JP2005325268A - ポリエステル樹脂粒子及びその製造方法、静電荷現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法。 - Google Patents
ポリエステル樹脂粒子及びその製造方法、静電荷現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 ポリエステル樹脂と、ラクトンと、前記ラクトンを重合させる重合触媒と、を含有するポリエステル樹脂組成物を乳化して前記ポリエステル樹脂組成物の液滴を形成する乳化工程と、前記液滴中のラクトンを重合させてポリエステル樹脂粒子を形成する重合工程と、を少なくとも有するポリエステル樹脂粒子の製造方法及びそれにより得られたポリエステル樹脂粒子並びにそのポリエステル樹脂粒子を用いた静電荷現像用トナー、その製造方法、静電荷像現像剤及び画像形成方法。
【選択図】 なし
Description
この混練粉砕法は、熱可塑性樹脂等を顔料、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤等と共に溶融混練し、冷却後にこの溶融混練物を微粉砕し、これを分級して所望のトナー粒子を製造する方法である。なお、前記混練粉砕法により製造されたトナー粒子には、流動性やクリーニング性等を改善する目的で、必要に応じてその表面にさらに無機及び/又は有機の微粒子が添加されたりする。
その結果、前記二成分系現像剤においては、微粉化されたトナー粒子がキャリア表面へ固着して前記現像剤の帯電劣化が加速されたり、前記1成分系現像剤においては、粒度分布が拡大し、微粉化されたトナー粒子が飛散したり、トナー形状の変化に伴い現像性が低下し、画質の劣化が生じたりするという問題が生ずる。
また、このようなトナーをクリーニング処理により回収して再び現像機に戻して再利用すると、画質の劣化が生じ易いという問題がある。これらの問題を防ぐため、さらに流動性助剤の量を増加することも考えられるが、この場合、感光体上への黒点の発生や流動性助剤の粒子飛散を招くという問題が生ずる。
また、かかる粒度分布の広いトナーは、クリーニング機能やトナーリサイクル機能等を有するシステムにおいても信頼性に劣るという問題がある。高画質と高信頼性とを同時に実現するためには、トナーの粒度分布をシャープ化し、小径化かつ粒径均一化することが必要になる。
しかし、特にカラー画像においては、分子量が異なる複数の樹脂やゲル成分によって、定着画像の混色性、画像表面の平滑性、更には画像の透明性等が損なわれ、著しく劣った画質になり、特にフィルム上へ画像を定着した場合、この影響は極めて大きいものとなる。逆に、樹脂を1種にし分子量を一定にし、あるいはゲル成分を含有しない樹脂を用いると、前記定着画像の混色性、画像表面の平滑性、画像の透明性等は問題ないものの、特に離型剤を大量に添加した場合には、トナーの粘性が低下してしまい、高温側のオフセットはより発生し易くなる。
しかしながら、この場合、定着時にオイルが紙面乃至フィルムへ移行し、画像のベタつき感が生じてしまう等の問題があった。また、紙面の場合、前記オイルにより該紙面の表面エネルギーが低下するため、定着画像が形成された紙面へのペン等による書き込みが困難になる等の問題があった。更に、フィルムの場合、該フィルムに残留する前記オイルにより、定着画像の透明性が悪化してしまう等の問題があった。
トナー製造法に関しては、従来の熱溶融混練、粉砕、分級法によるプロセスから、懸濁重合法、乳化重合凝集法(EA法)が展開されており、製造エネルギーの観点からは、低減化の方向に進んできている。
然るに、トナー用樹脂製造に掛かるエネルギーは、未だ十分に低減化されていない。
特に、定着エネルギーを低くできるポリエステル樹脂においては、ビニル重合樹脂と比較すると多大なエネルギーを消費しているのが現状であり、樹脂製造エネルギー及び、トナー製法、定着エネルギーのトータルで消費されるエネルギーは、未だ十分なものであるとはいえない。
また、ラクトンとポリエステル樹脂とを開環重合触媒の存在下に反応させることを特徴とするラクトン系共重合体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
従来、ラクトンの開環重合において、カチオン、アニオン、又は配位アニオン開環重合によりポリエステルを合成していた。
一方、トナー製法として、EA法を用いる際には、1μm以下の樹脂粒子であることが必要であることから、従来のポリエステル樹脂を使用する場合、又は、特許文献4提案の樹脂を使用する場合、高温下/高圧力下で、粉砕する必要がり、多大な粉砕エネルギーを必要としていた。また、ポリエステル樹脂構造に架橋構造を取り入れるのが困難であった。このため、トナーの定着特性、並びに、保存性において、満足のいくものが出来ない状況であった。
さらに本発明は、保存性及び定着画像保存性に優れ、定着時の異臭の発生を抑制できる静電荷現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法を提供することを目的とする。
<1> ポリエステル樹脂と、ラクトンと、前記ラクトンを重合させる重合触媒と、を含有するポリエステル樹脂組成物を乳化して前記ポリエステル樹脂組成物の液滴を形成する乳化工程と、前記液滴中のラクトンを重合させてポリエステル樹脂粒子を形成する重合工程と、を少なくとも有するポリエステル樹脂粒子の製造方法である。
(式中、Xは、希土類元素を表す。)
さらに、本発明によれば保存性及び定着画像保存性に優れ、定着時の異臭の発生を抑制できる静電荷現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法を提供することができる。
<ポリエステル樹脂粒子及びその製造方法>
本発明のポリエステル樹脂粒子の製造方法は、ポリエステル樹脂と、ラクトンと、前記ラクトンを重合させる重合触媒と、を含有するポリエステル樹脂組成物を乳化して前記ポリエステル樹脂組成物の液滴を形成する乳化工程と、前記液滴中のラクトンを重合させてポリエステル樹脂粒子を形成する重合工程と、を少なくとも有する。
また、溶剤として用いられるラクトンが重合を起こして重合由来ポリエステル樹脂となれば、ラクトンの揮発による大気汚染及び作業環境の悪化を引き起こすことがない。
前記ポリエステル樹脂組成物は、それを水中に投入して高速攪拌することにより乳化される。水中でラクトンが重合を起こして重合由来ポリエステル樹脂となるため、水中のラクトンの含有量を最小限にとどめることができる。その結果として、ポリエステル樹脂粒子の製造で生ずる排水の処理が容易になる。
前記ポリエステル樹脂のGPC法による重量平均分子量は、2000〜50000が好ましく、5000〜30000がさらに好ましい。前記ポリエステル樹脂の重量平均分子量が2、000〜50、000であれば、加熱応答性が速く、150℃以下の加熱温度で、トナーを溶融させることができる。
また、前記ポリエステル樹脂の融点又は軟化点は、150℃以下であることが好ましく、120以下であることがさらに好ましい。前記ポリエステル樹脂の融点又は軟化点が150℃以下であれば、トナー定着時の消費電力を低減させることが、可能である。
前記ラクトンの環員数は、4〜20が好ましく、5〜15がさらに好ましい。
ラクトンの含有量が10質量%未満では、ポリエステル樹脂と混合攪拌したときのポリエステル樹脂組成物の粘度が高く、後工程での樹脂の微粒子化が困難になることがある。また、90質量%を超えるとトナーの定着特性、帯電特性に悪影響を及ぼすことがある。
アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族系アルコール類を必要に応じて使用することが出来る。
また、酵素触媒を使用することにより、低温(100℃以下)でラクトンの重合を行うことが可能となる。
100℃以下で重合が可能であれば、常圧で重合反応を実施できるため、ポリエステル樹脂粒子の生産性を向上させることができる。
(式中、Xは、希土類元素を表す。)
これらの中でも、前記希土類金属トリフラートとしては、X(OSO2CF3)3(Xは、スカンジウム(Sc),イットリウム(Y),イッテルビウム(Yb),サマリウム(Sm))が好ましい。
前記液滴の平均粒径は、1μm以下が好ましく、0.01〜1μmがさらに好ましい。前記液滴の平均粒径を1μm以下にすることにより、平均粒径が1μm以下のポリエステル樹脂粒子を形成することができる。
本発明のポリエステル樹脂粒子の平均粒径としては、1μm以下が好ましく、0.01〜1μmであるのがさらに好ましい。平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られる静電荷現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
本発明の静電荷現像用トナーの製造方法は、本発明のポリエステル樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液と、着色剤を分散させてなる着色剤分散液と、離型剤を分散させてなる離型剤分散液とを混合して、ポリエステル樹脂粒子と着色剤と離型剤とを含む凝集粒子を形成して凝集粒子分散液を得る凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程と、を少なくとも有する。
本発明の静電荷現像用トナーの製造方法は、更に、必要に応じて適宜その他の工程を含むことができる。例えば、前記凝集工程の後であって前記融合工程の前に、前記凝集粒子分散液中に、微粒子を分散させてなる微粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程(以下「付着工程」と称することがある)を好適に含むことができる。
以下、本発明において静電荷現像用トナーを単にトナー又はトナー粒子と称することがある。
前記凝集工程においては、互いに混合された前記樹脂粒子分散液、前記着色剤分散液及び前記離型剤分散液中に分散するポリエステル樹脂粒子、着色剤及び離型剤が凝集して凝集粒子が形成される。
前記凝集粒子は、ヘテロ凝集等により形成され、例えば、添加される分散液と添加する分散液とに含まれるイオン性界面活性剤の極性・量のバランスを予めズラしておき、前記バランスのズレを補填するような極性・量のイオン性界面活性剤を添加することにより形成される。
前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料;などが挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
更に、前記平均粒径が0.5μm以下であると、得られるトナー粒子が、発色性、色再現性、OHP透過性等に優れる点で有利である。なお、前記平均粒径は、例えばマイクロトラックなどを用いて測定することができる。
本発明の静電荷現像用トナーの製造方法の場合、通常の混練工程とは異なり、凝集工程乃至融合工程によりトナー粒子を得るため、通常の混練工程において離型剤に与える機械的ストレスよりも、該凝集工程乃至融合工程において離型剤に与える機械的ストレスの方が遙に小さくなる。このため、本発明の静電荷現像用トナーの製造方法においては、該離型剤と前記樹脂との相溶性に関係なく、トナー粒子内に含まれる離型剤の分散単位を制御することができる。その結果、本発明の静電荷現像用トナーの製造方法により得られるトナーにおいて、その中に含まれる離型剤は、前記樹脂粒子の樹脂との相溶性に富むものであっても、十分な離型効果を示す。
本発明においては、これらの離型剤の中でも後述の実施例において用いたものは特に好ましい。これらの離型剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩が挙げられる。
前記研磨材としては、例えば、前述のシリカ、アルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
前記樹脂粒子における樹脂が、前記ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体以外の樹脂である場合には、該樹脂が、水への溶解度が比較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、該樹脂を該油性溶剤に溶解し、この溶解物を、前記イオン性界面活性剤や高分子電解質と共に水中に添加し、ホモジナイザー等の分散機を用いて微粒子分散させた後、加熱乃至減圧することにより前記油性溶剤を蒸散させることにより調製することができる。
なお、前記攪拌手段としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の攪拌装置等の中から適宜選択することができる。前記混合は、混合液に含まれるポリエステル樹脂のガラス転移点以下の温度で行うのが好ましい。この温度条件下で前記混合を行うと、凝集を安定した状態で行うことができる。
一般に、前記樹脂粒子の樹脂、着色剤、離型剤等の種類乃至その極性等によっては、凝集し難い場合があり、凝集時に特定の材料粒子が遊離してしまい、所望のトナー組成が得られないこともある。具体的には、通常トナーに使用されるポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系の離型剤は、極性が小さく、しかも樹脂粒子の樹脂との相溶性に極めて乏しいため、凝集時において遊離する傾向が顕著である。遊離した離型剤の量が多くなると、トナー本来の諸特性が損なわれる上、該遊離した離型剤が現像時に現像機から溢れて該現像機内を汚染したり、該遊離した離型剤が現像機内での機械的ストレスにより破壊乃至合着して現像スリーブにフィルミングしてしまう等の問題が生じ得る。
しかし、上述のようにして凝集粒子を形成させると、かかる問題を招くことがなく、例えば、前記樹脂粒子における樹脂と前記着色剤との極性が同じであっても、反対極性の界面活性剤を加えることにより、容易に該樹脂粒子と該着色剤とによる均一な凝集粒子を形成することができる点で有利である。
前記樹脂粒子等の微粒子を、前記凝集粒子の表面に均一に付着させて付着粒子を形成し、該付着粒子を後述の融合工程において加熱融合すると、前記凝集粒子が着色剤や離型剤等を含有する場合には、これらの表面が前記微粒子による素材で被覆され(シェルが形成され)るので、これらの離型剤等のトナー粒子からの露出等を効果的に防止することができる。
また、この付着工程において、前記微粒子としてワックス等の離型剤を分散させてなる離型剤微粒子分散液を添加混合し、その後、前記微粒子として硬度の高い樹脂や無機粒体を分散させてなる微粒子分散液を添加混合すると、トナー粒子の最表面に硬度の高い樹脂や無機粒体によるシェルを形成することができる。この場合、ワックスの露出を抑制しながら、ワックスが定着時には有効に離型剤として働くようにすることができる。以上により、例えば、トナー粒子の表面を、樹脂で被覆したり、帯電制御剤で被覆したりすること等ができ、着色剤や離型剤をトナー粒子の表面近傍に存在させることができる。
例えば、J. Am. Oil Chem. Soc.,27,276(1950)におけるE.S.Luttonによると、数種の多形があり、それらはそれぞれに融点が異なることが報告されている。
通常、これら複数の多形の融点を制御するために最も一般的に行われれるのは、熱処理である。この熱処理の条件を検討した結果、融合後のトナー粒子を、1〜50℃/分で冷却することによって、同一の離型剤であっても、高融点を示すこと可能になることが見い出された。この冷却によると、同じ離型剤を用いても離型剤の融点が上昇するため、トナーの保存性が良好となるからである。本発明において、前記冷却の割合としては、1〜50℃/分が好ましく、5〜50℃/分がより好ましく、10〜50℃/分が特に好ましい。なお、50℃/分を越えても同様の効果は見られるが、冷却のための設備が大型化する必要がある点で不利であり、一方、1℃/分未満であると離型剤の融点を上げることが困難となる点で不利である。
本発明の静電荷現像用トナーは、本発明の静電荷現像用トナーの製造方法により製造されるので、混練粉砕法等により製造される場合と異なり、その平均粒径が小さく、しかもその粒度分布がシャープである。
本発明の静電荷現像用トナーは、本発明のポリエステル樹脂粒子を用いて製造されるため、該トナー中に残留溶媒が含まれない。その結果として、本発明の静電荷現像用トナーは、トナー保存性及び定着画像安定性を向上させることができさらにトナー定着時の残留溶媒由来の異臭の発生を抑えることができる。
本発明の静電荷像現像剤は、少なくとも、本発明の静電荷現像用トナーを含む。本発明の静電荷像現像剤は、本発明の静電荷現像用トナーを含有することの外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。本発明の静電荷像現像剤は、本発明の静電荷現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。
これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。該被覆樹脂の量としては、キャリアに対して0.1〜10質量部程度であり、0.5〜3.0質量部が好ましい。前記キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどを使用することができ、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用することができる。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を含み、前記現像剤として本発明の静電荷像現像剤が用いられる。
前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、本発明の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
静電荷現像用トナーの平均粒径は、コールターカウンター(コールター社製、TA2型)を用いて測定した。樹脂粒子、着色剤、及び離型剤の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場制作所製、LA−700)を用いて測定した。
ポリエステル樹脂粒子及び静電荷現像用トナーにおける樹脂の分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、HLC−8120GPC)を用いて測定した。
ポリエステル樹脂粒子及び静電荷現像用トナーにおける樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用い、昇温速度3℃/分の条件下で測定した。
○:目視において、トナー付着が判別つかない。
△:目視において、トナー汚れがわずかに目立ち、用紙の色に対し、違和感が少ない。
×:目視において、トナー汚れが目立ち、用紙の色に対し、違和感がある。
○:ポリエステル樹脂粒子を低温で合成でき、、画像背景部の汚れが、ないまたは、目立たない。
×:ポリエステル樹脂粒子を低温で合成できない。
実施例及び比較例において得られた評価は、表1にまとめて示した。
<樹脂粒子分散液(1)の調製>
−ポリエステル樹脂(1)の製造−
セバシン酸 789.0部
エチレングリコール 310.5部
イソフタル酸−5−スルホン酸ナトリウム 199.7部
フマル酸 40.7部
ジブチルスズ 2.0部
上記成分(いずれも和光純薬(株)製)をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で240℃に加熱して6時間脱水縮合しポリエステル樹脂(1)を得た。
ポリエステル樹脂(1) 60部
γ−Decanolactone 40部
スカンジウムトリフラート 2部
以上(ポリエステル樹脂(1)以外は和光純薬(株)製)を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール85)4部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)5部をイオン交換水250部に溶解したものに、ウルトラタラックス(IKAジャパン製)を使用し、フラスコ中で強制乳化分散し、その後、ナノマイザー(吉田機械興業製)にて、平均粒子径が1μm以下になるように、乳化調整し、反応温度50℃でラクトン開環重合を15時間い、ポリエステル樹脂粒子(1)の分散された樹脂粒子分散液(1)を得た。
<樹脂粒子分散液(2)の調製>
−ポリエステル樹脂粒子(2)の製造−
ポリエステル樹脂(1) 50部
Cyclopentadecanolide 50部
リパーゼ(シュードモナス属の微生物由来) 20部
以上を混合し、実施例1におけるポリエステル樹脂粒子(1)の製造と同様にして、ポリエステル樹脂粒子(2)の分散された樹脂粒子分散液(2)を得た。
<樹脂粒子分散液(3)の調製>
−ポリエステル樹脂粒子(3)の製造−
ポリエステル樹脂(1) 50部
トリメリット酸 1部
Cyclopentadecanolide 50部
スカンジウムトリフラート 2部
以上(ポリエステル樹脂(1)以外は和光純薬(株)製)を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール85)4部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)5部をイオン交換水250部に溶解したものに、ウルトラタラックス(IKAジャパン製)を使用し、フラスコ中で強制乳化分散し、その後、ナノマイザー(吉田機械興業製)にて、平均粒子径が1μm以下になるように、乳化調整し、反応温度60℃でラクトン開環重合を12時間行い、ポリエステル樹脂粒子(3)の分散された樹脂粒子分散液(3)を得た。
<比較樹脂粒子分散液(1)の調製>
−比較ポリエステル樹脂粒子(1)の製造−
ポリエステル樹脂(1) 50部
Cyclopentadecanolide 50部
有機スズ触媒 0.5部
以上をフラスコ内にいれ、混合攪拌しながら、反応温度160℃ 3時間反応させ、冷却し、樹脂を合成した。
次に、この樹脂を機械式粉砕機にて、平均粒子径20μmに微粉砕を行った。1μm以下には、微粉砕が困難であった。このため、次に、これを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール85)2部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)1部をイオン交換水200部に溶解したものに分散し、ナノマイーザー加熱システムを使用により、加熱(160℃)条件、加圧130MPa、平均粒子径が1μm以下になるようにして、比較ポリエステル樹脂粒子(1)の分散された比較樹脂粒子分散液(1)を得た。
<静電荷現像用トナー(1)の製造>
−着色剤分散液(1)の調製−
フタロシアニン顔料 60部
(大日精化(株)製:PV FAST BLUE)
アニオン性界面活性剤 2部
(三洋化成(株)製:イオネットD−2)
イオン交換水 300部
以上を混合し、溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散し、平均粒径が160nmである着色剤(フタロシアニン顔料)を分散させてなる着色剤分散液(1)を調製した。
ペンタエリスリトールのベヘン酸エステル 100部
(理研ビタミン社製、リケスターEW−861、HLB=3.2)
アニオン性界面活性剤 6部
(第一工業製薬社製:ネオゲンSC)
イオン交換水 1000部
以上を90℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が330nmである離型剤(ペンタエリスリトールのベヘン酸エステル)を分散させてなる離型剤分散液(1)を調製した。
樹脂粒子分散液(1) 240部
着色剤分散液(1) 40部
離型剤分散液(1) 100部
カチオン性界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50) 2部
イオン交換水 300部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で47℃まで加熱した。47℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5.1μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
この凝集粒子分散液中に、樹脂微粒子分散液としての樹脂粒子分散液(1)を緩やかに50部追加し、さらに加熱用オイルバスの温度を上げて48℃で1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.5μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
ここにアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)6部を追加した後、攪拌を継続しながら94℃まで加熱し、5時間保持した。その後、10℃/分の割合で冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより静電荷現像用トナー(1)を得た。
得られた静電荷現像用トナー(1)の平均粒径は、5.7μmであった。得られた静電荷現像用トナー(1)100部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を外添し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、外添静電荷現像用トナー(1)を得た。
フェライト粒子(パウダーテック社製、平均粒径50μm)100部とメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、分子量95000)1部とを、トルエン500部と共に加圧式ニーダーに入れ、常温で15分間混合した後、減圧混合しながら70℃まで昇温し、トルエンを留去した後、冷却し、105μmの篩を用いて分粒することにより、フェライトキャリア(樹脂被覆キャリア)を作製した。このフェライトキャリアと、外添静電荷現像用トナー(1)とを混合し、トナー濃度が7質量%である二成分系の静電荷像現像剤(1)を作製した。静電荷像現像剤(1)を用いて上述の通り画像形成を行い、画質の評価を行った。
<静電荷現像用トナー(2)の製造>
−凝集粒子の調製(凝集工程)−
樹脂粒子分散液(2) 250部
着色剤分散液(1) 40部
離型剤分散液(1) 130部
カチオン性界面活性剤(花王(株)製:コターミン24P) 5部
イオン交換水 300部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
この凝集粒子分散液中に、樹脂微粒子分散液としての樹脂粒子分散液(2)を緩やかに50部追加し、さらに加熱用オイルバスの温度を上げて51℃で1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.3μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
ここにアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)7部を追加した後、攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、5時間保持した。その後、40℃/分の割合で室温まで冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより静電荷現像用トナー(2)を得た。
得られた静電荷現像用トナー(2)の平均粒径は、5.6μmであった。得られた静電荷現像用トナー(2)100部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を外添し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、外添静電荷現像用トナー(2)を得た。
外添静電荷現像用トナー(2)を用い、実施例4と同様にして静電荷像現像剤(2)を作製した。静電荷像現像剤(2)を用いて上述の通り画像形成を行い、画質の評価を行った。
<静電荷現像用トナー(3)の製造>
−凝集粒子の調製(凝集工程)−
樹脂粒子分散液(3) 250部
着色剤分散液(1) 40部
離型剤分散液(1) 130部
カチオン性界面活性剤(花王(株)製:コターミン24P) 5部
イオン交換水 300部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
この凝集粒子分散液中に、樹脂微粒子分散液としての樹脂粒子分散液(2)を緩やかに50部追加し、さらに加熱用オイルバスの温度を上げて51℃で1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.3μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
ここにアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)7部を追加した後、攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、5時間保持した。その後、40℃/分の割合で室温まで冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより静電荷現像用トナー(3)を得た。
得られた静電荷現像用トナー(3)の平均粒径は、5.3μmであった。得られた静電荷現像用トナー(3)100部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を外添し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、外添静電荷現像用トナー(3)を得た。
外添静電荷現像用トナー(3)を用い、実施例4と同様にして静電荷像現像剤(3)を作製した。静電荷像現像剤(3)を用いて上述の通り画像形成を行い、画質の評価を行った。
<比較静電荷現像用トナー(1)の製造>
−凝集粒子の調製(凝集工程)−
比較樹脂粒子分散液(1) 250部
着色剤分散液(1) 40部
離型剤分散液(1) 40部
カチオン性界面活性剤(花王社製:サニゾールB50) 5部
イオン交換水 300部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で49℃まで加熱した。49℃で20分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
この凝集粒子分散液中に、樹脂微粒子分散液としての比較樹脂粒子分散液(1)を緩やかに70部追加し、さらに加熱用オイルバスの温度を上げて50℃で1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.4μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
ここにアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)7部を追加した後、攪拌を継続しながら97℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/分の割合で室温まで冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて40℃で10時間乾燥させることにより比較静電荷現像用トナー(1)を得た。
得られた比較静電荷現像用トナー(1)の平均粒径は、5.7μmであった。得られた比較静電荷現像用トナー(1)100部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を外添し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、比較外添静電荷現像用トナー(1)を得た。
比較外添静電荷現像用トナー(1)を用い、実施例4と同様にして比較静電荷像現像剤(1)を作製した。比較静電荷像現像剤(1)を用いて上述の通り画像形成を行い、画質の評価を行った。
*2:樹脂の加熱微粒条件により、粒子表面が熱により変性されたことによる帯電性の悪化と考えられる。
Claims (14)
- ポリエステル樹脂と、ラクトンと、前記ラクトンを重合させる重合触媒と、を含有するポリエステル樹脂組成物を乳化して前記ポリエステル樹脂組成物の液滴を形成する乳化工程と、
前記液滴中のラクトンを重合させてポリエステル樹脂粒子を形成する重合工程と、
を少なくとも有するポリエステル樹脂粒子の製造方法。 - 前記重合触媒は、希土類元素を構成元素とするルイス酸触媒である請求項1に記載のポリエステル樹脂粒子の製造方法。
- 前記希土類元素を構成元素とするルイス酸触媒は、下記式で表される希土類金属トリフラートである請求項2に記載のポリエステル樹脂粒子の製造方法。
X(OSO2CF3)3 式
(式中、Xは、希土類元素を表す。) - 前記希土類元素は、Sc,Y,ランタノイド、又はアクチノイドである請求項2又は3に記載のポリエステル樹脂粒子の製造方法。
- 前記重合触媒は、酵素触媒である請求項1に記載のポリエステル樹脂粒子の製造方法。
- 前記ラクトンの重合は、100℃以下で行なわれる請求項1に記載のポリエステル樹脂粒子の製造方法。
- 前記液滴の平均粒径は、1μm以下である請求項1に記載のポリエステル樹脂粒子の製造方法。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂粒子の製造方法により製造されたポリエステル樹脂粒子。
- 平均粒径が、1μm以下である請求項8に記載のポリエステル樹脂粒子。
- 請求項8又は9に記載のポリエステル樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液と、着色剤を分散させてなる着色剤分散液と、離型剤を分散させてなる離型剤分散液とを混合して、ポリエステル樹脂粒子と着色剤と離型剤とを含む凝集粒子を形成して凝集粒子分散液を得る凝集工程と、
前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程と、
を少なくとも有する静電荷現像用トナーの製造方法。 - 請求項10に記載の静電荷現像用トナーの製造方法により製造された静電荷現像用トナー。
- 少なくとも、請求項11に記載の静電荷現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、
前記現像剤は、請求項12に記載の静電荷像現像剤である画像形成方法。 - 前記転写工程の後に前記潜像保持体表面の残留トナーを回収するクリーニング工程と、前記クリーニング工程において回収された残留トナーを前記現像剤担持体に搬送するリサイクル工程と、をさらに含む請求項13に記載の画像形成方法。
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