JP4627445B2 - レーザ増幅装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ光を増幅して出力するレーザ増幅装置に関し、特に、活性元素をドープしたレーザ媒質に被増幅光とともに励起光を導入して被増幅光の増幅を行うレーザ増幅装置に関する。
希土類をドープしたイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)結晶等を励起材料としてレーザ光を増幅する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。現在は、大出力レーザ装置(パルス出力100J以上)においては、フラッシュランプ励起のガラスレーザを用いたレーザ装置が主流であるが、これらのレーザ装置は、装置自体が数十m規模と大型でシステムも複雑であり、繰り返し動作が困難である等の理由から、大出力レーザ装置においても前述したYAG結晶等を利用した固体レーザ増幅装置を用いる技術が検討されている。
特開2000−36631号公報
大出力レーザでは、大量のエネルギーをレーザ媒質内部に溜め込む必要がある。一方、製造コストやハンドリング上の要請からレーザ媒質はできる限り小さくすることが好ましい。この結果、単位体積あたりのエネルギーが大きくなるため、レーザ媒質内の熱負荷が増大し、最悪の場合には熱歪みによる破壊をもたらしかねない。
また、ドープ材料としてネオジウム(Nd)に代えてイットリビウム(Yb)を用いたYb系レーザも近年、有望なレーザ媒体として注目されている。Ybは、Ndに比較して変換効率が高く、励起エネルギーが同一であればNdを使用した場合の半分以下に熱負荷を抑えることができる。また、誘導放出断面積がNdに比較して1桁小さいため、自然放出光によるエネルギーロスが少なく、単位体積あたりのエネルギー蓄積を上げることができる。しかしながら、Ybは準3準位レーザであるため、レーザ下準位に元素がたまりレーザ閾値が高くなるため、発振・増幅効率は低いという問題がある。
このため、従来は、安定して繰り返し動作を可能とした大出力・高効率のレーザ装置を提供することは困難であった。そこで本発明は、安定して繰り返し動作を可能とした大出力・高効率のレーザ装置の提供を可能とする固体レーザ増幅器を用いたレーザ増幅装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るレーザ増幅装置は、活性元素をドープしたレーザ媒質に被増幅光であるレーザ光とともに励起光を導入してレーザ光の増幅を行うレーザ増幅装置において、レーザ媒質は、直方体であって、そのドープ濃度が長手方向の中心部分で最大となるよう設定されており、レーザ媒質の前記長手方向の対向する端面それぞれに励起光を導入する第1及び第2の励起光導入光学系と、レーザ媒質の励起光導入端面またはこれと異なるいずれかの端面に被増幅光を入射させる入射光学系と、レーザ媒質の励起光導入端面、被増幅光入射端面のいずれとも異なる対向する1組の端面上に施され、レーザ媒質より低い屈折率を有するコーティングと、をさらに備えていることを特徴とする。励起光の進行方向に沿ってレーザ媒質のドープ濃度を調整することで、レーザ媒質内での励起光の進行方向の励起分布が平坦化する。
入射光学系は、レーザ媒質の励起光が導入される端面とは異なる端面のうち面積の狭い側の端面に被増幅光を入射させるものでも、レーザ媒質の励起光が導入されるいずれかの端面に被増幅光を入射させるものでもよい。この場合、コーティングは、上記2組の端面のうち面積の広い側の端面に施されているとよい。
被増幅光の入射端面に対向する端面から出射した被増幅光をレーザ媒質へと再入射させる再入射光学系と、入射端面から再出射したレーザ光を出力する出力光学系と、をさらに備えていると好ましい。この場合には、レーザ光は、レーザ媒質内を2回通過する(2パス)ことになる。さらに、入射端面側に第2の再入射光学系を設けることで、4パス方式とすることも可能である。
また、コーティングが施されている2側面にそれぞれ密着し、レーザ媒質を熱伝導により冷却する冷却手段をさらに備えているとよい。この冷却手段によりレーザ媒質内で発生した熱をレーザ媒質から除去する。
この冷却手段をレーザ媒質に押圧する押圧手段をさらに備え、冷却手段とレーザ媒質との熱伝導を促進するとよい。
レーザ媒質の励起光の進行方向におけるドープ領域の長さに対してドープ濃度の変化領域の同方向における長さが10分の1以上であることが、励起分布の平坦化のためには好ましい。
本発明によれば、励起光の進行方向で励起分布を平坦化しているため、レーザ媒質内のエネルギー蓄積を分散し、その熱負荷を分散して安定した動作を可能とし、大出力レーザに適した大型のレーザ媒質の使用が可能となる。濃度変化領域を励起光の進行方向の長さの10分の1以上とすることでこの平坦化を確実にする。
両端から励起光を導入する両端面励起とすることで、吸収効率を上げることができ、高出力が実現できる。そして、2パス、4パスとすることで、大出力でありながら、レーザ増幅器のコンパクト化が可能となる。
側面冷却を行うことで、冷却効率を高める。また、冷却手段が圧着されていることでレーザ媒質の熱歪みを抑制できる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係るレーザ増幅装置を用いたレーザ装置の概略構成図である。このレーザ増幅器は、端面励起・側面伝導冷却型のジグザグスラブ式固体レーザ増幅装置である。増幅装置の主部は、図の中央に配置されるレーザ媒質2であり、レーザ媒質2はヒートシンク3に挟まれて冷却装置1内に収容されている。冷却装置1のレーザ媒質2を望む両端の側面には、レーザ光を通過させる窓11a、11bが設けられている。レーザ媒質2は、Yb:YAGセラミックスラブを主材料としている(その具体的な構成については後述する)。窓11は、両面をARコーティングされている。
そして、レーザ媒質2の左右双方に、励起光源となる半導体レーザアレイ4a、4bが配置され、これら半導体レーザアレイ4a、4bと窓11a、11bの間には、略同一構成の集光光学系5a、5bが配置されている。半導体レーザアレイ4a、4bは、波長940nmの励起光を出力するものであり、集光光学系5a、5bは、いずれも2つのシリンドリカルレンズ(平凸レンズ)で構成される。これらのレンズの曲率は、励起光がレーザ媒質2へと入射して良好に伝播しうるように適宜決定される。各レンズの表面には、高透過率のAR(無反射)コーティングを施すことが好ましい。
また、図中右側の窓11b側には、種光(波長1030nm)を入射させる入射光学系の一部であるミラー6と、増幅した光を出力する出力光学系の一部であるミラー9が配置される。入射光学系と出力光学系はさらに複数のミラー、レンズやその他の各種の光学部品を用いて構成されていてもよい。一方、図中左側の窓11a側には、レーザ媒質2から出射した被増幅光を再度レーザ媒質2へと導くための再入射光学系を構成するミラー7、8が配置されている。この再入射光学系は、他の光学部品を用いて構成してもよく、図に示される光学系にさらに他の光学部品(例えば、レンズ)を追加して構成してもよい。
これらの4枚のミラー6〜9を利用することで、レーザ媒質2の長手方向(図中の左右方向)で被増幅光を2回通過させることにより、いわゆる2パス増幅を行う。ミラー6〜9には、HR(高反射)コーティングされた平板ミラーを利用することで、被増幅光(種光)に対して高い反射率を実現している。
次に、各構成要素について図2〜図5を参照して説明する。図2は、冷却装置1の外観斜視図であり、図3は、冷却装置1と内部に収容されたレーザ媒質2を示す分解斜視図である。また、図4は、冷却装置1のヒートシンク部3の構成を示す図であり、図5は、レーザ媒質2の構成を示す図である。
最初に、レーザ媒質2について説明する。レーザ媒質2には、本実施形態では、50mm×200mm×200mmのYb:YAGのセラミックスラブ20が主材料として用いられている。ここでは、増幅後の出力フルエンスが光学素子のダメージ閾値を超えないよう10J/cmに設定して、スラブ20の寸法を決定した。スラブ20として単結晶ではなく、セラミックを採用することで、大容積のスラブを安価に得ることができる。このスラブ20の長手方向の両端には、YbをドープしていないYAGスラブ21(50mm×200mm×20mm)が接合されており、YAGスラブ21のスラブ20と接合されていない側の両端面は光学研磨されている。そして、種光に対するARコーティング22が施されている。この接合は焼結時に行うとよい。
図6は、スラブ20、21の長手方向(励起光の進行方向)に沿ってドープされているYbの濃度分布をプロットしたグラフである。図に示されるように、ドープ濃度は中央部の長さtの領域ではnと高く、両端部でnと低く、両端から中央に至るそれぞれ長さgの領域では、ドープ濃度が端から中央にいくに連れて高くなる分布をとっている。ここで、この濃度変化領域の濃度分布は図中の太線(b)で示されるように、直線的に変化する形式に限られるものではなく、太線(a)に示されるように両端側の濃度増加量が中央側の濃度増加量より大きい形式のほか、太線(c)に示されるように両端側の濃度増加量が中央側の濃度増加量より小さい形式であってもよい。ここでは、平均濃度が0.15atm%で、n/nが0.5で、濃度分布が直線的に変化する(図6の太線(b)の濃度分布を有する)形式を採用した。
スラブ20の濃度変化領域の濃度分布は、図6に示される形式に限られるものではなく、さらに、図7に示されるように、階段状に変化する形式であってもよい。このように階段状に変化するタイプは、ドープ濃度の異なる複数のセラミックスラブを作成し、それぞれを分割して、組み合わせて接合することで、任意の濃度分布を有するセラミックスラブを容易に製造することができるという利点がある。
スラブ20の左右の側面には、それぞれ、エバネッセント波コーティング23が施されている。このエバネッセント波コーティング23は、厚さがレーザ波長の3倍以上(例えば、約3μm)であり、テフロン(登録商標)、SiO、MgF、Al等で構成されて、その屈折率がYAG自体の屈折率より低くなるよう形成されている。さらに、その上(スラブ20の両側面上)には、熱伝導率が高く、弾性率の高い低温用シリコン樹脂25(厚さ100μm)が貼り付けられている。このシリコン樹脂25は、スラブ20に対応する領域のみに配置される。シリコン樹脂25に代えて、インジウムや金等の比較的弾性のある金属箔を用いてもよい。一方、スラブ20の上下面には、自然放出光を吸収するための光吸収体(クラッディング材)24がそれぞれ取り付けられている。
冷却装置1は図2に示されるように、ステンレス製の容器10の対向する両側面に前述したレーザ光を通過させる窓11が配置されている。容器10には、真空ポンプ13が接続されており、その内部は真空状態で維持される。また、容器10には、内部に収容されたレーザ媒質2を冷却する冷却装置1を制御するコントローラ12が接続されている。
冷却装置1内では、レーザー媒質2は、そのシリコン樹脂25により、左右にある銅製のヒートシンク3へと接着されている。各ヒートシンク3は、レーザー媒質2に接着される側面がスラブ20と同じ高さ、奥行(200mm×200mm)を有し、その厚さは高さの1/3〜1/4程度とするとよい(ここでは、6cmとした)。
ヒートシンク3は、内部に循環路35を有し、循環路35は、循環パイプ31を介して冷却液循環・再冷却器17に接続されている。この循環路35には、フロリナートや液体窒素等の冷却液が封入されている。ヒートシンク3の表面には、温度測定用の熱電対34が配置されるほか、昇温用のヒータ33も取り付けられている。熱電対34の出力信号はコントローラ12へと入力され、コントローラ12が冷却液循環・再冷却器17、ヒータ33の作動を制御することにより、ヒートシンク3の温度を調整することで、レーザ媒質2の温度調整を可能としている。ヒータ33は、レーザ媒質2を加熱するのではなく、冷却液循環・再冷却器17により、レーザ媒質2が所望の温度より低温となった場合に、所望の温度まで昇温させるのに用いられる。調整の温度範囲としては77K〜300Kが好ましいが、200K程度で作動させると自然放出光による損失が少なく好ましい。
レーザ媒質2と片側のヒートシンク3bとは、テフロン製の断熱板101、102と断熱支柱103により固定されている。一方、ヒートシンク3aは、下側に可動部32を有し、側壁104との間に電動式プレス15が断熱材14、16をはさんで配置される。押圧手段であるこの電動式プレス15の伸縮量を調整することで、ヒートシンク3aのレーザ媒質2への押圧力を調整できる。押圧力としては1000Pa程度に設定される。また、ヒートシンク3aの循環パイプ31には伸縮性チューブが使用される。これらはテフロン製の断熱床100上に配置されている。
次に、本実施形態の動作について具体的に説明する。半導体レーザアレイ4a、4bから出力されたパルス励起光(パルス幅1ms、波長940nm、合計平均パワー21kW)は、集光光学系5a、5bにより集光されて窓11を通過してレーザ媒質2へと入射する。吸収長である活性元素のドープされたスラブ20の長手方向の寸法が長く(200mm)、また、この励起光は、図の上下方向に発散する性質を有するため、集光光学系5a、5b(シリンドリカルレンズ)を用いて励起光をスラブ端部21に集光させている。端部のスラブ21を経て中央部のスラブ20へと入射した励起光は、スラブ内部で反射を繰り返しながらジグザグに伝播する。この間にスラブ20へと吸収され、最終的に励起光エネルギーの95%程度が吸収される。そして、前述したように、長手方向におけるドープ濃度分布を調整してるため、長手方向における励起分布は略均一になる(図8参照)。なお、図8の破線は規格化された励起強度の分布である。
一方、パルスエネルギー1J、波長1030nmの種光(被増幅光)は、図1の上方から入射光学系によって導かれ、そのミラー6により窓11bを透過して、レーザ媒質2へと入射する。入射した種光は、ジグザグ反射を繰り返しながら、スラブ21、スラブ20、反対側のスラブ21へと伝播され、この間に増幅される(1パス目)。増幅されたレーザ光は、窓11aを透過して、再入射光学系のミラー7、8により反射されて再び窓11aを透過し、レーザ媒質2へと再入射する。再入射後は、1パス目と面対称な光路を伝播して増幅される(2パス目)。増幅後、窓11bを透過したレーザ光は、ミラー9および出力光学系を通じて外部へと出力される。スラブ20内のエネルギー抽出が不十分な場合には、ミラー9の向きを代えてレーザ光を反射することで4パス増幅を行うとよい。ミラー間にはスペーシャル・フィルターを挿入してビーム品質のさらなる改善を図ってもよい。
本実施形態では、スラブ20をドープなしのスラブ21で挟み込む構成としている。このようにドープなしの両側の励起光入射端面にドープなしのスラブ21を配置することで、スラブ20両端の急激な温度勾配を緩和し、これらの部分に加わる熱応力を軽減する。これは、スラブ20の熱破壊を防ぐと同時に、熱効果による屈折率の不均一分布を軽減し、レーザ光のビーム品質向上にも寄与する。また、スラブ20とスラブ21とは基本的に同じ材質であるため、フレネル反射による出力損失もない。これにより、スラブ20からスラブ21へと向かって進む自然放出光をほぼ100%スラブ21へと伝播させ、スラブ21側面のコーティングによりスラブ21の外へと放出することができる。つまり、ASE(Amplified Spontaneous Emission)による利得の減少や寄生発振の抑制に寄与する。
一方、スラブ20上下面のエバネッセント波コーティング23は、コーティング部の屈折率を変化させることで、レーザ光がスラブ20内部で全反射してジグザグに伝播する際の角度(臨界角)を調整する。本実施形態では、厚さ20mm、伝播長240mmのスラブ20、21内部を片面6回反射させるため、反射角は60度に設定される。Yb:YAGの屈折率は1.82であるから、コーティング部の屈折率を1.57とすると、臨界角は59.6度となり、60度未満の光はその大部分が内部反射せずコーティング側に透過する。これによって寄生発振を極力抑制する。
エバネッセント波コーティング23の外側に貼付されたシリコン樹脂25は、低温でも弾性を保ち、スラブ20に加わる熱歪みを緩和する。また、ヒートシンク3との密着度を維持することで、スラブ20(レーザ媒質2)が破損することのない高効率冷却を実現することができる。これにより、スラブ20の温度を低温に維持して誘導放出断面積を増大せしめ、高利得・高効率増幅が可能となる。
また、スラブ20の上下端は真空断熱されているため、スラブ20からの熱移動はヒートシンク3a、3b方向に限られ、上下方向の温度分布が均一化する。このため、熱レンズや熱複屈折の影響の少ない高品質なレーザ光が得られる。
冷却装置1内部は真空状態に維持されているため、低温冷却による結露が起こらない。また、電動式プレス15により、ヒートシンク3aをレーザ媒質2へと押圧することで、ヒートシンク3a、3bをレーザ媒質2に密着させるとともに、両者でレーザ媒質2を挟み込むことにより、冷却性を向上させるとともに熱歪みの発生を機械的にも抑制する。
本実施形態によれば、1kJの大出力パルスを小型のレーザ媒質から発生させることができ、さらに、10kWを超える高平均出力動作(実施例では16Hz動作が可能。)であり、従来の単発大出力ガラスレーザに対して格段の効果が得られる。また、自然放出光の影響の少ない高品質なレーザ光が得られる。
図7において、濃度変化領域の幅gは全長Lの1/10以上とすることが好ましい。gがL/2に近づくほど励起分布も略均一とすることができる。一方、1/10を下回ると、高濃度域と低濃度域とで励起分布の変化は断続的なものに近くなる。
以上の説明では、両端面励起の場合を例に説明したが、図9に示されるように片面励起の場合にも本発明は好適に適用できる。この片面励起の場合には、両端面励起の片端面から中心部までと同様の濃度分布を設定すればよい。
また、レーザ媒質はスラブ、ロッドに限られるものではなく、ディスク(アクティブミラー)のような媒質であってもよい。これらの場合には、ドープ濃度は励起光の入射端面側で低く、その進行方向に沿って濃度分布を高くしていけばよい。また、ドープされる元素はYbに限られるものではなく、Nd、Ho、Cr、Er、Tm等も考えられる。また、ホスト媒質としては、ルビー、YLF、サファイア、ガラス、S−FAP、YVO4等も考えられる。
また、上述の実施形態では、被増幅光の入出射端面と励起光の入出射端面とが同面であったが、図10に示されるように励起光を被増幅光に直交する方向から入射させてもよい。この場合も励起光の進行方向に沿ってドープ濃度を変えればよい。
本発明に係るレーザ増幅装置を用いたレーザ装置の概略構成図である。 図1の冷却装置1の外観斜視図である。 図1の冷却装置1と内部に収容されたレーザ媒質2を示す分解斜視図である。 図1の冷却装置1のヒートシンク部3の構成を示す図である。 レーザ媒質2の構成を示す図である。 スラブ20、21の長手方向(励起光の進行方向)に沿ってドープされているYbの濃度分布をプロットしたグラフである。 濃度分布の別の例を示した図である。 本実施形態の励起分布を示す図である。 片面励起の場合の濃度分布を示す図である。 励起光を側面から入射させる形態を示す図である。
符号の説明
1…冷却装置、2…レーザ媒質、3a、3b…ヒートシンク、4a、4b…半導体レーザアレイ、5a、5b…集光光学系、6〜9…ミラー、10…容器、11a、11b…窓、12…コントローラ、13…真空ポンプ、14…断熱材、15…電動式プレス、17…冷却液循環・再冷却器、20…スラブ(ドープあり)、21…スラブ(ドープなし)、22…コーティング、23…エバネッセント波コーティング、25…シリコン樹脂、31…循環パイプ、32…可動部、33…ヒータ、34…熱電対、35…循環路、100…断熱床、101…断熱板、103…断熱支柱、104…側壁。

Claims (8)

  1. 活性元素をドープしたレーザ媒質に被増幅光であるレーザ光とともに励起光を導入してレーザ光の増幅を行うレーザ増幅装置において、
    前記レーザ媒質は、直方体であって、そのドープ濃度が長手方向の中心部分で最大となるよう設定されており、
    前記レーザ媒質の前記長手方向の対向する端面それぞれに励起光を導入する第1及び第2の励起光導入光学系と、
    前記レーザ媒質の励起光導入端面またはこれと異なるいずれかの端面に被増幅光を入射させる入射光学系と、
    前記レーザ媒質の励起光導入端面、被増幅光入射端面のいずれとも異なる対向する1組の端面上に施され、前記レーザ媒質より低い屈折率を有するコーティングと、をさらに備えていることを特徴とするレーザ増幅装置。
  2. 前記入射光学系は、前記レーザ媒質の励起光が導入される端面とは異なる端面のうち面積の狭い側の端面に被増幅光を入射させることを特徴とする請求項1記載のレーザ増幅装置。
  3. 前記入射光学系は、前記レーザ媒質の励起光が導入されるいずれかの端面に被増幅光を入射させることを特徴とする請求項1記載のレーザ増幅装置。
  4. 前記コーティングは、前記2組の端面のうち面積の広い側の端面に施されている請求項3記載のレーザ増幅装置。
  5. 被増幅光の入射端面に対向する端面から出射した被増幅光をレーザ媒質へと再入射させる再入射光学系と、
    入射端面から再出射したレーザ光を出力する出力光学系と、をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレーザ増幅装置。
  6. 前記コーティングが施されている2側面にそれぞれ密着し、前記レーザ媒質を熱伝導により冷却する冷却手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレーザ増幅装置。
  7. 前記冷却手段を前記レーザ媒質に押圧する押圧手段をさらに備えていることを特徴とする請求項記載のレーザ増幅装置。
  8. 前記レーザ媒質の励起光の進行方向におけるドープ領域の長さに対してドープ濃度の変化領域の同方向における長さが10分の1以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のレーザ増幅装置。
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