JP4628993B2 - 回路基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板の製造方法に関する。より具体的には、回路基板の高密度化や配線パターンの微細化に適したランドレス又は狭小ランド幅を有する回路基板の製造方法に関する。
近年の電子機器の小型、多機能化に伴い、回路基板の高密度化や配線パターンの微細化が進められており、そのような条件を達成する手段として、回路基板の多層化が挙げられる。多層回路基板の断面の例を図15に示す。多層回路基板は、図15に示すように、絶縁層33を介して複数の配線層32を積層している。一般にスルーホールと呼ばれる内壁を導電層で被覆した貫通孔31を通して各配線層間の導通が行われている。
図16は、貫通孔を上部から見た概略図である。貫通孔17の周囲にランド18と呼ばれる導電層が形成されている。ランドは、角形、円形、楕円形、異形等の種々の種類があるが、占有面積あるいは設計面の使いやすさから、円形状のランドを使用することが多い。また、高密度化に対応するためには、ランドレス又は狭小ランド幅の貫通孔が必要とされている。ここでランド幅(Lw)とは、円形状ランドの場合は貫通孔周囲の環状導体幅の最小値を意味している。穴明け加工時の貫通孔の直径をD、円形状ランドの環状導体の直径をDとすると、ランドレスとは、ランド幅Lw=(D−D)/2がゼロであり、狭小ランド幅とは、Lw=(D−D)/2が0より大きく40μm以下をいう。
回路基板を製造する方法としては、サブトラクティブ法、アディティブ法、セミアディティブ法が知られている。アディティブ法は、絶縁性基板の表面の非回路部にめっきレジスト層を設け、回路部に相当する部分に無電解めっき処理等で導電層を形成する方法である。微細回路形成に対しては有利であるが、無電解めっきで全ての導電層を形成するため、製造コストが高いという問題がある。一方、セミアディティブ法は、薄い導電層を表面に有する絶縁性基板の非回路部にめっきレジスト層を設け、回路部に相当する部分に電解めっき処理で導電層を形成し、非回路部のめっきレジスト層を除去した後、フラッシュエッチング処理によって、非回路部の薄い導電層を除去して回路を形成する方法である。高速作業が可能な電解めっきを使用することができるために、アディティブ法に比べ、製造コストは安くなるが、電解めっきにより全ての回路パターンの厚さを均一に形成することが難しく、品質管理が難しいという問題がある。サブトラクティブ法は、表面に導電層を設けた絶縁性基板の回路部にエッチングレジスト層を設け、露出している非回路部の導電層をエッチング除去して回路を形成する方法である。微細回路形成という点に関しては、他の二方法に比べ限界があるが、簡便な処理で回路基板を作製することができ、生産性も高く、製造コストは最も安くなり、最も広く用いられている。
エッチングレジスト層及びめっきレジスト層は、スクリーン印刷法、感光性材料を用いた露光現像工程を有するフォトファブリケーション法、インクジェット法等によって形成される。ランドレスや狭小ランド幅の孔を製造する場合、孔の穴開け加工やスクリーン印刷法、露光工程、インクジェット法等の工程における位置合わせが重要であり、特に、高密度回路基板で要求されるランドレスや狭小ランド幅の孔では、非常に高い位置合わせ精度が必要となる。ランドは、孔の全方向に均一な幅を有する形、つまり孔とランドが同心円である場合が最も望ましいが、位置合わせが不正確であると、孔とランドは同心円とならなくなるという問題があった。
サブトラクティブ法により回路基板を製造する場合、予め孔内壁に設けた導電層をエッチングレジスト層で保護し、エッチング工程において、孔内壁の導電層が除去されないようにエッチングレジスト層により保護する必要がある。ネガ型(光架橋型)ドライフィルムフォトレジストを用いてエッチングレジスト層を形成する場合には、孔とランド部とを露光して架橋したドライフィルムフォトレジストで孔に蓋をするテンティング法で、孔内部にエッチング液が入らないようにして、孔内壁の導電層を保護する。
テンティング法で孔を保護する場合、孔の穴開け加工や露光工程の位置合わせが重要であり、特に、高密度回路基板で要求されるランドレスや狭小ランド幅の孔では、非常に高い位置合わせ精度が必要となる。つまり、図17(b)に示すように、広大ランド幅の場合には、距離Xだけ位置ずれが発生したとしても、孔上に完全にレジストの蓋を形成できるが、図17(a)に示すように、狭小ランド幅の場合には、孔とランドが同距離Xだけずれると、ランドが孔部分から外れ、エッチング液が孔内に浸入してしまい、導通不良となる問題が発生する。しかし、穴開け加工の精度、基板の伸縮、露光用フォトマスクの寸法変化等が原因となって、位置合わせ精度には限界があるのが実情である。また、高密度回路基板上に形成される孔の径は多種類で、孔数も極めて多いため、全ての孔に対して正確に位置合わせを行うことは非常に困難である。したがって、高密度回路基板ではランドレスや狭小ランド幅の孔が求められているにもかかわらず、テンティングを確実に行うためには、ランド幅を大きく設計しなくてはならないという問題が発生している。
また、ドライフィルムフォトレジストの厚みに関しても、テンティングをより確実に行うためには、より丈夫なテントを形成するためにフォトレジストの厚みを厚くする必要があるが、サブトラクティブ法において、表面の配線パターンをエッチングにより形成する際には、ドライフィルムフォトレジストにより形成されたエッチングレジスト層の厚みが厚いと、エッチング時にエッチング液の液回り性が悪くなり、ファインパターンが形成できないという問題もあった。
これらの問題の解決策として、位置合わせが原因となり発生していたランドと孔の位置ずれの問題を解決し、回路基板の高密度化のために要求されているランドレスや狭小ランド幅の孔に対応した回路基板の製造方法が提案されている(特許文献1)。これは、湿式トナー等を用いて、孔部分にレジストの開口を精度良く行い、ランドレスや狭小ランド幅を有する回路基板の製造を可能とするものである。しかしながら、湿式トナーを用いたトナー電着のためには、既存の製造装置だけでは製造できず、トナー電着のための現像装置を新たに導入する必要がある。従って、新たな設備導入のための資金や設置スペースがない場合には実施が難しい。また導入できた場合であっても、トナー電着を安定に行うための管理が必要となり、トナーの異常付着や付着不足による回路短絡や回路断線の危険性があった。
特開2005−286295号公報
本発明の課題は、位置合わせが原因となり発生していたランドと孔の位置ずれの問題を解決し、回路基板の高密度化のために要求されているランドレスや狭小ランド幅の孔に対応する回路基板の製造方法を提供することである。特に、トナー電着の新たな設備導入を必要とせずに、トナー異常付着による回路短絡や回路断線の危険性を回避し、サブトラクティブ法の適用により製造することのできる回路基板の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)(a)貫通孔を有する絶縁性基板の第1面及び第1面とは反対側の第2面並びに貫通孔内壁に導電層を有する絶縁性基板を準備する工程、(b)第1面に光架橋性樹脂層及びマスク層を形成して、第1面の導電層及び貫通孔開口部を光架橋性樹脂層及びマスク層で覆う工程、(c)第2面より光架橋性樹脂層除去液を供給して、第1面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を除去し、第1面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程、(d)第1面の光架橋性樹脂層をパターン露光して、パターン状に光架橋硬化する工程、(e)第2面に光架橋性樹脂層及びマスク層を形成して、第2面の導電層及び貫通孔開口部を光架橋性樹脂層及びマスク層で覆う工程、(f)第1面のマスク層を除去する工程、(g)第1面より光架橋性樹脂層除去液を供給して、第1面の未硬化の光架橋性樹脂層並びに第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を除去し、第1面上の導電層及び第2面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程、(h)第2面の光架橋性樹脂層をパターン露光して、パターン状に光架橋硬化する工程、(i)第2面のマスク層を除去する工程、(j)第2面より光架橋性樹脂層除去液を供給して、第2面の未硬化の光架橋性樹脂層を除去し、第2面上の導電層を露出する工程、(k)貫通孔内壁及び貫通孔周辺部、並びに第1面上及び第2面上に露出している導電層上にエッチングレジスト層を形成する工程、(l)第1面上及び第2面上の光架橋硬化した光架橋性樹脂層を除去して、第1面上及び第2面上の導電層を露出する工程、(m)露出する導電層をエッチングして除去する工程、(n)エッチングレジスト層を除去する工程、
をこの順で含む回路基板の製造方法;
(2)(f)工程を(e)工程の前に行う、上記(1)記載の回路基板の製造方法;
(3)(f)工程を(d)工程の前に行う、上記(1)記載の回路基板の製造方法;
(4)(g)工程が、(g1)第1面より光架橋性樹脂層除去液を供給して、第1面の未硬化の光架橋性樹脂層を除去し、第1面上の導電層を露出する工程と、(g2)第1面より光架橋性樹脂層除去液を供給して、第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を除去し、第2面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程とからなり、(e)工程を(g1)工程と(g2)工程の間で行う、上記(1)〜(3)のいずれか記載の回路基板の製造方法;
を見出した。
本発明の回路基板の製造方法(1)においては、表面及び貫通孔内壁に導電層を有する絶縁性基板の第1面に光架橋性樹脂層及びマスク層を形成する。その後、第2面より供給した光架橋性樹脂層除去液により、貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を除去する。これにより、位置合わせ不要で、精度良く、貫通孔及び貫通孔周辺部の第1導電層を露出させることができる。また、光架橋性樹脂層除去液による除去条件を変更することで、貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層の除去量を変えることが可能となり、貫通孔周辺部の露出幅をコントロールすることができる。その後、第1面の光架橋性樹脂層に対してパターン露光することにより、非回路部の光架橋性樹脂層を光架橋硬化させる。次に、第2面に光架橋性樹脂層及びマスク層を形成する工程、第1面のマスク層を除去する工程を経た後、第1面より光架橋性樹脂層除去液を供給し、第1面の未硬化の光架橋性樹脂層及び第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を除去する。この際、光架橋硬化した光架橋性樹脂層は、光架橋性樹脂層除去液には不溶性又は難溶性であるため、光架橋硬化した光架橋性樹脂層がパターン状に第1面表面に形成される。第2面も同様にして、貫通孔及び貫通孔周辺部の導電層を精度良く露出させた後、第2面の光架橋性樹脂層をパターン露光する工程、第2面のマスク層を除去する工程、光架橋性樹脂層除去液を供給して第2面の未硬化の光架橋性樹脂層を除去する工程を経て、第1面、第2面の両面に、光架橋硬化した光架橋性樹脂層をパターン状に形成することができる。続いて、露出している導電層上にエッチングレジスト層を形成する工程、第1面及び第2面の光架橋硬化した光架橋性樹脂層を除去する工程、露出した導電層をエッチングして除去する工程、エッチングレジスト層を除去する工程を経て、ランドレスや狭小ランド幅を持った回路基板が製造される。
第1面及び第2面のいずれにおいても、それぞれの面の光架橋性樹脂層をパターン露光する工程の前に、各面の貫通孔周辺部の導電層は露出した状態となっており、続く工程でエッチングレジスト層により確実に保護されるため、パターン露光する工程で貫通孔周辺部は露光されてもされなくても、良好なランド形状が確保できる。すなわち、ランドレス又は狭小ランド幅を位置合わせすることなく精度良く確実に形成することができ、パターン露光時の位置合わせの許容範囲が広がるという秀逸な効果をもたらす。
本発明の回路基板の製造方法では、マスク層を有した状態での光架橋性樹脂層の除去工程で、光架橋性樹脂層除去量を制御することで、任意にランド幅を調整することができる。また、この方法によると、貫通孔周辺部のランドは図16に示すように、均一な幅を有するものとなる。
このように、本発明の回路基板の製造方法では、サブトラクティブ法により、均一で任意の幅のランドを有する貫通孔を持った回路基板を良好に製造することができる。また、基板準備の段階で導電層の厚みを所望の厚みに設定することができ、充分な導電層厚を確保することができ、信頼性のある配線パターンを有した回路基板を作製することができる。
本発明の回路基板の製造方法(2)では、第1面のマスク層の除去を、第2面の光架橋性樹脂層及びマスク層の形成の前に行う。これにより、第2面に光架橋性樹脂層及びマスク層を形成する際に、第1面に接触による傷や異物付着等の心配がない場合には、第1面のマスク層を第2面の光架橋性樹脂層及びマスク層の形成の前に除去することができる。
本発明の回路基板の製造方法(3)では、第1面のマスク層を第1面の光架橋性樹脂層のパターン露光処理を行う前に除去する。第1面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を除去する工程の後に、貫通孔内の洗浄や乾燥等の処理を追加で行う必要がある場合や、パターン露光の際にマスク層が悪影響を及ぼす可能性があるような場合には、マスク層をパターン露光処理の前に除去することで、マスク層によりもたらされる解像度の悪化等の不安要素が除かれる。
本発明の回路基板の製造方法(4)では、第1面の光架橋性樹脂層にパターン露光後に第1面の未硬化光架橋性樹脂層を除去した後に、第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層の除去を行う。これにより、第1面の未硬化光架橋性樹脂層の除去処理条件と、第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層の除去処理条件とについて、両者を満足する除去処理条件がない場合には、別の工程として、それぞれの除去処理条件を最適な条件を選択して、良好に処理を行うことが可能となる。
このように、本発明の回路基板の製造方法では、既存の製造設備を活用し、新たな設備導入を必要とせずに、サブトラクティブ法により、貫通孔及び貫通孔周辺部及び表面の配線パターン部に、正確かつ安定的にエッチングレジスト層を形成することができ、かつランド幅も任意にコントロールできるという秀逸な効果をもたらす。従来はトナー電着のための現像装置等の新たな設備の導入なしでは実現できなかった効果を実現でき、トナー異常電着等による欠陥発生の危険性を回避できる。また、従来、テンティングのために厚膜にしなくてはならなかったエッチングレジスト膜を薄膜化することができ、ファインパターン形成にも有利となるという効果を及ぼす。
以下、本発明の回路基板の製造方法について詳細に説明する。
本発明の回路基板の製造方法では、まず、図1に示すような貫通孔を有する絶縁性基板1の第1面及び第1面とは反対側の第2面並びに貫通孔内壁に導電層12を有する絶縁性基板を準備する。その後、第1面に光架橋性樹脂層21を貫通孔にテンティングするように設ける(図2)。その際、光架橋性樹脂層21上には、マスク層6が光架橋性樹脂層21と接触して形成してある。次いで、第1面と反対側にある第2面から光架橋性樹脂層除去液を供給し、第1面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層21を溶解除去する(図3)。光架橋性樹脂層除去液の種類と濃度、除去処理の時間と温度、スプレー使用の場合は除去液のスプレー圧、吐出量等の除去処理の条件を調整して、貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層21の除去量を調整することができ、導電層の露出幅をコントロールすることができる。従って、ランドレスから狭小ランド幅、広大ランド幅までランド幅の制御が可能となる。必要な場合には洗浄、乾燥をし、その後、第1面の光架橋性樹脂層21に対してパターン露光を行う。
パターン露光は、レーザ直接描画、フォトマスクを介した密着露光、プロキシミティ露光、投影露光等によって行われる。光源としては、各種レーザ光源の他、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を使用することができる。このパターン露光により、非回路部の光架橋性樹脂層を光架橋硬化させる(図4)。
第1面に施したのと同様な方法で、第2面にも光架橋性樹脂層22及びマスク層7を形成する(図5)。第1面のマスク層6を除去した後(図6)、再度、光架橋性樹脂層除去液による処理を行う。少なくとも第1面より光架橋性樹脂層除去液を供給するようにし、第1面表面の未硬化の光架橋性樹脂層21を溶解除去するとともに、貫通孔を通して、第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層22を溶解除去する(図7)。この際、第1面の処理と同様にして、第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層22の除去量を調整することができ、導電層12の露出幅をコントロールすることができる。必要な場合には洗浄、乾燥をし、その後、第2面の光架橋性樹脂層22に対してパターン露光を行って、非回路部の光架橋性樹脂層を光架橋硬化させる(図8)。
第1面のマスク層の除去は、第1面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を除去した後であれば、第1面の光架橋性樹脂層をパターン露光する前、あるいは第2面の光架橋性樹脂層及びマスク層の形成以前に行ってもよい。第2面の光架橋性樹脂層及びマスク層の形成時に、第1面の損傷、汚染の可能性がある場合には、第2面の光架橋性樹脂層及びマスク層の形成の後に第1面のマスク層の除去を行った方が、パターン露光後の第1面をマスク層により保護できるので好ましい。一方、第2面からの光架橋性樹脂層除去液の処理の後、第1面のマスク層を除去してから、乾燥、露光等を行うこともできる。さらに、第1面の未硬化の光架橋性樹脂層を除去した後、第2面の光架橋性樹脂層及びマスク層の形成を行い、次いで、第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を除去してもよい。
パターン露光された第2面のマスク層7を除去した後(図9)、光架橋性樹脂層除去液による処理を行う。少なくとも第2面より光架橋性樹脂層除去液を供給するようにし、第2面表面の未硬化の光架橋性樹脂層を溶解除去する(図10)。
これにより、第1面、第2面の両面に、光架橋硬化した光架橋性樹脂層23、24をパターン状に形成することができる。次いで、露出している導電層12上にエッチングレジスト層13を形成し(図11)、その後、第1面及び第2面の光架橋硬化した光架橋性樹脂層23、24を除去し(図12)、露出した導電層12をエッチングすることにより、導電層による回路パターンを形成する(図13)。エッチングレジスト層13を除去して、回路基板が製造される(図14)。
本発明に係わる絶縁性基板としては、紙基材フェノール樹脂やガラス基材エポキシ樹脂の基板、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、液晶高分子フィルム等を使用することができる。導電層としては、銅、銀、金、アルミニウム、ステンレス、42アロイ、ニクロム、タングステン、ITO、導電性高分子、各種金属錯体等を使用することができる。これらの例は「プリント回路技術便覧」(社団法人日本プリント回路工業会編、日刊工業新聞社、1987年)に記載されている。
本発明に係わる絶縁性基板に導電層を設ける方法としては、スパッタリング法、蒸着法、無電解めっき法、電解めっき法、絶縁性基板に金属箔等の導電層を張り合わせる方法などがある。絶縁性基板に貫通孔を開けた後に、絶縁性基板の表面及び貫通孔の内壁に無電解めっきや電解めっきによって導電層を設けることもできるし、また、絶縁性基板表面に導電層を予め設けた後に、貫通孔をあけ、再度、表面及び貫通孔内壁に導電層を設けてもよい。
本発明に係わる光架橋性樹脂層としては、例えば、回路基板製造用の光架橋型ドライフィルムフォトレジストが挙げられる。以下に例を挙げるが、本発明の趣旨と異ならない限り何れの光架橋性樹脂層であっても適用可能である。例えば、カルボン酸基を含むバインダーポリマー、光重合性の多官能モノマー、光重合開始剤、溶剤、その他添加剤からなるネガ型の感光性樹脂組成物が使用できる。それらの配合比率は、感度、解像度、硬度、テンティング性等の要求される性質に合わせて決定される。これらの例は「フォトポリマーハンドブック」(フォトポリマー懇話会編、(株)工業調査会、1989年)や「フォトポリマー・テクノロジー」(山本亜夫、永松元太郎編、日刊工業新聞社、1988年)等に記載されている。市販品としては、例えばデュポンMRCドライフィルム株式会社のリストン、日立化成工業株式会社のフォテック、旭化成エレクトロニクス株式会社のサンフォート等を使用することができる。市販品は、光架橋性樹脂フィルムが、ポリエステルフィルム等の支持体フィルムとポリエチレンフィルム等の保護フィルムとで挟まれた状態となっている。
本発明に係わるマスク層としては、光架橋性樹脂層除去液に対して不溶性又は難溶性である樹脂や金属等を使用することができる。樹脂としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエステル誘導体等の樹脂が利用できる。汎用性の点から、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等を好適に使用することができる。金属としては、銅やアルミニウム等を使用できる。マスク層を介してレジストパターンの形成に係わるパターン露光を行う場合には、パターン露光に障害がないように、光透過性を有する樹脂を使用する。マスク層は、フィルム形状として、光架橋性樹脂層と一体化して基板上に形成するようにすれば、工程上、簡便で安定に光架橋性樹脂層とマスク層の形成ができるので好ましい。光架橋性樹脂層として前述のドライフィルムフォトレジストを利用する場合には、その支持体フィルムをそのままマスク層とすることができるので好ましい。これらの樹脂は、同じ種類の樹脂であっても、その樹脂に含まれる官能基の種類や量、分子量の違いにより、溶解性は変化する。アルカリ水溶液を光架橋性樹脂層除去液として使用する場合には、これらの樹脂のうち、アルカリ水溶液に対する溶解性の低い樹脂をマスク層として使用することで、光架橋性樹脂層除去液に不溶性又は難溶性となる。アルカリ水溶液を除去液として使用する場合、マスク層の酸価は、光架橋性樹脂層の酸価の十分の一以下、好ましくは百分の一以下である樹脂を好適に使用することができる。
本発明の回路基板の製造方法においては、光架橋性樹脂層とマスク層とを一体に形成することが望ましい。あらかじめ、マスク層となるフィルム支持体に光架橋性樹脂層を形成したドライフィルムをラミネータにより基板にラミネートする方法を好適に使用することができる。
本発明に係わる光架橋性樹脂層除去液としては、光架橋性樹脂層を溶解又は分散可能な液であり、使用する光架橋性樹脂層の組成に見合った液を使用する。光架橋性樹脂層除去液によって、貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を除去し、貫通孔上及び貫通孔周辺部に光架橋性樹脂層の存在しない領域を形成する。貫通孔上の光架橋性樹脂層の除去とは、少なくとも貫通孔直上の光架橋性樹脂層の一部が除去されて、貫通孔上に開口部が形成されている状態をいう。光架橋性樹脂層の開口部において、これらの光架橋性樹脂層上部の開口径は、貫通孔径よりも小さくてもよい。光架橋性樹脂層除去液は、マスク層を溶解しない液か、あるいは、マスク層を溶解する液であっても、光架橋性樹脂層を適正量分だけ溶解する条件において、マスク層が膨潤したり、形状が変化したりすることがない液を使用する。一般的には、アルカリ水溶液が有用に使用され、例えば、ケイ酸アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸又は炭酸アルカリ金属塩、リン酸又は炭酸アンモニウム塩等の無機塩基性化合物の水溶液、エタノールアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、トリエチレンテトラミン、モルホリン等の有機塩基性化合物を使用することができる。これら水溶液は、光架橋性樹脂層に対する溶解性を制御するため、濃度、温度、スプレー圧等を調整する必要がある。光架橋性樹脂層除去液の供給は、マスク層を有する面と反対の面から、貫通孔を通して光架橋性樹脂層に光架橋性樹脂層除去液が接触するように供給できれば、いずれの方式を用いてもよい。ディップ処理装置、両面シャワースプレー装置、片面シャワースプレー装置等を利用することができる。光架橋性樹脂層の除去は、光架橋性樹脂層除去液による処理に続いて、水洗や酸処理を行うことによって、速やかに停止させることができる。
本発明に係わる、導電層上にエッチングレジスト層を形成する方法としては、電着の手段やめっきの方法が使用できる。導電層を銅として、そのエッチングレジスト層としてめっき金属を利用する場合には、金、錫、錫−鉛系はんだ合金、ニッケル、錫−ニッケル合金、ニッケル−金合金、銀、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等が利用できる。また、エッチングレジスト層として電着樹脂を利用することもできる。この場合には、樹脂は電着を可能とするために電荷を有しており、具体的な例としては、ポリイミド系、エポキシ系、アクリル系、ポリエステル系、フッ素系、シリコン系等の樹脂エマルジョンを使用することができる。保持する電荷はアニオン型でもカチオン型でも使用可能であり、アニオン型としては、カルボキシル基、スルホン酸基又はそれらのアニオン基等が挙げられ、カチオン型としては、アミノ基、そのカチオン基、更にはその第四級イオン基等が挙げられる。
本発明の回路基板の製造方法において、光架橋硬化した光架橋性樹脂層を除去する方法としては、高pHのアルカリ性水溶液、有機溶剤等で除去する方法が挙げられる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メタ珪酸ナトリウム等を含む強アルカリ水溶液、アルコール、ケトン等の有機溶剤を挙げることができる。
本発明に係わるエッチング液は、エッチングレジスト層を溶解させずに、導電層12を溶解除去できるものであればよい。例えば、アルカリ性アンモニア等のアルカリ性エッチング液、硫酸−過酸化水素、塩化第二銅、過硫酸塩、塩化第二鉄等の一般的なエッチング液を使用できる。導電層を銅とし、エッチングレジスト層として金属めっきエッチングレジストを使用した場合には、銅を良好にエッチングすることができる、市販のアルカリ性エッチング液、過硫酸アンモニウム、過酸化水素/硫酸等が好適に用いられる。装置や方法としては、例えば、水平スプレーエッチング、浸漬エッチング等の装置や方法を使用できる。これらの詳細は、「プリント回路技術便覧」(社団法人日本プリント回路工業会編、日刊工業新聞社、1987年)に記載されている。
本発明の回路基板の製造方法において、エッチングレジスト層の除去には、エッチングレジスト層として金属めっきエッチングレジストを使用した場合には、はんだ剥離用として市販されている、硝酸系、硫酸系、シアン系などの酸系の処理液により除去を行うことができる。また、電着樹脂をエッチングレジスト層として使用した場合には、アルカリ性水溶液、有機溶剤等で除去することができる。
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
銅張り積層板(面積340mm×510mm、基材厚み0.10mm、銅厚12μm)に、ドリル加工機を使用して0.10mmφの貫通孔を開けた後、デスミア処理を施し、次いで無電解めっき処理を行い、貫通孔内壁に厚さ約0.5μmの無電解銅めっき層を導電層として設けた。その後、電解めっき処理により、貫通孔内壁及び表面に更に12μmの厚さの銅層を形成させた。ドライフィルムフォトレジスト用ラミネータを用いて、15μmの光架橋性樹脂層及び12μmのマスク層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)よりなる、回路形成用ドライフィルムフォトレジストを基板の片面(第1面とする)に熱圧着し、光架橋性樹脂層及びマスク層(支持体フィルム)を設けた。
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の除去液を用いて、基板の第2面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを50秒間当てて、第1面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を溶解除去した。貫通孔及び貫通孔周辺部を光学顕微鏡で観察したところ、貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層は、貫通孔と同心円状に除去されていた。貫通孔周辺部の銅露出部の外径は、110μmであった。
回路パターンを描画したフォトマスク(導体幅及び間隙:40μm)を基板の第1面に載せ、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、40秒間紫外線パターン露光を行った。
次いで、露光処理が終了した基板の第2面に、ドライフィルムフォトレジスト用ラミネータを用いて、第1面と同一の回路形成用ドライフィルムフォトレジストを熱圧着して、光架橋性樹脂層及びマスク層を設けた。その後、第1面のマスク層を剥がして除去した。
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の除去液を用いて、基板の第1面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを50秒間当てて、第1面の光架橋性樹脂層の未硬化部分を除去するとともに第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を溶解除去した。第2面の貫通孔及び貫通孔周辺部を光学顕微鏡で観察したところ、貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層は、貫通孔と同心円状に除去されていた。貫通孔周辺部の銅露出部の外径は、110μmであった。
回路パターンを描画したフォトマスク(導体幅及び間隙:40μm)を基板の第2面に載せ、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、40秒間紫外線パターン露光を行った。その後、第2面のマスク層を剥がして除去した。
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の除去液を用いて、基板の第2面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを20秒間当てて、第2面の光架橋性樹脂層の未硬化部分を除去した。
第1面、第2面のパターン状の光架橋硬化した光架橋性樹脂層を観察した結果、貫通孔及び貫通孔周辺部には、同心円状に精度良く導電層が露出されるようにパターンが形成されており、基板表面のパターンも、良好に形成されていた。
次いで、錫めっき液(メルテックス社製ソルダロンSN−2670)により、露出した銅表面に錫めっきをエッチングレジスト層として形成した。続いて、3質量%の水酸化ナトリウム水溶液で処理し、光架橋硬化した光架橋性樹脂層を剥離除去し、エッチングレジスト層以外の部分の銅を露出させた。
さらに、エッチング液としてアンモニアアルカリエッチャント(メルテックス製エープロセス)を用いて、露出した銅の除去を行った。その後、銅上の錫めっきを、錫めっき剥離専用処理液(メルテックス社製エンストリップTL)を用いて剥離し、回路基板の製造を行った。
顕微鏡にて回路基板を観察した所、ランドは貫通孔と同心円状に形成されており、ランド幅Lwは5μmであり、回路基板に断線はなく、良好な狭小ランド幅を持った回路基板の製造ができた。
実施例1において、第1面及び第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を溶解除去する際に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の光架橋性樹脂層除去液を用いた処理時間を第1面、第2面とも65秒間とした点以外は、実施例1と同様にして回路基板の製造をおこなった。
第1面及び第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を溶解除去した際の、貫通孔周辺部の銅露出部の外径は、第1面、第2面ともに126μmであった。
エッチングレジスト層の剥離除去後の回路基板を光学顕微鏡で観察したところ、ランドは貫通孔と同心円状に除去されており、ランド幅Lw=13μmであった。回路基板に断線はなく、良好な狭小ランド幅を持った回路基板の製造ができた。
実施例1において、第1面及び第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を溶解除去する際に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の光架橋性樹脂層除去液を用いた処理時間を第1面、第2面とも80秒間とした点以外は、実施例1と同様にして回路基板の製造をおこなった。
第1面及び第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を溶解除去した際の、貫通孔周辺部の銅露出部の外径は、第1面、第2面ともに138μmであった。
エッチングレジスト層の剥離除去後の回路基板を光学顕微鏡で観察したところ、ランドは貫通孔と同心円状に除去されており、ランド幅Lw=19μmであった。回路基板に断線はなく、良好な狭小ランド幅を持った回路基板の製造ができた。
実施例1において、第1面のマスク層の除去を、第1面の露光処理後、第2面の光架橋性樹脂層及びマスク層のラミネート前に行った以外は、実施例1と同様にして回路基板の製造をおこなった。
顕微鏡にて回路基板を観察した所、ランドは貫通孔と同心円状に形成されており、ランド幅Lwは5μmであり、回路基板に断線はなく、良好な狭小ランド幅を持った回路基板の製造ができた。
実施例1において、第1面のマスク層の除去を、第1面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を溶解除去した後、第1面の露光処理の前に行った以外は、実施例1と同様にして回路基板の製造をおこなった。
顕微鏡にて回路基板を観察した所、ランドは貫通孔と同心円状に形成されており、ランド幅Lwは5μmであり、回路基板に断線はなく、良好な狭小ランド幅を持った回路基板の製造ができた。
銅張り積層板(面積340mm×510mm、基材厚み0.10mm、銅厚12μm)に、ドリル加工機を使用して0.10mmφの貫通孔を開けた後、デスミア処理を施し、次いで無電解めっき処理を行い、貫通孔内壁に厚さ約0.5μmの無電解銅めっき層を導電層として設けた。その後、電解めっき処理により、貫通孔内壁及び表面に更に12μmの厚さの銅層を形成させた。ドライフィルムフォトレジスト用ラミネータを用いて、15μmの光架橋性樹脂層及び12μmのマスク層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)よりなる、回路形成用ドライフィルムフォトレジストを基板の片面(第1面とする)に熱圧着し、光架橋性樹脂層及びマスク層(支持体フィルム)を設けた。
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の除去液を用いて、基板の第2面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを50秒間当てて、第1面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を溶解除去した。貫通孔及び貫通孔周辺部を光学顕微鏡で観察したところ、貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層は、貫通孔と同心円状に除去されていた。貫通孔周辺部の銅露出部の外径は、110μmであった。
回路パターンを描画したフォトマスク(導体幅及び間隙:40μm)を基板の第1面に載せ、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、40秒間紫外線パターン露光を行った。
次に、第1面のマスク層を剥がして除去した後、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の除去液を用いて、基板の第1面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを20秒間当てて、第1面の光架橋性樹脂層の未硬化部分を除去した。
次いで、基板の第2面に、ドライフィルムフォトレジスト用ラミネータを用いて、第1面と同一の回路形成用ドライフィルムフォトレジストを熱圧着して、光架橋性樹脂層及びマスク層を設けた。
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の除去液を用いて、基板の第1面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを50秒間当てて、第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を溶解除去した。第2面の貫通孔及び貫通孔周辺部を光学顕微鏡で観察したところ、貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層は、貫通孔と同心円状に除去されていた。貫通孔周辺部の銅露出部の外径は、110μmであった。
回路パターンを描画したフォトマスク(導体幅及び間隙:40μm)を基板の第2面に載せ、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、40秒間紫外線パターン露光を行った。その後、第2面のマスク層を剥がして除去した。
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の除去液を用いて、基板の第2面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを20秒間当てて、第2面の光架橋性樹脂層の未硬化部分を除去した。
第1面、第2面のパターン状の光架橋硬化した光架橋性樹脂層を観察した結果、貫通孔及び貫通孔周辺部には、同心円状に精度良く導電層が露出されるようにパターンが形成されており、基板表面のパターンも、良好に形成されていた。
次いで、錫めっき液(メルテックス社製ソルダロンSN−2670)により、露出した銅表面に錫めっきをエッチングレジスト層として形成した。続いて、3質量%の水酸化ナトリウム水溶液で処理し、光架橋硬化した光架橋性樹脂層を剥離除去し、エッチングレジスト層以外の部分の銅を露出させた。
さらに、エッチング液としてアンモニアアルカリエッチャント(メルテックス製エープロセス)を用いて、露出した銅の除去を行った。その後、銅上の錫めっきを、錫めっき剥離専用処理液(メルテックス社製エンストリップTL)を用いて剥離し、回路基板の製造を行った。
顕微鏡にて回路基板を観察した所、ランドは貫通孔と同心円状に形成されており、ランド幅Lwは5μmであり、回路基板に断線はなく、良好な狭小ランド幅を持った回路基板の製造ができた。
実施例6において、第1面のマスク層の除去を、第1面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を溶解除去した後、第1面の露光処理の前に行った以外は、実施例6と同様にして回路基板の製造をおこなった。
顕微鏡にて回路基板を観察した所、ランドは貫通孔と同心円状に形成されており、ランド幅Lwは5μmであり、回路基板に断線はなく、良好な狭小ランド幅を持った回路基板の製造ができた。
本発明は、プリント配線板、半導体装置等の回路基板の製造に利用することができる。
本発明の方法における一工程を示す断面図。 本発明の方法における図1に続く工程を示す断面図。 本発明の方法における図2に続く工程を示す断面図。 本発明の方法における図3に続く工程を示す断面図。 本発明の方法における図4に続く工程を示す断面図。 本発明の方法における図5に続く工程を示す断面図。 本発明の方法における図6に続く工程を示す断面図。 本発明の方法における図7に続く工程を示す断面図。 本発明の方法における図8に続く工程を示す断面図。 本発明の方法における図9に続く工程を示す断面図。 本発明の方法における図10に続く工程を示す断面図。 本発明の方法における図11に続く工程を示す断面図。 本発明の方法における図12に続く工程を示す断面図。 本発明の方法における図13に続く工程を示す断面図。 多層回路基板の一例を示す概略断面図。 貫通孔とランドを表す概略平面図。 貫通孔とランドの位置ずれを表す概略図。
符号の説明
1 絶縁性基板
6 マスク層(第1面)
7 マスク層(第2面)
12 導電層
13 エッチングレジスト層
17 貫通孔
18 ランド部導電層
21 第1面の光架橋性樹脂層
22 第2面の光架橋性樹脂層
23 光架橋硬化した第1面の光架橋性樹脂層
24 光架橋硬化した第2面の光架橋性樹脂層
31 貫通孔
32 配線層
33 絶縁層

Claims (4)

  1. (a)貫通孔を有する絶縁性基板の第1面及び第1面とは反対側の第2面並びに貫通孔内壁に導電層を有する絶縁性基板を準備する工程、
    (b)第1面に光架橋性樹脂層及びマスク層を形成して、第1面の導電層及び貫通孔開口部を光架橋性樹脂層及びマスク層で覆う工程、
    (c)第2面より光架橋性樹脂層除去液を供給して、第1面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を除去し、第1面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程、
    (d)第1面の光架橋性樹脂層をパターン露光して、パターン状に光架橋硬化する工程、
    (e)第2面に光架橋性樹脂層及びマスク層を形成して、第2面の導電層及び貫通孔開口部を光架橋性樹脂層及びマスク層で覆う工程、
    (f)第1面のマスク層を除去する工程、
    (g)第1面より光架橋性樹脂層除去液を供給して、第1面の未硬化の光架橋性樹脂層並びに第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を除去し、第1面上の導電層及び第2面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程、
    (h)第2面の光架橋性樹脂層をパターン露光して、パターン状に光架橋硬化する工程、
    (i)第2面のマスク層を除去する工程、
    (j)第2面より光架橋性樹脂層除去液を供給して、第2面の未硬化の光架橋性樹脂層を除去し、第2面上の導電層を露出する工程、
    (k)貫通孔内壁及び貫通孔周辺部、並びに第1面上及び第2面上に露出している導電層上にエッチングレジスト層を形成する工程、
    (l)第1面上及び第2面上の光架橋硬化した光架橋性樹脂層を除去して、第1面上及び第2面上の導電層を露出する工程、
    (m)露出する導電層をエッチングして除去する工程、
    (n)エッチングレジスト層を除去する工程、
    をこの順で含む回路基板の製造方法。
  2. (f)工程を(e)工程の前に行う、請求項1記載の回路基板の製造方法。
  3. (f)工程を(d)工程の前に行う、請求項1記載の回路基板の製造方法。
  4. (g)工程が、(g1)第1面より光架橋性樹脂層除去液を供給して、第1面の未硬化の光架橋性樹脂層を除去し、第1面上の導電層を露出する工程と、(g2)第1面より光架橋性樹脂層除去液を供給して、第2面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を除去し、第2面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程とからなり、(e)工程を(g1)工程と(g2)工程の間で行う、請求項1〜3のいずれか1項記載の回路基板の製造方法。
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