JP4617691B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
このような積層セラミック電子部品の製造方法の一例として、内部電極が所望の位置に正確に配置された積層体チップを確実に得ることを課題とし、複数の内部電極パターンが形成された複数枚のセラミックグリーンシートなどを積層してマザーの積層体を得る工程と、マザーの積層体を厚み方向に加圧する加圧工程と、加圧されたマザーの積層体を個々の積層体チップに切断する切断工程とを備える積層セラミックコンデンサの製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
このような積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品では、セラミックグリーンシートの薄層化により、セラミックグリーンシートにピンホールが発生しやすくなり、ピンホールの発生は、ショート不良や、信頼性の低下の原因となる。ピンホールを抑制する手段として、セラミック原料の微粉化や、セラミックグリーンシートに添加するバインダの量の増加などが試みられている。
また、セラミックグリーンシートが薄くなることでセラミックグリーンシートの強度が低下するため、薄層化による積層加工可能なセラミックグリーンシートの強度を得るためにも、セラミックグリーンシートにバインダを多く添加することが必要となる。
このようにセラミック原料が微粉化しバインダの添加量が増加すると、セラミックグリーンシートの物理的な特性に、バインダの添加量の及ぼす特性が顕著となる。そのため、セラミックグリーンシートの温度変化に対する収縮率は、添加するバインダの量が増加すると大きくなる傾向がある。
特許文献1に開示されている積層セラミックコンデンサの製造方法では、内部電極を所望の位置に正確に配置するために、加圧(圧着)工程について着目されているが、切断時の加熱温度や、加圧工程と切断工程との温度関係については全く考慮されていないので、加圧時に対する切断時の積層体の寸法の変化が大きく、積層体の寸法の変化とともに積層体内の内部電極パターンの位置も変化し、内部電極パターン形成時に直線に並んでいた位置に歪みが生じてしまう場合がある。すなわち、特許文献1に開示されている積層セラミックコンデンサの製造方法では、圧着後までは積層体内の各内部電極パターンがほぼ真直ぐに並んでいても、圧着後の積層体を圧着工程における温度を考慮しない温度で切断することにより、そのような歪みを導入してしまっている。
この歪みのため、押切による積層体の切断時に、切断面に直交する縦方向および横方向において内部電極パターンの周囲のギャップ寸法のばらつきが大きくなり、切断後の積層体において、内部電極パターンの周囲のギャップ寸法が必要以上に狭い箇所が生じ、製造された積層セラミックコンデンサにおいて、内部電極の周囲のギャップ寸法が必要以上に狭い箇所が生じてしまう場合がある。
この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法では、切断工程において積層体を切断する際に、圧着工程における積層体の圧着時の温度と同一の温度となるように積層体を加熱することが好ましい。
さらに、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法では、切断工程において積層体を切断する際に、積層体をセラミックグリーンシート中のバインダの軟化点以上の温度に加熱するので、積層体が軟化し、積層体の抵抗によるグリーンシート間でのはがれなどの構造欠陥を防止することができ、製造される積層セラミック電子部品の構造欠陥も防止することができる。
さらに、この発明によれば、切断工程において積層体を切断する際に積層体が軟化するので、積層体や積層セラミック電子部品においてはがれなどの構造欠陥を防止することができる。
また、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法では、切断工程において積層体を切断する際に、圧着工程における積層体の圧着時の温度と同一の温度となるように積層体を加熱するようにすれば、積層体を加熱する温度の設定が容易となる。
まず、出発原料として、BaTiO3 、希土類酸化物、Co2 O3 、BaCO3 、MgO、NiOおよびMnCO3 と、BaO−SrO−LiO−SiO2 を主成分とする酸化物ガラスとを準備した。
なお、超音波探傷試験については、超音波探傷機で10000個の試料の構造的な欠陥を評価した。
また、耐湿負荷試験については、1000個の試料を120℃、95%Rh、3kV/mmの条件で加速的に試験したときに、100時間経過するまでに抵抗値が1MΩ以下となった試料を不良品とした。
以上の結果も表1に示す。
また、表1に示す結果より、試料番号1、2、9、10、17、24のように、積層体の圧着温度がセラミックグリーンシート中のバインダの軟化点以上の温度であっても、積層体の切断温度がそのバインダの軟化点より低い温度のときには、積層体を切断する抵抗が大きく積層体の端面においてはがれが発生し、製造される積層セラミックコンデンサについて、超音波探傷試験による不良すなわち構造欠陥が生じ、信頼性が低いことが分かる。
さらに、表1に示す結果より、試料番号1、7〜9、16、17、23、24、30のように、積層体の圧着温度がセラミックグリーンシート中のバインダの軟化点以上の温度であっても、積層体の切断温度が圧着温度から±10℃以上というように大きく離れた温度のときには、製造される積層セラミックコンデンサについて、耐湿負荷試験による不良すなわち外部からの水分などの浸入経路にもなり得る構造欠陥が生じ、信頼性が低いことが分かる。
このように本願発明にかかる試料番号3、4、11〜13、19〜21、27〜29において、積層体の切断不良や製造される積層セラミックコンデンサについての構造欠陥がなく信頼性が高いのは、積層体の圧着温度がセラミックグリーンシート中のバインダの軟化点以上の温度であるとともに、積層体の切断温度がセラミックグリーンシート中のバインダの軟化点以上の温度でありかつ圧着温度の±5℃以内の温度であるので、積層体の圧着時および切断時において積層体が軟化するとともに、圧着時に対する切断時の積層体の熱による変形量が小さくなり内部電極パターンの位置の歪みが生じにくくなるからである。
12 セラミック素子
14 セラミック層
16a、16b 内部電極
18a、18b 外部電極
20a、20b 第1のめっき膜
22a、22b 第2のめっき膜
Claims (2)
- 内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する工程、
前記積層体を前記セラミックグリーンシート中のバインダの軟化点以上の温度に加熱しながら圧着する圧着工程、および
前記圧着工程で圧着された前記積層体を所定の大きさに切断する切断工程を備え、
前記圧着工程および前記切断工程はそれぞれ1回ずつ行われ、
前記切断工程において前記積層体を切断する際に、前記セラミックグリーンシート中のバインダの軟化点以上の温度となりかつ前記圧着工程における前記積層体の圧着時の温度の±5℃以内の温度となるように前記積層体を加熱する、積層セラミック電子部品の製造方法。 - 前記切断工程において前記積層体を切断する際に、前記圧着工程における前記積層体の圧着時の温度と同一の温度となるように前記積層体を加熱する、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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