JP4622933B2 - 表面検査方法及び表面検査装置 - Google Patents
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また、これを応用した装置として、照明光を予め偏光させておき、繰り返しパターンで生じた正反射光の特定の偏光成分によって基板の画像を形成するものも提案されている(特許文献2等を参照)。この装置では、正反射光の偏光状態が繰り返しパターンの構造性複屈折により変化し、その変化量が繰り返しパターンの形状に依存するという現象を利用している。このような装置は、繰り返しパターンのピッチと比較して照明光の波長が長くても検査が可能という利点がある。
そこで本発明は、確実に良好な検査を行うことのできる表面検査方法、及びそれに好適な表面検査装置を提供することを目的とする。
なお、前記複数の前記パターンには、フォーカス状態の好ましい露光条件で設けられたジャストフォーカスパターンと、フォーカス状態のずれた露光条件で設けられたデフォーカスパターンとが含まれ、前記データには、前記ジャストフォーカスパターンと前記デフォーカスパターンとの間における前記反射信号の差が反映されてもよい。
また、前記複数の前記パターンには、フォーカス状態の好ましい露光条件で設けられたジャストフォーカスパターンと、フォーカス状態がプラス側にずれた露光条件で設けられた第1デフォーカスパターンと、フォーカス状態がマイナス側にずれた露光条件で設けられた第2デフォーカスパターンとが含まれ、前記データには、前記ジャストフォーカスパターンと前記第1デフォーカスパターンとの間における前記反射信号の差と、前記ジャストフォーカスパターンと前記第2デフォーカスパターンとの間における前記反射信号の差とが反映されてもよい。
前記複数のパターンには、フォーカス状態の異なる複数の前記デフォーカスパターンが含まれ、前記データには、前記複数のパターンの前記反射信号の全体へ重畳した周期的なノイズの程度が反映されてもよい。
また、前記制御部は、前記決定された検査用の波長の情報を記憶してもよい。
本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態は、表面検査装置及びそれを用いた表面検査方法の実施形態である。
先ず、表面検査装置の構成を説明する。
図1に示すように、表面検査装置10には、被検ウエハ20を支持するステージ11、アライメント系12、照明系13、受光系14、制御演算装置15、画像表示装置16、入力器17などが備えられる。
波長選択部32には、光源31からの光を平行光束に変換するコリメータレンズ25と、その平行光束に対し透過波長域の異なる複数の波長選択フィルタF1,F2,F3,F4,F5,F6を選択的に挿入するターレット12bと、ターレット12bを通過した平行光束をライトガイドファイバ33の入射端へ集光する集光レンズ26と、ターレット12bを回転させるモータ23cとを備える。そのモータ23cが駆動されると、ライトガイドファイバ33の入射端へ入射する光の波長が切り替わる。なお、光源31の輝線スペクトルと波長選択フィルタフィルタF1,F2,F3,F4,F5の透過波長域については、後述する。
被検ウエハ20の表面には、図2に示すように、複数のショット領域21がXY方向に配列され、各ショット領域21の中に、共通のパターンが形成されている。図2では、各ショット領域21の中に1種類の繰り返しパターン22のみが形成された例を示した。繰り返しパターン22は、複数のライン部がその短手方向(X方向)に沿って一定のピッチで配列されたレジストパターン(例えば配線パターン)である。本明細書では、そのピッチ方向(図2ではX方向)を、「繰り返し方向」という。
ここでは、波長選択部32の光源31として水銀ランプが使用された場合を説明する。その場合、光源31の輝線スペクトルは、図4に示すとおり、波長λ1=248nm、波長λ2=313nm、波長λ3=365nm、波長λ4=405nm、波長λ5=436nm、波長λ6=546nmの各波長成分を持つ。
なお、波長選択部32のターレット12bの回転位置は、不図示のアブソリュートロータリーエンコーダなどによって検出され、その検出信号は制御演算装置15へと与えられる。したがって、制御演算装置15は、その検出信号から設定中の照明波長を認識することができる。
ここでは、デフォーカス欠陥に関する表面検査を想定し、その表面検査に最適な照明波長を検査波長として設定する場合を説明する。また、簡単のため、図2に示すとおり、被検ウエハ20の各ショット領域21の中には1種類の繰り返しパターン22のみが形成されているものとする。
検査者は、以上のテストウエハ20Tを、被検ウエハ20と同様に表面検査装置10(図1)へセットすると共に、そのテストウエハ20Tに関するテストウエハ情報を、入力器17を介して制御演算装置15へ入力する。なお、このテストウエハ情報には、本実施形態で利用しないショット領域に関する情報については含まれていなくても構わない。
図6は、検査波長の設定に関する制御演算装置15の動作フローチャートである。図6に示すとおり、制御演算装置15は、先ず、表面検査装置10の照明波長をλ1に設定し(ステップS1)、その状態で表面検査装置10を駆動し、テストウエハ20Tの反射画像を取得する(ステップS2)。続いて、制御演算装置15は、表面検査装置10の照明波長をλ2に切り替え(ステップS4)、同様にテストウエハ20Tの反射画像を取得する(ステップS2)。さらに、制御演算装置15は、照明波長をλ3,λ4,λ5,λ6に設定した各状態でも、テストウエハ20Tの反射画像を取得する(ステップS4→S2→S3のループ)。そして、全波長による反射画像の取得が完了すると(ステップS3yes)、制御演算装置15は検査波長を決定し(ステップS5)、決定した検査波長を検査レシピへ登録する(ステップS6)。このうち、ステップS1〜S4の処理がテスト測定である。
検査波長の決定(S5):
図7は、テスト測定により取得された反射画像I1,I2,…,I6の概念図である。反射画像Iiは、波長λiの下で取得した反射画像である。反射画像I1,I2,…,I6には、上述したショット領域21Tの像(ショット領域像)21T’が写っている。また、符号G’で示すのは、上述したショット領域群Gの像(ショット領域群像)である。本ステップS5では、このような反射画像I1,I2,…,I6の各々から個別に評価値E1,E2,…,E6を算出する。評価値Eiは、反射画像Iiに関する評価値であって、波長λiの下で得られる感度カーブの評価値である。
E1=(a0−a-2)+(a0−a+2) …(1)
式(1)の右辺の第一項(a0−a-2)は、波長λ1の下で得られる感度カーブ(図3)のマイナス側の傾き量を簡易的に表しており、第二項(a0−a+2)は、波長λ1の下で得られる感度カーブ(図3)のプラス側の傾き量を簡易的に表している。よって、仮に、波長λ1の下で得られる感度カーブ(図3)の傾きが急峻ならば、第一項(a0−a-2)及び第2項(a0−a+2)は、共に大きな値を採る。一方、波長λ1の下で得られる感度カーブ(図3)の傾きが緩やかならば、第一項(a0−a-2)及び第2項(a0−a+2)は、共に小さな値を採る。したがって、この評価値E1が大きければ、波長λ1によって良好な感度カーブが得られるものと判断して差し支え無い。
制御演算装置15は、その検査波長の情報を被検ウエハ20の検査レシピへ登録する。検査レシピは、制御演算装置15の記憶部等に格納されており、例えば、図9に示すように、被検ウエハ20のウエハIDの項目や、被検ウエハ20の品種の項目や、被検ウエハ20が有する繰り返しパターン22の方向性の項目や、被検ウエハ20の表面検査に適した照明光量(検査光量)の項目などを有し、本実施形態では、これらの項目に加えて、点線で囲ったとおり、検査波長の項目が設けられる。検査波長の登録が完了した時点で、制御演算装置15は、登録後の検査レシピのイメージを画像表示装置16へ表示する。例えば、決定された検査波長がλ4であった場合、表示画面上では、「405nm」などの数値イメージが表示される。これによって、検査波長の決定(条件出し)が完了する。
また、本実施形態の制御演算装置15は、評価値Eiの算出に、ドーズ欠陥量がゼロであり、かつデフォーカス量の異なる複数のショット領域像21T-2’,21T0’21T+2’(図8)を利用したので、デフォーカス欠陥の検査に適した検査波長を、確実に設定することができる。
なお、本実施形態の制御演算装置15は、評価値Eiの算出に用いるショット領域像を、3つのショット領域像21T-2’,21T0’,21T+2’のみに制限したが、2つのショット領域像(21T-2’,21T0’,又は、21T+2’,21T0’)のみに制限してもよい。このように、利用するショット領域像の数をさらに制限すれば、演算量をさらに抑えることができる。因みに、その場合、式(1)の代わりに以下の式(2)又は式(3)が用いられる。
E1=a0−a+2 …(3)
また、本実施形態の表面検査装置10では、水銀ランプの輝線スペクトルに合わせて6種類の波長選択フィルタF1,F2,…,F6が使用されたが、その数は6種類に限定されることは無い。検査波長の設定を詳細に行う場合には、波長選択フィルタの数は多いことが望ましく、検査波長の設定を高速に行う場合には、波長選択フィルタの数は少ないことが望ましい。
また、本実施形態の表面検査装置10では、複数の波長選択フィルタの切り替えを、ターレット12b(回転機構)により行ったが、他の機構(スライド機構など)により行ってもよい。さらに、波長の切り替えは、波長選択フィルタの切り替え以外の方法で行っても構わない。
また、本実施形態の表面検査装置10では、直線偏光L1をp偏光としたが、本発明はこれに限定されない。p偏光ではなくs偏光にしても良い。因みに、p偏光は、繰り返しパターン22のエッジ形状に関わる欠陥情報を取得するのに有利であり、s偏光は、被検ウエハ20の表面の欠陥情報を効率よく捉えて、SN比を向上させるのに有利である。
本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態は、表面検査装置の実施形態である。ここでは、第1実施形態との相違点のみ説明する。相違点は、制御演算装置15による評価値E1,E2,…,E6の算出方法にある。なお、ここでは、テストウエハ10Tのショット領域Gに11種類のショット領域21Tが配列された場合を説明する。
参照した輝度値a-5,…,a0,…,a+5に基づき、制御演算装置15は、例えば、以下の式(4)により評価値E1を算出する。
+(a0−a+1)+(a+1−a+2)+…+(a+4−a+5) …(4)
式(4)の右辺前半の各項は、波長λ1の下で得られる感度カーブ(図3)のマイナス側の各位置の傾き量を表しており、後半の各項は、波長λ1の下で得られる感度カーブ(図3)のプラス側の各位置の傾き量を表している。
以上、本実施形態の評価値Eiには、感度カーブ(図3)の大凡の傾き量ではなく、感度カーブ(図3)の各位置の傾き量が反映されるので、第1実施形態よりもさらに確実に感度カーブの良否を評価することができる。したがって、本実施形態によれば、検査波長の決定精度がさらに高まる。
本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態は、表面検査装置の実施形態である。ここでは、第1実施形態との相違点のみ説明する。相違点は、テスト測定終了後の制御演算装置15の動作にあり、検査波長の決定を検査者に行わせる点にある。なお、ここでは、第2実施形態と同じテストウエハが用いられた場合を説明する。
図12は、反射画像I1から感度カーブC1を抽出する処理(ステップS5A)を説明する図である。本ステップでは、制御演算装置15は、図12(A)に示す反射画像I1のうち、ショット領域像21T-5’,…,21T0’,…,21T+5’の各々の輝度値a-5,…,a0,…,a+5を参照する。輝度値ajは、ショット領域像21Tj’の平均輝度値である。そして、制御演算装置15は、図12(B)に示すとおり、それら輝度値a-5,…,a0,…,a+5をデフォーカス量との関係で表す曲線(折れ線)のイメージを作成し、それを波長λ1の感度カーブC1のイメージとする。図12(B)の横軸はデフォーカス量を示し、縦軸は輝度値を示す。
その後、制御演算装置15は、作成した感度カーブC1,…,C6のイメージを、図13に示すとおり、画像表示装置16へ並べて表示する。このとき、画像表示装置16上には、感度カーブC1,…,C6のイメージと共に、「波長選択画面」などの文字イメージ61や、カーソル62なども配置されている。これらのイメージにより、検査者は、画像表示装置16上で何れかの感度カーブを選択するよう促される。
したがって、検査者は、この画像表示装置16上で、全波長の感度カーブの中から最も良好な感度カーブ(図13では感度カーブC3)を即座に見出すことができる。操作者が入力器17を操作し、画像表示装置16上で感度カーブC3を選択すると、制御演算装置15は、表示画面を不図示の確認画面へ切り替え、それに対応する波長λ3(ここでは、365nm)を登録するか否かを検査者に確認させた上で、その波長λ3(365nm)を検査波長として第1実施形態と同様に検査レシピへ登録する。
[その他]
なお、第1実施形態及び第2実施形態の制御演算装置15は、評価値Eiの算出式として式(1),(2),(3),(4)の何れかを用いたが、感度カーブ(図3)の良否を示す評価値が得られるのであれば、他の算出式を用いてもよい。また、例えば、制御演算装置15は、複数のショット領域像の輝度値を関数近似することにより感度カーブを算出し、その感度カーブの傾きの変化の仕方によって評価を行ってもよい。
Claims (7)
- 被検基板上に露光により設けられたパターンを偏光した照明光で照明すると共に、そこで生じた正反射光の偏光状態を示す反射信号を取得し、その反射信号に基づき前記被検基板の検査を行う表面検査方法であって、
前記被検基板の検査に先立ち、
露光条件の異なる複数の前記パターンが形成されたテスト基板を前記被検基板の代わりにセットし、前記照明光の波長を切り替えながら、前記テスト基板の前記反射信号を繰り返し取得することにより、前記複数のパターン間における前記反射信号のばらつきを示すデータを波長毎に求め、そのデータに基づき前記被検基板の検査用の波長を決定する
ことを特徴とする表面検査方法。 - 前記複数のパターンには、フォーカス状態の好ましい露光条件で設けられたジャストフォーカスパターンと、フォーカス状態のずれた露光条件で設けられたデフォーカスパターンとが含まれ、
前記データには、前記ジャストフォーカスパターンと前記デフォーカスパターンとの間における前記反射信号の差が反映される
ことを特徴とする請求項1に記載の表面検査方法。 - 前記複数のパターンには、フォーカス状態の好ましい露光条件で設けられたジャストフォーカスパターンと、フォーカス状態がプラス側にずれた露光条件で設けられた第1デフォーカスパターンと、フォーカス状態がマイナス側にずれた露光条件で設けられた第2デフォーカスパターンとが含まれ、
前記データには、前記ジャストフォーカスパターンと前記第1デフォーカスパターンとの間における前記反射信号の差と、前記ジャストフォーカスパターンと前記第2デフォーカスパターンとの間における前記反射信号の差とが反映される
ことを特徴とする請求項2に記載の表面検査方法。 - 前記複数のパターンには、フォーカス状態の異なる複数の前記デフォーカスパターンが含まれ、
前記データには、前記複数のパターンの前記反射信号の全体へ重畳した周期的なノイズの程度が反映される
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の表面検査方法。 - 被検基板上に露光により設けられたパターンを偏光した照明光で照明すると共に、そこで生じた正反射光の偏光状態を示す反射信号を生成する測定光学系と、
前記測定光学系から前記被検基板の前記反射信号を取得し、その反射信号に基づき前記被検基板の検査を行う制御部とを備え、
前記測定光学系は、
前記照明光の波長を切り替えることが可能であり、
前記制御部は、
前記被検基板の検査に先立ち、
露光条件の異なる複数の前記パターンの形成されたテスト基板が前記被検基板の代わりにセットされた状態で、前記照明光の波長を切り替えながら、前記テスト基板の前記反射信号を繰り返し取得することにより、前記複数のパターン間における前記反射信号のばらつきを示すデータを波長毎に求め、そのデータに基づき前記被検基板の検査用の波長を決定する
ことを特徴とする表面検査装置。 - 被検基板上に露光により設けられたパターンを偏光した照明光で照明すると共に、そこで生じた正反射光の偏光状態を示す反射信号を生成する測定光学系と、
前記測定光学系から前記被検基板の前記反射信号を取得し、その反射信号に基づき前記被検基板の検査を行う制御部とを備え、
前記測定光学系は、
前記照明光の波長を切り替えることが可能であり、
前記制御部は、
前記被検基板の検査に先立ち、
露光条件の異なる複数の前記パターンの形成されたテスト基板が前記被検基板の代わりにセットされた状態で、前記照明光の波長を切り替えながら、前記テスト基板の前記反射信号を繰り返し取得することにより、前記複数のパターン間における前記反射信号のばらつきを示すデータを波長毎に求め、そのデータを波長毎に検査者へ呈示し、前記被検基板の検査用の波長を示すデータの入力を受け、前記検査用の波長を決定する
ことを特徴とする表面検査装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の表面検査装置において、
前記制御部は、
前記決定された検査用の波長の情報を記憶する
ことを特徴とする表面検査装置。
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