JP4629181B2 - 自立性カートン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自立性カートンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、偏平状のカートンは自立性に乏しく、店頭などでのディスプレイ効果に欠けている。この偏平状のカートンを自立するために、別の部材を衝立て具として利用したり、種々の複雑な形態のカートンが工夫されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のカートンでは、別の部材を使用するという煩雑さがあること、また、カートンの形態が複雑であるため製造工程が簡単でなかったり、さらに、カートンの強度を弱めたりするなどの問題がある。
【0004】
また、カートンに自立性を持たせることは、ディスプレイ効果を持たせるという以外に、電子レンジ用のパウチを収納するカートンにおいても必要である。調理済みのカレー、スープ類等のレトルト食品と言われる流動性食品等は、通常アルミ製レトルトパウチに充填、密封及び加熱殺菌され偏平状のカートンに収納されて販売されているが、このパウチを電子レンジで加熱する場合は、加温による内容物の膨張によるパウチの破裂を避けるなどのために、カートンからパウチを取り出して中身を別の容器に移し替えてから電子レンジで加熱している。この別の容易に移し替えることは、耐熱性のあるパウチを有効に使用していない上、使用者の取り扱いが煩雑であるという問題がある。また、パウチの一部に通気孔を開ける方法もあるが、パウチ自体を電子レンジの中で自立させることは難しく、洩れ出したり、倒れたりする危険があるという問題があり、この点からもパウチを収納した状態のまま電子レンジで加熱を行うことができるようにカートンに自立性を持たせることが必要となっている。
【0005】
これらの課題に鑑み、本発明は、一般の製造工程で製造することができ、カートンの強度を弱めることなく内容物を収納した状態のままで簡単に自立性を持たせることができる自立性カートンを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するためになされた本発明は、少なくとも、折れ線を介して順次連設した糊代片11、後パネル12、側パネル13、前パネル14、側パネル15、延長パネル16からなるブランクを折り曲げて前記糊代片11と前記側パネル15を貼り合せ、前記延長パネル16を前記後パネル12の外面とを重ね合わせて形成してなる偏平状のカートンであって、重ね合わせた前記後パネル12に三角形または四角形の支持部12aと該支持部12aの両側に連設した三角形または扇形の補強部12bとからなる略六角形で、前記支持部12aの残りの一辺が前記後パネル12に折り曲げ可能で連結している衝立て具部分Aを設け、外側の前記延長パネル16に、外形が前記支持部12aの外形より大きく前記衝立て具部分Aの外形より小さい略多角形である引き出し部Bを設け、前記衝立て具部分Aが前記引き出し部Bから引き出し可能であることを特徴とする自立性カートンである。
【0007】
また、前記衝立て具部分は、少なくとも四角形の支持部と該支持部の両側に連設した三角形の補強部とからなる略六角形で、前記支持部の残りの一辺が前記後パネルに折り曲げ可能で連結していることを特徴とし、前記引き出し部の形状は、外形が前記支持部の外形より大きく前記衝立て具部分の形状より小さい略六角形であることを特徴とする。
【0008】
さらに、カートンの上部に開口用のミシン目または開口用のジッパーを設けたこと、そして、開口用の前記ミシン目または前記開口用のジッパーをカートンに収納される内容物であるパウチに形成された開封ノッチに対向するように設けたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、一般の製造工程で製造することができ、カートンの強度を弱めることなく内容物を収納した状態のままで簡単に自立性を持たせることができる自立性カートンを得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の自立性カートンの実施の形態についてを図面を用いて説明する。なお、幾つかの図面において同一または同様な部分には同一の符号をつけている。
【0011】
まず、本発明の自立性カートンの第一の実施の形態について説明する。図1は本発明の自立性カートンの第一の形態の一実施例が実際に自立している状態を示す斜視図であり、図2はその側面図である。自立性カートン1aは、自立性カートン本体2自体では自立し難い偏平状のカートンであり、後パネル12の外側で延長パネル16を重ね合わせ、延長パネル16に設けた引き出し部Bから後パネル12に設けた支持部12aおよび補強部12b、12bからなる衝立て具部分Aを引出して自立している形状である。
【0012】
図3は本発明による自立性カートン1aのブランク展開図である。カートンブランク10aは、糊代片11、後パネル12、側パネル13、前パネル14、側パネル15、延長パネル16を折れ線a、b、c、d、eを介して順次連設している。また、後パネル12の左右に折れ線f、fを介して糊代片17、17を連設し、側パネル13の左右に折れ線g、gを介して折り込み片18、18を連設し、前パネル14の左右に折れ線h、hを介してシールパネル19、19を連設し、側パネル15の左右に折れ線i、iを介して折り込み片20、20を連設している。
【0013】
また、後パネル12には、略六角形の衝立て具部分Aを設けてあり、その衝立て具部分Aは支持部12aと両補強部12b、12bとからなっている。支持部12aの形状は、四辺形であり、一辺が糊代片11との折れ線aの一部である切れ線a′とであり、その対向する辺は折れ線jとして後パネル12と折り曲げ可能で連結し、他の両側辺に折れ線k、kを介して補強部12b、12bを連設している。補強部12bの形状は三角形であり、支持部12aとの折れ線kを一辺とし、他の二辺を切れ線lとし、糊代片11側の辺の糊代片17側先端近くには補強部12bを延長パネル16の下辺で係止し、抜け出ることを防止するための凸部12cを設けている。
【0014】
延長パネル16には、引き出し部Bを設けており、この引き出し部Bから後パネル12に設けた衝立て具部分Aである支持部12aおよび補強部12b、12bが引き出される。引き出し部Bの形状は、衝立て具部分Aの一部である支持部12aとほぼ同形の四辺形とする。図3−aでは、この四辺形の引き出し部Bの一辺は折れ線eの一部分で切れ線e′とし、その対向する辺は折れ線mとし、延長パネル16と折り曲げ可能で連結し、その他の対向する辺は切り取り可能な切り取り線n、nとしている。
また、図3−bに示すように、この引き出し部Bは折れ線m、切り取り線n、n、切れ線e′で打ち抜いた窓形状としてもよい。
さらに、図3−cに示すように、上記の窓形状の引き出し部Bを延長パネル16の外側の辺まで拡張した形状としてもよい。
【0015】
このカートンブランク10aを組み立てて内容物4を収納するには、まず、カートンブランク10aの後パネル12を折れ線bで内側に折り曲げる。つぎに、側パネル15を折れ線dで内側に折り曲げ、糊代片11と側パネル15を接着し、同時に延長パネル16の引き出し部B以外の部分で後パネル12に接着し固定する。このようにして、図4に示すような折り畳まれた状態の自立性カートン1aが作成される。この加工工程は従来の製函機において行うことができる。つぎに、充填包装機においてこの折り畳まれた自立性カートン1aを起こして内容物4を収納して、折り込み片18、20を内側に折り込み、左右のシールパネル19を糊代片17に接着して密封し、図5に示すような自立する前の状態の自立性カートン1aが形成される。
【0016】
実際に、内容物が収納された自立性カートン1aを自立した状態にするには、まず、図6−aに示すように、衝立て具部分Aの切れ線a′の部分と延長パネル16の引き出し部Bの切れ線e′の部分を取っ掛かりとして引き出し部16から支持部12aを引き出す。同時に補強部12b、12bも引き出される。つぎに、図6−bに示すように、補強部12b、12bの先端部分に設けられた凸部12cが係止されるまで引き出し、固定されることによって衝立て具3を組み立てることができる。この衝立て具3によって、図1に示すように、自立カートン本体2は傾斜した状態で安定して保持される。
【0017】
つぎに、本発明の自立性カートンの第二の実施の形態について説明する。図7は本発明の自立性カートンの第二の形態の一実施例が実際に自立している状態を示す斜視図であり、図8はその側面図である。自立性カートン1bは、自立性カートン本体2自体では自立し難い偏平状のカートンであり、後パネル12の外側に延長パネル16を重ね合わせ、延長パネル16に設けた引き出し部Bから後パネル12に設けた支持部12aおよび補強部12b、12bからなる衝立て具部分Aを引出して自立している形状である。
【0018】
図9は本発明による自立性カートン1bのブランク展開図である。カートンブランク10bは、糊代片11、後パネル12、側パネル13、前パネル14、側パネル15、延長パネル16を折れ線a、b、c、d、eを介して順次連設している。また、後パネル12の左右に折れ線f、fを介して糊代片17、17を連設し、側パネル13の左右に折れ線g、gを介して折り込み片18、18を連設し、前パネル14の左右に折れ線h、hを介してシールパネル19、19を連設し、側パネル15の左右に折れ線i、iを介して折り込み片20、20を連設している。
【0019】
また、後パネル12には、六角形の衝立て具部分Aを設けてあり、その衝立て具部分Aは支持部12aと両補強部12b、12bとからなっている。支持部12aの形状は、四辺形であり、一辺が糊代片11との折れ線aの一部であり、その対向する辺は折れ線jとして後パネル12と折り曲げ可能で連結し、他の両側辺に折れ線k、kを介して補強部12b、12bを連設している。補強部12bの形状は三角形であり、支持部12aとの折れ線kを一辺とし、他の二辺を切れ線lとし、糊代片11側の辺の糊代片17側先端近くには補強部12bを延長パネル16で係止するための凹部12dを設けている。
【0020】
糊代片11には、衝立て具部分Aを引き出すための摘み片11aを後パネル12の支持部12aに折れ線aを介して連結して糊代片11から切り取り可能に切れ線nを設けている。この切れ線oは切り取りやすいようにミシン目、半切れ、リード罫などで連設している。折れ線a上に切れ線a′を設けずに、この糊代片11に衝立て具部分Aを延長して摘み片11aを設けることによって、隙間が生ぜず内容物を保護する点で良好である。
【0021】
延長パネル16には、引き出し部Bを設けており、この引き出し部Bから後パネル12に設けた衝立て具部分Aである支持部12aおよび補強部12b、12bが引き出される。引き出し部Bの形状は、衝立て具部分Aの一部である支持部12aの四辺形より大きく、支持部12aの四辺形の両側に三角形の補強部12b、12bを加えた六角形より小さい六角形とする。
【0022】
側パネル15には、糊代片11に設けた摘み片11aと同形の摘み片15aを側パネル15から切り取り可能に切れ線pで設けている。この摘み片15aの部分は、延長パネル16の引き出し部Bを拡張して切り取った形状としてもよい。
【0023】
すなわち、この摘み片11aを切り取り、後パネル12に設けた衝立て具部分Aを延長パネル16に設けた引き出し部Bから引き出し、折れ線jで後パネル12と連結した状態で折り曲げて衝立て具3とすることができる。
【0024】
このカートンブランク10bを組み立てて内容物4を収納するには、まず、カートンブランク10bの後パネル12を折れ線bで内側に折り曲げる。つぎに、側パネル15を折れ線dで内側に折り曲げ、糊代片11と側パネル15を接着し、同時に延長パネル16の引き出し部B以外の部分で後パネル12に接着し固定する。このようにして、図10に示すような折り畳まれた状態の自立性カートン1bが作成される。この加工工程は従来の製函機において行うことができる。つぎに、充填包装機においてこの折り畳まれた自立性カートン1bを起こして内容物4を収納して、折り込み片18、20を内側に折り込み、左右のシールパネル19を糊代片17に接着して密封し、図11に示すような自立する前の状態の自立性カートン1bが形成される。
【0025】
実際に、内容物が収納された自立性カートン1bを自立した状態にするには、まず、図12−aに示すように、側パネル12の摘み片12aを中方向に押し込んで貼り合わされている糊代片11の摘み片11aと共に引き裂く。つぎに、図12−bに示すように、押し込んで切り取った摘み片12aを取っ掛かりとして引き出し部16から支持部12aを引き出す。同時に補強部12b、12bも引き出される。最後に、図12−cに示すように、補強部12b、12bの先端部分に設けられた凹部12dが延長パネル16で係止されるまで引き出し、固定されることによって衝立て具3を組み立てることができる。この衝立て具3によって、図7に示すように、自立カートン本体2は傾斜した状態で安定して保持される。
【0026】
つぎに、本発明の自立性カートンの参考例1について説明する。図13は本発明の自立性カートンの参考例1が実際に自立している状態を示す斜視図であり、図14はその側面図である。自立性カートン1cは、自立性カートン本体2自体では自立し難い偏平状のカートンであり、後パネル12の内側に延長パネル16を重ね合わせ、後パネル12に設けた引き出し部Bから延長パネル16に設けた支持部16aおよび補強部16b、16bからなる衝立て具部分Aを引出して自立している形状である。
【0027】
図15は本発明による自立性カートン1cのブランク展開図である。カートンブランク10cは、後パネル12、側パネル13、前パネル14、側パネル15、延長パネル16を折れ線b、c、d、eを介して順次連設している。また、後パネル12の左右に折れ線f、fを介して糊代片17、17を連設し、側パネル13の左右に折れ線g、gを介して折り込み片18、18を連設し、前パネル14の左右に折れ線h、hを介してシールパネル19、19を連設し、側パネル15の左右に折れ線i、iを介して折り込み片20、20を連設している。
【0028】
また、延長パネル16には、六角形の衝立て具部分Aを設けてあり、その衝立て具部分Aは支持部16aと両補強部16b、16bとからなっている。支持部16aの形状は、四辺形であり、一辺が延長パネル16と折れ線jを介して折り曲げ可能で連設している。補強部16bの形状は三角形であり、支持部16aとの折れ線jを介して連設し、外側の辺の先端近くには補強部16bを後パネル12で係止するための凹部16dを設けている。
【0029】
後パネル12には、引き出し部Bを設けており、この引き出し部Bから延長パネル16に設けた衝立て具部分Aである支持部16aおよび補強部16b、16bが引き出される。引き出し部Bの形状は、衝立て具部分Aの一部である支持部16aの四辺形より大きく、支持部16aの四辺形の両側に三角形の補強部16b、16bを加えた六角形より小さい六角形とする。
【0030】
このカートンブランク10cを組み立てて内容物4を収納するには、まず、カートンブランク10cの側パネル15を折れ線dで内側に折り曲げる。つぎに、後パネル12を折れ線bで内側に折り曲げ、延長パネル16の一部分と後パネル12とを接着し固定する。このようにして、図16に示すような折り畳まれた状態の自立性カートン1cが作成される。この加工工程は従来の製函機において行うことができる。つぎに、充填包装機においてこの折り畳まれた自立性カートン1cを起こして内容物4を収納して、折り込み片18、20を内側に折り込み、左右のシールパネル19を糊代片17に接着して密封し、図17に示すような自立する前の状態の自立性カートン1cが形成される。
【0031】
実際に、内容物が収納された自立性カートン1cを自立した状態にするには、第二の実施の形態と同様に、まず、衝立て具部分Aの支持部16a下辺を取っ掛かりとして引き出し部Bから支持部16aを引き出す。同時に補強部16b、16bも引き出される。つぎに、補強部16b、16bの先端部分に設けられた凹部16dが後パネル12で係止されるまで引き出し、固定されることによって衝立て具3を組み立てることができる。この衝立て具3によって、図13に示すように、自立カートン本体2は傾斜した状態で安定して保持される。なお、この参考例1においては、衝立て具部分Aが、内側に倒れ込み容積を小さくすることから、衝立て具部分Aの支持部16aの外側の辺に倒れ込み防止のための延長片を設けることができる。この延長片を設けることによって、衝立て具部分Aの内側への倒れ込みを防ぐことができる。
【0032】
また、引き出し部Bにおいて、側パネル13から切り取り線あるいは折れ線を介してカバー片を設けることができる。このカバー片は折り曲げることも切り取ることもできる。カバー片を設けることによって、引き出し部Bと衝立て具部分Aとで生じる隙間を防ぐことができる。
【0033】
つぎに、本発明の自立性カートンの参考例2について説明する。本発明による自立性カートン1dが実際に自立している状態を示す斜視図は、第二の実施の形態と同様であり、図18は本発明による自立性カートン1dのブランク展開図である。
【0034】
図18は本発明による自立性カートン1d(図は省略)のブランク展開図である。カートンブランク10dは、後パネル12、側パネル13、前パネル14、側パネル15、延長パネル16を折れ線b、c、d、eを介して順次連設している。また、後パネル12の左右に折れ線f、fを介して糊代片17、17を連設し、側パネル13の左右に折れ線g、gを介して折り込み片18、18を連設し、前パネル14の左右に折れ線h、hを介してシールパネル19、19を連設し、側パネル15の左右に折れ線i、iを介して折り込み片20、20を連設し、延長パネル16の左右に折れ線q、qを介して糊代片21、21を連設している。
【0035】
また、後パネル12には、引き出し部Bを設けており、一方の糊代片17との折れ線f上にこの引き出し部Bの一辺が重なる位置に設けている。
【0036】
また、延長パネル16には、六角形の衝立て具部分Aを設けてあり、一方の糊代片21との折れ線qにその衝立て具部分Aの一辺が重なる位置に設けている。
【0037】
糊代片21には、衝立て具部分Aを引き出すための摘み片21aを後パネル12の支持部12aに折れ線qを介して連結して糊代片21から切り取り可能に切れ線rを設けることができる。
【0038】
糊代片17には、糊代片21に設けた摘み片21aと同形の摘み片17aを糊代片17から切り取り可能に切れ線sで設けることができる。
【0039】
すなわち、この摘み片21aを切り取り、延長パネル16に設けた衝立て具部分Aを後パネル12に設けた引き出し部Bから引き出し、折れ線jで延長パネル16と連結した状態で折り曲げて衝立て具3とすることができる。
【0040】
以上、第一の実施の形態、第二の実施の形態、参考例1および参考例2においては、引き出し部Bの形状が四角形、六角形の場合について説明したが、三角形にすることもできる。この場合には、衝立て具部分Aの支持部の形状も三角形とする。また、衝立て具部分Aの補強部の形状を三角形としているが、扇形にすることもできる。扇形にすることによって、衝立て具部分Aを引き出し部Bからスムースに引き出すことができる。
【0041】
さらに、本発明の自立性カートンの参考例3について説明する。図19は、本発明の自立性カートンの参考例3を示す斜視図であり、図20は、そのブランクの展開図である。図19に示すように、自立性カートン本体2の上部の前パネル、両シールパネルに渡って開口用のジッパー5を設け、後パネルに折れ線を設けている。この開口用のジッパー5を切り裂いて自立性カートン1の上部を切り取ることによって、カートンを自立させると同時に、内容物4の一部を外に露出することができ、ディスプレイ効果のある自立性カートン1eを形成することができる。なお、ジッパー5の位置は特に限定されるものではなく、図のように、自立性カートン本体2の全周に渡って設けてもよく、あるいは前パネル14だけに設け、後パネル12で後方に折り曲げる形状でもよい。
【0042】
図21は、本発明の自立性カートンの参考例3の別の参考例を示す斜視図であり、図22は、そのブランクの展開図である。本実施例は、電子レンジ用のパウチ4Pを収納する自立性カートン1fであり、図21に示すように、パウチ4Pを収納する偏平状で横長のカートンであり、後パネル12の一部が延長パネル16の引き出し部Bから引き出されて衝立て具3を形成している。
【0043】
パウチ4Pには、調理済みのカレー、スープ類などのレトルト食品が充填され、その上端の一側に開封用のノッチ6が設けられている。また、図22のブランクの展開図に示すように、このパウチ4Pのノッチ6に対向する自立性カートン1fの上部の一側部には開口用のミシン目7が設けられている。
【0044】
自立性カートン1fの内部に収納されているパウチ4Pを電子レンジで加熱する場合には、まず、自立性カートン本体2の開口用のミシン目7を切り取って除去し、パウチ4Pの開封用のノッチ6を開封した後、側パネル12の摘み片12aを中方向に押し込んで貼り合わされている糊代片11の摘み片11aと共に引き裂く。つぎに、引き出し部16から支持部12aを引き出すと同時に補強部12b、12bも引き出される。最後に、補強部12b、12bの先端部分に設けられた凹部12cが延長パネル16で係止されるまで引き出され、固定されることによって衝立て具3が組み立てられる。この衝立て具3によって、自立性カートン本体2は傾斜した状態で安定して保持される。この衝立て具3で保持された自立性カートン本体2を電子レンジの中のターンテーブルの平面上に置くことによって、電子レンジの中で自立カートン本体2は傾斜した状態で安定して保持されて加熱される。また加熱された後はパウチ4Pを自立性カートン1fに収納したままカートンを持って開封用のノッチ6で開封された開口部から内容物を皿等に移し換えることができる。さらに、ジッパー5によって、開封し、パウチ4Pをカートンから取り出し、パウチ4Pをさらに大きく開封して内容物を皿等に移すことができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、内容物を収納した状態のままで簡単に自立性をもたせることができ、カートンの強度を弱めることのない自立性カートンを得ることができる。
【0046】
すなわち、自立性があり、そして開口部から内容物を見せることにより、ディスプレイ効果を持たせることができる。
【0047】
また、電子レンジ用パウチを収納したカートンにおいて、電子レンジの中でパウチをカートンに収納したままで、簡単に衝立て具を組み立てることができ、自立した状態で加熱することができる。しかも、使用前においては、折り畳たまれた形状となることから、運搬、保管などにおいては、一般のカートンと同様に扱うことができる。
【0048】
さらに、パウチの開封ノッチに対向する本発明の自立性カートンの対向する部分に開口用ミシン目またはジッパーを設け、開口することによって、開口部でパウチの開封ノッチの開口が簡易にでき、加熱調理後の扱いが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自立性カートンの第一の実施の形態の一実施例が実際に自立している状態を示す斜視図である。
【図2】図1の自立性カートンの側面図である。
【図3】図1の自立性カートンのブランクの展開図である。
【図4】図1の自立性カートンの折り畳まれた状態を示す平面図であある。
【図5】図1の自立性カートンに内容物が充填された状態の斜視図である。
【図6】図1の自立性カートンを実際に組み立てる過程を示す図である。
【図7】本発明の自立性カートンの第二の実施の形態の一実施例が実際に自立している状態を示す斜視図である。
【図8】図7の自立性カートンの側面図である。
【図9】図7の自立性カートンのブランクの展開図である。
【図10】図7の自立性カートンの折り畳まれた状態を示す平面図であある。
【図11】図7の自立性カートンに内容物が充填された状態の斜視図である。
【図12】図7の自立性カートンを実際に組み立てる過程を示す図である。
【図13】本発明の自立性カートンの参考例1が実際に自立している状態を示す斜視図である。
【図14】図13の自立性カートンの側面図である。
【図15】図13の自立性カートンのブランクの展開図である。
【図16】図7の自立性カートンの折り畳まれた状態を示す平面図であある。
【図17】図7の自立性カートンに内容物が充填された状態の斜視図である。
【図18】本発明の自立性カートンの参考例2のブランクの展開図である。
【図19】本発明の自立性カートンの参考例3が実際に自立している状態を示す斜視図である。
【図20】図19の自立性カートンのブランクの展開図である。
【図21】本発明の自立性カートンの参考例3の別の実施例が実際に自立している状態を示す斜視図である。
【図22】図21の自立性カートンのブランクの展開図である。
Claims (3)
- 少なくとも、折れ線を介して順次連設した糊代片11、後パネル12、側パネル13、前パネル14、側パネル15、延長パネル16からなるブランクを折り曲げて前記糊代片11と前記側パネル15を貼り合せ、前記延長パネル16を前記後パネル12の外面とを重ね合わせて形成してなる偏平状のカートンであって、
重ね合わせた前記後パネル12に三角形または四角形の支持部12aと該支持部12aの両側に連設した三角形または扇形の補強部12bとからなる略六角形で、前記支持部12aの残りの一辺が前記後パネル12に折り曲げ可能で連結している衝立て具部分Aを設け、外側の前記延長パネル16に、外形が前記支持部12aの外形より大きく前記衝立て具部分Aの外形より小さい略多角形である引き出し部Bを設け、前記衝立て具部分Aが前記引き出し部Bから引き出し可能であることを特徴とする自立性カートン。 - カートンの上部に開口用のミシン目7または開口用のジッパー5を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自立性カートン。
- 開口用の前記ミシン目7または開口用の前記ジッパー5を、カートンに収納される内容物であるパウチに形成された開封ノッチ6に対向するように設けたことを特徴とする請求項2に記載の自立性カートン。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000042032A JP4629181B2 (ja) | 2000-02-18 | 2000-02-18 | 自立性カートン |
Applications Claiming Priority (1)
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