JP4615780B2 - 小型車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体フレームに支持される燃料タンクの下方に、エアクリーナが配置される小型車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる小型車両は、たとえば特開昭59−89226号公報等で既に知られており、このものでは、燃料タンクの下部に設けられる凹部にエアクリーナが収納されており、該エアクリーナのクリーナケースは、エンジンに連なる吸気管で支持されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来のものでは、クリーナケースは燃料タンクに取付けられておらず、燃料タンクおよびエアクリーナの相対位置は、小型車両の組立時に定まることになり、組立工数の低減を図る上では不利である。しかも従来のエアクリーナのクリーナケースは、燃料タンクの外表面との間に間隔をあけて配置されるものであり、エアクリーナおよび燃料タンクでそれぞれ充分な容量を確保しようとすると燃料タンクの大型化を招いてしまう。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、組立工数の低減を可能とするとともに、燃料タンクの大型化を回避しつつエアクリーナおよび燃料タンクでそれぞれ充分な容量を確保し得るようにした小型車両を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車体フレームに支持される燃料タンクの下方に、エアクリーナが配置される小型車両において、エアクリーナのクリーナケースを燃料タンクに結合して、この燃料タンクを介して車体フレームにクリーナケースを支持させると共に、そのクリーナケースと燃料タンクの外面との間にエアクリーナの空気通路を形成し、前記燃料タンクの上下方向中間部には、外側方に張出したフランジ部を設け、該フランジ部には、クリーナケースよりも外方に突出する補機取付け部を一体に設けたことを特徴とし、かかる構成によれば、小型車両の組立時に、燃料タンクおよびエアクリーナを予めユニット化しておくことができて、組立工数の低減を図ることができる。しかも空気通路が燃料タンクの外面およびクリナケース間に形成されるので、エアクリーナおよび燃料タンクでそれぞれ充分な容量を確保しても燃料タンクが大型化することはない。その上、燃料タンク近傍に配置される補機を支持するための専用部品が不要であり、部品点数の低減に寄与することができ、しかも小型車両の組立時に、補機取り付け部に補機を予め取付けておくことで、組立工数をより一層低減することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した参考例及び本発明の実施例に基づいて説明する。
【0007】
図1〜図8は参考例を示すものであり、図1はペダル付き自動二輪車の側面図、図2は図1の要部を拡大して示す縦断側面図、図3は燃料タンクおよびエアクリーナを拡大して示す縦断側面図、図4は図2の4−4線拡大断面図、図5は図3の5−5線拡大断面図、図6は燃料タンクの車体フレームへの取付け部を示す縦断側面図、図7はクリーナケースの平面図、図8は図2の8−8線拡大断面図である。
【0008】
先ず図1において、小型車両であるペダル付き自動二輪車の車体フレーム15は、前端にヘッドパイプ16が設けられて後下がりに傾斜したメインフレーム17と、後ろ上がりに傾斜してメインフレーム17の後部に連設されるシートポスト18とを備え、メインフレーム17およびシートポスト18は、鋼管を屈曲成形することで一体に形成される。しかもメインフレーム17およびシートポスト18には、それら17,18を左、右両側から覆う一対のサイドカバー19…が取付けられる。
【0009】
ヘッドパイプ16には、フロントフォーク20が操向可能に支承され、該フロントフォーク20の下端に前輪WFが軸支され、フロントフォーク20の上端に連なるハンドルポスト21の上端部に、バーハンドル22の中央部が連結される。
【0010】
シートポスト18には、ドライバが座乗するためのサドル状のシート23を上端に備える支持パイプ24が上方から差込まれ、該支持パイプ24は、上下位置を調節可能としてシートポスト18に固定される。
【0011】
図2を併せて参照して、車体フレーム15にはエンジンEが搭載されており、このエンジンEから後方に延設される伝動ケース25の後端部に後輪WRが軸支される。而してエンジンEを両側から覆うエンジンカバー26…が、両サイドカバー19…に連設される。
【0012】
前記後輪WRには、シート23上のライダーが左、右一対のクランクペダル27…を踏み込むことによる踏力を伝達することが可能であり、また前記エンジンEの出力を、ベルト式無段変速機28を含む動力伝達手段29を介して後輪WRに伝達することも可能であり、前記動力伝達手段29は伝動ケース25に内蔵される。
【0013】
エンジンEの前側上部には吸気管30の下流端が接続されており、この吸気管30の上流端は、エンジンEの上方に配置された気化器31の下流端に接続される。気化器31の後方側には、車体フレーム15のシートポスト18で支持される燃料タンク32が配置されており、該燃料タンク32の下部に取付けられるエアクリーナ33に気化器31が接続される。
【0014】
さらに図3〜図6を併せて参照して、燃料タンク32は、下方に開いた鋼板製の上部半体34の下端と、上方に開いた鋼板製の下部半体35の上端とが相互に結合されて成るものであり、この燃料タンク32は、カラー鋼板から成るタンクカバー36で上方から覆われる。しかも前記上部および下部半体34,35は、前記タンクカバー36の下端部を挟み込むようにしてかしめ結合されるものであり、前記両半体34,35およびタンクカバー36の結合部すなわち燃料タンク32の上下方向中間部には、外側方に張出すフランジ部37が形成される。このように燃料タンク32とカラー鋼板から成るタンクカバー36とをかしめ結合することにより、燃料タンク32およびタンクカバー36の組立後の塗装工程が不要となり、コスト低減に寄与することができる。
【0015】
ところで、燃料タンク32の上部すなわち上部半体34の上部には、燃料注入キャップ38が着脱可能に取付けられるとともに、燃料タンク32内の燃料液面を検出する燃料ゲージ39が取り付けられる。一方、タンクカバー36には、燃料注入キャップ38を臨ませる開口部40と、燃料ゲージ39を臨ませる点検孔41とが設けられるとともに、開口部40を開閉可能に閉じるリッド42が燃料注入キャップ38を開閉可能に覆うようにして取付けられ、リッド42およびタンクカバー42間にはロック機構(図示せず)が設けられる。
【0016】
前記ロック機構は通常広く用いられているものであればよく、燃料タンク32側の燃料注入キャップ38はキー付きである必要がなく、燃料注入キャップ38をタンクカバー36から突出させる配置としなくてもよいので、タンクカバー36の上面をすっきりとした形状とすることができ、外観性を向上することができる。
【0017】
燃料タンク32の底部すなわち下部半体35の底部には、自動二輪車の前後方向に沿う前端から前記前後方向中間部まで延びる支持凹部43が形成されており、車体フレーム15におけるシートポスト18の後部に固着されて後方に延びるパイプ状の支持フレーム44が前記支持凹部43に挿入され、燃料タンク32の底部が該支持フレーム44で支持される。
【0018】
またタンクカバー36の前部には、自動二輪車の幅方向に沿う軸線を有する円筒状の支持筒45が固着されており、その支持筒45を軸方向両側から挟む一対のブラケット板46,46がシートポスト18に固着される。而して両ブラケット板46,46および支持筒45に挿通されるボルト47にナット48を螺合して締付けることにより、燃料タンク32およびタンクカバー36が、前記支持フレーム44まわりに回転することが阻止される。すなわち燃料タンク32およびタンクカバー36は、支持フレーム44上に載せられた状態で該支持フレーム44まわりに回転しないようにして車体フレーム15のシートポスト18に支持されることになる。
【0019】
支持筒45の軸線方向に沿う中心部は、図4で示すように、自動二輪車の前後方向に沿って延びる車体フレーム15の中心線C上に配置されるのであるが、支持フレーム44は、燃料タンク32の左、右方向での重量バランスに応じて適宜位置に設定されればよく、この参考例のように、前記中心線Cからオフセットした位置に支持フレーム44が配置されていてもよい。
【0020】
図7を併せて参照して、エアクリーナ33は、燃料タンク32を下方から覆うようにして該燃料タンク32に取付けられる合成樹脂製のクリーナケース49と、該クリーナケース49および燃料タンク32間に挟まれるクリーナエレメント51とを備える。
【0021】
クリーナケース49は、ケース主体50と、該ケース主体50に着脱可能に取付けられるメンテナンス用蓋73とで構成される。
【0022】
ケース主体50の上端部全周は、無端状のガスケット52を下部半体35の周縁部下面との間に介在させて燃料タンク32のフランジ部37および下部半体35の周縁部下面に当接される。しかもケース主体50の上端部下面には係合溝53が全周にわたって形成される。
【0023】
燃料タンク32のフランジ部37と、該フランジ部37に下方から当接するケース主体50の上端部とには弾性材から成る無端状のモール54が装着される。前記フランジ部37の周方向に間隔をあけた複数箇所でケース主体50の前記係合溝53には、モール54に巻きつくように形成されるクリップ55…の一端が係合されており、各クリップ55…の他端が、タンクカバー36に設けられている係合孔56…に係合される。
【0024】
すなわちケース主体50の上端部は、燃料タンク32のフランジ部37との間にモール35を介在させて複数のクリップ55…により燃料タンク32に着脱可能に取付けられることになる。而して燃料タンク32の下部外面およびケース主体50間には、前記クリーナエレメント51で清浄化された空気を導く空気通路57が形成される。
【0025】
燃料タンク32を支持する支持フレーム44を貫通させる貫通孔58がケース主体50の前部に設けられており、この貫通孔58の周縁に装着されたリング状の弾性シール部材59が支持フレーム44の外周に弾発的に接触する。
【0026】
前記貫通孔58よりも下方でケース主体50の前部には接続孔60が設けられ、合成樹脂から成る接続管61の一端が前記空気通路57に通じるようにして接続孔60に接続され、該接続管61の他端が気化器31の上流端に接続される。
【0027】
ケース主体50の後部には、横断面を矩形状として上下に延びる筒部62が一体に設けられており、この筒部62の上端には、嵌合筒部分62aと、該嵌合筒部分62aの下端から内方側に張出す鍔部分62bとが一体に設けられ、鍔部分62bの内周は、空気導入孔Oを形成する。
【0028】
前記嵌合筒部分62aには、ブロック状に形成されるクリーナエレメント51が鍔部分62bで受けられるようにして嵌合される。一方、筒部62に対応する部分で燃料タンク32における下部半体35の底部には、前記鍔部分62bとの間でクリーナエレメント51を挟む押え筒63が固着されており、該押え筒63には、空気導入孔Oからクリーナエレメント51を通過することで浄化された空気を空気通路57に導く複数の通路孔64…が設けられる。
【0029】
前記接続孔60および前記筒部62間でケース主体50の外側面には、自動二輪車の前進方向に向って右方および下方に開放した操作凹部65が形成されており、この操作凹部65の天井面に設けられた透孔66を下方に貫通するようにして燃料タンク32の下部半体35に有底円筒状の突部35aが設けられ、透孔66の周縁に装着されたリング状の弾性シール部材67が突部35aの外周全周に密接する。
【0030】
前記突部35aの下端には、燃料タンク32内に挿入されるフィルタ69の下端部が取付けられるものであり、このフィルタ69に連なるとともに気化器31に接続される燃料コック70が操作凹部65に配置される。
【0031】
また前記操作凹部65の天井面から垂下される接続管71が操作凹部65内に配置されるようにしてケース主体50に一体に設けられており、この接続管71には、エンジンEから排出された排気ガスの一部を導く導管(図示せず)が接続される。
【0032】
前記筒部62の下部開口端は、ケース主体50と共働してクリーナケース49を構成する合成樹脂製のメンテナンス用蓋73で閉じられるものであり、該蓋73は、ケース主体50に複数のボルト72…で着脱可能に取付けられる。
【0033】
この蓋73には、横断面外形形状を直角四辺形として上下に延びる筒状の補機取り付け部74が一体に設けられる。該補機取り付け部74は空気吸入筒を兼ねるものであり、補機取り付け部74の下部には、該補機取り付け部74とともに略L字状をなすようにして補機取り付け部74の下部から前方に延びる吸気管75が接続される。
【0034】
図8を併せて参照して、後輪WRを上方から覆うリヤフェンダー76には、前記補機取り付け部74を両側から覆う一対のブラケット板77,77の下端が固着される。一方、補機取り付け部74の両側壁には、それらの側壁を貫通するスリーブ78a,78aを有するナット78,78が装着されており、各ブラケット板77,77に挿通されるねじ部材79,79を前記ナット78,78に螺合して締付けることにより、リヤフェンダー76がケース主体50の前記補機取付け部74に取付けられる。
【0035】
さらにケース主体50の後部には、燃料タンク32よりも後方側に延びる補機取り付け部80が一体に設けられており、この補機取付け部80には、図示しないナンバープレートが取付けられるとともに、燃料タンクの32の後部側を覆うように構成されるテールライトユニット81が複数のねじ部材82…によって取付けられる。
【0036】
次にこの参考例の作用について説明すると、エアクリーナ83のクリーナケース49が、燃料タンク32に取付けられるので、ペダル付き自動二輪車の組立時に、燃料タンク32およびエアクリーナ33を予めユニット化しておくことができ、組立工数の低減を図ることができる。
【0037】
しかもクリーナケース49のケース主体50および燃料タンク32の下部外面間には、クリーナエレメント51で清浄化された空気を導く空気通路57が形成されるので、エアクリーナ83および燃料タンク82でそれぞれ充分な容量を確保しても燃料タンク82が大型化することはない。
【0038】
またクリーナケース49のメンテナンス用蓋73に、リヤフェンダー76を取付けるための補機取り付け部74が一体に設けられ、クリーナケース49のケース主体50にナンバープレートおよびテールライトユニット81を取付けるための補機取付け部80が一体に設けられるので、エアクリーナ83の近傍に配置されるリヤフェンダー76、ナンバープレートおよびテールライトユニット81を支持するための専用部品が不要であり、部品点数の低減に寄与することができる。しかもペダル付き自動二輪車の組立時に、補機取り付け部74,80にリヤフェンダー76、ナンバープレートおよびテールライトユニット81を予め取付けておくことで、組立工数をより一層低減することができる。
【0039】
さらに上部に燃料注入キャップ38を有する鋼板製の燃料タンク32が、該燃料タンク32に取付けられるタンクカバー36で上方から覆われるとともにクリーナケース49で下方から覆われ、タンクカバー36には、燃料注入キャップ38を開閉可能に覆うリッド42が取付けられているので、燃料タンク32をタンクカバー36およびクリーナケース49で覆って外観性を向上することができる。
【0040】
図9および図10は本発明の実施例を示すものであり、図9はペダル付き自動二輪車の要部拡大縦断側面図、図10は燃料タンクの拡大斜視図である。
【0041】
このような図9および図10を参照しつつ本発明の実施例について説明するが、上記参考例に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとして、詳細な説明を省略する。
【0042】
先ず図9において、ペダル付き自動二輪車の車体フレーム85は、前端にヘッドパイプ86が設けられて後下がりに傾斜したメインフレーム87と、メインフレーム87の後部に連設されて後ろ上がりに延びるシートポスト88とを備える。
【0043】
メインフレーム87は、左、右一対のフレーム部材89…を相互に結合して横断面矩形の筒状に構成されるものであり、メインフレーム87の前端が複数のボルト90…でヘッドパイプ86に締結され、またメインフレーム87の後部に、該メインフレーム87の後部から一部を上方に突出させるシートポスト88が締結される。
【0044】
シートポスト88には、ドライバが座乗するためのサドル状のシート23を上端に備える支持パイプ24が上方から差込まれ、該支持パイプ24は、上下位置を調節可能としてシートポスト88に固定される。またヘッドパイプ86およびシートポスト88間にわたってメインフレーム87の上部はフレームカバー91で覆われており、このフレームカバー91は、メインフレーム87に着脱可能に係合されるとともにシートポスト88に締結される。而して後輪WRを上方から覆うリヤフェンダー76は該フレームカバー91で支持される。
【0045】
シートポスト88の両側には支持板92…がそれぞれ締結されており、これらの支持板92…の下部に、メインフレーム87の後ろ側下部を共締めするようにして、たとえば一対のボルト93,93によりエンジンEが支持される。
【0046】
エンジンEの上方には該エンジンEに接続される気化器31が配置される。この気化器31の後方側には、車体フレーム85のシートポスト88で支持される燃料タンク94が配置され、該燃料タンク94の下部に取付けられるエアクリーナ95に気化器31が接続される。
【0047】
図10を併せて参照して、燃料タンク94は、下方に開いた鋼板製の上部半体96の下端と、上方に開いた鋼板製の下部半体97の上端とが相互に結合されて成るものであり、上部および下部半体96,97の結合部、すなわち燃料タンク94の上下方向中間部には、外側方に張出すフランジ部98が形成される。
【0048】
この燃料タンク94における下部半体97の前部はシートポスト88に設けられた支持板部88aにボルト99…により締結され、上部半体96の前部は、シートポスト88に設けられた一対のブラケット板部88b…にボルト100およびナット101によって締結される。
【0049】
燃料タンク94は、カラー鋼板から成るタンクカバー103で上方から覆われるものであり、このタンクカバー103には、燃料タンク94がその上部に備える燃料注入キャップ102を開閉可能に覆うリッド104が取付けられる。またタンクカバー103は燃料タンク94の上部半体96に締結されるものであり、上部半体96には、タンクカバー103を締結するための複数の被締結部105,105…が設けられる。しかも前記タンクカバー103の前部には、上部半体96の前部をシートポスト88のブラケット板部88b…に締結させるための切欠き部(図示せず)が設けられる。
【0050】
エアクリーナ95は、燃料タンク94を下方から覆うようにして該燃料タンク95に取付けられる合成樹脂製のクリーナケース106と、該クリーナケース106内に収納されて一端が閉じられるとともに他端が前記気化器31の上流端に接続されるパイプ107と、クリーナケース106内でパイプ107の外周に巻付けられるクリーナエレメント108とを備え、クリーナエレメント108が巻装される部分でパイプ107には流通孔109が穿設される。
【0051】
燃料タンク94におけるフランジ部98には複数の挿通孔110…が設けられており、クリーナケース106の上端部が、前記各挿通孔110…に挿通されるボルト(図示せず)により燃料タンク94のフランジ部98に締結される。而して燃料タンク94の下部外面およびクリーナケース106間には、前記クリーナエレメント108に未浄化の空気を導く空気通路111が形成される。
【0052】
またクリーナケース106の上部には、燃料タンク94の側方に配置されて前方側に開放した空気導入管112が接続されており、外部の空気が空気導入管12から空気通路111に導入され、クリーナエレメント108で浄化されて流通孔109からパイプ107内に導入された空気が、気化器31に供給されることになる。
【0053】
ところで、燃料タンク94のフランジ部98には、タンクカバー103およびクリーナケース106よりも後方側に突出する補機取付け部115が一体に設けられており、該補機取付け部115には、図示しないナンバープレートが取付けられるとともに、テールライトユニット81が複数のねじ部材116…によって取付けられる。
【0054】
この実施例によれば、エアクリーナ95のクリーナケース106が、燃料タンク94に取付けられるので、ペダル付き自動二輪車の組立時に、燃料タンク94およびエアクリーナ95を予めユニット化しておくことができ、組立工数の低減を図ることができる。
【0055】
しかもクリーナケース95のクリーナケース106および燃料タンク94の下部外面間には、クリーナエレメント108で清浄化するための空気を導く空気通路111が形成されるので、エアクリーナ95および燃料タンク94でそれぞれ充分な容量を確保しても燃料タンク94が大型化することはない。
【0056】
また上部に燃料注入キャップ102を有する鋼板製の燃料タンク94が、該燃料タンク94に取付けられるタンクカバー103で上方から覆われるとともにクリーナケース49で下方から覆われ、タンクカバー103には、燃料注入キャップ102を開閉可能に覆うリッド104が取付けられているので、燃料タンク94をタンクカバー103およびクリーナケース106で覆って外観性を向上することができる。
【0057】
さらに燃料タンク94のフランジ部98に、ナンバープレートおよびテールライトユニット81を取付けるための補機取付け部115が一体に設けられるので、燃料タンク94の近傍に配置されるナンバープレートおよびテールライトユニット81を支持するための専用部品が不要であり、部品点数の低減に寄与することができる。しかもペダル付き自動二輪車の組立時に、補機取り付け部115にナンバープレートおよびテールライトユニット81を予め取付けておくことで、組立工数をより一層低減することができる。
【0058】
以上、参考例及び本発明の実施例を説明したが、本発明は上記参考例及び実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0059】
たとえば本発明は、ペダル付き自動二輪車に限定されるものではなく、自動二輪車や自動三輪車等の小型車両に広く適用可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、エアクリーナのクリーナケースを燃料タンクに結合して、この燃料タンクを介して車体フレームにクリーナケースを支持させるので、小型車両の組立時に、燃料タンクおよびエアクリーナを予めユニット化しておくことができ、組立工数の低減を図ることができる。しかもエアクリーナの空気通路が燃料タンクの外面およびクリナケース間に形成されるので、エアクリーナおよび燃料タンクでそれぞれ充分な容量を確保しても燃料タンクが大型化することはない。
【0061】
その上、燃料タンク近傍に配置される補機を支持するための専用部品が不要であり、部品点数の低減に寄与することができ、小型車両の組立時に補機取り付け部に補機を予め取付けておくことで、組立工数をより一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例のペダル付き自動二輪車の側面図である。
【図2】 図1の要部を拡大して示す縦断側面図である。
【図3】 燃料タンクおよびエアクリーナを拡大して示す縦断側面図である。
【図4】 図2の4−4線拡大断面図である。
【図5】 図3の5−5線拡大断面図である。
【図6】 燃料タンクの車体フレームへの取付け部を示す縦断側面図である。
【図7】 クリーナケースの平面図である。
【図8】 図2の8−8線拡大断面図である。
【図9】 本発明の実施例のペダル付き自動二輪車の要部縦断側面図である。
【図10】 燃料タンクの拡大斜視図である。
【符号の説明】
85・・・車体フレーム
94・・・燃料タンク
95・・・エアクリーナ
98・・・フランジ部
103・・タンクカバー
102・・燃料注入キャップ
104・・リッド
106・・クリーナケース
111・・空気通路
115・・補機取り付け部
Claims (1)
- 車体フレーム(85)に支持される燃料タンク(94)の下方に、エアクリーナ(95)が配置される小型車両において、
エアクリーナ(95)のクリーナケース(106)を燃料タンク(94)に結合して、この燃料タンク(94)を介して車体フレーム(85)にクリーナケース(106)を支持させると共に、そのクリーナケース(106)と燃料タンク(94)の外面との間にエアクリーナ(95)の空気通路(111)を形成し、前記燃料タンク(94)の上下方向中間部には、外側方に張出したフランジ部(98)を設け、該フランジ部(98)には、クリーナケース(106)よりも外方に突出する補機取付け部(115)を一体に設けたことを特徴とする小型車両。
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