JP4630182B2 - 発車安全装置 - Google Patents
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Description
しかし、上記の戸挟み検知が異常を検知すると列車の制御回路の電源が断たれ、列車は出発できないことから、検知方法や検知精度をあまり厳しくすると、混雑した車内で傘や鞄、コートなどが少し挟まっただけで出発が頻繁に遅れることになる。従って、特に大都市圏のラッシュ時間帯では、列車ダイヤの遅延に大きな影響を与えている。
近年、ホームドアが一部の線区に導入されているが、基本的な構造はスライド扉であることから検知手法としては従来通りであり、かつ、扉の位置は固定されている。列車によってドア位置を変化させるようなホームドア装置もある(例えば、特許文献1及び2)。
図1は、発車安全装置の全体構成を示す図である。
図1(a)は、発車安全装置が設置されたプラットホーム1の上面図である。同図において、プラットホーム1には、乗客へ線路側に侵入しないよう注意を喚起するために前端縁付近に描かれた線よりも線路側に、複数の開口部2がプラットホーム1の長さの方向に相互に間隔をおいて設けられている。
図1(b)は、プラットホーム1より下の部分の構成図である。
各遮蔽体3は、それぞれ、開口部2を通して上下動する。コンプレッサ(CMP)4は、エアタンク5へ空気を溜める。エアタンク5に接続されるエアパイプ6には、各空気圧シリンダの上部空気室10の空気圧を制御する下降用電磁弁(D−MV、MV:magnet valve)7と、下部空気室11の空気圧を制御する上昇用電磁弁(U−MV)8が取り付けられる。上昇用電磁弁8が下部空気室11へ空気を送ることにより遮蔽体3は上昇し、下降用電磁弁7が上部空気室10へ空気を送ることにより遮蔽体3は下降する。制御システム12は、上昇用電磁弁8及び下降用電磁弁7を制御する、個別のアドレスが割り付けられたセレクタ(SEL)14と、指令線としての電線13により接続される。
同図において、遮蔽体3の上部には、圧力センサ15が設けられている。さらに、遮蔽体3の線路側の側面には照明16が、ホーム横方向の側面、遮蔽体3の上部、または、ホーム側の側面には、LCD(Liquid Crystal Display)などのランプ17及び18が備えられている。ここでは、ランプ17及び18は異なる色で点灯するものとする。電線19は、セレクタ14へ電力を供給すると同時に、セレクタ14を介して、下降用電磁弁7及び上昇用電磁弁8に電力を供給する。更に、セレクタ14は、照明16ならびにランプ17及び18を点灯あるいは消灯するため、これらに供給する電力を制御する。
列車の先頭車30の下部には、RFID(Radio Frequency Identification)タグ31が取り付けられている。RFIDタグ31は、主として無線周波数を通信に利用し、データの記録用のメモリと、データの処理回路、データを無線周波数で搬送するためのアンテナとを備える。メモリには、列車を特定するための情報である列車番号が記憶されている。ホームの入り口の地上部分には、RFIDタグリーダである地上子40が備えられおり、ホームに進入する列車の先頭車30に取り付けられているRFIDタグ31から列車番号を読み取り、制御システム12へ通知する。
プラットホーム1の前端線路側には、位置検出装置41が設けられている。位置検出装置41は、マトリックス状に設置された複数の受光体42を備える。受光体42は、列車の所定の基準点に設けられたランプである発光部32の発する光を検出する。位置検出装置41は、列車の発光部32の発する光を検出した受光体42及びその光の強さから列車の停止位置を検出し、制御システム12へ通知する。同図において、受光体42a〜42dの検出した光が、その周辺の受光体42e〜42jの受光した光より強い。これにより、符号Aで示す点線が発光部32の位置であると判断される。ここでは、基準点を、列車の先頭車30が備える最も先頭に近いドアの中心より下の車体部分であるとする。なお、位置検出装置41は、車両のドア位置が空車時から満車時まで変化しても確実に検知できるだけの高さを有する必要がある。
列車の発光部32の点灯または消灯を指示するための発光スイッチ部(発光SW部)46は、乗務員室等に設置される車掌スイッチ44に設けられる。車掌スイッチ44のドアスイッチ部45は、列車のドアの開閉を制御するスイッチである。
制御システム12は、データベース81、制御内容情報記憶部82、指令卓83、列車特定情報受信部84、位置情報受信部85、指示出力部86、センサ検知部87、アドレス演算部88、及び、アラーム出力部89を備える。
プラットホーム1に車両が停止していない状態のとき、全ての遮蔽体3は上昇状態となっている。遮蔽体3の間隔は、上昇状態において乗客が通り抜け出来ないれないものであり、また、乗客が通常の歩行状態では乗り越えにくい高さ、例えば、大人の腰くらいまでの高さに上昇しているものとする。また、遮蔽体3の照明16は点灯している。これにより、線路側が照明されて夜間や地下ホームでの運行であっても列車乗務員の線路監視が容易となるため、入線してくる列車を安全に運行することができる。
また、遮蔽体3は、一列に限らず、二列以上設置することでもよい。例えば、遮蔽体3に、上昇状態で、幅方向へ拡大する機構を備えることにより、遮蔽体の設置数を少なしてコストを軽減することができるとともに、乗客の通り抜けを効果的に防ぐことができるため安全性が増す。
また、列車の全てのドアの下の車体部分に発光部32を備えておき、プラットホーム1の前端線路側の全面に設置した位置検出装置41が全ての発光部32の検出位置をドア位置の情報として制御システム12へ通知する構成としてもよい。制御システム12の指示出力部86は、受信したドア位置の情報に対応したセレクタ14に遮蔽体3を下降させるよう指示する。
また、発光スイッチ部46とドアスイッチ部45とが連動するようにしてもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
Claims (4)
- プラットホームの前端縁近傍に上下動可能に、かつ、プラットホームの長さの方向に相互に間隔をおいて複数設けられた遮蔽体と、
列車のドア位置に対応する位置の前記遮蔽体を上下動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
下降した状態の前記遮蔽体上に人または物が存在するかを検出するセンサと、
列車のドアを閉める操作が行われることを検出するドア操作検知部と、
を備え、
前記センサは、前記ドア操作検知部が列車のドアを閉める操作が行われることを検出した後に、前記遮蔽体上に人または物が存在するかの検出を開始する、
ことを特徴とする発車安全装置。 - 前記センサは、前記遮蔽体の上端に備えられることを特徴とする請求項1に記載の発車安全装置。
- 前記駆動部は、空気圧シリンダであり、
前記センサは、前記空気圧シリンダ内に別に設けられた空気圧シリンダ内の空気圧の上昇、又は、シリンダ内に設けられた位置センサにより前記遮蔽体上に人または物が存在するかを検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の発車安全装置。 - 前記プラットホームは、前端縁近傍に複数の開口部を有し、
前記駆動部は、前記プラットホームが有する開口部を通して前記遮蔽体を上下動させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの項に記載の発車安全装置。
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