JP4626948B2 - 偏心揺動型遊星歯車装置 - Google Patents

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この発明は、内歯歯車に噛み合う外歯歯車をクランク軸によって偏心揺動させるようにした偏心揺動型遊星歯車装置に関する。
従来の偏心揺動型遊星歯車装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
特開平7−299791号公報
このものは、内周に多数の円柱状ピンで構成された内歯が一定ピッチで設けられた内歯歯車と、複数のクランク軸孔および貫通孔が形成され、外周にトロコイド歯形からなり前記内歯に噛み合うとともに、該内歯より1個だけ歯数が少ない外歯を有する外歯歯車と、各クランク軸孔に挿入され、回転することで外歯歯車を偏心揺動させるクランク軸と、前記クランク軸を回転可能に支持するとともに、各貫通孔に遊嵌された複数の柱部を有する支持体とを備えたものである。
そして、このものにおいては、図9に示すように、互いに接触している外歯歯車01の外歯02から内歯歯車03の内歯(ピン)04に対して、その接触点における歯面に垂直な方向の駆動分力がそれぞれ付与されるとともに、その反作用として内歯(ピン)04から外歯02に対して前記駆動分力の反力Kが付与される。
しかしながら、前述した遊星歯車装置にあっては、外歯歯車01のうち、貫通孔05の半径方向外側に位置するブリッジ部06は、肉厚(貫通孔05の半径方向外端から外歯02の歯底07までの半径方向距離が最小肉厚となる)Jが他の部位における肉厚よりかなり小さく曲げ剛性が低いため、前述のような反力Kがこのブリッジ部06に対してほぼ半径方向に作用すると、ブリッジ部06および該ブリッジ部06近傍の外歯02が弾性変形をして外歯02と内歯(ピン)04とが片当たりし、外歯02の歯面寿命が短くなってしまうという課題があった。
しかも、前述のようにブリッジ部06の曲げ剛性が低いと、前記遊星歯車装置をロボット、工作機械等に適用したときで、トルク負荷が存在している場合には、固有振動数が低くなって振動特性が悪化し、制御性が低下するという課題もあった。
この発明は、外歯歯車のブリッジ部、外歯の弾性変形を抑制することで外歯の歯面寿命を延ばすとともに、振動特性を向上させることができる偏心揺動型遊星歯車装置を提供することを目的とする。
このような目的は、内周に多数の円柱状ピンで構成された内歯が一定ピッチPで設けられた内歯歯車と、少なくとも1個のクランク軸孔および複数の貫通孔が形成され、外周にトロコイド歯形からなり前記内歯に噛み合うとともに、該内歯より1個だけ歯数が少ない外歯を有する外歯歯車と、各クランク軸孔に挿入され、回転することで外歯歯車を偏心揺動させるクランク軸と、前記クランク軸を回転可能に支持するとともに、各貫通孔に挿入された複数の柱部を有する支持体とを備え、内歯を構成するピンの直径Dを内歯の一定ピッチPで除した比率を、外歯の歯先が内歯歯車の内周を半径方向外側に越えるまで小さくするとともに、少なくとも内歯歯車の内周を超えた部位の外歯を切除し、外歯と内歯歯車の内周との干渉を回避するようにした偏心揺動型遊星歯車装置において、前記外歯を両歯面の変曲点H同士を結ぶ線Mで切除した後の外歯の回転方向前側エッジと回転方向後側エッジとの間の距離をFとするとともに、前記外歯を歯末部と歯元部との境界Nで切除した後の外歯の回転方向前側エッジと回転方向後側エッジとの間の距離をEとしたとき、前記外歯を線Mより半径方向外側で、かつ、境界Nより半径方向内側において切除することにより、前記内歯を構成するピンの直径Dを、内歯を構成するピンの中心間直線距離Yから距離Fを減じた値以上で、前記中心間直線距離Yから距離Eを減じた値以下とした偏心揺動型遊星歯車装置により達成することができる。
前記請求項1に係る発明においては、内歯を構成するピンの直径Dを内歯の一定ピッチPで除した比率を、外歯の歯先が内歯歯車の内周を半径方向外側に越えるまで小さくしたので、前記内歯(ピン)の直径Dが従来より小径となり、これにより、外歯歯車の外歯の歯底が半径方向外側に移動し、この結果、貫通孔の半径方向外側に位置するブリッジ部の肉厚(最小肉厚)が従来より厚くなって曲げ剛性が高くなる。これにより、駆動分力の反力がほぼ半径方向に作用したときのブリッジ部、外歯における弾性変形が抑制され、外歯の歯面寿命を延ばすことができるとともに、固有振動数が高くなって、振動特性、制御性を向上させることができる。
ここで、前述のように構成すると、外歯が内歯歯車の内周に干渉するが、請求項1に係る発明においては、少なくとも内歯歯車の内周を超えた部位の外歯を切除することで、このような外歯と内歯歯車の内周との干渉を回避するようにしている。ま、トルク伝達に最も大きな役割を果たしている変曲点を残すことで伝達トルクの低減を抑制することができるとともに、外歯と内歯との滑りが少ない部位を残すことで騒音、発熱を低減させることができる。
また、請求項に記載のように構成すれば、内歯と外歯との接触点でのヘルツ応力を低い値に維持することができ、外歯の歯面寿命をさらに延ばすことができる。
さらに、請求項に記載のように構成すれば、歯面に尖った部位が生じるのを防止しながら、出力トルクを増大させることができる。
以下、この発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11はロボット等に使用される偏心揺動型遊星歯車装置であり、この遊星歯車装置11は、例えば図示していないロボットのアーム、ハンド等に取り付けられた略円筒状の回転ケース12を有する。この回転ケース12の内周でその軸方向中央部には断面が半円形をした多数のピン溝13が形成され、これらのピン溝13は軸方向に延びるとともに、周方向に等距離離れて、ここでは一定ピッチPだけ離れて配置されている。14は多数(ピン溝13と同数)の円柱状をしたピンからなる内歯であり、これらの内歯(ピン)14はそのほぼ半分がピン溝13内に挿入されることで回転ケース12の内周に周方向に等距離(一定ピッチPだけ)離れて設けられている。
ここで、前述の一定ピッチPとは、全ての内歯14を構成するピンの中心を通過するピン円Vの円周長を内歯(ピン)14の本数で除した値であり、換言すれば、任意の隣接する2つの内歯(ピン)14の中心間を円弧線分で結んだときの円弧長である。前述した回転ケース12、内歯(ピン)14は全体として、内周15aに複数の円柱状ピンで構成された内歯14が設けられた内歯歯車15を構成する。この結果、内歯歯車15(固定ケース12)の内周15aは、前記ピン円V上、または、少なくとも内歯(ピン)14を保持することができる程度のピン円Vの近傍に位置している。
ここで、前記内歯(ピン)14は25〜 100本程度配置されるが、30〜80本の範囲内が好ましい。その理由は、内歯(ピン)14の本数を前述の範囲内とし、後述する外歯歯車18と内歯歯車15との噛み合いの前段に、後述する外歯車40、42からなる減速比が1/1〜1/7の平歯車減速機を設けて、前段と後段の減速比を組み合わせるようにすれば、高減速比を容易に得ることができるとともに、固有振動数の高い高減速比の遊星歯車装置を構成することができるからである。
前記内歯歯車15内にはリング状をした複数(ここでは2個)の外歯歯車18が軸方向に並べられて収納され、これら外歯歯車18の外周にはトロコイド歯形、詳しくはペリトロコイド歯形からなる多数の外歯19がそれぞれ形成されている。そして、前記外歯歯車18の外歯19の歯数Zは前記内歯(ピン)14の歯数より1だけ少ない(歯数差が1である)。このように内歯(ピン)14と外歯19との歯数差を1としたのは、これらの歯数差が2以上の値Gである場合に比較し、高減速比とすることができるとともに、加工コストを低減させることができるからである。
ここで、歯数差が2以上の値Gである外歯歯車とは、トロコイド外歯歯車の外形輪郭を、外歯19間ピッチを該Gの値で除した距離だけ周方向にずらすとともに、これら周方向にずれたG個の外形輪郭が重なり合った部分を歯形として取り出した外歯歯車のことである(特開平3−181641号公報参照)。そして、これら外歯歯車18と内歯歯車15とは内接した状態で外歯19と内歯(ピン)14とが噛み合っているが、2つの外歯歯車18の最大噛み合い部(噛み合いの最も深い部位)は 180度だけ位相がずれている。
各外歯歯車18には少なくとも1個、ここでは3個の軸方向に貫通したクランク軸孔21が形成され、これらの複数のクランク軸孔21は外歯歯車18の中心軸から半径方向に等距離離れるとともに、周方向に等距離離れている。22は各外歯歯車18に形成された複数(クランク軸孔21と同数である3個)の貫通孔であり、これらの貫通孔22はクランク軸孔21と周方向に交互に配置されるとともに、周方向に等距離離れて配置されている。そして、前記貫通孔22は半径方向外側に向かって周方向幅が広くなった略ベース形を呈している。
25は回転ケース12内に遊嵌され図示していない固定ロボット部材に取り付けられた支持体(キャリア)であり、この支持体25は外歯歯車18の軸方向両外側に配置された一対の略リング状を呈する端板部26、27と、一端が端板部26に一体的に連結され、他端が複数のボルト28により端板部27に着脱可能に連結された複数(貫通孔22と同数である3本)の柱部29とから構成されている。そして、前記端板部26、27同士を連結する柱部29は軸方向に延びるとともに、外歯歯車18の貫通孔22内に若干の間隙を保持しながら挿入(遊嵌)されている。
このように貫通孔22内には柱部29が遊嵌されているので、該貫通孔22の半径方向外側に位置している部位の外歯歯車18は、内側から支持されていないブリッジ部30を構成するが、このブリッジ部30はその肉厚(貫通孔22の半径方向外端から外歯歯車15の外歯19の歯底19bまでの半径方向距離が最小肉厚となる)Jが他の部位における肉厚よりかなり小さく曲げ剛性は低い。
31は前記支持体25、詳しくは端板部26、27の外周と回転ケース12の軸方向両端部内周との間に介装された一対の軸受であり、これらの軸受31により内歯歯車15は支持体25に回転可能に支持される。35は周方向に等角度離れて配置された少なくとも1本(クランク軸孔21と同数である3本)のクランク軸であり、これら複数のクランク軸35は、その軸方向一端部に外嵌された円錐ころ軸受36およびその軸方向他端部に外嵌された円錐ころ軸受37によって支持体25、詳しくは端板部26、27に回転可能に支持されている。
前記クランク軸35はその軸方向中央部にクランク軸35の中心軸から等距離だけ偏心した2個の偏心カム38を有し、これら偏心カム38は互いに 180度だけ位相がずれている。ここで、前記クランク軸35の偏心カム38は外歯歯車18のクランク軸孔21内にそれぞれ遊嵌されるとともに、これらの間には針状ころ軸受39が介装され、この結果、前記外歯歯車18とクランク軸35との相対回転が許容される。また、各クランク軸35の軸方向一端には外歯車40が固定され、これらの外歯車40には図示していない駆動モータの出力軸41の一端部に設けられた外歯車42が噛み合っている。
そして、駆動モータが作動して外歯車40が回転すると、クランク軸35が自身の中心軸回りに回転し、この結果、クランク軸35の偏心カム38が外歯歯車18のクランク軸孔21内において偏心回転し、外歯歯車18が矢印方向に偏心揺動回転をする。このとき、互いに噛み合っている内歯(ピン)14と外歯19との接触点には、図2、3、4に示すように、外歯19から対応する内歯(ピン)14に対して作用線S方向の駆動分力がそれぞれ付与されるとともに、その反作用として内歯(ピン)14から外歯19に作用線S方向の駆動分力の反力Kがそれぞれ付与される。
ここで、前述した各反力Kの作用線Sは前記接触点における歯面に垂直な線上に位置するが、これら複数の作用線Sは、前述のように内歯(ピン)14が円柱状を呈し、外歯19がトロコイド歯形から構成されているので、外歯歯車18上の一点、即ち集合点Cで集合(交差)する。そして、前記駆動分力の接線方向成分の合計が内歯歯車15に回転駆動力として付与される。
また、前記駆動分力の反力Kのうちの一部が前述した曲げ剛性の低いブリッジ部30に対して作用するが、このような反力Kによりブリッジ部30および該ブリッジ部30近傍の外歯19は弾性変形をして外歯19と内歯(ピン)14とが片当たりし、外歯19の歯面寿命が短くなってしまったり、固有振動数が低くなって振動特性、制御性が低下してしまうことがある。
このため、この実施例においては、内歯14を構成するピンの直径Dを内歯14の一定ピッチPで除した比率Bを、外歯19の仮想線で示す歯先19aが内歯歯車15の内周15aを半径方向外側に越えるまで小さく、例えば、内歯(ピン)14の歯数が40のとき、従来では0.55程度であったのを0.32程度まで小さくし、これにより、前記内歯(ピン)14の直径Dを従来より小径として、外歯歯車18の外歯19の歯底19bを半径方向外側に移動させたのである。
そして、前述のように外歯19の歯底19bが半径方向外側に移動すると、貫通孔22の半径方向外端から外歯19の歯底19bまでの半径方向距離、即ち、前記ブリッジ部30の肉厚Jが従来より厚くなって曲げ剛性が高くなり、この結果、前記反力Kが作用したときのブリッジ部30、外歯19における弾性変形が抑制され、該外歯19の歯面寿命を延ばすことができるとともに、トルク負荷が存在している場合にも、固有振動数が高くなって振動特性、制御性を向上させることができる。
ここで、前述のように内歯(ピン)14の直径Dが小径となると、隣接する内歯(ピン)14に両歯面(回転方向前側歯面および後側歯面)がそれぞれ接触する外歯19の歯厚、歯丈が大となるが、前述のように比率Bを歯先19aが内周15aを半径方向外側に越えるまで小さくすると、歯丈の大きくなった外歯19が内周15aに干渉する。このため、少なくとも内歯歯車15の内周15aを超えた部位の外歯19を切除することで、外歯19と内歯歯車15の内周15aとの干渉を回避するようにしている。
この実施例では、内歯歯車15と外歯歯車18との最大噛み合い部において、切除後の外歯19の先端と、内歯歯車15の内周15aとの間に僅かな間隙が生じる程度だけ切除することで、外歯19と内歯歯車15の内周15aとの干渉を回避するようにしている。そして、このように切除した後の外歯19の回転方向前側エッジ44aと回転方向後側エッジ44bとの間の距離をAとしたとき、前記内歯14を構成するピンの直径Dを距離Aより小とすることが好ましい。
ここで、前記外歯歯車18の外歯19における切除位置を、外歯19の両歯面(回転方向前側歯面および後側歯面)における変曲点H同士を結ぶ線Mより半径方向外側とし、これにより、前記内歯14を構成するピンの直径Dを、内歯14を構成している隣接する2本のピンの中心間直線距離Yから、線Mで切除した後の外歯19の回転方向前側エッジ45aと回転方向後側エッジ45bとの間の距離Fを減じた値以上とすることが好ましい。その理由は、前述のようにすれば、トルク伝達に最も大きな役割を果たしている(内歯14との接圧が最大値である)変曲点Hを切除せずに残すことができ、伝達トルクの低減を抑制することができるからである。ここで、前記線Mは外歯歯車18の中心軸を曲率中心とし、両変曲点Hを通過する円弧の線のことである。
また、前記外歯歯車18の外歯19における切除位置を、外歯19の歯末部と歯元部との境界N(歯丈の 1/2の高さ位置)より半径方向内側とし、これにより、前記内歯14を構成するピンの直径Dを、前記中心間直線距離Yから、前記境界Nで切除した後の外歯19の回転方向前側エッジ46aと回転方向後側エッジ46bとの間の距離Eを減じた値以下とすることが好ましい。その理由は、前記境界Nより半径方向外側の外歯19と内歯(ピン)14とは噛み合い時に大きな滑りが発生するが、前述のようにすると、外歯19と内歯(ピン)14との滑りが少ない部位を残すことができ、これにより、騒音、発熱を低減させることができるからである。
このようなことから、前記外歯19を両歯面の変曲点H同士を結ぶ線Mで切除した後の外歯19の回転方向前側エッジ45aと回転方向後側エッジ45bとの間の距離をFとするとともに、前記外歯19を歯末部と歯元部との境界Nで切除した後の外歯19の回転方向前側エッジ46aと回転方向後側エッジ46bとの間の距離をEとしたとき、前記外歯19を線Mより半径方向外側で、かつ、境界Nより半径方向内側において切除することにより、前記内歯14を構成するピンの直径Dを、前記中心間直線距離Yから距離Fを減じた値以上で、前記中心間直線距離Yから距離Eを減じた値以下とすることが好ましい。
さらに、前述した内歯14を構成するピンの直径Dは、ピン円Vの半径をR、外歯歯車18の外歯19の歯数をZとしたとき、2R/Z± 1.5mmの範囲内とすることが好ましい。その理由は、直径Dが前述の範囲内であると、図5に示すグラフから明らかなように、内歯(ピン)14と外歯19との接触点でのヘルツ応力が、急激に増大を開始する点より内側の低い値に維持され、外歯19の歯面寿命を延ばすことができるからである。
なお、この図5に示すグラフは、以下の諸元においてシミュレーションを行い求めたものである。即ち、各遊星歯車装置の内歯(ピン)の歯数(本数)を40、ピン円Vの半径Rを 120mm、外歯の歯数を39、内歯歯車15に対する外歯歯車18の偏心量Qを 2.7mmの一定値とする一方、内歯(ピン)14の直径Dを変化させながら、外歯19と内歯(ピン)14との接触点におけるヘルツ応力を求めた。ここで、図5には直径Dが2R/Zに等しいときのヘルツ応力値を指数1として表示している。
そして、前述のように直径Dの小径化に伴って外歯19の歯底19bを半径方向外側に移動させる方式として、内歯歯車15に対する外歯歯車18の偏心量Qを変化させず一定としながら、外歯歯車18の全歯底19bを通過する歯底円を大径とする方式、前記歯底円を変化させず一定としながら、偏心量Qを増大させる方式、および、歯底円および偏心量Qの双方を大とする方式があるが、この実施例では、歯底円を一定としながら偏心量Qを増大させている。
このように偏心量Qを大とすると、内歯歯車15の中心Oから集合点Cまでの距離L(偏心量Qに内歯14の歯数を乗じることで求められる)を従来より大と、即ち、集合点Cの位置を半径方向外側に移動させることができるが、このとき、前記距離Lとピン円Vの半径Rとの比、即ちL/Rの値を0.86〜1.00の範囲内とすることが好ましい。
その理由は、L/Rの値を0.86以上とすると、作用線Sが外歯歯車18に対して接線方向に傾斜し、この結果、前記反力Kを受けるブリッジ部30の肉厚が厚くなって該ブリッジ部30における弾性変形を効果的に抑制することができるとともに、図6から明らかなように、荷重比率がほぼ一定となって、同一トルクを得るために、外歯19にかかるトルク伝達に関する荷重をほぼ一定で最小とすることができるからである。但し、前記比L/Rの値が1.00を超えると、外歯19の創成時に歯面に尖った部位が生じてしまうことがあるため、L/Rの値は1.00以下であることが好ましい。
ここで、前述のグラフは以下の諸元においてシミュレーションを行い求めたものである。即ち、各遊星歯車装置の内歯(ピン)の歯数(本数)を40、内歯(ピン)の直径Dを10mm、ピン円Vの半径Rを 120mm、外歯の歯数を39の一定値とする一方、L/Rの値を 0.5から 1.0の範囲で変化させ、集合点Cに作用する駆動分力を合成した合力の接線方向成分を求めた。ここで、図6にはL/Rの値が0.75のときの前記接線方向成分を、荷重比率が指数1であるとしてグラフ表示している。
そして、前述のように各外歯19を歯先19aから所定量だけ切除すると、内歯(ピン)14と外歯19とはその一部でのみ、前述したL/Rの値が 1.0のときであっても約 1/3、この実施例では約 3/4でのみ噛み合うようになるため、残りの約 1/4の内歯(ピン)14は外歯19に接触せずピン溝13から抜け出ようとする。このため、この実施例では、図1に示すように、軸受31と外歯歯車18との間に、内歯(ピン)14の両端部が挿入される挿入穴49が形成された規制手段としての2個のピン押さえリング50を介装するとともに、これら2個のピン押さえリング50を内歯歯車15に回転不要に固定し、前述した内歯(ピン)14の移動を規制するようにしている。
なお、前述の規制手段として、軸受31のアウターレースの内端面に形成され、前記内歯(ピン)14の両端部が挿入される挿入穴を用いたり、あるいは、軸受31のアウターレースの内端面に形成され、幅が内歯(ピン)14の直径と同一である円周溝を用いるようにしてもよい。
次に、この発明の実施例1の作用について説明する。
今、駆動モータが作動し、クランク軸35が回転する。このとき、クランク軸35の偏心カム38が外歯歯車18のクランク軸孔21内において偏心回転して外歯歯車18を偏心揺動回転させるが、前記外歯歯車18の外歯19の歯数が内歯(ピン)14の数より1個だけ少ないので、回転ケース12およびロボットのアーム等は外歯歯車18の偏心揺動回転により低速で回転する。
ここで、前述のように内歯(ピン)14の直径Dを一定ピッチPで除した比率Bを、外歯19の歯先19aが内歯歯車15の内周15aを半径方向外側に越えるまで小さくしたので、前記内歯(ピン)14の直径Dが従来より小径となり、これにより、外歯歯車18の外歯19の歯底19bが半径方向外側に移動し、この結果、ブリッジ部30の肉厚J(最小肉厚)が従来より厚くなって曲げ剛性が高くなる。
これにより、駆動分力の反力Kが作用したときのブリッジ部30、外歯19における弾性変形が抑制されて、外歯19の歯面寿命を延ばすことができるとともに、固有振動数が高くなって、振動特性、制御性を向上させることができる。ここで、前述のように構成すると、外歯19が内歯歯車15の内周15aに干渉するが、少なくとも内歯歯車15の内周15aを超えた部位の外歯19を切除することで、このような外歯19と内歯歯車15の内周15aとの干渉を回避するようにしている
なお、前述の実施例においては、外歯歯車18に複数(3個)のクランク軸孔21を形成するとともに、各クランク軸孔21に同一方向に等速回転するクランク軸35をそれぞれ挿入して外歯歯車18を偏心揺動回転させるようにしたが、この発明においては、外歯歯車18の中心軸上に形成された1個のクランク軸孔に1本のクランク軸の偏心カムを挿入し、このクランク軸の回転により外歯歯車を偏心揺動回転させるようにしてもよい。この場合には、支持体の柱部は貫通孔の内周に線接触する必要がある。
また、前述の実施例においては、支持体25を固定し、内歯歯車15を低速回転させるようにしたが、この発明においては、内歯歯車を固定し、支持体を低速回転させるようにしてもよい。さらに、内歯14を構成するピンの直径Dを小径とせず、そのままの径の遊星歯車装置11において、外歯19を、変曲点H同士を結ぶ線Mより半径方向外側のいずれかの位置で切除し、伝達トルクの低減を抑制しながら発熱、騒音を低減させるようにしてもよい。
この発明は、内歯歯車に噛み合う外歯歯車をクランク軸によって偏心揺動させるようにした偏心揺動型遊星歯車装置に適用できる。
この発明の実施例1を示す側面断面図である。 図1のI−I矢視断面図である。 外歯に付与される反力Kおよびその作用線Sを示す説明図である。 図3のU部の拡大図である。 内歯(ピン)の直径Dとヘルツ応力比との関係を示すグラフである。 L/Rの値と荷重比率との関係を示すグラフである 背景技術の一例を示す図2と同様の断面図である。
11…遊星歯車装置 14…内歯(ピン)
15…内歯歯車 15a…内周
18…外歯歯車 19…外歯
21…クランク軸孔 22…貫通孔
25…支持体 29…柱部
35…クランク軸 45a…回転方向前側エッジ
45b…回転方向後側エッジ 46a…回転方向前側エッジ
46b…回転方向後側エッジ

Claims (3)

  1. 内周に多数の円柱状ピンで構成された内歯が一定ピッチPで設けられた内歯歯車と、少なくとも1個のクランク軸孔および複数の貫通孔が形成され、外周にトロコイド歯形からなり前記内歯に噛み合うとともに、該内歯より1個だけ歯数が少ない外歯を有する外歯歯車と、各クランク軸孔に挿入され、回転することで外歯歯車を偏心揺動させるクランク軸と、前記クランク軸を回転可能に支持するとともに、各貫通孔に挿入された複数の柱部を有する支持体とを備え、内歯を構成するピンの直径Dを内歯の一定ピッチPで除した比率を、外歯の歯先が内歯歯車の内周を半径方向外側に越えるまで小さくするとともに、少なくとも内歯歯車の内周を超えた部位の外歯を切除し、外歯と内歯歯車の内周との干渉を回避するようにした偏心揺動型遊星歯車装置において、前記外歯を両歯面の変曲点H同士を結ぶ線Mで切除した後の外歯の回転方向前側エッジと回転方向後側エッジとの間の距離をFとするとともに、前記外歯を歯末部と歯元部との境界Nで切除した後の外歯の回転方向前側エッジと回転方向後側エッジとの間の距離をEとしたとき、前記外歯を線Mより半径方向外側で、かつ、境界Nより半径方向内側において切除することにより、前記内歯を構成するピンの直径Dを、内歯を構成するピンの中心間直線距離Yから距離Fを減じた値以上で、前記中心間直線距離Yから距離Eを減じた値以下としたことを特徴とする偏心揺動型遊星歯車装置。
  2. 前記内歯を構成する全てのピンの中心を通過するピン円Vの半径をRとし、外歯歯車の外歯の歯数をZとしたとき、前記内歯を構成するピンの直径Dを2R/Z± 1.5mmの範囲内とした請求項1記載の偏心揺動型遊星歯車装置。
  3. 前記内歯を構成する全てのピンの中心を通過するピン円Vの半径をRとし、前記内歯歯車の中心Oから、外歯から対応する内歯に対して付与される駆動分力の反力Kの作用線Sが重なり合う集合点Cまでの半径方向距離をLとしたとき、前記半径方向距離Lを前記半径Rの0.86〜1.00倍の範囲内とした請求項1記載の偏心揺動型遊星歯車装置。
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