JP4620212B2 - 回路設計方法および装置、情報記憶媒体、集積回路装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、集積回路装置を設計する回路設計方法および装置、集積回路装置の設計を支援するためのプログラムがソフトウェアとして格納されている情報記憶媒体、多層構造の導電部材がトランジスタ素子のゲート絶縁膜に接続されている集積回路装置、に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、各種の電子機器に各種の集積回路装置が利用されており、このような集積回路装置は、薄膜技術により各種の回路素子が形成されているものが一般的である。このように集積回路装置に薄膜技術で形成される回路素子としてはトランジスタ素子があり、そのトランジスタ素子のゲート絶縁膜に導電部材が接続されていることもある。
【0003】
例えば、図5に例示する製造過程の集積回路装置1では、トランジスタ素子2のゲート絶縁膜3に導電部材としてゲート電極4と金属配線5とが接続されており、この金属配線5が絶縁部材である絶縁層6の上面に位置している。金属配線5の上面には絶縁部材であるフォトレジスト7がマスクとして一時的に積層されており、このフォトレジスト7をマスクとするプラズマを利用した異方性エッチングにより金属配線5が加工される。
【0004】
上述のような状態の集積回路装置1では、金属配線5を異方性エッチングするとき、金属配線5の露出している周面はプラズマに曝されるため、プラズマ中の電荷を受けることがある。このように受信された金属配線5が受けた電荷はゲート電極4からゲート絶縁膜3を介して半導体基板8まで流れるので、このゲート絶縁膜3が損傷することがある。
【0005】
この損傷の有無はゲート絶縁膜3に流れる電荷密度に起因しており、この電荷密度はプラズマの強度とゲート絶縁膜3の面積と金属配線5のアンテナサイズとに起因している。つまり、製造工程で利用されるプラズマの強度が判明しているならば、ゲート絶縁膜3の面積と金属配線5のアンテナサイズとを考慮して設計すれば良いことになる。
【0006】
そこで、従来はゲート絶縁膜の基準の面積S0に対して許容される導電部材の最大のアンテナサイズM0を規定し、これらの比率をアンテナ比R0として
R0=M0/S0
と表現している。
【0007】
そして、実際に面積Sjのゲート絶縁膜を新規に形成する場合、これに接続される導電部材のアンテナサイズMiを
Mi≦R0×Sj
とすれば、ゲート絶縁膜の損傷を防止できることになる。
【0008】
なお、導電部材のアンテナサイズとは、導電部材のアンテナとして機能する部分のサイズであり、例えば、前述のように金属配線の露出部分の面積である。ただし、基準の金属配線と新規の金属配線との膜厚が同一の場合、金属配線が上面のみ露出しているならば、そのアンテナサイズは金属配線の上面の面積で近似することができ、金属配線が周面のみ露出しているならば、そのアンテナサイズは周囲の全長で近似することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにゲート絶縁膜に導電部材が接続された構造を形成する場合、導電部材がプラズマ中の電荷を受けてもゲート絶縁膜を損傷させないため、従来の回路設計方法では、ゲート絶縁膜の基準の面積S0に対して許容される導電部材の最大のアンテナ比R0に対し、ゲート絶縁膜の面積Sjと導電部材のアンテナサイズMiとを
Mi≦R0×Sj
なる関係としている。
【0010】
なお、実際の集積回路装置では、図6に示すように、一個のゲート絶縁膜に多層構造の導電部材が接続されて各々がアンテナとなる場合があるので、このような場合には複数の導電部材の各々を上述のようなアンテナサイズに設計している。しかし、これでは複数のアンテナによるゲート絶縁膜の複数のダメージの累積は考慮されないので、ゲート絶縁膜には過剰なダメージが発生することになる。
【0011】
例えば、特開平11−186394号公報には、ゲート電極に接続される配線長を積算し、これが許容値を超過すると対策することが開示されている。そこで、この手法を多層構造の導電部材に適用することにより、多層構造の導電部材の各層ごとにアンテナサイズを検出して累積することが想定できる。
【0012】
しかし、多層構造の導電部材の場合、各層に実行される処理が同一でないため、アンテナサイズが同一でもゲート電極のダメージ強度は相違することがある。
さらに、多層構造の導電部材は、例えば、各層の表面に形成された配線パターンをコンタクトヴィアで接続した構造からなるが、配線パターンとコンタクトヴィアとでは許容されるアンテナ比も相違する。
【0013】
このため、前述のように多層構造の導電部材の累積したアンテナサイズMiをゲート絶縁膜の面積Sjとアンテナ比R0とに対して
Mi≦R0×Sj
なる関係としても、導電部材を最適なアンテナサイズに形成することは実際には困難である。
【0014】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、集積回路装置を最適に設計する回路設計方法および装置、集積回路装置を最適に設計するためのプログラムが格納されている情報記憶媒体、トランジスタ素子のゲート絶縁膜に接続されている多層構造の導電部材が適正な形状に形成されている集積回路装置、を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明の回路設計方法では、多層構造の導電部材がトランジスタ素子のゲート絶縁膜に接続されている集積回路装置を設計するとき、多層構造の導電部材である配線パターン及びコンタクトヴィアの各層をそれぞれ個別にアンテナ部として、アンテナ部ごとに個別ダメージが個々に算出され、これら個々に算出された個別ダメージの総量が所定の許容量より小さくなるように集積回路装置が設計される。このため、多層構造の導電部材の複数のアンテナ部ごとにダメージ強度やアンテナ比が相違しても、ゲート絶縁膜のダメージ総量が正確に算出される。
【0016】
請求項1,8,9,11,12,14に記載の発明では、導電部材である配線パターン及びコンタクトヴィアの各層をそれぞれ個別にアンテナ部として、導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナサイズMiと、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjとから、"Ri=Mi/Sj"として導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナ比Riが算出される。また、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対して導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmiから、"Di=f(Ri/Rmi)"としてゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDiが算出される。そして、この算出結果から"ΣD=D1+D2+...+Dn"としてゲート絶縁膜に作用するダメージ総量ΣDが算出され、このダメージ総量ΣDが"1"より小さくなるように集積回路装置が設計される。
【0017】
このため、本発明の回路設計方法により設計された集積回路装置は、トランジスタ素子のゲート絶縁膜に接続されている多層構造の導電部材の複数のアンテナ部のアンテナサイズが各々適正なので、製造過程のプラズマ処理により多層構造の導電部材の複数のアンテナ部に電荷が流入されても、ゲート絶縁膜に蓄積されるダメージが致命的とならない。
【0018】
請求項2,10,13,15に記載の発明では、導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDiが"Di=(Ri/Rmi)a"として算出され、請求項3に記載の発明では、定数aが"0.5≦a≦1.8"を満足するので、簡単な演算処理で適正に個別ダメージDiが算出される。
【0019】
請求項4に記載の発明では、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対して導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmiが"Rmi=(M0i/S0)×(S0/Sj)b"として算出され、請求項5に記載の発明では、ゲート絶縁膜の基準の面積S0に対して導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナサイズM0iも規定されており、Rmi=(M0i/S0)×[c/[d+(Sj/S0)]]として算出される。請求項6に記載の発明では、定数bが"−2.0≦b≦0.8"を満足し、請求項7に記載の発明では、定数c,dが"d<c,0.9≦c≦2.2,0.1≦d≦1.3"を満足する。
【0020】
これらの場合、ゲート絶縁膜の実際の面積Sと導電部材の実際に許容される最大のアンテナサイズMとが実際には比例しなくとも、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対して導電部材のn個のアンテナ部ごとの最大のアンテナ比Rmiを適正かつ簡単に近似することができる。
【0021】
なお、本発明で言う各種手段は、その機能を実現するように形成されていれば良く、例えば、専用のハードウェア、適正な機能がプログラムにより付与されたコンピュータ、適正なプログラムによりコンピュータの内部に実現された機能、これらの組み合わせ、等を許容する。
【0022】
また、本発明で云う導電部材のアンテナサイズとは、導電部材のアンテナとして機能する部分のサイズを意味しており、例えば、金属配線の露出部分の面積である。ただし、基準の金属配線と新規の金属配線との膜厚が同一の場合、コンタクトヴィアなどのように金属配線が上面のみ露出しているならば、そのアンテナサイズは金属配線の上面の面積で近似することができ、配線パターンなどの金属配線が周面のみ露出しているならば、そのアンテナサイズは周囲の全長で近似することができる。
【0023】
また、本発明で言う情報記憶媒体とは、コンピュータに各種処理を実行させるためのプログラムがソフトウェアとして事前に格納されたものであれば良く、例えば、コンピュータを一部とする装置に固定されているROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disc Drive)、コンピュータを一部とする装置に着脱自在に装填されるCD(Compact Disc)−ROMやFD(Floppy Disc)、等を許容する。
【0024】
また、本発明で言うコンピュータとは、ソフトウェアからなるプログラムを読み取って対応する処理動作を実行できる装置であれば良く、例えば、CPU(Central Processing Unit)を主体として、これにROMやRAM(Random Access Memory)やI/F(Interface)等の各種デバイスが必要により接続された装置などを許容する。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の第一の形態を図1ないし図4を参照して以下に説明する。本発明の回路設計装置の実施の一形態であるデータ処理装置100は、図3に示すように、コンピュータの主体となるハードウェアとしてCPU101を具備しており、このCPU101にはバスライン102が接続されている。
【0026】
このバスライン102には、ROM103、RAM104、HDD105、FD106が交換自在に装填されるFDD(FD Drive)107、CD−ROM108が交換自在に装填されるCDドライブ109、キーボード110、マウス111、ディスプレイ112、通信I/F113、等が接続されている。
【0027】
本実施の形態のデータ処理装置100では、ROM103、RAM104、HDD105、交換自在なFD106、交換自在なCD−ROM108等が情報記憶媒体に相当し、これらに各種動作に必要なプログラムやデータがソフトウェアとして記憶されている。
【0028】
本実施の形態のデータ処理装置100は、多層構造の導電部材がトランジスタ素子のゲート絶縁膜に接続されている集積回路装置の設計に利用されるので、その各種の処理動作をCPU101に実行させる制御プログラムがFD106やCD−ROM108に事前に格納されている。
【0029】
このようなソフトウェアはHDD105に事前にインストールされており、データ処理装置100の起動時にRAM104に複写されてCPU101に読み取られる。このようにCPU101が適正なプログラムを読み取って各種の処理動作を実行することにより、本実施の形態のデータ処理装置100には、図2に示すように、データ入力手段11、比率算出手段12、個別算出手段13、総量算出手段14、良否判定手段15、等の各種手段が論理的に実現されている。
【0030】
データ入力手段11は、RAM104等に保持された制御プログラムに対応してCPU101がキーボード110等による入力データを受け付ける機能に相当し、ゲート絶縁膜の実際の面積Sj、この面積Sjに対して導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmi、導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナサイズMi、のユーザによるデータ入力を受け付ける。
【0031】
前述のようにトランジスタ素子の一個のゲート絶縁膜に接続される多層構造の導電部材は、例えば、複数の配線パターンが複数のコンタクトヴィアで接続された構造からなり、これら複数の配線パターンと複数のコンタクトヴィアとがアンテナ部として個々に作用することになる。
【0032】
配線パターンとコンタクトヴィアでは形状が多分に相違するため、その許容される最大のアンテナ比Rmiも相違している。また、多層構造の導電部材のn個のアンテナ部は実行される処理も個々に相違するため、この実行される処理の内容でも許容される最大のアンテナ比Rmiは相違している。
【0033】
そこで、本実施の形態のデータ処理装置100による回路設計方法では、多層構造の導電部材がn個のアンテナ部に区分されており、その形状や実行される処理などに対応して許容される最大のアンテナ比Rmiが個々に事前に検出されている。
【0034】
また、上述の“i”は多層構造の導電部材がn個のアンテナ部の任意の一個を示すシリアルナンバなので、n個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmiがデータ入力されるとは、Rm1,Rm2,…,Rmi,…,Rmn、の全部が個々にデータ入力されることを意味している。
【0035】
比率算出手段12は、RAM104等に保持された制御プログラムに対応してCPU101が所定の処理動作を実行する機能に相当し、データ入力手段11のデータ入力に対応してゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナ比Riを
Ri=Mi/Sj
として算出する。
【0036】
個別算出手段13と総量算出手段14も、RAM104等に保持された制御プログラムに対応してCPU101が所定の処理動作を実行する機能に相当し、個別算出手段13は、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDiを
Di=f(Ri/Rmi)
として算出する。
【0037】
なお、上記の数式の“f”は所定の関数であり、ここでは上記数式は
Di=(Ri/Rmi)a
である。上記の数式の“a”は0より大きい定数であり、ここでは“1”なので、上記数式は実際には
Di=Ri/Rmi
である。
【0038】
総量算出手段14は、個別算出手段13の算出結果からゲート絶縁膜に作用するダメージ総量ΣDを
ΣD=D1+D2+…+Dn
として算出する。
【0039】
良否判定手段15は、RAM104等に保持された制御プログラムに対応してCPU101がディスプレイ112等によるデータ出力を制御する機能に相当し、総量算出手段14により算出された総量ΣDが“1”以上であると設計不良をガイダンスデータなどでユーザに報知出力し、“1”より小さいと設計良好を報知出力する。
【0040】
上述のような各種手段11〜15は、必要によりキーボード110やディスプレイ112等のハードウェアを利用して実現されるが、その主体はRAM104等の情報記憶媒体に格納されたソフトウェアに対応して、ハードウェアからなるコンピュータであるCPU101が動作することにより実現されている。
【0041】
このようなソフトウェアは、例えば、ゲート絶縁膜の実際の面積Sj、この面積Sjに対して導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmi、導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナサイズMi、のデータ入力を受け付けること、このデータ入力に対応してゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナ比Riを“Ri=Mi/Sj”として算出すること、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDiを“Di=Ri/Rmi”として算出すること、この算出結果からゲート絶縁膜に作用するダメージ総量ΣDを“ΣD=D1+D2+…+Dn”として算出すること、この算出された総量ΣDが“1”以上であると設計不良を報知出力して“1”より小さいと設計良好を報知出力すること、等の処理動作をCPU101等に実行させるための制御プログラムとしてRAM104等の情報記憶媒体に格納されている。
【0042】
上述のような構成において、本実施の形態のデータ処理装置100は、多層構造の導電部材がトランジスタ素子のゲート絶縁膜に接続されている集積回路装置の設計に利用され、設計された集積回路装置のトランジスタ素子のゲート絶縁膜の面積と多層構造の導電部材のアンテナサイズとの関係が適正かを判定することができる。
【0043】
その場合、データ処理装置100は設計された集積回路装置の各種データとして、ゲート絶縁膜の実際の面積Sj、この面積Sjに対して導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmi、導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナサイズMi、のデータ入力をディスプレイ112によるガイダンス表示などによりユーザに要求する。
【0044】
そこで、図1に示すように、上述の各種データがキーボード110の手動操作などでデータ処理装置100にデータ入力されると(ステップS1)、このデータ処理装置100は、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナ比Riを
Ri=Mi/Sj
として算出する(ステップS2)。
【0045】
さらに、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDiを
Di=Ri/Rmi
として算出し(ステップS3)、この算出結果からゲート絶縁膜に作用するダメージ総量ΣDを
ΣD=D1+D2+…+Dn
として算出する(ステップS4)。
【0046】
そして、このように算出されたダメージ総量ΣDが“1”より小さいと設計良好をディスプレイ112によるガイダンスデータの表示出力などでユーザに報知出力し(ステップS5)、“1”以上であると設計不良を報知出力する(ステップS6)。
【0047】
そこで、この報知結果が設計良好の場合、ユーザは設計した集積回路装置のトランジスタ素子のゲート絶縁膜の面積と、これに接続されている多層構造の導電部材の複数のアンテナ部のアンテナサイズとが、適正な関係にあることを確認でき、例えば、その設計で集積回路装置の生産を開始することができる。
【0048】
一方、上述の報知結果が設計不良の場合、ユーザは集積回路装置の設計が適正でないことを確認でき、例えば、トランジスタ素子のゲート絶縁膜の面積の変更、これに接続されている多層構造の導電部材の複数のアンテナ部のアンテナサイズの削減、対策用のセルの挿入、等の設計変更を開始することができる。
【0049】
そして、上述のように設計良好が確認されて製造される集積回路装置は、ゲート絶縁膜の面積Sjに対して多層構造の導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナサイズMiが、
Σ[(Mi/Sj)/Rmi]<1
を満足している。
【0050】
このような集積回路装置では、トランジスタ素子のゲート絶縁膜に接続されている多層構造の導電部材の複数のアンテナ部のアンテナサイズが各々適正なので、製造過程のプラズマ処理により多層構造の導電部材の複数のアンテナ部に電荷が流入されても、ゲート絶縁膜に蓄積されるダメージが致命的とならない。
【0051】
このように、本実施の形態のデータ処理装置100を利用した回路設計方法では、トランジスタ素子のゲート絶縁膜の面積や多層構造の導電部材の複数のアンテナ部のアンテナサイズなどを最適化することができるので、最適な構造の集積回路装置を良好な効率で設計することができる。
【0052】
ここで、上述のように集積回路装置の設計の良否を判定する場合の第一の実施例を以下に簡単に説明する。まず、設計して良否を判定する集積回路装置として、ここではゲート絶縁膜に配線パターンM1とコンタクトヴィアV2と配線パターンM3とが順番に接続されたものを想定し、これらの実際のアンテナ比Riと許容される最大のアンテナ比Rmiとが以下の通りとする。また、定数aは事前に実験により決定される数値なので、ここでは“a=1.2”とする。
【0053】
【表1】
そこで、これらのアンテナ部M1,V2,M3ごとの個別ダメージDiを累積したダメージ総量ΣDは
ΣD=(500/1000)a+(4/20)a+(100/1000)a
となるので“a=1.2”ならば“ΣD=0.64”となり、これは“1”より小さいので設計は良好と判定される。
【0054】
さらに、上記の数値から設計に充分に余裕があることも確認できるので、例えば、アンテナ比が“R3=480”となるまで配線パターンM3を拡大したり、アンテナ比が“R2=11”となるまでコンタクトヴィアV2を拡大することも可能となる。
【0055】
なお、この第一の実施例では配線パターンM1,M3に実行されるプラズマ処理が同一と想定したので許容される最大のアンテナ比Rmiが同一であるが、配線パターンM1,M3で実行されるプラズマ処理が相違すると、例えば、以下のように許容される最大のアンテナ比Rmiも相互に相違することになる。
【0056】
【表2】
この場合、これらのアンテナ部M1,V2,M3によるダメージ総量ΣDは
ΣD=(500/550)a+(4/20)a+(100/1000)a
となるので“a=1.2”ならば“ΣD=1.1”となり、この場合はダメージ総量が“1”より大きいので設計は不良と判定される。
【0057】
このような場合、例えば、配線パターンM1を縮小して実際のアンテナ比を“450”以下とすれば、ダメージ総量ΣDを“1”より小さくすることができる。また、配線パターンM1のみの設計変更が困難な場合には、例えば、配線パターンM1のアンテナ比を“490”以下とし、かつ、コンタクトヴィアV2のアンテナ比を“2”以下とすれば、ダメージ総量ΣDを“1”より小さくすることができる。
【0058】
なお、本発明は上記形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではRAM104等にソフトウェアとして格納されている制御プログラムに従ってCPU101が動作することにより、データ処理装置100に各種手段が論理的に実現されることを例示した。しかし、このような各種手段の各々を固有のハードウェアとして形成することも可能であり、一部をソフトウェアとしてRAM104等に格納するとともに一部をハードウェアとして形成することも可能である。
【0059】
また、上記形態ではCD−ROM108等からHDD105に事前にインストールされているソフトウェアがデータ処理装置100の起動時にRAM104に複写され、このようにRAM104に格納されたソフトウェアをCPU101が読み取ることを想定したが、このようなソフトウェアをHDD105に格納したままCPU101に利用させることや、ROM103に事前に固定的に格納しておくことも可能である。
【0060】
さらに、単体で取り扱える情報記憶媒体であるFD106やCD−ROM108にソフトウェアを格納しておき、このFD106等からHDD105やRAM104にソフトウェアをインストールすることも可能であるが、このようなインストールを実行することなくFD106等からCPU101がソフトウェアを直接に読み取って処理動作を実行することも可能である。
【0061】
つまり、本発明のデータ処理装置100の各種機能をソフトウェアにより実現する場合、そのソフトウェアはCPU101が読み取って対応する動作を実行できる状態に有れば良い。また、上述のような各種手段を実現する制御プログラムを、複数のソフトウェアの組み合わせで形成することも可能であり、その場合、単体の製品となる情報記憶媒体には、本発明のデータ処理装置100を実現するための必要最小限のソフトウェアのみを格納しておけば良い。
【0062】
例えば、既存のオペレーティングシステムが実装されているデータ処理装置100に、CD−ROM108等の情報記憶媒体によりアプリケーションソフトを提供するような場合、本発明のデータ処理装置100の各種機能を実現するソフトウェアは、アプリケーションソフトとオペレーティングシステムとを組み合わせて実現されるので、オペレーティングシステムに依存する部分のソフトウェアは情報記憶媒体のアプリケーションソフトから省略することができる。
【0063】
また、このように情報記憶媒体に記述したソフトウェアをCPU101に供給する手法は、その情報記憶媒体をデータ処理装置100に直接に装填することに限定されない。例えば、上述のようなソフトウェアをホストコンピュータの情報記憶媒体に格納しておき、このホストコンピュータを通信ネットワークで端末コンピュータに接続し、ホストコンピュータから端末コンピュータにデータ通信でソフトウェアを供給することも可能である。
【0064】
上述のような場合、端末コンピュータが自身の情報記憶媒体にソフトウェアをダウンロードした状態でスタンドアロンの処理動作を実行することも可能であるが、ソフトウェアをダウンロードすることなくホストコンピュータとのリアルタイムのデータ通信により処理動作を実行することも可能である。この場合、ホストコンピュータと端末コンピュータとを通信ネットワークで接続したシステム全体が、本発明のデータ処理装置100に相当することになる。
【0065】
また、上記形態では導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDiを
Di=Ri/Rmi
として算出することを例示したが、これを“0”より大きい定数“a”により
Di=(Ri/Rmi)a
として算出することも可能であり、所定の関数“f”により
Di=f(Ri/Rmi)
として算出することも可能である。
【0066】
特に、上記形態では定数“a”を“1”とすることを例示したが、これはトランジスタ素子の構造や製造工程に依存して各種に変化する。そこで、実験により調査したところ、多くの場合は定数“a”が“0.5≦a≦1.8”を満足する範囲なら良好な結果となることが確認されている。
【0067】
さらに、上記形態ではゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナ比Riの算出と、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDiの算出と、ダメージ総量ΣDの算出とを、順番に実行することを例示した。
【0068】
しかし、これは説明を簡略化するために便宜的に表現したものであり、実際のデータ処理装置100のデータ処理方法では、
ΣD=Σ[(Mi/Sj)/Rmi)
などとして、面積SjとアンテナサイズMiとアンテナ比Rmiとからダメージ総量ΣDを一度に算出することも可能である。
【0069】
また、本実施の形態では、データ処理装置100に外部からデータ入力される導電部材の複数のアンテナ部ごとの最大のアンテナ比Rmiが、既存の算出方法により形状や処理などに対応して個々に事前に検出されていることを例示した。このようなアンテナ比Rは、基本的にはゲート絶縁膜の基準の面積Sと導電部材の許容される最大のアンテナサイズMとの比率として算出される。
【0070】
しかし、ゲート絶縁膜の基準の面積S0に対して導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナサイズM0iが規定されているならば、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjが基準の面積S0とは相違するときに最大のアンテナ比Rmiを
Rmi=(M0i/S0)×(S0/Sj)b (bは所定の定数)
として算出することも可能であり、
Rmi=(M0i/S0)×[c/[d+(Sj/S0)]] (c,dは所定の定数)
として算出することも可能である。
【0071】
ここで、このように最大のアンテナ比Rmiを算出する回路設計方法を本発明の実施の第二の形態として図4を参照して以下に説明する。まず、ゲート絶縁膜の実際の面積Sとゲート絶縁膜を破壊せずに通電できる最大の電荷量Qとの対応関係をアンテナ比Rが一定の条件で本発明者が調査したところ、図4に示すように、許容される最大の電荷量Qは一定とならないことが実験により確認された。
【0072】
そこで、実験結果に近似する曲線となる数式を考察したところ、
Q=a/Sb (a,bは所定の定数) …(1)
Q=c/(d+S) (c,dは所定の定数) …(2)
なる二式の曲線が実験結果に近似することが判明した。
【0073】
許容される最大の電荷量Qがゲート絶縁膜の面積Sにより変化すると云うことは、許容される導電部材の最大のアンテナサイズMやアンテナ比Rも上記の数式(1)(2)に対応してゲート絶縁膜の面積Sにより変化すると云うことを意味している。
【0074】
つまり、ゲート絶縁膜の基準の面積S0に対して許容される導電部材ごとの最大のアンテナサイズM0iやアンテナ比R0が規定されているとき、新規のゲート絶縁膜の面積Sjと新規の導電部材の最大のアンテナ比Rmiとが
Rmi=(M0i/S0)×(S0/Sj)b=R0×(S0/Sj)b …(3)
や、
Rmi=(M0i/S0)×[c/[d+(Sj/S0)]]
=R0×[c/[d+(Sj/S0)]] …(4)
なる関係を満足するならば、導電部材のアンテナサイズは適正である。
【0075】
なお、上述の定数b,c,dは導電部材のアンテナサイズに対するダメージの割合を反映するので、トランジスタ素子の構造や製造工程に対応した定数として決定される。そこで、実験により調査したところ、定数bは“−2.0≦b≦0.8”が好適であることが確認でき、定数c,dは、“d<c,0.9≦c≦2.2,0.1≦d≦1.3”が好適であることが確認できた。
【0076】
そこで、本実施の形態のデータ処理装置100による回路設計方法では、ゲート絶縁膜の基準の面積S0と、これに対して導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナサイズM0iとがデータ入力されると、上述のようにアンテナ比Rmiを算出し、以下は前述の第一の形態と同様に設計の良否を判定する。
【0077】
ここで、上述のように最大のアンテナ比Rmiを“R0×(S0/Sj)b”として算出する場合の実施例を以下に簡単に説明する。まず、前述した表1のように、配線パターンM1とコンタクトヴィアV2と配線パターンM3との実際のアンテナ比Riと許容される最大のアンテナ比Rmiとが検出されているとする。
【0078】
その場合のダメージ総量ΣDは
ΣD=(500/1000)1.2+(4/20)1.2+(100/1000)1.2=0.64<1
となり設計は良好で充分に余裕があるので、このような状態からゲート絶縁膜の面積を変更する場合を想定する。
【0079】
例えば、ゲート絶縁膜の面積Sjを現状から二倍に変更するならば最大のアンテナ比Rmiは、
Rmi=(M0i/S0)×(S0/Sj)b
なので、新規のアンテナ比Rmiは現状の“(1/2)b”となる。
【0080】
そこで、“b=0.64”とするとアンテナ部M1,V2,M3に許容される最大のアンテナ比Rmiは、
【0081】
【表3】
となる。
【0082】
この場合のダメージ総量ΣDは
ΣD=(500/615)1.2+(4/12.3)1.2+(100/615)1.2=1.15
となり“1”以上である。従って、設計は不良と判定され、ゲート絶縁膜の面積Sjを現状から二倍に変更できないことが確認できる。
【0083】
それでもゲート絶縁膜の面積Sjを現状から二倍に変更したい場合、例えば、配線パターンM1を縮小して実際のアンテナ比を416以下とすれば、ダメージ総量ΣDを“1”より小さくすることができるので、ゲート絶縁膜の破壊を防止できることになる。
【0084】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0085】
請求項1に記載の発明の回路設計方法では、多層構造の導電部材の複数のアンテナ部ごとに個別ダメージが個々に算出され、これら個々に算出された個別ダメージの総量が所定の許容量より小さくなるように集積回路装置が設計されることにより、
多層構造の導電部材の複数のアンテナ部ごとにダメージ強度やアンテナ比が相違してもゲート絶縁膜のダメージ総量を正確に算出することができ、トランジスタ素子のゲート絶縁膜の面積や多層構造の導電部材の複数のアンテナ部のアンテナサイズなどを最適化することができるので、最適な構造の集積回路装置を良好な効率で設計することができる。
【0086】
請求項1,8,9,11,12,14に記載の発明では、導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナサイズMiと、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjとから、"Ri=Mi/Sj"として導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナ比Riが算出され、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対して導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmiから、"Di=f(Ri/Rmi)"としてゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDiが算出され、この算出結果から"ΣD=D1+D2+...+Dn"としてゲート絶縁膜に作用するダメージ総量ΣDが算出され、このダメージ総量ΣDが"1"より小さくなるように集積回路装置が設計されることにより、トランジスタ素子のゲート絶縁膜の面積や多層構造の導電部材の複数のアンテナ部のアンテナサイズなどを最適化することができるので、最適な構造の集積回路装置を簡単かつ確実に設計することができる。
【0087】
請求項2,10,13,15に記載の発明では、導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDiが"Di=(Ri/Rmi)a"として算出され、請求項3に記載の発明では、定数aが"0.5≦a≦1.8"を満足することにより、簡単な演算処理で適正に個別ダメージDiを算出することができる。
【0088】
請求項4に記載の発明では、ゲート絶縁膜の基準の面積S0に対して導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナサイズM0iが規定されており、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対して導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmiが"Rmi=(M0i/S0)×(S0/Sj)b"として算出され、請求項5に記載の発明では、"Rmi=(M0i/S0)×[c/[d+(Sj/S0)]]"として算出され、請求項6に記載の発明では、定数bが"−2.0≦b≦0.8"を満足し、請求項7に記載の発明では、定数c,dが"d<c,0.9≦c≦2.2,0.1≦d≦1.3"を満足することにより、ゲート絶縁膜の実際の面積Sと導電部材の実際に許容される最大のアンテナサイズMとが実際には比例しなくとも、ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対して導電部材のn個のアンテナ部ごとの最大のアンテナ比Rmiを適正かつ簡単に近似することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の回路設計方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の回路設計装置の実施の一形態であるデータ処理装置の論理構造を示す模式図である。
【図3】物理構造を示すブロック図である。
【図4】ゲート絶縁膜の面積Sと許容される最大の電荷量Qとの関係を示す特性図である。
【図5】製造過程の集積回路装置の要部を示す斜視図である。
【図6】製造過程の集積回路装置の要部を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
11 データ入力手段
12 比率算出手段
13 個別算出手段
14 総量算出手段
15 良否判定手段
100 回路設計装置であるデータ処理装置
101 コンピュータであるCPU
103 情報記憶媒体であるROM
104 情報記憶媒体であるRAM
105 情報記憶媒体であるHDD
106 情報記憶媒体であるFD
108 情報記憶媒体であるCD−ROM
Claims (15)
- 多層構造の導電部材がトランジスタ素子のゲート絶縁膜に接続されている集積回路装置を設計する回路設計方法であって、
前記ゲート絶縁膜に対する、前記導電部材である配線パターン及びコンタクトヴィアの各層をそれぞれ個別にアンテナ部として、
前記導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナサイズMi(i=1〜n)と前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sjとから前記導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナ比Ri(i=1〜n)を
Ri=Mi/Sj
として算出し、
前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対して前記導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmi(i=1〜n)から、前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する前記導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDi(i=1〜n)を
Di=f(Ri/Rmi) (fは所定の関数)
として算出し、
この算出結果から前記ゲート絶縁膜に作用するダメージ総量ΣDを
ΣD=D1+D2+...+Dn
として算出し、
このダメージ総量ΣDを"1"より小さくする回路設計方法。 - 前記導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDiを
Di=(Ri/Rmi)a (aは0より大きい定数)
として算出する請求項1に記載の回路設計方法。 - 前記定数aが
0.5≦a≦1.8
を満足する請求項2に記載の回路設計方法。 - 前記ゲート絶縁膜の基準の面積S0に対して前記導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナサイズM0iが個別に規定されており、
前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対して前記導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmiを
Rmi=(M0i/S0)×(S0/Sj)b (bは所定の定数)
として算出する請求項1ないし3の何れか一項に記載の回路設計方法。 - 前記ゲート絶縁膜の基準の面積S0と前記導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される個別の最大のアンテナサイズM0iとが規定されており、
前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対して前記導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmiを
Rmi=(M0i/S0)×[c/[d+(Sj/S0)]] (c,dは所定の定数)
として算出する請求項1ないし3の何れか一項に記載の回路設計方法。 - 前記定数bが
−2.0≦b≦0.8
を満足する請求項4に記載の回路設計方法。 - 前記定数c,dが
d<c
0.9≦c≦2.2
0.1≦d≦1.3
を満足する請求項5に記載の回路設計方法。 - 多層構造の導電部材がトランジスタ素子のゲート絶縁膜に接続されている集積回路装置の設計に利用される回路設計装置であって、
前記導電部材である配線パターン及びコンタクトヴィアの各層をそれぞれ個別にアンテナ部として、
前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sj、この面積Sjに対して前記導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmi(i=1〜n)、前記アンテナ部ごとのアンテナサイズMi(i=1〜n)、がデータ入力されるデータ入力手段と、
このデータ入力手段のデータ入力に対応して前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する前記導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナ比Ri(i=1〜n)を
Ri=Mi/Sj
として算出する比率算出手段と、
前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する前記導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDi(i=1〜n)を
Di=f(Ri/Rmi) (fは所定の関数)
として算出する個別算出手段と、
この個別算出手段の算出結果から前記ゲート絶縁膜に作用するダメージ総量ΣDを
ΣD=D1+D2+...+Dn
として算出する総量算出手段と、
を具備している回路設計装置。 - 前記総量算出手段により算出された前記総量ΣDが"1"以上であると設計不良を報知出力する良否判定手段も具備している請求項8に記載の回路設計装置。
- 前記個別算出手段が前記導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDiを
Di=(Ri/Rmi)a (aは0より大きい定数)
として算出する請求項8または9に記載の回路設計装置。 - コンピュータが読取自在なソフトウェアが格納されている情報記憶媒体であって、多層構造の導電部材がトランジスタ素子のゲート絶縁膜に接続されている集積回路装置の設計を支援するプログラムが格納されている情報記憶媒体において、
前記導電部材である配線パターン及びコンタクトヴィアの各層をそれぞれ個別にアンテナ部として、前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sj、この面積Sjに対して前記導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmi(i=1〜n)、前記アンテナ部ごとのアンテナサイズMi(i=1〜n)、のデータ入力を受け付けること、
このデータ入力に対応して前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する前記導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナ比Ri(i=1〜n)を
Ri=Mi/Sj
として算出すること、
前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対する前記導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDi(i=1〜n)を
Di=f(Ri/Rmi) (fは所定の関数)
として算出すること、
この算出結果から前記ゲート絶縁膜に作用するダメージ総量ΣDを
ΣD=D1+D2+...+Dn
として算出すること、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラムが格納されている情報記憶媒体。 - 算出された前記ダメージ総量ΣDが"1"以上であると設計不良を報知出力することを前記コンピュータに実行させるためのプログラムも格納されている請求項11に記載の情報記憶媒体。
- 前記導電部材のn個のアンテナ部ごとの個別ダメージDiを
Di=(Ri/Rmi)a (aは0より大きい定数)
として算出することを前記コンピュータに実行させるためのプログラムも格納されている請求項11または12に記載の情報記憶媒体。 - 多層構造の導電部材がトランジスタ素子のゲート絶縁膜に接続されている集積回路装置であって、
前記導電部材である配線パターン及びコンタクトヴィアの各層をそれぞれ個別にアンテナ部として、前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対して前記導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmi(i=1〜n)が設定されており、
前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対して前記導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナサイズMi(i=1〜n)が、
Σ[f((Mi/Sj)/Rmi)]<1 (fは所定の関数)
を満足している集積回路装置。 - 多層構造の導電部材がトランジスタ素子のゲート絶縁膜に接続されている集積回路装置であって、
前記導電部材である配線パターン及びコンタクトヴィアの各層をそれぞれ個別にアンテナ部として、前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対して前記導電部材のn個のアンテナ部ごとに許容される最大のアンテナ比Rmi(i=1〜n)が設定されており、
前記ゲート絶縁膜の実際の面積Sjに対して前記導電部材のn個のアンテナ部ごとのアンテナサイズMi(i=1〜n)が、
Σ[((Mi/Sj)/Rmi)a]<1 (aは0より大きい定数)
を満足している集積回路装置。
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