JP4628738B2 - 運動変換装置及びそれを備えた材料送り装置 - Google Patents
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また、軸及びそれと一体の作動片の揺動回転運動を一対の運動伝達部材を介して第1可動グリッパの往復直線運動に変換するときに、ガタツキや振動が発生し、それにより第1可動グリッパの作動精度が悪化したり異音が生じたりする恐れがある。
また、前記作動体の本体部から突出する作動片と運動伝達部材とが軸に形成した凹溝内に緊密に嵌合し、作動片の凸面と運動伝達部材の平坦面とが、運動変換装置の作動時においても、それぞれ凹溝の第1及び第2作用面に隙間無く緊密に係合した状態、即ちバックラッシのない状態に保たれる。したがって、装置の作動時におけるガタツキや振動の発生を抑制し、作動精度を向上させることができる。
本発明の材料送り装置の一実施形態では、前記凹溝の上側及び下側の内面がそれぞれ前記第1及び第2作用面になっている。
軸51は、駆動源であるモータ57の出力軸57aにカップリング58を介して連結されている。
なお、図中56は、運動伝達部材55の平坦面55bを作用面51cへ向けて押圧するように作動体52の本体部52aを付勢するバネ部材を示している。
実施例1は、モータ57によって軸51を揺動回転駆動し、軸51の揺動回転運動を作動体52の往復直線運動に変換する構成になっており、図2(B)のように軸51が反時計方向へ揺動したときにバネ部材56のバネ力に抗して作動体52を押し上げるようになっている。したがって、運動変換装置の作動時には、作用面51bと作動片52bの凸面52b’との係合部よりも、作用面51cと運動伝達部材55の平坦面55bとの係合部に大きい荷重が作用する。このように、大きい荷重が作用する箇所が平坦面同士の係合部となるように運動伝達部材55を配列するのが、装置の強度を高める上で好ましい。この点は、実施例2に関連して後にさらに説明する。
実施例1では、軸51が水平であり、作動体52の本体部52aが垂直方向へ往復運動をするようになっている。しかしながら、軸51と本体部52aとの配列は、必ずしも水平と垂直でなくてもよい。軸51の軸線に対して本体部52aがほぼ直角方向に往復運動するように配列されていればよい。
図3(A),(B)の変形例の場合には、平坦面55bが凹溝51aの平坦な作用面51cに係合する運動伝達部材55の円弧状の凸面55aの円弧の長さは半円形より短くなる。また、図4(A),(B)の変形例の場合には、平坦面55bが凹溝51aの平坦な作用面51cに係合する運動伝達部材55の円弧状の凸面55aの円弧の長さは半円形より長くなる。したがって、これら変形例では、運動伝達部材55の横断面形状は半円形ではない。
また、図4(A),(B)の変形例においては、凹溝51aの幅Cと、凹溝51aの凸面52b’及び凹面52b”の曲率半径R2及びR1と、R2からR1を差し引いた寸法Bと、上記所定寸法Aとの間には、軸51が図4(A)と図3(B)との間で揺動回転する作動時に、常にC = R1 + B + Aの関係が成立する。
これら(1)〜(6)の一連の動作を繰返すことによりプレス装置9(金型10)に対して材料8を間欠的に供給することが出来る
この材料送り装置1は、第1グリッパ装置4、第2グリッパ装置7に前述した所定の動作を行なわせるため、図5及び図12から判るように入力軸30に順に固定した3個のカム(第1カム12、第2カム13および第3カム14)を有するカム装置を備える。入力軸30は、軸受部材15,15aを介して装置のハウジング16に装着してあり、一方向へ連続的に回転駆動される。例えばプレス装置のクランク軸から所定のタイミングで入力軸30に回転が伝達され、材料送り装置1がプレス装置と同期運転される。
なお、このように3個の別々のカム12,13,14により、材料8の送りに必要な動作(第1グリッパ装置4の往復動作、第1グリッパ装置4のグリップ・解放動作、および第2グリッパ装置7のグリップ・解放動作)を行なわせる構成としたのは、これら各部(各動作)のタイミング設計を容易に行なえるようにするためである。
図7に示したように、フランジ18及び軸受部材19a,19bを介してハウジング16に回動可能に装着された連結軸25上にターレット20が一体回転可能に固定されている。このターレット20は、第1カム12のカム面と係合するカムフォロワ20aを有する。カムフォロワ20aは、第1カム12の回転に伴いそのカムのカム面を転動し、図11(A),(B)に示すようにターレット20及びそれと一体の連結軸25を揺動回転させ、連結軸25に固定してある揺動アーム17を揺動させる。
したがって、入力軸30と一体に第1カム12が回転すると、それに応じてターレット20及び連結軸25が揺動回転し、それにより揺動アーム17が揺動する。このように揺動アーム17が揺動すると、案内溝11aに係合するスライドコマ21が案内溝11a内を摺動しつつ摺動ブロック11を押圧する。したがって、第1グリッパ装置4は、軸28,29に沿って材料移送方向(図11(A)から図11(B)の方向)及びその逆方向へ往復摺動する。
なお、図7において、16aは、ハウジング16に設けられて摺動ブロック11に摺接するスライド部材を示している。
作用面29bと作動片27aの凹面27a’との間には運動伝達部材36が装着されている。この運動伝達部材36は、作動片27aの凹面27a’に相対回動可能に係合する円弧状の凸面36aと、作用面29bに相対摺動可能に係合する平坦面36bとを有し、横断面形状が半円形になっている。
作用面29cと作動片3bの凹面3b’との間には運動伝達部材37が装着されている。この運動伝達部材37は、作動片3bの凹面3b’に相対回動可能に係合する円弧状の凸面37aと、作用面29cに相対摺動可能に係合する平坦面37bとを有し、横断面形状が半円形になっている。
このようにして軸29が回動すると、運動伝達部材37及び作動片3bを介して第1可動グリッパ3が上下に移動する。したがって、第1可動グリッパ3の材料グリップ部3aは第1固定グリッパ2の材料グリップ部2aに対して離接する方向へ変位し、材料のグリップ及び解放動作を行うものである。
なお、上記したとおり軸29は固定ブロック35に対して回動するために、図6に示したように、軸29の両端は軸受部材74a,74bを介してハウジング16の壁部に支持されている。
図8に示した運動変換装置は、作動体27の上下の往復運動を軸29の揺動回転に変換するようになっている。例えば、図8の状態から作動体27が上方へ変位すると、運動伝達部材36が上側の作用面29bを押し上げて、軸19を反時計方向へ回転させる。したがって、運動伝達部材36の上面36bと作用面29bとに大きな荷重がかかるため、運動伝達部材36は、平坦な上面36bが作用面29cに係合する配列になっている。
第2固定グリッパ5は、固定ブロック35に対して材料移送方向の下流側位置において軸28,29に嵌合する調整ブロック45を有しており、第2可動グリッパ6は調整ブロック45に上下摺動可能に保持されている。
なお、図示実施例においては、材料移送路に沿う移動を行わない第2グリッパ装置7が第1グリッパ装置4に対して材料移送方向の下流側の位置に配列されているが、第2グリッパ装置7を第1グリッパ装置4の上流側に配列することも、勿論可能である。
2 第1固定グリッパ
3 第1可動グリッパ
4 第1グリッパ装置
5 第2固定グリッパ
6 第2可動グリッパ
7 第2グリッパ装置
12 第1カム
13 第2カム
14 第3カム
17 揺動アーム
27,52 作動体
28,29,51 軸
29a,51a 凹溝
30 入力軸
3b,27a,52b 作動片
36,37,55 運動伝達部材
Claims (5)
- 軸と作動体とを備え、前記軸が、所定幅で該軸の軸線方向へ延びる凹溝を有していて、その凹溝の互いに対向する内面がそれぞれ第1及び第2作用面になっており、前記作動体が、前記軸の外周部から隔てられた位置で該軸の軸線に対してほぼ直角方向へ往復直線運動可能に支持された本体部と、その本体部から前記軸へ向けて突出して前記凹溝内に挿入された作動片とを有し、前記作動片の、第1作用面に対向する外面に、円弧状に湾曲して第1作用面に相対回動可能に係合する凸面が設けられるとともに、前記作動片の、第2作用面に対向する外面に、前記凸面と同心関係でその凸面より曲率半径が小さい円弧状の凹面が設けられ、第2作用面が平坦面になっていて、その第2作用面と前記作動片の前記凹面との間に運動伝達部材が装着されており、前記運動伝達部材が、前記作動片の凹面に相対回動可能に係合する円弧状の凸面と、第2作用面に相対摺動可能に係合する平坦面とを有することを特徴とする運動変換装置。
- 前記運動伝達部材の前記平坦面を第2作用面へ向けて押圧するように前記作動体の前記本体部を付勢するバネ部材が設けられている請求項1に記載の運動変換装置。
- 第1固定グリッパと第1可動グリッパとにより材料のグリップ及び解放を行なうよう構成され、第1固定グリッパが材料移送路に沿って互いに平行に配列された第1及び第2軸に往復摺動可能に支持されている第1グリッパ装置と、第1グリッパ装置に対して材料移送方向の下流側又は上流側の位置に配列され、第2固定グリッパと第2可動グリッパとにより材料のグリップ及び解放を行なうよう構成された第2グリッパ装置と、第1可動グリッパの材料グリップ部をその対向方向にある第1固定グリッパの材料グリップ部に対して離接させるように第1可動グリッパを往復移動させる第1グリッパ作動装置と、第2可動グリッパの材料グリップ部をその対向方向にある第2固定グリッパの材料グリップ部に対して離接させるように第2可動グリッパを往復移動させる第2グリッパ作動装置とを備え、前記第1及び第2可動グリッパの往復移動と第1グリッパ装置の往復摺動とを所定のタイミングで生じて材料の間欠的な送りを生じるように構成されている材料送り装置において、
前記第1グリッパ作動装置が、前記第1軸を揺動回転させるための揺動回転駆動装置を備えており、第1軸が、所定幅で第1軸の軸線方向へ延びる凹溝を有していて、その凹溝の互いに対向する内面がそれぞれ第1及び第2作用面になっており、第1可動グリッパが、第1軸の外周部から隔てられた位置で第1軸の軸線に対してほぼ直角方向へ往復直線運動可能に支持された本体部と、その本体部から第1軸へ向けて突出して前記凹溝内に挿入された作動片とを有し、その作動片の、第1作用面に対向する外面に、円弧状に湾曲して第1作用面に相対回動可能に係合する凸面が設けられるとともに、前記作動片の、第2作用面に対向する外面に、前記凸面と同心関係でその凸面より曲率半径が小さい円弧状の凹面が設けられ、第2作用面が平坦面になっていて、その第2作用面と前記作動片の前記凹面との間に運動伝達部材が装着されており、その運動伝達部材が、前記作動片の凹面に相対回動可能に係合する円弧状の凸面と、第2作用面に相対摺動可能に係合する平坦面とを有し、前記第1軸を揺動回転駆動したときに前記運動伝達部材を介して第1可動グリッパの本体部が前記往復直線運動を行う構成になっていることを特徴とする材料送り装置。 - 前記揺動回転駆動装置が、第1グリッパ装置に対して材料移送方向の下流側又は上流側の位置に固定された固定ブロックと作動体とを有し、前記作動体が、第1軸の外周部から隔てられた位置で第1軸の軸線に対してほぼ直角方向へ往復直線運動可能に固定ブロックによって支持された本体部と、その本体部から第1軸へ向けて突出して前記凹溝内に挿入された作動片とを有し、前記作動体の作動片の、前記凹溝の第2作用面に対向する外面に、円弧状に湾曲して第2作用面に相対回動可能に係合する凸面が設けられるとともに、前記作動体の作動片の、第1作用面に対向する外面に、前記作動体の作動片の凸面と同心関係でその凸面より曲率半径が小さい円弧状の凹面が設けられ、第1作用面が平坦面になっていて、第1作用面と前記作動体の作動片の前記凹面との間に第2の運動伝達部材が装着されており、その第2の運動伝達部材が、前記作動体の作動片の凹面に相対回動可能に係合する円弧状の凸面と、第1作用面に相対摺動可能に係合する平坦面とを有しており、前記作動体の前記往復直線運動を生じたときに前記第2の運動伝達部材を介して第1軸が揺動回転する構成になっている請求項3に記載の材料送り装置。
- 一方向へ連続的に回転駆動される入力軸に固定された第1、第2及び第3カムを有するカム装置と、
第1カムの回転に応じて揺動する揺動アームと、揺動アームと第1固定グリッパとを作動的に連結して揺動アームの揺動を第1固定グリッパの材料移送路に沿う直線運動に変換する連結手段とを有する第1グリッパ摺動装置とを具備し、
前記揺動回転駆動装置が、第2カムの回転に応じて前記作動体の前記往復直線運動を生じるよう構成されており、また、
前記第2グリッパ作動装置が、第3カムの回転に応じて第2可動グリッパの前記往復移動を生じるよう構成されている請求項4に記載の材料送り装置。
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