JP4623542B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
画像の符号化データのデコードと変倍処理を行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像データ圧縮技術は画像データを保持するためのメモリ量を低減したり、画像データの送信時間を短縮したりする目的で広く使用されている。多値画像の圧縮方法としては、固定長圧縮のGBTCなど、可変長圧縮のJPEGなどが知られており、基本的にN*Nの画像の単位で圧縮していく方法が多い。
【0003】
画像の解像度変換処理技術は、入力機器及び出力機器間で取り扱われる画像の解像度が異なる場合に、入力画像と同サイズの出力画像を得るために必要とされる技術である。解像度変換の方法として最近傍法、バイリニア補間法、3次補間法などが知られている。最近傍法は、補間したい点に最も近い画素に補間するアルゴリズムである。バイリニア補間法は、補間したい点の周囲4点から、線形補間により、補間データを求める方法であり、点Zの周辺の4点J,I,G、Hから以下のような式で表される。
【0004】
【数1】
【0005】
3次補間法は点Zの周辺の16点から以下のような演算式で表現される。
【0006】
【数2】
【0007】
ここで、C(t)はサンプリング定理を構成する関数Sinπx/πxの近似式である。
【0008】
これらの解像度変換法を比較したとき、最近傍法は処理が軽いが画質はそれほどよくなく、バイリニア補間法は処理も画質も普通であり、3次補間法は処理は重たいが画質はよい。
【0009】
近年、入力機器、出力機器はCPUの高速化やLSIの集積化などから高速化が進展するにつれて、ネットワークの転送がスピードネックとなり始めた。このため、入力機器から出力機器へのデータ転送時に画像を圧縮し、出力機器においては、入力機器から送られた符号データをデコード処理して画像データに戻し、その解像度変換を行う必要がある。
【0010】
しかし、従来は、図25に示すように符号デコード処理装置701と解像度変換処理装置706の間にフレームメモリ702を設け、符号デコード処理装置701で1つの画像のデコード処理を終了し画像データをフレームメモリ702に蓄積した後に解像度変換処理装置706でその解像度変換を行う方式が一般的であり、大きなメモリコストを要求された。
【0011】
図26に示すように、符号デコード処理装置701と解像度変換処理装置706の間に1ブロックラインの容量を持つ中間メモリ703を設け、符号デコード処理装置701で1ブロックライン分のデコード処理を行い結果を中間メモリ703に格納した後に、解像度変換処理装置706が解像度変換を行う方式も可能であるが、処理がシリアルであり高速化は望めない。
【0012】
また、図27に示すように、1面あたり1ブロックラインの容量を持つ2面の中間メモリ704を設け、符号デコード処理装置701と解像度変換処理装置706でパイプライン処理を行うことによって高速化することも可能であるが、メモリコスト的にあまりよくない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の従来の問題点に鑑み、メモリコストを削減することができ、かつ、符号デコード処理と解像度変換処理をリアルタイムで高速に行うことができる画像処理装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による画像処理装置は、請求項1に記載のように、
2×2画像の符号をデコードして2×2画像データを出力する符号デコード処理手段と、
前記符号デコード処理手段よりメモリを経由せず直接的に順次入力される2×2画像データに対し2次元の変倍処理を行い、変倍画像の各ラインのデータを順次出力する解像度変換処理手段とを有し、
前記解像度変換処理手段は、
前記符号デコード処理手段より順次入力された、上下2ライン(以下、現ラインと記す)の各2×2画像データ(以下、現ラインデータと記す)と、該現ラインデータより前に入力済みの該現ラインの直前の上下2ラインの各2×2画像データのうちの下側ラインのデータとを内部メモリに一時的に記憶する手段を備えることにより、該現ラインデータ中の各2×2画像データとその所定の隣接画素のデータとを繰り返し出力する第1の手段と、
前記第1の手段により出力されたデータから変倍処理のための水平補間又は垂直補間に必要なデータを選択する第2の手段と、
前記第2の手段により選択されたデータを用いて水平補間を行うことにより、又は、前記第2の手段により選択されたデータを用いて垂直補間を行い、その結果を用いて水平補間を行うことにより、変倍画像の各ラインのデータを生成する第3の手段とを有することを特徴とする構成である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。
【0016】
図1は本発明の画像処理装置の全体ブロック図である。図中、1は記憶装置であり、画像データを符号化した符号データを格納する。2は符号読み込み部であり、記憶装置1から符号データを読み込み符号デコード処理装置3へ転送する。この符号デコード処理装置3は符号読み込み装置2により読み込まれた符号データを画像データに復号化し、解像度変換処理装置4へ転送する。この解像度変換処理装置4は、その画像データを変倍処理する。5は画像書き込み装置であり、解像度変倍処理装置4より変倍後の画像データを受け取って記憶装置6に書きこむ。
【0017】
図2に、符号デコード処理装置3の処理フローを示す。図中、ステップS1はエントロピー復号化処理であり、ハフマン符号や、算術符号などのエントロピー符号化された符号を復号化する。ステップS2は逆ウェーブレット変換処理であり、図12(a)のようにウェーブレット変換により変換されたLL,HL,LH,HHのデータを図12(b)のように画像に戻す。図13に、ウェーブレット変換処理の例を示す。なお、JPEGなどにより符号化された符号データを扱う場合には、このステップの処理は逆DCT処理となる。ここでは、可変長圧縮法の場合として説明したが、固定長圧縮法であるGBTCでもよい。
【0018】
解像度変換処理装置4においては、以下に詳述するように、符号デコード処理装置3からデコードされたN*Nの画像データを直接受け取りつつ処理を行って内部メモリに順次格納していく。処理の進行中に現在処理しているブロックの全画像上での位置を確認し、そのブロックで行う補間処理のタイプ(ブロック・タイプ)を識別することで、補間処理を効率的に行う。内部メモリにおいても動的なメモリ管理を行うことにより処理を潤滑に進める。内部のメモリの容量は、補間方法としてバイリニア法を用いる場合は1ブロックライン+1ライン(最近傍法ならば1ブロックライン、3次補間法ならば1ブロックライン+2ライン)で足りる。
【0019】
図3に、解像度変換処理装置4の全体ブロック図を示す。図中、101は隣接点生成装置であり、符号デコード処理装置3より入力されたN*N(図20では2*2)の画像データ(図20ではNOW0,NOW1,NOW2,NOW3)から、隣接する1ライン上のデータ(図20ではラインOLD1,ラインO,ライン1)と、1画素横のデータ(図20ではOLD1,OLD3)を生成する。この隣接点生成装置101については、後に図5を参照して詳しく説明する。
【0020】
図3において、102はパラメータ処理装置であり、隣接点生成装置102より、入力された画像データ(WCOLA,B,C,D)と、隣接する1ライン上のデータ(LOLD1,LWCOL0,LWCOL1)及び1画素横のデータ(OLDB,OLDD)を受け取り、また、MKBTYPE処理装置103より、ブロック・タイプを受け取り、補間処理装置108で必要とする補間点を生成する。このパラメータ処理装置102の処理フローを図6に示す。
【0021】
105は変倍率(拡大率)生成装置であり、変倍(拡大)される画像(ソース画像)のx始点SXS、x終点SXE、Y始点SYS,Y終点SYEの各座標と、変倍後の画像(デイステイネーション画像)のx始点DXS、x終点DXE、Y始点 DYS,Y終点DYEの各座標から、X、Y方向の変倍率(拡大率)RATEX,RATEYを求め、DDA処理装置106へ転送する。この変倍率生成装置105の内部構成を図7に示す。
【0022】
DDA処理装置106は、変倍率生成装置105よりX,Y方向の変倍率とデイステイネーション画像のx始点DXS、Y始点DYSを受け取り、デジタル微分解析(DDA)によって、図14に“○”(拡大された画素)で示されるように、符号デコード処理装置3から入力したN*N画像の変倍後の座標を随時求める。この例では、図20のように補間するため、例えば、X方向にOLD1のX座標をX始点XSとして、NOW0のX座標をX終点XEとして、補間されるX始点、X終点、Y始点、Y終点を求める。求めた座標は、IX,IYカウント装置104と補間係数生成装置107へ転送される。DDA処理装置106の内部構成を図8に示す。
【0023】
IX,IYカウント装置104は、DDA処理装置106から補間するx方向の始点、終点とY方向の始点、終点を受け取り、図14に”△”(補間された画素)で示されるX,Y座標を生成し、それを補間係数生成装置107とMKBTYPE処理装置103へ転送する。
【0024】
MKBTYPE処理装置103は、IX,IYカウント装置104より受け取ったX,Y座標とデイステイネーション画像のx始点DXS、x終点DXE、Y始点 DYS,Y終点DYEの各座標から、画像中での補間する位置を求め、また、図17に示す9種類のブロック・タイプの識別を行い、結果をパラメータ処理装置102へ転送することにより、パラメータ処理装置102における補間点(補間処理装置108に与えられる)の生成を助ける。図9に、MKBTYPE処理装置103の処理フローを示す。
【0025】
補間係数生成装置107は、DDA処理装置106より受け取った補間するx方向の始点、終点とY方向の始点、終点の座標と、IX,IYカウント装置104より受け取った補間する画素のX,Y座標とから、X,Y方向の補間係数(DRATEY,DRATEX)を求め、それを補間処理装置108へ送る。補間係数生成装置107の内部構成を図10に示す。
【0026】
補間処理装置108は、パラメータ処理装置102より補間するデータを受け取り、補間係数生成装置107より補間係数を受け取り、図14に示すように拡大された画素間を補間し埋めることにより拡大画像を生成する処理(変倍処理)を実行する。図11に、この補間処理装置108の内部構成を示す。
【0027】
以上に述べた構成の解像度変換処理装置4の動作を図4に示すフローチャートに沿って説明する。ステップS11において、変倍率(拡大率)生成処理装置105で変倍率(拡大率)を求める。ステップS12において、DDA処理装置106で、Y方向(垂直方向)のDDA処理を行って、処理するY始点YS、Y終点YEを求める。ステップS13において、IX,IYカウント装置104により、処理するY座標(水平ライン)IYにYS座標を指定する。ステップS14において、IX,IYカウント装置104により、処理するX座標をデイステイネーション画像のx始点DXSに初期化する。ステップS15において、DDA処理装置106で、X方向(水平方向)のDDA処理を行い、処理するX始点XS、X終点XEを求める。ステップS16において、IX,IYカウント装置104により、処理するX座標IXにXS座標を指定する。ステップS17において、MKBTYPE生成装置103により、処理するN*Nブロックのタイプを求める。ステップS18において、隣接点生成装置101及びパラメータ処理装置108により、入力されたN*Nの画像から補間に必要なパラメータを生成する。ステップS19において、補間係数生成装置107により、現在処理する座標での補間係数を求める。ステップS20において、補間処理装置108により、拡大された画素間を補間し変倍画像を生成する。ステップS21において、IX,IYカウント装置104により、次に補間するX座標を求める。ステップS22において、そのx座標が補間するX値終点XEを超えていない場合、処理をステップS19に戻す。ステップS23において、XEが変倍されたデイステイネーション画像のx終点DXEを超えていない場合、ステップS15へ処理を戻す。ステップS24において、IX,IYカウント装置104により、次に補間するY座標を求める。ステップS25において、その値が補間するY値終点YEを超えていない場合、ステップステップS14へ処理を戻す。ステップS26において、YEが変倍されたデイステイネーション画像のY終点DYEを超えていない場合、ステップS12へ処理を戻す。
【0028】
以下、解像度変換処理装置4の各部について詳細に説明する。
【0029】
まず、隣接点生成装置101を説明する。隣接点生成装置101は、図20に関連して前述したように、符号デコード処理装置3より入力されたN*N(図20では2*2)の画像に対する補間処理に必要な画素、つまり、入力画像の上の1ライン(もしくは複数ライン)と横の1画素(もしくは複数画素)を生成する装置である。なお、図15のように入力された画素を図16のように補間して変倍する時には、図22に示すように、最初のラインでは入力されたN*N画素をメモリに書き込みながら水平方向に補間演算を行っていき、次からのラインではメモリから入力されたN*Nの画素を順次読み込み次の水平ラインの補間演算を行い、以下同様に最終ラインまで補間していく。同様の処理を次の段のN*N画像にも行っていくことにより、画像全体の補間処理を行うことができる。これを考慮し、隣接点生成装置101は図5のような構成とされている。
【0030】
図5において、201は符号デコード処理装置3より入力されたN*N画素(ここでは2*2)を格納するレジスタである。202はマルチプレクサであり、最初のラインではレジスタ201内のN*N画素(ここでは2*2)を選択し、次のラインからはラインメモリ205に格納された値を選択する働きをする。
【0031】
203はマルチプレクサであり、ラインメモリ(A,B,C)205に格納するデータを選択する働きをする。例えば、今入力された2ラインの各2*2画像データA,B,C,Dが図24のような配置であるとする。上側ラインのすべてのデータA,BをラインメモリAに格納し、下側ラインのすべてのデータC,Dをラインメモリ(B)に格納する。そして、次の2ラインの各2*2画像データが来た時に、ラインメモリ(B)の内容(1つ前のラインのデータC,D)をそのまま保持させ、ラインメモリ(A)に上側ラインのすべてのデータA,Bを格納し、ラインメモリ(C)に下側ラインのすべてのデータC,Dを格納する。そして、次の2ラインの各2*2画像データが来た時に、ラインメモリ(C)の内容(1つ前のラインのデータC,D)はそのまま保持し、ラインメモリ(A)に上側ラインのすべてのデータA,Bを格納し、ラインメモリ(B)に下側ラインのすべてのデータC,Dを格納する。このような制御によって、ラインメモリ205が有効活用される。
【0032】
204はラインメモリ205のアドレスを生成するラインメモリアドレス生成処理装置である。206はラインメモリ205の出力データを選択するためのマルチプレクサである。207はレジスタであり、図20のラインOLD1のデータを格納するために用いられる。208はレジスタであり、図20のOLD1,OLD3に対応するデータを格納するために用いられる。
【0033】
次に、MKBTYPE処理装置103について説明する。そのフローを図9に示す。MKBTYPE処理装置103は、前述したように、IX,IYカウント装置104より受け取ったX,Y座標とデイステイネーション画像のx始点DXS、x終点DXE、Y始点DYS,Y終点DYEの各座標から、画像中での補間する位置を求め、また、図17に示す9種類のブロック・タイプA〜Iの識別を行い、結果をパラメータ処理装置102へ転送することにより、パラメータ処理装置102における補間点の生成を助ける。この9種類のブロック・タイプは、図18に示すように、その画像の画素がX,Y方向にそれぞれ奇数個あるか、偶数個あるかによって決まる。図18の例(1)では、X,Y方向ともに画素が偶数個あるためA、B,D,Eのタイプしかないが、例(2)ではX,Y方向とも画素数は奇数個なので9種類存在する。Y方向に考えた場合、タイプA,B,Cは1番上位ラインのみのブロックであり、G,H,IはY方向に画素が奇数個の場合の最終ラインのブロックである。したがって、D,E,Fがほぼ全体をしめる中間のブロックである。X方向に考えた場合、タイプA,D,Gは左辺のブロックの画像であり、C,F,Iは右辺のブロックの画像であり、B,E,Hはその他のほぼ全体をしめる中間のブロックである。図19及び図21に各タイプのブロックの例を示す。各ブロックはN*N(この例では2*2)を中心に隣り合うブロック間を補間するものである。図21は図19を見やすくしたものである。
【0034】
図9に示したフローにおけるステップS200〜S211では、現在処理中のブロックのX,Y座標が、X方向、Y方向のそれぞれについて、画像の中で最初であるか、最終であるかのフラグを立てる。そして、これらフラグの組み合わせに基づいて、ステップS212〜S229で9種類のタイプを割り当てる。
【0035】
次にパラメータ処理装置102について説明する。その処理フローを図6に示す。パラメータ処理装置102は、前述のように、隣接点生成装置101より、入力された画像データ(WCOLA,B,C,D)、隣接する1ライン上のデータ(LOLD1,LWCOL0,LWCOL1)及び1画素横のデータ(OLDB,OLDD)を、MKBTYPE処理装置103より補間するデータのブロック・タイプをそれぞれ受け取って、補間処理装置108が必要とする補間点を生成するものであり、図19のようにタイプ分けすることにより、補間処理装置108が必要とする補間データを抽出する。
【0036】
必要な補間データは、タイプAでは図20のNOW0,NOW1,NOW2,NOW3のみであり、タイプBでは図20のOLD1,NOW0,OLD3,NOW2とNOW0,NOW1,NOW2,NOW3であり、タイプCでは図20OLD1,NOW0,OLD3,NOW2のみであり、タイプDでは図20のライン0、ライン1、NOW0、NOW1とNOW0、NOW1、NOW2、NOW3であり、タイプEでは図20のラインOLD1、ライン0、OLD1、NOW0と、ライン0、ライン1、NOW0、NOW1と、OLD1,NOW0,OLD3,NOW2と、NOW0,NOW1,NOW2,NOW3の4つの場合があり、タイプFでは図20のラインOLD1、ライン0、OLD1、NOW0と、OLD1、NOW0、OLD3、NOW1であり、タイプGでは図20のライン0、ライン1、NOW0、NOW1のみであり、タイプHでは図20のラインOLD1、ライン0、OLD1、NOW0と、ライン0、ライン1、NOW0、NOW1であり、タイプIでは図20のラインOLD1、ライン0、OLD1、NOW0である。このように抽出するデータはタイプで異なり、また、現在処理中のライン(Y座標)やx座標により、各タイプの持つブロックを上/下、左/右の条件で選択する。
【0037】
図6について説明する。なお、UCFLは図20の例での上/下の区別を表すフラグであり、UCFL=0で上を表し、UCFL=1で下を表す。また、LRFLは図20の例では左/右の区別を表すフラグであり、LRFL=0で左、LRFL=1で右を表す。
【0038】
ステップS101で、現在の補間処理が上下のどちらかを判断する。上の場合はステップS102へ、下の場合はステップS109へ進む。ステップS102で、BTYPEがD又はGであればステップS103の処理を選択する。ステップS103で、図20の右上を補間するパラメータの4点を求める。ステップS104で、BTYPEがF又はIであればステップS105の処理を選択する。ステップS105で、図20の左上を補間するパラメータの4点を求める。ステップS106で、現在の補間処理が左であり、BTYPEがE又はHであれば、ステップS107の処理を選択する。ステップS107で、図20の左上を補間するパラメータの4点を求める。ステップS108で、現在の補間処理が右であり、BTYPEがE又はHであれば、図20の右上を補間するパラメータの4点を求める。ステップS109で、BTYPEがA又はDであればステップS110の処理を選択する。ステップS110で、図20の右下を補間するパラメータの4点を求める。ステップS111で、BTYPEがC又はFであればステップS112の処理を選択する。ステップS112で、図20の左下を補間するパラメータの4点を求める。ステップS113で、現在の補間処理が左であり、BTYPEがB又はEであれば、ステップS114の処理を選択する。ステップS114で、図20の左下を補間するパラメータの4点を求める。ステップS115で、現在の補間処理が右であり、BTYPEがB又はEであれば図20の右下を補間するパラメータの4点を求める。
【0039】
次に変倍率(拡大率)生成装置105を説明する。変倍率(拡大率)生成装置105は、図7に示す構成であり、変倍されるソース画像のx始点SXS、x終点SXE、Y始点SYS,Y終点SYEと、変倍後のデイステイネーション画像のx始点DXS、x終点DXE、Y始点DYS,Y終点 DYEから、RATEX=(SXE-SXS)/(DXE-DXS)の演算によりX方向の変倍率(RATEX)を求め、RATEY=(SYE-SYS)/(DYE-DYS)の演算によりY方向の変倍率(RATEY)を求める。
【0040】
図7において、301、302、303及び304はマルチプレクサであり、Y方向変倍率を求めるためのY座標データを選択し、X方向変倍率を求めるX座標データを選択する。305及び306は減算器である。307は除算器である。309はX方向変倍率(RATEX)を格納するためのレジスタ、310はY方向変倍率(RATEY)を格納するためのレジスタである。
【0041】
次にDDA処理装置106について説明する。DDA処理装置106は、前述のように、X,Y方向の変倍率と、デイステイネーション画像のx始点DXS、Y始点DYSを受け取り、図14の”○”(拡大された画素)のような変倍後の画素の座標をDDAにより求める。この例では図20のように補間するため、例えば、X方向にOLD1のX座標をX始点XSとして、NOW0のX座標をX終点XEとして、補間されるX始点、X終点、Y始点、Y終点を求める。DDA処理装置106は、図8に示すように、現在のX座標にX方向変倍率RATEXを順次加算していくX方向DDA処理部(401〜406)と、現在のY座標にY方向変倍率RATEYを順次加算していくY方向DDA処理部(407〜412)とからなる。
【0042】
図8において、401はマルチプレクサであり、最初のみレジスタ402にデイステイネーション画像のx始点DXSの初期値を転送し、その後は、順次加算されていく加算器404の出力をレジスタ402に送る。レジスタ402には現在処理中のX値が格納される。403はレジスタであり、変倍率生成装置105で求めたX方向変倍率RATEXを格納する。405は補間するX終点を格納するためのレジスタである。406は補間するX始点を格納するためのレジスタである。407はマルチプレクサであり、最初のみレジスタ408に、デイネーション画像のY始点DYSの初期値を転送し、その後は加算器410の出力を送る。408は現在処理中のY値を格納するレジスタである。409はレジスタであり、変倍率生成装置105で求めたY方向変倍率RATEYを格納する。411は補間するY終点を格納するレジスタである。412は補間するY始点を格納するレジスタである。
【0043】
次に補間係数生成装置107について説明する。この補間係数生成装置107は、図10に示す構成であり、DDA処理装置106より受け取ったX方向の始点、終点の座標とY方向の始点、終点の座標、IX,IYカウント装置104から受け取ったX,Y座標から、DRATEX=(IX‐XS)/(XE-XS)の演算によりX方向の補間係数(DRATEX)を、DRATEY=(IY‐YS)/(YE-YS)の演算によりY方向の補間係数(DRATEY)をそれぞれ求める。図22に示すように、補間係数を順次水平ラインごとに求めるのでY方向補間係数(DRATEY)の演算は各ラインで1回のみ行えばよいため、必要演算量が少なく、ハードウエア量の減少、処理の高速化に有利である。
【0044】
図10において、501、502及び503はマルチプレクサであり、Y方向補間係数を求めるためのY座標データを選択し、X方向の補間係数を求めるためのX座標データを選択する。504及び505は減算器であり、506は除算器である。507はX方向の補間係数(DRATEX)を格納するレジスタである。508はY方向の補間係数(DRATEY)を格納するレジスタである。
【0045】
補間処理装置108は、図11に示す構成であり、バイリニア補間法による補間処理を実行する。ここでは、図22に示すように各ラインを水平方向に順次補間していくため、図23に示すように、(1)A,C間とB,D間を垂直に補間し、AV,BVを求め、その後、(2)AV,BV間を水平に補間し、Pを求める。この場合、求めたBVを次のAVとして再利用することが可能であり、補間演算の減少へつながり、かつハードウエア量の減少とスピードの高速化を達成できる。
【0046】
図11において、601及び602は減算器であり、垂直方向の差分を求める。603及び604は乗算器であり、補間係数(DRATEY)により、その差分の現在のライン(Y座標)の位置の差分値を求める。605及び606は加算器であり、乗算器603,604で求めた差分に始点の値を加えることにより、垂直補間されたAV,BV(図23)を求める。607及び608は、そのAV,BVを格納するレジスタである。609は減算器であり、レジスタ607,608に格納されたAV,BVの差分を求める。610は乗算器であり、その差分と補間係数(DRATEX)の乗算により現在のX座標の位置の差分値を求める。611は加算器であり、乗算器610で求め求めた差分値に始点の値を加えることにより、水平補間されたP(図23)を求める。この補間された値はレジスタ612に格納される。
【0047】
以上に説明したように、この画像処理装置においては、(1)符号デコード処理装置3はデコード後の画像データをメモリに保存することなく直接的に解像度変換処理装置4へ転送することが可能であるため、メモリコストを削減できるとともに、メモリアクセスの低減から無駄なアイドルタイムが発生せず処理のスピードアップが可能である。(2)また、解像度変換処理装置4から水平ライン方向に補間されたデータが出力されていくため、そのデータを直接メモリに書き込む場合には、SDRAMのようにバースト書き込み可能なメモリを用いれば、アイドルタイムが少なくなり高速化が可能である。(3)解像度変換処理装置4の後でジャギをなくすために高次のフィルターをかけることがあるが、その場合も水平ラインごと出力されるデータはフィルター処理を行いやすい。(4)解像度変換処理装置4において、符号デコード処理装置3よりN*Nの画像の受け取りと同時に補間処理と内部メモリへの格納が可能であるため、処理がシンプルであり、かつ、並列処理により高速化が可能である。(5)解像度変換処理装置4において水平方向に補間したデータを順次出力するため、補間処理装置108で垂直補間時処理結果を使い回しすることが可能となり処理の高速化が可能である。(6)解像度変換処理装置において水平方向に順次処理が進むため、DDAにより変倍後の座標を計算可能であり、これも処理の高速化に有利である。
【0048】
【発明の効果】
以上の詳細な説明から明らかなように、本発明の画像処理装置は、符号デコード処理手段と解像度変換処理手段との間の中間メモリが不要で、解像度変換処理手段の内部メモリの容量も極めて小さくできるため、メモリコストを大きく削減することができ、かつ、符号デコード処理手段と解像度変換処理手段はウェイト時間を要することなくデコード処理と解像度変換処理をリアルタイムで高速に行うことができる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像処理装置の全体構成例を示すブロック図である。
【図2】 符号デコード処理のフローチャートである。
【図3】 解像度変換処理装置のブロック図である。
【図4】 解像度変換処理のフローチャートである。
【図5】 隣接点生成装置のブロック図である。
【図6】 パラメータ処理装置のフローチャートである。
【図7】 拡大率生成装置のブロック図である。
【図8】 DDA処理装置のブロック図である。
【図9】 MKBTYPE処理装置のフローチャートである。
【図10】 補間係数生成装置のブロック図である。
【図11】 補間処理装置のブロック図である。
【図12】 逆ウェーブレット変換の説明図である。
【図13】 逆ウェーブレット変換の演算の説明図である。
【図14】 変倍画像の説明図である。
【図15】 入力される画像データの説明図である。
【図16】 補間の説明図である。
【図17】 ブロック・タイプの説明図である。
【図18】 ブロック・タイプと画素配置の関係の説明図である。
【図19】 画像上でのブロック・タイプ及び補間を説明するための図である。
【図20】 入力画像データの隣接データの説明図である。
【図21】 図19を見やすく展開した図である。
【図22】 補間処理装置の補間処理の説明図である。
【図23】 バイリニア補間法による補間処理の説明図である。
【図24】 隣接点生成装置のラインメモリへのデータ格納の説明のための図である。
【図25】 従来技術を示すブロック図である。
【図26】 従来技術を示すブロック図である。
【図27】 従来技術を示すブロック図である。
【符号の説明】
3 符号デコード処理装置
4 解像度変換処理装置
101 隣接点生成装置
102 パラメータ処理装置
103 MKBTYPE処理装置
104 IX,IYカウント装置
105 変倍率生成装置
106 DDA処理装置
107 補間係数生成装置
108 補間処理装置
205 ラインメモリ
Claims (1)
- 2×2画像の符号をデコードして2×2画像データを出力する符号デコード処理手段と、
前記符号デコード処理手段よりメモリを経由せず直接的に順次入力される2×2画像データに対し2次元の変倍処理を行い、変倍画像の各ラインのデータを順次出力する解像度変換処理手段とを有し、
前記解像度変換処理手段は、
前記符号デコード処理手段より順次入力された上下2ライン(以下、現ラインと記す)の各2×2画像データ(以下、現ラインデータと記す)と、該現ラインデータより前に入力済みの該現ラインの直前の上下2ラインの各2×2画像データのうちの下側ラインのデータとを内部メモリに一時的に記憶する手段を備えることにより、該現ラインデータ中の各2×2画像データとその所定の隣接画素のデータとを繰り返し出力する第1の手段と、
前記第1の手段により出力されたデータから変倍処理のための水平補間又は垂直補間に必要なデータを選択する第2の手段と、
前記第2の手段により選択されたデータを用いて水平補間を行うことにより、又は、前記第2の手段により選択されたデータを用いて垂直補間を行い、その結果を用いて水平補間を行うことにより、変倍画像の各ラインのデータを生成する第3の手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
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