JP4618576B2 - 日射遮蔽装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般建築物の窓ガラスの内側に設ける日射遮蔽装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物の窓ガラス面の室内側には、日射によるまぶしさの防止や日射熱の室内への進入の軽減を目的として種々の日射遮蔽装置が配される。
【0003】
日射遮蔽装置のうち、例えばブラインドによるもののうちには、窓ガラスを二重にし、このガラス間の中空層にブラインドを内蔵するものがあり、中空層に室内空気を通過させることでブラインドに溜まった熱を排出し、在室者への長波長輻射熱の軽減を図るものがある。
【0004】
このようなブラインド内蔵の二重ガラス窓は、コストが高く普及しにくい欠点があり、また、断熱性の高いことが夏季の夜間においては外部への放熱を妨げている。
【0005】
この不都合を解消し、低コスト、かつ、簡単な構造でブラインド内蔵の二重ガラスと同様に室内への輻射熱を軽減できるとともに、夏季の夜間に外部への放熱が妨げられることがなく、快適な環境を形成できる新規な日射遮蔽装置を提供するとして、特開平7−119373号には、図5に示される日射遮蔽装置の提案がなされている。
【0006】
すなわち、図5において、図中1は窓の窓ガラスで、この窓ガラス1の内側に複数のスラット2で構成するブラインド3を設ける。
【0007】
そして、このブラインド3のスラット2の室内側の端部に通気性がほとんどない透明シート4を接着剤を用いて取り付け、室外側の端部に通気性と透視性を有するレース状の布などによるシート5を接着する。
【0008】
このようにして透明シート4と通気性と透視性を有するシート5とを設けたブラインド3の上方に排気ダクト6を設け、該排気ダクト6内に排気ファン7を配設する。
【0009】
しかして、室外からの日射を遮蔽するには図6aのように室外側のシート5を引下げ、室内側の透明シート4を引上げてスラット2を斜めにすると、この状態でスラット2の表面に溜まった熱は室外側のシート5を通過して窓ガラス1側に流出し、窓面の上昇気流といっしょになって、排気ファン7により上方の排気ダクト6に排気される。よって、日射熱の室内への流入を大きく軽減できる。
【0010】
また、スラット2の室内側に設けた透明シート4により、室内への放射熱が妨げる。これにより、室内側への空気の流れを阻止できるから、窓廻りの輻射環境が良好となる。そして、窓ガラス1に沿って発生する冷気流(コールドドラフト)の室内側への流入もこの透明シート4により阻止できるから、特に冬季において断熱性を向上できると同時に暖房負荷を軽減することもできる。
【0011】
そして、図6bに示すようにブラインド3を下ろしたままの状態でスラット2を水平位置にすれば、窓の断熱性を確保しつつ、透明シート4と透視性を有するシート5とを介して外界の眺望を得ることができ、また、室内に明るさを取り込むこともできる。
【0012】
ブラインド3を引上げるには図6cのように透明シート4とシート5とを折り畳むようにして引き上げればよく、夏季の夜間などはこのようにしておけば、外部への放熱が妨げられることもない。
【0013】
透明シート4とシート5とを取り付けたブラインド3は、窓ガラス1の室内側に後付けにより配設することも可能であり、簡単な装置で二重ガラスと同等の効果を期待できる。
【0014】
しかして、低コスト、かつ、簡単な構造でブラインド内蔵の二重ガラスと同様に室内への輻射熱を軽減でき高い日射遮蔽性能が期待できるとともに、夏季の夜間に外部への放熱が妨げられることがなく、また、ブラインドを下ろしたままの状態でも眺望を確保でき、年間を通して快適な環境を形成できるものである、としている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
叙上の二重ガラス窓に代えて二重シートを配し、畳み込み可能に当該シートをスラットに一体化したものにあっては、日射の最前線にシート5が配されるものとなっているが、ガラスに比しはるかに耐熱性に劣り、劣化伸張は当然のこととして生じるものと解されるが、叙上の如く、当該シートはスラットと一体であるので、スラットの並びに不整を及ぼすものと解される。
【0016】
後にあるとはいえ、厳しい輻射熱を受けるシート4にあっても程度の差こそあれ、同様の事態は生じるものと解される。
【0017】
さらに、畳み込み時の体裁は両側に軟体のシートが袋状に突出するものであり、美観上劣る。この出っ張りは最上位のものにあっては、排気の障害となる。
【0018】
なお、この際シートの軟度によっては畳み込みがし難かったりし、これをスムーズにするべくシートに折れ目を付形するとスジが現われてブラインドを下ろした時の眺望を損なう。
【0019】
本発明は叙上の事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、不合理な耐熱性に劣るシートの単一面体を日射のもとにさらすエアタイト機構を改め、エアータイト構成材の透明シートが何ら日射のもとでも熱劣化を生じることなく機能し得、体裁上、排気上何らの障害を生じることのない日射遮蔽装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の日射遮蔽装置は、ブラインド内面側のスラット端部に、スラット間隔より若干幅広の柔軟な対昇降部材干渉回避用のスリットを設けた透明シート端をピン接合して、ブラインド使用時には、透明シートが一段下のスラットにかかる形でエアータイト壁を形成し気密性を確保し、ブラインド格納時には一段下のスラットにかかったまま格納することが可能としたものである。
【0021】
【作用】
ブラインド内面側にスラット間に垂下する透明シートを吊設することで、エアータイト壁を形成し、気密性を確保する。
【0022】
当該エアータイト壁は上下一体ではなくスラット間に分割されたものであり、その自由下端は下位スラット上に載っており、ピン接合で一体の上位スラットに負担を与えるものではなく、スラット不整のおそれはない。
【0023】
該垂下のシートは透明でブラインド使用時の眺望を妨げることはない。
【0024】
スラット間に挟装の該透明シートはブラインド格納時にはスラット間に収納されて突出することがないために、体裁上、排気上何らの障害を生じることがない。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の態様を図1〜3に基づいて説明する。
【0026】
図5、6にあっては既存ブラインドに新たに付加した構成のみの紹介がなされ、あたかも紹介部材のみでスラット支持、傾斜制御、昇降制御がなされる誤解が生じるが、叙上のスラット支持、傾斜制御、昇降制御は次記の構成材にて達成されるものである。
【0027】
すなわち、図4に示されるところの所謂通常の昇降タイプの横型ブラインド8とは、格子状紐体(ラダーコード)9が該梯子部にて定間隔にスラット10を抱持受止すると共に該梯子における一対の柱体(ラダーコード9)を相対的に昇降操作してスラット10の角度調節を行ない、遮光、透光調整をするもので、当該一対の柱体の下端は重しとしてのボトムレール(図示省略)両側に止着されて展張するものであると共に当該ボトムレール中央には該スラット10を貫通して昇降部材11が支持のために止着されていて、該ボトムレールの傾きのない昇降を保証するものとなっている。
【0028】
かかる構成から、最大傾斜の全閉時(スラット10後縁側(室内)のラダーコードがボトムレール荷重に抗して引き上げられ、スラット10前縁側(室外)のラダーコードはボトムレール荷重にて展張する)にあっても上、下スラット10、10端が水平方向についてはかろうじてラップしている程度で端同志の当接はなく(柱体に間隔をもって止められているため)離間している。
【0029】
また、上記一対の柱体と同様に該昇降部材11も展張(ボトムレール支持を受持つ)するものであるため、上記全閉時傾斜姿勢となるスラット10に穿設の昇降部材用貫通孔12は傾斜を可能とすべくスラット幅方向について遊びが確保されてあらねばならない。
【0030】
さて、図1、2において、ブラインド内側のスラット10端部には、当該スラット10間隔より若干幅広な柔軟な透明シート13がその上端をピン接合14されて、下端を自由にした状態で吊設されている。
【0031】
当該シート13は下側に対昇降部材11干渉回避用スリット15が設けられている。
【0032】
しかして、ブラインド使用時には、透明シート13が一段下のスラット10にかかる形でエアータイト壁を形成して気密性を確保し(図2a)、ブラインド格納時には一段下のスラット10にかかったまま格納する(図2b)ことが可能となっている。
【0033】
図3は叙上本発明になるブラインドをヘッドボックス16に実施した態様を前記のボトムレール17紹介のもとで示している。
【0034】
【発明の効果】
本発明の日射遮蔽装置は、上記の如く構成されるので、以下の如き効果を奏する。
【0035】
エアータイト形成材としての透明シートが従来のものと異なり、スラット間に分割して格納されたうえ、下端を自由端として下位スラットに支持されるという上位スラットに無理を生じることのない合理的構成のため、既存ブラインドに負担をかけることなくエアータイトという在来ブラインドにない機能を見事に付加している。この結果、何らの突起を発生せず、体裁上、排気上の不都合を生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】a、bはスラット開時の本発明装置の要部平、側面図である。
【図2】a、bはスラット閉時、透明シート格納時の本発明装置の要部側面図である。
【図3】スラット開時の本発明装置のヘッドボックス適用の説明図である。
【図4】昇降タイプの横型ブラインドの構造説明図である。
【図5】従来の日射遮蔽装置の説明図である。
【図6】a、b、cは図5に紹介の装置の閉じた状態、開いた状態、巻き上げた状態の説明図である。
【符号の説明】
1 ; 窓ガラス
2 ; スラット
3 ; ブラインド
4 ; 透明シート
5 ; シート
6 ; 排気ダクト
7 ; 排気ファン
8 ; 横型ブラインド
9 ; ラダーコード
10 ; スラット
11 ; 昇降部材
12 ; 貫通孔
13 ; 透明シート
14 ; ピン接合
15 ; 干渉回避用スリット
16 ; ヘッドボックス
17 ; ボトムレール
Claims (2)
- ブラインド内面側のスラット端部に、スラット間隔より若干幅広の柔軟な対昇降部材干渉回避用のスリットを設けた折り目のない透明シート
の一端をピン接合し、他端を自由端として、ブラインド使用時には、前記透明シートがピン接合部より吊設せられて自由端側が垂下し一段下のスラットにかかる形でエアータイト壁を形成し気密性を確保し、ブラインド格納時には一段下のスラットにかかったまま格納することが可能としたことを特徴とする日射遮蔽装置。 - 前記透明シートの自由端側に対昇降部材干渉回避用スリットを備えたことを特徴とする請求項1記載の日射遮蔽装置。
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