次に本発明の一実施形態に係る電子写真画像形成装置について、図面を参照して具体的に説明する。
〔第1実施形態〕
[画像形成装置の全体構成]
まず、図1及び図2を参照して第1実施形態に係る電子写真画像形成装置の全体構成について説明する。
本実施形態の画像形成装置200は、電子写真画像形成プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザプリンタである。このプリンタは、パソコン、イメージリーダ等の外部ホスト装置(不図示)から入力する画像信号に基づいて、シート14(記録媒体)に画像を形成する。
以下の説明において、画像形成装置200に関して、前側(正面側)とはドア(第1の開閉部材)28を配設した側である。後側(奥側)とは、それとは反対側である。また、左右とは装置本体を前側から見て左または右である。また、後側(奥側)とは、後述するトレイ(カートリッジ支持部材)26が内側位置Iから外側位置Oに移動する引き出し方向300(図2の矢印)において上流側である。前側(正面側)とは、前記引き出し方向300において、下流側である。
図2に示すように、画像形成装置本体(以下「装置本体」又は「本体」という)100内には後側から前側にかけて、第1から第4の4つのプロセスカートリッジ(以下「カートリッジ」という)3(3Y,3M,3C,3K)が水平方向に並べて配設されている。各カートリッジ3は、収容された現像剤(トナー)の色が異なるだけで、同様の構成である。
本実施形態のカートリッジ3は、感光体ドラム1(1Y,1M,1C,1K)を回転可能に有している。そして、感光体ドラム1の周囲に、感光体ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電器10、現像ローラ2(2Y,2M,2C,2K)等を有する現像器、クリーニング器11が配置されている。そして、これらがカートリッジ枠体内に一体的に組み付けられてカートリッジ3が構成されている。帯電器10は帯電ローラであって、感光体ドラム1を帯電する。クリーニング器11はクリーニングブレードであって、転写後に感光体ドラム1に残留するトナーを徐去する。帯電器10によって帯電された感光体ドラム1は、後述するレーザ光によって照射されることによって、静電潜像が形成される。現像ローラ2によって、前記静電潜像をトナー(現像剤)を用いて現像する。これによって、感光体ドラム1にトナー像(現像剤像)が形成される。
第1のカートリッジ3Yは、現像器(現像剤収容部)内にイエローのトナーを収容しており、感光体ドラム1にイエロートナー像を形成する。同様に、第2のカートリッジ3Mはマゼンタのトナーを収容しており、マゼンタトナー像を形成する。第3のカートリッジ3Cはシアンのトナーを収容しており、シアントナー像を形成する。第4のカートリッジ3Kはブラックのトナーを収容しており、ブラックトナー像を形成する。
カートリッジ3の上方部には、レーザスキャナユニット25が配設されている。ユニット25は、外部ホスト装置(不図示)から入力する各色の画像情報に対応して変調したレーザ光を出力して、カートリッジ3のドラム面を走査露光する。
カートリッジ3の下方部には、中間転写ベルトユニット60が配設されている。ベルトユニット60は、誘電体製で、可撓性を有するエンドレスベルト(中間転写体)18と、ベルト18を循環移動させる駆動ローラ16、テンションローラ19とを有する。
カートリッジ3の有する感光体ドラム1は、その下面がベルト18に接している。ベルト18の内側には、ベルト18を介して感光体ドラム1と対向して4個の一次転写ローラ(図示せず)が配設されている。ローラ16には、ベルト18を介して二次転写ローラ17が当接している。
ベルトユニット60の下方部には、給送ユニット61が配設されている。ユニット61は、給送トレイ13、給送ローラ15a、分離ローラ15b等を有する。トレイ13は、使用者によって、本体100の前側から出し入れできる(フロントローデング)。
装置本体内の後側の上部には、定着装置20と、排出ローラ対22とが配設されている。本体100の上面は排出トレイ24となっている。
画像形成に際しては、感光体ドラム1に電子写真画像形成プロセスによりトナー像を形成する。そして、そのトナー像を回転するベルト18に順次一次転写する。これによって、フルカラー画像を形成する。この画像形成と同期して、給送トレイ13から給送ローラ15a等によってシート14が二次転写ローラ17とベルト18とのニップ部である二次転写部に搬送される。そして、転写ローラ17へのバイアス印加によって、ベルト18上のトナー像がシート14に転写される。
さらにトナー像が転写されたシート14は、定着装置20に搬送される。そして、シート14は、定着装置20によって、加熱、加圧されてトナー像が定着される。これによって、シート14に画像が形成される。その後、画像が形成されたシート14は、排出ローラ対22によって排出トレイ24へ排出される。
[カートリッジの着脱構成]
次に装置本体100にカートリッジ3を着脱するための構成について説明する。
図1及び図2に示すように、本体100の前側にはドア(第1の開閉部材)28が下方に位置する軸28aを中心に回動可能に取り付けられている。これにより、本体100の開口部(第1の開口部)100bが開閉可能に構成されている。即ち、ドア28が、開口部100bを開放可能に閉じる。開口部100bは、後述する、トレイ26が内側位置Iと外側位置Oとの間を移動する際に、通過する開口である。ドア28は、ドア28の下部に設けられた軸28aを中心にして、本体100の外側に回動して、開口部100bを開放する。ドア28は、開口部100bを開放可能に閉じる。
本体100内には、カートリッジ3を装着する装着スペース(カートリッジ装着部)100aが設けられている。そして、スペース100aにはカートリッジ3を支持するカートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)26が取り付けられている。トレイ26は、スペース100aの左右内壁に設けられたレール27に案内されて、スペース100aを装置200の前後方向にスライド移動可能に取り付けられている。トレイ26は、カートリッジPを支持した状態で、本体100の内側に位置する内側位置Iと、本体100の外側に位置する外側位置Oと、の間を直線的に移動する。
ここで、外側位置O(図1で点線で示す位置、図2に示す位置)は、使用者がトレイ26に対してカートリッジPの着脱(交換)を行う位置である。即ち、使用者は、トレイ26にカートリッジPを支持する。また、トレイ26からカートリッジPを取り出す。使用者が、トレイ26を内側位置I(図1の実線で示す位置)から外側位置Oに引き出した状態で、トレイ26に対してカートリッジPを着脱する。そして、使用者がトレイ26を内側位置Iに押し込むことによって、カートリッジPを画像形成位置R(図1)に装着する。
画像形成位置Rは、カートリッジPがシート14に画像を形成するのに寄与する位置である。本実施形態では、画像形成位置Rとは、カートリッジPの有するドラム1がベルト18に接触している位置である。尚、カートリッジ3が画像形成位置Rに位置している場合には、トレイ26がカートリッジ3を支持していなくても良い。カートリッジ3は、トレイ26から浮き上がっていても良い。
尚、外側位置Oでもって、トレイ26に支持された(装着された)カートリッジPは、使用者がトレイ26を本体100内に押し込むと内側位置Iに移動する。そしてカートリッジPは、画像形成位置Rに位置する。本実施形態によれば、トレイ26が内側位置Iに位置した状態でドア28が閉じられると、トレイ26が下降してカートリッジPは画像形成位置Rに位置する。そして、ドア28が開放されると、トレイ26が上昇するのに連れてカートリッジPも上昇する。これによって、感光体ドラム1が転写ベルト18から離れる。
前述した実施形態では、トレイ26は装置本体100の設置面(図示せず)に対して水平方向に移動する。しかしながら、本実施形態ではこれに限定されずに、トレイ26は本体100の設置面(図示せず)に対して、例えば斜め上方、或いは、斜め下方に直線的に移動しても良い。トレイ26は、支持する(収容する、装着する)カートリッジPの長手方向と直交する方向に直線的に移動する。尚、カートリッジPの長手方向とは、感光体ドラム1の長手方向、又は、現像ローラ2の長手方向である。
トレイ26には複数のカートリッジ3(3Y,3M,3C,3K)を取り外し可能に支持する支持部26a(図2)が設けられている。支持部26aに一つずつカートリッジPを嵌合する。これによって、トレイ26に4個のカートリッジ3Y,3M,3C,3Kを取り外し可能に支持(装着)する。図2に示すように、トレイ26の前側端部には把手部26bが設けられている。使用者は、把手部26bを把持して、トレイ26を引き出す、及び、押し込む。
カートリッジPを本体100に着脱する場合には、使用者が、ドア28を開き、把手部26bをつかむ。これによって、トレイ26を本体100にロックしているロック部材43がスライドしてロックが解除される。この状態で、使用者が、把手部26bをもってトレイ26を手前側の所定の位置(外側位置O)まで引き出す。これにより、図2に示すように、トレイ26に支持されたカートリッジ3が本体100から露出する。このため、図2に示すように、各カートリッジ3を上方へ取り出すことができる。従って、カートリッジPの交換を容易に行うことができる。このように、トレイ26がカートリッジPを支持して、スライド可能とする。これにより、複数のカートリッジPを本体100に着脱することを容易に行うことができる。
尚、トレイ26の本体100からの引き出しの規制は、本体に設けたストッパ(不図示)とトレイ26に設けたストッパ(不図示)とが当接することによって行われる。これによって、トレイ26は、本体からの引き出し長さ(突出長さ)が規定される。また、トレイ26は、本体から外れることはない。
また、引き出したトレイ26にカートリッジ3を装着した後は、トレイ26を装置200の後方(奥側)にスライドさせて本体100内に押し込む。トレイ26が所定の位置(内側位置I)まで押し込まれる。そして、トレイ26の端部に設けられた突当部(図示せず)が本体100の位置決め部(図示せず)に突き当たる。そして、使用者が把手部26bを離すと、ロック部材43がスライドしてトレイ26を本体100にロックする。この状態でドア28を閉じると、カートリッジPの駆動力伝達カップリング(図示せず)が本体100の駆動力伝達カップリング(図示せず)と結合する。また、カートリッジPが画像形成位置Rに固定される。尚、本体100とは、画像形成装置200からトレイ26、カバー4、5及びドア28を除いた構成である。
[カバーの開閉構成]
本実施形態の画像形成装置200にあっては、本体100の前側と後側とに、各々本体100に対して開閉可能なカバーが設けられている。
前側のフロントカバー(第2の開閉部材)5は、ドア28の上側であって、本体100の前側に設けられている(図1)。カバー5は、カートリッジ開口部(第2の開口部)Yを開閉する。開口部Yは、トレイ26を外側位置Oに引き出した状態で、引き出し方向300(図2)において最上流側に位置しているカートリッジ3Yをトレイ26に対して着脱するためのものである。開口部Yは、開口部100bの上部(ドア28の上部)に、開口部100bと連なって、設けられている。開口部Yは、開口部100bの上部に、開口部100bと接続して設けられている。開口部Yは、トレイ26が外側位置Oに位置した状態で、トレイ26に支持されたカートリッジPをトレイ26から取り出すためのものである。また、開口部Yは、トレイ26にカートリッジPを支持させるためのものである。即ち、開口部Yは、トレイ26にカートリッジPを着脱する際に、使用者がカートリッジPを通過させるためのものである。
また、カバー5は、閉じ位置で、本体100の外部から、本体100内に外光が進入するのを防ぐ。カバー5は、閉じ位置で、装着しているカートリッジPへ外光が当たるのを防ぐ。カバー5は、開口部Yを開放可能に閉じるものである。また、カバー5は、開口部Yを閉じる閉じ位置(図1の実線で示す位置)に位置する際に、外光が本体100内に進入するのを規制している。従って、カバー5は、光を通過させない樹脂製である。
本体100の後側に設けられたリアカバー(第3の開閉部材)4は、シート搬送路(奥側搬送路)S(図1)の上部に設けられている。即ち、カバー4は、本体100の上部に設けられている。搬送路Sは、二次転写ローラ17から排出ローラ対22へ至る経路である。カバー4は、搬送路Sの下部の少なくとも一部を露出させる搬送路開口部(第3の開口部)Xを開閉可能に構成されている。使用者は、開口部Xから、搬送路Sに手を侵入させることができる。カバー4は排出トレイ24の一部を構成し、閉じた際には、排出ローラ対22により排出されるシート14を受ける位置に配置される。開口部Xは、本体100の上部に設けられている。開口部Xは、内側位置Iに位置するトレイ26の奥側に設けられた、シート14を搬送する搬送路Sに詰まったシート14を取り除くためのものである。即ち、開口部Xは、搬送路Sに詰まったシート14を取り除く際に、シート14を通過させる。カバー4は、開口部Xを開放可能に閉じる。カバー4は、開口部Xを閉じる閉じ位置(図1の実線で示す位置)に位置する際に、外光が本体100内に進入するのを規制する。即ち、カバー4は、カートリッジPに当たる外光が本体100内に進入するのを規制している。カバー4は、光を通過させない樹脂製である。
そして、フロントカバー5はトレイ26の引き出し動作に連動して開き、押し込み動作に連動して閉じる。
尚、カバー4は、搬送路Sにシート14が詰まった(ジャムした)場合には、トレイ26の引き出し動作に連動して開く。カバー4は、通常は、トレイ26の引き出し動作に連動して開くことはない。
図2は、カートリッジPを交換するために、トレイ26を引き出した状態を示す断面図である。トレイ26を本体100から引き出し、カバー5が開口部Yを開いた状態では、引き出されたカートリッジ3が露出する(図2)。特に、引き出し動作と連動してカバー5が自動的に開放する。従って、カートリッジ3Yを含めて全てのカートリッジPが本体100から露出する。図2においては、開口部Yを開いた状態のカバー5の開き位置を実線で示し、開口部Yを閉じた状態のカバー5の閉じ位置を点線で示している。カバー5は、カバー5の開放時には閉じ姿勢を保ったまま上方、かつ、後方(本体100の奥側)へスライド移動して開く。カバー5は、姿勢を維持した状態で、開口部Yを閉じる閉じ位置(図1の実線で示す位置)と、開口部Yをを開く開き位置(図1の点線で示す位置)とをスライド移動する。カバー5は、トレイ26の引き出し移動に連動して、必ず開き位置に移動する。
このため、トレイ26を本体100から前方へ引き出し量L1(図2)引き出すと、4個のカートリッジ3が本体100から露出する。引き出し量L1は、図2に示すように、略3個のカートリッジ3M,3C,3Kを本体100から前方へ引き出す程度の距離である。そして、最も奥側に配置されたカートリッジ3Yは、前述のようにカバー5が後方へ移動することで本体100から露出する。従って、使用者は、トレイ26を引き出し量L1だけ引き出すことによって、トレイ26からカートリッジ3Yを取り出すことができる。即ち、本実施形態によれば、カートリッジ3Yが、開口部100bよりも外側に位置するまでトレイ26を引き出さなくても、カートリッジ3Yのトレイ26に対する着脱を円滑に行うことができる。ここで、カートリッジ3Yは、トレイ26が内側位置Iから外側位置Oに移動する引き出し方向300(図2)において、トレイ26の最上流に支持されている。尚、開口部100bは、鉛直方向において、軸28aの上部に設けられている。これによって、本実施形態によれば、装置200の設置スペースを小さくすることができる。
リアカバー4は、図2に示すように、トレイ26を本体100から引き出すと、下部に設けられた回動軸30を中心に奥側(後方)に回転して開く。これにより、本体100内部のシート搬送路Sの上部を露出させることができる。従って、使用者は、二次転写部(二次転写ローラ17)から定着部(定着装置20)の範囲でジャムした(詰まった)シート14を容易に除去することができる。
尚、カバー4は、常に、トレイ26を本体100から引き出す引き出し動作に連動して、開く構成ではない。カバー4は、搬送路Sにシート14が詰まった(ジャムした)場合に、トレイ26の引き出し動作に連動して開く。
ここで、トレイ26の移動に連動して、トレイ26とカバー5及びカバー4を開閉する開閉連動手段(第1の連動手段、第2の連動手段)について図3乃至図8を参照して説明する。尚、図にはトレイ26の左右方向一方側のみを示しているが、他方側にも同様の開閉連動手段が設けられている。
図3に示すように、カバー4の回動軸30にはアーム部材8の一端が取り付けられている。また、回動軸30には、カバー4及びアーム部材8の一端が固定されている。従って、回動軸30とカバー4、及び、アーム部材8が一体的に回転する。また、回動軸30にはねじりコイルバネ(弾性部材)31が取り付けられ、その一端は本体100の所定箇所に係止され、他端はアーム部材8に係止されている。これにより、アーム部材8は、バネ31の弾性力によって、反時計回り方向600(図3)に付勢されている。これによって、アーム部材8は、トレイ26が内側位置Iに位置する際には、トレイ26の奥側に設けられた突起6に係止している。
図4に示すように、カバー5には、2本の軸32,33が設けられている。尚、カバー5は水平部5aと鉛直部5bとを有している。水平部5aは、上方から本体100内に外光が侵入するのを防止する。鉛直部5bは、斜め上方から本体100内に外光が侵入するのを防止する。一方の軸32は開閉リンク34の一方端部に枢着されている。そして、リンク34の他方端部は、回動軸36を中心に回動可能に取り付けられている。また、回動軸36にはアーム部材9の一端が固定して取り付けられている。これによって、回動軸36とアーム部材9、及び、開閉リンク34が一体的に回転する。
さらに、回動軸36にはねじりコイルバネ(弾性部材)38が取り付けられ、その一端は本体100の所定箇所に係止され、他端はアーム部材9に係止されている。これにより、アーム部材9はバネ38の弾性力によって反時計回り方向600(図4)に付勢されている。そして、アーム部材9は、内側位置Iに位置するトレイ26の前側に設けられた突起7に係止している。
また、本体100にはガイド板55が設けられている。、ガイド板55には円弧状のガイド溝55aが設けられている。そして、カバー5に設けられた軸33がガイド溝55aにスライド可能に嵌合している。
カバー5(水平部5a)の上方にはフラッパ35が取り付けられている。フラッパ35はトップカバー37に軸35aを中心にして回動自在に取り付けられている。そして、フラッパ35は軸35aに取り付けられたねじりコイルバネ(弾性部材)29の弾性力により、反時計回り方向(図4)に付勢されている。フラッパ35は、端部がカバー5の端部に当接している。フラッパ35はトップカバー37とカバー5(水平部5a)の間から本体100内に光が侵入するのを防止する。
[カバーの開閉動作]
次にトレイ26のスライドとカバー4の開き動作及びカバー5の開閉動作について説明する。
ここで、図5、図8を用いて、搬送路Sにおいてシート14がジャムした場合に、カバー4が、トレイ26の引き出し動作と連動して開く構成について説明する。カバー4は、通常は、トレイ26の引き出し動作と連動して開くことはなく、閉じたままである。本体100には、ソレノイド700が設けられている。ソレノイド700に設けられたレバー47はアーム部材8と係合している。センサ400が搬送路Sに沿って配置されている。
ジャムが発生した場合に、センサ400からジャム発生信号が制御部500に伝達される。尚、制御部500は、装置200全体の制御を行う制御部である。制御部500がジャム発生信号を受けると、制御部500がソレノイド700を駆動して、レバー47を回動する。レバー47が回動すると、アーム部材8との係合が解除される。そして、バネ31の弾性力によって、アーム部材8が反時計方向に回動して、突起6に係合する。尚、突起6は、トレイ26に設けられている。この状態で、使用者がトレイ26を引き出すと、アーム部材8が回動して、カバー4が開く。従って、開口部Xが開いて、ジャム処理(詰まったシートの取り出し)が可能となる。
尚、搬送路Sにシートがジャムしていない場合には、アーム部材8がソレノイド700のレバー47に係合したままである。そのため、トレイ26を本体100から引き出したとしても、カバー4は開かない。カバー4は閉じたままである。
尚、ジャム処理が終了した場合には、ソレノイド700の駆動が停止する。そして、アーム部材8がレバー47に係合した状態となる。よって、アーム部材8がトレイ26の移動に連動することはない。ここで、ジャム処理が終了したことは、例えば、ドア28が閉められたこと、或いは、カバー4が閉められたことを、センサ(不図示)によって検知する。このセンサからのジャム処理終了情報を、制御部500が受ける。このジャム処理終了情報に基づいて、制御部500がソレノイド700の駆動を停止させる。
(開動作)
次にカートリッジ3を交換する際、もしくは、シート14のジャム処理を行う場合には、使用者は、まず、ドア28を開く(図2参照)。そして、使用者は、把手部26bをつかんでトレイ26を本体100から引き出す。トレイ26を引き出すと、カバー5の回転を規制していた突起7の規制が解除される。これによって、バネ38の弾性力により、アーム部材9がそれぞれ軸36を中心に回転して、カバー5が開く。即ち、本実施形態によれば、開口部Yをトレイ26の引き出しに動作に連動して開放することができる。図2において、点線で示した状態が、カバー5が開放位置に位置した状態である。
図5はカバー4が開いた状態を示す斜視図である。さて、カートリッジ3が画像形成位置Rに位置する位置にトレイ26が位置している場合であって、搬送路Sにおいてジャムが発生した場合には、前述した動作によって、アーム部材8は、レバー47との係合を解除される。そして、アーム部材8は突起6に当接する。従って、トレイ26が本体100から引き出されると、アーム部材8はバネ31の弾性力に付勢されて回転する。そして、アーム部材8は、トップカバー37(図3)に設けられた係止部39と当接して停止する。これにより、カバー4は前記弾性力によって開いた状態に維持される。カバー4が開くことにより、開口部Xが開口する。
開口部Xが開口すると、搬送路Sの上部が露出する。そのため、使用者が、本体100の正面側から搬送路Sにアクセスすることができる。これによって、使用者は、本体100内部でジャムしたシート14を容易に除去することができる。
図6はカバー5が開いた状態を示す断面図である。トレイ26が引き出されると、アーム部材9が突起7との係合を解除される。そして、アーム部材9がバネ38の弾性力に付勢されて反時計方向に回転する。そして、アーム部材9は、本体100に取り付けられた係止部40と当接して停止する。このとき、開閉リンク34もアーム部材9と一体的に回転する。
開閉リンク34の回転により、これと枢着した軸32が矢印80(図6)に示すように、円弧を描くように回動する。このとき、カバー5に設けられた軸33がガイド溝55aにガイドされて円弧を描くように移動する。このため、カバー5は閉じた状態と同じ姿勢を維持したまま、上方、かつ、後方(本体の奥側)へスライド移動する。即ち、カバー5は、水平部5aが水平状態を維持したままスライド移動する。これによって、カバー5は開口部Yを開く。本実施形態によれば、カバー5は、閉じた状態と同じ姿勢を維持したままスライド移動して、排出トレイ24の下方にもぐりこむ。そこで、カバー5は、カートリッジ3Yの上方から退く。従って、カバー5がカートリッジ3Yのトレイ26に対する着脱の邪魔になることはない。
尚、本実施形態によれば、前述した通り、カバー5は、閉じた状態と同じ姿勢を維持したままスライド移動して、排出トレイ24の下方にもぐりこむ。従って、カバー5は、トレイ26が本体から引き出されるたびに開き位置に移動したとしても目立つことはない。しかも、トレイ26が本体から引き出される場合には、カートリッジの交換を行う場合が多い。よって、カバー5がトレイ26の引き出し動作と連動して開放することは、カートリッジ3の交換作業性を向上させる。
また、本実施形態によれば、例えば、カートリッジ3Cを交換する場合には、カートリッジ3Cが開口部Yの下方に位置する距離だけ、トレイ26を引き出せばよい。従って、トレイ26の引き出し量を少なくできるので、カートリッジ3の交換作業性を向上させることができる。前述したとおり、トレイ26が内側位置Iから外側位置Oに引き出される移動に連動して、カバー5を開き位置に移動させる。第1の連動手段は、突起7、アーム部材9、軸32,33、開閉リンク34、回動軸36、バネ38、ガイド板55、及び、ガイド溝55aを有している。尚、後述する通り、第1の連動手段は、この構成に限定されるものではない。
尚、カバー5の移動にともなって、フラッパ35はカバー5の端部に押されて回転する。
上記のようにしてカバー5が開くことで、トレイ26の引き出し量を少なくしても、カートリッジ3を着脱するためのスペースを確保することができる。このため、カートリッジ着脱の際の操作性を損なうことなく、本体占有スペースを小さくすることができる。
(閉じ動作)
次に、トレイ26を本体内に収納する場合の、カバー5の閉じ動作について図7を参照して説明する。
図7に示すように、アーム部材9の先端部には突起41が設けられている。また、トレイ26の所定位置には突起41と係合可能であって傾斜したガイド面42aを有するガイド42が設けられている。そして、使用者が、トレイ26を本体100に押し込んでいくと、ガイド42の先端42bが突起41に突き当たる。さらに、トレイ26を押し込んでいくと、アーム部材9はガイド42のガイド面42aに案内されながら、バネ38の弾性力に抗して、軸36を中心に時計回り方向(図7の矢示90方向)に回転する。アーム部材9の回転に連動して、開閉リンク34が回転する。そして、リンク34と枢着した軸32が矢印100(図7)に示すように、円弧を描くように回動する。このとき、カバー5に設けられた軸33がガイド溝55aにガイドされて円弧を描くように移動する。このため、カバー5は開いた状態と同じ姿勢を維持したまま、下方、かつ、前方(本体の前側)へスライド移動する。これにより、カバー5は、トレイ26を押し込む動作と連動して閉じる。即ち、トレイ26の押し込み動作に連動して、カバー5を閉じる連動手段は、アーム部材9、突起41、ガイド42、開閉リンク34、ガイド溝55a及び軸33である。
次にトレイ26を本体100に収納するときのリアカバー4の動作について図5を参照して説明する。
カバー4はシート14のジャム処理ためのカバーである。このため、使用者が、開口部Xから手を入れる必要がある。そこで、カバー4を閉めないときには、トレイ26が内側位置(収納位置)Iに不用意に移動するのを規制する移動規制部材が設けられている。尚、前記ジャム処理とは、搬送路で詰まってしまったシート14を除去する作業である。
図5に示すように、アーム部材8の長手方向中央には突起44が設けられている。トレイ26の奥側に、突起(規制部材、本体側規制部材)44と係合可能な係止部(規制部材、支持部材側規制部財)45が設けられている。係止部45はトレイ26に設けられており、トレイ26から上方に突出している。そして、カバー4を閉じずに、トレイ26を本体100の奥側に押し込もうとすると、突起44と係止部45とが接触(当接)する。そこで、カバー4が開いた状態では、トレイ26を内側位置Iに押し込むことができない。即ち、突起(本体側規制部材)44と係止部(支持部材側規制部材)45とが、カバー4が開き位置にあるとき、外側位置Oに位置するトレイ26が内側位置Iに移動するのを規制部材である。
係止部45が突起44と接触する面は曲面形状45aをしており、カバー4が開いた状態にあるときの突起44との当接点(接触点)での法線はアーム部材8の回動軸30を通過するように構成されている。このため、カバー4が開いた状態で、トレイ26を押し込むと、係止部45が突起44に当接し、それ以上押してもアーム部材8を回転させる力が発生しない。よって、トレイ26をそれ以上は押し込めなくなり、トレイ26は本体100内に収納できない。本実施形態によれば、搬送路Sにシート14が詰まったことをセンサ400が検知した場合に、トレイ26が内側位置Iから外側位置Oに引き出される移動に連動して、カバー4を開き位置に移動させる第2の連動手段を有する。第2の連動手段は、アーム部材8、回動軸30、バネ31、係止部39、突起44を有する。尚、第2の連動手段は、この構成に限定されるものではなく、後述する構成であっても良い。
本実施形態によれば、使用者が手動でもってカバー4を閉じないと、トレイ26を本体100内に収納できない。そのため、使用者がジャム処理を忘れることがなく、ユーザビリティ性が向上する。
尚、カバー4はバネ(弾性部材)31の弾性力によって常に開く方向に付勢されている。そこで、トレイ26を本体内に収納せずにカバー4を閉じてもそのままでは開いてしまう。そのため、本実施形態では、トレイ26を引き出したままの状態で、使用者が手動でもってカバー4を閉じた場合に、一時的にカバー4を閉じた状態にロックする仮ロック手段を設けている。
仮ロック機構は、図8に示すように、本体100の所定位置にカバー4を閉じた場合に、アーム部材8と係止可能なレバー部材47が矢印方向にスライド可能に設けられている。レバー部材47は、押圧バネ(弾性部材)46の弾性力により、アーム部材8の方向に付勢されている。また、レバー部材47は、アーム部材8との対向面にはテーパー状に形成された傾斜面47aを有している。
トレイ26を本体内に収納していない状態で、使用者がカバー4を閉じると、アーム部材8が傾斜面47aに当接する。それとともに、アーム部材8がバネ46の弾性力に抗してレバー部材47を押し退ける。使用者がカバー4を所定量閉じると、アーム部材8が傾斜面47aを通過し、レバー部材47がバネ46の弾性力で初期位置に戻る。これにより、アーム部材8はレバー部材47によりロックされ、リアカバー4は閉じた状態で維持される。
使用者がカバー4を手動で閉じると、突起44と係止部45との当接がなくなる。このために、トレイ26を本体内に収納することができる。
トレイ26の奥側に設けられた突起6は、図8に示すように、先端部がテーパー状に形成された傾斜面である。このため、カバー4を閉じた状態で、トレイ26を本体内に収納すると、突起6がレバー部材47の傾斜面47aに当接する。それとともに、突起6がバネ46の弾性力に抗して、レバー部材47を押し退けて、アーム部材8と当接する。これにより、仮ロックが解除される。
仮ロックが解除された状態では、アーム部材8は突起6によって規制された状態になる。そのため、トレイ26を本体から引き出すことによって、カバー4が開くようになる。
以上のように本実施形態の画像形成装置200にあっては、トレイ26の移動に連動して、リアカバー4とフロントカバー5の開方動作が行われる。即ち、トレイ26が本体100から引き出されるのに連動して、カバー4、5の開放を行う。また、トレイ26が本体100内に押し込まれるのに連動して、カバー5の閉じ動作を行う。尚、本実施形態によれば、カバー4の閉じ動作は、トレイ26の押し込み動作と連動させてはいない。カバー4の閉じ動作は、使用者が手動で行う。しかも本実施形態によれば、カバー4が閉じていないと、トレイ26を本体内に押し込むことができない。これによって、ジャム処理(搬送路に詰まったシートの除去)が終了していないにもかかわらず、使用者がトレイ26を本体内に押し込むのを規制している。しかも、本実施形態によれば、シート14の補充、カートリッジPの交換、シート14のジャム処理といったユーザ動作の全てを、本体100の正面方向から行うことができる。そのため、ユーザビリティを向上させることができた。
また、本体100の手前に設けられたカバー5が開閉する。これにより、カートリッジPの交換性を損なうことなく、トレイ26の引き出し量を小さくすることができる。このため、本体100の設置スペースを小さくすることができる。
また、トレイ26は、カバー4が開いた状態では、本体内に収納することができない。そのため、本体100内部のシート処理を容易にすることができる。
尚、本実施形態ではトレイ26の引き出し、押し込み動作に連動してリアカバー4を開放する構成及びフロントカバー5を開閉する構成として、トレイ26に設けた突起44とアーム部材8との係合を用いた。しかし、連動手段(第1、第2の連動手段)としては、これに限定されるものではない。連動手段としては、これ以外にも、例えば欠歯ギアとピニオンラックギアを用いた機構等を用いて構成することもできる。しかしながら、前述した各実施形態で説明した構成は、簡易な構成であって、連動を円滑に行うことができる。
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態に係る画像形成装置について図9及び図10を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成は前述した実施形態と同一であるため重複する説明は省略する。ここでは、本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
第1実施形態では中間転写ベルトを用いてシートにトナー像(現像剤像)を二次転写する装置を例示した.しかしながら、本実施形態では、転写搬送ベルトを用いてシートを搬送し、このシートに感光体ドラム1から直接トナー像を転写するものである。
図9は第2実施形態に係る画像形成装置200の側面図である。給送ローラ15により給送されたシート14は、ガイド48によって吸着ローラ49と転写搬送ベルト50のニップ部に搬送される。ベルト50は駆動ローラ16により、図中反時計回り方向に回転し、シート14を搬送する。感光体ドラム1に形成されたトナー像は、ベルト50上のシート14に転写される。
さらに、トナー像が転写されたシート14は、定着装置20へ送られ、ここで加熱加圧されてトナー像が定着される。これによって、シート14に画像が形成される。画像が形成されたシート14は、排出ローラ対22により、排出トレイ24に排出される。
図10はジャム処理を行うために、トレイ26を本体100から引き出した状態を示す断面図である。ベルト50を用いた構成では、ベルト50上をシート14が通過する。そのため、ベルト50上に滞留した(ジャムした)シート51(図10)を処理する場合がある。
トレイ26を引き出すと、第1実施形態で説明した連動機構により、リアカバー4とフロントカバー5が連動して開く。
本実施形態においても第1実施形態と同様に、トレイ26を引き出し量L1だけ引き出すことで、カートリッジPの着脱および、本体奥側(搬送路S)のジャム処理を行うことができる。
さらに、本実施形態ではベルト50上のシートを処理する場合には、トレイ26の引き出し量L1よりもより引き出した位置となる、引き出し量L4する(図10参照)。これにより、ベルト50にアクセス可能な開口部Yを得ることができる。
本実施形態では、トレイ26とシート搬送部S1を覆うフロントカバー5が開くことにより、開口部Yが開放される。シート搬送部(下側搬送路)S1は、シート14がベルト50の回転によって搬送される経路である。従って、操作者は、開口部Yからスペース100aを通過して、ベルト50上に詰まっているシート51を取り除くことができる。そのため、シート14のジャム処理のし易ささを損なうことなく、トレイ26の引き出し量L4を小さくすることができる。
第2実施形態によれば、本体100には、内側位置Iに位置するトレイ26の下側に設けられた、シート14を搬送する搬送部S1を有する。また、開口部(第2の開口部)Yは、トレイ26に支持されたカートリッジPをトレイ26から取り出すための、且つ、トレイ26にカートリッジPを支持させるのに加えて、搬送部S1に詰まったシート51を取り除くためのためのものである。
本実施形態によれば、使用者は、本体100内に手を入れて、ジャムしたシート51を取り除くことができる。また、使用者は、開口部Yから、外側位置Oに位置するトレイ26の最上流側に位置するカートリッジ3Yをトレイ26に対して着脱することができる。即ち、本実施形態によれば、開口部Yを兼用することができる。尚、図10に示したトレイ26の位置は、ジャムしたシート51を開口部Yから、取り除くために、トレイ26を最も引出した位置である。カートリッジ3のトレイ26に対する着脱を行うためだけであれば、トレイ26はこの位置まで引きささなくても良い。即ち、通常は、この位置までトレイ26を引き出すことは無い。
前述した各実施形態によれば、トレイ(カートリッジ支持部材)26の移動に連動してフロントカバー(第1のカバー部材)5がカートリッジ開口部(第二の開口部)Yを開閉する。このため、トレイ26の本体100からの引き出し量が少なくても、カートリッジPが本体100から露出する。そこで、トレイ26を本体100から引き出す引き出し量(長さ)が、トレイ26の全長よりも短くても、カートリッジPの交換を行うことができる。このため、装置200の設置スペースを小さくしたうえで、カートリッジPの着脱を容易に行うことができる。
また、トレイ26の移動に連動して、フロントカバー5が開口部Yを開閉する。このため、トレイ26の移動量が少なくても、カートリッジPが本体100から露出して、カートリッジPの交換が容易となる。このため、本体の設置スペースを小さくしたうえで、カートリッジPの着脱を容易に行うことができる。
また、本体100の設置スペースを小さくしたうえで、カートリッジPの着脱を容易とすることができる。また、本体100の設置スペースを小さくしたうえで、本体内に詰まった記録媒体の取り除きを容易とすることができる。また、トレイ26の移動に連動して、カバー4、5を開放することができる。前述した実施形態によれば、内側位置Iに位置するトレイ26の奥側に設けられた搬送路Sに詰まったシート14を容易に取り除くことができる。また、、内側位置Iに位置するトレイ26の下側に設けられた搬送部S1に詰まったシート51(記録媒体)を容易に取り除くことができる。