JP4629968B2 - 2成分アプリケータ - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも1つの物質、特にメーキャップ又はケア製品を皮膚、毛又は手指の爪、或いは足指の爪に塗布できるアプリケータに関する。
米国特許第3,958,571号明細書は、液体が入っていて、一端に塗布要素を備えた管を有するアプリケータを開示している。かかるアプリケータは、医薬品、例えば、ヨードチンキの溶液を塗布するよう設計されている。
容器内に入っている或る化粧品パッケージ、例えば、メーキャップ落としは、2つの相、即ち、水性相と油性相から成っている。使用時に、容器を振って組成物を均質化する。使用の終わりに、2つの相のうち一方だけが容器内に残っていることに気づくことが極めて多い。というのは、ユーザは、組成物を常に満足のいく方法で均質化するとは限らないからである。これにより、物質が無駄になったり、使用中、互いに異なる成分の相対的な割合にばらつきが生じ、これは化粧品の有効性にとって不利な場合がある。
また、界面活性剤及び増粘剤を用いることによりエマルション(乳濁液)を形成してかかるエマルションを安定化させることが知られているが、かかる配合物は、組成の安全性を損なう場合があり、又は、これらに入っている活性剤の保存という問題を生じさせる場合がある。
持ち運びが容易で、1回使用に適しており、比較的安価であり、しかも特に、2つの物質を使用前に別々に貯蔵できる新規なアプリケータが要望されている。
また、少なくとも2つの相を包装することができ、しかも、使用される界面活性剤又は増粘剤の量を減少させ、又は界面活性剤又は増粘剤を使用せず、しかも、2つの相の各々を完全に使い切るようにすることが容易にすることが要望されている。
本発明は、これら要望を完全に又は部分的に満足させようとすることを目的とする。
本発明は、一特徴として、アプリケータであって、少なくとも1つの管と、管)の内部に設けられた液体又は粉末からなる少なくとも1つの栓と、第1の端部で液体又は粉末からなる栓によって形成された管の内部空間に収容された少なくとも第1の物質とを有し、栓は、使用中、第1の物質が管の内部空間を出ると第1の物質と一緒に放出されるよう配置されており、アプリケータは、第1の物質とは異なり、且つ、使用前は、第1の物質から分離されている、少なくとも1つの第2の物質を更に有していることを特徴とするアプリケータを提供する。
「分離され」という用語は、第1の物質と第2の物質を第3の物質の成分によって互いに分離することを意味し、この第3の成分は、必要に応じて液体又は粉末からなる栓で構成されたものであるのがよく、或いは、第1の物質と第2の物質が、互いに接触状態にある少なくとも2つの相を形成することを意味している。
本発明により、少なくとも2つの物質、例えば、即座に混ぜ合わされ、或いは、連続して皮膚、粘膜、毛又は爪に塗布されるようになった物質を同一アプリケータ内に安価に包装できる。
少なくとも2つの相を包装する場合、本発明により、界面活性剤又は増粘剤を用いなくてもこれら2つの相を安定化させることができ、或いは、少なくとも、その僅かな量を用いることができる。
2つの相は、例えこれらの相を構成する2つの物質の種類の相違が比較的僅かでも、特に、2つの物質が例えば密度又は極性の違いが僅かであっても、具体的にはこれら2つの相が管の内壁に関連して及ぼす表面張力や毛管力によって互いに分離されたままにされるのがよい。
かくして、本発明の一特徴では、複数の相を有する配合物を安定化させる上述の問題を解決することができる。2つの相が管内に第1の液体と第2の液体で構成されている場合、例えば、液体のうちの一方は水溶液であり、他方は油溶液であるのがよいが、両方の液体が水溶液、又は油溶液、或いは或る別の種類の溶液であっても本発明の範囲から逸脱しない。
2つの物質は、不相溶性であり、長期間にわたって一緒に包装されるのに不向きな配合物をそれぞれ含む場合があり、少なくとも2つの相が存在することは、2つの物質相互間の交換面積を制限するのに役立つ場合があり、これにより、かかる配合物の保存性が向上する場合がある。
管は、各々がそれぞれ管の長さの一部を占める2つの相を収容するのがよく、これら2つの相の相互間に単一のインタフェースを介している。
相のうち一方は、他方の相中に小球の形態、特に管に沿って実質的に一定間隔に配置された小球の形態で分散しているのがよく、これは、外観上の理由及び(又は)測定目的で有利な場合がある。
管は、3以上の相に相当する3以上の物質を収容することができる。特に、管は、一方の相を、他方の相がこの一方の相中に小球の形態で分散して収容でき、各小球は、例えばそれぞれの物質に相当しており、これら小球は場合によっては、互いに異なる色のものであり、或いは、互いに異なる濃度の活性成分を収容し、必要に応じて、互いに異なるサイズのものである。
本発明の一特徴により、2相又は多相を組成物を通常の乳化法又はゲル化法を用いる必要なく、安定状態に作ることができる。本発明により、特に、貯蔵中における移動又は混合の恐れを減少させることができる。特に、本発明により、望ましくない仕方で分離する相の見苦しい外観を回避することができる。
かくして、本発明により、湿潤剤を含んでいない少なくとも1つの相、2つの相又は多相組成物を安定して包装すると共に防腐剤の濃度を減少させることができ、物質は、空気から保護されると保存に適している。
加うるに、本発明により、使用は先に振ることなしに行なえ、互いに異なる相の相対的な割合は、経時的に保存される。
本発明のアプリケータは、1回使用に適しているのがよい。
物質は又、他の方法でアプリケータ内に包装でき、この方法は、上述の方法と組み合わせることができる。
本発明の実施形態では、アプリケータは、各々が1つの物質を収容した2つの管及び好ましくは各管内部に設けられた液体又は粉末からなる栓を有するのがよい。
本発明の別の実施形態では、管は、物質をそれぞれ収容した2つのコンパートメントを構成する内部仕切りを有するのがよい。仕切りは、管の長さ全体にわたって延び、例えば、プラスチック材料を押し出し成形することにより管の残部と一緒に作られる。
アプリケータは、即座に混合されるようになった2つの物質、例えば、短い寿命の新しい成分を生じさせるよう互いに反応するのに適した成分を含む物質を収容することができ、これら2つの成分は、例えば反応、例えば泡立ち、化学物質又は酵素による加水分解、酸化を生じさせるが、これらには限定されない。
アプリケータは、多孔質、例えば繊維質の塗布要素を有するのがよい。塗布要素は、とりわけ綿バッド、フォームバッド、フェルト先端部、フロック加工バッド及びセラミック又は焼結材料で作られた先端部から成る群から選択されるのがよいが、これには限定されない。塗布要素は、物質を睫毛、眉毛、毛、爪、歯又は歯肉に塗布するのに適したブラシ又は櫛の形態をしていてもよい。必要に応じて、塗布要素は、摩耗性を備えていてもよい。
本発明の実施形態では、上述の物質は、使用に先立って塗布要素に含浸され、又は塗布要素中に分散され、或いはこれにくっ付いてもよく、或いは、その少なくとも一部を形成していてもよい。第2の物質は特に、塗布要素の表面上に層の形態で存在してもよい。第2の物質は又、塗布要素の繊維又はブリッスルに固定され又は接合されたものであってもよい。かくして、一例を挙げると、塗布要素は、配合物が接合され又は固定された繊維、特にセルロース繊維を有するのがよい。
変形例として、アプリケータは、塗布要素を備える必要はない。
栓が液体栓である場合、液体栓の液体は、例えば、鉱油、フッ素含有物質及びシリコーンから成る群から選択されるが、これらには限定されない。
栓が粉末栓である場合、その粉末は、中実又は中空の有機粒子又は無機粒子から成るのがよく、粉末は、例えば、コポリマー、例えば、Expancel(登録商標)(ノーベル・インダストィ)の微小球の粉末、ナイロン(Nylon :登録商標)(特にOrgasol :登録商標)の粉末、ワックスの粉末、シリカの粉末及びシリコーンの粉末から成る群から選択されるのがよい。
管内部の空間は、栓から遠くの第2の端部のところで、取り除き可能であり、穿孔可能であり、又は変形可能であり、場合によっては、折り取りに適した管の端部によって構成されるのがよい。
アプリケータが2つの管を有する場合、端部は、両方の管に共通であるのがよい。変形例として、各管は、それ自体の別個独立の取り除き部分、特に折り取り部分を有してもよい。
塗布要素は、折り取り端部を折り取った後、各折り取り部分をアプリケータに取り付けた状態で保持するための例えば綿で作られた保持要素を有するのがよい。
管内に入っている物質の容積は例えば0.01ミリリットル(ml)〜5ml、又は、0.05ml〜5ml、s好適には0.05ml〜1mlであるのがよい。
管は、ユーザが例えば管内にどれほど多くの物質が入っているかをみることができると共に(或いは)その色を観察することができるよう透明な材料、特に、透明なプラスチック材料で作られたものであるのがよい。管は、空気に対してバリアを構成する少なくとも1つの層、例えば、空気、溶剤又は紫外(UV)線に対し不透過性のワニスの層を備えた多層構造のものであるのがよい。
本発明は別の特徴では、上述した少なくとも1つのアプリケータ及び少なくとも1つのアプリケータが使用前に収納されるパッケージを有するアプリケータキットを提供する。パッケージは、個々のアプリケータ包装袋から成るのがよく、この袋は、特に塗布要素が液体で含浸されている場合、気密であるのがよく、或いは、パッケージは、各々が少なくとも1つのアプリケータを収容した包装袋のストリングから成るのがよい。
変形例として、パッケージは、少なくとも1つのアプリケータを収容できる箱から成っていてもよい。
上述したアプリケータを例えば、メーキャップを睫毛又は眉毛、唇、瞼、爪又は顔面又は身体の一部に塗布し又はメーキャップをこれらから落とし、或いは、毛、睫毛、眉毛に色を付け又は漂白し、或いは、特に歯又は歯肉の口腔衛生のため、或いは、特に太陽に対する保護のために用いることができる。
アプリケータは又、刺青を皮膚に施し又は装飾的な印を自己なめし剤により入れるのに用いることができる。
本発明は又、別個独立に又は上述した特徴と組み合わせて、管の内部空間内に入れられている少なくとも物質を塗布する方法であって、管を物質の塗布前に熱源で加熱する段階を含む方法を提供する。この物質は、例えば、熱が増大すると、流体の状態になるよう少なくとも熱可逆性増粘剤を含んでもよい。熱源は、人体の熱源又は人体の外部に位置する熱源、例えば、温水源であるのがよい。塗布前に物質を流体状態にすることにより、特に物質の蒸発を制限することにより、管内での貯蔵中、物質の保存性を向上させることができる。また、物質を流体状態にすることにより、塗布要素、特に多孔質材料、例えば綿で作られた塗布要素を通る物質の通過を容易にすることができる。管は、物質に隣接して位置する液体及び粉末のうち一方からなる栓を有しても、これを有さなくてもよく、この液体又は粉末栓は、物質が使用の際に管の内部空間から出るときに物質と一緒に放出されるよう配置されている。
本発明を添付の図面を参照して本発明の非限定的な実施形態についての以下の詳細な説明を読むと一層よく理解できよう。
図1は、本発明に従って構成されたアプリケータキット10の一例を示しており、このアプリケータキットは、各々が複数のアプリケータ20を受け入れている複数のコンパートメント12を備えた箱11を有し、アプリケータは各々、互いに混ぜ合わされると化粧品又はケア製品となり、場合によっては、互いに不相溶であり、別々に貯蔵することが必要な活性剤を含む少なくとも2つの物質P1,P2、例えば液体を収容している。
アプリケータ20は、これらが収容する物質に応じてコンパートメント12内に配置されている。ラベル14が、各コンパートメントを識別するのに役立ち、マーク15、例えば英数字記号又は色が各アプリケータ20に施された状態で存在するのがよい。
箱11は、その蓋の内面に設けられた鏡17を更に有するのがよい。
図2〜図4は、アプリケータ20を単独で示している。
一例を挙げると、このアプリケータは、米国特許第5,702,035号明細書に記載されているようなアプリケータとほぼ同じであるのがよく、この米国特許明細書の記載内容を本発明の明細書の一部をなすものとして引用する。このタイプのアプリケータは、カリフォルニアの供給業者であるスワブプラス・インコーポレイテッドによって市販されている。
アプリケータ20は、2種類の物質P1,P2の入った管21を有し、この管は、例えば透明プラスチック材料を押し出すことにより作られており、この管は、閉鎖端部のところに折り取り部分22を備えている。図示の例では、この部分は、綿のバッド(つぼみ状部材)によって覆われている。管21は、折り取り部分22から遠くに位置したその他端部のところが開口しており、この管は、この端部のところに、例えば、塗布要素23、例えば綿バッドアプリケータを備えている。
図示の例では、2つの物質P1,P2は、折り取り部分22と管21の開口端部の側で管21の内部に存在する第1の栓24、例えば液体の栓との間に位置する管21の内部空間内に入れられている。物質P1,P2は、第2の栓25、例えば液体からなる栓で互いに分離されている。
管内に収容される物質P1,P2の容積は、アプリケータの1回の使用に適していて、物質及び具体化されたアプリケータの性状の関数として定められ、かかる容積は、例えば、0.01ml〜5ml、より良好には0.05ml〜1mlであるのがよい。管21の外径は、例えば6ミリメートル(mm)未満であり、約3mm以下であるのがよい。管21の内径は、例えば約0.5mm〜約3mmであるのがよい。
栓24又は25の材料は、管21内の物質P1,P2の包装と適合性のある任意の不活性の液体又は粉末によって構成されたものであるのがよく、特に、かかる栓は、物質P1,P2と反応しない液体によって構成されたものであるのがよく、この栓は、使用時に管21から容易に押し出し可能であり、これまた生理学的に許容可能であり、例えば、栓は、とりわけ鉱油又はフッ素含有物質であるのがよい。
栓24は、特に物質P2を空気から隔離し、この物質が蒸発しないようにすると共に外部汚染要因物が侵入しないようにするのに役立つ。
栓24,25を構成する液体又は粉末の量は、物質P1,P2の量と比較して僅かである。
折り取り部分22を折り取ると、空気が管21内へその開放端部から遠くのその端部を通って侵入することができ、物質P1,P2は、管21の内部で重力の作用で流れることができ、それにより図3及び図4に示すように塗布要素23に到達し、ここでこれら物質は、例えば皮膚への塗布前に混ざり合うことができる。栓24,25は、物質P1,P2と一緒に放出される。
図示の例では、折り取り部分22を覆っている綿バッドは、折り取り部分を折り取った後でもこれを管21の残部に保持するのに役立つ。
アプリケータ20を用いると例えば物質P1,P2の混合物を図6に示すように唇に、図7に示すように瞼に、又は図8に示すように爪にそれぞれ塗布することができる。
アプリケータ20を図1に示すように箱内に包装できるが、アプリケータは又、他の包装材で包装してもよく、これは本発明の範囲から逸脱しない。
一例を挙げると、パッケージは、図9に示すように各々が1つのアプリケータ20を収容した袋31から成るストリング30によって構成することができる。
図1〜図9を参照して説明するアプリケータは、単一管21内に2つの物質P1,P2を収容しており、これら物質は、栓25によって互いに分離されている。
アプリケータは、異なる形状のものであってよく、特に、図10〜図13に示すように、アプリケータは、共通の母線に沿って一体化される2つの別々の管21から成っていてもよい。アプリケータは、両方の管21に共通の塗布要素23を有するのがよい。
今説明している例では、各管21は、折り取り部分を有し、この折り取り部分は、他の管の折り取り部分とは別個独立であり、2つの管は、互いに異なる物質P1,P2を収容している。各管は、使用前は物質P1,P2と塗布要素との間に位置する栓24を更に収容しており、これは図2〜図4を参照して説明したアプリケータの場合と同様である。
図11及び図12に示すように、図10のアプリケータは、先ず最初に物質P1を収容した管21の端部22を折り取ることによって使用でき、この物質は次に、塗布要素23内へ流れ出る。しかる後、物質P2を収容している管21の折り取り部分を折り取って物質P2が塗布要素23内へ流れ出るようにするのがよい。
かかるアプリケータは、2つの物質を例えば連続して表面に塗布するのに有用である。図14〜図16に示す別の実施形態では、アプリケータは、図16に示すように内部仕切り26を備えた単一の管を有するのがよく、この仕切りは、押し出し加工法によって作られたものであるのがよい。仕切り26は、管21内に2つのコンパートメント21a,21bを構成し、物質P1,P2を使用に先立って別々に保つことができる。管21は、各々対応関係を成すコンパートメント21a,21b内に設けられた2つの栓24及び両方のコンパートメント21a,21bに共通の単一の折り取り部分22を有している。
図示の例では、折り取り部分は、折り取り部分を折り取った後でもこれを管の残部に保持する要素を備えていない。折り取り部分22を例えば管21の壁に設けられた幅の狭い部分の形態で又は切欠きによって具体的に構成される好ましい破断ゾーン27によって管の残部に連結するのがよいことが理解できる。
管の端部を折り取るためには、片手で管21を持ち、もう片方の手の2つの指の間に折り取り部分22を挟んだ状態で手で捩り動作を及ぼすのがよい。
端部を管21から折り取ると、物質P1,P2は両方とも、同時に塗布要素23内へ流れ出る。
アプリケータは、頂端部を人差し指で閉じ、管を必要に応じ任意的に多少傾斜させた状態で用いるピペットのようにアプリケータを取り扱うことにより下方に流れる液体の量を測定することができるように配置されている。
本発明の実施形態では、管を管内に入っている液体のほんの一部が流れ出た後、再び閉じるのがよい。例えば、折り取り端部を用いることにより管を再び閉鎖するのがよい。一例を挙げると、この端部は、クロージャ栓を構成できるよう形作られたものであるのがよく、折り取り端部は、管を閉じるために管内又は管状に係合するのに適したスパイクの形態をしている。
別の実施形態が図17に示されている。
この例では、アプリケータは、物質P1を収容した管21を有し、塗布要素23は、液体栓24により物質P1から分離された物質P2で予め含浸してある。
一例を挙げると、物質P2は、塗布要素23内に分散された粉末の形態をしているのがよく、又はこれは液体の形態をしていてもよい。
一例を挙げると、物質P2は、液体を含む乳化可能な小球の粉末であるのがよい。液体、特に水の中に自動的に分散する小球は、国際公開第WO97/15386号パンフレット、第WO97/15385号パンフレット及び第WO00/26280号パンフレットに記載されている。かかる小球は、疎水性液体の形態をした少なくとも1つの活性物質及び疎水性活性物質の小滴を封入する固形物の連続フィルムを形成するのに適した少なくとも1つの水溶性配合物とから成るのがよい。
使用に先立ち、アプリケータを特に物質P2が液体である場合、気密閉鎖袋30内に収容するのがよい。
物質P2が固体である場合、物質P1は、物質P2を溶解させ又は分散させるのに適した液体及び(又は)分散剤であるのがよく、物質P1は、例えば、純水、水溶液又は油溶液、少なくとも1つの湿潤剤を含む溶液、フッ素含有溶剤から成る群から選択されたものであるのがよいが、これらには限定されない。
物質P2は、塗布要素全体にわたって分布するのがよく、或いは、そのほんの一部だけを占めてもよく、例えば、図18に示すように塗布要素の表面上に存在する層の形態をしていてもよい。この図は、カップの形態をした支持体46を管21の端部に固定でき、支持体が弾性変形可能であって多孔質の材料のパッド45を支持し、皮膚に塗布可能な物質P2の層がその表面上に被着されている状態を示している。
管21内に入っている物質P1は、例えばパッド45の表面のところに物質P2を保持している結合剤を溶解させ、それにより、物質P2を皮膚上に移して刺青を施すことができるようにするのに役立つ場合がある。
物質P2は又、図19に示すように塗布要素の少なくとも一部を形成するよう構成されたものであるのがよい。この図は、物質P2を例えば固体ブロック48の形態で具体化でき、このブロックが管21の端部に固定されている状態を示している。物質P2は例えば多孔質であり、物質P1がこれを容易に含浸して、物質P2を処理されるべき表面上に移すことができるようになっている。一例を挙げると、塗布要素は、例えば皺を埋めるのに適した物質を付着させるために次第に分散するよう構成されたものであるのがよい。
図20は、物質P2のブロック48が管21の端部を収容して受け入れるハウジング49を有するのがよいことを示している。
塗布要素は、種々の形状を呈するのがよく、特に、その端部は丸く又は尖っていてもよく、例えば、図21に示すように長旗の形をしていてもよい。
塗布要素は又、例えば毛の房、睫毛又は眉毛を保持するのを容易にするために図22に示すように形状が二股になっていてもよい。
塗布要素は又、図23に示すようにフォームバッドの形態、図24に示すようにフロック加工バッドの形態、セラミック先端部の形態又は焼結材料の先端部の形態をしていてもよい。図24は、塗布要素がオフセンターの形状、例えば、メーキャップを施す仕方に適合した形状又は物質が塗布されるべき身体又は顔面の領域の形状を備えているのがよいことを示している。
塗布要素が多孔質バッドから成る場合、塗布要素は、物質P2又は他の或る追加の配合物の入った細孔又は気泡を有するような仕方で具体化でき、細孔又は気泡のうち少なくとも何割かは任意的に、物質P2又は追加の配合物を放出するよう使用中に変形する構造を有する。
塗布要素は、物質P2又は追加の配合物の入ったマイクロカプセル入りのフォーム、特にポリウレタンフォームのバッドを有していてもよい。このバッドは又、とりわけエラストマー、シリコーン、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリスルフェン(polysulfane )、ポリエチレンのフォームで構成されたものであってもよい。フォームの気泡のうち少なくとも何割かは、皮膚に押しつけられた際に破裂する場合があり、又は、気泡の壁は、物質P2又は追加の配合物を放出するために少なくとも一部が使用中に物質P1により溶解される場合がある。
塗布要素は又、例えばアイライナーを施すために図25に示すようなテーパした形状のものであるように作られるのがよく、或いは、特に図26に示すように物質を爪に塗布する塗料ばけの形態をしていてもよく、或いは、パッド、特に、図27に示すように装飾パターンを備えたパッドの形態をしていてもよい。
塗布要素は、図28に示すように櫛の形態で具体化されたものであってもよい。図29は、櫛が管21と連通した内部チャネル28を有するのがよく、それにより物質P1,P2が歯の底部のところに設けられた少なくとも1つのオリフィス29に達することができるようにすることを示している。図示していない変形例では、出口オリフィスは、歯の端部で開口してもよい。
塗布要素は又、プラスチック材料を射出成形することにより作られたブラシ、例えば、図30に示されていて、複数の半径方向に差し向けられたブリッスル40を支持した支持体41を有するブラシの形態をしていてもよく、物質送り出しオリフィス42が、ブリッスル相互間で支持体に設けられている。
塗布要素は又、接着性及び(又は)研磨性を備えるのがよい。
塗布要素は、固体粒子又は皮むき又は軽石みがきを行なうのに適した材料、例えば、鉱物粉末、例えば、軽石、ガラス、鋼玉、金属、有機物粉末、木繊維又はプラスチック材料の粒子を有していてもよい。
研磨効果は例えば、歯を磨き、角質増殖皮膚を処理し、又は爪を磨いたり表皮を除去したりするのに用いることができるが、用途はこれらには限定されない。
アプリケータ20は、図31に示すように塗布要素を備える必要はない。
かかる実施形態は、特に管21内に入っている物質P1,P2が例えば皮膚の表面上に雫の形態で付着するようになっている場合有用である。
折り取り部分22を図15と関連して上述したように管21から完全に分離するのがよい。
変形例として、アプリケータは、折り取り部分22が図32に示すように使用後材料ブリッジ50によって管21に保持されたままであるように構成されたものであってもよい。
物質を流出させることができる端部から遠くの管21の端部は、手で折り取るのに適した部分による手段以外の手段で閉鎖可能であり、例えば、かかる端部を米国特許第3,958,571号明細書の図3〜図8に記載されている方法のうちの1つで栓又はピストンによって閉鎖してもよく、かかる米国特許明細書の記載内容を本発明の明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
管21は、例えば物質を管から押し出すために圧力を物質に及ぼすのに役立つ拡大部分を有するよう作られたものであるのがよい。
上述のアプリケータは、物質P1,P2の性状に応じて多種多様な用途に適したものである。
物質P1,P2は、処理のために単一の表面上に同時に塗布でき、又は、連続して塗布することができる。
物質P1,P2は互いに反応してもよいが、このようにするかどうかは任意である。
特に図19のアプリケータの場合、物質P2は、物質P1によって分離され又は分散されることなく、移着により塗布されるのに適したものである。かくして、ユーザは、物質P1を塗布することによって始めることができ、そしていったんこれを塗布すると、ユーザは、管21に作用を及ぼしてこの中に入っている物質P1を放出することができる。次に、物質P1を既に処理された表面上に付着させるのがよい。かくして、例えば、物質P2を色を施すためのメーキャップとして塗布することによって始め、次に、物質P1を用いてつや又は光沢をメーキャップに与え、或いは処理済表面上への物質P2の保持具合を向上させることが可能である。
物質P2が塗布要素中に存在し又はその少なくとも一部を構成している場合、物質P2は、特に発熱反応や吸熱反応を生じさせ、又は泡立ちを生じさせるために、特に物質P1と反応するようになっていてもよい。
一例を挙げると、物質P1は、酢酸又は任意他の生理学的に受け入れることができる酸を含んでもよく、塗布要素は、排ガスを生じさせるために管内に入っている酸と反応できる炭酸ナトリウム又は任意他の塩を含むのがよい。物質P1,P2のうち少なくとも一方が、例えば皮膚を白くし、皮膚を清浄にする等を行なうために皮膚に作用する少なくとも1つの配合物を更に含むのがよい。この配合物の作用を促進し、又は処理が続行される時間の長さに関し音声又は視覚表示をもたらすためにガスを排出させることが役立つ場合がある。例えば、ユーザは、泡立ちが続く限りアプリケータを用いて処理を施していることが知らされる。これは、処理が効果的であるためには短すぎる時間の長さ、アプリケータを用いるという恐れを小さくするのに役立つ場合がある。
泡立ちは又、クリーニング又はメーキャップ落としを容易にし、又は、角質繊維上に物質を分布させるフォームを生じさせるのに利用できる。
必要に応じて、塗布要素は、管内に入っている物質P1と反応した際に色を変える配合物を有するのがよい。物質P2は、限度内でかかる色の変化を生じさせるためにのみ役立ってもよく、この色の変化により、ユーザは、塗布要素が物質P1で含浸されたことが分かり、これは、特に物質P1が透明であり又は比較的粘稠である場合及び物質P1が満足のいく仕方で塗布要素を含浸することができるようにするのに或る程度の最少期間が経過するようにすることが必要な場合に有用である。かかる状況の下で、ユーザは、いったん塗布要素が完全に色を変えた場合にのみ塗布を行なうべきである。
また、アプリケータ中に存在する物質P1,P2は、角質繊維を着色し又は漂白できる配合物であってもよい。
一例を挙げると、塗布要素は、例えば酸化用粉末である物質P2を有するのがよく、管内に入れられる物質P1は、酸化用染料であるのがよく、かくして、睫毛、眉毛を漂白し、或いは毛根を処理することができる。
物質P2は又、物質P1により処理表面、例えば、皮膚、睫毛又は眉毛上に分散されて好ましい方向でこれらの中に広げられるようになった繊維から成っていてもよく、例えば、細く見えるようにする効果、大きく見えるようにする効果、光沢のある効果又は他の光学的効果が得られる。
塗布要素内に入れられている物質P2は、膨潤ポリマー、例えば水と反応するのに適したポリマーであってもよく、物質P2は、物質P1と接触した状態で反応してゲル又はクリームを生じさせる。具体的に説明すると、物質P2は、唇の表面上にフィルム、特に光沢のあるフィルム又は保護フィルムを形成するのに適したものであるのがよい。物質P2は又、睫毛又は眉毛に例えば形を付けることができるようにする睫毛又は眉毛用のゲルを生じさせるよう構成されたものであってもよい。光沢のあるリップスティック又は睫毛又は眉毛用のゲルの場合、物質P1は、例えば油から成るのがよい。
物質P1のうち一方は、皮膚、毛又は爪に対する効果が或る程度の時間が経過するまでは表れないような成分を含んでいてもよく、アプリケータ内に入れられる他方の物質は、ユーザに第1の物質が塗布された場所を示すのに役立つものであるのがよい。
かくして、一例では、物質のうち一方は、自己なめし剤を含み、他方の物質は、ユーザにアプリケータが処理済表面上動いている場所を示すインクを含むものであるのがよい。自己なめし剤を含む物質は、例えば濃縮状態のジヒドロキシアセトン(DHA)を含むものであるのがよい。
必要に応じて、アプリケータをセンサと関連して用いて刺青を施し又は局所処理を容易にするようにするのがよい。
管内に入れられている物質P1又は任意的にこれと関連する物質P2とは別個独立に、塗布要素は、発熱特性、止血特性又は殺菌特性を備えるのがよい。一例を挙げると、塗布要素は、発熱詰綿例えばニコチン酸メチル又はコアルガン(Coalgan )を有するのがよい。塗布要素は、ワックス又はポリマーを更に有していてもよい。
図33は、各々が管の長さの一部を占める2つの相の形態をした2つの液体P1,P2を収容した管21を示している。これら2つの相は、必要に応じて互いに異なる色のものであってもよい。例えば、メーキャップを落とす際に用いるには油性相及び水性相があり、水性相は、例えば、湿潤剤を含む。
2つの物質P1,P2は、インタフェース60を介して互いに接触する。小径の管により2つの相に及ぼされる毛管力及び表面張力により、2つの相を十分に分離した状態に保つことができる。
変形例として、物質のうち一方は、他方の相の内部に位置する少なくとも1つの小球の形態、例えば、図34に示すように複数の小径61の形態をしていてもよい。これにより、例えば、管をピペットとして用いることにより物質を測ることができ、又は、これはアプリケータの見栄えをよくするのに役立つ。
複数の互いに異なる液体を単一の相の状態で複数の小球の形態で分散させてもよい。かくして、種々の小球は、互いに異なる色を呈すると共に(或いは)互いに異なる量の活性剤及び(又は)種々の種類の作用物質を含む物質に対応することができる。
物質P2は、管内に入れられている間、固体状態であってもよく、例えば物質P1中で溶ける粉末により構成されたものであったよく、物質P1,P2は、使用に先立って栓によって互いに分離される。一例を挙げると、物質P2は、ビタミンCであってもよく、酸化用粉末であってもよい。物質P2の量は、物質P2が使用中容易に溶解するようにするほど僅かであるのがよい。
具体的に説明すると、アプリケータ内に存在する物質の数は、3より多くてもよく、これは本発明の範囲から逸脱しない。これと同様に、使用時に空気と連絡状態になる管の端部を異なるように作ってもよい。
図35は、一例を挙げると各々が液体及び関連の栓を収容した3つの内部チャネル76を有する管の頂端部を有しており、管は、使用に先立ってこの頂端部が着脱自在なカプセル77によって閉鎖されており、このカプセルは、管にくっ付けることができ、又はこれにヒートシールされる。
図36は、使用前後にアプリケータを受け入れるのに適した受け器を示している。
かかる受け器は例えば、本体71を支持したスタンド70から成るのがよく、その頂端部は、クロージャキャップ72をこれに固定して受け器を実質的に漏止め状態に閉じることができるよう構成されている。支持要素73が、本体71の内部に配置され、この支持要素は、アプリケータ20を嵌め込むことができる少なくとも1つのオリフィスを有している。 かくして、塗布後、ユーザは、アプリケータを受け器の内部に配置することができ、所望ならばこれを後で再び使うことができる。キャップ72が設けられていることにより、塗布要素の乾燥を防止することができる。
また、少なくとも1つのアプリケータと関連して、図37に示す種類の支持体80を用いることができ、かかる支持体により、アプリケータをその塗布要素が見える状態で保持することができ、かかる支持体は、例えば、アプリケータを支持体80内の定位置に配置したとき、折り取り端部を折り取ることができる手段81を有するのがよい。一例を挙げると、これら手段81は、折り取り端部に接近できるようにする窓又は支持体に対して動くことができ、作動時に横方向スラストを折り取り端部に及ぼす要素から成る。たしかに、管は、折り取り端部を有する必要はなく、閉鎖された端部を有するだけでよく、支持体80は、例えば、管を切断し又は穴あけして空気が内部に入ることができるようにすると共にアプリケータを用いた場合、液体及び栓を放出できるようにするのに役立つ刃又はスパイクを備える。
本明細書全体を通じ、部材個数に関し、「〜を有する又は含む(comprises a )」という用語は、特段の指定がなければ、「〜を少なくとも一つ有する又は含む(comprises at least of )」という表現と同義であると解されるべきである。
「管」という用語は、好ましくは全体的に細長く、液体を収容できる少なくとも1つの内部チャネルを備える任意的に一定断面の本体を含むのに用いられ、かかる管は、直線状又はそれ以外の長手方向軸線を備えてもよい。本発明は、外部が円形断面の管には限定されず、米国特許第5,702,035号明細書の教示に従って製造された管にも限定されない。
本発明の第1の実施形態を構成するアプリケータキットの略図である。 アプリケータを単独で示す図である。 アプリケータを単独で示す図である。 アプリケータを単独で示す図である。 図2のアプリケータの断面図である。 図2〜図4のアプリケータを用いるとりわけ考えられる一方法を示す図である。 図2〜図4のアプリケータを用いるとりわけ考えられる別の方法を示す図である。 図2〜図4のアプリケータを用いるとりわけ考えられる別の方法を示す図である。 本発明のアプリケータキットの別の形態を示す図である。 アプリケータの別の形態を示す図である。 アプリケータの別の形態を示す図である。 アプリケータの別の形態を示す図である。 図10のXIII−XIII矢視断面図である。 アプリケータの別の要素を示す図である。 アプリケータの別の要素を示す図である。 図14のXVI−XVI矢視断面図である。 袋内に包装されたアプリケータの別の形態を示す図である。 塗布要素の別の形態を示す図である。 袋内に包装されたアプリケータの別の形態を示す図である。 図19のアプリケータの細部XXの概略断面図である。 塗布要素の他の形態を示す図である。 塗布要素の他の形態を示す図である。 塗布要素の他の形態を示す図である。 塗布要素の他の形態を示す図である。 塗布要素の他の形態を示す図である。 塗布要素の他の形態を示す図である。 塗布要素の他の形態を示す図である。 塗布要素の他の形態を示す図である。 塗布要素の他の形態を示す図である。 塗布要素の他の形態を示す図である。 塗布要素を備えていない本発明のアプリケータの別の形態を示す図である。 管の折り取り部分の変形形態を示す図である。 2相又は多相組成物を収容したアプリケータを示す略図である。 2相又は多相組成物を収容したアプリケータを示す略図である。 本発明の別のアプリケータの概略部分図である。 受け器内に包装されたアプリケータの略図である。 アプリケータキャリヤの一例を示す略図である。
符号の説明
10 アプリケータキット
11 箱
12 コンパートメント
14 ラベル
15 マーク
17 鏡
20 アプリケータ
21 管
22 折り取り部分
23 塗布要素
24 第1の栓
25 第2の栓
1,P2 物質

Claims (3)

  1. 化粧品を塗布するためのアプリケータ(20)であって、少なくとも1つの管(21)と、管(21)の内部に設けられた液体又は粉末からなる少なくとも1つの栓(24)と、第1の端部で液体又は粉末からなる栓(24)によって形成された管(21)の内部空間に収容された少なくとも第1の物質( 2 )とを有し、栓(24)は、使用中、物質(P1)が管の内部空間を出るとき、この第1の物質( 2 )と一緒に放出されるよう配置されており、
    更に、アプリケータは、第1の物質( 2 )とは異なり、且つ、使用前は、第1の物質( 2 )から分離されて、管(21)の内部空間に収容された少なくとも1つの第2の物質( 1 )を有し、第1の物質( 2 )と第2の物質( 1 )は、余分な成分(25;26)によって、互いに分離されており、余分な成分(25;26)は、液体又は粉末からなる栓(25)であり、この栓(25)は、使用の際に、第2の物質(1 )が管(21)の内部空間から出るとき、第2の物質(P 1 )とともに放出されるように配置されていることを特徴とするアプリケータ。
  2. 第1及び第2の物質は、互いに不相溶の配合物をそれぞれ含んでいることを特徴とする請求項に記載のアプリケータ。
  3. 管は、3以上の物質を収容していることを特徴とする請求項1又は2に記載のアプリケータ。
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