アクチュエータ7を駆動する駆動IC8が実装されたフレキシブル基板40における共通配線(グランド配線24、コモン連絡配線26)の複雑化と細線化を回避することができる。したがって、ノイズの影響を受けづらくなり、吐出特性の劣化を防止できるインクジェットプリンタ1を実現できる。
さらに、インクジェットヘッド5は、インクジェットヘッド4と同様に、製造効率の向上を図ることができる。すなわち、スプロケットフィルムFから個々のフレキシブル基板40を切り取るとき、カットラインを異ならせる。これにより、同一構成のフレキシブル基板40が複数形成されたスプロケットフィルムFから、フレキシブル基板40L,40C,40Rを切り出すことが可能である。
カットラインを異ならせるだけなので、製造効率が向上する。複数種類の基板を製造する必要がないので、コスト低減できる。
インクジェットヘッド5では、フレキシブル基板40Lはコモン連絡配線26Rを有さず、右側のフレキシブル基板40Rはコモン連絡配線26Lを有さず、フレキシブル基板40Cはコモン連絡配線26を有しない。
これにより、インクジェットヘッド5は、インクジェットヘッド4と同様に、個別配線11の敷設方向をより上下方向に沿うように形成できる。したがって、各個別配線11の電気抵抗が均一になり、絶縁信頼性が向上して、ヘッド基板10の歩留まりを上げることができる。
〔第四実施形態〕
(インクジェットヘッド6)
図9は、第四実施形態のインクジェットヘッド6を示す図である。説明の都合上、フレキシブル基板20と中継基板30は、基板を透過して配線等を図示している。
第一~第三実施形態のインクジェットヘッド3~5と同一の部材等には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
インクジェットヘッド6は、ヘッド基板10、フレキシブル基板20および中継基板30を備える。ヘッド基板10と中継基板30の間に、1つのフレキシブル基板20が架け渡される。
インクジェットヘッド6は、インクジェットヘッド3~5と同様の作用効果を奏する。すなわち、アクチュエータ7を駆動する駆動IC8が実装されたフレキシブル基板20における共通配線(グランド配線24、コモン連絡配線26)の複雑化と細線化を回避することができる。したがって、ノイズの影響を受けづらくなり、吐出特性の劣化を防止できるインクジェットプリンタ1を実現できる。
上述した各実施形態において、コモン配線16が第一配線、コモン連絡配線26が第二配線の場合に限らない。個別配線11が第一配線、出力配線21が第二配線の場合であってもよい。さらに、第一配線および第二配線は、他の配線であってもよい。
上述した各実施形態において、ヘッド基板10が第一配線基板、フレキシブル基板20が第二配線基板の場合に限らない。フレキシブル基板20が第一配線基板、中継基板30が第二配線基板の場合であってもよい。この場合は、入力配線22が第一配線、入力配線32が第二配線になる。
上述した各実施形態において、1枚のフレキシブル基板に1つの駆動IC8が実装される場合に限らない。1枚のフレキシブル基板に2つ以上の駆動IC8が実装されてもよい。このとき、2つ以上の駆動IC8は、左右方向に沿って直列に配置される。
ノズルからインクを吐出させる素子は、圧電素子(ピエゾ素子)からなるアクチュエータ7に限らない。素子は、ヒーター(サーマル方式)やソレノイド(バルブ方式)であってもよい。
各基板は、長方形の場合に限らず、平行四辺形や台形等であってもよい。各配線は、直線状に敷設されたり、平行に敷設されたりする場合に限らず、必要に応じて種々の変更を行うことができる。
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 インクジェットプリンタ
3,4,5,6 インクジェットヘッド
7 アクチュエータ(素子)
8 駆動IC
8T 出力トランジスタ
10 ヘッド基板(第一配線基板)
10a,10b,10c,10d 辺縁部
11 個別配線
16 コモン配線(第一配線)
20,20L,20R フレキシブル基板(第二配線基板)
20a,20b,20c,20d 辺縁部
21 出力配線
22 入力配線
23 電源配線
24 グランド配線
25 出力モニタ配線
26,26L,26R コモン連絡配線(第二配線)
30 中継基板
30a 辺縁部
32 入力配線
33 電源配線
34,34L,34R グランド配線
35 出力モニタ配線
37 モニタピン
40,40L,40R フレキシブル基板
F スプロケットフィルム
GND 基準電位
V1 駆動電位
V2 負電位

Claims (5)

  1. 表面上に第一の厚さの導体による第一配線を形成した第一配線基板と、
    前記第一配線よりも厚い第二の厚さの導体による第二配線を形成した軟質フィルム基板の第二配線基板と、を備え、
    前記第一配線基板と前記第二配線基板を重ねて前記第一配線と前記第二配線を接続させたインクジェットヘッドであって、
    前記第一配線は、前記第一配線基板に設けたノズルからインクを吐出する複数の素子に前記第一配線基板上でそれぞれ接続されると共に一体に接続され、前記第一配線と前記第二配線の接続箇所に引き出されるコモン配線であり、前記第一配線と前記第二配線の接続箇所において、前記第一配線の導体幅は、前記第二配線の導体幅よりも大きいインクジェットヘッド。
  2. 前記第一配線のシート抵抗は、前記第二配線のシート抵抗よりも大きく、
    前記第二配線の導体の幅は、前記第一配線の導体の幅の半分以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記第一配線基板と前記第二配線基板は、異方性導電フィルムを熱圧着して接合される請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記第二配線は、前記第二配線基板の一端から他端に向かって敷設されるコモン連絡配線である請求項1から3のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドに向けてインクを供給するインク供給部と、
    前記インクジェットヘッドに向けて記録媒体を搬送する媒体搬送部と、
    を備えるインクジェットプリンタ。
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