JP4621090B2 - 空気調和機 - Google Patents
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なお説明すると、ケーシング内に、空調用空気を給気するための送風機、熱源水と循環冷媒を熱交換する水熱交換器、循環冷媒と空調用空気を熱交換する空気熱交換器、圧縮機などを備えたヒートポンプ式の冷凍サイクル部が収容される。さらに、上記送風機の下部に仕切り部を介して空室部が形成され、ここには冷凍サイクル部の電動部品に対する電気制御をなす電気部品を収容する制御装置が配置される。
上記制御装置の電気部品は、作用にともなって発熱するところから、運転中にそのまま放置すると制御装置内の温度上昇が著しくなる。その影響で電気部品の温度がさらに上昇して熱的悪影響が生じ、信頼性が損なわれる虞れがある。そのため、上記仕切り部には適数の貫孔が設けられ、送風機の駆動にともなって形成される給気送風路が空室部と通気可能となっている。
しかしながら、この水熱源ヒートポンプ式空調機では、暖房運転ばかりでなく、冷房運転も行うようになっている。暖房運転時は、上記熱交換器を流通して熱交換した空気は温度上昇し、温風となって給気送風路に導かれる。このとき、制御装置を冷却して温度上昇した空気と合流し、ダクトを介して被空調室から吹出される。
すなわち、暖房運転時は制御装置を冷却して温度上昇した空気が熱交換器の熱交換作用の一助をなし、熱交換効率を押上げる結果となる。しかしながら、冷房運転時は、熱交換器で熱交換した冷気に、制御装置を冷却して温度上昇した空気が混合してしまう。冷房運転時は、暖房運転時とは逆に、有効な熱交換作用を得られない。
本体の左右側面板間に亘って設けられる水平仕切り板と、水平仕切り板の端縁から本体底板との間に亘って設けられる垂直仕切り板とによって電気部品室が本体内に区画され、
電気部品室の内部に冷凍サイクル部の電動部品を電気的に制御する電気部品を収容する電気部品箱が配置され、この電気部品から放出する熱を電気部品箱外へ排出する排熱ファンが電気部品箱に取付けられ、
熱交換器およびフィルタは電気部品室を構成する水平仕切り板上に載設され、
上記水平仕切り板に、排熱ファンによって排出された電気部品箱内の排熱をフィルタの熱交換空気導出側である二次側と熱交換器の熱交換空気導入側である一次側との間に導くよう案内する排熱取込み路を具備する。
図1は床置きダクトタイプの空気調和機の正面図、図2は同空気調和機を模式的に示す正面図、図3は同空気調和機内部の側面図である。
ここで説明する床置きダクトタイプの空気調和機は、たとえば複数台の空気調和機を並べて配置したり、同一の架台内に組み込んで1ユニットとなし、複数ユニットが被空調室とは別途備えられる専用の機械室に配置される。
筐体(本体)1は、金属製の枠体を前後面と左右側面および天地面とも矩形状に組立て、その表面に板金からなる板材を取付けてなる。筐体1の正面(前面)略中央部に、取付け具を介して吸込みグリル2が着脱自在に取付けられている。筐体1の一側部(図の右側部)下部には、主ドレン管3と、補助ドレン管4および水導入管5と水導出管6の4本の接続口体が突出している。
特に、図3に示すように、先に説明した吸込みグリル2と対向する筐体1内部位置には、前面側にフィルタ8が着脱自在に取付けられ、このフィルタ8の背面側に所定間隔を存して主空気熱交換器とファンコイルが一体に重なった構造の空気熱交換器9が配置される。この空気熱交換器9は、ここでは図示しないドレンパン上に載置される。
このモータベース板は、上面が開口する略コ字状に折曲形成されるとともに、両側上端が互いに水平方向に折曲されている。上記案内レールに対して、筐体の前面側からモータベース板の水平折曲部が嵌め込まれ、案内レールに沿って筐体1の背面側へスライド付勢される。
上記モータベース板の水平面部上に、送風機10を構成するファンモータ11が載設される。上記ファンモータ11の回転軸は筐体1の背面側へ突出され、ファン12が嵌着固定される。このファン12は、回転にともなって中心軸方向から空気を吸込んで周方向に吹出す多翼型をなす。
一方、筐体1内の最下部で、この前面側には電気部品室15が設けられる。この電気部品室15の外側には、気液分離器、圧縮機、電子膨張弁、三方切換え弁および配管類が配置されるとともに、主水熱交換器と補助水熱交換器からなる水熱交換器が配置される。(電気部品室15以外は図示していない)
上記圧縮機、気液分離器、電子膨張弁、主水熱交換器および先に説明した空気熱交換器9を構成する主空気熱交換器は冷媒管を介して連通され、これらでヒートポンプ式の冷凍サイクル部16を構成する。上記ファンコイル、主水熱交換器、補助水熱交換器は三方切換え弁とともに水配管を介して連通されていて、これらで熱源水循環回路を構成する。
上記電気部品室15は、上記吸込みグリル2の下端部からフィルタ8下端部を介して空気熱交換器9を載置するドレンパンの下面に亘る奥行きで、かつ幅方向が筐体1の左右両側面板1b,1c間に亘って設けられる水平仕切り板17aと、この水平仕切り板17aの背面側端縁から筐体1の底板1dに亘って設けられる垂直仕切り板17bによって区画される筐体1前面側の空間スペースからなる。
上記電気部品室15内に電気部品箱18が配置される。この電気部品箱18は筐体1の底板1d上に載置される矩形の箱体であり、上面部18aは水平仕切り板17aと間隙を存し、左右両側部18b,18cは筐体左右側面板1b,1cと間隙を存している。前面部18dは筐体1の前面板1eと間隙を存して開閉自在に取付けられるが、この前面部18dを筐体前面板1eと兼用化しても支障がない。
図4は電気部品箱18内の一部を概略的に示す図、図5は前面板1eを取外して筐体1内部を見せた斜視図、図6は排熱取込み口22を説明するための筐体1の部分拡大図である。
筐体1の左側面板1bと所定間隙を存して設けられる電気部品箱18の左側部18bに取付け用孔19が設けられ、この取付け用孔19に排熱ファン20が取付けられる。排熱ファン20の吸込み側は電気部品箱18内部に向けられ、吹出し側は間隙を介して設けられる筐体左側面板1bに対向する。すなわち排熱ファン20は、駆動にともなって電気部品箱18内の熱(空気)を吸い出して、筐体左側面板1bに吹付ける。
なお説明すると、後述するように送風機10が駆動されると、機械室空気である熱交換空気が筐体前面板1eに取付けられるグリル2とフィルタ8を介して空気熱交換器9に導かれる。したがって、水平仕切り板17aに設けられる排熱取込み口22は、フィルタ8の熱交換空気導出側であるフィルタ二次側と、空気熱交換器9の熱交換空気導入側である熱交換器一次側との間に開口し、かつ排熱ファン20側に集中して位置することとなる。
このようにして構成される床置きダクトタイプの空気調和機であり、圧縮機を駆動して冷凍サイクル運転を開始すると、圧縮機において圧縮された冷媒は冷凍サイクル部16に沿って循環する。
また、給水源から水配管に導かれる水は、補助水熱交換器からファンコイルに導かれて主空気熱交換器と熱交換した空気と熱交換をなす。そのあと、通常期の冷房もしくは暖房運転時と、中間期の冷房もしくは暖房運転時に応じて主水熱交換器を介して、もしくは直接、水出口に導くよう三方切換え弁で切換えられる。
排熱ファン20の駆動により電気部品箱18内に篭っていた熱は電気部品室15へ取出される。電気部品室15は電気部品箱18を狭小の間隙を存して囲っているので、この間隙に電気部品箱18からの排熱が一旦充満し、さらに全ての排熱は排熱取込み路23に沿って導かれる。
上述したように、冷凍サイクル運転中は圧縮機とともに送風機10が駆動されているから、機械室空気が吸込みグリル2とフィルタ8と空気熱交換器9を順次流通している。送風機10の送風作用によって水平仕切り板17a上はある程度の負圧状態となっていて、排熱取込み口22から電気部品室15に放出されていた排熱は効率よく吸出される。
排熱ファン20の風量と比較して送風機10の風量は極めて大であるから、フィルタ8を通過し空気熱交換器9に導かれる熱交換空気に対して電気部品Dの排熱が温度変化を加えるようなことはない。たとえある程度の影響があっても、これらの混合空気は空気熱交換器9で熱交換されるから、送風機10に導かれるのは完全な熱交換作用が行われたあとの状態となっていて被空調室は効率よく空調される。
そして、空気調和機が配置される機械室に電気部品Dの熱を排出しないので、機械室の温度が上昇しないですみ、吸込みグリル2から空気熱交換器9に導かれる熱交換空気の温度上昇がない。たとえフィルタ8が目詰まりした状態にあっても、排熱取込み路23がフィルタ8の熱交換空気二次側に設けられているので、目詰まりの影響を受けずに効率よく排熱が取込まれる。
電気部品室15に配置される電気部品箱18は、電気部品Dの排熱をより効率よく行うために開放構造となっているので水滴の浸入が容易であり、電気部品Dに水滴が付着し易い。そのため、排熱取込み口22の周縁にリブ25を設けることで水滴の浸入を確実に防止して、電気部品の破損等の事故防止を図れる。
この防滴カバー30は、たとえば左右幅方向の両側端部が開放され、排熱取込み口22の上方部位と、水平仕切り板17aの前後部が閉塞されて、側面視で略コ字状に折曲形成される。開放部分は、左右両側端部に限定されず、前後部位に所定間隔を存して複数の孔からなる開放部を設けてもよく、その両方に設けてもよい。
また、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。
Claims (2)
- 前後左右側面板および天板と底板が取付けられる、筐体からなる本体と、
この本体内に収容され、熱交換器と、この熱交換器と間隙を存して配置されるフィルタと、このフィルタを介して上記熱交換器に熱交換空気を導く送風機および、上記熱交換器と冷媒管を介して連通する圧縮機を備えた冷凍サイクル部とを具備した空気調和機において、
上記本体の左右側面板間に亘って設けられる水平仕切り板および、この水平仕切り板の端縁から本体底板との間に亘って設けられる垂直仕切り板によって、本体内に区画される電気部品室と、
この電気部品室の内部に配置され、上記冷凍サイクル部の電動部品を電気的に制御する電気部品を収容する電気部品箱と、
この電気部品箱に取付けられ、上記電気部品から放出する熱を電気部品箱外へ排出する排熱ファンと、を備え、
上記熱交換器およびフィルタは、上記電気部品室を構成する上記水平仕切り板上に載設され、
上記水平仕切り板に、上記排熱ファンによって排出された電気部品箱内の排熱を、上記フィルタの熱交換空気導出側である二次側と、上記熱交換器の熱交換空気導入側である一次側との間に導くよう案内する排熱取込み路が設けられる
ことを特徴とする空気調和機。 - 上記排熱取込み路は、上記排熱ファン近傍の上記水平仕切り板部位に開口される排熱取
込み口を備えたことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
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