JP4631197B2 - 分岐路判定装置、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路の通行区分を示す表示線(本明細書中ではこれを「白線」という。)を認識することにより、道路の分岐を判定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータによる自動車の自動運転制御を目標として、様々な技術が提案されている。その中の一つとして、特に高速道路などにおいて、道路上の白線を認識し、道路の分岐を判定する技術がある。
【0003】
例えば、特開平11−232467号公報には、路面画像を撮像して白線の境界線を検出し、この境界線の位置関係の変化に基づいて分岐を判定する技術が開示されている。
具体的には図9(a)に示すように、特定の探索領域LL,LR,RL,RR内において白線71,72と路面との境界線を検出し、車両走行に伴う境界線XLL,XLRの位置関係の変化によって道路の分岐を判定している。つまり、車両の走行によって、図9(b)に示すようなその後に撮像された画像では、本線の左側白線71から分岐路の左側白線74が離れていく、したがって、検出された境界線XLL,XLRが離れていくことになる。したがって、このように境界線が離れていく場合を分岐と判定をしている。
【0004】
なお、このとき、図9(a)において、本線と分岐路との境界を示す破線73の境界線が認識されない可能性もあるため、さらに、図9(c)に示すように、分岐路の右側白線75及び本線の左側白線71それぞれの境界線XLL,XLRを検出し、この2つの境界線XLL,XLRが離れていくことを検出することによって、分岐判定の信頼性を高めるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の技術では、次のような問題点がある。
▲1▼車両走行に伴って撮像される複数枚の画像に基づいて分岐路判定を行うため、分岐路判定に時間がかかり、分岐路まで十分な距離をおいて分岐路を判定することが困難である。これを解決するために、ある程度前方の路面画像を撮像することも考えられるが、撮像する画像が前方であればあるほど、連続して撮像される画像中に現れる境界線の変化は小さくなるため、画像中の特定部分の境界線が離れていくことを正確に認識することは困難になる。したがって、複数枚の画像の特定領域の境界線変化を見る場合、車両に比較的近い路面の画像を撮像することが必要になる。
【0006】
▲2▼また、上述した公報記載の技術では、車両の速度を考慮していないため、仮に一定時間間隔で路面画像を撮像した場合は、車両の速度が大きいと境界線は急激に離れていくことになり、一方、車両の速度が小さいと境界線は徐々に離れていくことになる。すなわち、車両の速度によって境界線の変化率が異なってくるため、閾値を適切に設定することが困難であり、結果として、分岐路判定が正確でなくなる可能性がある。
【0007】
▲3▼さらに、左側へ分岐する分岐路の右側白線と本線の左側白線との境界線が離れていくことを検出することによって分岐路判定の信頼性を高めていることは既に述べたが、この構成では、分岐地点を過ぎてからいずれの方向へ分岐したかが分かるだけであり、前方に分岐があることを前もって認識できるわけではない。
【0008】
本発明は、上記▲1▼〜▲3▼に示した問題点を解決するためになされたものであり、分岐路から十分に離れた地点で分岐路の存在を判定することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上述した目的を達成するためになされた請求項1に記載の分岐路判定装置では、撮像手段が車両前方の路面を含む画像である路面画像を撮像する。
白線認識手段は、撮像された路面画像に基づき、進行方向に向かい左側又は右側の白線を、あるいは、左側及び右側の白線のそれぞれを、一本の第1の白線として認識する。図9(a)に示したように左側に分岐路が存在する場合には左側に複数本の白線候補が存在することになるが、白線認識手段は、いずれかの白線を認識するのである。なお、白線認識については、例えば特開平7−141592号公報に開示されるように、高い精度で認識できる技術が既に周知となっている。
【0010】
そして、分岐路判定手段は、撮像された路面画像に基づき、認識された第1の白線から画像水平方向ライン上を検索し、ライン上に第2の白線との交点が検出されれば、第1及び第2の白線間の距離を当該交点までの距離として複数のライン上で算出することより、分岐路の存在を判定する。
【0011】
本発明では、第1の白線と第2の白線との距離を路面画像水平方向の複数のライン上で算出するため、一枚の画像があれば分岐路を判断できる。したがって、分岐路判定の時間を短縮できる。また、ある程度前方の路面画像を撮像したとしても、当該画像中に第1の白線と第2の白線とが離れていく様子が撮影されていれば、分岐路の存在を判定することができる。したがって、従来技術と異なり、車両から比較的遠い画像によっても分岐路を適切に判断できる。すなわち、上記▲1▼及び▲3▼の問題点が解決できる。また、一枚の画像から分岐路を判断するのであれば、車速によらず正確な分岐路判定が可能となる。すなわち上記▲2▼の問題が解決できる。
【0012】
以上のことから、本発明によれば、分岐路から十分に離れた地点で分岐路の存在を判定することができる。
なお、分岐路の存在を判定するにあたり、分岐路判定手段は、上述した複数のライン上で算出された白線間の距離を直線で近似して、分岐路の存在を判定する構成にすることができる。これは、どれくらいの割合で白線間の距離が大きくなっているかを直線近似にて測ろうとする思想である。白線間の距離を直線で近似すれば、分岐判定が容易になる。
【0013】
具体的には、近似した直線の傾きに基づいて、分岐路の存在を判定することができる。例えば、その傾きが所定範囲にあれば分岐路の存在を肯定するという具合である。
また、分岐路判定手段は、請求項2に記載のように、複数のライン上で算出された白線間の距離を直線で近似して当該直線の切片を求め、この切片に基づき、分岐路の存在を判定する構成にされてもよい。分岐路判定装置には、車両の速度を取得する速度取得手段を設けて、分岐路判定手段は、少なくとも、撮像手段にて撮像された複数枚の路面画像から得られる切片の変化と、速度取得手段にて取得された車両速度とに基づき、切片の変化量と速度取得手段にて取得された車両速度とが対応しているか否かによって、分岐路の存在を判定するといった具合である。
速度取得手段は、車速センサとして具現化することが考えられる。また、外部の車速センサからの信号を取得する構成として具現化してもよい。
【0014】
近似した直線の切片は、丁度、分岐地点の白線の分かれ目に対応し、これは車速に応じて路面画像の下方へ移動する。したがって、この切片変化が車速に合ったものであるか否かを見れば、分岐路の存在を判断することができる。なお、少なくともとしたのは、このとき、上記構成と同様に、近似した直線の傾きを考慮してもよいためである。傾きまで考慮すれば、さらに分岐路判定の信頼性が向上する。
【0015】
なお、ここでは複数枚の画像から分岐路を判断するため、一枚の画像から分岐路を判定する場合に比べて分岐路判定に時間がかかる。しかし、上述した従来公報の技術にある境界線の変化はたとえ車速が一定であっても分岐地点の白線の離れ具合によって異なってくるが、この切片変化は、白線の離れ具合に関係なく車速のみに依存する。したがって、このような切片変化を見れば、ある程度前方の路面画像を撮像したとしても、境界線変化を検出することに比べ、適切に分岐路の存在を判定できる。
【0016】
なお、このような分岐路判定装置の白線認識手段及び分岐路判定手段をコンピュータにて実現する機能は、コンピュータ側で起動するプログラムとして備えることができる。したがって、請求項3に示すようなプログラムの発明として実現できる。
【0017】
また、このようなプログラムの場合、例えば、FD、MO、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体としてそのプログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータに組み込んで用いてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照して説明する。
[第1実施例]
図1は、実施例の分岐路判定装置1の概略構成を示す説明図である。
【0019】
分岐路判定装置1は、車両に搭載されて用いられ、撮像部10と処理部20とを備えている。
撮像部10は、車両前方の路面を含む画像である路面画像を撮影するカメラを有する構成である。撮像部10から処理部20へは、この画像のデジタルデータを出力する。そのため、アナログカメラを用いて構成する場合には、A/D変換を施す構成も撮像部10に含めておく。なお、この撮像部10が「撮像手段」に相当する。
【0020】
処理部20は、コンピュータとして構成されており、ROMに記憶されたプログラムに従って動作し、その機能ブロックとして、白線認識ブロック21と分岐路判定ブロック22とを有している。この処理部20の白線認識ブロック21が「白線認識手段」に相当し、分岐路判定ブロック22が「分岐路判定手段」に相当する。したがって、この処理部20で実行されるプログラムが上述した「プログラム」に相当することになる。なお、処理部20のハードウェア構成は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを有するいわゆるコンピュータであり、当業者にはよく知られたものであるため詳しい説明は割愛する。
【0021】
このように構成された分岐路判定装置1では、撮像部10によって一定時間間隔で車両前方の画像が撮影され、この画像が白線認識ブロック21及び分岐路判定ブロック22へ入力される。そして、白線認識ブロック21の認識結果を基に、分岐路判定ブロック22が分岐路の存在を判定する。分岐路の存在が判定されると、分岐路判定ブロック22から外部へ判定結果が出力される。この判定結果は、例えばナビゲーションシステムへの入力情報となったり、また例えば、前方に分岐路があることを運転者へ報知するための情報となったりする。
【0022】
このときの処理部20の動作について詳しく説明する。なお、ここでは最初に、白線認識ブロック21について説明し、その後、分岐路判定ブロック22について説明する。
まず白線認識ブロック21による機能を、図2に基づいて説明する。図2は、あるタイミングで撮影された車両前方の路面画像を示している。路面画像上方には背景の山が撮影されており、下方が路面となっている。路面には、車両が走行中である本線の左側白線HL、本線の右側白線HR、及び分岐路の左側白線BLが撮影されている。
【0023】
このとき白線認識ブロック21では、車両進行方向に向かって左側及び右側のそれぞれの白線を、一本の白線として認識する。これを、進行方向に向かって左側の白線を認識する場合を例に挙げて説明する。
進行方向左側の白線を見ると、本線の左側白線HLの途中から左方向へ分岐路の左側白線BLが枝分かれする様子が撮影されている。この場合に、白線認識ブロック21は、本線の左側白線HLを一本の白線として認識することが考えられる。これは図2(a)に破線で示す如くである。また、左側白線HLとその途中から枝分かれした分岐路の左側白線BLとを結ぶ一本の白線として認識することが考えられる。図2(b)に破線で示す如くである。いずれのパターンで認識するかは、白線認識ブロック21の処理によって異なるが、本実施例では、より確からしいと判断されたものを認識するものとする。白線認識処理については周知であるため詳細は省くが、例えば上述した特開平7−141592号公報に開示されるように、テンプレートとの相関演算を行って検出する手法を用いることが考えられる。そして、白線認識ブロック21からは、図2(a)又は(b)に示すような破線を規定するN個の画面上の座標値の集合が、認識された白線を示す座標値として、分岐路判定ブロック22へ出力される。このときの座標値は、画像水平方向をx軸とし、画像垂直方向をy軸としたものである。なお、白線認識ブロック21にて認識された白線を以下「認識白線」という。
【0024】
上述の説明では、進行方向に向かって左側の白線を認識する場合を例に挙げて説明したが、右側の白線も同様に認識されて、その認識結果が座標値として出力される。さらに以下の処理でも、左側と右側とで処理に何等変わりはないため、進行方向に向かって左側の分岐路を判定する場合だけを説明する。
【0025】
続いて、分岐路判定ブロック22による機能を説明する。
図3は、分岐路判定ブロック22にて実行される分岐路判定処理を示すフローチャートである。この分岐路判定処理が分岐判定手段としての処理に相当する。
まず最初のステップ(以下、ステップを単に記号Sで示す。)100において、認識白線を取得する。この処理は、白線認識ブロック21で認識された白線を規定するN個の座標値を取得するものである。本分岐路判定処理では、このN個の座標値を基にして、路面画像水平方向ライン上で他の白線候補の検出を行う。すなわちN個の座標値を(x1 ,y1 ),・・・,(xN ,yN )とし、このy座標値(y1 ,y2 ,y3 ,・・・,yN )がこの順序で路面画像中の上方から下方へ並んでいるものとして、路面画像中の一番下のy座標値であるyN から順に、yN-1 →yN-2 →・・・→y1 という順序で、水平方向(x軸方向)ライン上の検索を行う。
【0026】
したがって、続くS110では、変数yに画面上の一番下のy座標値を代入する。
次のS120では、他の白線候補の検出を行う。この処理は、変数yに代入された座標値yi を有するライン上の一定距離を走査して、白線候補を検出するものである。例えば一定距離をαとすれば、(xi −α,yi )から(xi +α,yi )までのライン上を走査することになる。図4(a)に示す如くである。
【0027】
S120における白線検出の手法としては、エッジを検出する手法や認識白線と同レベルの輝度の領域を検出する手法が考えられる。
エッジ検出では、画像に対しラプラシアンフィルタ処理又はSobelフィルタ処理を施すことにより、白線と路面との境界を強調するエッジ強調を行う。そして適当な閾値でのレベル判定を行い、暗から明へと変わる白線の左エッジと、逆に明から暗へと変わる白線の右エッジとを検出する。そして、両エッジの中心位置を、検出された白線を規定する座標値とする。
【0028】
一方、認識白線と同レベルの輝度を有する領域を検出する場合、認識白線の座標値(xi ,yi )における輝度と同じレベルの輝度となる、白線幅と同等な幅を有する領域を検出する。そして、この認識された領域の中心位置を、検出された白線を規定する座標値とする。
【0029】
これらの手法によって、図4(b)に示すように、他の白線候補が存在すれば、破線で示される認識白線を規定する座標(白丸で示した)に対応する他の白線の座標(黒丸で示した)が決定されることになる。
このようにして他の白線を規定する座標値が検出されれば(S130:YES)、x座標の差分を算出し(S140)、S150へ移行する。一方、他の白線を規定する座標値が検出されなければ(S130:NO)、S140の処理を実行せず、S150へ移行する。
【0030】
S150では、変数yが一番上の座標値であるか否かを判断する。ここで変数yが一番上の座標値である場合(S150:YES)、S160へ移行する。一方、yが一番上の座標値でない場合(S150:NO)、S155にて変数yに一つ上のラインを規定するy座標値を代入し、S120からの処理を繰り返す。
【0031】
S120〜S155の処理が、画面上一番下の座標値yN から始まり、画面上一番上の座標値y1 までN回繰り返されることによって、認識白線から一定距離内にある他の白線がM(≦N)個の座標値(Xj ,Yj )(j=1,2,3,・・・,M)で検出され、認識白線との距離が各座標値Yj に対応するx座標の差分Δxj として算出される。なお、認識白線を規定するN個の座標値(xi ,yi )と区別するために、他の白線候補を規定する座標値を(Xj ,Yj )という具合に大文字で示した。また、ここで検出された他の白線を、認識白線に対して「検出白線」という。
【0032】
なお、本線と分岐路とを区分する白線などは、破線で表示されるのが一般的である。しかし、破線の間隔に対して認識白線を規定するN個の座標値のy座標値の間隔を細かくすれば、破線で表示される白線も適切に検出できる。
S150で肯定判断された場合に移行するS160では、認識白線と検出白線との距離を直線で近似する。本実施例では、この直線の傾きだけを算出する。なお、ここで近似される直線を以下「近似直線」という。
【0033】
認識白線と検出白線との距離が直線で近似される様子を、図5に示した。つまり、座標値Yj における差分Δxj で近似直線を決定する。具体的な計算手法としては、周知のハフ変換や最小二乗近似を用いることができる。
例えば最小二乗近似を用いた場合、近似直線の傾き及び切片は、座標値Yj に対応する差分Δxj (j=1,2,・・・,M)を用いて、次の式1,2でそれぞれ示される。
傾き=(M・Σ(Δxj ・Yj )−ΣYj ・ΣΔxj )
/(M・ΣYj 2 −(ΣYj )2 ) …式1
切片=(ΣYj 2−ΣYj ・Σ(Δxj ・Yj ))
/(M・ΣYj 2−(ΣYj )2 ) …式2
なお、ここで記号Σは、j=1〜Mの和記号である。ここで計算される傾き及び切片は、図5に直線で示される近似直線の傾きと切片に相当する。
【0034】
上述したように、S160では、上記式1を用い、近似直線の傾きだけを算出する。後述するように、傾きによって分岐路の判定を行うからである。
続くS170では、近似直線の傾きが所定範囲にあるか否かを判断する。図2に示すような分岐路の左側白線BLと本線の左側白線HLは、分岐が発生している以上、傾きの絶対値はある値以上になると考えられる。また、無限に大きくなることはあり得ない。したがって、分岐路を判定するための上限値及び下限値が存在する。この上限値及び下限値は、実機試験などにより決定すればよい。
【0035】
傾きの上限値及び下限値による分岐路の判定条件を図示したのが、図6の説明図である。ここでx>0の領域を見ると、2本の実線が示されているが、この実線で示される範囲Aに近似直線があれば、分岐路の存在が肯定されるという具合である。
【0036】
なお、本実施例では、差分Δxj がマイナス値をとることを前提としているため、認識白線と検出白線とが左右入れ替わった場合には、近似直線の傾きは、丁度「−1」を乗じたものになる。したがって、x<0の領域に示した2本の2点鎖線で示される範囲Bに近似直線が入る場合にも、分岐路の存在を肯定する。ただし、別実施例として差分Δxj を絶対値で算出するようにすれば、x>0の領域だけを考えればよい。
【0037】
図3中のS170において傾きが所定範囲にあると判断された場合(S170:YES)、分岐路の存在を判定し(S180)、判定結果を出力して(S190)、本分岐路判定処理を終了する。一方、傾きが所定範囲にないと判断された場合(S170:NO)、S180及びS190の処理を実行せず、本分岐路判定処理を終了する。
【0038】
次に、本実施例の分岐路判定装置1が発揮する効果を説明する。
本実施例の分岐路判定装置1では、認識白線を規定するN個の座標値に対し、x軸方向の所定範囲を走査して他の白線候補を検出する。すなわち、y座標値がyN ,yN-1 ,・・・,y1 となるN本のライン上で他の白線候補を検出し、このライン上の距離として、認識白線と検出白線との距離を算出する(S110〜S155)。そして、この距離、すなわちx座標値の差分Δxj を用い、認識白線と検出白線との距離を直線で近似する(S160)。次に、この近似直線の傾きが所定範囲にあることを判断して(S170)分岐路の存在を判定する(S180)。
【0039】
つまり、白線間の距離を画像中の複数の水平方向のライン上で算出するため、一枚の画像があれば分岐路を判定できる。したがって、分岐路判定に要する時間を短縮できる。また、ある程度前方の路面画像を撮像したとしても、その画像中に本線の白線と分岐路の白線とが離れていく様子が撮影されていれば、分岐路の存在を判定することができる。したがって、従来技術と異なり、車両から比較的遠い路面画像によっても分岐路を適切に判断できることになる。また、一枚の画像から分岐路を判断するのであれば、車速によらず正確な分岐路判定が可能となる。これによって、分岐路から十分に離れた地点で分岐路の存在を判定することができる。
【0040】
また、本実施例では、白線間の距離を直線で近似するため、すなわち、白線間のM個の距離関係を直線の傾きとして判断するため、分岐路判定が容易になる。
[第2実施例]
上記第1実施例では、図3に示した分岐路判定処理中のS160において、認識白線と検出白線との距離を直線で近似した後、その近似した直線である近似直線の傾きに基づいて、分岐路の存在を判定した。
【0041】
これに対して、一定時間間隔で撮像された複数枚の路面画像に現れる近似直線の切片変化を見て、分岐路の存在を判定することもできる。
本第2実施例では、このような切片変化による分岐路判定について述べる。なお、本第2実施例では、上記第1実施例で説明した分岐路判定処理(図3参照)のS160以降が異なっており、その他の構成については上記第1実施例と同様となる。したがって、以下では、上述した分岐路判定処理のS160以降に代わる処理についてのみ説明し、同様の部分については説明を省略する。
【0042】
図7は、第2実施例の分岐路判定処理を示すフローチャートであり、図3で示す分岐路判定処理のS150で肯定判断された後の処理を示すものである。この分岐路判定処理が分岐判定手段としての処理に相当する。
ここに示すS200では、前回実行時に、後述するS210で算出された切片である前回切片を待避する。
【0043】
続くS210では、認識白線と検出白線との距離を直線で近似する。ここでは、上記式2を用いて近似直線の切片を算出する。
次のS220では、外部の車速センサからの信号に基づいて、車速Vを取得する。
【0044】
そして続くS230では、一定時間Tが経過したか否かを判断する。この判断は、一定時間T間隔で撮影された複数枚の路面画像に基づいて、分岐路の存在を判定しようとするものである。あまりに短時間の間に撮影された複数枚の画像を用いても、後述する切片変化が小さくなり過ぎるためである。ここで一定時間Tが経過したと判断された場合(S230:YES)、S240へ移行する。一方、一定時間Tが経過していないと判断された場合(S230:NO)、以降の処理を実行せずに、本分岐判定処理を終了する。
【0045】
S240では、取得した車速Vに一定時間Tを乗じた距離、すなわち走行距離VTが、切片及び前回切片で計算される関数値fに等しいか否かを判断する。
車速Vで走行中に一定時間T間隔で順に撮影された3枚の画像を用いて近似直線を直線近似した様子を図8(a),(b),(c)に例示した。ここに現れる切片変化はいわゆる走行距離VTを示すものであり、次の式3により、距離は切片及び前回切片の関数fで得られる。
実際の3次元距離 =
係数1・カメラ焦点距離・カメラ高さ/(切片−係数2) …式3
したがって、実機試験などにより、上記式3の係数1,2の決定を含め、関数fを適切に決定すれば、走行距離VTは、f(切片,前回切片)となる。
【0046】
そこで、VT=f(切片,前回切片)である場合(S240:YES)、分岐路の存在を判定し(S250)、判定結果を出力して(S260)、本分岐路判定処理を終了する。一方、VT≠f(切片,前回切片)である場合(S240:NO)、S250及びS260の処理を実行せずに、本分岐路判定処理を終了する。
【0047】
次に本実施例の分岐路判定装置1が発揮する効果を説明する。
本実施例では、車速を取得し(図7中のS220)、一定時間T毎の切片変化によって(S240)、分岐路の存在を判定する(S250)。近似直線の切片は丁度、分岐地点の白線の分かれ目に対応し、これは車速に応じて画像の下方へ移動するためである。
【0048】
ただし、ここでは二枚の画像から分岐路を判定するため、一枚の画像から分岐路を判定する上記第1実施例に比べて分岐路判定に時間がかかる。しかし、上述した従来公報の技術にある境界線の変化は分岐地点の白線の離れ具合によって異なってくるが、この切片変化は、白線の離れ具合に関係なく車速のみに依存する。つまり、切片変化を見れば、ある程度前方の路面画像を撮像したとしても、境界線変化を検出することに比べ、適切に分岐路の存在を判定できることになる。したがって、本第2実施例によっても、分岐路から十分に離れた地点で分岐路の存在を判定することができる。
【0049】
以上、本発明はこのような実施例に何等限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得る。
上記第1実施例では近似直線の傾きのみで分岐路を判定し、上記第2実施例では近似直線の切片変化のみで分岐路を判定していた。これに対して、傾き及び切片変化の両方に基づいて分岐路を判定するようにしてもよい。
【0050】
例えば上記第2実施例で切片変化に基づく判定を行うためのそれぞれの路面画像が、上記第1実施例の判定条件に合致しているか否かを判断するようにしてもよい。また例えば、図8(a)〜(c)に示すように、切片変化に応じて、近似直線の傾きは、ある一定の変化をすることが分かっている。したがって、切片変化に加えて傾きの変化を判定条件にすることが考えられる。
【0051】
このようにすれば、分岐路から十分に離れた地点で分岐路の存在を判定することができ、さらに、分岐路判定の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の分岐路判定装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】白線認識ブロックの機能を示す説明図である。
【図3】第1実施例の分岐路判定処理を示すフローチャートである。
【図4】所定距離にある他の白線の検出を示す説明図である。
【図5】認識白線と検出白線との距離の直線近似を示す説明図である。
【図6】傾きによる判定条件を示す説明図である。
【図7】第2実施例の分岐路判定処理を示すフローチャートである。
【図8】近似直線の切片変化を示す説明図である。
【図9】従来の分岐判定を示すための説明図である。
【符号の説明】
1…分岐路判定装置 10…撮像部
20…処理部 21…白線認識ブロック
22…分岐路判定ブロック HL…本線の左側白線
HR…本線の右側白線 BL…分岐路の左側白線
Claims (4)
- 車両前方の路面を含む画像である路面画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段にて撮像された路面画像に基づき、進行方向に向かい左側又は右側の白線を、あるいは、左側及び右側の白線のそれぞれを、一本の第1の白線として認識する白線認識手段と、
前記撮像手段にて撮像された路面画像に基づき、前記白線認識手段にて認識された第1の白線から画像水平方向ライン上を検索し、前記ライン上に第2の白線との交点が検出されれば、前記第1及び第2の白線間の距離を前記交点までの距離として前記複数のライン上で算出することにより、分岐路の存在を判定する分岐路判定手段と、
を備え、
前記分岐路判定手段は、前記複数のライン上で算出された白線間の距離を直線で近似し、前記近似した直線の傾きが所定範囲内にある場合に、分岐路が存在すると判定すること
を特徴とする分岐路判定装置。 - 車両前方の路面を含む画像である路面画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段にて撮像された路面画像に基づき、進行方向に向かい左側又は右側の白線を、あるいは、左側及び右側の白線のそれぞれを、一本の第1の白線として認識する白線認識手段と、
前記撮像手段にて撮像された路面画像に基づき、前記白線認識手段にて認識された第1の白線から画像水平方向ライン上を検索し、前記ライン上に第2の白線との交点が検出されれば、前記第1及び第2の白線間の距離を前記交点までの距離として前記複数のライン上で算出することにより、分岐路の存在を判定する分岐路判定手段と、
車両の速度を取得する速度取得手段と、
を備え、
前記分岐路判定手段は、前記複数のライン上で算出された白線間の距離を直線で近似して前記直線の切片を求め、少なくとも、前記撮像手段にて撮像された複数枚の路面画像から得られる前記切片の変化と、前記速度取得手段にて取得された車両速度とに基づき、前記切片の変化量と前記速度取得手段にて取得された車両速度とが対応しているか否かによって、前記分岐路の存在を判定すること
を特徴とする分岐路判定装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の分岐路判定装置の前記白線認識手段及び前記分岐路判定手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
- 請求項3に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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