JP4623968B2 - 難溶性化合物から水分散性の乾燥粉末を生成するための製法 - Google Patents

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Description

本発明は、水に難溶性または不溶性である化合物の水分散性の乾燥粉末を生成するための製法、ならびにこのような水分散性の乾燥粉末に基づく調製物に関する。
多くの化合物が水に難溶性または不溶性であるが、それにもかかわらず水媒体中で用いられる必要がある。それらの例は特定の活性な薬剤成分、食品添加物および化粧品成分である。従って、このような化合物を水系中に十分に溶解するための手順を見つける必要がある。なぜなら溶解されなければそれらの有効性は大きく損なわれるからである。水に難溶性の活性な薬剤成分は、経口投与後に胃腸管で十分に吸収されず、そして着色剤、例えば、ヒトの食品および動物の飼料を着色するためのカロチノイドの場合、低い色産生しか達成されない。水媒体中での化合物の溶解性を改善するためには種々の実現性、例えば、難溶性物質の粒径を小さくすることが既に公知である。
難溶性化合物の分子分散の理想的な状態に対してできるだけ近づく特性、例えば吸収特性または着色特性を達成するためには、難溶性化合物を水媒体中でできるだけ細かく分散させる必要がある。この場合、1μm未満の粒径が所望される。このような粒径は、粉砕によって達成することができるが、これはこの化合物に対して全くでなくともわずかに有害である。水溶性可溶化剤を用いてカロチノイドを最初に溶解して、次いで水を用いた希釈によってそれらを微小結晶として沈殿させる試みが行なわれた。しかしこれは、このような溶媒におけるカロチノイドの溶解性が低すぎるために、今までは妨げられていた。
別の実現性は、可溶化補助剤を添加することである。適切な可溶化補助剤の例は、界面活性剤、アルコール、エーテル、エステルなど、薬学については、特に国際薬局方に挙げられた可溶化剤である。このような可溶化剤を用いれば、多くの場合、ミセル可溶化を達成することが可能である。すなわち、難溶性化合物が界面活性剤ミセルに結合されるかまたはそれらに組み込まれる。しかし、多くの場合、難溶性活性成分についてはこれらの可溶化剤をかなり大量に使用する必要がある。薬学的には、このような活性成分の調製物の経口投与後、これによって望ましくない副作用が生じ得る。
難溶性化合物を最適に有用な形態にするためのさらなる実現性は、水中にこの当該の化合物のコロイド状溶液を調製することである。この場合、この化合物は、水中でいわゆる保護コロイドから生成され得るコロイド状凝集物中に取り込まれる。このような保護コロイドの例はゼラチンおよび/またはカゼインである。
非特許文献1、特許文献1、特許文献2は、活性成分が水不混和性溶媒、好ましくは塩素化炭化水素中に溶解される方法を開示する。この溶液は、ゼラチン/糖溶液中でホモジナイゼーションすることによって乳化され、そして最終的にこの溶媒はエマルジョンから取り除かれて、活性成分を微小結晶の形態で放出する。微細に分割された粉末は、得られた懸濁液から水を除去することによって得ることができる。しかし、塩素化炭化水素の使用はこの方法の深刻な不利点に相当する。
微細に分散した活性成分を有する産物を生成するための他の方法は、デンプン、ペクチンまたは乾燥ミルク粉末のようなキャリア物質に対する活性成分の付与である。この場合、例えば、油中の(例えば特許文献3参照)、またはクロロホルム中の(例えば、特許文献4および特許文献5参照)活性成分の溶液を、キャリア物質に噴霧する。しかし、ここで得られる産物は、水媒体中で普遍的に分散性とは限らず、また貯蔵安定性が不十分である。
非特許文献1、特許文献6および特許文献7は、活性成分がその油性溶液の形態で、ゼラチンのようなコロイド中にエマルジョンの様に埋め込まれる方法を記載している。しかし、この方法で生成される生成物中の活性成分の濃度は、この活性成分の低い油溶解度のせいで低い。
最初に水媒体中の難溶性物質の微小粒子分散が行なわれる多数の方法がまた公知である。次いでこの分散は、媒体の除去によって、この物質の微細粒子乾燥粉末に変換される(例えば、特許文献8〜12参照)。従って、特許文献13はまた、カロチノイドおよびレチノイド産物を粉末形態で生成する方法を開示する。この方法では、難溶性化合物が上昇した温度で、揮発性の水混和性の有機溶媒中に急速に溶解され、この難溶性化合物は、膨張可能なコロイドの水溶液との急速な混合によって、得られた分子溶液からコロイド形態で直ちに沈殿し、この得られた分散は、溶媒および分散媒体を含まない。
特許文献14は、水分散性のカロチノイド調製物を生成するための方法であって、この調製物が粉末形態であり、カロチノイドが食用油に溶解され、そしてこの油性溶液が、小さい液滴の形態で存在する方法を開示している。この場合、カロチノイドは、上昇した温度で、揮発性の水混和性の有機溶媒中に、カロチノイドに対して重量で1.5〜20倍の食用油と、および乳化剤と一緒に迅速に溶解され、次いで、微小分散相(カロチノイドがそこに溶解している)としてこの油が存在する2相混合物が、保護コロイドの水溶液との即時の混合によって、この得られた分子溶液から形成される。粉末形態であって、溶媒および水の除去後に得られるこのカロチノイド調製物は、この食用油に溶解したカロチノイドを含み、そしてこの油性溶液は、粉末形態の保護コロイドマトリックス中に小液滴の形態で分散されている。
特許文献13および特許文献14に開示されたようなさらなる方法によって、再分散可能な乾燥粉末がもたらされるが、これはいくつかの不利な点も有する。形成されたコロイド溶液は極めて希薄であり、すなわち、これらのコロイド溶液における典型的な固体濃度は、0.5〜最大3重量%の範囲である。これは、医薬または別の生成物、例えば食品着色料に必要な粉末を生成するためには、かなりの量の溶媒、詳細には本質的に水を除去する必要があるということを意味する。このような粉末を生成するのに最も適切な乾燥方法は噴霧乾燥であり、これは実験室規模では十分に実行することができる。しかし製造スケールでは、さらに経済性を求めて生成することは不可能である。わずか100kgの噴霧乾燥した粉末を生成するために、3重量%の総固体含量を有するコロイド溶液の場合、3000lより多いコロイド溶液を噴霧乾燥する必要がある。
さらなる不利益は、コロイド溶液に存在する粒子が溶液の貯蔵の間に凝集する傾向であり、これによって粒子のサイズ増大が生じ、最終的には沈殿するということである。このことは、コロイド溶液が、中間の貯蔵なしに急速に乾燥されなくてはならないことを意味する。しかし、オンラインの改良型であって、1〜3重量%の固体含量を有するコロイド溶液が、その生成後に直ちに直接乾燥される改良型は、噴霧乾燥の好ましい工程において、極めて大きく、従って不経済な噴霧能力を必要とする。
さらなる不利益は、典型的に用いられる保護コロイドが、天然の物質または天然の物質の誘導体、例えば、カゼインまたはゼラチンなどであり、その水溶液が急速な微生物の攻撃を受けるということである。この理由によっても、必要に応じて、緻密な無菌作業、および/または微生物を減らすための防腐剤を添加する場合以外は、難溶性化合物のコロイド水溶液を長期間貯蔵することはできない。
分散の固体含量を増大するための従来の方法が不利であるということが判明してきている。遠心分離工程の不利益は、例えば、本発明における低い粒子濃度および小さい粒径によって、長い処理時間および強い遠心分離の力を必要とするということである。
従来の(ダイア)フィルトレーションを使用することはできない。なぜなら、難溶性化合物がコロイド分散に存在する本発明の場合、濾過層は、処理時間にわたって濾別されたコロイド物質で漸次覆われ、このフィルターの緩徐な閉塞が生じるからである。さらに、極めて高い粒子濃度によって、このフィルター表面にコロイド層が沈着され、これによって望ましくなく、かつ不可逆性の粒子凝集が著しく支持されてしまう。
固体含量を増大するための蒸留による液体媒体の除去はまた、不利であることが証明されている。なぜなら、一方では、蒸留は、エネルギー浪費的な工程であって、上昇した温度および/または減圧下で行なわなければならないからであり、そして他方では、分散された難溶性化合物は、熱ストレスによって害されるかもしれないからである。液体のエバポレーションに基づく全ての工程の重大な不利な点とは、さらに、この場合、その液体に溶解された物質でなく、その液体自体だけが除去されるということである。従ってわずかな不可避の不純物が、最終生成物中では高度に富化されるかもしれない。分散中の1%固体濃度を考慮すれば、この不純物の富化は、噴霧乾燥された最終生成物においては100倍におよぶ。この分散が異なる分散剤または溶媒を含む場合、エバポレーションにおいて異なる速度での蒸留が生じ得、その間に分散剤/溶媒組成物における変化が生じ、これが難溶性化合物のコロイド分散の安定性にとって不利な点となり得る。
特許文献15は実施例において、クロスフロー濾過を用いた、難溶性活性成分のナノ粒子を生成するための方法を記載している。しかし、この濾過は、濃縮のためではなく、分散の精製のために用いられており、かなりの体積増加を伴っている。
言及されてきた問題によって、以前に開示された方法で記載された処方物の利点にかかわらず、難溶性化合物の水分散性の乾燥粉末の経済的な生成は、製造スケールでは不可能であるということが明白になる。
DE−AS 12 11 911 DE−OS 25 34 091 DE−PS 642 307 DE−PS 361 637 CH−PS 304 023 FR−PS 1 056 114 US−PS 2,650,895 WO 94/01090 WO 93/10768 EP 239949 EP 425892 DE 37 42 473 EP 0 065 193 A2 DE 37 02 030 A1 WO 96/35414 Chimia 21,329(1967)
本発明の目的は、先行技術の不利な点を回避する、難溶性化合物の、水分散性の乾燥粉末を生成するための製法を提供することである。
難溶性化合物の不安定であるかまたは容易に損なわれた溶液または分散の長期間の貯蔵が回避されるような方法で、この製法を管理することが、詳細には可能であるはずである。
本発明者らはここで、驚くべきことに、平行濾過または「クロスフロー濾過」の工程が、経済的に必須の制約内で、短い処理時間で、微生物の攻撃を回避し、かつ凝集を回避して、難溶性化合物をコロイド形態で含むこの分散を濃縮するために特に適切であるということを見出した。蒸留工程の不利点およびダイアフィルトレーション工程の実質的な不利点の全てが、この製法の使用において回避される。
従って、本発明は、水に難溶性の化合物から水分散性の乾燥粉末を生成するための製法に関する。この製法は以下の工程:
a)0.01〜5μmの粒径を有する水に難溶性の化合物および保護コロイドを、分散剤中に微小分散の形態で含む、分散の生成、
b)クロスフロー濾過によるこの水に難溶性の化合物の分散の濃縮、および
c)この残留する分散剤の除去、
を包含する。
本発明はまた、水に難溶性の化合物の水分散性の乾燥粉末に基づく調製物に関し、この水分散性の乾燥粉末は、本発明の製法によって得ることができる。
この製法によって、水分散性の乾燥粉末の経済的な生成がさらに可能になるはずである。
分散剤の除去前の分散を濃縮することで、時間およびエネルギーの消費を伴って除去しなければならない分散剤の量が減少する。これによって分散剤の除去に費やす時間が短くなり、その結果生成された分散を、中間の貯蔵なしで、かつ不経済な大規模の乾燥装置の必要性なしに、直ちに乾燥することが可能になる。
本発明の製法における工程a)である、分散剤中に微小分散形態で難溶性化合物を含む分散の生成は、原則的にいずれの方法でも実行することができる。このような分散を生成するための多くの方法が記載されており、これについては冒頭に引用した先行技術を参照のこと。しかし、例えば、欧州特許EP 0 065 193 A2またはドイツ特許DE 37 02 030 A1に記載されたとおり、混合チャンバマイクロナイゼーション(mixing chamber micronization)と呼ばれる方法によって分散を生成することが好ましい。これらの出願の開示内容は、詳細には製法管理に関して、用いられる溶媒または分散剤に関して、保護コロイドおよび他の添加物、そして用いられる化合物の他のものに対する濃度および比率に関して、本発明において参考として援用される。従って、難溶性化合物を微小分散形態で含む分散は、本発明に従って、この難溶性化合物を揮発性の水混和性の有機溶媒に、50〜200℃の温度で、適切な加圧下で10秒以内に溶解すること、およびこの難溶性化合物と膨張性コロイドの水溶液との0〜50℃の温度下における急速な混合により、得られた分子溶液からコロイド形態で直ちに沈殿させることによって、好ましく生成される。従って、この場合、この難溶性化合物は、揮発性で水混和性の有機溶媒および水からなる分散剤中に微小分散粒子の形態で存在する。
あるいは、難溶性化合物を微小分散形態で含む分散は、好ましくは、この難溶性化合物を、揮発性の水混和性の有機溶媒中に、この難溶性化合物に対して重量で1.5〜20倍の食用油および乳化剤と一緒に50〜240℃の温度下および適切な加圧下で急速に溶解すること、ならびにこの得られた分子溶液から、親水性溶媒成分を、保護コロイドの水溶液との0〜50℃の温度下における急速な混合により、この水層に移すことによって生成される。ここでこの溶解した難溶性化合物を含有するこの疎水性の油層が微小分散相となる。従って、この場合、この分散は微小分散粒子である油粒子との2層混合である。この難溶性化合物は、この油粒子中の溶液に存在する。この分散は、揮発性の水混和性の有機溶媒および水からなる。
水混和性の揮発性溶媒は、好ましくはアルコール、ケトン、エステル、アセタールおよびエーテルであり、特にアセトン、1,2−ブタンジオール1−メチルエーテル、1,2−プロパンジオール1−n−プロピルエーテル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールおよびそれらの混合物が好ましい。
適切な保護コロイドは、使用の目的で承認された任意の保護コロイドであればよく、例えば、ゼラチン、デンプン、デキストラン、ペクチン、アラビアゴム、カゼイン、カゼイン塩、全乳、スキムミルク(脱脂粉乳)、粉乳またはそれらの混合物が挙げられる。ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびアルギン酸塩も好ましいコロイドである。
最終生成物の機械的安定性を増大するためにこのコロイドに対して、可塑剤、例えば、糖および糖アルコールをさらに添加することが可能である。必要に応じて、保存剤および/または酸化安定化剤を加えることがさらに可能である。適切な化合物は、各々の場合、上述の特許出願において言及されている。適切な食用油は詳細には、20〜40℃において液体である油である。例えば、コーン油、ココナツ油、ゴマ油、ラッカセイ油、大豆油または綿実油のような植物性油である。他の適切な油または脂肪は、ラード、牛脂およびバターである。この食用油は一般には、難溶性化合物に対して重量あたり1.5〜20倍、好ましくは3〜8倍の量で用いられ、そしてこの難溶性化合物の調製物の総油含量は、乾燥粉末を生成する場合には60重量%を超えてはならない。
分散を生成するための適切な装置は、欧州特許EP 065 193 A2またはドイツ国特許DE 37 02 030 A1に記載されている。
工程a)における分散の粒子は一般に、0.01〜100μmの範囲、詳細には0.02〜10μmの範囲のサイズを有する。特に好ましい分散は、分散された粒子が0.01〜5μm、好ましくは0.05〜0.8μmの平均粒径を有する分散である。これらは、例えば、欧州特許EP 065 193、欧州特許EP 239 949、欧州特許EP 425 892、またはドイツ特許DE 37 02 030に記載されるように得ることができる。この難溶性化合物がそのままでコロイド分散の形態である場合、この分散された粒子は通常は、分散された油滴中に難溶性化合物が溶解されるときよりも小さい。しかし、本発明の製法はこれらの粒径を有する化合物に限定されない。
難溶性化合物をコロイド形態で含む分散は、低い固体含量でしか生成できない。この分散を濃縮しない場合、難溶性化合物の含量は通常は1〜3重量%である。しかし、本発明は、このような固体含量を有する分散に限定されず、固体含量が高い場合も、またとりわけ、当然ながら固体含量が1重量%未満である場合も利点を有する。
水に難溶性の化合物は好ましくは、(25℃において)10g/l以下、好ましくは5g/l以下、特に好ましくは1g/l以下の、水に対する溶解度を有する化合物である。
水に難溶性の化合物は有機化合物であっても無機化合物であってもよい。薬学的に、食餌療法上、化粧品として、および殺虫剤として活性な成分が好ましく、それらは化学的なタイプに関していかなるものにも限定されない。活性な薬剤成分としては、ホルモン、ビタミン、プロビタミン、酵素、植物治療剤および植物抽出物が挙げられる。好ましい活性な成分の群および活性な成分の例は、以下である:
− 鎮痛剤/抗リウマチ剤、例えば、コデイン、ジクロフェナク、フェンタニル、ヒドロモルフォン、イブプロフェン、インドメタシン、レボメタドン(levomethadone)、モルヒネ、ナプロキセン、ピリトラミド、ピロキシカム、トラマドール
− 抗アレルギー剤、例えば、アステミゾール、ジメチンデン、ドキシルアミン(doxylamine)、ロラタジン、メクロジン(meclozine)、フェニラミン、テルフェナジン
− 抗生物質/化学療法剤、例えば、エリスロマイシン、フラマイセチン、フシジン酸、リファンピシン、テトラサイクリン、チアセタゾン、チロトリシン
− 抗てんかん剤、例えば、カルバマゼピン、クロナゼパム、メスキシミド(mesuximide)、フェニトイン、バルプロ酸
− 抗真菌剤、例えば、クロトリマゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール
− カルシウムチャネル遮断剤、例えば、ダロジピン(darodipine)、イスラジピン
− コルチコイド、例えば、アルドステロン、ベタメタゾン、ブデソニド、デキサメタゾン、フルオコルトロン、フルドロコルチゾン、ヒドロキシコルチゾン(hydroxycortizone)、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン
− 睡眠剤/鎮静剤
ベンゾジアゼピン、シクロバルビタール、メタカロン、フェノバルビタール
− 免疫抑制剤
アザチオプリン、シクロスポリン(サイクロスポリン)
− 局所麻酔剤
ベンゾカイン、ブタニラカイン(butanilacaine)、エチドカイン、リドカイン、オキシブプロカイン、テトラカイン
− ミグラン レメディーズ(migrane remedies)
ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、リスリド、メチルセルジド
− 麻酔剤
ドロペリドール、エトミデート、フェンタニル、ケタミン、メトヘキシタール、プロポフォール、チオペンタール
− 眼科剤(opthalmologicals)
アセタゾラミド、ベタキソロール、ブプラノロール、カルバコール、カルテオロール、シクロドリン(cyclodrine)、シクロペントレート、ジクロフェナミド、エドクスジン(edoxudine)、ホマトロピン、レボブノロール、フォレドリン、ピンドロール、チモロール、トロピカミド
− 植物治療剤
ヒペリカム、ウルチカ・ホリア(urtica folia)、アーティチョーク、アグナス・カスタス(agnus castus)、シミシフーガ、デビルズ・クロー、エニシダ(broom)、ハッカ油(peppermint oil)、ユーカリ油、クサノオウ、アイビー、カバカバ(kava−kava)、エキナシア、カノコソウ、パルメット(palmetto)、オオアザミ、イチョウ(Ginko biloba)、アロエ・バーバデンシス(Aloe barbadensis)、ニンニク(Allium sativum)、チョウセンニンジン(Panax ginseng)、ソーパルメット(ノコギリヤシ)(Serenoa repens)、ゴールデンシール(ヒドラスチス・カナデンシス)(Hydrastis canadensis)、オオミツルコケモモ(クランベリー)(Vaccinium macrocarpon)またはそれらの混合物
− プロテアーゼインヒビター
例えば、サキナビル、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、パリナビル(palinavir)、チプラナビルまたはこれらのプロテアーゼインヒビターの組み合わせ
− 性ホルモンおよびそれらのアンタゴニスト
アナボリック、アンドロゲン、抗アンドロゲン、エストラジオール、プロゲスチン、プロゲステロン、エストロゲン、抗エストロゲン、例えばタモキシフェン
− ビタミン、プロビタミン、抗酸化剤、例えば、カロチノイドまたはカロチノイド類似体、例えば、βカロチン、カンタキサンチン、アスタキサンチン、リコペン又はリポ酸、ビタミンA、ビタミンQ
− 細胞増殖抑制剤/抗転移剤
ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、ダカルバジン、ダクチノマイシン、エストラムスチン、エトポシド、フルロウラシル(flurouracil)、イホスファミド、メトトレキサート、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン。
本発明によれば、工程a)において得られた分散は、クロスフロー濾過(工程b)によって濃縮され、好ましくは濃縮後の固体含量が1〜20重量%である。クロスフロー濾過は、それ自体公知であるスクリーン濾過工程であり、ここでダイアフィルトレーションと対照的に、濾過される媒体はフィルター層上で濾過ケーキを形成するためにそこに直接強制されずに、連続的な動きで保たれる。濾過される媒体の連続的な動きのためにダイナミック濾過(dynamic filtration)という用語をまた用いる。濾過ケーキの形成は、妨げられるかまたは少なくとも大きく遅らされる。なぜなら、濾過媒体、すなわち濾過表面が連続的に清浄に洗浄されるからである。濾過されるべき媒体の動きは、ポンプを用いてこの媒体を連続的に循環させることによって達成できる。または濾過される媒体が、フィルターを通じて連続的に流れることが可能であるように、かつフィルターを通る過程で液体媒体から完全にまたは実質的に開放されるように、設計されたフィルターを用いることが可能である。
濾過工程は、除去されるべき粒子の粒径に従って孔径が選択された濾過膜で行う。除去されるべき粒子が約0.01μm〜約0.1μmの粒径を有する場合、限外濾過という用語が用いられる。そして除去されるべき粒子が約0.1μm〜約10μmの粒径を有する場合、精密濾過という用語が用いられる。従ってこの工程はコロイド状の粒子を保持するために、すなわち、コロイド分散を濃縮するために極めて適切である。
精密濾過および限外濾過のための濾過膜は一般に、機械的な理由のために、濾過膜と同じまたは異なる物質から作製された支持体として単層膜または多層膜の基礎構造に適用される。この分離層は、有機ポリマー、セラミック、金属または炭素からなってもよい。この濾過膜は、実際はいわゆるメンブレンモジュール中に組み込まれる。この件に関して適切なモジュールの形状は、濾過の温度および圧力条件下で機械的に安定な形状である。適切な例は平坦、管状、マルチチャネルエレメント、キャピラリー(毛細管)またはコイルの形状である。
濾過効率を向上させるため、クロスフロー濾過を通常は圧力濾過として操作するが、この圧力は典型的には、0.2〜1MPaの範囲である。流速は典型的には、約2〜4m/sであり、浸透速度は孔径および濾過圧に依存して、濾過膜1mおよび1時間あたり3000lに及ぶかもしれない。
工程b)における濃縮は、全体的製法における工程に相当し、従って必要な処理時間にとっては再現可能でありかつ確実に予測可能であることが望ましい。従来の濾過方法では、評価できない。なぜなら濾過ケーキの形成およびフィルター孔の閉塞によって、濾過速度が、より大きい程度までまたは小さい程度まで低下するからである。クロスフロー濾過においては対照的に、濾過膜を通して分離された液体の量は、処理時間にわたって実質的に一定のままであり、そしてフィルター孔の閉塞も相殺される。さらなる利点は、この工程が極めて穏やかな条件下で実行され得、従って潜在的な粒子成長を相殺するということである。そして閉鎖系で、さらに必要に応じて微生物なしの状態で操作することが可能であり、これが微生物の攻撃に影響を受けやすい保護コロイドに関して所望され得る。
コロイド分散を濃縮するための本発明に特に適切な濾過膜は、例えば、BIOMAX(ポリエーテルスルホン)およびULTRACELという名称でMilliporeから入手できるような、ポリエーテルスルホンまたは再生セルロースから作製されることが判明している。しかし、他の製造業者からの濾過膜および他の物質、例えば典型的に限外濾過に使用される物質から生産された濾過膜を使用することも同様に可能である。この濾過膜は種々のフィルター孔径で利用可能である。従って本発明の製法における濃縮のために適切な濾過膜は、詳細には、分子量約100000を上回る排除限界分子量を有する濾過膜である。すなわちこの分子量を上回る粒子は、この濾過膜によって引き止められて、濃縮されたコロイド分散、すなわちリテンテイト(retentate)中に残る。500000〜1000000の排除限界分子量を有する濾過膜が好ましい。
クロスフロー濾過は、各々の状況において濃縮されるべきコロイド溶液に合わせて極めて特異的に調節することができる。なぜなら多様な濾過膜が市販されており、そのため実質的に任意の所望のフィルター孔径および任意の所望のフィルター物質が入手可能だからである。この濾過膜は一定の品質で標準化され入手することができる。これらの濾過膜はそのまま使える(ready−to−use)濾過ユニットとして商業的に入手可能である。すなわち、濾過膜は、金属またはプラスチックのハウジングであって、濃縮されるべきコロイド溶液および濾液(濾過物)の出口の両方に接触するハウジングに組み込まれる。対応する完全な装置は、それぞれの課題に適切である実験室規模から製造規模まで市販されている。
本発明の特定の実施形態は、クロスフロー濾過によってコロイド分散を濃縮する工程と、コロイド粒子の可逆的な巨大化のための手順との組み合わせである。除去されるべき成分と保持されるべき粒子との間の分子量の相違が大きいほど、より問題が少なく分離できるということである。従って、クロスフロー濾過の前により大きな凝集を生成するように、コロイド形態で存在する難溶性化合物が可逆的に会合されることが有利である。次いで、より大きい孔径を有する濾過膜を選択して、これによって濾過速度をかなり増大することが可能である。
コロイド粒子の可逆的な凝集のためには種々の方法、例えば、無機塩および/または有機塩の添加(「塩析(salting out)」)による、温度の上昇もしくは低下による、またはコロイド分散のpHを変化することによる、方法が可能である。これらの方法の組み合わせも可能である。
この方法で、好ましくは約50〜800nmのサイズの範囲であるもとのコロイド粒子から、可逆的な凝集によって、マイクロメートル〜ミリメートルに及ぶサイズ範囲の凝集を形成することが可能である。その結果、この濃縮には、高い濾過速度を示す極めて粗い孔メンブレンで十分である。
この凝集は可逆的でなければならない。すなわち、凝集前のコロイド分散における難溶性化合物のもとの粒径分布は回復可能でなければならない。個々の場合に、上述の方法が適切である慣用的な実験によって確立することが可能である。イオン性保護コロイド、例えば、カゼインなどの使用の際、pHを変化させることが適切である。このアニオン性の保護コロイドは、中性および弱塩基性のpH値でのみ可溶性であるかまたはコロイドとして可溶性である。酸性のpH環境では、カゼインのカルボキシル基のプロトン化がおこり、その結果、沈殿/綿状沈殿が生じる。この工程は、pHを上昇させることによって戻すことができる。従って、保護コロイドとしてカゼインを用いて生成された難溶性化合物の調製は、pHを低下させることによって容易に沈殿可能であり、そしてこの状態では極めて有効に、すなわち迅速に濃縮できる。所望量の溶媒を除去した後、pHを再度上昇することが可能になり、従って、もとのコロイド分散が再度得られる。
非イオン性保護コロイドの場合、可逆的凝集には他の方法、例えば濃縮された塩溶液の添加または水溶性の塩自体の添加が好ましい。
コロイド分散の凝集のための工程は当該分野で公知である、そして個々の場合についてのみ、その可逆性をチェックする必要がある。分散は凝集された粒子の再分散後に乾燥され得る。
本発明の製法においては、単位時間あたりに調製されるコロイド分散の量に対してクロスフロー濾過ユニットの処理能力を適合させることによって、乾燥の前にコロイド分散を長時間静置することを回避できる。調製されたコロイド分散量を中間の貯蔵なしに直接濃縮すること、およびさらなる中間の貯蔵なしにそれを乾燥工程にまわすことが可能である。これは、分散が濃縮の後または濃縮の前でさえ貯蔵安定性が不十分である場合に、特に有利である。
本発明の製法は、バッチ式で、半連続的に、または連続的に実行することができる。従って、可能な製法は、最初の分散のうちの1バッチが生成され、このバッチが生成の後に直接濃縮され、そしてこの濃縮されたバッチが所望の濃度に達した直後に分散剤を含まないという製法である。すなわち、本発明のこの製法の個々の工程は、バッチ式で実行することができる。あるいは個々の工程自体を連続的に実行することが可能である。すなわち、例えば最初の分散は連続的にまたはバッチ式で生成すること、およびクロスフロー濾過ユニットへ、そして所望の濃度になった後は乾燥装置へと連続的にまわすことが可能である。この目的のためにクロスフロー濾過ユニットは、この濾過ユニットを1回通過すれば必要な濃度が達成されるように設計されるのが好ましい。
乾燥粉末は、従来の方法において、例えば、DE−OS 25 34 091に記載されたような、噴霧乾燥、粒子の除去、または流動層での乾燥によって、濃縮された分散から調製することができる。好ましい乾燥工程は噴霧乾燥である。濃縮された分散は、さらなる前処理、例えば、蒸留による溶媒の除去などがなくても噴霧乾燥することができる。すなわち既に存在する分散剤の全てが噴霧塔中で除去される。水分散性の乾燥粉末は通常、噴霧塔の基部で乾燥かつ自由流動の形態になる。噴霧乾燥によって部分的にのみ乾燥されている粉末を、必要に応じて流動層で完全に乾燥することがより好ましかろう。
本発明は、実施例によって以下に詳細に記載されるが、この実施例は、説明であって限定ではないと解釈されるべきである。
実施例1:
35.7重量%の補酵素Q10および64.3重量%のカゼインを含有する水分散性の乾燥粉末を生成した。
最初に、言及した成分のコロイド水溶液を、欧州特許EP−0 065 193 A2に記載されるような混合チャンバマイクロナイゼーション(mixing chamber micronization)によって生成した。このコロイド溶液は(濃縮の前に)0.6重量%であって、かつ粒径分布の重心が約200nmであり、全ての粒子が1μm未満である補酵素Q10活性成分を有した。この分布はまた24時間の溶液の貯蔵後にも不変であって、すなわちこの溶液は比較的貯蔵安定性であった。
このコロイド溶液をクロスフロー濾過によって濃縮したが、この条件は以下のとおりであった:
Figure 0004623968
用いた濾過膜は、浄化するのが容易である。0.1N NaOHを用いて室温でリンスすることによって、実質的に完全に、初期状態に回復した(最初のNWP=標準水透過性(normalized water permeability)の92.7%)。このことは、この濾過膜への生成物の透過がほとんどないかまたは全くなく、そして比較的僅かしか濾過膜に吸着できないということを意味する。
従って、処方物Aは、この間に、生成物の著しい損失を受け入れる必要なく、比較的短い処理時間で穏やかな条件下で12倍まで濃縮することができる。
実施例2:
以下の組成物の水分散性の乾燥粉末を生成した:
Figure 0004623968
上記の成分を含む水性コロイド分散を、実施例1と同様に生成した。βカロチン活性成分含量(濃縮前)は、1.1質量%であった。粒径分布は二峰性であった。粒子のうちいくつかは1μm未満の直径を有した。そしてこの場合の分布の重心は約200nmであった。粒径が20μm未満では、この粒径分布の他の重心は約16μmである。この分布は、溶液を24時間貯蔵した後も依然として不変のままであり、すなわち、この溶液は貯蔵に対して比較的安定であった。
クロスフロー流濾過による濃縮のための条件は以下である:
Figure 0004623968
粒径分布:
濃縮工程前の状態と比べて濃縮の後で、粒径分布に、検出可能な変化はなかった。
従って、害を被ることなく、そして生成物の著しい損失を受け入れる必要なく、極めて短い処理時間で穏やかな条件下で20倍までこの分散を濃縮することができる。3時間内に初期溶液200lから、10lの濃縮物を生成することが可能である。このためには1mのメンブレン面積が必要である。用いた濾過膜は容易に浄化することができる:室温中で水を用いて簡単にリンス(約10分間)することで、実質的に完全に、初期状態に回復した(最初のNWP=標準水透過性(normalized water permeability)の93.7%)。このことは、この濾過膜への生成物の透過がほとんどないかまたは全くなく、そしてそのうち比較的僅かしかこの濾過膜に吸着できないということを意味する。
実施例4
黄色がかったコロイド活性成分を含有する溶液であって、総固体含量0.5重量%を有する溶液を、保護コロイドカゼイン(65重量%)および活性成分補酵素Q10(35重量%)を用いて実施例1と同様に生成した。次いで、塩酸水溶液(2mol/l)を段階的に添加することで、この溶液をpH=1に酸性化して、これによってコロイド溶液中に固体の完全な綿状沈殿を生成した。この沈殿物は減圧濾過(濾紙またはガラスフリット(glass frit))によって濾別することが可能であった;この濾液は無色であった。次いで除去された沈殿物を、希水酸化ナトリウム溶液(0.1mol/l)中で室温で撹拌することによって、0.5%の総固体含量の濃度に、再度分散して、黄色がかったコロイド溶液を再度得た。次いで、少量の塩酸を用いて、綿状沈殿なしにこのアルカリ性コロイド溶液をpH7に調整することが可能であった。
Malvern Mastersizer粒径測定装置を用いて、得られたコロイド溶液の粒径分布を測定した。HClを用いる酸性化前の初期溶液は、0.2μmの平均粒径を示した(90%が0.4μm未満);1μmを上回る粒子は検出されなかった。HClを用いて形成され、希NaOH中で再度分散された沈殿物の粒径分布の平均は、0.3μmであって(90%が0.5μm未満);1μmを上回る粒子はわずか約1.5%であった。

Claims (11)

  1. 水に難溶性の化合物から水分散性の乾燥粉末を得るための製法であって、以下の工程:
    a)0.01〜5μmの粒径を有する水に難溶性の化合物および保護コロイドを、分散剤中に微小分散の形態で含む、分散の生成、
    b)クロスフロー濾過による水に難溶性の化合物の該分散の濃縮、および
    c)残留する該分散剤の除去
    を包含する、製法。
  2. 水、および揮発性で水混和性の有機溶媒からなる分散剤が用いられる、請求項1に記載の製法。
  3. 水に難溶性の化合物を0.5〜3重量%含む分散が生成され、該分散が固体含量を10〜40倍に濃縮される、請求項1または2に記載の製法。
  4. 分散された粒子が0.05〜0.8μmの粒径を有する分散が生成される、請求項1〜3のいずれかに記載の製法。
  5. ポリエーテルスルホンまたは再生セルロースから作製された濾過膜が前記クロスフロー濾過に用いられる、請求項1〜4のいずれかに記載の製法。
  6. 排除限界分子量が100000を超える濾過膜が前記クロスフロー濾過に用いられる、請求項1〜5のいずれかに記載の製法。
  7. 前記分散剤の除去が噴霧乾燥によって行われる、請求項1〜6のいずれかに記載の製法。
  8. 前記分散の生成、該分散の濃縮、および前記分散剤の除去が連続して生じる、請求項1〜7のいずれかに記載の製法。
  9. 前記分散に存在する微小分散した粒子が、前記濃縮の前に可逆的に凝集し、かつ該濃縮の後に微小分散する、請求項1〜8のいずれかに記載の製法。
  10. 前記分散された粒子が以下:
    − 無機塩および/または有機塩の添加、並びに/或いは
    − 該分散の温度を変化させる工程、並びに/或いは
    − 該分散のpHを変化させる工程
    によって凝集される、請求項9に記載の製法。
  11. 求項1〜10のいずれかに記載の製法によって生成される、水に難溶性の化合物の水分散性の乾燥粉末。
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