JP6164105B2 - カム機構およびこれを用いたワーク搬送装置 - Google Patents
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Description
案内溝のうち、移動体を前記移動経路の限界位置(K1、K2)に位置させる部分を限界位置溝部(76、78)とする。案内溝の限界位置溝部の溝幅(W)は、第1カムフォロアおよび第2カムフォロアが当該限界位置溝部に位置している間、第1カムフォロアが第1カム面に接触しつつ第2カムフォロアが第2カム面に接触するよう設定されている。
移動体は、支点軸(73)まわりに揺動する揺動レバーである。第1カムフォロアおよび第2カムフォロアは、揺動レバーの端部に設けられている。
案内溝のうち、移動体を移動方向の一方へ送るための部分を送り用カム溝部(75)とし、移動体を移動方向の他方へ戻すための部分を戻し用カム溝部(77)とする。送り用カム溝部および戻し用カム溝部の溝幅は、第1カムフォロアおよび第2カムフォロアが送り用カム溝部または戻し用カム溝部に位置している間、第1カムフォロアが第1カム面および第2カム面の一方に接触しつつ、第2カムフォロアが第1カム面および第2カム面の他方に非接触となるよう設定されている。
<一実施形態>
本発明の一実施形態によるカム機構は、図1に示す多段式横型鍛造装置に第2カム機構として適用されている。多段式横型鍛造装置10は、ワーク11を所定の搬送方向に搬送する途中で複数回の鍛造加工を行うことにより、ワーク11を例えば自動車用の点火プラグのハウジングまたはスタータのクラッチハウジングなどに成形する。
先ず、多段式横型鍛造装置10の全体構成について図1〜図7を参照して説明する。
図1、図2に示すように、多段式横型鍛造装置10は、フレーム20、ダイ21、ラム23、パンチP1〜P6、駆動手段30、把持具40、第1カム機構50、スライダSL1〜SL7、および第2カム機構60を備えている。スライダSL1〜SL7、把持具40、第1カム機構50および第2カム機構60は、ワーク11を搬送するワーク搬送装置15を構成している。以下、パンチP1〜P6を特に区別しないとき単に「パンチP」と記載し、スライダSL1〜SL7を特に区別しないとき単に「スライダSL」と記載する。また、便宜上、図1では後述の解除レバー53の図示を省略しており、図2ではフレーム20の側壁の一部を切り欠いている。
ラム23は、ダイ21ごとに一つずつ設けられ、例えば図示しないガイド部材などを介してフレーム20に支持されている。ラム23は、ダイ21に対し接近および離間する方向である加工方向へ往復移動可能である。加工方向は、搬送方向に対し直交している。
次に、第2カム機構60の特徴構成について図5、図6、図8、図9を参照して説明する。
以下では、カムフォロア67を「第1カムフォロア67」と記載し、カムフォロア68を「第2カムフォロア68」と記載する。また、第1カムフォロア67および第2カムフォロア68が揺動レバー69の端部79と共に揺動する方向を「揺動方向」と記載する。
図5に示すように、第1カムフォロア67は、揺動レバー69の端部79のうち揺動方向の一方に設けられており、第2カムフォロア68は、揺動レバー69の端部79のうち揺動方向の他方に設けられている。
第1カムフォロア67の外輪82は、円筒溝カム62の第1カム面63に接触可能であり且つ第2カム面64に接触不能である。一方、第2カムフォロア68の外輪85は、円筒溝カム62の第2カム面64に接触可能であり且つ第1カム面63に接触不能である。また、第1カムフォロア67の外輪82と第2カムフォロア68の外輪85とは、互いに案内溝65の溝幅方向の力を伝達可能に接触している。
具体的には、図6において矢印A1で示すように、第1カムフォロア67は、移動経路Kの限界位置K2(図5参照)に向かって揺動方向の他方へ移動するとき、第1カム面63に接触しながら軸心まわりの一方へ回転する。このとき、第2カムフォロア68は、第1カムフォロア67との接触により軸心まわりの他方へ回転する。
このように、第1カムフォロア67は軸心まわりの一方へ回転し続け、第2カムフォロア68は軸心まわりの他方へ回転し続ける。
以上説明したように、本実施形態の第2カム機構60では、円筒溝カム62の案内溝65に対応して2つのカムフォロア67、68が設けられている。第1カムフォロア67は、第1カム面63に接触可能であり且つ第2カム面64に接触不能な外輪82を有する。第2カムフォロア68は、第2カム面64に接触可能であり且つ第1カム面63に接触不能な外輪85を有する。
このように構成することで、両方のカムフォロア67、68は、回転方向が反転せず、一定方向に回転し続ける。したがって、カムフォロア67、68の外輪82、85の外周面とカム面63、64との摩擦を回避することができ、カムフォロア67、68の外輪82、85の外周面、第1カム面63および第2カム面64の焼き付きの発生を抑制可能である。
これに対し、本実施形態では、前方停留用カム溝部76および後方停留用カム溝部78の溝幅Wは、第1カムフォロア67および第2カムフォロア68が当該カム溝部76、78に位置している間、第1カムフォロア67が第1カム面63に接触しつつ第2カムフォロア68が第2カム面64に接触するよう設定されている。つまり、第1カムフォロア67および第2カムフォロア68が停留用カム溝部76、78に位置している間、第1カムフォロア67と第1カム面63との間にクリアランスは形成されず、また第2カムフォロア68と第2カム面64との間にもクリアランスは形成されない。
したがって、可動範囲の限界位置における揺動レバー69のがたつきを防止し、スライダSLの停留位置での位置決め精度を向上させることができる。
これに対し、本実施形態では、第1カムフォロア67の外輪82と第2カムフォロア68の外輪85とは、互いに案内溝65の溝幅方向の力を伝達可能に接触している。そのため、第1カム面63から外輪82に作用する荷重を回転軸81および回転軸84に分散して受けさせることができる。したがって、本実施形態によれば、第2比較形態の回転軸と比べて回転軸81、84を細くしても必要強度を満たすことができ、カムフォロア67、68を小型化することができる。
本発明の他の実施形態では、円筒溝カムに代えて、例えば平面溝カムなどの他の種類の溝カムを有していてもよい。
本発明の他の実施形態では、第1カムフォロアおよび第2カムフォロアは、外輪同士が非接触であってもよい。
本発明の他の実施形態では、案内溝の限界位置溝部に第1カムフォロアおよび第2カムフォロアが位置しているとき、第1カムフォロアと第1カム面との間、および、第2カムフォロアと第2カム面との間にクリアランスがあってもよい。
本発明の他の実施形態では、第2カム機構は、互いに並ぶように複数設けられることなく、単体で使用されてもよい。
本発明の他の実施形態では、スライダの送り速度は、スライダの戻り速度以上であってもよい。
本発明の他の実施形態では、ダイ、ラムおよびパンチの数は、6つ以外であってもよい。
本発明の他の実施形態では、各パンチは、移動タイミングが1周期の中で不揃いにずらされていてもよい。
本発明の他の実施形態では、第1駆動手段、第2駆動手段および第3駆動手段は、別々の動力源を備えていてもよい。
本発明の他の実施形態では、多段式横型鍛造装置は、自動車用の点火プラグのハウジングまたはスタータのクラッチハウジング以外のものを成形してもよい。
本発明の他の実施形態では、第2カム機構は、ワーク搬送装置およびこれを用いた多段式横型鍛造装置に限らず、他の装置に適用されてもよい。要するに、第2カム機構は、回転運動や往復直線運動などを揺動運動に変換する用途であれば、どのような装置に適用されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
62 ・・・円筒溝カム(溝カム)
63 ・・・第1カム面
64 ・・・第2カム面
67 ・・・第1カムフォロア
68 ・・・第2カムフォロア
69 ・・・揺動レバー(移動体)
82、85・・・外輪
K ・・・移動経路
Claims (4)
- 所定の移動経路(K)に沿って往復移動可能な移動体(69)と、
所定の移動方向へ移動可能であって、前記移動方向に対し直交する方向で向かい合う第1カム面(63)および第2カム面(64)を形成している案内溝を有する溝カム(62)と、
前記移動体に取り付けられ、前記第1カム面に接触可能であり且つ前記第2カム面に接触不能な外輪(82)を有する第1カムフォロア(67)と、
前記移動体に取り付けられ、前記第2カム面に接触可能であり且つ前記第1カム面に接触不能な外輪(85)を有する第2カムフォロア(68)と、
を備えており、
前記案内溝のうち、前記移動体を前記移動経路の限界位置(K1、K2)に位置させる部分を限界位置溝部(76、78)とすると、
前記案内溝の前記限界位置溝部の溝幅(W)は、前記第1カムフォロアおよび前記第2カムフォロアが当該限界位置溝部に位置している間、前記第1カムフォロアが前記第1カム面に接触しつつ前記第2カムフォロアが前記第2カム面に接触するよう設定されており、
前記移動体は、支点軸(73)まわりに揺動する揺動レバーであり、
前記第1カムフォロアおよび前記第2カムフォロアは、前記揺動レバーの端部に設けられており、
前記案内溝のうち、前記移動体を前記移動方向の一方へ送るための部分を送り用カム溝部(75)とし、前記移動体を前記移動方向の他方へ戻すための部分を戻し用カム溝部(77)とすると、
前記送り用カム溝部および前記戻し用カム溝部の溝幅は、前記第1カムフォロアおよび前記第2カムフォロアが前記送り用カム溝部または前記戻し用カム溝部に位置している間、前記第1カムフォロアが前記第1カム面および前記第2カム面の一方に接触しつつ、前記第2カムフォロアが前記第1カム面および前記第2カム面の他方に非接触となるよう設定されていることを特徴とするカム機構(60)。 - 前記第1カムフォロアの前記外輪と前記第2カムフォロアの前記外輪とは、互いに前記案内溝の溝幅方向の力を伝達可能に接触していることを特徴とする請求項1に記載のカム機構。
- 前記カム機構は、前記溝カムの移動方向に対し直交する方向へ並ぶように複数設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のカム機構。
- ワーク(11)を所定の搬送方向へ搬送するワーク搬送装置(15)であって、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のカム機構と、
前記搬送方向へ往復移動可能であり、前記移動体に連結されているスライダ(SL1〜SL7)と、
前記スライダに固定され、前記ワークを把持可能な把持具(40)と、
を備えることを特徴とするワーク搬送装置。
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JP2014014441A JP6164105B2 (ja) | 2014-01-29 | 2014-01-29 | カム機構およびこれを用いたワーク搬送装置 |
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