JP4618569B2 - Cu基金属ガラス合金 - Google Patents

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Description

本発明はCu基金属ガラス合金に関し、さらに詳しくは、大きなガラス形成能を有し加工性及び機械的な性質に優れたCuとPdとZrとAgとAlとからなるCu基金属ガラス合金に関する。
溶融状態の合金を急冷することにより、薄帯状、フィラメント状、粉粒体状など種々の形状を有する非晶質固体が得られることがよく知られている。この非晶質固体から、大きな急冷速度の得られる単ロール法、双ロール法、回転液中紡糸法、アトマイズ法などの種々の方法で薄帯を作製することができるので、これまでにもFe系、Ti系、Co系、Zr系、Cu系、Pd系又はNi系について多くの非晶質合金が開発され、優れた機械的性質、高い耐腐食性等の非晶質合金特有の性質が明らかにされてきた。
ガラス遷移を示し、過冷却液体領域(ΔTx)及び換算ガラス化温度(Tg/T)を有する非晶質合金は「金属ガラス合金」と言われる。広い過冷却液体領域(ΔTx)及び大きな換算ガラス化温度(Tg/T)を有する金属ガラス合金は、結晶化に対する高い安定性を示して、大きな非晶質形成能を有することが知られており、従来の非晶質合金のように薄帯、ファイバー、微粉末に限らず、金型鋳造法により直径又は厚さがmmオーダーのバルク状非晶質合金材を作製することが可能である。
金属ガラス合金を加熱すると、結晶化する前に過冷却液体状態に遷移し、急激な粘性低下を示すことが知られている。このような過冷却液体状態では、合金の粘性が低下しているために閉塞鍛造などの方法により任意形状の非晶質合金形成体を作製することが可能である。したがって、広い過冷却液体領域及び大きな換算ガラス化温度を有する金属ガラス合金は、優れた加工性を備えていると言える。
本発明と関連するCu基非晶質合金では、Cu−(Zr,RE,Ti)−(Al,Mg,Ni)等からなる3元系合金に関しての開発が行われてきた(特許文献1,2)。ここで、REは希土類元素である。これらのCu基非晶質合金は、主に単ロール液体急冷法により作製された薄帯状試料であった。
近年、実用的な使用を考慮した大形状のCu基金属ガラス合金、つまり非晶質形成能に優れたCu基金属ガラス合金に関しては、従来の3元系合金にさらに一つの元素を添加した4元系合金の研究が進んでいる。Cu45Zr42Alからなる4元系合金(非特許文献1)やCu44.25Zr36TiAg4.75からなる4元系合金(非特許文献2)によって、直径が10mmに達するCu基金属ガラス合金が得られることが報告されている。
さらに、非晶質形成能に優れたCu基金属ガラス合金として、本発明者等によりCu42−xZr42+xAgAl(x=0,2,4,6,8)が報告され(非特許文献3)、特にCu36Zr42+xAgAlの組成を有するCu基金属ガラス合金の直径は25mmに達した(非特許文献4)。
特開平09−020968号公報 特開平11−061289号公報 D. H. Xu他2名, Phys. Rev. Lett., Vol.92, p.245504,2004 C. L. Dai他5名, Scr. Mater., Vol.54, pp.1403-1408,2006 Q. S. Zhang他2名, Scr. Mater., Vol.55, pp.711-713,2006 Q. S. Zhang他2名, Mater. Trans., Vol.48, pp.629-631, 2007
従来の4元合金であるCu−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金は、高いガラス形成能を有し、強度が1850MPaと高く、Niを含有しないにも関わらず耐腐食性を有しているが、さらなるガラス形成能が要求されている。
本発明は上記課題に鑑み、大きな非晶質形成能を有し、優れた加工性、機械的性質、耐食性を兼ね備えたCu基金属ガラス合金としてCu−Pd−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金を提供することを目的とする。
本発明者らは、大きな非晶質形成能を有し、優れた加工性、機械的性質、耐食性を兼ね備えたCu−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金について鋭意研究を行った結果、さらにPdを添加し5元合金としたCu−Pd−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金とすることによって、液体状態から急冷凝固させることで、大きな非晶質形成能を有し、優れた加工性、機械的性質、耐食性を兼ね備えることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記目的を達成するため、本発明のCu基金属ガラス合金は、Cu36−xPdZr48AgAl(xは原子%で、0<x≦10)で示される組成を有していることを特徴とする。
上記構成において、Cu基金属ガラス合金の△Tx=Tx−Tg(ここで、Txは、結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表わされる過冷却液体領域の温度間隔△Txは、好ましくは、82K以上である。
Cu基金属ガラス合金の液相線温度(T)に対するガラス遷移温度(Tg)の比で定義される換算ガラス化温度(Tg/T)は、好ましくは0.604よりも大きい。
Cu基金属ガラス合金のガラス遷移温度(Tg)と液相線温度(T)との和に対する結晶化開始温度(Tx)の比であるγ(γ=Tx/(Tg+T))は、好ましくは、0.425以上である。
Cu基金属ガラス合金は、直径が、15mm以上の棒状に形成し得る。Cu基金属ガラス合金は、厚さが10mm以上で非晶質相の体積比率が90%以上の板状にすることもできる。
本発明のCu基金属ガラス合金は、82K以上の過冷却液体領域を示し、高強度及び高硬度の性質を有している。よって、本発明のCu基金属ガラス合金は、各種の製造方法を用いて、直径が15mm以上の棒状又は厚さが10mm以上の板状からなる金属ガラスを、容易に作製することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明におけるCu基金属ガラス合金は、Cu36−xPdZr48AgAlの組成式で示される。ここで、xはPdの含量であり原子%(at%)で表わされ、0<x≦10の関係を満たす値である。
上記の組成Cu基金属ガラス合金の過冷却液体領域における結晶化開始温度Txとガラス遷移温度Tgとの温度間隔ΔTx(=Tx−Tg)は82K以上から101K未満であり、液相線温度Tに対するガラス遷移温度Tgの比(=Tg/T)で定義される換算ガラス化温度は0.611〜0.0.618であり、0.604よりも大きい値である。
このとき、Cu基金属ガラス合金において、ガラス遷移温度Tgと液相線温度Tとの和に対する結晶化開始温度Txの比、即ちγ値(=Tx/(Tg+T))は、0.425〜0.432である。このγ値は、非晶質形成能と非晶質の安定性との総合的性質を示す数値である。
なお、以下の説明においては、Cu36−xPdZr48AgAlからなる組成のガラス合金を、組成を示さない場合にはCu−Pd−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金又は単にCu基金属ガラス合金と呼ぶことにする。
本発明における金属ガラス合金の形状は、直径が15mm以上の棒状でなるか又は厚さが10mm以上で非晶質相の体積比率が90%以上の板状でなる。板状の金属ガラス合金の面積としては、例えば10cm×10cmが容易に得られる。この金属ガラス合金は、圧縮破断強度が1800MPa以上の優れた機械的性質を有している。
ここで、「過冷却液体領域」とは結晶化に対する抵抗力、すなわち非晶質の安定性及び加工性を示すもので、本明細書では、毎分40Kの加熱速度で示差走査熱量分析(DSC:Differential Scanning Calorimetry)を行うことで得られるガラス遷移温度Tgと結晶化温度Txの差で定義される値である。
「換算ガラス化温度」とは非晶質形成能を示すもので、本出願では、ガラス遷移温度Tgと合金液相線温度Tの比で定義されるものである。合金液相線温度Tは毎分20Kの加熱速度で示差熱量分析(DTA:Differential Thermal Analysis)を行うことにより得られる値である。
本発明のCu基金属ガラス合金において、Cu、Zr、Ag、Alは本発明の合金の基幹となる元素群であり、特に非晶質を形成する基本となる元素であり、さらに第5の元素としてPdが添加されていることで、過冷却液体領域が広くなり、強度及び硬度が増大する。Pdの添加割合は10原子%以下が好ましい。10原子%を超えると過冷却液体領域が狭くなり、非晶質形成能が低下するので好ましくない。Pdの含量xが0<x≦10at%の範囲のときには、直径が約15mm以上の棒状の試料を作製することができる。
Pdの含量xを0<x≦4at%の範囲とすると、直径が20〜30mmの棒状の試料を作製することができる。例えば、Pdの含量を2at%とした場合には、直径が30mmの棒状試料を得ることができる。この値は、Pdを添加しない4元のCu36Zr48AgAlの場合に得られる最大直径25mmを上まわる直径である。
以上のように、本発明のCu−Pd−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金は、従来の4元系のCu−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金と比べて、Pdを添加することにより、特に、換算ガラス化温度(Tg/T)が0.604よりも大きく、γ値が0.425以上であり、優れた加工性と非晶質形成能を有し、かつ優れた機械的性質を有する。
本発明のCu−Pd−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金は、溶融状態から公知の単ロール法、双ロール法、回転液中紡糸法、アトマイズ法などの種々の方法で冷却固化させ、薄帯状、フィラメント状、粉粒体状の非晶質固体からなる板状とすることができる。
本発明のCu−Pd−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金は大きな非晶質形成能を有するため、さらに溶融金属を金型に充填鋳造することにより任意の形状の金属ガラス合金を得ることもできる。例えば、代表的な金型鋳造法においては、合金を石英管中でアルゴン雰囲気中に溶融した後、溶融金属を例えば0.01〜0.3kg・f/cmの噴出圧で銅製などの金型内に充填凝固させることで鋳造体としての金属ガラス合金を得ることができる。さらに、ダイカストキャスティング法及びスクイズキャスティング法などの製造方法を適用することもできる。
本発明におけるCu−Pd−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金では、その組成範囲において、直径が15mm〜30mmに及ぶ丸棒形状の金属ガラス合金が容易に得られる。金属元素より構成される合金は非晶質化することにより一般にその機械的性質が向上するが、本発明のCu−Pd−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金においては、塊状試料で1800MPaを超える圧縮破壊強度を持つものが容易に得られ、塑性伸びをも示した。
下記に示す幾つかの実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
原料合金となる高純度のCu、Pd、Zr、Ag、Alを、高純度アルゴン雰囲気中でアーク溶解法を用いて溶融状態とし、母合金を作製した。その後で銅製の金型を用いた金型鋳造法により高純度アルゴン雰囲気中で棒状合金を作製した。具体的には、Cu34PdZr48AgAlの母合金を再溶融し、アルゴン雰囲気中とした銅製鋳型に石英製ノズルで噴射することで、直径30mmの試料を作製した。
図1は、実施例1で作製したCu34PdZr48AgAl基バルク金属ガラス合金の外観を示す光学写真像である。図から明らかなように、実施例1のCu34PdZr48AgAl基バルク金属ガラス合金は良好な金属光沢を有しており、凹凸部が全く観察されなかった。このことは、Cu34PdZr48AgAl基バルク金属ガラス合金が結晶化していないことを示している。
実施例1と同じ母合金を使用し、単ロール液体急冷法により実施例2の薄帯試料を作製した。具体的にはCu34PdZr48AgAlの原料合金を石英管中でアルゴン雰囲気中において再溶融した後、溶融金属を0.01〜0.3kg・f/cmの噴出圧で銅製ロールの表面に噴射することで薄帯試料を作製した。このとき、ロールの回転速度を35/秒(35/s)とした。作製した薄帯試料の厚みは約20μmで、幅が1.2mmである。
実施例1及び実施例2の試料の非晶質化をX線回折法により確認した。
図2は、実施例1及び実施例2の試料のX線回折を測定した結果を示す図である。図2において、縦軸はX線回折強度(任意目盛)を示し、横軸は角度(°)、即ち、X線の原子面への入射角θの2倍に相当する角度を示している。図2から明らかなように、結晶からの回折を示す鋭い回折ピークは観察されず、非常に幅の広い回折ピークであることから、実施例1及び実施例2の試料が非晶質であることが判明した。
実施例1及び実施例2の試料の示差走査熱量を示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社、DSC6310)を用いて測定し、ガラス遷移温度Tg、結晶化開始温度Txを求めた。合金液相線温度Tは毎分0.33Kの加熱速度で示差熱量分析(DTA)を行うことにより測定した。
図3は、Cu34PdZr48AgAl基バルク金属ガラス合金のDSC曲線を示す図であり、縦軸は熱量、横軸は温度(K)である。なお、通常のDSC曲線で相転移が起きる現象を調べる際には発熱反応が観測されるのに対し、金属ガラスでは吸熱反応が生起する過冷却液体領域を意識して、縦軸の下向き矢印で吸熱と表現している。測定において、加熱速度は0.67K/sとした。実施例1のガラス遷移温度Tgは699Kであり、結晶化開始温度Txは794Kであった。これらの値より過冷却液体領域ΔTを算出すると、95Kであった。DTA測定で求めた液相線温度Tは1140Kであった。換算ガラス化温度Tg/Tは0.613、γ値は0.432であった。実施例2のガラス遷移温度Tg、結晶化開始温度Tx、過冷却液体領域ΔT、液相線温度T、換算ガラス化温度Tg/T及びγ値も実施例1と同様の値を得た。
実施例1と同様にして、Pdの含量を4at%としたCu32PdZr48AgAlの母合金を再溶融し、アルゴン雰囲気中にある銅製鋳型に石英製ノズルで噴射することで、直径が20mm〜25mmのCu32PdZr48AgAlの試料を作製した。
図4は、実施例3のCu−Pd−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金のDSC曲線を示す図である。縦軸は熱量、横軸は温度(K)である。図4から明らかなように、ガラス遷移温度Tgは705K、結晶化開始温度Txは795K、過冷却液体領域ΔTは90Kであった。
図5は、実施例3のCu−Pd−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金のDTA曲線を示す図である。縦軸は吸熱、横軸は温度(K)である。図5から明らかなように、実施例3のCu34PdZr48AgAlバルク金属ガラス合金の液相線温度Tは1153Kであった。T等から得られる換算ガラス化温度Tg/Tは0.611、γ値は0.427であった。
なお、図4及び図5には、実施例3の他に実施例1、後述する実施例4〜6及び比較例1の測定結果も併せて示している。
実施例1と同様にして、Pdの含量を6at%としたCu30PdZr48AgAlの母合金を再溶融し、アルゴン雰囲気中にある銅製鋳型に石英製ノズルで噴射することで、直径が15mm〜20mmのCu30PdZr48AgAlの試料を作製した。ガラス遷移温度Tgは709K、結晶化開始温度Txは796K、過冷却液体領域ΔTは87Kであった。液相線温度Tは1155Kであった。換算ガラス化温度Tg/Tは0.614、γ値は0.427であった。
実施例1と同様にして、Pdの含量を8at%としたCu28PdZr48AgAlの母合金を再溶融し、アルゴン雰囲気中にある銅製鋳型に石英製ノズルで噴射することで、直径が15mm〜20mmのCu28PdZr48AgAlの試料を作製した。ガラス遷移温度Tgは713K、結晶化開始温度Txは798K、過冷却液体領域ΔTは85Kであった。液相線温度Tは1161Kであった。換算ガラス化温度Tg/Tは0.614、γ値は0.425であった。
実施例1と同様にして、Pdの含量を10at%としたCu26Pd10Zr48AgAlの母合金を再溶融し、アルゴン雰囲気中にある銅製鋳型に石英製ノズルで噴射することで、直径が最大でも15mm未満のCu26Pd10Zr48AgAlの試料を作製した。ガラス遷移温度Tgは720K、結晶化開始温度Txは802K、過冷却液体領域ΔTは82Kであった。液相線温度Tは1165Kであった。換算ガラス化温度Tg/Tは0.618、γ値は0.425であった。
(比較例1)
実施例1と同様にして、Pdの含量を含有させないで、Cu36Zr48AgAlの母合金を再溶融し、アルゴン雰囲気中にある銅製鋳型に石英製ノズルで噴射することで、直径が25mmのCu36Zr48AgAlの試料を作製した。ガラス遷移温度Tgは690K、結晶化開始温度Txは791K、過冷却液体領域ΔTは101Kであった。液相線温度Tは1143Kであった。換算ガラス化温度Tg/Tは0.604、γ値は0.431であった。
表1は、実施例1,3〜6及び比較例1のCu基金属ガラス合金のPd含量に対するガラス遷移温度(Tg)、結晶化開始温度(Tx)、液相線温度(T)、過冷却液体領域(ΔTx)、換算ガラス化温度(Trg=Tg/T)、γ値及び得られた棒状試料の最大直径dcを、纏めた表である。
表1から明らかなように、実施例のCu基金属ガラス合金によれば、Pd含量が0at%以上4%までの組成において、Pdを含有していない比較例1の4元合金であるCu36Zr48AgAlよりもガラス形成能が高いことが分かる。特に、実施例1のPd含量が2at%のCu34PdZr48AgAl合金のガラス形成能が最も高く、直径が30mmの試料が得られた。
本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
本発明のCu−Pd−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金は、強度と耐磨耗性と共に任意のバルク形状であることが要求される小型精密機器部品や、さらに耐食性も要求される配管等の材料に適用することができる。
実施例1で作製したCu34PdZr48AgAl基バルク金属ガラス合金の外観を示す光学写真像である。 実施例1及び実施例2の試料のX線回折を測定した結果を示す図である。 Cu34PdZr48AgAl基バルク金属ガラス合金のDSC曲線を示す図である。 実施例3のCu−Pd−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金のDSC曲線を示す図である。 実施例3のCu−Pd−Zr−Ag−Al基金属ガラス合金のDTA曲線を示す図である。

Claims (6)

  1. Cu36−xPdZr48AgAl(xは原子%で、0<x≦10)で示される組成を有していることを特徴とする、Cu基金属ガラス合金。
  2. 前記Cu基金属ガラス合金の△Tx=Tx−Tg(ここで、Txは、結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表わされる過冷却液体領域の温度間隔△Txが、82K以上であることを特徴とする、請求項1に記載のCu基金属ガラス合金。
  3. 前記Cu基金属ガラス合金の液相線温度(T)に対するガラス遷移温度(Tg)の比で定義される換算ガラス化温度(Tg/T)は、0.604よりも大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載のCu基金属ガラス合金。
  4. 前記Cu基金属ガラス合金のガラス遷移温度(Tg)と液相線温度(T)との和に対する結晶化開始温度(Tx)の比であるγ(γ=Tx/(Tg+T))は、0.425以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のCu基金属ガラス合金。
  5. 前記Cu基金属ガラス合金は、直径が15mm以上の棒状でなることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のCu基金属ガラス合金。
  6. 前記Cu基金属ガラス合金は、厚さが10mm以上で非晶質相の体積比率が90%以上の板状でなることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のCu基金属ガラス合金。
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