JP4622849B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法又は静電記録法等による画像形成方法に関する。特に、透明被記録材にトナー画像を形成する方法に関する。
近年の電子写真技術の発達に伴い、透明フィルム上にOHP投影用の白黒又はカラー画像を形成するに際しても、電子写真法が用いられるようになってきた。この方法では、種々の製造元より提供される電子写真装置により透明フィルム上に黒色および有彩色のトナーが所望のパターンに応じて付着され、白黒又はカラー画像等が簡便に提供される。
乾式現像方式を有する電子写真方式を用いて、光透過性シート上にカラートナー画像又は、フルカラートナー画像の如きカラー画像を形成すると、光透過性シート上のカラー画像は十分な発色性を示しているにもかかわらず、OHP装置を用いてこれらのカラー画像を投影した場合には、投影画像は全体にグレーがかった色調を示すものとなり、色調再現範囲が非常に狭いものとなる現象が生じている。この現象は、平滑な光透過性シート上に形成された未定着のトナー画像が定着時の加熱によって十分流動されず、粒状性が残留しているために、投影時に入射光が散乱され、スクリーン上に陰影を形成する結果生じると考えられる。特に、画像濃度が低い中間色調部分において、再現されるべきカラー色調が灰色がかってしまう現象が生じる。
これに対し、普通紙の如き記録材上に形成されたトナー画像を目視する場合には、定着されたトナー画像に照射された光の反射画像を目視しているため、トナー表面に多少粒状性が残っていても画質への影響は少ない。しかし、OHP装置の様に透過光でトナー画像を観察またはスクリーンに投影する場合には、トナー粒子に起因する残留形状が明白であると、光の散乱により、透光性が悪化して色調が灰色がかってしまう。したがって、OHP装置に用いる被記録材は、カラー画像定着後のトナーの粒状性を減少させ、透光性を向上させる効果を持つことが要求される。
定着後のトナーの粒状性を減少させ、透光性を向上させる手段としては、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、トナー粒子を定着時の熱と圧力によりトナー受容層中に埋没させる手法が用いられている。このとき、トナー受容層に定着時の熱と圧力により十分に可塑化しない樹脂を用いると、トナー粒子の受容層に対する侵入が極めて少なくなり、投影画像がグレーの色調を示すようになる。
また、特許文献3において、受容層にワックスを添加することで、可塑化する樹脂の離型性を確保して、トナーの埋め込みを促進することで、投影画像のグレーの色調を除去することが提案されている。
しかしながら、上記方法においても投影画像の灰色がかった色調を除去することは十分ではなく、トナーと受容層が十分に相溶しないために、複数のトナーを積層した場合にトナーと受容層の間に界面を生じ、投影画像の色調が散乱によって、灰色の色調が残る場合があった。
特開平2−263642号公報 特開平7−199515号公報 特開平11−65156号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、光透過性被記録材にカラー色調の良好な画像を形成する画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の<1>の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>と共に以下に記載する。
<1> 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記トナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、前記被転写体は、光透過性被記録材であり、前記光透過性被記録材は、光透過性基体及びその上に形成されたトナー受容層を有し、前記トナーの製造方法は、ポリカルボン酸及びポリオールを含む重縮合性単量体を界面活性効果を有する酸を触媒として水系媒体中で重縮合して結着樹脂粒子分散液を得る工程、及び、前記結着樹脂粒子分散液を使用してトナーを得る工程を含み、前記結着樹脂粒子がメジアン径0.05μm以上2.0μm以下で分散していることを特徴とする画像形成方法、
<2> 前記トナー受容層に占めるワックス成分の割合が、単位面積当たり70%以上である<1>に記載の画像形成方法。
本発明によれば、光透過性被記録材にカラー色調の良好な画像を形成する画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記トナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、前記被転写体は、光透過性被記録材であり、前記光透過性被記録材は、光透過性基体及びその上に形成されたトナー受容層を有し、前記トナーの製造方法は、ポリカルボン酸及びポリオールを含む重縮合性単量体を界面活性効果を有する酸を触媒として水系媒体中で重縮合して結着樹脂粒子分散液を得る工程、及び、前記結着樹脂粒子分散液を使用してトナーを得る工程を含み、前記結着樹脂粒子がメジアン径0.05μm以上2.0μm以下で分散していることを特徴とする。
本発明において、結着樹脂粒子分散液をポリカルボン酸及びポリオールを含む重縮合性単量体を界面活性効果を有する酸を触媒として水系媒体中で重縮合し、かつ、結着樹脂粒子のメジアン径を0.05μm以上2.0μm以下とすることにより、トナーとトナー受容層の良好な相溶性が得られ、投影画像の灰色の色調を除去することができる。
(トナー)
本発明において、トナーの製造方法は、ポリカルボン酸及びポリオールを含む重縮合性単量体を界面活性効果を有する酸を触媒として水系媒体中で重縮合して結着樹脂粒子分散液を得る工程、及び、前記結着樹脂粒子分散液を使用してトナーを得る工程を含み、前記結着樹脂粒子はメジアン径0.05μm以上2.0μm以下で分散している。
<結着樹脂>
本発明において、トナーの結着樹脂は、少なくともポリカルボン酸及びポリオールを含む重縮合性単量体を水系媒体中で重縮合したポリエステル樹脂を含む。
本発明において、ポリカルボン酸は、脂肪族、脂環族、芳香族の多価カルボン酸、それらのアルキルエステルを含み、ポリオールは、多価アルコール、それらのエステル化合物、ヒドロキシカルボン酸などを含む。ポリエステル樹脂は、重縮合性単量体を用いた直接エステル化反応、エステル交換反応等により重縮合を行い作製することができる。
重縮合に用いる単量体として用いられるポリカルボン酸は、1分子中にカルボキシル基を2個以上含有する化合物である。このうち、2価のカルボン酸は1分子中にカルボキシル基を2個含有する化合物であり、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、β−メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、グルタコン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−ジカルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタール酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸等を挙げることができる。また、2価のカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。
本発明におけるポリエステルの製造方法においては、上記の多価カルボン酸のうち、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等を用いることが好ましい。これらの多価カルボン酸は水に難溶あるいは不溶であるため、多価カルボン酸が水に分散した懸濁液中でエステル合成反応が進行するので好ましい。
本発明の製造方法における単量体としてのポリオールは、1分子中に水酸基を2個以上含有する化合物である。このうち、2価のポリオールは1分子中に水酸基を2個含有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等を挙げることができる。また、2価のポリオール以外のポリオールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミン等を挙げることができる。
本発明のポリエステルの製造方法においては、上記のポリオールのうち、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の2価のポリオールを用いることが好ましい。
これらのポリオールは水に難溶あるいは不溶であるため、ポリオールが水に分散した懸濁液中でエステル合成反応が進行するので好ましい。
またこれらの重縮合性単量体の組み合わせにより非結晶樹脂や結晶性樹脂を容易に得ることができる。
結晶性ポリエステルを得るために使用される多価カルボン酸としては、上記カルボン酸のうち、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、これらの酸無水物あるいは酸塩化物を挙げることができる。
結晶性ポリエステルを得るために使用されるジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等も挙げることができる。
このような結晶性の重縮合樹脂としては、1,9−ノナンジオールと1,10−デカンジカルボン酸、又はシクロヘキサンジオールとアジピン酸とを反応して得られるポリエステル、1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとコハク酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、1,4−ブタンジオールとコハク酸とを反応して得られるポリエステルを挙げることができる。これらの中でも特に1,9−ノナンジオールと1,10−デカンジカルボン酸、及び、1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応させて得られるポリエステルがさらに好ましい。
また本発明における非結晶性ポリエステルを得るために使用される多価カルボン酸としては、上記の多価カルボン酸のうち、ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸を挙げることができる。また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。また、これらカルボン酸のカルボキシル基を酸無水物、酸塩化物、又は、エステル等に誘導したものを用いてもよい。
これらの中でも、テレフタル酸やその低級エステル、ジフェニル酢酸、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることが好ましい。なお、低級エステルとは、炭素数1から8の脂肪族アルコールのエステルをいう。
また本発明における非結晶性ポリエステルを得るために使用されるポリオールとしては、上記ポリオールのうち、特に、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール等を用いることが好ましい。
前記多価カルボン酸及びポリオールは、1種の重縮合樹脂を作製するために、それぞれ1種ずつを単独で用いても、一方が1種で他方が2種以上用いても、それぞれ2種以上ずつを用いてもよい。また、1種の重縮合樹脂を作製するためヒドロキシカルボン酸を用いる場合、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよく、多価カルボン酸やポリオールを併用してもよい。
本発明において、ポリエステル樹脂として結晶性ポリエステルを使用する場合、結晶融点Tmは50〜120℃であることが好ましく、55〜90℃であることがより好ましい。Tmが50℃以上であると、トナーの粒状性が残留しにくく、かつ剥離性を確保できる。さらに低温度側のオフセットが低減できるので好ましい。また、Tmが120℃以下であると、より低い温度で定着できるので好ましい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121:87に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性ポリエステル樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
一方、ポリエステル樹脂として非結晶性ポリエステルを使用する場合、非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は40〜100℃であることが好ましく、より好ましくは50〜80℃の範囲である。Tgが上記範囲内であると、高温度域での結着樹脂自体の凝集力が良好であるため、定着の際にホットオフセットが生じ難く、さらに十分な溶融が得られ、最低定着温度が上昇しにくく好ましい。
ここで、非結晶性樹脂のガラス転移点は、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値のことをいう。
また、本発明における結晶融点Tmおよびガラス転移点の測定は、例えば、示差走査熱量測定法(DSC)に従い、例えば、「DSC−20」(セイコー電子工業社製)によって測定でき、具体的には、試料約10mgを一定の昇温速度(10℃/min)で加熱し、ベースラインと吸熱ピークの傾線との交点よりガラス転移点を得ることができる。
本発明において、ポリエステル樹脂として結晶性樹脂を使用する場合、そのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量は1,000〜60,000であることが好ましく、3,000〜50,000であることがより好ましく、5,000〜40,000であることがさらに好ましい。
また、ポリエステル樹脂として非結晶性樹脂を使用する場合、THF可溶分のGPC法による分子量測定で、その重量平均分子量は1,000〜60,000であることが好ましく、3,000〜50,000であることがより好ましく、5,000〜40,000であることがさらに好ましい。
重量平均分子量が上記範囲内であると、オフセット性が向上するので好ましい。
本発明において、樹脂の分子量は、THF可溶物を、TSK−GEL、GMH(東ソー(株)製)等を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して分子量を算出することができる。
尚、本発明において、ポリエステル樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂のいずれも使用することができるが、結晶性ポリエステル樹脂を使用することが好ましい。前記「結晶性ポリエステル樹脂」における「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを示し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が15℃以内であることを意味する。一方、吸熱ピークの半値幅が15℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性(非晶質)であることを意味する。
本発明においては、重縮合工程として、既述の重縮合成分であるポリカルボン酸及びポリオールと、予め作製しておいたプレポリマーとの重合反応とを含むこともできる。プレポリマーは、上記単量体に溶融又は均一混合できるポリマーであれば限定されない。
さらに本発明において、結着樹脂は、上述した重縮合成分の単独重合体、上述した重合性成分を含む2種以上の単量体を組み合せた共重合体、又はそれらの混合物、グラフト重合体、一部枝分かれや架橋構造などを有していても良い。
本発明において、重縮合性単量体は、界面活性効果を有する酸を触媒として水系媒体中で重縮合される。
界面活性効果を有する酸とは、疎水基と親水基とからなる化学構造を有し、少なくとも親水基の一部がプロトンを有する酸の構造を有し、乳化機能と触媒機能とを併せ持つ触媒である。界面活性効果を有する酸としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルジスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸、アルキルナフタリンスルホン酸、アルキルテトラリンスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、石油スルホン酸、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸、高級アルコールエーテルスルホン酸、アルキルジフェニルスルホン酸、長鎖アルキル硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステル、高級アルコールエーテル硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキロール硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキル化硫酸エステル、硫酸化脂肪、スルホ琥珀酸エステル、各種脂肪酸、スルホン化高級脂肪酸、高級アルキルリン酸エステル、樹脂酸、樹脂酸アルコール硫酸、及びこれらすべての塩化合物などが挙げられ、必要に応じて複数を組み合わせてもよい。これらの中でも、アルキル基若しくはアラルキル基を有するスルホン酸、アルキル基若しくはアラルキル基を有する硫酸エステル、又は、これらの塩化合物であることが好ましく、前記アルキル基又はアラルキル基の炭素数が7〜20であることがより好ましい。具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、ケリルベンゼンスルホン酸、しょうのうスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、モノブチルフェニルフェノール硫酸、ジブチルフェニルフェノール硫酸、ドデシル硫酸、ナフテニルアルコール硫酸、ナフテン酸等が挙げられる。
本発明に用いることのできる界面活性効果を有する酸の使用量は、重縮合性単量体の総重量に対し、0.01〜5重量%であることが好ましく、0.1〜3重量%がより好ましい。
本発明において、触媒として界面活性効果を有する酸の他に、他の触媒を併用することができる。併用できる他の触媒としては、希土類含有触媒、加水分解酵素が例示できる。
併用することができる希土類含有触媒としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタノイド元素としてランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などの元素を含むものが有効であり、特にアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、又はトリフラート構造を有するものなどが有効である。前記トリフラートとしては、構造式では、X(OSO2CF33が挙げられる。Xは、希土類元素であり、これらの中でも、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)などであることが好ましい。
ランタノイドトリフラートについては、例えば、有機合成化学協会誌、第53巻第5号、p44−54に詳述されている。
併用する加水分解酵素としては、重縮合反応を触媒するものであれば特に制限はない。本発明に使用することができる加水分解酵素としては、例えば、カルボキシエステラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、アセチルエステラーゼ、ペクチンエステラーゼ、コレステロールエステラーゼ、タンナーゼ、モノアシルグリセロールリパーゼ、ラクトナーゼ、リポプロテインリパーゼ等のEC(酵素番号)3.1群(丸尾・田宮監修「酵素ハンドブック」朝倉書店(1982)等参照)に分類されるエステラーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルクロニダーゼ、キシロシダーゼ等のグリコシル化合物に作用するEC3.2群に分類される加水分解酵素、エポキシドヒドラーゼ等のEC3.3群に分類される加水分解酵素、アミノペプチダーゼ、キモトリプシン、トリプシン、プラスミン、ズブチリシン等のペプチド結合に作用するEC3.4群に分類される加水分解酵素、フロレチンヒドラーゼ等のEC3.7群に分類される加水分解酵素等を挙げることができる。
これらエステラーゼのうち、グリセロールエステルを加水分解し脂肪酸を遊離する酵素を特にリパーゼと呼ぶが、リパーゼは有機溶媒中での安定性が高く、収率良くエステル合成反応を触媒し、さらに安価に入手できることなどの利点がある。したがって、本発明のポリエステルの製造方法においても、収率やコストの面からリパーゼを用いることが好ましい。
リパーゼには種々の起源のものを使用できるが、好ましいものとして、シュードモナス(Pseudomonas)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、カンジダ(Candida)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、リゾプス(Rhizopus)属、ムコール(Mucor)属等の微生物から得られるリパーゼ、植物種子から得られるリパーゼ、動物組織から得られるリパーゼ、さらに、パンクレアチン、ステアプシン等を挙げることができる。このうち、シュードモナス属、カンジダ属、アスペルギルス属の微生物由来のリパーゼを用いることが好ましい。
これら重縮合触媒は、単独でも、複数を組み合わせて使用してもよい。重縮合触媒の使用量は、重縮合性単量体の総重量に対し、0.01〜15重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%がより好ましい。
また、前記重縮合を行う重合温度としては、80℃〜150℃が好ましく、より好ましくは90℃〜140℃であり、さらに好ましくは100℃〜130℃である。
重合温度を前記範囲内にすることにより、従来に比べて省エネルギーでポリエステル樹脂を重縮合することができるので好ましい。
本発明において、結着樹脂粒子分散液(以下、単に樹脂粒子分散液ともいう。)は、重縮合樹脂粒子が水系媒体中にメジアン径0.05μm以上2.0μm以下で乳化分散しており、そして、この重縮合樹脂粒子を水系媒体中で重縮合性単量体を直接重縮合することで得ている。
尚、本発明において、水系媒体とは、水または水を50重量%以上含み、水に水混和性の有機溶媒が混合されていても良い混合溶媒を意味する。混合溶媒における水の混合割合は、好ましくは60〜100重量%であり、より好ましくは、70〜100重量%である。水混和性の有機溶媒としては、エチルアルコール、メチルアルコール、アセトン、酢酸が例示でき、エチルアルコールが好ましい。水性媒体として、最も好ましくは、水であり、軟水又はイオン交換水が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
このような樹脂粒子分散液では、重縮合樹脂粒子のメジアン径0.05μm以上2.0μm以下となるように、水系媒体中で重縮合性単量体を直接重縮合しているので、低エネルギーで重縮合樹脂粒子が得られ、しかも水系媒体中媒体における重縮合樹脂粒子の分散状態として、水中で孤立した状態が実現され、トナー化のための凝集剤などを用いての凝集操作以前では長期に安定な状態であり、凝集操作によってはじめて制御性高く、凝集粒子の形成が可能となるために、これを用いるとトナーとしての粒度分布が良好となり、またトナー個々の組成、構造も均一化されるためトナー特性を十分満足したトナーが得られる。
ここで、重縮合樹脂粒子のメジアン径(中心径)は0.05μm以上2.0μm以下であるが、好ましくは0.1μm以上1.5μm以下、より好ましくは0.1μm以上1.0μm以下である。メジアン径が上記範囲となることで、上述のように水系媒体中媒体における重縮合樹脂粒子の分散状態が安定する。従って、トナー作製の際には、このメジアン径が小さすぎると、粒子化の際の凝集性が悪化したり、遊離の樹脂粒子の発生が生じやすく、また系の粘度も上昇しやすくなって粒径の制御が困難になる。一方、大きすぎると、粗粉の発生が生じやすくなり粒度分布が悪化するとともにワックスなどの離型剤が遊離しやすくなるために、定着時の剥離性やオフセットの発生温度が低下したりする。
なお、重縮合樹脂粒子のメジアン径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定することができる。
このように、水系媒体中で所定の粒子径の重縮合樹脂粒子を得るためには、重合方法として懸濁重合法、溶解懸濁法、ミニエマルジョン法、マイクロエマルジョン法、多段膨潤法やシード重合を含む乳化重合法など通常の水系媒体中での不均一系重合形態を利用することがよい。また、この場合、重縮合反応、特に最終分子量や重合速度が粒子の最終粒子径に依存する事から最も好ましい粒子径形態としての1μmを達成し、しかも効率的な製造を達成することが可能である製造形態としては、ミニエマルジョン法、マイクロエマルジョン法など1μm以下のサブミクロン粒子をその最終形態とする重合方法がより好ましい。
本発明において、樹脂粒子分散液を得るには、例えば、まず、目的とする樹脂粒子原料として重縮合性単量体を水系媒体中に例えば機械的シェアや超音波などにより乳化分散させる。この際、必要に応じて、重縮合触媒、界面活性剤などの添加剤も水溶性媒体に添加する。そして、この溶液に対して例えば加熱などを施すことで、重縮合を進行させる。
通常、重縮合樹脂は重合時に脱水を伴うために原理的に水系媒体中では進行しにくい。しかしながら、例えば、水系媒体中にミセルを形成せしめるような界面活性剤とともに重縮合性単量体を水系媒体中に乳化せしめた場合、単量体がミセル中のミクロな疎水場に置かれることによって、脱水作用が生じ、生成した水はミセル外の水系媒体中に排出せしめ重合を進行させることができる。このようにして、低エネルギーで、水系媒体に重縮合樹脂粒子が乳化分散した分散液が得られる。
ここで、得られる重縮合樹脂粒子のメジアン径を上記範囲に制御するためには、例えば、以下の処理を施すことが好適である。
1)重縮合性単量体を直接水系媒体に添加せず、一旦、重縮合性単量体をその他添加剤(例えば、重縮合触媒や界面活性剤)と共に混合融解させる。この油系の溶液を水系媒体に添加し第1の撹拌(例えばホモジナイザーによる撹拌)を施し、さらに第2の撹拌(例えば超音波による撹拌)を施して乳化分散する方法、
2)重合性単量体と重合触媒、界面活性剤などを混合融解し、この油系の溶液を100℃前後に加熱した水系媒体中にホモジナイザーとともに撹拌乳化し、さらに吉田機械興業製ナノマイザーなどにより微粒乳化分散する方法、
3)重合性単量体と重合触媒、界面活性剤などを混合融解し、さらに酢酸エチルなどの溶剤を少量添加した後、水系媒体中にホモジナイザーとともに撹拌乳化し、さらに吉田機械興業製ナノマイザーなどにより微粒乳化分散し、その後60℃程度に加熱をしながら撹拌し、脱溶剤する方法、
4)重合性単量体と重合触媒、界面活性剤などを混合融解し、その油系溶液に100℃前後に加熱した水系媒体を徐々に添加しながらホモジナイザーにて撹拌乳化し、さらに水系媒体また必要に応じて界面活性剤を加えて転相乳化を実現する方法、
などを用いることができる。
ここで用いる界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用することが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。アニオン界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。非イオン系界面活性剤としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。また高分子分散剤としては、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、無機分散剤としては、炭酸カルシウムなどを例示することが出来るが、これらはなんら本発明を制限するものではない。さらに通常水系媒体中での単量体エマルジョン粒子のOstwald Ripning現象を防ぐためにしばしば、ヘプタノールやオクタノールに代表される高級アルコール類、ヘキサデカンに代表される高級脂肪族炭化水素類を安定助剤として配合することも可能である。
なお、重縮合樹脂粒子を水系媒体中で重縮合する際に、予め着色剤やワックスなどの定着助剤、その他帯電助剤など通常トナーに必要な成分を水系媒体中に予め混合し、重縮合と共に重縮合樹脂粒子中に配合させることも可能である。
<トナーの製造方法>
本発明においてトナーの製造方法は、少なくとも、樹脂粒子を分散させた分散液中で、当該樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る工程(凝集工程)と、当該凝集粒子を加熱して融合させる工程(融合工程)と、を有するものであることが好ましい。そして、この乳化重合凝集法と呼ばれる製造方法において、樹脂粒子を分散させた分散液として、上記の樹脂粒子分散液を適用することが好ましい。
凝集工程では、樹脂粒子分散液における重縮合樹脂粒子は、水系媒体中で調製される場合には、そのまま樹脂粒子分散液として利用することができ、この樹脂粒子分散液を、必要に応じて着色剤粒子分散液及び離型剤粒子分散液と混合し、さらに凝集剤を添加し、これら粒子をヘテロ凝集させることによりトナー径の凝集粒子を形成することができる。
また、予め溶液重合法や隗状重合法等で均一に重合した樹脂粒子の重合体を、その重合体が溶解しない溶媒中へ安定剤とともに添加して機械的に混合分散する方法など、任意の方法により、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を得ることもできる。
例えば、水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、樹脂をそれらの溶剤に溶解してイオン性の界面活性剤やポリアクリル酸等の高分子電解質とともに、ホモジナイザーなどの分散機で水中に粒子として分散させ、その後、加熱又は減圧して溶剤を蒸発させることにより、樹脂粒子分散液を得ることができる。
ここで用いる界面活性剤は、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤、及び、種々のグラフトポリマー等を挙げることができ、特に制限されない。
また、このように凝集して第一の凝集粒子形成後、さらに上記の樹脂粒子分散液又は別の樹脂粒子分散液を添加し第一の粒子表面に第2のシェル層を形成することも可能である。なお、この例示においては、着色剤分散液を別に調製しているが、重縮合樹脂粒子に予め着色剤が配合されている場合には、着色剤分散液は必要ない。
ここで、凝集剤としては、界面活性剤のほか、無機塩、2価以上の金属塩を好適に用いることができる。特に、金属塩を用いる場合、凝集性制御及びトナー帯電性などの特性において好ましい。また、例えば、樹脂の乳化重合、顔料の分散、樹脂粒子の分散、離型剤の分散、凝集、凝集粒子の安定化などに界面活性剤を用いることができる。具体的には硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的であり、分散手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものを使用できる。
また、本発明において、重縮合樹脂粒子分散液以外にも、従来から知られる乳化重合などを用いて作製された付加重合系樹脂粒子分散液を合わせて用いることができる。
これらの樹脂粒子分散液を作製するための付加重合系単量体の例としては、スチレン、パラクロルスチレンなどのスチレン類、ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメチレン脂肪族カルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリルロニトリル、アクリルアミド、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、例えばN−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物などの含N極性基を有する単量体やメタクリル酸、アクリル酸、桂皮酸、カルボキシエチルアクリレートなどのビニルカルボン酸類などビニル系モノマーの単独重合体及び共重合体など、さらには各種ワックス類もあわせて使用可能である。
付加重合系単量体の場合は、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合を実施して樹脂粒子分散液を作製することができ、その他の樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、樹脂をそれらの溶剤に解かし、イオン性の界面活性剤や高分子電解質とともにホモジナイザーなどの分散機により水系媒体中に粒子状に分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を得ることができる。
そして、凝集工程を経た後、融合工程(融合・合一工程)において、樹脂粒子のガラス転移点以上又は融点以上の温度に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、必要に応じて洗浄、乾燥することにより、トナーを得ることができる。
また、融合工程を終了した後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナー粒子を得るが、洗浄工程は帯電性を考慮すると、イオン交換水で十分に置換洗浄することが好ましい。また、固液分離工程には特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好適である。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
以下、トナーの構成成分(その製法に使用される原料)について説明する。
まず、着色剤としては次のようなものを使用することができる。黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等を挙げることができる。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG等を挙げることができる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等を挙げることができる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウォッチャングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、ディポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等を挙げることができる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどを挙げることができる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等を挙げることができる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等を挙げることができる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等をあげることができる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を挙げることができる。
また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等があげられる。
また、これらの着色剤は単独もしくは混合して使用される。これらの着色剤は、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等を用いて着色剤粒子の分散液を調製することができる。また、これらの着色剤は極性を有する界面活性剤を用いて、ホモジナイザーによって水系に分散することもできる。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から選択される。
着色剤は、トナー構成固体分総重量に対して4〜15重量%の範囲で添加することができる。黒色着色剤として磁性体を用いる場合は、他の着色剤とは異なり、12〜240重量%添加することができる。
着色剤の配合量は、定着時の発色性を確保するための必要量である。また、トナー中の着色剤粒子の中心径(メジアン径)は100〜330nmであることが好ましく、これにより、OHP透明性及び発色性を確保することができるので好ましい。
なお、着色剤粒子の中心径(メジアン径)は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定することができる。
また、内添剤としてフェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体を使用したり、帯電制御剤として4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することが出来るが、凝集や合一時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。
離型剤の具体例としては、例えば、各種エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
これらのワックス類は、室温付近では、トルエンなど溶剤にはほとんど溶解しないか、溶解しても極めて微量である。
これらのワックス類は、水系媒体中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに、強い剪断付与能力を有するホモジナイザーや圧力吐出型分散機(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で粒子状に分散させ、1μm以下の粒子の分散液を作製することが好ましい。
離型剤は、トナー構成固体分総重量に対して5〜25重量%の範囲で添加することが、オイルレス定着システムにおける定着画像の剥離性を確保する上で好ましい。
なお、離形剤粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。また、離型剤を使用するときには、樹脂粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集した後に、さらに樹脂粒子分散液を追加して凝集粒子表面に樹脂粒子を付着することが帯電性、耐久性を確保する観点から好ましい。
本発明において、トナーの累積体積平均粒径D50は3.0〜9.0μmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは3.0〜5.0μmの範囲である。D50が3.0μm以上であると、付着力が適切であり、良好な現像性を得ることができるので好ましい。また、9.0μm以下であると、良好な画像解像性が得られるので好ましい。
また、トナーの体積平均粒度分布指標GSDvは1.30以下であることが好ましい。GSDvが1.30以下であると解像性が良好で、トナー飛散やカブリ等の画像欠陥が起こりにくく好ましい。
ここで、累積体積平均粒径D50や体積平均粒度分布指標GSDvは、例えばコールターカウンターTAII(日科機社製)、マルチサイザーII(日科機社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16P、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50P、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84Pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16V1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84P/D16P1/2として算出される。
得られたトナーの形状係数SF1は、画像形成性の点より100〜140であることが好ましく、より好ましくは110〜135の範囲である。形状係数SF1は次のようにして求められる。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、下記式によりSF1を求め、平均値を得たものである。
Figure 0004622849
式中、MLはトナー粒子の最大長を示し、Aは粒子の投影面積を示す。
得られたトナーには、流動性付与やクリーニング性向上の目的で通常のトナーと同様に乾燥した後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂粒子を乾燥状態でせん断をかけながらトナー粒子表面に添加して使用することができる。
また、水系媒体中にてトナー表面に付着せしめる場合、無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用することができる。
以上説明した静電荷現像トナーの製造方法により得られるトナーは、静電荷現像剤として使用される。この現像剤は、この静電荷像現像トナーを含有することの他は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。静電荷像現像トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。
キャリアとしては、特に限定されないが、通常、鉄粉、フェライト、酸化鉄粉、ニッケル等の磁性体粒子;磁性体粒子を芯材としてその表面をスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ロジン系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂などの樹脂やステアリン酸等のワックスで被覆し、樹脂被覆層を形成させてなる樹脂被覆キャリア;結着樹脂中に磁性体粒子を分散させてなる磁性体分散型キャリア等が挙げられる。中でも、樹脂被覆キャリアは、トナーの帯電性やキャリア全体の抵抗を樹脂被覆層の構成により制御可能となるため特に好ましい。
二成分系の静電荷像現像剤における本発明のトナーとキャリアとの混合割合は、キャリア100重量部に対して、トナーが2〜10重量部であることが好ましい。また、現像剤の調製方法は、特に限定されないが、例えば、Vブレンダー等で混合する方法等が挙げられる。
(光透過性被記録材)
本発明において、被転写体は光透過性被記録材であり、前記光透過性被記録材は光透過性基体及び光透過性基体上に形成されたトナー受容層を少なくとも有する。
<光透過性基体>
光透過性基体としては、OHP投影の用途に通常使用される透明材料であれば特に限定されず使用することができる。
また、光透過性基体は、熱定着または熱圧定着時の加熱によって著しい熱変形を起こさない耐熱性を有する必要がある。光透過性基体は、ASTMD684に記載されている4.6Kg/cm2の測定条件で好ましくは、145℃以上、より好ましくは、150℃〜230℃の熱変形温度を有するものが良い。光透過性基体としては、具体的には、上記の測定条件で145℃以上の熱変形温度を有し、最高使用温度が100℃以上の耐熱性を有するポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリアミドまたはポリイミドが例示される。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが耐熱性及び透明性の点で特に好ましい。
光透過性基体の厚さは、定着時の加熱によってシートが柔らかくなった時にもシワが発生しない厚みが必要であり、例えば、ポリエチレンテレフタレートの場合50μm以上であることが好ましい。光透過性の基体であっても厚みが増大すると透光率が低下するため、光透過性基体の厚さは好ましくは50〜1,000μm、より好ましくは50〜7500μm、更に好ましくは50〜500μmである。
<トナー受容層>
トナー受容層は、光透過性基体の少なくとも一主要面上に形成される。トナー受容層を光透過性基体の両面に形成することもできる。
また、トナー受容層は光透過性基体の一面の全体に形成することもできるが、画像が形成されない外縁部を除いてトナー受容層を形成することもできる。
但し、トナー画像が形成される部分には、トナー受容層が形成されている。
本発明のトナー受容層には、透明性に優れ、トナーを形成する樹脂との相溶性が良好で、屈折率がほぼ等しい樹脂を用いることが好ましい。このような樹脂を用いることにより、トナー画像の光透過性が阻害されないので好ましい。
トナー受容層は単位面積当たり70%以上のワックス成分を含有することが好ましく、70%〜99%含有することがより好ましく、71%〜98%以上含有することがさらに好ましい。
ワックス成分を70%以上含有することによって、画像形成されていない場合でも、すなわち何も画像が存在しない場合でも、OHP自身が定着部材に粘着することを防止するとともに、画像が形成された場合においては、トナー中に残存する界面活性効果を有する酸との相溶によって、トナー受容層への浸透が加速する。ただしワックス成分が100%であると、OHPを室温で重ねておいた場合に張り付いてしまう。
トナー受容層を光透過性基体に形成する方法としては、受容層に使用する樹脂及びワックス成分を水系媒体に分散させたものを、バーコート法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法の如き塗工方法で光透過性基体の表面に塗布し、常温或いは加熱して乾燥する方法が挙げられる。また、熱転写方法にて形成することも可能である。
光透過性基体と、トナー受容層との密着性を改良する目的で、プラズマ処理、コロナ放電処理の如き表面処理を行うことや易接着層を形成することも好ましい。
易接着層として用いることができる樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸樹脂共重合体が例示できる。
また、このトナー受容層に用いる樹脂は画像形成に用いるトナーよりも低い軟化点を有することが好ましい。高温条件下で圧迫する工程において、トナーが溶融せずにトナー受容層が軟化することにより、トナー画像の解像度を保ったまま画像表面を平滑化することが可能となるので好ましい。
特に、本発明において、トナーとトナー受容層の相溶性が良いので、トナー受容層により浸透することが可能である。
現在、電子写真技術分野で主に用いられているトナーは約80〜120℃の軟化点を有するので、本発明のトナー受容層は100℃以下、特に40〜80℃の軟化点を有することが好ましい。本明細書において「軟化点」という用語は固体状の樹脂がゴム状に軟化する温度もしくは分子内の結晶部分が溶融する温度をいう。これは、環球法および針侵入法等により測定される。
トナー受容層に用いるのに好ましい上記の条件を満たす樹脂には、数平均分子量2,000以下のエポキシ樹脂がある。分子量が2,000以下であればエポキシ樹脂は温度変化に敏感に反応するので、短時間で溶融し、トナー粒子を容易に埋没させると共に、表面平滑性を得やすいからである。具体的には、シェル化学社より市販されている「エピコート(Epikote)1001」(分子量約900、軟化点64℃)、「エピコート1003」(軟化点51.2℃)および「エピコート1004」(分子量約1600、軟化点59.8℃)等が挙げられる。
なお、このようなエポキシ樹脂は冬季の低温雰囲気において結晶成長が生じて白濁することがあるけれども、この問題はトナー受容層の厚さを制御すること、およびエチレングリコールおよびプロピレングリコールのような低分子量希釈剤を適宜添加することにより解消可能である。その他にも、フェノキシ樹脂、シアネート樹脂およびポリエステル樹脂等を本発明に用い得る。
また、スチレン−アクリル系樹脂及びワックス成分をトナー受容層に使用することも好ましい。
スチレン−アクリル系樹脂とは、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、p−ターシャリーブチルスチレンが挙げられる。アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ベンジルの如きメタクリル酸エステル類;が挙げられる。
本発明で用いるスチレン−アクリル系樹脂は、加熱定着ローラー表面に離型性補助剤として微量のシリコーンオイルを塗布した場合においても、比較的良くオイルを吸収し、オイル付着による記録シートのべとつき感を低減し、かつ指紋もつきにくくなるため好ましい。
本発明においては、数平均分子量が3,000〜500,000、より好ましくは5,000〜200,000の範囲内にあるスチレン−アクリル系樹脂が好適に用いられる。数平均分子量が3,000以上であると定着手段の表面に対する貼り付きが少ないので好ましい。また、500,000以下であると、加熱定着時におけるトナー受容層の軟化性が良好であり、トナー粒子をトナー受容層に埋没させてトナーの粒状性を減少させる効果が充分に得られ、画像性が向上するので好ましい。
本発明においては、スチレン−アクリル系樹脂の数平均分子量をGPCの測定による分子量分布から求めた。GPC測定は、GPC−150C(ウォーターズ社製)により次の条件で測定した。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。そして、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から求め、分子量を算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、市販の東ソー製の標準ポリスチレンを用い、分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを使用した。検出器はR1(屈折率)検出器を用い、カラムは東ソー製のTSKgeIG1000H、G2000H、G3000Hの粗合せを使用した。
本発明で用いられるスチレン−アクリル系樹脂としては、DSC測定によるガラス転移温度(Tg)が、−10℃〜80℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは0℃〜70℃の範囲であり、更に好ましくは20℃〜70℃の範囲である。
スチレン−アクリル系樹脂のガラス転移温度が−10℃以上であると、定着ローラーへの貼り付きの発生や、ブロッキングが生じることがなく、また保存性が良好であるので好ましい。また、80℃以下であると定着時におけるトナー受容層の軟化が充分に行われ、トナー粒子をトナー受容層に埋没させて、トナーの粒状性を減少させる効果が得られるので好ましい。
本発明においては、ガラス転移温度(Tg)のDSCの測定を、測定原理から高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定した。この様な測定装置としては、例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7を利用することか出来る。測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行なった。本発明においては、5〜20mg、好ましくは10mgの測定試料を精秤し、これをアルミパンに入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、昇温速度10℃/minで窒素雰囲気下で−100℃から200℃まで昇温して測定した。本発明では、この昇温過程で、ベースラインのシフト前後の各ベースラインを互いの方向に外挿し、その中間点の線と示差熱曲線との交点をTgとした。
本発明の光透過性記録材を構成する透明なトナー受容層は、上記で述べた様なスチレン−アクリル系樹脂と、ワックス成分とを主体に形成されることが好ましい。以下、ワックス成分について説明する。
本発明において使用されるワックス成分は、融点が40℃〜120℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50℃〜120℃の範囲内である。
ワックス成分の融点が40℃以上であると、得られる光透過性記録材が保存中にブロッキングし難く、良好な保存性が得られるので好ましい。また、融点が120℃以下であると、記録材の定着手段に対する充分な離型性を発揮することができるので好ましい。
本発明においては、ワックス成分の融点をDSCで測定した。具体的には、DSCの測定は、パーキンエルマー社製のDSC−7を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定した。本発明において、この際のDSC曲線は、1回昇温させて前履歴を測定した後、温度速度10℃/minで降温及び昇温させた時に測定されたDSC曲線の昇温時の最大吸熱ピーク温度を融点とした。
この様な融点を有するワックス成分としては、例えば、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス及び木ロウの植如き物系ワックス及びその誘導体;セレシンワックス及びモンタンワックスの如き鉱物系ワックス及びその誘導体(例えば、モンタンワックスの誘導体の例としては、酸ワックス、エステルワックス及び部分鹸化エステルワックスが挙げられる);ミツロウ、鯨ロウ及びラノリンの如き動物系ワックス及びそれらの誘導体;パラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックスの如き石油系ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス及びフィシャートロプシュワックスの如き合成ワックス及びその誘導体;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びべへニン酸の如き高級脂肪酸及びその誘導体;ステアリルアルコール及びべへニルアルコールの如き高級アルコール及びその誘導体;ショ糖の脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステルの如きエステル類及びその誘導体;オレイルアミドの如きアミド類及びその誘導体が挙げられる。
上記の誘導体は、酸化物、ビニルモノマーとのブロック共重合体及びビニルモノマーによるグラフト変性物を含む。
トナー受容層の厚さは、定着されるべきトナーの粒径によって最適な厚みが変わるが、好ましくは2〜30μm、より好ましくは3〜15μmとするのか良い。尚、トナー受容層の最適な厚みは、透光性や画像ボケによっても制限されるが、トナー受容層には屈曲性があるので、たとえ厚くなっても画像のひび割れを生じる心配は少ない。
本発明におけるトナー受容層は、トナー受容層表面に占めるワックス成分の割合が、好ましくは単位面積あたり70%以上、より好ましくは70%〜99%の範囲にあり、且つ、記録材の透明性が損なわれないことが好ましい。そのためには、塗布乾燥時にワックス成分をブリーディングさせて、受容層表面にワックスを析出させることが好ましい。
この際、ワックス成分を析出させるためには、使用するスチレン−アクリル系樹脂とワックスの組み合わせにもよるが、トナー受容層の乾燥時の温度をワックス成分の融点よりも充分に高く(好ましくは15℃以上、より好ましくは、15〜60℃、さらに好ましくは20〜50℃)することが必要となる。
さらに、トナー受容層の全体量に対するワックス成分の量は、好ましくは、3〜30重量%、より好ましくは、5〜20重量%であることが、透明性を損なわずに、塗布時にワックス成分を良好にブリーディングさせ、トナー受容層表面に占めるワックス成分の割合を単位面積あたり70%以上に良好にコントロールすることが可能となる点で好ましい。
本発明におけるトナー受容層表面に占めるワックス成分の割合は、定着手段としての定着ローラーの表面からの離型性に関係しており、特に、定着ローラーの回転速度(定着時の定着手段と記録材との相対速度)の早い(120mm/sec程度)領域の定着ローラー(定着手段)表面からの離型性に関係する。すなわち、トナー受容層表面に占めるワックス成分の割合が、単位面積あたり70%以上であると、低速時(20mm/sec程度)及び、高速時における定着ローラー(定着手段)の表面からの離型性が確保できるので好ましい。これは、定着ローラーの回転速度が早い場合には、トナー受容層が定着ローラーの表面と接触している時間が短い場合にもワックスが充分に溶融し、スチレン−アクリル系樹脂と定着ローラー表面との粘着を充分に緩衝できるためと考えられる。
さらには、トナー受容層表面に占めるワックス成分の割合が、単位面積あたり99%以下であると、トナー樹脂とトナー受容層の熱可塑性樹脂との結着性が強く、高速定着時にトナーオフセットが生じることがないので好ましい。
本発明におけるトナー受容層表面に占めるワックス成分(ワックスの被覆率)の割合はUHR−FE−SEM写真の画像解析により測定される。
本発明により作製した光透過性記録材の表面をRuO4染色した後、Ptスパッタコーティングを行い試料を調製し、超高分解能電解放射型走査電子顕微鏡(日立製S−900H型)を用い、加速電圧2kVで観察した。その後、1,000倍程度のSEM写真2枚を画像解析装置(日本アビオニクス社製EXCELL)を用いて白/黒のコントラストを利用してトナー受容層表面に占める単位面積あたりのワックス成分の割合を算出した。
また、上記のように形成されるトナー受容層は、このままでは表面抵抗率が高い場合、トナー受容層中に帯電防止剤を混合したり、トナー受容層上に帯電防止剤を塗布したり、又は光透過性基体とトナー受容層との間に導電性下塗層を形成させたりして、トナーの転写に適した表面抵抗率の領域である107〜1013Ωに調整することが好ましい。
表面抵抗率の測定はJIS K 6911:95に準拠して測定する。本発明においては、アドバンテスト社製のR8340A及びR12702Aを用い、20℃、60%RH、電圧100Vで測定した。尚、表面抵抗率の単位は、体積抵抗率(Ωcm)との混同を避けるために慣例として「Ω/□」が用いられているが、本発明においては、JISK6911に基づき「Ω」を用いる。
トナー受容層中に帯電防止剤を混合する場合や、トナー受容層上に塗布する際に使用する帯電防止剤は、従来公知のものをいずれも使用することができる。使用可能な帯電防止剤としては、例えば、四級アンモニウム塩系化合物、ピリジニウム塩系化合物、ホスホニウム塩系化合物、アルキルベタイン系化合物、アルキルイミダゾリン系化合物、アルキルアラニン系化合物、ポリオキシエチレン型非イオン系化合物、多価アルコール型非イオン系化合物、ポリビニルベンジル型カチオンやポリアクリル酸型カチオンの如き導電性樹脂、Sn02やSn02−Sbの如き金属酸化物超微粒子をバインダー樹脂中に分散したものが挙げられる。これらの帯電防止剤は、トナー受容層形成時の塗布溶液中に混合して同時に塗布するか、トナー受容層形成後、上記の帯電防止剤をアルコールに溶解した溶液を塗布して、極めて薄い帯電防止層を形成するのが好ましい。
また、導電性下塗層を形成させる場合には、これに用いる帯電防止剤としては、金属或いはその化合物の導電性物質を使用することができる。具体例としては、Sn、Sb、In、Ag、Zn、Tiの如き金属及びそれらの金属酸化物、Snドーブのln23、SbドープのSn02の如き金属化合物を用いることが出来る。
この導電性下塗層の形態としては、それらの金属酸化物の超微粒子やファイバーを、ポリエステルやアクリルの如きバインダー樹脂と共に分散したものが挙げられる。
上記の金属酸化物の超微粒子の平均粒径は、光散乱を抑制するために0.3μm以下が好ましい。
本発明においては、導電性下塗層を下記の抵抗域に調整し、そのままではややヘイズがあったとしても、さらにトナー受容層で被覆するためヘイズが低下し、光透過性を実際の使用上問題のないレベルにすることができる。
本発明においては、光透過性基体上に形成された導電性下塗層の表面抵抗率が好ましくは107〜1010Ωの範囲、より好ましくは、107〜109Ωの範囲になる様に塗布することが好ましい。導電性下塗層の表面抵抗値が107Ω以上であると、上記の導電性下塗層中の金属或いは金属化合物の含有量が適切であり、導電性下塗層のへイズが増加して光透過性が低下することがなく、その上にトナー受容層を被覆した場合、光透過性を実用レベルにすることができるので好ましい。導電性下塗層の表面抵抗率が1010Ω以下であると、光透過性記録材の表面抵抗値をトナー転写に適した領域に調整するために選択されるトナー受容層の被覆厚さが適切であり、トナーを埋没させるのに適した厚みとすることができ、画像性が良好であるので好ましい。
さらに、トナー受容層の透明性、軟化点のような上述の特性を阻害しない限りにおいて、樹脂中に酸化防止剤、粘度調節剤および紫外線吸収剤のような種々の添加剤を含有させうる。中でも好ましい添加剤は紫外線吸収剤である。近年、トナー画像の高解像度化および透明化を目的としてトナー粒子の微細化が行われているが、これは得られる画像の耐光性を劣化させる原因にもなっている。しかしながら、紫外線吸収剤を含有するトナー受容層を用いることにより、OHP用の光源もしくは外部からの光に対する画像の耐光性を大幅に改良することが可能となる。紫外線吸収剤はトナー受容層に用いる樹脂1.2重量部に対して好ましくは0.005〜0.100重量部の量で用いられる。
(画像形成方法)
また、静電荷像現像剤(静電荷像現像トナー)は、通常の静電荷像現像方式(電子写真方式)の画像形成方法に使用することができる。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、前記トナーとして上述した方法により製造された静電荷像現像用トナー、または、前記現像剤として上述したの静電荷像現像剤を用いることを特徴とする。
上記の各工程は、いずれも画像形成方法において公知の工程が利用でき、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。また、本発明の画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよく、例えば、静電潜像担持体上に残留する静電荷像現像剤を除去するクリーニング工程等が好ましく挙げられる。本発明の画像形成方法においては、さらにリサイクル工程をも含む態様が好ましい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像トナーを現像剤槽に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
前記潜像保持体としては、例えば、電子写真感光体および誘電記録体等が使用できる。
電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(現像工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着され、最終的なトナー像が形成される。
尚、前記定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、前記定着機における定着部材に離型剤が供給される。
以下、本発明を実施例で詳しく説明するが、本発明を何ら限定するものではない。
なお、本実施例のトナーは、下記の樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、離形剤粒子分散液をそれぞれ調製し、これを所定の割合で混合し撹拌したながら、金属塩の重合体を添加し、イオン的に中和させて凝集粒子を形成する。次いで、無機水酸化物を添加して系内のpHを弱酸性から中性に調整した後、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して融合・合一する。反応終了後、十分な洗浄、固液分離、乾燥の工程を経て所望のトナーを得る。以下、それぞれの調製方法を説明する。
(樹脂粒子分散液(1)の調製)
・ドデシルベンゼンスルホン酸:36重量部
・1,9−ノナンジオール:80重量部
・1,10−デカメチレンジカルボン酸:115重量部
・イオン交換水:1,000重量部
上記配合に従って、まず、ドデシルベンゼンスルホン酸、1,9−ノナンジオール、及び1,10−デカメチレンジカルボン酸を混合し、120℃に加熱し融解した後、この油系の溶液を95℃に加熱したイオン交換水へ投入し、直後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した。その後、さらに超音波バス中で5分間乳化後、乳化物を撹拌しながらフラスコ中で70℃に維持し、15時間保持した。
これにより粒子の中心径(メジアン径)が400nm、融点が70℃、重量平均分子量が5,500、固形分量が18%の結晶ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を得た。
(樹脂粒子分散液(2)の調製)
・ドデシルベンゼンスルホン酸:36重量部
・1,6−ヘキサンジオール:59重量部
・セバシン酸:101重量部
・イオン交換水:1,000重量部
上記配合に従って、まず、ドデシルベンゼンスルホン酸、1,6−ヘキサンジオール、及びセバシン酸を混合し、140℃に加熱し融解した後、この油系の溶液を95℃に加熱したイオン交換水に投入し、直後ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した。その後、さらに超音波バス中で5分間乳化後、乳化物を撹拌しながらフラスコ中で70℃に維持し、15時間保持した。
これにより粒子の中心径(メジアン径)が720nm、融点が69℃、重量平均分子量が4,500、固形分量が16%の結晶ポリエステル樹脂粒子分散液(2)を得た。
(樹脂粒子分散液(3)の調製)
・ドデシル硫酸:30重量部
・1,9−ノナンジオール:80重量部
・アゼライン酸:94重量部
・イオン交換水:1,000重量部
上記配合に従って、まず、ドデシル硫酸、1,9−ノナンジオール、及びアゼライン酸を混合し、110℃に加熱し融解した後、この油系の溶液を95℃に加熱したイオン交換水に投入し、直後ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した。その後、さらに超音波バス中で5分間乳化後、乳化物を撹拌しながらフラスコ中で70℃に維持し、15時間保持した。
これにより粒子の中心径(メジアン径)が220nm、融点が55℃、重量平均分子量が7,500、固形分量が17%の結晶ポリエステル樹脂粒子分散液(3)を得た。
(樹脂粒子分散液(4)の調製)
・イソプロピルベンゼンスルホン酸:25重量部
・テレフタル酸:46重量部
・ポリオキシエチレン(2,4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:34重量部
・エチレングリコール:20重量部
・イオン交換水:500重量部
上記配合に従って、イソプロピルベンゼンスルホン酸、テレフタル酸、ポリオキシエチレン(2,4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、及びエチレングリコールを混合し、110℃に加熱し融解した後、この油系の溶液をイオン交換水に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した。その後、さらに超音波バス中で5分間乳化後、乳化物を撹拌しながらフラスコ中で90℃に維持し、20時間保持した。
これにより粒子の中心径(メジアン径)が520nm、ガラス転移点が55℃、重量平均分子量が4,500、固形分量が14%の非晶ポリエステル樹脂粒子分散液(4)を得た。
(樹脂粒子分散液(5)の調製)
・ドデシルベンゼンスルホン酸スカンジウム(希土類含有触媒):36重量部
・1,9−ノナンジオール:80重量部
・1,10−デカメチレンジカルボン酸:115重量部
・イオン交換水:1,000重量部
上記配合に従って、ドデシルベンゼンスルホン酸スカンジウム(希土類含有触媒)、1,9−ノナンジオール、及び1,10−デカメチレンジカルボン酸を混合し、120℃に加熱し融解した後、この油系の溶液を95℃に加熱した水系媒体に投入し、直後ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した。その後、さらに超音波バス中で5分間乳化後、乳化物を撹拌しながらフラスコ中で80℃に維持し、15時間保持した。
これにより粒子の中心径(メジアン径)が370nm、融点が70℃、重量平均分子量が4,900、固形分量が18%の結晶ポリエステル樹脂粒子分散液(5)を得た。
(樹脂粒子分散液(6)の調製)
・ドデシルベンゼンスルホン酸:12重量部
・リパーゼ(シュードモナス属由来:酵素触媒):50重量部
・1,9−ノナンジオール:80重量部
・1,10−デカメチレンジカルボン酸:115重量部
・イオン交換水:1,000重量部
上記配合に従って、まず、ドデシルベンゼンスルホン酸、リパーゼ、1,9−ノナンジオール、及び1,10−デカメチレンジカルボン酸を混合し、120℃に加熱し融解した後、この油系の溶液を85℃に加熱したイオン交換水に投入し、直後ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した。その後、さらに超音波バス中で5分間乳化後、乳化物を撹拌しながらフラスコ中で80℃に維持し、15時間保持した。
これにより粒子の中心径(メジアン径)が1,070nm、融点が69℃、重量平均分子量が4,500、固形分量が20%の結晶ポリエステル樹脂粒子分散液(6)を得た。
(樹脂粒子分散液(7)の調製)
・ドデシルベンゼンスルホン酸:18重量部
・1,9−ノナンジオール:80重量部
・1,10−デカメチレンジカルボン酸:115重量部
・イオン交換水:1,000重量部
上記配合に従って、まず、1,9−ノナンジオール及び1,10−デカメチレンジカルボン酸を混合し、120℃に加熱し融解した後、ドデシルベンゼンスルホン酸を溶解した室温のイオン交換水に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で1分間乳化した。その後、乳化物を撹拌しながらフラスコ中で60℃に維持し、15時間保持した。
これにより粒子の中心径(メジアン径)が2,100nm、融点が69℃、重量平均分子量が3,500、固形分量が18%の結晶ポリエステル樹脂粒子分散液(7)を得た。
(樹脂粒子分散液(8)の調製)
・ドデシルベンゼンスルホン酸:36重量部
・1,4−ブタンジオール:45重量部
・アゼライン酸:94重量部
・イオン交換水:1,000重量部
上記配合に従って、アゼライン酸、及び1,4−ブタンジオールを混合し、110℃に加熱し融解した後、ドデシルベンゼンスルホン酸を溶解した95℃に加熱したイオン交換水に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した。その後、さらに超音波バス中で30分間乳化後、乳化物を撹拌しながらフラスコ中で70℃に維持し、15時間保持した。
これにより粒子の中心径(メジアン径)が25nm、融点が48℃、重量平均分子量が6,500、固形分量が15%の結晶ポリエステル樹脂粒子分散液(8)を得た。
(樹脂粒子分散液(9)の調製)
・スチレン:460重量部
・n−ブチルアクリレート:140重量部
・アクリル酸:12重量部
・ドデカンチオール:9重量部
上記配合に従って、各成分を混合溶解して溶液を調製した。他方、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス)12重量部をイオン交換水250重量部に溶解し、前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化した(単量体乳化液A)。さらに、同じくアニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス)1重量部を555重量部のイオン交換水に溶解し、重合用フラスコに仕込んだ。重合用フラスコを密栓し、還流管を設置し、窒素を注入しながら、ゆっくりと撹拌しながら、75℃まで重合用フラスコをウオーターバスで加熱し、保持した。
次に、過硫酸アンモニウム9重量部をイオン交換水43重量部に溶解し、重合用フラスコ中に定量ポンプを介して、20分かけて滴下した後、単量体乳化液Aをやはり定量ポンプを介して200分かけて滴下した。
その後、ゆっくりと撹拌を続けながら重合用フラスコを75℃に、3時間保持して重合を終了した。
これにより粒子の中心径(メジアン径)が210nm、ガラス転移点が53.5℃、重量平均分子量が31,000、固形分量が42%のアニオン性樹脂粒子分散液(9)を得た。
(樹脂粒子分散液(10)の調製)
・1,9−ノナンジオール:40重量部
・1,10−デカメチレンジカルボン酸:57.5重量部
に対し、ジブチルスズオキシドを上記モノマーに対し0.05モル%加え、撹拌翼を装備したフラスコ中で撹拌しながら200℃に加熱、減圧下で6時間、重合を進行せしめ、重量平均分子量6,200、融点69℃の結晶性ポリエステル樹脂を得た。この樹脂80gに対し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.2gを溶解したイオン交換水460gを加え、ステンレスフラスコ中の圧力下で140℃まで加熱し、同時にウルトラタラックスで、1時間乳化することにより、結晶ポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
これにより粒子の中心径(メジアン径)が450nm、固形分量が15%の樹脂粒子分散液(10)を得た。
(着色剤粒子分散液(1)の調製)
・黄色顔料(大日精化工業(株)製、Y74):50重量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR):5重量部
・イオン交換水:200重量部
上記配合に従って、成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)5分と超音波バスにより10分間分散し、中心径(メジアン径)240nm、固形分量21.5%のYellow着色剤粒子分散液(1)を得た。
(着色剤粒子分散液(2)の調製)
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりにシアン顔料(大日精化工業(株)製、銅フタロシアニン B15:3)を用いた以外は着色剤粒子分散液(1)と同様に調製して、中心径(メジアン径)190nm、固形分量21.5%のCyan着色剤粒子分散液(2)を得た。
(着色剤粒子分散液(3)の調製)
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりにマゼンタ顔料(大日本インキ化学工業(株)製、PR122)を用いた以外は、着色剤粒子分散液(1)と同様に調製して、中心径(メジアン径)165nm、固形分量21.5%の着色剤粒子分散液(3)を得た。
(離型剤粒子分散液の調製)
・パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP9;融点70℃):50重量部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファクス):5重量部
・イオン交換水200重量部
上記配合に従って、成分を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で分散処理し、中心径(メジアン径)180nm、固形分量21.5%の離型剤粒子分散液を得た。
(トナー粒子(1)の調製)
・樹脂粒子分散液(1):233重量部(樹脂42重量部)
・着色剤粒子分散液(1)40重量部(顔料8.6重量部)
・離型剤粒子分散液40重量部(離型剤8.6重量部)
・ポリ塩化アルミニウム:0.15重量部
・イオン交換水:300重量部
上記配合に従って、成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら42℃まで加熱し、42℃で60分間保持した後、樹脂粒子分散液(9)を50重量部(樹脂21重量部)追加して緩やかに撹拌した。
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.0に調整した後、撹拌を継続しながら95℃まで加熱した。95℃までの昇温の間、通常の場合、系内のpHは、5.0以下まで低下するが、ここでは水酸化ナトリウム水溶液を追加滴下し、pHが5.5以下とならない様に保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、15分、300rpmで撹拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、真空乾燥を12時間行いトナー粒子(1)を得た。
このトナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が4.6μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.20であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は130のポテト形状であった。
(外添トナー(1)の調製)
上記トナー粒子50重量部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)1.2重量部を添加し、サンプルミルで混合して外添トナー(1)を得た。
(現像剤(1)の調製)
そして、ポリメチルメタアクリレート(Mw:77000、綜研化学社製)を1%被覆した平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が5%になるように前記の外添トナーを秤量し、両者をボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤(1)を調製した。
(トナー粒子(2)、外添トナー(2)及び現像剤(2)の調製)
トナー粒子(1)において、樹脂粒子分散液(1)を樹脂粒子分散液(2)262重量部に変更し、着色剤粒子分散液(1)を着色剤粒子分散液(2)に変更し、樹脂粒子分散液(9)を100重量部とし、95℃加熱時のPHを5.0に維持した以外は、トナー粒子(1)と同様にしてトナー粒子(2)を得た。
このトナー粒子(2)の累積体積平均粒径D50は4.40μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.19、であった。形状係数SF1は124とやや球状となった。
このトナー粒子を用いてトナー粒子(1)と同様に外添トナー(2)を得てさらに現像剤(2)を調製した。
(トナー粒子(3)、外添トナー(3)及び現像剤(3)の調製)
トナー粒子(1)において、樹脂粒子分散液(1)を樹脂粒子分散液(3)246重量部に変更し、樹脂粒子分散液(9)を樹脂粒子分散液(4)300重量部に変更し、着色剤粒子分散液(1)から着色剤粒子分散液(3)に変更し、かつポリ塩化アルミニウム量を0.12重量部とした以外は、トナー粒子(1)と同様にしてトナー粒子(3)を得た。
このトナー粒子(3)の累積体積平均粒径D50は4.20μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.22、形状係数SF1は119で球状であった。
このトナー粒子を用いてトナー粒子(1)と同様に外添トナー(3)を得てさらに現像剤(3)を調製した。
(トナー粒子(4)、外添トナー(4)及び現像剤(4)の調製)
トナー粒子(1)の調製において、樹脂粒子分散液(1)から樹脂粒子分散液(5)に変更し、樹脂粒子分散液(9)の添加量を100重量部とした以外は、トナー粒子(1)と同様にしてトナー粒子(4)を得た。
このトナー粒子(4)の累積体積平均粒径D50は3.92μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.22、形状係数SF1は135のポテト形状であった。
このトナー粒子を用いてトナー粒子(1)と同様に外添トナー(4)を得てさらに現像剤(4)を調製した。
(トナー粒子(5)、外添トナー(5)及び現像剤(5)の調製)
トナー粒子(1)において、樹脂粒子分散液(1)から樹脂粒子分散液(6)420重量部に変更し、すべての樹脂粒子分散液を樹脂粒子分散液(6)とし、樹脂粒子分散液(9)を用いなかった以外は、トナー粒子(1)と同様にしてトナー粒子(5)を得た。
このトナー粒子(5)の累積体積平均粒径D50は3.50μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.25、形状係数SF1は120の球形状であった。
このトナー粒子(5)を用いてトナー粒子(1)と同様に外添トナー(5)を得てさらに現像剤(5)を調製した。
(トナー粒子(6)、外添トナー(6)及び現像剤(6)の調製)
トナー粒子(2)において、樹脂粒子分散液(2)から樹脂粒子分散液(7)233重量部に変更した以外は、トナー粒子(2)と同様にしてトナー粒子(6)を得た。
このトナー粒子(6)の累積体積平均粒径D50は5.50μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.30、形状係数SF1は135でポテト形状であった。
このトナー粒子(6)を用いてトナー粒子(1)と同様に外添トナー(6)を得てさらに現像剤(6)を調製した。
(トナー粒子(7)、外添トナー(7)及び現像剤(7)の調製)
トナー粒子(2)において、樹脂粒子分散液(2)から樹脂粒子分散液(8)280重量部に変更した以外は、トナー粒子(2)と同様にしてトナー粒子(7)を得た。
このトナー粒子(7)の累積体積平均粒径D50は5.70μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.26、形状係数SF1は120の球形状であった。
このトナー粒子を用いてトナー粒子(1)と同様に外添トナー(7)を得てさらに現像剤(7)を調製した。
(トナー粒子(8)、外添トナー(8)及び現像剤(8)の調製)
トナー粒子(2)において、樹脂粒子分散液(2)から樹脂粒子分散液(10)に変更した以外は同様にして、トナー粒子(8)を得た。
このトナー粒子(8)の累積体積平均粒径D50は5.95μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.40、形状係数SF1は118の球形状であった。
このトナー粒子(8)を用いてトナー粒子(1)と同様に外添トナー(8)を得てさらに現像剤(8)を調製した。
(光透過性被記録材の調製)
光透過性基体としてはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。基材として使用したポリエチレンテレフタレートフィルムは東レ社製ルミナー(製品名でグレード多数、厚みを指定)であり、厚さ500μmである。
(トナー受容層溶液の調製)
スチレン−2エチルヘキシルアクリレートエマルジョン(共重合比90:10、数平均分子量:11万、固形分:30%、Tg:68℃)80重量部とカルナバワックスエマルジョン(融点:86℃、固形分:30%)20重量部との混合液を作製した。
(トナー受容層の形成)
上述のPETフィルムに、導電性下塗層として、酸化スズ粒子(2次粒子の平均粒径0.2μm)を分散した固形分が4%の水溶液を塗布、乾燥し、導電性下塗層の表面抵抗値を約108Ωに調整した。導電性下塗層の上にトナー受容層溶液を、ワイヤーバーを使用してバーコート法により塗布し、110℃で2分で乾燥して乾燥厚み約4μm、表面抵抗値1012Ωの被記録材Aを得た。一方、下塗りをせず、下地処理なしで、そのままトナー受容層を作製した被記録材Bを作製した。それぞれA4サイズにカットして、OHP A、Bとした。Bは、表面抵抗値1×1014で絶縁体となった。
また、上記OHP A及びBについて、トナー受容層に占めるワックス成分の割合を測定したところ、単位面積当たり75%であった。
(画像評価)
上記現像剤(1)〜(8)を用いて、DocuCentre Color500を用いて、光透過性被記録材上に画像を、トナー載り量0.1mg/cm2となるように5cm×5cmのハーフトーン画像を形成し、これを評価した。評価装置はリコー オーバーヘッドプロジェクタ MP−30を用い、投影した画像の灰色がかる度合いを目視で判断した。
画像評価は以下の評価基準により行った。
◎ ・・・ まったく問題ない。
○ ・・・ 気がつかない程度ではあるが、凝視するとわずかに灰色がかって見られる。
△ ・・・ くすんで灰色がかって見える部分がある。
× ・・・ 灰色がかっている。
(樹脂粒子分散液の安定性)
樹脂粒子分散液(1)〜(3)、(5)〜(8)及び(10)の安定性を以下の方法で評価した。
試料100gをガラス容器に入れて密栓し、70℃で24時間放置した。冷却後、5℃の環境下に24時間放置し、その後室温に戻してから、ガラス容器の底部分を以下の評価に基づいて目視で観察した。
◎ ・・・ 30日後でもガラス容器の底に沈殿は見られない。
○ ・・・ 25〜29日後には沈殿が確認される。
△ ・・・ 15〜24日後には沈殿が確認される。
× ・・・ 14日以内に沈殿が確認される。
結果を以下の表1に示す。
Figure 0004622849
これら結果から、本実施例のように、ポリカルボン酸及びポリオールを含む重縮合性単量体を界面活性効果を有する酸を触媒として重縮合し、さらに結着樹脂粒子分散液中の結着樹脂粒子分散液のメジアン径を一定の範囲とすることにより、トナー受容層との相溶性が高まり、画像が極めて良好に再現され、光透過性被記録材に好適なトナーを得ることができる。

Claims (7)

  1. 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、
    前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、
    前記トナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、
    前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程
    を含む画像形成方法であって、
    前記被転写体は、光透過性被記録材であり、
    前記光透過性被記録材は、光透過性基体及びその上に形成されたトナー受容層を有し、
    前記トナーの製造方法は、
    ポリカルボン酸及びポリオールを含む重縮合性単量体を界面活性効果を有する酸を触媒として水系媒体中で重縮合して結着樹脂粒子分散液を得る工程、及び、
    前記結着樹脂粒子分散液を使用してトナーを得る工程を含み、
    前記結着樹脂粒子がメジアン径0.05μm以上2.0μm以下で分散していることを特徴とする
    画像形成方法。
  2. 前記結着樹脂粒子分散液を得る工程が、水系媒体中で80℃〜150℃において重縮合を行う、請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 界面活性効果を有する前記酸が、アルキル基若しくはアラルキル基を有するスルホン酸、アルキル基若しくはアラルキル基を有する硫酸エステル、又は、これらの塩化合物であり、前記アルキル基又は前記アラルキル基の炭素数が7〜20である、請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 前記光透過性被記録材が、前記光透過性基体と前記トナー受容層との間に導電性下塗層を有する、請求項1〜3いずれか1つに記載の画像形成方法。
  5. 前記トナー受容層が、スチレン−アクリル系樹脂とワックス成分とを主体として形成された、請求項1〜4いずれか1つに記載の画像形成方法。
  6. 前記トナー受容層の全体量に対する前記ワックス成分の量が3〜30重量%である、請求項5に記載の画像形成方法。
  7. 前記トナー受容層に占める前記ワックス成分の割合が、単位面積当たり70%以上である、請求項5又は6に記載の画像形成方法。
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