JPH0519519Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は透明な基板をスラツトに使用した横
型ブラインドに関するものである。

（従来の技術） 従来、例えば実開昭61−65195号公報に示され
るように透明な基板の外側面を日射反射率の大き
い熱線反射膜で覆い、内側面を長波長放射率の小
さい選択吸収膜または選択透過膜のいずれかで覆
うことにより太陽光線を適宜に反射するスラツト
が提案され、このスラツトでは夏期において太陽
熱を遮断しながら可視光線を一部透過させて窓の
開放感を確保するとともに、冬期においても可視
光線を適宜調節しながら室内からの放射熱の流出
を阻止して暖房効果を高めるようになつていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のようなブラインドではスラツトがポロカ
ーボネート樹脂、アクリル樹脂等で成型されて撓
みやすいため、第９図に示すように通常のアルミ
製スラツトと同様に断面がＣ型のスラツト１ある
いは第１０図に示すように断面がＳ型のスラツト
２のようにその撓みを防止するような形状に成型
されていた。ところが、このようなスラツト１，
２ではその表面が曲面であつて同スラツト１，２
を通過する光の屈曲が一様でないため、室外の景
観が歪んで見えるという問題点があつた。

そこで、第１１図に示すように断面をく型に成
型したスラツト３ではその撓みを適宜に押えるこ
とができるとともに、その表面が平面であるため
同スラツト３を通過する光の屈折が一様となつて
同スラツト３を通して見る室外の景観も歪むこと
はない。

ところが、同図に示すようにスラツト３を全閉
状態に角度調節した状態で窓外からの入射光ｓ１
〜ａ６の入射角度αが小さい場合には同スラツト
３の開き角φ１によつては上段のスラツトで２度
反射して室内へほぼ水平方向に向かう２次反射光
ｒ１〜ｒ３が直接居住者の目に入り眩しさを感じ
させるという問題点があつた。この考案の目的は
室内への入射光を適宜に調節しながら歪みのない
室外景観を居住者に提供して窓の開放感を確保
し、かつ直接目に入る前記３次反射光ｒ１〜ｒ３
を除去して居住者に眩しさを感じさせることのな
い横型ブラインドを提供するにある。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は上記の問題点を解決するために、可
視光線を透過する基板の外側面に太陽放射エネル
ギーを反射するとともに可視光線の一部を透過す
る太陽光反射膜を、又内側面には赤外線を反射す
る選択透過膜を加工し、その基板を断面形状山形
に折曲げて形成したスラツトを横糸を介してラダ
ーコードに支持した横型ブラインドにおいて、ラ
ダーコードへの横糸の取付間隔を、スラツトの全
閉字に下方側に垂下する斜辺の幅と同一若しくは
僅かに短くし、スラツトの全開時において各スラ
ツトの下端が、一層下のスラツトの山形に折曲げ
た頂部より上方に位置するようにしている。

（作用） 上記手段により、スラツト１２，１７を全閉状
態に角度調節すれば、同スラツト１２，１７を透
過した柔らかい光だけが室内に取り入れられ、又
全開状態では太陽光を直接あるいはスラツトに反
射させて室内に取り入れ照明することができ、室
外の景観を楽しむことができる。

（実施例） 以下、この考案を具体化した一実施例を第１図
〜第３図に従つて説明すると、ラダーコード１１
はヘツドボツクス（図示しない）から吊下支持さ
れ、上下に多数段のスラツト１２を横糸１９を介
して支持しておりこの横糸１９の取付間隔Ｌ１は
18mmとなつている。そして、ヘツドボツクス内の
角度調節装置に基いてラダーコード１１は各スラ
ツト１２を同位相で角度調節するようになつてい
る。このスラツト１２は透明なポリカーボネート
樹脂で断面がヘ字状となる二つの斜辺で山形とな
る形状に成型され、その開き角φ２は130度であ
るとともに、同図において左側の斜辺の幅Ｗ１は
18mm、この反射側の斜辺の幅Ｗ２は７mm厚みは
0.63mmに形成され、このように形成されたスラツ
ト１２は長辺の幅Ｗ１と等しい間隔Ｌ１で取付け
た横糸１９を介してラダーコード１１に取付けら
れており、スラツト１２の全開時において各スラ
ツト１２の下端が、一層下のスラツト１２の山形
に折曲げた頂部より上方に位置するようになつて
いる。そして、外側面には太陽放射エネルギーを
反射するとともに可視光線を一部透過させる太陽
光反射膜を加工し、かつ内側面には赤外線を反射
する選択透過膜が加工されている。

スラツト１２の長手方向複数箇所において、第
３図に示すように同スラツト１２の頂点から短辺
にかけて長孔状の昇降コード挿通孔１３が穿設さ
れ、その挿通孔１３に昇降コード１４が挿通され
ている。そして、ヘツドボツクス内の昇降装置に
基いて各スラツト１２が昇降されるようになつて
いる。

以上のように構成されたブラインドは、第１図
に示すように各スラツト１２を水平方向とした場
合には太陽光を直接あるいはスラツト１２に反射
させて二次及び三次反射光として取り入れて室内
を照明することができるとともに、スラツト１２
を斜めに角度調節すれば直射光を防いで二次及び
三次反射光で室内を適宜に照明することができる
とともに景観を楽しむことができる。

また、第２図に示すようにスラツト１２を全閉
状態とすればラダーコード１１の横糸の１９の取
付間隔Ｌ１とスラツト１２の長辺の幅Ｗ１とがと
もに18mmであり、この結果前記したように各スラ
ツト１２の頂部の間隔も18mmとなつているので、
上段のスラツトの下縁が下段のスラツトの頂点に
ほぼ接して各スラツトの長辺が垂直方向に連続す
ることにより日射遮蔽面が構成される。従つて、
この状態では太陽光はすべてスラツト１２を透過
した後室内へ入射する柔らかい光となるため、居
住者に眩しさを感じさせることなく、歪みのない
室外景観を提供することができ、かつ太陽熱線を
除去することもできる。また、挿通孔１３は短辺
側に設けられているので、この挿通孔１３から太
陽光が洩れることもない。

次に、この考案を具体化した第二の実施例を第
４図〜第６図に従つて説明すると、この実施例で
は前記実施例と同形状のスラツト１２に対しその
頂点を中心とするように長孔状の挿通孔１５が形
成され、そのスラツト１２を前記Ｗ１より僅かに
短い16.5mmの取付間隔Ｌ１で取付けた横糸１９を
介して支持したものである。そして、スラツト１
２を全閉状態に角度調節すると、第５図に示すよ
うに上段のスラツトの長辺下部が下段のスラツト
の長辺上部に重なり合う状態となり、各スラツト
の長辺部は若干上方に向かつて傾斜した状態とな
る。

従つて、このブラインドでは同図に示すような
入射角α１の入射光線ｓ７より入射角の大きな入
射光線は室内へ反射されることはないので、居住
者に眩しさを感じさせることはない。また、スラ
ツトの重なりにより挿通孔１５から太陽光が洩れ
ることもない。

次に、この考案を具体化した第三の実施例を第
７図及び第８図に従つて説明すると、この実施例
のスラツト１７は前記実施例のスラツトと同材質
で断面をく字状に成型されて両斜辺の幅が同一に
形成されている。そして、斜辺の幅ｗ３は13mmに
形成され、ラダーコード１８の横糸の間隔Ｌ１も
13mmである。

従つて、このようなブラインドを全閉状態に角
度調節すれば、第８図に示すように各スラツト１
７の一方の斜辺が垂直方向に連続して日射遮蔽面
を構成するため、太陽光はすべてスラツト１７を
透過した後室内へ入射する柔かい光とすることが
でき、居住者に眩しさを感持されることなく歪み
のない室外景観を提供することができる。

考案の効果 以上詳述したように、この考案によればブライ
ンドを全閉状態としたときスラツトで反射して室
内へ入射する太陽光を除去し、スラツトを透過し
た柔らかい光だけを室内へ入射させ、又全開状態
においても直接入る反射光を除き居住者に眩しさ
を感じさせることなく、かつ歪みのない室外景観
を提供することができる優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した第一の実施例を
示す断面図、第２図は同じくスラツトの全閉状態
を示す側面図、第３図は挿通孔部分の拡大断面
図、第４図はこの考案を具体化した第二の実施例
を示す断面図、第５図は同じくスラツトの全閉状
態を示す側面図、第６図はその挿通孔部分の拡大
断面図、第７図はこの考案を具体化した第三の実
施例を示す断面図、第８図は同じくスラツトの全
閉状態を示す側面図、第９図及び第１０図はこの
考案のスラツトに対する従来例のスラツトを示す
側面図、第１１図は断面く字状のスラツトにおけ
る３次反射光発生状態を示す側面図である。 ラダーコード１１，１６，１８、スラツト１
２，１７、斜辺ｗ１，ｗ３、横糸の取付間隔Ｌ
１。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可視光線を透過する基板の外側面に太陽放射エ
   ネルギーを反射するとともに可視光線の一部を透
   過する太陽光反射膜を、又内側面には赤外線を反
   射する選択透過膜を加工し、その基板を断面形状
   山形に折曲げて形成したスラツト１２，１７を横
   糸１９を介してラダーコード１１，１６，１８に
   支持した横型ブラインドにおいて、ラダーコード
   １１，１６，１８への横糸１９の取付間隔Ｌ１
   を、スラツト１２，１７の全閉時に下方側に垂下
   する斜辺の幅Ｗ１，Ｗ３と同一若しくは僅かに短
   かくし、スラツト１２，１７の全開時において各
   スラツト１２，１７の下端が、一層下のスラツト
   １２，１７の山形に折曲げた頂部より上方に位置
   するようにしたことを特徴とする横型ブライン
   ド。