JP4617081B2 - 連続的薬剤送達システム - Google Patents

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Description

本発明は、有効成分のバイオアベイラビリティを向上させるための医薬組成物および方法に関し、より詳細には、有効成分の溶解および吸収を向上させる医薬組成物に関する。
有効成分の溶解および吸収を向上させるための方法論の発達は、医薬の製剤化の研究の主要な分野の一つである。一般的な定義のとおり、溶解とは、有効成分が溶液の一部になる速度(rate)および程度(extent)である。吸収とは、一般的に、有効成分がその投与部位から作用部位に移動するまたは全身循環する速度および程度であると定義される。吸収は通常、粘膜を横切る有効成分の受動拡散に伴って生じる。
極めてまれな例において、特に微小な非溶解性粒子は、特別なプロセスによって、対象の哺乳動物の体内に吸収されることがある。しかしながら、ほとんどの場合、吸収が行われ得る前には、有効成分は溶解しなければならない。しかしながら、医薬組成物を製剤化する場合において、有効成分の迅速な吸収および溶解という目標を満足させることは難しいことが多い。したがって、溶解に都合が良い環境が、一方では吸収を阻害するということがある。
このようなしばしば競合する関係の良い例が、pH−これはH+イオン濃度の指標である−が有効成分の溶解および/または吸収に与える影響の研究において見られることがある。多くの製剤技術の焦点は、医薬組成物および剤型(dosage form)のpHに、および/または体内の様々な部位におけるpHの環境に当てられている。しかしながら、多くの場合にpHが重要であると言いながら、標準的な薬学の実務では、溶解に関するpHの要件および吸収に関するpHの要件は、いくぶんつじつまの合わないものと考えられている。たとえば、アルフレッド・マーチン、リーおよびフェビジャー(Alfred Martin,Lea and Febiger)による物理薬剤学(Physical Pharmacy)、第4版(1993)には、弱塩基性の薬剤はpHが低いほど溶解性が高まり、その一方pHが高いほどその吸収性が高まることが教示されている。したがって、多くの場合、標準的な薬学の実務では、医薬品の剤型のpHを、溶解に都合の良いpHと吸収に都合の良いpHとの間で妥協して選択することが必要とされている。あるいは、薬剤をその作用部位に送達する際における律速段階であると考えられている、溶解または吸収のいずれか一方に都合の良いpHを選択する。
このようなpH調整によって利益を受ける薬剤は通常、弱塩基性の化合物または弱酸性の化合物である。これらは利用できる薬剤の大部分を構成し、そして多数の治療分類に該当する。通常、これらの薬剤は液体の形または固体の形のいずれかで供給される。液体の製剤に関して言えば、投与の前に有効成分の溶解を所望の程度とするために、その液体のpHを直接調整してもよい。剤型などの固体の薬剤送達手段に関して言えば、通常、溶解はインビボで起こり、そして剤型の内容物を選択することによって、pHの変更を行うことが普通である。たとえば、溶解性を改善するために、適切な塩の形の薬剤を用いてもよい。しかしながら、両方の投与様式において、選択されるpHが有効成分の溶解および吸収の両方にとって最適であることはまれである。
したがって、有効成分の吸収および溶解の両方を促進する投与方法が必要とされている。
本発明の方法および組成物は、この必要性に対応する。
一つの態様によれば、本発明は、哺乳動物の体内の所望の部位に有効成分を送達するステップ、および次いでその所望の部位において有効成分の溶解および吸収を連続的に促進するステップによって、経粘膜経路(transmucosal route)を経由して、哺乳動物に有効成分を投与する方法を提供する。第一の部分および第二の部分を有する剤型により、有効成分を所望の部位に送達することが好ましい。所望の部位において、有効成分の溶解を促進するように、剤型の第一の部分を放出し、次いで有効成分の吸収を促進するために剤型の第二の部分を放出する。この所望の部位には、投与部位および吸収部位が含まれてもよい。
剤型の第一の部分は、有効成分の溶解を促進する一種以上の第一の物質と、その吸収を促進する一種以上の第二の物質とを含むことが好ましい。第一の物質は、pH調整物質、界面活性化合物、薬学的に許容され得る溶媒、および被覆用添加物を含んでいてもよい。第二の物質は、pH調整物質、発泡性浸透促進剤(effervescent penetration enhancer)、非発泡性浸透促進剤(non-effervescent penetration enhancer)、および生体由来接着剤(bioadhesive)を含んでいてもよい。
好ましい実施形態において、剤型の第一の部分は第一の(単数または複数の)pH調整物質を含み、それにより、有効成分はその溶解を促進する第一の解離状態(state of dissociation)に到達し、そして剤型の第二の部分は第二の(単数または複数の)pH調整物質を含み、それにより有効成分は吸収を促進する第二の解離状態に到達する。
別の態様によれば、本発明は、哺乳動物において、経粘膜経路を経由して有効成分を投与する方法であって、有効成分が局在化した環境(localized environment of the active ingredient)において、第二のpH調整物質の前に第一のpH調整物質が活性のピークに到達するように、第一のpH調整物質および第二のpH調整物質を有する剤型の有効成分を投与するステップを含む方法を提供する。有効成分が局在化した環境は、第一のpHに到達し、次いで第二のpHに到達する。ここで、第一のpHにより有効成分の溶解が促進され、そして第二のpHにより有効成分の吸収が促進される。第一および第二のpH調整物質は、それぞれ酸と塩基、塩基と酸、塩基と塩基、または酸と酸であってもよい。
別の態様によれば、本発明は、第一の部分と、第二の部分と、所望の部位において剤型の第一の部分および第二の部分を連続的に放出するための手段とを有する剤型中に有効成分を含有する医薬組成物を提供する。剤型の第一の部分が、有効成分の溶解を促進する一種以上の第一の物質およびその吸収を促進する一種以上の第二の物質を含むことが好ましい。第一の物質が第一のpH調整物質であり、そして第二の物質が第二のpH調整物質であり;連続的放出のための手段が、pH調整物質の活性を連続的にコントロールするための手段であることが好ましい。pH調整物質の活性をコントロールして、それにより、第二のpH調整物質の前に、有効成分が局在化した環境において、第一のpH調整物質が活性のピークに到達する。したがって、有効成分が局在化した環境は第一のpHに到達し、次いで第二のpHに到達する。ここで、第一のpHにより有効成分の溶解が促進され、そして第二のpHによりその吸収が促進される。この実施形態において、一種以上の第一の物質は、pH調整物質または溶解促進剤でもよく、それに対して一種以上の第二の物質は、pH調整物質、発泡性浸透促進剤または非発泡性浸透促進剤でもよい。
本発明に基づいて、種々の有効成分を投与することが好ましい。たとえば、鎮痛薬、抗炎症薬、解熱薬、抗生物質、抗菌薬、緩下薬、食欲抑制薬、抗ヒスタミン薬、ぜん息治療薬、抗利尿薬、整腸剤(antiflatuents)、片頭痛治療薬、鎮痙薬、鎮静薬、機能亢進抑制薬、抗高血圧薬、トランキライザー、うっ血除去薬、β−遮断薬、ペプチド類、タンパク質類、およびオリゴヌクレオチド類などがある。投与経路としては、頬、舌下、歯肉、胃腸、直腸、膣、および鼻の経路が挙げられる。
有効成分をある剤型で投与する場合、第一および第二の部分を連続的に放出するための手段を含んでもよく、そのような手段としては、被膜、膜、マトリックス材、有効成分の前駆物質およびpH調整物質の前駆物質などを含む。一つの変形において、剤型の第二の部分は、コントロールされたマトリックス材の中に分散した第二のpH調整物質を含んでもよい。別の変形において、剤型の第一の部分が有効成分を含んでいてもよい。別の変形において、剤型の第二の部分は、第一のpH調整物質が剤型において被膜より末梢(peripheral)にあるように、被膜で覆われた第二のpH調整物質を含んでいてもよい。さらに別の変形にあっては、有効成分は、剤型において被膜より末梢にあってもよい。さらに別の変形にあっては、剤型の第二の部分は、第一のpH調整物質がその膜より末梢であるように、膜で覆われた第二のpH調整物質を含む。この変形において、有効成分はこの膜より末梢にあってもよい。
本発明によると、所望の部位において有効成分の溶解および吸収を連続的に促進することによって、有効成分の溶解および吸収を改善するというしばしば競合する目標が対処され得る。有効成分が局在化した環境が連続的に変化して、溶解および吸収にとって都合の良い条件が連続的に生じることが好ましい。
この局在化した環境には、薬剤投与部位、薬剤放出部位または薬剤吸収部位における内容物及び液体が含まれてもよい。これらの部位は、剤型または組成物中の有効成分と直接接しているか、または当該有効成分を直接取り囲んでいる。同様に、投与過程の間に溶解した有効成分、または剤型もしくは組成物から分離した有効成分の任意の一部が、剤型または組成物から体液の中に放出される。この局在化した環境はさらに、剤型または組成物内に浸透したあらゆる液体、または剤型もしくは組成物を直接囲んでいる液体を含んでいてもよい。
本発明にしたがって、有効成分が局在化した環境を変化させるあらゆる方法またはメカニズムを用いてもよい。溶解の促進に適する、本発明による方法およびメカニズムとしては、当業者にとって公知の方法およびメカニズムに加えて、たとえば、有効成分が局在化した環境におけるpHをコントロールすることおよび/または界面活性化合物などの種々の溶解促進物質、薬学的に許容され得る溶媒、種々の被覆用添加物などを用いることが包含され得る。有効成分の吸収の促進に適する方法およびメカニズムとしては、当業者にとって公知の方法およびメカニズムに加えて、pHをコントロールすること、発泡性および非発泡性の両方の浸透促進剤、生体由来接着剤などを用いることが包含される。
溶解および吸収を促進するという目標が競合する場合、たとえば、pHの変化に関してしばしば見られるように、局在化した環境における溶解を促進する傾向がある変化が、吸収を阻害する場合や、その逆の場合、局在化した環境を連続的に変化させることは、特に望ましい。本発明の好ましい実施形態によれば、局在化した環境の連続的な変化には、連続的なpH調整が伴う。この実施形態によれば、本発明によって、薬剤放出部位、投与部位、吸収部位、または複合的部位において、少なくとも二回のpHの変化を促進するかもしれない連続的pH調整システム、好ましくは促進する連続的pH調整システムが提供される。有効成分の吸収部位において、またはその近傍にて少なくとも二回のpH調整を促進するpH調整システムが好ましく、その調整範囲が、投与対象が許容できる限界の範囲内であることが好ましい。
この連続的pH調整システムは二種以上のpH調整物質を含むことが好ましく、これらの物質は、異なる時点においてそれらの活性のピークに到達するように、選択され、コントロールされる。pH調整物質の連続的な放出または活性化によって、局在化した環境のpHが連続的に低下および/または上昇する。投与部位または吸収部位において放出される場合、pH調整物質によって、少なくとも二回のpH調整が有効成分の局在化した環境において生じる。第一のpH調整物質によって、有効成分の溶解が促進される第一のpH調整が生じ、そして第二のpH調整物質によって、吸収が促進される第二のpH調整が生じる。pH調整物質を組み合わせることによって、それぞれのpH調整を生じさせてもよい。したがって、第一のpH調整には、二種以上のpH調整物質を用いる必要があってもよく、互いに一斉に放出されるかまたは異なる時点で放出されて溶解を促進する。同様に、第二のpH調整には、二種以上のpH調整物質を用いる必要があってもよい。
本明細書で用いられるように、pH調整物質の活性とは、pH調整物質によって生じるpH調整の全体を含む、投与期間中の全般的な活性であってもよい。pH調整物質の活性のピークとは、局在化した環境において、pH調整物質によって生じるpH調整の最大のものを指す。
本発明の操作はあらゆる特定の理論に限定されるものではないが、本発明の一つの実施形態の操作を例証するために、以下の検討を紹介する。上記で検討したように、多数の有効成分は弱酸かまたは弱塩基であり、したがってこれらは非イオンの形とイオン化した形との間の平衡状態で存在すると考えられている。たとえば、弱酸性の有効成分HAについての解離式を、次のように図示することができる。
HA⇔H++A-
ここで、HAは非イオンの形であり、A-はイオン化した形であり、そしてH+はプロトンである。多くの場合、非イオンの形の溶解度は有効成分のイオン化した形の溶解度よりもはるかに小さい。したがって、有効成分の溶解性は解離の程度にコントロールされることが多い。言い換えれば、非イオンの形(HA)の比率に対して、イオン化した形(A-)の相対的な比率が高いほど、溶解の程度が高くなる。
加えて、定義によれば、弱酸の解離の程度は幾分小さいと考えられる。すなわち、イオン化した形の相対濃度は通常、比較的小さい。さらに、溶液における解離の速度は、非イオンの形(HA)の濃度に比例する。会合の逆方向のプロセスの速度は、イオン化した形A-の濃度およびプロトンH+の濃度に比例する。ル・シャトリエの原理にしたがって、外部から酸(H+の供給源)を添加することによって平衡が左側に移動する。その結果、解離の程度および速度が減少する。したがって、弱酸性の有効成分の溶液に外部から酸を添加することによって、溶解が阻害されやすくなる。対照的に、外部から塩基を添加することによって平衡が右側に移動し、溶解が促進される。
したがって、弱酸性の有効成分を投与する際には、第一のpH調整物質は塩基性の性質を有することが好ましい。その結果、局在化した環境のpHが上昇し、平衡が右側に移動して、正常な生理的pHにおける場合よりも多くのパーセンテージの有効成分がイオン化した形(A-)に変換され、それによって酸性の有効成分の溶解が促進される。
それに対して、様々な体腔における基本的に水を含み、したがって親水性の溶媒と比べれば、粘膜(mucosal membrane)(すなわち粘膜(mucosa))は一般的に比較的疎水的であると考えられる。したがって、有効成分の非イオンの形−これは通常、荷電しイオン化した形よりも疎水的である−は、粘膜を横切って、特に細胞膜の経路(いわゆる細胞間吸収)などの特定の特異的な経粘膜経路を経由して吸収されやすいだろう。したがって、弱酸性の有効成分については、第二のpH調整物質は酸性の性質を有することが好ましい。その結果、局在化した環境のpHが低下し、平衡が左側に移動して、正常な生理的pHにおける場合よりも多くのパーセンテージの有効成分が非イオンの形(HA)に変換される。
同様に、有効成分の構造に依存する、弱塩基性の有効成分についての解離式を図示することができる
BOH⇔B++OH-
または
B+H+⇔BH+
ここで、BOHおよびBは有効成分の非イオンの形であり、B+およびBH+は有効成分のイオン化した形であり、そしてOH-はヒドロキシルイオンである。外部から塩基を添加することは、OH-イオンの供給源を提供することによって、またはプロトンを消費することによって、平衡を左に移動させる。それに対して、外部から酸を添加することによって、平衡が右に移動する。
したがって、弱塩基性の有効成分を投与する際には、第一のpH調整物質は酸性の性質を有することが好ましい。その結果、局在化した環境のpHが低下し、平衡が右側に移動して、pH調整がない場合よりも多くのパーセンテージの有効成分が(単数または複数の)イオン化した形(B+またはBH+)に変換され、それによって有効成分の溶解が促進される。第二のpH調整物質は塩基性の性質を有することが好ましい。その結果、局在化した環境のpHが上昇し、平衡が左側に移動して、より多くのパーセンテージの有効成分が(単数または複数の)非イオンの形(BOHまたはB)に変換され、それによって粘膜を横切る有効成分の吸収が促進される。
したがって、pH調整物質の連続的放出を、局在化した環境のpHを特定のpHの範囲内に調整することに利用してもよい。たいていの有効成分について、まず最初に解離平衡をイオン化した形の方へ移動させ、次いで非イオンの形に移動させることを促進することは好ましいにも関わらず、pH調整の順序は変化してもよい。所望の有効成分についての溶解および吸収のプロフィールに依存して、本発明の連続的pH調整システムは、有効成分のイオン化した形だけまたは非イオンの形だけに有利に働くpHに調整する可能性もある(たとえば、どちらかの形の濃度が異なることが溶解および吸収の両方に有利に働く場合など)。必要であれば、pH調整の順序を逆にしてもよい。
本発明による連続的な溶解および吸収の促進を引き起こすメカニズムには、様々なものがあり得る。本発明の一つの実施形態によれば、主要なメカニズムは、有効成分のイオン化した形および非イオンの形の相対濃度に対するpHコントロールに関係があると考えられている。しかしながら、他のメカニズムが関与していてもよい。これらのメカニズムとしては、たとえば、粘液層の厚さおよび/または粘性の低下、細胞膜の構造の変化、細胞の膜内の疎水性の増大、接着結合の変性、イオン対形成および錯体化または他の化学修飾、能動輸送メカニズムの強化;細胞の発散メカニズム(cellular efflux mechanism)の変化、酵素に対する有効成分の安定性の変化、または投与部位もしくは吸収部位におけるその他の因子などが挙げられる。
第一のpH調整物質の活性は、第二のpH調整物質の活性と重複してもよい。しかしながら、第一のpH調整物質の活性のピークが第二のpH調整物質の活性のピークと同時に生じないことが好ましい。さもなければ、上記のような少なくとも二回のpH調整は生じないかもしれない。
図1に関して、局在化した環境の最初のpHをAとする。通常、Aは有効成分の溶解部位における生理的pHである。0の時点で第一のpH調整物質(塩基)を放出するのと同時に、第一のpH調整物質が、1の時点におけるその活性のピークBに到達するまで、局在化した環境のpHが上昇する。第二のpH調整物質(酸)は2の時点で放出される。2の時点において、有効成分の局在化した環境における第一のpH調整物質はなお活性を有している。したがって、2の時点において、第一および第二のpH調整物質の活動は重複している。この重複は、3の時点において終了する。4の時点において、第二のpH調整物質がその活性のピークCに達する。5の時点において、pH調整システムの活動が終了する。5の時点において、有効成分の吸収が完了することが好ましい。
図1から見られるように、pH調整物質の活性と活性との間にいくらかの重複があるかもしれないが、第二のpH調整物質の活性のピークCの前に、第一のpH調整物質の活性のピークBが現れることが好ましい。pH調整物質の活性のピークとピークとの間の時間差(たとえば、図1に関して、時点4−時点1)、第一のpH調整物質の活性の最後と第二のpH調整物質の放出との間の時間差(たとえば、時点2−時点3)、およびその他のpH/時間のグラフのパラメーターは製剤設計の問題であり、そしてこれらは多数の因子に左右される。第二のpH調整物質が放出される前に有効成分のかなりの部分が溶解できるように、第二のpH調整物質の放出と活性のピークの時点を選択することが好ましい。加えて、より吸収しやすい化合物が可能な限り移動するように、その時間差を小さくすることが好ましい。したがって、図1にて示される重複が普通に見られてもよい。
しかしながら、第一および第二のpH調整物質の活動の重複は必須ではない。図2を参照すると、6の時点において、第一のpH調整物質がその活性のピークEに到達し、そして7の時点においてその活動が終了する。第二のpH調整物質は8の時点において放出され、そして9の時点においてその活性のピークFに達する。活性のピークEおよびFは一致しない。さらに、第一のpH調整物質(7)についての活動の終了は、第二のpH調整物質(8)の放出よりも早い。したがって、重複は見られない。
上記のように、第一および第二のpH調整の間の実際の時間差は多数の因子、たとえば、有効成分の放出および溶解の速度、体腔の液体の回転率、および体液の緩衝能などに左右される。たとえば、直腸での液体の産生よりも唾液の産生の方が速いこと、および唾液の流れによって、吸収区域から薬剤が除去される傾向があるという事実が主な原因で、舌下投与では直腸投与よりも時間差がより小さいことが必要となり得る。第一のpH調整物質の放出と第二のpH調整物質の放出との間の時間差は、約30秒〜約60分が好ましい。この時間差が約3〜約15分であることが、より好ましい。
溶解および/または吸収の速度が本来小さい有効成分にとっては、時間差は長くなる傾向にある。非イオンの形の有効成分の濃度が所定のpHにおけるその溶解度よりも高い場合、原則的に有効成分は溶液から沈殿するだろう。したがって、有効成分が、イオン化した形から非イオンの形に急激に変換することは望ましくないだろう。しかしながら、本発明に関連して、有効成分が生体組織内に吸収されることで、溶液から非イオンの形のものが取り除かれる。その結果、その濃度および沈殿の可能性が低下する。それにもかかわらず、ある特定の有効成分の吸収速度が小さいことが分かっている場合、第二のpH調整物質の放出速度を低下させて非イオン種の形成速度をコントロールする必要があるかもしれない。
必要であれば、有機溶媒を剤型内に混合して、沈殿のリスクをさらに低下させてもよい。添加される溶媒としては、たとえば、エタノールおよびその他のアルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、グリセリンならびにその他の薬学的に許容され得る溶媒などが含まれ得る。市販の溶媒、すなわち人体に用いるために化学物質の溶解度が高められるように設計してブレンドされた溶媒も含まれ得る。このような市販の製品の一例はArlasolv(商標)である。添加される溶媒は、液体の剤型内、または使用の直前に液体状態に変換される剤型内により簡単に組み込まれる。たとえば、再構成(reconstitution)のための錠剤または粉末に、剤型を再構成するための液体を供給してもよい。
薬剤の投与対象が許容できるpH調整であることが非常に好ましい。したがって、体液のpHの大きな変化は望ましくない場合が多い。たとえば、このような変化によって、有効成分が局在化した環境に隣接している組織に炎症が生じるかもしれない。さらに、1pH単位を超えるpH調整によっても、1pH単位のpH調整によって改善される溶解性および/または吸収性を超えるほどのさらなる改善は、一般的にわずかであるかまたは見られない。したがって、約1pH単位のpH調整(たとえば、有効成分のpKaを超える1pH単位および/またはそのpKa未満の1pH単位)が好ましい。しかしながら、たとえば、敏感な組織の炎症を抑えるために、またはある特定の有効成分についての溶解および吸収のプロフィールに基づいてpH調整を1pH単位未満とする時の事例は好ましいだろう。同様に、適切である場合および/または有利である場合には、大きく調整することを採用してもよい。
段階的なpH調整も望ましいものとなろう。この目的を達するために、第一および/または第二のpH調整が、それぞれ溶解および/または吸収を促進するための一連のpH調整を包含してもよい。たとえば、溶解を促進するための二種以上のpH調整物質の連続した活性化、および/または吸収を促進するための二種以上のpH調整物質の連続した活性化によって、このことを達成してもよい。図3に示されるように、pH調整物質を組み合わせて溶解(A1およびA2)および/または吸収(B1およびB2)を促進する場合、溶解(A1およびA2)の促進に用いられるpH調整物質の活性のピークが、吸収(B1およびB2)の促進に用いられるpH調整物質の活性のピークと重複しないことが好ましい。
様々な方法を用いて、所望の(一回または複数回の)規模のpH調整と必要量のpH調整物質とを選択する。ヘンダーソン−ハッセルバルヒの式によれば、有効成分のイオン化した形(I)と非イオンの形(U)との割合([I]/[U])は、溶液の局在化した環境のpHと有効成分のpKaとの関数である。たとえば、弱酸性の有効成分HAについて
HA⇔H++A-
ヘンダーソン−ハッセルバルヒの式は、
pKa−pH=log([HA]/[A-])
である。ここで、[HA]は非イオンの形(U)の濃度であり、[A-]は有効成分のイオン化した形(I)の濃度である。ヘンダーソン−ハッセルバルヒの式によれば、局在化した環境のpHの1単位の変化によって、有効成分のイオン化した形(I)と非イオンの形(U)との間の平衡が10だけ移動すると考えられる。たとえば、1pH単位のpH調整の前の最初の割合[HA]/[A-]が1:1であったなら、調整の方向に依存して、調整後のその割合は概算で10:1または1:10であると算出される。
したがって、有効成分のpKaとその解離([A-])および/または会合([HA])の所望の程度とを知ることによって、局在化した環境の所望のpHを算出すること、そしてそれゆえに、適切な(単数または複数の)pH調整物質の必要量を推定することが可能となる。塩基性の有効成分について、同様の計算を行うこともできる。
有効成分のpKaが調整範囲の中央に位置するように、第一のおよび第二のpH調整を含めたpH調整の範囲の全体を選択することが好ましい。上記に説明したように、大規模なpH調整は好ましいものではなく、必要でもないだろう。
たとえば、適切な溶解および吸収のインビトロのモデルを用いることによって、pH調整物質の必要量を求めてもよい。たとえば、特定の量のpH調整物質を含有する剤型または組成物を、溶解用の液体の媒質内に設置することによって、溶解を促進するために必要なpH調整物質の量を求めてもよい。緩衝能と、その媒質がエミュレートする体液と類似したpHとを有する液体の媒質が好ましい。次いで、液体の媒質を撹拌して選択された体液における溶解をシミュレートする。剤型または組成物の溶解が進行している時に、いくつかの時点における液体の媒質のpHを測定する。たとえば、目視検査によって、または化学的手段(たとえば定量的HPLC、NMR、IRなど)によって、有効成分の溶解を評価する。様々な量のpH調整物質を含有する同様の製剤を作製し、そして同様の方法で試験する。異なる量のpH調整物質について集められたpH/時間の溶解プロフィールは、特定の製剤を評価するための基礎となる。有効成分を製剤化するために、所望の規模のpH調整を導くpH調整物質の量、最適pH/時間プロフィールおよび溶解速度を選択することが好ましい。
第二のpH調整物質の量を算出するために、適切な吸収のインビトロのモデルを用いてもよい。たとえば、ラットまたはウサギの腸の組織などの組織培養、および溶液中に浸した人工膜−これらは吸収部位におけるpHと緩衝能とをシミュレートするものである−を、吸収のインビトロのモデルとして用いてもよい。第二のpH調整物質の量を求める際には、(一回または複数回の)第一のpH調整によるpHの影響を考慮する必要があるかもしれない。
実際には、ヘンダーソン−ハッセルバルヒの式、または標準的な薬学の教科書、たとえばアルフレッド・マーチン、リーおよびフェビジャーによる物理薬剤学、第4版(1993)に記載の同様の理論式に基づく計算を行って、理論に基づいたpH調整物質の量を最初に推定することが普通である。次いで、実験によって微調整する。
pH調整物質には、哺乳動物におけるpH調整を促進するあらゆる薬剤が含まれていてもよい。pH調整物質としては、酸および塩基、酸および塩基の誘導体、ならびにインビボで酸および/または塩基に変換するその他の化学物質であって、かつ哺乳動物への使用が安全なものが好ましい。pH調整物質が弱酸および/または弱塩基であることがより好ましい。適切な弱酸としては、たとえば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸およびそれらを組み合わせたものなどの酸味料が挙げられる。適切な弱塩基としては、たとえば炭酸塩供給源が挙げられ、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸カリウム、炭酸マグネシウムならびにそれらを組み合わせたものが好ましい。pH調整物質としては、局在化した環境の特性にしたがって連続的に活性化する前駆物質などの、インビボで酸または塩基に変換する前駆物質を含めてもよい。
局在化した環境の連続的な変化を行うためには、有効成分が剤型または組成物として含まれることが好ましい。一つの実施形態にしたがって、本発明によって、剤型の状態で所望の部位へ送達され、次いで有効成分の溶解を促進する剤型の第一の部分と、それに続く吸収を促進する剤型の第二の部分とが連続的に放出されることによって投与され得る有効成分が提供される。剤型の第一の部分および第二の部分を連続的に放出させるためには、様々なメカニズムおよび様々な方法を用いてもよい。連続的に放出させる手段としては、たとえば、被膜、膜、およびマトリックス材などが挙げられる。
好ましい実施形態において、pH調整物質および有効成分を一種以上の被膜と組み合わせて、これらの放出を連続的にコントロールする。たとえば、被覆されていない有効成分および被覆されていない第一のpH調整物質を、被覆された第二のpH調整物質を伴う一つの剤型内に組み合わせてもよい。この被膜は、第二のpH調整物質を実質的に覆っていてもよい。投与の後に、放出されるように、第一のpH調整物質および有効成分は剤型の第一の部分の中に含まれる。第一のpH調整物質によって、有効成分が局在化した環境のpHを望みのままに変化させる。最初のうちは、第二のpH調整物質を覆っている被膜によって、その放出が妨げられているか制限を受けている。その後、第二のpH調整物質を覆う被膜が溶解するか取り除かれると、第二のpH調整物質を包含する剤型の第二の部分が放出され、所望の第二のpHへの変化が促進される。
種々の特性および/または厚さを有する被膜を二以上利用してもよい。たとえば、第一の被膜が第一のpH調整物質および有効成分を覆ってもよく、第二の被膜が第二のpH調整物質を覆ってもよい。第一の被膜よりも遅れて溶解するように、この第二の被膜を設計してもよい。あるいは、剤型中の第一の被膜および/または有効成分の内部に、この第二の被膜を設けてもよい。投与の後に、被膜によって剤型成分の連続的放出をコントロールし、局在化した環境のpHを望みのままに連続的に変化させる。
被膜の性質に関して言えば、任意の適切な被膜を用いてpH調整物質の放出をコントロールすることができ、たとえば、腸溶性被膜、pHの変化に対応する被膜、目的の吸収部位の局在化した環境において特異的にまたは支配的に存在する酵素によって代謝される被膜、および特定の時間の後または特定の体積の液体に暴露した後に溶解する被膜、ならびに当業者によって知られている任意の被膜が挙げられる。剤型の全体にまたはその一部分に、(単数または複数の)被膜を適用してよい。(単数または複数の)pH調整物質、多層錠の一つ以上の任意の層、個々の粒子または少量の集合体を被膜で実質的に覆ってもよい。(単数または複数の)被膜の性質および厚さを利用して、放出の回数などをコントロールしてよい。当業者によって知られている任意の方法で、被膜の厚さを調節してよい。
剤型から速やかに有効成分を放出できるように、有効成分および第一のpH調整物質は被覆されていないことが好ましい。しかしながら、味覚マスキング用または遅延放出性の剤型のために、有効成分および/または第一のpH調整物質の周りに(単数または複数の)被膜を設けることが望ましい場合もある。さらに、たとえば、所望の吸収部位の前に位置する消化管の部分を剤型が通過する間は、有効成分の放出を遅延させなければならないかもしれない。たとえば、剤型の全体を覆っている被膜を利用して、剤型が目的の吸収部位、たとえば十二指腸などに到着するまでに、有効成分が予定より早く放出されることを防いでもよい。したがって、層状の錠剤は、錠剤の外側の層に位置し、第一の被膜によって実質的に取り囲まれている第一のpH調整物質と有効成分とを含んでもよい。第二のpH調整物質は有効成分と第一のpH調整物質の内部に位置することができ、これは第二の被膜によって実質的に取り囲まれている。
膜は、pH調整物質の放出をコントロールために用いてもよい。たとえば、有効成分および第一のpH調整物質を、膜および第二のpH調整物質を伴う一つの剤型内に組み合わせてもよい。有効成分および第一のpH調整物質は、この膜より末梢に位置してもよい。第二のpH調整物質は、この膜の内部に位置してもよく、または覆われていてもよい。
一種以上のコントロールされた放出用マトリックス材(controlled release matrix material)を用いることによって、pH調整物質を連続的に放出するかまたは連続的に活性化させてもよい。適切なマトリックス材としては、たとえば、疎水性の、可塑性のまたは親水性のマトリックス材などが挙げられる。疎水性のマトリックス材の適切な例としては、カルナウバロウ、ステアリルアルコール、および硬化ヒマシ油がある。可塑性マトリックス材の適切な例としては、エチルセルロースおよびポリビニルアルコールがある。親水性のマトリックス材の適切な例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルエチルセルロースがある。
マトリックス材を利用する場合、pH調整物質は二層錠または多層錠の異なる層内に位置することが好ましい。たとえば、第一のpH調整物質および有効成分は、三層錠の外層のうちの最上層と最下層に位置してもよく、一方第二のpH調整物質およびマトリックス材は中間層に置かれる。所望の吸収部位に到着するまで、錠剤を実質的に無傷なままで維持するために、被膜を利用してもよい。所望の部位において、有効成分および第一のpH調整物質は速やかに放出されることになる。一方、マトリックス材によって、第二のpH調整物質の放出は遅延し、たとえば外層の放出から10分後に連続的pH調整が生じる。あるいは、有効成分の一部をそれぞれの層に置いてもよく、または少量のマトリックス材を外層に置いてもよい。
有効成分および/またはpH調整物質の前駆物質を用いることによって、局在化した環境を連続的に調整してもよい。有効成分の前駆物質は通常、塩基性でも酸性でもない。というのは、通常、分子の(単数または複数の)塩基性部位または酸性部位に、(単数または複数の)保護基が付着しているからである。前駆物質、たとえばプロドラッグ化合物は通常、前駆物質の投与後にインビボで活性型に変換する。このような前駆物質の実施例としてはラクトン−このものは通常、ラクトン環の開環を経て遊離酸に変換する−およびエステル−このものは脱エステル化を経て遊離酸に変換する−が挙げられる。インビボにて、前駆化合物の(単数または複数の)保護基が取り除かれ、有効成分の保護基が除かれた形のものが産生する。このものはもはや、局在化した環境において、pH調整またはその他の溶解および/または吸収促進物質により影響を受けやすくなっていてもかまわない。通常、酵素、酸または塩基によって、前駆物質が活性型または保護基が除かれた形のものに変換される。
同様に、pH調整物質そのものを、前駆物質の形で、および有効成分が局在化した環境にて活性化を受けた形で利用してもよい。たとえば、酸性の第一のpH調整物質および第二のpH調整物質の前駆物質−このものは脱保護の際に塩基に変換されてもよい−と一緒に、弱塩基性の有効成分を投与してもよい。三種類の成分のすべてを一つの剤型にて投与してもよく、これらの成分は所望の部位において同時に放出される。第一のpH調整物質は局在化した環境のpHを低下させて、有効成分の溶解と第二のpH調整物質の活性化(すなわち前駆物質の塩基への変換)を促進する。今度は前駆物質の変換によって産生した塩基によってpHが上昇し、有効成分の吸収が促進される。
局在化した環境の変化を連続的にコントロールするための材料およびメカニズムを組み合わせてもよい。たとえば、被膜とマトリックス材、被膜と膜、および同様の組み合わせを同一の剤型内で用いてもよい。
適切なpH調整システムを選択する場合、様々な有効成分について、種々の因子に気を配る必要があるかもしれない。たとえば、タンパク質およびアミノ酸は両性イオンとして存在してもよい。これらはいわゆる等電点において、濃度が最高に達する。両性イオンは、負に帯電した官能基と正に帯電した官能基の両方を持ち、そして通常、同一の化合物の異なる種の間で、最も溶解度が小さい。したがって、pH調整システムを選択する際、両性イオンを形成する化合物については、その化合物の等電点を考慮する必要があるかもしれない。同様に、有効成分のpKa、選択される有効成分のバイオアベイラビリティ、吸収部位および/または投与部位におけるpH、能動輸送の結果およびその他の多数の因子を考慮に入れてもよい。
本発明において適切に用いられる有効成分には、全身に分配され得る薬理成分、ビタミン類、ミネラル類、栄養補助食品、ならびに全身には分配されない薬剤が挙げられる。薬理成分としては、鎮痛薬、抗炎症薬、解熱薬、抗生物質、抗菌薬、緩下薬、食欲抑制薬、抗ヒスタミン薬、ぜん息治療薬、抗利尿薬、整腸剤、片頭痛治療薬、鎮痙薬、鎮静薬、機能亢進抑制薬、抗高血圧薬、トランキライザー、うっ血除去薬、β−遮断薬;ペプチド類、タンパク質類、オリゴヌクレオチド類およびその他の生体高分子、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。生体高分子という用語は、生物において普通に見られる生体に由来する物質、ならびに合成類似物およびそれらの改変体と定義される。
有効成分としては、バイオアベイラビリティが低い、吸収が遅いまたはtmaxが長いといった薬物動態学的特性が弱い薬剤が好ましく、小分子の薬剤、栄養補給剤(たとえばビタミン類)およびタンパク質、ペプチドならびにその他の生体高分子が挙げられる。
表1に、適切な薬剤のいくつかの例とそれらのバイオアベイラビリティを示す。
Figure 0004617081
一般的に知られている方法および製剤を介して投与する場合に特にバイオアベイラビリティが小さい有効成分、取り分け弱酸および弱塩基は、本発明による投与の特に好ましい候補である。
あらゆる適切な粘膜を経る投与経路、たとえば、(口内で剤型を保持することによる)頬、舌下および歯肉、(剤型を飲み込むことによる)胃腸、(直腸内に組成物を挿入することによる)直腸、(膣内に組成物を挿入することによる)膣、ならびに(鼻腔に組成物を噴霧することによる)鼻によって、本発明の組成物を投与してもよい。
頬、舌下、歯肉、直腸、および膣を含む、粘膜を経る多数の投与経路には、肝臓による初回通過代謝の影響にまたは胃腸管における代謝に起因する有効成分の損失を避けるという別の利点がある。さらに、非現実的であり、小腸の内容物の全体のpHを変えることは望ましくないのではあるが、それにもかかわらず、本発明にしたがって、(剤型および剤型から溶解してもよいあらゆる有効成分と直接接している腸の内容物である)局在化した環境のpHを変化させることは可能である。
投与経路を選択することは、吸収部位におけるpHなどの多数の因子に左右される。表2に、様々な体腔および組織についての適切なpH値を示す。
Figure 0004617081
本発明において規定される有効成分についての所望のpH範囲が、体腔の有する生理的pH範囲と近いことが好ましい。選択される体腔のpHの範囲内に、所望の有効成分のpKaがあることが特に好ましい。たとえば、上記のように、pH調整を最小限にして組織の炎症を減らすことが望ましい。したがって、溶解および/または吸収を行うために大きなpH調整を必要としないようなpHを持つ体腔を選択することによって、組織の炎症の可能性を小さくできるかもしれない。
したがって、異なる有効成分については、異なる吸収部位および/または投与部位が好ましい。たとえば、食道(pH=5−6)のpHは口腔(pH=7)よりも酸性が強い。したがって、pKaが5である酸性の薬剤が食道で溶解することを望むには、口腔内での同一の薬剤の溶解よりも第一のpH調整を小さくする必要がある。
アポモルヒネ(pKa=7)を口腔内(pH=7)での投与に適合させることを説明する。最初にpHを約6に調整することに続けて、第二のpH調整で約pH8としてもよく、ここで、アポモルヒネのpKaと体腔の最初のpHの両方は調整範囲の中央である。パパベリン(pKa=5.9)を膣内投与(pH=4−5.5)に適合させる。パパベリンのpKaの上下の1pH単位の調整によって組織に明らかな炎症が起こることはありそうにない。ブロモクリプチン(pKa=4.9)も膣内投与に適合される。
選択される投与部位に送達するのに適した形で本発明の組成物を投与することが好ましい。適切な剤型には、たとえば、錠剤、顆粒剤、ペレット剤、複合微粒子、カプセル、小錠剤、ビース、粉末、座薬、ゲルおよび溶液、液剤、エマルション、マイクロエマルションが挙げられる。当業者が周知の技術を用いて構成成分を混合することによって、一般的に、剤型を作製してもよい。
錠剤を用いる場合、錠剤としては、マトリックス錠剤、様々な成分が異なる層中に分けられている積層錠剤、またはその他の、ありきたりではない形状のものや幾何学的に配置されたものを含む特別な形状の錠剤であってもよい。直接圧縮、湿式造粒またはその他の当分野で知られているあらゆる錠剤製造技術を利用して、錠剤を製造してもよい。たとえば、米国特許第5,178,878号および第5,223,264号を参照すること。これらは本明細書に引用することによって本明細書に組み込まれる。賦形用充填剤を用いて錠剤製造を円滑にしてもよい。剤型の迅速な溶解の役にも立つ充填剤が望まれるだろう。適切な充填剤の非限定的な例としては、マンニトール、グルコース、ラクトース、およびスクロースが挙げられる。
ペレット剤またはその他の複合粒子状の剤型もしくは製剤を、造粒、積層技術、押出し成形および球状化またはペレット製造法によって製造してもよい。湿式または乾式造粒プロセスを用いて顆粒剤を作製してもよい。
当分野で知られている適切なあらゆるカプセルを用いてもよく、たとえば、ソフトゼラチンカプセル、ハードゼラチンカプセルおよびそれらのバリエーションなどが挙げられる。デンプンカプセルまたはその他の適切な材料で作られたカプセルを用いることもできる。これらのカプセルに、混合に適した様々な成分からなるルースパウダーや、または粉末成分を少し圧縮したスラグを充填してもよい。適切な充填剤、希釈剤、流動促進剤、および潤滑剤を含めてもよい。希釈剤としては、たとえば、ラクトース、マンニトール、スクロース、グルコース、微結晶性セルロースおよびソルビトールが含まれ得る。流動促進剤としては、たとえば、二酸化ケイ素およびタルクが含まれ得る。適切な潤滑剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびベヘン酸グリセリルが挙げられる。
ペレット剤、顆粒剤および小錠剤を用いてカプセルを充填してもよい。必要に応じて、カプセルには二種以上の成分、たとえば小錠剤や粉末などからなる材が含まれていてもよい。この粉末は第一のpH調整物質および有効成分を含んでいてもよく、それに対して錠剤は第二のpH調整物質を含んでいてもよい。
液体、液体/固体または粉末溶液を利用して、投与を実施することができる。たとえば、予め定められた量の水、または粉末と一緒に封入してもよいその他の液体を、再構成のための粉末として添加することによって液体を供給してもよい。投与する直前に、この粉末と液体とを混合する。このようにして、第一のpH調整物質を(再構成の時に)すぐに利用することができる。それに対して、調剤装置によって定められるように、少し遅い時点にて、第二のpH調整システムが放出される。液体製剤は、増粘剤および生体由来接着剤を含むことが好ましい。
膣内投与のためには錠剤を用いてもよく、上記のように作製される。必要に応じて、錠剤の形状を、圧縮された剤型を挿入するのに役立つような特別の形状としてもよい。このような形状としては、楕円形、カプセル形および菱形の錠剤が挙げられる。錠剤の挿入をより容易に、かつ膣腔内の奥に簡単に挿入するためのアプリケータが同梱されていてもよい。このようなアプリケータは、この目的のために、医薬産業において広く用いられている。
座薬を用いて膣内投与および直腸投与を行ってもよい。溶かした蝋または脂肪質あるいはその他の適切な物質を基剤として適切な金型に注ぎ、その中に薬剤、pH調整物質、必要に応じて添加される浸透促進剤およびその他の賦形剤を溶かすかまたは分散させて形成される、固体の成型ユニットがある。冷却の際に、基剤によって、薬剤およびその他の分散している構成成分を含む固形物が形成される。固形化の時に、基剤は金型の形状にしたがう。用いることができる基剤の例としては、カカオバター、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ゼラチン/グリセリンの組み合わせ、エステル化脂肪酸、ポリオキシエチレンソルビタンおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。界面活性剤ならびにたとえば、中鎖(C8〜C12)脂肪酸およびグリセロールのモノエステル、ジエステルおよびトリエステルを含む脂肪酸エステルなどの吸収促進剤を含む様々な添加剤を組み込んでもよい。種々の成分の混合物を含み得る、独自に開発された様々な基剤を利用することもできる。独自に開発された基剤の例としては、イムホーゼン(Imhausen)、ウィテプソル(Witepsol)およびゲルーシャー(Gelucire)という商標で販売されているものが挙げられる。特定の用途に応じて、これらのそれぞれについての様々なグレードのものを利用することができる。必要とする特性を持つ座薬を得るために、様々な基剤を混合して用いてもよい。常温成型および圧縮を含む、座薬を形成するためのその他の成型方法を用いることもできる。
有効成分をたとえば食道に送達するためには、錠剤、または微粉末として液体中に分散している、迅速に放出されるpH調整物質と遅延して放出されるpH調整物質とを含む再構成のための粉末が好ましい。この液体には、水、微生物の生育を抑制するための防腐剤、界面活性剤、増粘剤、粘膜付着成分および添加される有機溶媒が含まれていてもよい。防腐剤の非限定的な例はメチルパラベンおよびプロピルパラベンであり、それぞれ0.02%および0.002%の濃度で用いられる。有効成分およびその他の成分のうちのいくつかは、食道の全長を速やかに横切って胃内を通過してもかまわない。しかしながら、適切に製剤化された投与システムにおいては、有効成分とpH調整物質の大部分は食道の壁に保持され、そこではこの連続的pH調整システムによって、食道の上皮を介する薬剤の吸収が促進される。たとえば、口の奥に挿入できる投薬手段、より具体的には、(子供に液剤を投与するのに用いられるような)ピペットタイプのスポイト、または内径が太い飲料用ストロー−それぞれを口の奥に挿入する−を用いて、粘稠な液体がゆっくりと口の奥に与えられる場合、適切な投与が行われる。この投与様式によって、唾液によって組成物が必要以上に希釈されるのを防ぐだけでなく、口内への組成物の残留も減少する。
鼻からの投与については、食道について記載されたものと類似した溶液を好ましく用いることができる。生体由来接着剤および増粘剤を含有する溶液が好ましい。本発明の目的のためには、点鼻用ゲルはより多くの量の増粘剤を含む溶液とみなされる。増粘剤としては、たとえば、アルギン酸塩、キトサン、デンプン、およびセルロースが挙げられる。
十二指腸、空腸および回腸ならびに胃腸管のその他の同様の領域を経由する吸収については、剤型は腸溶性被膜を持つべきである。適切な腸溶性被膜としては、たとえば、酸性の胃液中では不溶性であり、しかしアルカリ性の消化液では溶解する被膜が挙げられる。このような被膜によって、無傷のままの剤型が胃を通過して十二指腸内などに達することが可能になり、そしてその場所から薬剤が吸収される。適切な腸溶性被膜としては、たとえば酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。あるいは、当分野で知られているその他の腸溶性ポリマーを用いることができ、たとえば、酢酸トリメリット酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シェラック、カルボキシメチルエチルセルロースまたはポリビニルアセタートフタラート(オパドライ・アクエイオス・エントリック(Opadry Aqueous Enteric)およびオパドライ・エントリック(Opadry Enteric)の商標で販売されている)が挙げられる。通常のあらゆる方法、たとえばpH感受性の剤型を形成するためのpH依存性ポリマーを用いて被膜を形成することができる。
大腸については、製品は腸溶性材料を含んでいてもよく、あるいは大腸内でのみ分解される材料、たとえば結腸内にのみ存在する細菌によって分解されるであろう材料を縦横に組み合わせたものであってもよい。
連続的pH調整システムは、迅速に放出される剤型に使用するのには好ましいが、様々なコントロールされた放出用の剤型について、連続的pH調整システムを用いてもよい。この文脈で用いられるように、コントロールされた放出用の剤型とは、標準(コントロールされていない放出)の、同様の特性の剤型からの有効成分の放出と比較して、約1〜約2分間から数時間の間、有効成分の放出をコントロールする剤型の一つである。さらに一般的に言えば、口腔内で投与する場合、投与してから3〜60分の間、コントロールされた放出がみられる。それに対して、直腸用の剤型におけるコントロールされた放出は5〜40分の間に生じる。この文脈で用いられるように、「迅速な放出」とは、有効成分の放出をコントロールするための意図的に計画されたメカニズムを少しも含まない剤型を意味する。すなわち、有効成分の粒子が被覆されていないか、またはたとえば有効成分の放出をコントロールするためのマトリックス内部に含まれていないことを意味する。たとえば錠剤が崩壊したり、または座薬が融解するかもしくは溶解するといったことなどが起きると、すぐに有効成分が放出される。本明細書に記載の連続的pH調整システムにおいては、迅速な放出用の剤型というこの定義を損なうことなく、pH調整物質の放出を遅らせることができる。迅速な放出用の剤型という文脈中の「迅速な放出」とは、有効成分の放出について言及するものである。
剤型はさらに、選択された目標である吸収部位に有効成分を送達するのに有用な薬剤、および生体組織への浸透に役立つ薬剤を含んでもよい。たとえば、剤型および目標の吸収部位に依存して、他の材料または技術を本剤型に用いて、溶解性および吸収性を向上させたり、崩壊プロフィールを改善したり、および/またはそれが好ましいものであれば、感覚刺激に反応する特性を改善する。これらには、崩壊剤の使用;化学的浸透促進剤;胃腸管内の特殊な細胞によって吸収が促進される微粒子への薬剤の吸着;イオン対形成または錯体化;ならびに脂質および/または界面活性剤の使用が挙げられるが、これらに限定されない。
選択された強化用の技術は、薬剤吸収の経路、すなわち、細胞の近傍または細胞透過および吸収部位に関係するものが好ましい。溶解性および吸収性などを向上させるのに用いられる材料を、本発明のpH調整物質と組み合わせて、連続的に放出してもよく、異なる時点で活性化してもよい。たとえば、第一のpH調整物質によって溶解を促進する成分が放出されてもよく、そして第二のpH調整物質によって吸収を促進する成分が放出されてもよい。
適切な崩壊剤の非限定的な例には、たとえば、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプン、コーンスターチ、片栗粉およびそれらの加工デンプン、およびベントナイト、アルギン酸塩などの粘土、寒天、グアールガム、イナゴマメ、カラヤゴム、ペクチンおよびトラガカントなどのゴムなどが含まれる。
生体由来接着剤を剤型内に含めて、投与部位または吸収部位における剤型の接触面積や残留時間を増やしてもよい。本発明で用いられる生体由来接着剤の非限定的な例には、たとえば、カルボポール(Carbopol)934 P、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メトセル(Methocel)、ポリカルボフィル(ノベオン(Noveon)AA−1)、HPMC、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、およびその他の天然のまたは合成の生体由来接着剤などが含まれる。
浸透促進剤を剤型内に含めて、吸収を促進してもよい。たとえば、剤型の第二の部分には、腸溶性被膜における第二のpH調整物質および/または浸透促進剤が含まれていてもよい。第一の部分が有効成分の溶解を促進した後で、腸溶性被膜が溶解し、浸透促進剤を放出する。このことは、有効成分の溶解を促進するのに必要なpHにおいてよりも、吸収を促進するのに必要なpHにおいて、より安定的にまたはより効果的になされるだろう。浸透促進剤の非限定的な例には、発泡性の対(たとえば、炭酸水素ナトリウム/無水クエン酸の組み合わせ)、胆汁酸塩、サリチル酸ナトリウム、アプロチニン、グリセリドなどが含まれる。
適切な場合には、剤型には流動促進剤、潤滑剤、結合剤、賦形剤などが含まれていてもよい。用いることができる結合剤の例としては、ポビドン、アラビアゴム、トラガカントゴム、ゼラチン、デンプン、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース材料、アルギン酸およびその塩、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリエチレングリコール、グアールガム、多糖酸、ベントナイト、糖類、転化糖などが挙げられる。
さらに、剤型が経口投与を対象とするものである場合、その剤型は甘味成分、香味成分および着色成分を含んでもよい。従来のあらゆる甘味成分または香味成分を用いることができる。甘味成分、香味成分を組み合わせたもの、すなわち甘味と香味を示す成分も同様に用いることができる。着色剤としては、二酸化チタン、ならびにF.D.&C.色素として知られているものや天然の着色剤、たとえば、ブドウ果皮抽出物、ビートレッド粉末、β−カロチン、アナトー、カルミン、ターメリック、パプリカなどのような食品に適した色素が挙げられ得る。合成香味油および香味性芳香料および/または植物体、葉、花、果実などおよびそれらを組み合わせたものから抽出される天然油から、組成物内に混合される香味料を選択すればよい。これらのものとしては、桂皮油、ウインターグリーン油、ペパーミント油、チョウジ油、月桂樹油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズク油、サルビア油、苦扁桃油および桂皮油が挙げられ得る。さらに、香味料として用いられるものには、バニラ、レモン、オレンジ、ブドウ、ライム、およびグレープフルーツを含むシトラス油、ならびにリンゴ、西洋ナシ、モモ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アンズなどを含む果実精がある。特に有用であることが知られている香味料としては、市販されているオレンジ、ブドウ、サクランボおよび風船ガムの香味料ならびにこれらを混合したものが挙げられる。香味料の量は、所望の感覚器官への影響を含む因子の数に依存してもよい。
種々の浸透促進剤を用いてもよく、胆汁酸塩およびそれらの誘導体(たとえば、タウロコール酸塩、デオキシコール酸塩、およびグリココール酸塩など);キレーター(たとえば、クエン酸、エナミン、EDTAなど);脂肪酸およびそれらの誘導体(たとえば、アラキドン酸、オレイン酸、カプリル酸ナトリウム、モノオレインなど);界面活性剤(たとえば、SDS、ポリオキシエチレン−20−セチルエーテルなど);ならびに非界面活性剤(たとえば、1−アルキルアザシクロアルカノン不飽和尿素など)が挙げられる。
上記の本発明の好ましい実施形態は、主に、pHコントロールを介しての局在化した環境の変化に関する。しかしながら、他の調整メカニズムも検討してみる。たとえば、浸透促進剤が存在することで、吸収が促進されるだろう。この点については、発泡性浸透促進剤が特に効果的である。同様に、非発泡性浸透促進剤、疎水性改変化剤などを用いて吸収を促進してもよい。同様に、様々な添加剤、たとえば、薬学的に許容され得るクラウンエーテル、様々な錯化剤、リポソーム化合物、PEG化合物やPPG化合物のようなポリアルコキシ誘導体などによって、溶解を促進してもよい。
例証するための、本発明の一つの実施形態によれば、第一の腸溶性被膜は剤型を被覆してもよく、このものは被膜の内部に第一の部分および第二の部分を有していてもよい。剤型の第一の部分は、有効成分の大部分と溶解促進剤を含んでいてもよい。剤型の第二の部分は、有効成分の残りと第二の腸溶性被膜中の発泡性浸透促進剤を含んでいてもよい。所望の部位において、第一の腸溶性被膜が溶解し、そして有効成分のほとんどと溶解促進剤が放出され、溶解が促進される。溶解促進剤としては、pH調整物質、有効成分のPEG誘導体などが挙げられる。その後、第二の腸溶性被膜が溶解し、有効成分の残りと発泡性の対を放出する。これによって、粘膜を横切る有効成分の吸収が促進される。
例証を目的として、次の限定を意図しない、データの裏付けのない実施例を本明細書に含める。
[データの裏付けのない実施例1:メシル酸サキナビル]
サキナビル(pKa=7)は、消化管内および肝臓内で代謝される。サキナビルを口腔粘膜投与(頬または舌下での送達)することは、初回通過代謝(first pass metabolism)を回避し、このため好ましい。表3に、口腔粘膜投与のためのメシル酸サキナビルの処方を示す。表3の処方には、メシル酸サキナビルが局在化した環境の連続的pH調整のためのpH調整システムが含まれる。
Figure 0004617081
表4に示される溶液を用いて炭酸水素ナトリウムを被覆して、4%増量させる。
Figure 0004617081
ステアリン酸マグネシウム以外のすべての構成成分を20分間混合する。ステアリン酸マグネシウムを添加し、そしてさらに5分間、混合物を混合する。混合物を直接圧縮して、それぞれの重量が270mgの錠剤にする。
[データの裏付けのない実施例2:膣内投与のためのブロモクリプチン]
表5に、連続的pH調整システムを含むブロモクリプチンの処方を示す。
Figure 0004617081
表4に記載される溶液を用いて炭酸水素ナトリウムを被覆して、5%増量させる。ステアリン酸マグネシウム以外のすべての構成成分を、V型ブレンダー内で20分間混合する。次いで、ステアリン酸マグネシウムをそのブレンダーに添加し、そしてさらに5分間、混合物を混合する。菱形打抜機を用いて混合物を圧縮して40−50Nの硬度とし、膣内投与のための菱形の錠剤を作製する。
[データの裏付けのない実施例3.直腸投与のためのプロクロルペラジン]
表6に、直腸投与のためのプロクロルペラジンの処方を示す。
Figure 0004617081
表4に示される溶液を用いて炭酸ナトリウムを被覆して、5%増量させる。ポリエチレングリコール4000を溶かす。ポリエチレングリコール1000をこの溶解物に添加し、そしてその混合物が溶融状態を維持するように、穏やかに加熱する。その他のすべての構成成分を、この溶融混合物に撹拌しながら添加し、そして完全に混合させる。次いで、この溶融物を1.5gの金型に注入し、直腸投与のためのプロクロルペラジンの座薬を作製する。
特にそれ以外のことを記載していない限り、「包含する(including)」、「含む(containing)」、「含有する(comprising)」、「有する(having)」などのような単語を使用するあらゆる場合において、これらは「制限なく包含する」ことを意味し、特定のまたは類似の項目または内容の直前にある、任意の一般的な記載を制限するものと解釈すべきではない。事物が「複数」あるという言及は、少なくとも二つの事物を意味する。
内容がそれ以外のことを示さない限り、すべての具体的な数値は、実在物とは関係のない仮定のものを意味し、そしてかかる数値は例証目的にのみ用いられる。
上記の選択的な実施形態のほとんどは、互いに両立するものである。しかし、かかる実施形態を様々に組み合わせて実施してもよく、その結果他とは異なる効果が達成される。請求の範囲によって規定される発明から逸脱することなく、これらの実施形態、ならびにその他のバリエーションおよび上記で検討された主要点の組み合わせを利用することができることから、実施形態についての上記の説明を、添付されている請求の範囲によって規定される本発明を制限する目的のものではなく、むしろ例証する目的のものとして解釈すべきである。
本発明は、有効成分のバイオアベイラビリティを向上させるための医薬組成物および方法に関し、より詳細には、有効成分の溶解および吸収を向上させる医薬組成物に関する。
本発明の好ましい実施形態による、弱酸性の有効成分の溶解/吸収についてのpH/時間の概要のグラフである。 本発明の好ましい実施形態による、有効成分の溶解/吸収についての、別のpH/時間の概要のグラフである。 本発明の好ましい実施形態による、pH調整物質を組み合わせて活用した有効成分の溶解/吸収についてのpH/時間の概要のグラフである。

Claims (56)

  1. 第一の部分と第二の部分とを有する剤型により経粘膜経路を介して、哺乳動物(ヒトを除く)に有効成分を投与する方法であって、前記第二の部分が、前記第一の部分と前記第二部分とを連続的に放出させるための手段により覆われており、かつ、前記第一の部分と前記有効成分との内部に存在しており、前記方法が、
    a.該哺乳動物の体内の所望の部位に、該有効成分を送達するステップ、および、該所望の部位において連続的に、
    i.該有効成分の溶解を促進するために、該剤型の該第一の部分を放出して局在化した環境を調整するステップと、
    ii.該有効成分の吸収を促進するために、該剤型の該第二の部分を放出して局在化した環境を調整するステップと
    を含み、
    前記第一の部分が第一のpH調整物質を含み、前記第二の部分が第二のpH調整物質を含む方法。
  2. 前記所望の部位が、投与部位および吸収部位からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  3. 前記第一の部分が、前記有効成分の前記溶解を促進する一種以上の第一の物質であって、pH調整物質、界面活性化合物、薬学的に許容され得る溶媒および被覆用添加物からなる群から選択される一種以上の第一の物質を含み、
    前記第二の部分が、吸収を促進する一種以上の第二の物質であって、pH調整物質、発泡性浸透促進剤、非発泡性浸透促進剤および生体由来接着剤からなる群から選択される一種以上の第二の物質を含む
    請求項1に記載の方法。
  4. 前記剤型の前記第一の部分が、第一のpH調整物質を含み、それにより、前記有効成分が、溶解を促進する第一の解離状態に到達し、
    前記剤型の前記第二の部分が、第二のpH調整物質を含み、それにより、前記有効成分が、吸収を促進する第二の解離状態に到達する
    請求項1に記載の方法。
  5. 前記第一および前記第二のpH調整物質が、それぞれ酸および塩基である請求項4に記載の方法。
  6. 前記第一および前記第二のpH調整物質が、それぞれ塩基および酸である請求項4に記載の方法。
  7. 前記第一および前記第二のpH調整物質が、それぞれ塩基および塩基である請求項4に記載の方法。
  8. 前記第一および前記第二のpH調整物質が、それぞれ酸および酸である請求項4に記載の方法。
  9. 前記経粘膜経路が、頬、舌下、歯肉、胃腸、直腸、膣、および鼻の経路からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  10. 前記有効成分が、鎮痛薬、抗炎症薬、解熱薬、抗生物質、抗菌薬、緩下薬、食欲抑制薬、抗ヒスタミン薬、ぜん息治療薬、抗利尿薬、整腸剤、片頭痛治療薬、鎮痙薬、鎮静薬、機能亢進抑制薬、抗高血圧薬、トランキライザー、うっ血除去薬、β−遮断薬、ペプチド類、タンパク質類、およびオリゴヌクレオチド類からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  11. 前記剤型が、前記第一の部分および前記第二の部分の前記連続的放出のための手段であって、被膜、膜、マトリックス材、有効成分の前駆物質およびpH調整物質の前駆物質からなる群から選択される連続的放出のための手段を含む請求項4に記載の方法。
  12. 前記剤型の前記第二の部分が、コントロールされた放出用マトリックス材の中に分散した前記第二のpH調整物質を含有する請求項4に記載の方法。
  13. 前記剤型の前記第一の部分が、前記有効成分を包含する請求項4に記載の方法。
  14. 前記剤型の前記第二の部分が、被膜で覆われた前記第二のpH調整物質を含有し、これにより前記第一のpH調整物質が、前記剤型において該被膜の周辺に存在する請求項4に記載の方法。
  15. 前記有効成分が、前記剤型において前記被膜の周辺に存在する請求項13に記載の方法。
  16. 前記剤型の前記第二の部分が、膜で覆われた前記第二のpH調整物質を包含し、前記第一のpH調整物質が、該被膜の周辺に存在する請求項4に記載の方法。
  17. 前記有効成分が、前記剤型において前記被膜の周辺に存在する請求項16に記載の方法。
  18. 哺乳動物(ヒトを除く)において、経粘膜経路を経由して有効成分を投与する方法であって、第一のpH調整物質と、前記有効成分および前記第一のpH調整物質の内部に存在する第二のpH調整物質と、所望の部位において該第一のpH調整物質および該第二のpH調整物質を連続的に放出するための手段とを有する剤型により該有効成分を投与するステップであって、これにより該有効成分が局在化した環境が、第一のpHに到達し、次いで第二のpHに到達し、該第一のpHにより、該有効成分の溶解が促進され、該第二のpHにより、該有効成分の吸収が促進されるステップを含む方法。
  19. 前記有効成分が局在化した前記環境において、前記第二のpH調整物質が活性のピークに到達する前に、前記有効成分の前記局在化した環境において、前記第一のpH調整物質が活性のピークに到達する請求項18に記載の方法。
  20. 前記第一および前記第二のpH調整物質が、それぞれ酸および塩基である請求項18に記載の方法。
  21. 前記第一および前記第二のpH調整物質が、それぞれ塩基および酸である請求項18に記載の方法。
  22. 前記第一および前記第二のpH調整物質が、それぞれ塩基および塩基である請求項18に記載の方法。
  23. 前記第一および前記第二のpH調整物質が、それぞれ酸および酸である請求項18に記載の方法。
  24. 前記経粘膜経路が、頬、舌下、歯肉、胃腸、直腸、膣、および鼻からなる群から選択される請求項18に記載の方法。
  25. 前記有効成分が、鎮痛薬、抗炎症薬、解熱薬、抗生物質、抗菌薬、緩下薬、食欲抑制薬、抗ヒスタミン薬、ぜん息治療薬、抗利尿薬、整腸剤、片頭痛治療薬、鎮痙薬、鎮静薬、機能亢進抑制薬、抗高血圧薬、トランキライザー、うっ血除去薬、β−遮断薬、ペプチド類、タンパク質類、およびオリゴヌクレオチド類からなる群から選択される請求項18に記載の方法。
  26. 前記投与ステップが、前記剤型においてコントロールされた放出用マトリックス材の中に分散した前記第二のpH調整物質を供するステップを含む請求項18に記載の方法。
  27. 前記有効成分が、前記剤型において該コントロールされた放出用マトリックス材より末梢にある請求項26に記載の方法。
  28. 前記投与ステップが、被膜で覆われた前記第二のpH調整物質を供するステップであって、前記第一のpH調整物質が、前記剤型において該被膜の周辺に存在するステップを含む請求項18に記載の方法。
  29. 前記有効成分が、前記剤型において前記被膜の周辺に存在する請求項28に記載の方法。
  30. 前記投与ステップが、膜で覆われた前記第二のpH調整物質を供するステップであって、前記第一のpH調整物質が、該剤型において該被膜の周辺に存在するステップを含む請求項18に記載の方法。
  31. 前記有効成分が、前記剤型において前記被膜の周辺に存在する請求項30に記載の方法。
  32. 第一の部分と、第二の部分と、所望の部位において該第一の部分および該第二の部分を連続的に放出するための手段とを有する剤型中に有効成分を含有する医薬組成物であって、該第二の部分は、前記手段により覆われており、かつ、該第一の部分と該有効成分との内部に位置しており、;
    該第一の部分が、該所望の部位において該有効成分の溶解を促進するように、該有効成分が局在化した環境のpHを調整する一種以上の第一の物質を含み;
    該第二の部分が、該所望の部位において該有効成分の吸収を促進するように、該有効成分が局在化した環境のpHを調整する一種以上の第二の物質を含む
    医薬組成物。
  33. 前記第一の物質が、第一のpH調整物質を含み、前記第二の物質が、第二のpH調整物質を含み、連続的に放出するための前記手段が、前記局在化した環境において、該第二のpH調整物質が活性のピークに到達する前に、前記有効成分の前記局在化した環境において、該第一のpH調整物質が活性のピークに到達するように、該pH調整物質の活性を連続的にコントロールするための手段であり;これにより、前記有効成分の前記局在化した環境が、第一のpHに到達し、次いで第二のpHに到達し、該第一のpHにより、前記有効成分の溶解が促進され、該第二のpHにより、前記有効成分の吸収が促進される請求項32に記載の組成物。
  34. 前記第一および前記第二のpH調整物質が、それぞれ酸および塩基である請求項33に記載の医薬組成物。
  35. 前記第一および前記第二のpH調整物質が、それぞれ塩基および酸である請求項33に記載の医薬組成物。
  36. 前記第一および前記第二のpH調整物質が、それぞれ塩基および塩基である請求項33に記載の医薬組成物。
  37. 前記第一および前記第二のpH調整物質が、それぞれ酸および酸である請求項33に記載の医薬組成物。
  38. 連続的に放出するための前記手段が、被膜、膜、マトリックス材、有効成分の前駆物質およびpH調整物質の前駆物質からなる群から選択される請求項32に記載の医薬組成物。
  39. 前記pH調整物質の活性を連続的にコントロールするための前記手段が、前記第二のpH調整物質を覆う少なくとも一の被膜を含み、前記第一のpH調整物質が、前記剤型において該被膜の周辺に存在する請求項33に記載の医薬組成物。
  40. 前記有効成分が、前記剤型において前記被膜の周辺に存在する請求項39に記載の医薬組成物。
  41. 前記pH調整物質の活性を連続的にコントロールするための前記手段が、前記剤型においてコントロールされた放出用マトリックス材を含有し、前記第二のpH調整物質が、該コントロールされた放出用マトリックス材の中に分散し、前記第一のpH調整物質が、前記剤型において該コントロールされた放出用マトリックス材の周辺に存在する請求項33に記載の医薬組成物。
  42. 前記有効成分が、前記剤型において前記マトリックス材の周辺に存在する請求項41に記載の医薬組成物。
  43. 前記pH調整物質の活性のピークを連続的にコントロールするための前記手段が、該剤型において、前記第二のpH調整物質を覆う少なくとも一の膜を含有し、前記第一のpH調整物質が、前記剤型において該膜の周辺に存在する請求項33に記載の医薬組成物。
  44. 前記有効成分が、前記剤型において前記膜の周辺に存在する請求項43に記載の医薬組成物。
  45. 前記有効成分が、鎮痛薬、抗炎症薬、解熱薬、抗生物質、抗菌薬、緩下薬、食欲抑制薬、抗ヒスタミン薬、ぜん息治療薬、抗利尿薬、整腸剤、片頭痛治療薬、鎮痙薬、鎮静薬、機能亢進抑制薬、抗高血圧薬、トランキライザー、うっ血除去薬、β−遮断薬、ペプチド類、タンパク質類、およびオリゴヌクレオチド類からなる群から選択される請求項32に記載の医薬組成物。
  46. 前記一種以上の第一の物質が、pH調整物質、界面活性化合物、薬学的に許容され得る溶媒および被覆用添加物からなる群から選択され、前記一種以上の第二の物質が、pH調整物質、発泡性浸透促進剤および非発泡性浸透促進剤からなる群から選択される請求項32に記載の医薬組成物。
  47. 哺乳動物における所望の部位において、連続的に溶解し、吸収される医薬組成物であって、
    (a)前記医薬組成物の溶解を促進するための第一のpH調整物質またはその前駆物質を含む第一の部分と、
    (b)前記医薬組成物の吸収を促進するための第二のpH調整物質またはその前駆物質を含む第二の部分と、
    (c)有効成分と
    を含み、
    該第二の部分は、所望の部位において該第一の部分および該第二の部分を連続的に放出するための手段により覆われており、かつ、該第一の部分と該有効成分との内部に位置する医薬組成物。
  48. 溶解を促進するための前記第一の部分により第一のpHの変化が生じ、吸収を促進するための前記第二の部分により第二のpHの変化が生じ、前記第一のpHの変化および前記第二のpHの変化が30秒から60分の時間差を有する、請求項47に記載の医薬組成物。
  49. 溶解を促進するための前記第一の部分により第一のpHの変化が生じ、吸収を促進するための前記第二の部分により第二のpHの変化が生じ、前記第一のpHの変化および前記第二のpHの変化が3分から15分の時間差を有する、請求項47に記載の医薬組成物。
  50. 溶解を促進するための前記第一の部分により第一のpHの変化が生じ、吸収を促進するための前記第二の部分により第二のpHの変化が生じ、前記第一のpHの変化によりpHが1pH単位変化し、前記第二のpHの変化によりpHが1pH単位変化する、請求項47に記載の医薬組成物。
  51. 溶解を促進するための前記第一の部分により第一のpHの変化が生じ、吸収を促進するための前記第二の部分により第二のpHの変化が生じ、前記第一のpHの変化および前記第二のpHの変化がpH調整物質により達成され、前記pH調整物質が、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、および炭酸マグネシウムからなる群から選択される、請求項47に記載の医薬組成物。
  52. 溶解を促進するための前記第一の部分が前記有効成分を含有し、吸収を促進するための前記第二の部分が被膜に覆われる、請求項47に記載の医薬組成物。
  53. 溶解を促進するための前記第一の部分が前記有効成分を含有し、溶解を促進するための前記第一の部分および前記有効成分が被膜に覆われ、吸収を促進するための前記第二の部分が被膜に覆われる、請求項47に記載の医薬組成物。
  54. 前記被膜が、腸溶性被膜、pHの変化に反応性の被膜、目的の吸収部位の局在化した環境に特異的に存在する酵素によって代謝される被膜、目的の吸収部位の局在化した環境に支配的に存在する酵素によって代謝される被膜、および所定の時間の後に溶解する被膜からなる群から選択される、請求項52に記載の医薬組成物。
  55. 前記被膜が、腸溶性被膜、pHの変化に反応性の被膜、目的の吸収部位の局在化した環境に特異的に存在する酵素によって代謝される被膜、目的の吸収部位の局在化した環境に支配的に存在する酵素によって代謝される被膜、および所定の時間の後に溶解する被膜からなる群から選択される、請求項54に記載の医薬組成物。
  56. 前記有効成分が、ビタミン、ミネラル、栄養補助食品、または全身には分配されない薬剤である、請求項47に記載の医薬組成物。
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