JP4625038B2 - メモリセル、メモリセルを備えたメモリ、およびメモリセル内にデータを書き込む方法 - Google Patents

メモリセル、メモリセルを備えたメモリ、およびメモリセル内にデータを書き込む方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明の実施形態は、メモリセル、メモリセルを備えたメモリ、およびメモリセル内にデータを書き込む方法に関する。
固体電解質材料を含有したメモリセルは、プログラマブルメタライゼーションメモリセル(PMCメモリセル)として知られている。このようなPMCメモリセルを備えたメモリデバイスは、導電性ブリッジングランダムアクセスメモリデバイス(CBRAM)として知られている。PMCメモリセル内に異なる状態を記憶させることは、電極間にある電解質材料内の伝導経路が、印加された電界に基づいて伸長(development)するのか、あるいは縮小(diminishing)するのかに基づいている。電解質材料は、一般的には高い抵抗値を有しているが、電極間の伝導経路は低い抵抗値に調整される。従ってPMCメモリセルは、その抵抗値に応じて異なる状態に設定される。一般的には、PMCメモリセルの両状態は、データが恒久的に記憶されるように、時間的に十分に安定している。
PMCメモリセルは、一般的には、固体電解質層に正電圧または陰電圧を印加することによって動作する。PMCメモリセル内にデータを記憶させるためには、PMCメモリセルに適切なプログラミング電圧を印加することによって、抵抗値の低い第1の状態の設定に対応した固体電解質材料内に伝導経路を形成し、これによってPMCメモリセルをプログラム状態にする。PMCセル内に、抵抗値の高い第2の状態を記憶させるためには、PMCメモリセルの抵抗値が、第2の状態(消去済み状態)に対応した高い抵抗値に戻るように消去電圧を供給する。PMCメモリセルからデータを読み出すためには、プログラミング電圧より低い読み出し電圧を印加する。この読み出し電圧によって、PMCメモリセルの抵抗に流れる電流が検出されて、PMCメモリセルの低抵抗状態または高抵抗状態にそれぞれ関連付けされる。
PMCメモリセルのプログラミングは、電流および電流幅(duration of the current)に依存している。PMCメモリセルの抵抗値は、電流値および電流幅に依存している。従って、PMCメモリセルのプログラム状態、およびPMCメモリセルの機能の長期的安定性は、書き込み動作に依存している。
従って、改良されたメモリセル、改良されたメモリ、およびメモリセル内にデータを書き込むための改良された方法が必要とされている。
〔従来技術文献〕
1.KAERIYAMA. Sらによる、「A Nonvolatile Programmable Solid-Electrolyte Nanometer Switch」、IEEE JOURNAL OF SOLIDSTATE CIRCUITES, Vol.40, No.1, 2005年1月、168ページ
2.HYDE, Jらによる、「A floating-gate trimmed, 14-bit, 250 Ms/s digital-to-analog converter in standard 0.25um CMOS, Digest of Technical Papers, Symposium on VLSI Circuits, 2002, 328ページ
本発明の実施形態は、改良されたメモリセル、改良されたメモリ、およびメモリセル内にデータを書き込むための改良された方法に関する。
特に、本発明の実施形態は、プログラマブル固体電解質層を有する基板と、書き込み線と、上記固体電解質層と上記書き込み線との間に配置された制御可能なスイッチと、を備えたメモリセルを提供する。上記制御可能なスイッチは、選択線に接続された制御入力部を有している。上記スイッチは、書き込み動作中に上記固体電解質層に流れる電流を所定量の電荷に制限する制限素子を有している。
本発明の別の実施形態は、プログラマブル固体電解質層を有する基板と、書き込み線と、選択線と、ドレインとソースとフローティングゲートとを有するトランジスタと、を備えたメモリセルを参照する。上記トランジスタの上記ソースおよびドレインは、上記書き込み線および上記固体電解質層に接続されている。上記電解質層は、電圧源に接続されている。上記トランジスタの上記フローティングゲートは、上記固体電解質層の書き込み動作中に、上記固体電解質層に流れる電流を制限する。
本発明の別の実施形態は、ワード線デコーダと、ビット線デコーダと、当該ワード線デコーダおよびビット線デコーダにそれぞれ接続されたビット線およびワード線と、メモリセルとを備えており、当該メモリセルは、プログラマブル固体電解質層と、制御可能なスイッチとを有しており、当該スイッチの制御入力部はワード線に接続されており、上記スイッチの第1の端子は上記固体電解質層に接続されており、上記スイッチの第2の端子はビット線に接続されている、メモリを参照する。上記ビット線は、入力/出力ドライバに接続されている。上記スイッチは、書き込み動作中にメモリセルの上記固体電解質層に流れる電流を制限する制限素子を含んでいる。
本発明の別の実施形態は、ワード線デコーダと、ビット線デコーダと、当該ワード線デコーダあるいはビット線デコーダにそれぞれ接続されたビット線およびワード線とを備えたメモリを参照する。当該メモリは、メモリセルをさらに備えている。当該メモリセルは、プログラマブル固体電解質層と、フローティングゲートを有したトランジスタとを有している。上記トランジスタのゲートは、ワード線に接続されている。上記トランジスタの第1の端子は、上記固体電解質層に接続されている。上記トランジスタの第2の端子は、ビット線に接続されている。上記ビット線は、入力/出力ドライバに接続されている。上記フローティングゲートトランジスタは、書き込み動作中に、上記固体電解質層に流れる電流を制限する。
本発明の別の実施形態は、プログラマブル固体電解質層を有するメモリセル内に、データを書き込む方法を参照する。書き込み動作中に上記電解質層内に流れる電流は、所定量の電荷に制限される。これにより、破損または劣化による影響を回避することができる。
本発明は、詳細な説明および特許請求の範囲を、図面を考慮しながら参照することによってよりよく理解される。これらの図面では、同様の符号は同様の箇所を示している。
図1は、プログラマブル固体電解質層を示す図である。
図2は、データを書き込みおよび消去するための電流およびバイアス電圧、およびプログラマブル固体電解質層の概略図である。
図3は、メモリ素子を備えたメモリの部分図である。
図4は、メモリ素子、書き込み回路、および消去回路の詳細図である。
図5は、書き込み、消去、および読み出し動作中におけるビット線の閾値電圧の図である。
図6は、ワード線の閾値と、フローティングゲートのプログラミング前後におけるゲート電圧によるビット線上の電流とを示す図である。
図7は、データを書き込むための電圧および電流を示す図である。
図8は、データを読み出すための電圧および電流を示す図である。
図9は、フローティングゲートを備えた電界効果トランジスタを示す図である。
当業者であれば、上記図面中の素子は、簡素かつ分かりやすく図示されているものであって、必ずしも相対的な縮尺となるように示されているわけではないことについて理解するであろう。例えば、一部の素子および図面の寸法は、本発明の実施形態に関する理解を向上させるために、他の素子に対して誇張して示されている場合がある。
〔好ましい実施形態の説明〕
本発明の実施形態について、様々な機能部品の観点から説明していく。なお、このような機能部品は、その特定の機能を実行するように構成された任意数のハードウェアおよび構造部品によって実現可能であることについて理解されたい。
図1は、第1の電極2と、第2の電極4と、プログラマブル固体電解質層3とを有する、基板41上に配置されたプログラマブル構造1の実施形態を示している。基板41は、半導体材料(すなわちシリコン)から形成されていてよい。第1の電極2は、溶解可能な金属イオンを含んでいてよく、また一実施形態では、例えばプログラム動作中において、高電位に接続されてよい。第2の電極4は、この実施形態では、高電位より低い接地電位に接続されていてよい。この実施形態では、第1の電極2はアノードとして機能し、第2の電極4はカソードとして機能する。プログラマブル構造1は、情報を記憶するために用いることができるため、すなわちメモリ内において用いることができる。例えば、一実施形態では、プログラマブル構造は、例えばDRAM、SRAM、PROM、EEPROM、フラッシュメモリ、あるいはこれらメモリの任意の組み合わせにおいて用いることができる。さらに、一実施形態では、本明細書に記載のプログラマブル構造は、電気回路の一部の電気的特性をプログラムまたは変更する必要がある、その他のアプリケーションに用いることができる。
一実施形態では、電解質層3は、十分に高い電圧を有するアプリケーションにイオンを伝導させる材料によって形成されていてよい。適切な材料としては、ポリマー、ガラス、および半導体材料が挙げられる。本発明の典型的な一実施形態では、電解質層3は、カルコゲナイド材料(例えば硫化物またはセレナイド)によって形成されていてよい。このカルコゲナイドは、硫黄化合物、セレニウム化合物、及びテルリウム化合物(例えばGeSe、AsS、GeAsTe、AlGeAsTe、GeTeSb)を、とりわけ様々な組成で含有していてよい。電解質層3は、溶解および/または分散した導電性材料をさらに含有していてよい。例えば、電解質層3は、溶解金属および/または溶解金属イオンを含んだ固溶体を含有していてよい。上記カルコゲナイド材料は、銀、銅、あるいはこれらの材料の組み合わせを含有していてよい。
一実施形態では、第1の電極2および第2の電極4は、任意の適切な導電性材料によって形成されていてよい。例えば、第1の電極2および第2の電極4は、ドープされたポリシリコン材料または金属によって形成されていてよい。本発明の一実施形態では、電極の内の1つ(例えば第1の電極2)は、電極に十分なバイアス電圧が印加されたときに電解質層3内に溶解する金属を含有した材料によって形成されていてよい。第2の電極4は、プログラマブル構造1の読み出し、書き込み、あるいは消去動作中に溶解しない、比較的不活性な材料から形成されていてよい。
第1の電極2は、書き込み動作中は、プログラマブル構造1の電気的特性を高抵抗値(第1の状態)から低抵抗値(第2の状態)へ恒久的に変化させる、アノードであってよい。第1の電極2は、書き込み動作中に電解質層3内に溶解する銀を含有した材料から構成されていてよい。第2の電極4は、書き込み動作中はカソードであってよく、また不活性材料(例えばタングステン、ニッケル、モリブデン、プラチナ、金属シリサイドなど)から構成されていてよい。
一実施形態では、上記プログラマブル構造は、閾値電圧V1よりも大きいバイアス電圧が電極2および4に印加されたときに、上記プログラマブル構造の抵抗値が変わるように構成されていてよい。例えば、閾値電圧V1よりも大きい電圧が印加された場合は、第1の電極2の導電性イオンが電解質層3内に溶解し、第1の電極2と第2の電極4との間に伝導経路を形成する。
基本的な反応では、第1の電極に高電圧が印加された場合に、第2の電極4におけるレドックス反応によって、金属イオンが第1の電極2からイオン伝導体層3内に移動する。このため、電解質層3内に伝導経路が形成される。結果として、第1の電極2と第2の電極4との間に、プログラマブル構造1の抵抗値を低減させる導電性ブリッジ(conductive bridge)が形成される。プログラマブル構造1に逆電圧が印加された場合は、伝導経路5が溶解し、これによってプログラマブル構造1の抵抗値が高抵抗値状態に上昇する。
図2は、本発明の一実施形態に従った、プログラマブル構造1の書き込み動作、読み出し動作、および消去動作中における電圧および電流を示す図である。プログラマブル構造1は、当初はプログラムされていないため抵抗値が高い。電位の高い電圧が第1の電極2に印加され、電位の低い電圧が第2の電極4に印加された場合は、閾値電圧(V1)が印加されるまで、プログラマブル構造1に電流は流れない。印加された電圧が閾値電圧V1よりも高くなると、電流は、動作電流IWが達成されるまで流れ、そしてスイッチ(図示せず)によって封入される。一実施形態では、上記電圧が0ボルトまで下げられて電流が0アンペアまで下がり、これによってプログラマブル構造1の書き込み動作が完了する。
一実施形態では、プログラマブル構造1のプログラム状態を消去するためには、例えば負電圧などの低電圧(消去電圧とも称される)が、第1の電極2に印加される。この負電圧は、一実施形態では約−0.1Vであってよい。上記消去電圧がプログラマブル構造1に印加されると、プログラマブル構造1に負の電流が流れる。上記負電圧が−0.1V未満に低下すると、上記電流の流れが停止し、例えば0Aまで低下する。プログラマブル構造1に上記消去電圧が印加された後、プログラマブル構造1の抵抗値は、プログラミング動作前と同様に高くなり、これによってプログラマブル構造1内に記憶されていた値が消去される。
プログラマブル構造1のプログラム状態を感知または読み出す場合には、プログラマブル構造1に対して、閾値電圧V1より低い感知電圧が印加される。流れる電流が動作電流IWの範囲内にある場合は、低抵抗状態は、プログラマブル構造1に流れる電流あるいは電圧降下に依存して感知される。流れる電流がほぼ0Aである場合は、プログラマブル構造1は高抵抗状態にある。低抵抗状態は、データ「1」を参照し、高抵抗状態は、プログラマブル構造1内に記憶されるデータ「0」を参照する。
図3は、ワード線デコーダ7およびビット線デコーダ8を備えたメモリ6(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ)の概略図である。ワード線デコーダ7は、多数のワード線9に接続されている。ビット線デコーダ8は、センスアンプ10によって、ビット線11に接続されている。さらに、ビット線に接続可能な入力/出力ユニット12が配置されている。ワード線9およびビット線11は、交差したアレイ内に配置されており、これによって各交点にメモリセル13が配置されている。所定のメモリセル13をアドレスするためには、ワード線デコーダ7にローアドレスが供給される。さらに、ビット線デコーダ8にカラムアドレスが供給される。ワード線デコーダ7は、上記ローアドレスに依存して、ワード線9のいずれか1つを選択し、そしてそのワード線9に活性化電圧(activating voltage)を供給する。上記ワード線9上の活性電圧によって、制御入力部によってワード線9に接続されている全てのスイッチ14が閉じられる。閉じられたスイッチ14は、メモリセル13を各ビット線11に接続する。さらに、所定のメモリセル13のビット線11に接続されたセンスアンプ10は、所定のメモリセル13の抵抗状態に依存する、ビット線11の電圧を感知する。感知された電圧は、入力/出力ユニット12によって、高電圧レベルまたは低電圧レベルとして、メモリ6から出力される。
制御コマンドを受信し、そして制御線31を用いて、ワード線デコーダ7と、ビット線デコーダ8と、入力/出力ユニット12とを制御する、制御ユニット30が配置されている。
図4は、図3に示されているメモリの一部の詳細図である。ワード線9とビット線11との交点には、メモリセル13が配置されている。メモリセル13は、ワード線9に接続された制御入力部を有したスイッチ14を備えている。スイッチ14の一方の端子は、ビット線11に接続されている。スイッチ14の他方の端子は、固体電解質層3の第1の電極2に接続されている。固体電解質層3の第2の電極4は、プレート線15に接続されている。スイッチ14とプレート線15との間には、図1に示されているプログラマブル構造1が配置されている。
本発明の一実施形態では、スイッチ14は、フローティングゲートを有する電界効果トランジスタである。この電界効果トランジスタのゲートは、ワード線12に接続されている。電界効果トランジスタのソースは、ビット線11に接続されており、電界効果トランジスタのドレインは、プログラマブル構造1の第1の電極2に接続されている。
実施形態に応じて、プログラマブル構造1の第1の電極2は、ビット線11に直接接続されていてよく、またスイッチ14は、プレート線15と第2の電極4との間に配置されていてよい。
制御ユニット30によって制御されるプログラム回路16は、ビット線11に接続されている。プログラム回路16は、第1のスイッチ17、第2のスイッチ18、および第3のスイッチ19を備えている。第1のスイッチ17は、第1の制御入力部20を備えている。第2のスイッチ18は、第2の制御入力部21を備えている。第3のスイッチ19は、第3の制御入力部22を備えている。第1のスイッチ17は、ソースが第1の電圧源に接続され、ドレインがビット線11に接続された電界効果トランジスタとして形成されていてよい。第2のスイッチ18は、ソースが第2の電圧源24に接続され、ドレインがビット線11に接続された電界効果トランジスタとして形成されていてよい。第3のスイッチ19は、ソースが第3の電圧源25に接続され、ドレインがビット線11に接続された電界効果トランジスタとして形成されていてよい。スイッチ17の制御入力部20、スイッチ18の制御入力部21、およびスイッチ19の制御入力部22は、制御線31に接続されている。
図5は、読み出し動作、消去動作、および書き込み動作においてビット線11に供給される電圧の概略図である。書き込み動作中では、プログラム回路16は、第1の電圧源23とビット線11とを接続している第1のスイッチ17の第1の制御入力部20において、制御ユニット30によって、プログラム信号を受信する。第2および第3のスイッチは、開放位置(open position)にある。従って第1の電圧源23は、プログラマブル構造1の閾値電圧V1より高い電圧VBWをビット線11に供給する。従って固体電解質層3は、書き込み動作中において、低抵抗状態にプログラムされる。
読み出し動作を行うためには、第2のスイッチ18は、制御ユニット30から第2の制御入力部21へ送られる読み出し信号によって、閉鎖状態(closed state)に置かれる。第2のスイッチ18の閉鎖状態では、ビット線11は第2の電圧源24に接続されている。第1のスイッチ17および第3のスイッチ19は、読み出し動作中は開放位置にある。第2の電圧源24は、固体電解質層3の閾値電圧V1より低い読み出し電圧VBRを、ビット線11に供給する。従って上記位置では、プログラマブル構造1の抵抗状態は変わらないが、プログラマブル構造1に流れる電流に依存して、プログラマブル構造の高抵抗状態または低抵抗状態が、センスアンプ10によって感知される。入力/出力ユニット12は、プログラマブル構造1の感知された高抵抗状態または低抵抗状態に応じて、高電圧または低電圧を出力する。
消去動作中は、制御ユニット30によって第3の制御入力部22へ送られた消去信号によって、第3のスイッチ19のみが閉鎖位置に置かれる。第1のスイッチ17および第2のスイッチ18は、開放位置にある。閉鎖位置にある第3のスイッチ19は、ビット線11を第3の電圧源25に接続する。第3の電圧源25は、プログラマブル構造1の閾値電圧より低い負の消去電圧VBEを供給する。これによって、プログラマブル構造1に消去電圧が印加され、固体電解質層3の抵抗状態が高抵抗状態に変化する。
図6は、フローティングゲートを有する電界効果トランジスタが閉鎖状態に置かれる、第1の閾値電圧VW1を示している。所定のメモリ素子を選択する前に、ワード線上の電圧は、第1の閾値電圧W1より高い書き込み電圧VGWに置かれる。この書き込み電圧VGWは、プログラマブル構造1を、ビット線11とプレート線15とに接続する。書き込み動作中に、電界効果トランジスタのフローティングゲート内において、チャネルホットエレクトロン注入が開始する。このため、プログラマブル構造1に所定量の電荷が流れた後、電界効果トランジスタの閾値電圧は、書き込み電圧VGWより高い第2の閾値電圧VW2まで高くなる。この結果、電界効果トランジスタ14が開放状態に切り替えられて、メモリセル13を流れる電流が遮断される。
図6の右側には、第2の図が示されている。この図では、電界効果トランジスタのゲート上の電圧に依存して電界効果トランジスタに流れる電流IBLを示す、第1のラインAが示されている。電流IBLは、ホットエレクトロンがフローティングゲート内に注入される前に、ワード線上の閾値電圧VW1と共に流れ始める。第2のラインBは、フローティングゲート内へのホットエレクトロン注入後に変化した、ビット線電流IBL間の関係を示している。ビット線電流IBLに対する閾値電圧は、第2の閾値電圧VW2まで上昇する。
フローティングゲートを有する上記電界効果トランジスタは、プログラマブル構造1に流れる電流を、所定量の電荷に限定する。プログラマブル構造1に所定量の電荷が流れた場合、上記電界効果トランジスタの閾値電圧は、ワード線の書き込み電圧以上に上昇する。この結果、電界効果トランジスタが開放状態に切り替えられ、プログラマブル構造1に流れる電流が停止する。フローティングゲートを有する上記電界効果トランジスタによって、自己限定的な(self-limiting)書き込み動作が可能になる。用いたワード線の書き込み電圧レベル、およびフローティングゲートを有する上記電界効果トランジスタの技術的特徴に応じて、プログラマブル構造1に流れる電流が停止する場所における電荷の様々な量が決定される。プログラマブル構造1に所定量の電荷が流れた後、上記電界効果トランジスタは依然として開放状態にあるか、あるいは電界効果トランジスタへのチャネルホットエレクトロン注入に従って電流が停止するため、メモリセル13を破損することなく、書き込み動作を繰り返し行うことが可能である。
メモリセル13の状態を消去するためには、プログラマブル構造1全体の電圧を反転させることによって、上記電界効果トランジスタのソースおよびドレインの機能を変える必要がある。電界効果トランジスタのゲート上に電圧が存在していない場合、これは、電界効果トランジスタのゲートはプレート線15の電位にあり、従って電界効果トランジスタは閉鎖位置にあって、電流はメモリセル13を流れることができることを意味している。
別の実施形態では、上記スイッチは、書き込み動作のための電流を所定の電荷量に制限する、任意の別の限定素子(limiting element)であってよい。上記スイッチは、所定の時間が経過した後に電流を停止させる、タイムカウンタを備えていてよい。
図7は、書き込み動作時点における、書き込み動作のためのワード線上の電圧を図7Aに示し、電界効果トランジスタの閾値電圧を図7Bに示し、ビット線上の電流を図7Cに示し、そしてビット線上の電圧を図7Dに示す図である。開始時点tにおいて、プログラム回路16は、ビット線11と、ビット線11へプログラム電圧VBWを供給する第1の電圧源23とを接続する。第1の時点tにおいて、ワード線9は、電界効果トランジスタ14の開始時の閾値電圧VW1より高いワード線電圧VGWに、ワード線デコーダ7によって接続される。第1の時点t後に、ワード線9の電位が上昇するため、電界効果トランジスタの閾値電圧が上昇する。さらに、第1の時点t後には、ビット線11およびメモリセル13に電流IBLが流れる。ビット線11を流れる電流IBLは、第3の時点tにおいて限界最大値(limited maximum value)まで上昇する。第3の時点tでは、ワード線上の電圧は最大値に達する。続く第4の時点tでは、電界効果トランジスタ14の閾値電圧は最大値VW2に到達する。この第4の時点後間もなく、電界効果トランジスタ14は開かれ、ビット線11を流れる電流IBLはゼロ値まで低下する。これは、電界効果トランジスタのフローティングゲートのフローティング効果によるものである。電界効果トランジスタの閾値電圧は、ワード線の電圧以上に上昇するため、電界効果トランジスタが開放状態に切り替えられる。第5の時点tでは、ワード線は電圧源から遮断され、これによってワード線上の電圧が低下する。
図8は、読み出し動作のための、ワード線9の電圧を図8Aに示し、ビット線の電流を図8Bに示し、ビット線上の電圧を図8Cに示した図である。第10の時点t10において、ビット線11は、第2のスイッチ18によって、第2の電圧源24に接続される。第2の電圧源24は、伝導経路を生成するための固体電解質層3の閾値電圧より低い読み出し電圧VBR(図8C)を供給する。第11の時点t11において、ビット線上の電圧が最大値に達した後、ワード線9上の電圧は読み出し電圧VGR(図8A)まで上昇する。この読み出し電圧VGRは、チャネルホットエレクトロン注入後における電界効果トランジスタの最大閾値電圧VW2より高い。これによって、あらゆる状況下において、メモリセル13内に記憶されたデータを読み出すためにスイッチ14を閉鎖することが可能となる。メモリセル13内にデータ「1」が記憶されている場合、これは、ビット線11上の電流が流れ始める第11の時点t11後に、プログラマブル構造1の低抵抗状態によって感知される。その後、ビット線11は、第2のスイッチ18によって第2の電圧源24から遮断される。この電流によって、ビット線上において電圧変化が生じる。この電圧変化は、センスアンプ10によって感知される。第12の時点t12において、ワード線は電圧源から遮断され、スイッチ14がオフ状態に切り替えられて、メモリ素子13がビット線11から遮断される。従って第12の時点t12後には、ビット線を流れる電流はゼロ値に低下する。
図9は、フローティングゲート36とチャネル34との間に薄い絶縁層35を有した電界効果トランジスタ40の概略図である。チャネル34は、半導体基板41内に配置されたドレイン32とソース33との間に配置されている。上記基板は、nドープされたシリコン基板によって構成されていてよい。ドレイン32およびソース33は、pドープされていてよい。フローティングゲート36上には、ゲート端子38が配置されている。ゲート端子38は、第2の絶縁層37によって、フローティングゲート36から絶縁されている。上記ゲート端子は、ワード線9に接続されており、ホットエレクトロンは、チャネル34から絶縁層35を通過してフローティングゲート36へ注入される。チャネル34とフローティングゲート36との間にある絶縁層35の厚さは、4nmの範囲であってよい。本発明の一実施形態では、絶縁層35は、酸化ケイ素から形成されていてよい。この実施形態では、上記酸化物層の厚さは、3nmより小さい範囲内であってよい。別の実施形態では、上記酸化物層の厚さは、1〜2nmの範囲内であってよい。薄い絶縁層を用いることによって、電荷およびフローティングゲートの保持時間は低減されるが、プログラム動作が速くなり、必要な電位が低減される。
プログラマブル固体電解質層を示す図である。 データを書き込みおよび消去するための電流およびバイアス電圧、およびプログラマブル固体電解質層の概略図である。 メモリ素子を備えたメモリの部分図である。 メモリ素子、書き込み回路、および消去回路の詳細図である。 書き込み、消去、および読み出し動作中におけるビット線の閾値電圧の図である。 ワード線の閾値と、フローティングゲートのプログラミング前後におけるゲート電圧によるビット線上の電流とを示す図である。 図7A〜図7Dは、データを書き込むための電圧および電流を示す図である。 図8A〜図8Cは、データを読み出すための電圧および電流を示す図である。 フローティングゲートを備えた電界効果トランジスタを示す図である。

Claims (8)

  1. メモリセルであって、
    プログラマブル固体電解質層と、
    書き込み線と、
    選択線と、
    ドレインとソースとフローティングゲートとを有したトランジスタと、を備えており、
    上記トランジスタの上記ソースおよび上記ドレインは、上記書き込み線および上記固体電解質層に接続されており、
    上記電解質層は、電圧源に接続されており、
    上記トランジスタの上記フローティングゲートは、上記固体電解質層の書き込み動作中に上記固体電解質層に流れる電流を所定量の電荷に制限する、メモリセル。
  2. 上記フローティングゲートと、厚さが4nmよりも小さい上記固体電解質層との間に、酸化物層を有している、請求項に記載のメモリセル。
  3. 上記フローティングゲートと、厚さが2nmよりも小さい上記固体電解質層との間に、酸化物層を有している、請求項に記載のメモリセル。
  4. 所定量の電流が上記固体電解質層に供給された後、上記トランジスタのゲートに印加される制御電圧よりも高くなる閾値電圧を有するフローティングゲートを有するトランジスタを備えている、請求項に記載のメモリセル。
  5. メモリであって、
    ワード線デコーダと、ビット線デコーダと、ビット線と、ワード線と、メモリセルとを備えており、
    上記メモリセルは、プログラマブル固体電解質層と、フローティングゲートを有したトランジスタとを有しており、
    上記トランジスタのゲートは、ワード線に接続されており、
    上記トランジスタの第1の端子は、上記固体電解質層に接続されており、
    上記トランジスタの第2の端子は、ビット線に接続されており、
    上記ビット線は、入力/出力ドライバに接続されており、
    上記フローティングゲートは、上記フローティングゲートの電位を、書き込み動作中に、上記ワード線上の電圧より高く上昇させることによって、上記固体電解質層に流れる電流を所定量の電荷に制限する制限素子である、メモリ。
  6. 上記フローティングゲートと、厚さが4nmよりも小さい上記固体電解質層との間に、酸化物層を有している、請求項に記載のメモリセル。
  7. 上記フローティングゲートと、厚さが2nmよりも小さい上記固体電解質層との間に、酸化物層を有している、請求項に記載のメモリセル。
  8. 書き込み電圧を有するスイッチによって接続されるプログラマブル固体電解質層を有するメモリセル内に、データを書き込む方法であって、
    書き込み動作中に上記スイッチを介して上記電解質層内に流れる電流は、上記電解質層の抵抗値を変え、
    上記スイッチを介して上記固体電解質層に所定量の電荷が供給された後、上記スイッチは、上記電解質層に流れる電流を制限し、
    上記スイッチは、フローティングゲートを有する電界効果トランジスタを含んでおり、
    上記電界効果トランジスタのゲートは、ワード線に接続されており、
    上記ワード線は、書き込み動作中に、上記電界効果トランジスタが閉鎖状態になるように制御する電圧の供給を受け、
    書き込み動作中に、上記フローティングゲートに電荷を注入し、上記フローティングゲートの電位上記ワード線上の電圧より高く上昇させることによって、上記電界効果トランジスタを遮断する、方法。
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