(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における部品実装システムについて図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態における部品実装システムの外観図である。
本実施の形態における部品実装システムは、複数の部品実装機100(図1に示す例では6台の部品実装機100)と、各部品実装機100のヘッド(ヘッドタイプ)を決定する決定装置200とを備えている。
複数の部品実装機100は、上流から下流に向けて回路基板(以下、単に基板という)20を送りながら電子部品などの部品を実装していく生産ラインとして構成されている。つまり、各部品実装機100は、上流側から基板20を受け取り、その基板20に対して部品を実装し、その部品が実装された基板20を下流側に送り出す。なお、このような複数の部品実装機100からなる生産ラインによって部品が実装された基板20、または、1つの部品実装機100によって部品が実装された基板20を、以下、実装基板という。
決定装置200は、実装基板のスループットが向上するように、各部品実装機100のヘッド(ヘッドタイプ)を決定する。そして、決定装置200は、決定したヘッドが部品実装機100に取り付けられるように、部品実装システムの使用、管理、または運転などを行うオペレータや、その部品実装機100などに対して指示する。
図2は、部品実装機100の外観図である。
部品実装機100は、複数種の部品を供給する部品供給部115を備え、搬入口130から挿入される基板20を部品実装機100の内部に搬送して停止させる。そして、部品実装機100は、部品供給部115から供給される部品を順次取り出し、その停止している基板20に対して、取り出した部品を実装する。
図3は、部品実装機100の内部の主要な構成を示す図である。
部品実装機100は、基板20を搬送するための2つの基板搬送レール122a,122bと、2つのメインレール140と、部品供給部115と、部品認識カメラ116と、ヘッド112と、ビーム121と、ノズルステーション119とを備えている。
部品供給部115は、部品テープを収納する複数の部品カセット(フィーダ)114の配列からなる。なお、部品テープとは、例えば、同一部品種の複数の部品がテープ(キャリアテープ)上に並べられたものであり、リール等に巻かれた状態で供給される。また、部品テープに並べられる部品は、例えばチップ部品であって、具体的には0402チップ部品や1005チップ部品などである。
ヘッド112は、1つの部品を吸着する複数のノズルを備えた、例えばマルチ装着ヘッドと呼ばれるヘッドである。このようなヘッド112(ヘッドタイプ)には、例えば、12本のノズルが取り付けられたヘッド(以下、12ヘッドという)と、8本のノズルが取り付けられたヘッド(以下、8ヘッドという)と、2本のノズルが取り付けられたヘッド(以下、2ヘッドという)がある。
そして、ヘッド112は、軸状に構成されたビーム121に対してスライド自在に取り付けられている。したがって、そのヘッド112は、例えばモータなどの駆動により、ビーム121に沿って移動する。
ここで、このようなヘッド112は、取換可能なように部品実装機100に搭載されている。したがって、オペレータは、部品実装機100のヘッド112を所望のヘッドタイプ(12ヘッド、8ヘッドまたは2ヘッド)に設定することができる。
ヘッド112が12ヘッドであれば、そのヘッド112は、部品供給部115から最大12個の部品を吸着して基板20に装着することができる。また、ヘッド112が8ヘッドであれば、そのヘッド112は、部品供給部115から最大8個の部品を吸着して基板20に装着することができる。同様に、ヘッド112が2ヘッドであれば、そのヘッド112は、部品供給部115から最大2個の部品を吸着して基板20に装着することができる。
ビーム121は、基板20の搬送方向(X軸方向)と垂直な方向(Y軸方向)に沿って互いに平行に配置された2つのメインレール140上に、Y軸方向にスライド自在に取り付けられている。したがって、ビーム121は、例えばモータなどの駆動により、2つのメインレール140上をY軸方向に沿って移動する。すなわち、ヘッド112は、メインレール140およびビーム121によってX軸方向およびY軸方向に移動する。
部品認識カメラ116は、ヘッド112に吸着された部品を撮影し、その部品の吸着状態を2次元または3次元的に検査するために用いられる。また、部品認識カメラ116は、部品供給部115におけるX軸方向に沿った中央付近に配置されている。
ノズルステーション119は、各種形状の部品種に対応する交換用のノズルが置かれるテーブルである。
ここで、部品実装機100の搬入口130から挿入された基板20は、2つの基板搬送レール122a,122b上に沿って搬送されてストッパーなどにより停止される。
また、基板搬送レール122a,122bは、それぞれX軸方向に対して平行となるように配置されている。ここで、基板搬送レール122aは、部品供給部115側に寄せて固定され、基板搬送レール122bは、搬送される基板20のサイズ(幅)に応じてY軸方向に移動する。
図4は、ヘッド112と部品カセット114の位置関係を示す模式図である。
例えばヘッド112が12ヘッドの場合には、12個のノズルnzが2列に分かれて並んでいる。各列では、6個のノズルnzがX軸方向に沿ってそれぞれ等間隔だけ離れて配置されている。また、一方の列と他方の列とでは、Y軸方向に所定間隔だけ離れている。
このようなヘッド112は、最大6個の部品カセット114のそれぞれから部品を同時に(1回の上下動作で)吸着することができ、Y軸方向に移動することで、さらに、最大6個の部品カセット114のそれぞれから部品を同時に(1回の上下動作で)吸着することができる。したがって、ヘッド112は2回の上下動作で最大12個の部品を同時に吸着することができる。
図5は、部品を収めた部品テープ及びリールの例を示す図である。
チップ形電子部品などの部品は、図5に示すキャリアテープ424に一定間隔で複数個連続的に形成された収納凹部424aに収納されて、この上面にカバーテープ425を貼付けて包装される。そしてこのようにカバーテープ425が貼り付けられたキャリアテープ424は、リール426に所定の数量分だけ巻回されたテーピング形態でユーザに供給される。また、このようなキャリアテープ424およびカバーテープ425によって部品テープが構成される。なお、部品テープの構成は、図5に示す構成以外の他の構成であってもよい。
このような部品実装機100は、ヘッド112を部品供給部115に移動させて、部品供給部115から供給される部品をそのヘッド112に吸着させる。そして、部品実装機100は、ヘッド112を部品認識カメラ116上に一定速度で移動させ、ヘッド112に吸着された全ての部品の画像を部品認識カメラ116に取り込ませ、部品の吸着位置を正確に検出させる。さらに、部品実装機100は、ヘッド112を基板20に移動させて、吸着している全ての部品を基板20の実装点に順次装着させる。部品実装機100は、このようなヘッド112による吸着、移動、および装着という動作(以下、タスクという)を繰り返し実行することにより、予め定められた全ての部品を基板20に実装する。
図6は、本実施の形態における決定装置200の機能構成を示すブロック図である。
本実施の形態における決定装置200は、入力部201、表示部202、タクト算出部203、ノズル本数算出部204、ヘッドタイプ決定部205、通信部206、第1格納部207、第2格納部208、第3格納部209、および第4格納部210を備えている。
入力部201は、例えばキーボードやマウスなどで構成されており、オペレータからの操作を受け付けて、その操作結果をヘッドタイプ決定部205などに通知する。
表示部202は、例えば液晶ディスプレイなどで構成されており、ヘッドタイプ決定部205などの動作状態を表示したり、第1格納部207、第2格納部208、第3格納部209および第4格納部210などに格納されているデータを表示したりする。
ノズル本数算出部204は、ヘッドタイプ決定部205から処理開始の指示を受けると、ヘッドタイプごとに、各部品サイズに応じた吸着可能ノズル本数を算出する。そして、ノズル本数算出部204は、算出された吸着可能ノズル本数を示すノズル本数データ210aを生成し、そのノズル本数データ210aを第4格納部210に格納したり、ノズル本数データ210aの内容を表示部202に表示させたりする。
つまり、本実施の形態では、ノズル本数算出部204は、各ヘッド112に予め定められたノズルnzの間隔(ノズル間ピッチ)と、吸着されるべき複数の部品のサイズ(対角)とに基づいて、ヘッド112ごとに、互いに干渉することなく部品を吸着し得るノズルnzの吸着可能本数を算出する本数算出手段として構成されている。
タクト算出部203は、ヘッドタイプ決定部205から処理開始の指示を受けると、まず、基板20に対して生産ラインが部品を実装するための実装条件の最適化を行う。つまり、タクト算出部203は、ヘッドタイプ配列ごとに、そのヘッドタイプ配列において実装基板のスループットが最大となるような実装条件を決定する。
なお、ヘッドタイプ配列とは、生産ラインの各部品実装機100に対して設定されるヘッドタイプの配列である。例えば、ヘッドタイプ配列には、上流の部品実装機100のヘッドタイプから下流の部品実装機100のヘッドタイプへ順に、「12ヘッド、12ヘッド、…、12ヘッド」や、「12ヘッド、8ヘッド、…、2ヘッド」、「8ヘッド、8ヘッド、…、2ヘッド」などがある。また、実装条件は、部品実装機100ごとの、例えば部品カセット114の配列や、部品の実装順序などを示す。
具体的に、タクト算出部203は、ヘッドタイプ配列ごとの実装条件を決定するときには、第1格納部207に格納されているNCデータ207aおよび部品ライブラリ207bを読み出し、それらのデータに基づいて実装条件を決定する。なお、このような実装条件の決定は、例えば従来から用いられている最適化プログラムなどの実行によって行われる。
さらに、タクト算出部203は、ヘッドタイプ配列ごとの実装条件を決定するときには、第4格納部210に格納されているノズル本数データ210aを読み出し、そのノズル本数データ210aの示すヘッドタイプごとの吸着可能ノズル本数を、実装条件を決定するための制約条件として利用する。
例えば、タクト算出部203は、所定のヘッドタイプ配列の実装条件を決定するときには、その所定のヘッドタイプ配列によって示される各部品実装機100のヘッドタイプを特定する。そして、タクト算出部203は、それらのヘッドタイプごとに、そのヘッドタイプに応じた吸着可能ノズル本数をノズル本数データ210aから特定し、そのヘッドタイプおよび吸着可能ノズル本数に従って、1つの部品実装機100における実装条件を決定する。
そして、タクト算出部203は、その決定したヘッドタイプ配列ごとの実装条件を示す実装条件データ209aを生成して第3格納部209に格納する。
次に、タクト算出部203は、ヘッドタイプ配列ごとに、そのヘッドタイプ配列の実装条件に基づいて、その生産ラインが基板20に部品を実装して1枚の実装基板を生産するのに要する時間(以下、ラインタクトという)を算出する。
ヘッドタイプ決定部205は、タクト算出部203が算出したヘッドタイプ配列ごとのラインタクトのうち、最も短いラインタクトのヘッドタイプ配列を最適ヘッドタイプ配列として決定する。ヘッドタイプ決定部205は、その最適ヘッドタイプ配列を示す最適配列データ208aを生成し、その最適配列データ208aを第2格納部208に格納したり、最適配列データ208aの内容を表示部202に表示させたりする。
このような最適ヘッドタイプ配列は、生産ラインの各部品実装機100に対して設定されるべきヘッドタイプ(最適ヘッドタイプ)を示している。例えば、最適ヘッドタイプ配列は、上流の部品実装機100から下流の部品実装機100へ順に、その部品実装機100の最適ヘッドタイプが「12ヘッド、8ヘッド、…、2ヘッド」であることを示す。
つまり、本実施の形態におけるヘッドタイプ決定部205は、ラインタクトを指標として用いることにより、複数のヘッド112の中から、吸着可能本数(吸着可能ノズル本数)が最も多いヘッド112を優先的に、部品実装機100に搭載されるべきヘッドとして決定する決定手段として構成されている。
通信部206は、各部品実装機100と通信する。例えば、通信部206は、第3格納部209に格納されている実装条件データ209aを各部品実装機100に送信することにより、その実装条件データ209aの示す実装条件に従った部品の実装を各部品実装機100に対して実行させる。また、通信部206は、第2格納部208に格納されている最適配列データ208aを各部品実装機100に送信することにより、各部品実装機100に対して搭載されるべきヘッド112のヘッドタイプ(最適ヘッドタイプ)を通知する。
第1格納部207は、基板20の各実装点に関する情報などを示すNCデータ207aと、各部品に関する情報を示す部品ライブラリ207bと、ヘッドタイプごとにヘッドに関する情報を示すヘッドタイプデータ207cとを格納している。
図7は、NCデータ207aの一例を示す図である。
NCデータ207aは、基板20において装着の対象となる全ての部品の実装点に関する情報を示す。1つの実装点piは、部品種ci、X座標xi、Y座標yi、制御データφi、および実装角度θiからなる。ここで、部品種は、部品ライブラリ207bにおける部品名に相当し(図8参照)、X座標およびY座標は、実装点の座標(基板20上の特定位置を示す座標)であり、制御データは、その部品の装着に関する制約情報、例えば、使用可能なノズルnzのタイプや、ヘッド112の最高移動加速度等を示す。実装角度は、部品種ciの部品を吸着したノズルnzが回転すべき角度を示す。
図8は、部品ライブラリ207bの一例を示す図である。
部品ライブラリ207bは、部品実装機100が扱うことができる全ての部品種のそれぞれについての固有の情報を集めたライブラリである。この部品ライブラリ207bは、図8に示すように、部品種(部品名)ごとの部品サイズ、その部品種におけるタクト、および制約情報などからなる。
なお、この部品ライブラリ207bは、それぞれ互いに垂直な方向であるX方向、Y方向、およびL方向の部品の長さ(部品サイズ)を示すことによって、その部品の代表寸法である対角の長さを一意に示している。
また、この部品ライブラリ207bの示すタクトは、一定条件下において部品を基板20に装着するのに要する部品種固有の時間であって、制約情報は、例えば、使用可能なノズルnzのタイプ(SXや、SAなど)や、部品認識カメラ116による認識方式(反射など)、ヘッド112の最高加速度比などである。また、図8には、参考として、各部品種の部品の外観も併せて示されている。部品ライブラリ207bには、その他に、部品の色や形状などの情報が含まれていてもよい。
ここで、ヘッドタイプには、例えば12ヘッド、8ヘッドおよび2ヘッドがある。そして、ヘッド112に取り付けられた互いに隣り合うノズルnz間の距離(ノズル間ピッチ)は、そのヘッドタイプごとに異なっている。
図9は、ヘッドタイプごとのノズル間ピッチを説明するための説明図である。
ノズル間ピッチには、X軸方向のノズル間ピッチと、Y軸方向のノズル間ピッチとがある。X軸方向のノズル間ピッチは、X軸方向に沿って互いに隣り合うノズルnz間の距離であり、Y軸方向のノズル間ピッチは、Y軸方向に沿って互いに隣り合うノズルnz間の距離である。
12ヘッドの場合、例えば図9の(a)に示すように、X軸方向のノズル間ピッチは10.5mmであり、Y軸方向のノズル間ピッチは18mmである。8ヘッドの場合、例えば図9の(b)に示すように、X軸方向のノズル間ピッチは21mmであり、Y軸方向のノズル間ピッチは22mmである。また、2ヘッドの場合、例えば図9の(c)に示すように、X軸方向のノズル間ピッチは42mmである。
このように、12ヘッドのノズル間ピッチが最も短く、2ヘッドのノズル間ピッチが最も長い。言い換えれば、ヘッド112に取り付けられるノズルnzの本数が多くなるほどノズル間ピッチが狭くなっている。
第1格納部207に格納されているヘッドタイプデータ207cは、このようなヘッドタイプごとのノズル間ピッチなどを示す。
図10は、ヘッドタイプデータ207cの一例を示す図である。
ヘッドタイプデータ207cは、図10に示すように、部品実装機100に対して搭載可能なヘッドタイプの情報を示す。つまり、ヘッドタイプデータ207cは、部品実装機100に取り付け可能なヘッドタイプごとに、そのヘッドタイプと、そのヘッドタイプにおけるノズル間ピッチと、ノズル本数と、CPH(Chip Per Hour)とを示す。
なお、ヘッドタイプデータ207cは、生産ラインを構成する複数の部品実装機の種類(マシンタイプ)が異なる場合には、マシンタイプごとに上述のような情報を示す。以下、生産ラインに用いられる部品実装機のマシンタイプは全て同一であることを前提に、本実施の形態の決定装置200について説明する。
例えば、ヘッドタイプデータ207cは、部品実装機100(マシンタイプ「MP1」)に対して、その部品実装機100に取り付け可能なヘッドタイプ「12ヘッド、8ヘッド、2ヘッド」を示す。また、ヘッドタイプデータ207cは、そのヘッドタイプ「12ヘッド」におけるノズル間ピッチ「10.5」と、ノズル本数「12」と、CPH「100000」とを示す。なお、ヘッドタイプデータ207cにより示されるノズル間ピッチは、X軸方向のノズル間ピッチとY軸方向のノズル間ピッチのうち、短い方のノズル間ピッチである。
図11は、ノズル本数算出部204の動作を説明するための説明図である。
ノズル本数算出部204は、ヘッドタイプごとに、各部品サイズの部品がノズルnzに吸着された場合において、吸着された部品同士が干渉するか否かを判断することにより、ヘッドタイプと部品サイズとに応じた吸着可能ノズル本数を算出する。
例えば、ノズル本数算出部204は、対角が4.9mmの部品p1が各ノズルnzに吸着される場合において、12ヘッドの吸着可能ノズル本数を12本として算出する。つまり、ノズル本数算出部204は、12ヘッドの各ノズルnzに部品p1が吸着された場合を想定し、その結果、吸着される全ての部品p1同士が干渉しないため、12ヘッドの全てのノズルnzが部品p1を吸着することができると判断する。
具体的に、ノズル本数算出部204は、12ヘッドのノズル間ピッチ(10.5mm)が、部品p1の対角の2倍(4.9×2)よりも大きいか否かを判別する。そして、ノズル本数算出部204は、12ヘッドのノズル間ピッチが部品p1の対角の2倍よりも大きいので、吸着される全ての部品p1同士が干渉せず、12ヘッドの全てのノズルnzが部品p1を吸着することができると判断する。すなわち、ノズル本数算出部204は、12ヘッドの吸着可能ノズル本数を12本として算出する。
なお、図11中、「+」の印は、ノズルnzの中心位置を示し、その印を中心とする円は、部品の対角を半径とする円である。つまり、この円は、ノズルnzに吸着された部品が、その円内に収まって外にははみ出さないことを示す。また、対角は、ノズルnzに吸着された状態にある部品のXY平面上における最大長さの1/2の寸法である。
また、ノズル本数算出部204は、対角が4.9mmの部品p1が各ノズルnzに吸着される場合において、8ヘッドの吸着可能ノズル本数を8本として算出する。つまり、ノズル本数算出部204は、上述と同様、8ヘッドの各ノズルnzに部品p1が吸着された場合を想定し、その結果、吸着される全ての部品p1同士が干渉しないため、8ヘッドの全てのノズルnzが部品p1を吸着することができると判断する。
具体的に、ノズル本数算出部204は、8ヘッドのノズル間ピッチ(21mm)が、部品p1の対角の2倍(4.9×2)よりも大きいか否かを判別する。そして、ノズル本数算出部204は、8ヘッドのノズル間ピッチが部品p1の対角の2倍よりも大きいので、吸着される全ての部品p1同士が干渉せず、8ヘッドの全てのノズルnzが部品p1を吸着することができると判断する。すなわち、ノズル本数算出部204は、8ヘッドの吸着可能ノズル本数を8本として算出する。
このように、部品サイズの比較的小さい部品p1の場合には、ノズル本数算出部204は、ノズルnzの多い12ヘッドの方が、ノズルnzの少ない8ヘッドよりも吸着可能ノズル本数が多くなるように、各ヘッドタイプの吸着可能ノズル本数を算出する。
ここで、ノズル本数算出部204は、対角が6mmの部品p2が各ノズルnzに吸着される場合には、12ヘッドの吸着可能ノズル本数を6本として算出する。つまり、ノズル本数算出部204は、上述と同様、12ヘッドの各ノズルnzに部品p2が吸着された場合を想定し、その結果、吸着される部品p2同士が干渉するため、12ヘッドの一部のノズルnzだけが部品p2を吸着することができると判断する。
具体的に、ノズル本数算出部204は、12ヘッドのノズル間ピッチ(10.5mm)が、部品p2の対角の2倍(6×2)よりも大きいか否かを判別する。そして、ノズル本数算出部204は、12ヘッドのノズル間ピッチが部品p2の対角の2倍よりも小さいので、吸着される部品p2の隣同士が干渉し、12ヘッドの6つのノズルnzだけが部品p1を吸着することができると判断する。すなわち、ノズル本数算出部204は、12ヘッドの吸着可能ノズル本数を6本として算出する。
なお、図11中、実線の円は、部品を吸着することができるノズルnzに対応した円を示し、点線の円は、部品を吸着することができないノズルnzに対応した円を示す。
一方、ノズル本数算出部204は、対角が6mmの部品p2が各ノズルnzに吸着される場合において、8ヘッドの吸着可能ノズル本数を8本として算出する。つまり、ノズル本数算出部204は、上述と同様、8ヘッドの各ノズルnzに部品p2が吸着された場合を想定し、その結果、吸着される全ての部品p2同士が干渉しないため、8ヘッドの全てのノズルnzが部品p2を吸着することができると判断する。
具体的に、ノズル本数算出部204は、8ヘッドのノズル間ピッチ(21mm)が、部品p2の対角の2倍(6×2)よりも大きいか否かを判別する。そして、ノズル本数算出部204は、8ヘッドのノズル間ピッチが部品p2の対角の2倍よりも大きいので、吸着される全ての部品p2同士が干渉せず、8ヘッドの全てのノズルnzが部品p2を吸着することができると判断する。すなわち、ノズル本数算出部204は、8ヘッドの吸着可能ノズル本数を8本として算出する。
したがって、部品サイズが比較的大きい部品p2の場合には、ノズル本数算出部204は、ノズルnzの多い12ヘッドの方が、ノズルnzの少ない8ヘッドよりも吸着可能ノズル本数が少なくなるように、各ヘッドタイプの吸着可能ノズル本数を算出する。
このように、ノズル本数算出部204は、ヘッドタイプと部品サイズとに応じた吸着可能ノズル本数を算出する。また、上述の例では、ノズル本数算出部204は、全てのノズルnzが同一の部品サイズ(部品種)の部品を吸着する場合を想定して吸着可能ノズル本数を算出したが、部品サイズ(部品種)の異なる部品を吸着する場合を想定して吸着可能ノズル本数を算出してもよい。
ノズル本数算出部204は、このように吸着可能ノズル本数を算出すると、算出された吸着可能ノズル本数を示すノズル本数データ210aを生成する。
図12は、ノズル本数データ210aの一部を示す図である。
ノズル本数データ210aは、例えば、対角が5mm未満の部品と、対角が5mm以上8.5mm未満の部品とに応じた、12ヘッドの吸着可能ノズル本数を示す。
つまり、ノズル本数データ210aは、対角が5mm未満の部品の数が12個で、対角が5mm以上8.5mm未満の部品の数が0個の場合、12ヘッドの吸着可能ノズル本数を12本として示す。言い換えれば、ノズル本数データ210aは、対角が5mm以上8.5mm未満の部品の数を0個とした場合に、対角が5mm未満の部品を、12本の全てのノズルnzを使って12個まで吸着することができることを示す。
また、ノズル本数データ210aは、対角が5mm未満の部品の数が0個で、対角が5mm以上8.5mm未満の部品の数が6個の場合、12ヘッドの吸着可能ノズル本数を6本として示す。言い換えれば、ノズル本数データ210aは、対角が5mm未満の部品の数を0個とした場合に、対角が5mm以上8.5mm未満の部品を、6本のノズルnzを使って6個まで吸着することができることを示す。
さらに、ノズル本数データ210aは、対角が5mm未満の部品の数が2個で、対角が5mm以上8.5mm未満の部品の数が5個の場合、12ヘッドの吸着可能ノズル本数を7本として示す。言い換えれば、ノズル本数データ210aは、対角が5mm未満の部品を、2本のノズルnzを使って2個だけ吸着する場合には、対角が5mm以上8.5mm未満の部品を、5本のノズルnzを使って5個まで吸着することができることを示す。
なお、図12に示すノズル本数データ210aは、対角が5mm未満の部品の数と、対角が5mm以上8.5mm未満の部品の数との組み合わせごとに、12ヘッドにおけるそれらの部品の配置を示している。
図13は、ノズル本数データ210aの他の一部を示す図である。
ノズル本数データ210aは、例えば、対角が12mm未満の部品と、対角が12mm以上17mm未満の部品と、対角が17mm以上32mm未満の部品とに応じた、8ヘッドの吸着可能ノズル本数を示す。
つまり、ノズル本数データ210aは、対角が12mm未満の部品の数が8個で、対角が12mm以上32mm未満の部品の数が0個の場合、8ヘッドの吸着可能ノズル本数を8本として示す。言い換えれば、ノズル本数データ210aは、対角が12mm以上32mm未満の部品の数を0個とした場合に、対角が12mm未満の部品を、8本の全てのノズルnzを使って8個まで吸着することができることを示す。
また、ノズル本数データ210aは、対角が12mm未満の部品の数が0個で、対角が12mm以上17mm未満の部品の数が4個で、対角が17mm以上32mm未満の部品の数が0個の場合、8ヘッドの吸着可能ノズル本数を4本として示す。言い換えれば、ノズル本数データ210aは、対角が12mm未満の部品の数、および対角が17mm以上32mm未満の部品の数をそれぞれ0個とした場合に、対角が12mm以上17mm未満の部品を、4本のノズルnzを使って4個まで吸着することができることを示す。
さらに、ノズル本数データ210aは、対角が17mm未満の部品の数が0個で、対角が17mm以上32mm未満の部品の数が2個の場合、8ヘッドの吸着可能ノズル本数を2本として示す。言い換えれば、ノズル本数データ210aは、対角が17mm未満の部品の数を0個とした場合に、対角が17mm以上32mm未満の部品を、2本のノズルnzを使って2個まで吸着することができることを示す。
なお、図13に示すノズル本数データ210aは、対角が12mm未満の部品の数と、対角が12mm以上17mm未満の部品の数と、対角が17mm以上32mm未満の部品の数との組み合わせごとに、8ヘッドにおけるそれらの部品の配置を示している。
図14は、ノズル本数データ210aのさらに他の一部を示す図である。
ノズル本数データ210aは、例えば、対角が40mm未満の部品と、対角が40mm以上100mm未満の部品とに応じた、2ヘッドの吸着可能ノズル本数を示す。
つまり、ノズル本数データ210aは、対角が40mm未満の部品の数が2個で、対角が40mm以上100mm未満の部品の数が0個の場合、2ヘッドの吸着可能ノズル本数を2本として示す。言い換えれば、ノズル本数データ210aは、対角が40mm以上100mm未満の部品の数を0個とした場合に、対角が40mm未満の部品を、2本の全てのノズルnzを使って2個まで吸着することができることを示す。
また、ノズル本数データ210aは、対角が40mm未満の部品の数が0個で、対角が40mm以上100mm未満の部品の数が1個の場合、2ヘッドの吸着可能ノズル本数を1本として示す。言い換えれば、ノズル本数データ210aは、対角が40mm未満の部品の数を0個とした場合に、対角が40mm以上100mm未満の部品を、1本のノズルnzを使って1個まで吸着することができることを示す。
図15は、本実施の形態における決定装置200の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、決定装置200の入力部201は、オペレータによる操作結果に基づき、生産ラインにおける部品実装機100の使用可能な台数をヘッドタイプ決定部205に設定する(ステップS100)。
さらに、入力部201は、オペレータによる操作結果に基づき、部品実装機100において使用可能(搭載可能)な複数のヘッドタイプをヘッドタイプ決定部205に設定する(ステップS102)。
このとき、入力部201は、オペレータによる操作結果に応じた複数のヘッドタイプを受け付けて、その複数のヘッドタイプをヘッドタイプ決定部205に設定する。なお、入力部201は、オペレータによる操作結果に応じた部品実装機100のマシンタイプを受け付けて、そのマシンタイプをヘッドタイプ決定部205に通知してもよい。この場合、その通知を受けたヘッドタイプ決定部205は、第1格納部207に格納されているヘッドタイプデータ207cを読み出し、そのヘッドタイプデータ207cにおいて、入力部201から通知されたマシンタイプに関連付けられている複数のヘッドタイプを設定する。
次に、ヘッドタイプ決定部205は、ステップS100で設定された使用可能台数の部品実装機100のそれぞれに対して、ステップS102で設定された複数のヘッドタイプのうちの何れか1つを割り当てる。これにより、ヘッドタイプ決定部205は、1つのヘッドタイプ配列を設定する(ステップS104)。つまり、ヘッドタイプ決定部205は、各部品実装機100に対して、上流側から下流側に順に、例えば、12ヘッド、12ヘッド、8ヘッド、2ヘッドといったヘッドタイプを割り当てる。そして、ヘッドタイプ決定部205は、その「12ヘッド、12ヘッド、8ヘッド、2ヘッド」を1つのヘッドタイプ配列として設定する。
ヘッドタイプ決定部205は、設定されたヘッドタイプ配列をノズル本数算出部204に通知することにより、ノズル本数算出部204に対して、そのヘッドタイプ配列に応じた吸着可能ノズル本数を算出させる(ステップS106)。
つまり、ノズル本数算出部204は、実装対象となる部品を第1格納部207のNCデータ207aから特定し、さらに、その部品のサイズを第1格納部207の部品ライブラリ207bから特定する。そして、ノズル本数算出部204は、ヘッドタイプ決定部205から通知されたヘッドタイプ配列の示す部品実装機100のヘッドタイプごとに、その特定された各部品サイズに対する吸着可能ノズル本数を算出する。そして、ノズル本数算出部204は、その吸着可能ノズル本数を示すノズル本数データ210aを生成して第4格納部210に格納する。
ヘッドタイプ決定部205は、ノズル本数データ210aが第4格納部210に格納されると、そのノズル本数データ210aをタクト算出部203に送信し、ステップS106で設定されたヘッドタイプ配列におけるラインタクトをタクト算出部203に算出させる(ステップS108)。このとき、タクト算出部203は、ノズル本数データ210aに示される吸着可能ノズル本数をラインタクトの算出の制約条件として用いる。
つまり、本実施の形態におけるステップS108では、複数のヘッド112の中から選択された複数のヘッド112の組み合わせごとに、その組み合わせに属する複数のヘッド112が搭載された生産ラインが予め定められた部品を基板20に実装して1つの実装基板を生産するのに要する生産時間(ラインタクト)を、ステップS106で算出された吸着可能本数に従って算出している。
ラインタクトが算出されると、ヘッドタイプ決定部205は、全てのヘッドタイプ配列に対してラインタクトが算出されたか否かを判別する(ステップS110)。ここで、ヘッドタイプ決定部205は、全てのヘッドタイプ配列に対してラインタクトが算出されていないと判別すると(ステップS110のN)、ステップS104からの処理を繰り返し実行する。
一方、ヘッドタイプ決定部205は、全てのヘッドタイプ配列に対してラインタクトが算出されていると判別すると(ステップS110のY)、全てのヘッドタイプ配列のそれぞれのラインタクトの中から、最短のラインタクトを特定する。そして、ヘッドタイプ決定部205は、その最短のラインタクトに対応するヘッドタイプ配列を、生産ラインに対する最適ヘッドタイプ配列として決定する(ステップS112)。
つまり、本実施の形態におけるステップS112では、ステップS108で算出された組み合わせごとの生産時間(ラインタクト)のうち、最も短い生産時間に対応する組み合わせに属する複数のヘッド112を、生産ラインに搭載されるべき複数のヘッド112として決定している。
また、ヘッドタイプ決定部205は、最短のラインタクトに対応するヘッドタイプ配列によって示される複数の部品実装機100のそれぞれのヘッドタイプを、それらの部品実装機100に対する最適ヘッドタイプとして決定している。すなわち、本実施の形態におけるヘッドタイプ決定部205は、ラインタクトを指標として用いることにより、複数のヘッド112の中から、吸着可能本数が最も多いヘッド112を優先的に、部品実装機100に搭載されるべきヘッド112として決定している。
そして、ヘッドタイプ決定部205は、決定した最適ヘッドタイプ配列を示す最適配列データ208aを生成して第2格納部208に格納する。
このように本実施の形態では、吸着可能ノズル本数が最も多いヘッドが優先的に部品実装機に搭載されるべきヘッドとして決定されるため、1タスク当りに実装可能な部品の数が多くなり、その結果、実装基板のスループットの向上を図ることができる。また、本実施の形態では、吸着可能ノズル本数に従ってラインタクトが算出され、そのラインタクトが最も短いヘッド112の組み合わせが決定されるため、実装基板のスループットの向上を確実に図ることができる。
なお、本実施の形態では、ラインタクトにより、生産ラインの全ての部品実装機100に対する最適ヘッドタイプを決定したが、1つの部品実装機100に対する最適ヘッドタイプを決定してもよい。この場合、タクト算出部203は、ヘッド112(ヘッドタイプ)ごとに、そのヘッド112が搭載された部品実装機100が予め定められた部品を基板20に実装して1つの実装基板を生産するのに要する生産時間(タクト)を算出する。そして、ヘッドタイプ決定部205は、算出されたヘッド112(ヘッドタイプ)ごとのタクトのうち、最も短いタクトに対応するヘッド112を、その部品実装機100に搭載されるべきヘッド(最適ヘッドタイプ)として決定する。
(実施の形態2)
実施の形態1における決定装置200は、ラインタクトを算出することにより生産ラインの最適ヘッドタイプ配列を決定したが、本実施の形態における決定装置は、ラインタクトを算出することなく生産ラインの最適ヘッドタイプ配列を決定する。
なお、本実施の形態における部品実装システムは、実施の形態1と同様の生産ラインと決定装置とで構成されている。
図16は、本実施の形態における決定装置の機能構成を示すブロック図である。
本実施の形態における決定装置200aは、入力部201、表示部202、ノズル本数算出部204、ヘッドタイプ決定部205a、ヘッド配列決定部205b、通信部206、第1格納部207、第2格納部208、および第4格納部210を備えている。つまり、本実施の形態における決定装置200aは、実施の形態1における決定装置200のヘッドタイプ決定部205、タクト算出部203および第3格納部209の代わりに、ヘッドタイプ決定部205aおよびヘッド配列決定部205bを備えている。
なお、決定装置200aの構成要素のうち、実施の形態1における決定装置200の構成要素と同じものに対しては、実施の形態1と同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施の形態におけるヘッドタイプ決定部205aは、第1格納部207のNCデータ207a、部品ライブラリ207b、ヘッドタイプデータ207c、および第4格納部210のノズル本数データ210aに基づいて、生産ラインを構成する部品実装機100のそれぞれに対して、搭載されるべきヘッド112(ヘッドタイプ)を最適ヘッドタイプとして決定する。
ヘッド配列決定部205bは、ヘッドタイプ決定部205aによって最適ヘッドタイプが決定された複数の部品実装機100の最適な配列を、上述の最適ヘッドタイプ配列として決定する。つまり、本実施の形態におけるヘッド配列決定部205bは、上流から下流に搬送される基板20に対して部品を実装する複数のヘッド112の、基板20の搬送方向に沿った配置を決定する。
そして、ヘッド配列決定部205bは、その決定された最適ヘッドタイプ配列を示す最適配列データ208aを生成し、その最適配列データ208aを第2格納部208に格納したり、最適配列データ208aの内容を表示部202に表示させたりする。
図17および図18は、ヘッドタイプ決定部205aの動作を説明するための説明図である。
ヘッドタイプ決定部205aは、図17の(a)に示すように、第1格納部207に格納されているNCデータ207aおよび部品ライブラリ207bに基づいて、基板20に対して実装されるべき部品の複数の部品種と、それらの部品種の実装点数と、その基板20に対して実装されるべき全ての部品の実装点数(全実装点数)とを特定する。
ここで、ヘッドタイプ決定部205aは、後述のように、その特定された部品種ごとの実装点数を、生産ラインを構成する各部品実装機100に割り当てる処理を行う。したがって、上述のように特定される実装点数は、未割り当ての実装点として特定される。また、部品種は、同一の部品サイズ(対角)の部品が同一の部品種となるように定められている。
例えば、ヘッドタイプ決定部205aは、対角が6mmの部品種paにおける未割り当ての実装点数「120」、対角が3mmの部品種pbにおける未割り当ての実装点数「80」、および、対角が2mmの部品種pcにおける未割り当ての実装点数「20」を特定する。さらに、ヘッドタイプ決定部205aは全実装点数「220(=120+80+20)」を特定する。
次に、ヘッドタイプ決定部205aは、図17の(b)に示すように、ノズル本数算出部204に対して吸着可能ノズル本数を算出させる。具体的に、ノズル本数算出部204は、第1格納部207からヘッドタイプデータ207cを読み出し、そのヘッドタイプデータ207cの示す各ヘッドタイプのノズル間ピッチを知得する。そして、ノズル本数算出部204は、その各ヘッドタイプのノズル間ピッチに基づいて、基板20に対して実装されるべき部品の部品種(部品サイズ)とヘッドタイプとの組み合わせごとに、その組み合わせに応じた吸着可能ノズル本数を算出する。
例えば、ノズル本数算出部204は、部品種paに対して、12ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「6」と、8ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「8」と、2ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「2」とを算出する。また、ノズル本数算出部204は、部品種pbに対して、12ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「12」と、8ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「8」と、2ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「2」とを算出する。なお、ノズル本数算出部204は、全て同一の部品種の部品がヘッド112に吸着されることを前提に、上述の吸着可能ノズル本数を算出する。
このように吸着可能ノズル本数が算出されると、ヘッドタイプ決定部205aは、図17の(c)に示すように、基板20に対して実装されるべき部品の部品種(部品サイズ)とヘッドタイプとに応じたタスク数を算出する。具体的には、ヘッドタイプ決定部205aは、部品種ごとに、その部品種に対して特定された未割り当ての実装点数を、その部品種と各ヘッドタイプに応じた吸着可能ノズル本数で除算することにより、その部品種と各ヘッドタイプに応じたタスク数を算出する。
例えば、ヘッドタイプ決定部205aは、部品種paに対して、その部品種paの未割り当ての実装点数「120」を、12ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「6」で除算することにより、12ヘッドにおけるタスク数「20」を算出する。同様に、ヘッドタイプ決定部205aは、部品種paに対して、その部品種paの未割り当ての実装点数「120」を、8ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「8」で除算することにより、8ヘッドにおけるタスク数「15」を算出する。このように、ヘッドタイプ決定部205aは、部品種paに対して、12ヘッドにおけるタスク数「20」と、8ヘッドにおけるタスク数「15」と、2ヘッドにおけるタスク数「60」とを算出する。
同様に、ヘッドタイプ決定部205aは、部品種pbに対して、12ヘッドにおけるタスク数「6.7」と、8ヘッドにおけるタスク数「10」と、2ヘッドにおけるタスク数「40」とを算出する。さらに、ヘッドタイプ決定部205aは、部品種pcに対して、12ヘッドにおけるタスク数「1.7」と、8ヘッドにおけるタスク数「2.5」と、2ヘッドにおけるタスク数「10」とを算出する。
そして、ヘッドタイプ決定部205aは、12ヘッドにおける、各部品種pa〜pcに対するタスク数「20,6.7,1.7」の中で、最も大きいタスク数(最大タスク数)を「20」として特定する。同様に、ヘッドタイプ決定部205aは、8ヘッドにおける、各部品種pa〜pcに対するタスク数「15,10,2.5」の中で、最も大きいタスク数(最大タスク数)を「15」として特定する。さらに、ヘッドタイプ決定部205aは、2ヘッドにおける、各部品種pa〜pcに対するタスク数「60,40,10」の中で、最も大きいタスク数(最大タスク数)を「60」として特定する。
次に、ヘッドタイプ決定部205aは、図17の(d)に示すように、上述のように特定された最大タスク数「20,15,60」の中で最も小さいタスク数「15」に対応するヘッドタイプ「8ヘッド」を、生産ラインを構成する1つの部品実装機100の最適ヘッドタイプに決定する。
最適ヘッドタイプが決定されると、ヘッドタイプ決定部205aは、図17の(e)に示すように、その最適ヘッドタイプ「8ヘッド」の部品実装機100に対して、未割り当ての実装点数が最も多い部品種paを平均実装点数だけ割り当てる。
ここで、平均実装点数は、図17の(a)に示す全実装点数「220」を、生産ラインにおいて使用可能な部品実装機100の台数で除算した商である。例えば、部品実装機100の使用可能台数が3台の場合には、ヘッドタイプ決定部205aは、220/3≒73個の部品種paの実装点(平均実装点数)を、最適ヘッドタイプ「8ヘッド」の部品実装機100に割り当てる。
なお、ヘッドタイプ決定部205aは、未割り当ての実装点数が最も多い部品種が複数ある場合には、それらの部品種の中で、決定された最適ヘッドタイプにおいて最も吸着可能ノズル本数が多い部品種を、最適ヘッドタイプの部品実装機100に対して平均実装点数だけ割り当てる。
その結果、ヘッドタイプ決定部205aは、図17の(f)に示すように、未割り当ての実装点数を更新する。すなわち、ヘッドタイプ決定部205aは、部品種paの直前の未割り当ての実装点数「120」から平均実装点数「73」を減算することにより、その未割り当ての実装点数を「120」から「47」に更新する。
さらに、ヘッドタイプ決定部205aは、図18の(g)に示すように、更新された実装点数に基づいて、再び上述と同様に、未割り当ての実装点数が更新された部品種(部品サイズ)とヘッドタイプとに応じたタスク数を算出し直す。
つまり、ヘッドタイプ決定部205aは、未割り当ての実装点が更新された部品種paに対して、12ヘッドにおけるタスク数「7.8」と、8ヘッドにおけるタスク数「5.9」と、2ヘッドにおけるタスク数「23.5」とを算出し直す。
そして、ヘッドタイプ決定部205aは、12ヘッドにおける、各部品種pa〜pcに対するタスク数「7.8,6.7,1.7」の中で、最も大きいタスク数(最大タスク数)を「7.8」として特定する。同様に、ヘッドタイプ決定部205aは、8ヘッドにおける、各部品種pa〜pcに対するタスク数「5.9,10,2.5」の中で、最も大きいタスク数(最大タスク数)を「10」として特定する。さらに、ヘッドタイプ決定部205aは、2ヘッドにおける、各部品種pa〜pcに対するタスク数「23.5,40,10」の中で、最も大きいタスク数(最大タスク数)を「40」として特定する。
次に、ヘッドタイプ決定部205aは、図18の(h)に示すように、上述のように特定された最大タスク数「7.8,10,40」の中で最も小さいタスク数「7.8」に対応するヘッドタイプ「12ヘッド」を、生産ラインを構成するもう1つの部品実装機100の最適ヘッドタイプに決定する。
最適ヘッドタイプが決定されると、ヘッドタイプ決定部205aは、図18の(i)に示すように、その最適ヘッドタイプ「12ヘッド」の部品実装機100に対して、未割り当ての実装点数が最も多い部品種pbを平均実装点数「73」だけ割り当てる。
その結果、ヘッドタイプ決定部205aは、図18の(j)に示すように、未割り当ての実装点数を更新する。すなわち、ヘッドタイプ決定部205aは、部品種pbの直前の未割り当ての実装点数「80」から平均実装点数「73」を減算することにより、その未割り当ての実装点数を「80」から「7」に更新する。
さらに、ヘッドタイプ決定部205aは、図18の(k)に示すように、更新された実装点数に基づいて、再び上述と同様に、未割り当ての実装点数が更新された部品種(部品サイズ)とヘッドタイプとに応じたタスク数を算出し直す。
つまり、ヘッドタイプ決定部205aは、未割り当ての実装点数が更新された部品種pbに対して、12ヘッドにおけるタスク数「0.58」と、8ヘッドにおけるタスク数「0.88」と、2ヘッドにおけるタスク数「3.5」とを算出し直す。
そして、ヘッドタイプ決定部205aは、12ヘッドにおける、各部品種pa〜pcに対するタスク数「7.8,0.58,1.7」の中で、最も大きいタスク数(最大タスク数)を「7.8」として特定する。同様に、ヘッドタイプ決定部205aは、8ヘッドにおける、各部品種pa〜pcに対するタスク数「5.9,0.88,2.5」の中で、最も大きいタスク数(最大タスク数)を「5.9」として特定する。さらに、ヘッドタイプ決定部205aは、2ヘッドにおける、各部品種pa〜pcに対するタスク数「23.5,3.5,10」の中で、最も大きいタスク数(最大タスク数)を「23.5」として特定する。
次に、ヘッドタイプ決定部205aは、図18の(l)に示すように、上述のように特定された最大タスク数「7.8,5.9,23.5」の中で最も小さいタスク数「5.9」に対応するヘッドタイプ「8ヘッド」を、生産ラインを構成する残りの1つの部品実装機100の最適ヘッドタイプに決定する。
このようにヘッドタイプ決定部205aは、生産ラインを構成する部品実装機100の使用可能な台数を3台としたときには、2つの部品実装機100に対して最適ヘッドタイプを8ヘッドとして決定し、残りの1つの部品実装機100に対して最適ヘッドタイプを12ヘッドとして決定する。
図19は、本実施の形態における決定装置200aが最適ヘッドタイプを決定する動作の一例を示すフローチャートである。
まず、決定装置200aの入力部201は、オペレータによる操作結果に基づき、生産ラインにおける部品実装機100の使用可能な台数Mxをヘッドタイプ決定部205aに設定する(ステップS200)。
さらに、入力部201は、オペレータによる操作結果に基づき、部品実装機100において使用可能(搭載可能)な複数のヘッドタイプをヘッドタイプ決定部205aに設定する(ステップS202)。
このとき、入力部201は、操作結果に応じた複数のヘッドタイプを受け付けて、その複数のヘッドタイプをヘッドタイプ決定部205aに設定する。
または、入力部201は、部品実装機100のマシンタイプを受け付けて、そのマシンタイプをヘッドタイプ決定部205aに通知する。その通知を受けたヘッドタイプ決定部205aは、第1格納部207に格納されているヘッドタイプデータ207cを読み出し、そのヘッドタイプデータ207cにおいて、入力部201から通知されたマシンタイプに関連付けられている複数のヘッドタイプを設定する。
次に、ヘッドタイプ決定部205aは、第1格納部207に格納されているNCデータ207aおよび部品ライブラリ207bに基づいて、基板20に対して実装されるべき部品(実装対象部品)を、未割り当ての実装対象部品として特定する(ステップS204)。すなわち、ヘッドタイプ決定部205aは、未割り当ての実装対象部品の部品種(部品サイズ)と、その部品種ごとの実装点数と、全実装点数mとを特定する。
そして、ヘッドタイプ決定部205aは、ノズル本数算出部204に対して、部品種(部品サイズ)とヘッドタイプとの組み合わせごとに、その組み合わせに応じた吸着可能ノズル本数を算出させる(ステップS206)。
また、ヘッドタイプ決定部205aは、全実装点数mを部品実装機100の使用可能台数Mxで除算することにより、実装対象部品の平均実装点数mkを算出する(ステップS208)。そして、ヘッドタイプ決定部205aは、最適ヘッドタイプが決定された部品実装機100の台数(決定台数)nを0として初期設定しておく(ステップS210)。
ここで、ヘッドタイプ決定部205aは、決定台数nが使用可能台数Mxよりも小さいか否かを判別する(ステップS212)。ヘッドタイプ決定部205aは、決定台数nが使用可能台数Mxよりも小さいと判別すると(ステップS212のY)、1つの部品実装機100に対する最適ヘッドタイプを決定する(ステップS214)。さらに、ヘッドタイプ決定部205aは、決定された最適ヘッドタイプの部品実装機100に対して平均実装点数mkを割り当てることにより、未割り当ての実装対象部品を更新する(ステップS216)。
ステップS216の後、ヘッドタイプ決定部205aは、決定台数nを1だけ増加させて(ステップS218)、ステップS212からの処理を再び実行する。
一方、ヘッドタイプ決定部205aは、ステップS212において、決定台数nが使用可能台数Mx以上であると判別すると(ステップS212のN)、使用可能台数Mxの部品実装機100の全てに対して最適ヘッドタイプが決定されたと判断して、処理を終了する。
図20は、図19に示すステップS214の詳細な動作を示すフローチャートである。
ヘッドタイプ決定部205aは、まず、変数iおよび変数jをそれぞれ1に初期設定する(ステップS240)。そして、ヘッドタイプ決定部205aは、図19に示すステップS202で設定された複数のヘッドタイプのうち、i番目のヘッドタイプHt(i)を選択する(ステップS242)。さらに、ヘッドタイプ決定部205aは、ステップS204で特定された複数の部品種のうち、j番目の部品種Pt(j)を選択する(ステップS244)。
次に、ヘッドタイプ決定部205aは、部品種Pt(j)の未割り当ての実装点数を、ヘッドタイプHt(i)と部品種Pt(j)との組み合わせに応じた吸着可能ノズル本数で除算することにより、その組み合わせに応じたタスク数を算出する(ステップS246)。
そして、ヘッドタイプ決定部205aは、未だ選択されていない部品種があるか否かを判別する(ステップS248)。部品種があると判別したときには(ステップS248のY)、ヘッドタイプ決定部205aは、変数jを1だけ増加させて(ステップS250)、ステップS244からの処理を繰り返して実行する。
一方、ヘッドタイプ決定部205aは、ステップS248で未だ選択されていない部品種はないと判別すると(ステップS248のN)、ステップS246で算出されたヘッドタイプHt(i)に対するタスク数の中から最大タスク数を特定する(ステップS252)。
そして、ヘッドタイプ決定部205aは、未だ選択されていないヘッドタイプがあるか否かを判別する(ステップS254)。ヘッドタイプがあると判別したときには(ステップS254のY)、ヘッドタイプ決定部205aは、変数iを1だけ増加させて(ステップS256)、ステップS242からの処理を繰り返して実行する。
一方、ヘッドタイプ決定部205aは、ステップS254で未だ選択されていないヘッドタイプはないと判別すると(ステップS254のN)、ステップS252で特定された各ヘッドタイプHt(i)の最大タスク数の中から、最小のタスク数を特定する。そして、ヘッドタイプ決定部205aは、その最小のタスク数に対応するヘッドタイプを、生産ラインを構成する1つの部品実装機100に対する最適ヘッドタイプに決定する(ステップS258)。
つまり、本実施の形態におけるステップS240〜S256では、ヘッド112(ヘッドタイプ)ごとに、基板20に実装されるべき部品の数を、そのヘッド112およびその部品のサイズに応じた吸着可能本数(吸着可能ノズル本数)で除算することにより、1つの実装基板を生産するのに要するタスクの回数をタスク数として算出している。また、基板20に実装されるべき複数の部品のサイズが互いに異なる場合には、上述のように、ステップS206で、ヘッド112および部品のサイズごとに吸着可能本数を算出し、ステップS240〜S256で所定のヘッド112(ヘッドタイプ)に対するタスク数を算出するときには、部品のサイズごとに、所定のヘッド112およびそのサイズに応じた吸着可能本数で、そのサイズの部品の数を除算し、除算の結果であるサイズごとの商のうち最も大きい商を、所定のヘッド112に対するタスク数として算出している。
そして、本実施の形態におけるステップS258では、ステップS240〜S256で算出された、ヘッド112(ヘッドタイプ)ごとのタスク数のうち、最も少ないタスク数に対応するヘッド112を、部品実装機100に搭載されるべきヘッド112(最適ヘッドタイプ)として決定している。
図21は、図19に示すステップS216の詳細な動作を示すフローチャートである。
ヘッドタイプ決定部205aは、まず、未割り当ての実装点数が最大の部品種を特定する(ステップS280)。次に、ヘッドタイプ決定部205aは、ステップS280で特定された部品種が複数ある場合には、その複数の部品種のうち、ステップS214で決定された最適ヘッドタイプの吸着可能ノズル本数が最大の部品種を特定する(ステップS282)。
そして、ヘッドタイプ決定部205は、ステップS280またはステップS282で特定された部品種の未割り当ての実装点数から、平均実装点数mkを減算することにより、未割り当ての実装点数を更新する(ステップS284)。
このように本実施の形態では、タスク数を指標として用いることにより、吸着可能本数(吸着可能ノズル本数)が最も多いヘッドが優先的に部品実装機100に搭載されるべきヘッドとして決定されるため、1タスク当りに実装可能な部品の数が多くなり、その結果、実装基板のスループットの向上を図ることができる。
図22は、ヘッド配列決定部205bの動作を示すフローチャートである。
ヘッド配列決定部205bは、まず、図22の(a)に示すように、ヘッドタイプ決定部205aによって決定された各部品実装機100の最適ヘッドタイプの通知を、そのヘッドタイプ決定部205aから受け取る(ステップS300)。
次に、ヘッド配列決定部205bは、第1格納部207に格納されているヘッドタイプデータ207cを参照することにより、各部品実装機100の最適ヘッドタイプのノズル間ピッチを特定する(ステップS302)。そして、ヘッド配列決定部205bは、ノズル間ピッチが小さい最適ヘッドタイプの部品実装機100ほど上流側に配置されるように、上述の最適ヘッドタイプ配列を決定する(ステップS304)。
さらに、ヘッド配列決定部205bは、その決定された最適ヘッドタイプ配列を示す最適配列データ208aを生成して第2格納部208に格納する(ステップS306)。
ここで、上述のステップS302,S304では、ノズル間ピッチを特定してそのノズル間ピッチに基づいて最適ヘッドタイプ配列を決定したが、ノズル本数やCPHなどに基づいて最適ヘッドタイプ配列を決定してもよい。
つまり、図22の(b)に示すように、ヘッド配列決定部205bは、第1格納部207に格納されているヘッドタイプデータ207cを参照することにより、各部品実装機100の最適ヘッドタイプのノズル本数を特定する(ステップS302a)。そして、ヘッド配列決定部205bは、ノズル本数が多い最適ヘッドタイプの部品実装機100ほど上流側に配置されるように、上述の最適ヘッドタイプ配列を決定する(ステップS304a)。
また、図22の(c)に示すように、ヘッド配列決定部205bは、第1格納部207に格納されているヘッドタイプデータ207cを参照することにより、各部品実装機100の最適ヘッドタイプのCPHを特定する(ステップS302b)。そして、ヘッド配列決定部205bは、CPHが大きい最適ヘッドタイプの部品実装機100ほど上流側に配置されるように、上述の最適ヘッドタイプ配列を決定する(ステップS304b)。
このように本実施の形態における決定装置200aでは、生産ラインに使用される複数のヘッド112(ヘッドタイプ)が決まっていれば、その複数のヘッド112のそれぞれにおけるノズルnzの間隔(ノズル間ピッチ)や本数などを利用して、複数のヘッド112の配置を簡単に決定することができ、その配置を決定するための処理負担を軽減することができる。
(変形例)
ここで、実施の形態2における決定装置200aの変形例について説明する。
実施の形態2における決定装置200aは、タスク数を算出してそのタスク数に基づいて最適ヘッドタイプを決定したが、本変形例に係る決定装置200aは、タスク数を算出することなく最適ヘッドタイプを決定する。
図23および図24は、本変形例に係るヘッドタイプ決定部205aの動作を説明するための説明図である。
ヘッドタイプ決定部205aは、上述と同様、図23の(a)に示すように、第1格納部207に格納されているNCデータ207aおよび部品ライブラリ207bに基づいて、基板20に対して実装されるべき部品の複数の部品種と、それらの部品種の未割り当ての実装点数と、全実装点数とを特定する。
例えば、ヘッドタイプ決定部205aは、対角が6mmの部品種paにおける未割り当ての実装点数「120」、対角が3mmの部品種pbにおける未割り当ての実装点数「80」、および、対角が2mmの部品種pcにおける未割り当ての実装点数「20」を特定する。さらに、ヘッドタイプ決定部205aは、全ての未割り当ての実装点数「220(=120+80+20)」を特定する。
次に、ヘッドタイプ決定部205aは、上述と同様、図23の(b)に示すように、ノズル本数算出部204に対して吸着可能ノズル本数を算出させる。
例えば、ノズル本数算出部204は、部品種paに対して、12ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「6」と、8ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「8」と、2ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「2」とを算出する。また、ノズル本数算出部204は、部品種pbに対して、12ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「12」と、8ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「8」と、2ヘッドにおける吸着可能ノズル本数「2」とを算出する。
このように吸着可能ノズル本数が算出されると、本変形例に係るヘッドタイプ決定部205aは、図23の(c)に示すように、未割り当ての実装点数が最大の部品種paに対して、吸着可能ノズル本数が最大のヘッドタイプ「8ヘッド」を最適ヘッドタイプに決定する。つまり、ヘッドタイプ決定部205aは、生産ラインを構成する1つの部品実装機100に対する最適ヘッドタイプ「8ヘッド」を決定する。
最適ヘッドタイプが決定されると、ヘッドタイプ決定部205aは、図23の(d)に示すように、その最適ヘッドタイプ「8ヘッド」の部品実装機100に対して、未割り当ての実装点数が最も多い部品種paを平均実装点数だけ割り当てる。
ここで、平均実装点数は、図23の(a)に示す全実装点数「220」を、生産ラインにおいて使用可能な部品実装機100の台数で除算した商である。例えば、部品実装機100の使用可能台数が3台の場合には、ヘッドタイプ決定部205aは、220/3≒73個の部品種paの実装点(平均実装点数)を、最適ヘッドタイプ「8ヘッド」の部品実装機100に割り当てる。
その結果、ヘッドタイプ決定部205aは、図23の(e)に示すように、未割り当ての実装点数を更新する。すなわち、ヘッドタイプ決定部205aは、部品種paの直前の未割り当ての実装点数「120」から平均実装点数「73」を減算することにより、その未割り当ての実装点数を「120」から「47」に更新する。
さらに、本変形例に係るヘッドタイプ決定部205aは、図24の(f)に示すように、未割り当ての実装点数が最大の部品種pbに対して、吸着可能ノズル本数が最大のヘッドタイプ「12ヘッド」を最適ヘッドタイプに決定する。つまり、ヘッドタイプ決定部205aは、生産ラインを構成するもう1つの部品実装機100に対する最適ヘッドタイプ「12ヘッド」を決定する。
最適ヘッドタイプが決定されると、ヘッドタイプ決定部205aは、図24の(g)に示すように、その最適ヘッドタイプ「12ヘッド」の部品実装機100に対して、未割り当ての実装点数が最も多い部品種pbを平均実装点数「73」だけ割り当てる。
その結果、ヘッドタイプ決定部205aは、図24の(h)に示すように、未割り当ての実装点数を更新する。すなわち、ヘッドタイプ決定部205aは、部品種pbの直前の未割り当ての実装点数「80」から平均実装点数「73」を減算することにより、その未割り当ての実装点数を「80」から「7」に更新する。
そして、本変形例に係るヘッドタイプ決定部205aは、図24の(i)に示すように、未割り当ての実装点数が最大の部品種paに対して、吸着可能ノズル本数が最大のヘッドタイプ「8ヘッド」を最適ヘッドタイプに決定する。つまり、ヘッドタイプ決定部205aは、生産ラインを構成する残りの1つの部品実装機100に対する最適ヘッドタイプ「12ヘッド」を決定する。
このようにヘッドタイプ決定部205aは、生産ラインを構成する部品実装機100の使用可能な台数を3台としたときには、2つの部品実装機100に対して最適ヘッドタイプを8ヘッドとして決定し、残りの1つの部品実装機100に対して最適ヘッドタイプを12ヘッドとして決定する。
図25は、本変形例に係る決定装置200aの動作の一例を示すフローチャートである。
まず、決定装置200aの入力部201は、オペレータによる操作結果に基づき、生産ラインにおける部品実装機100の使用可能な台数Mxをヘッドタイプ決定部205aに設定する(ステップS400)。
さらに、入力部201は、オペレータによる操作結果に基づき、部品実装機100において使用可能(搭載可能)な複数のヘッドタイプをヘッドタイプ決定部205aに設定する(ステップS402)。
次に、ヘッドタイプ決定部205aは、第1格納部207に格納されているNCデータ207aおよび部品ライブラリ207bに基づいて、基板20に対して実装されるべき部品(実装対象部品)を、未割り当ての実装対象部品として特定する(ステップS404)。すなわち、ヘッドタイプ決定部205aは、未割り当ての実装対象部品の部品種(部品サイズ)と、その部品種ごとの実装点数と、全実装点数mとを特定する。
そして、ヘッドタイプ決定部205aは、ノズル本数算出部204に対して、部品種(部品サイズ)とヘッドタイプとの組み合わせごとに、その組み合わせに応じた吸着可能ノズル本数を算出させる(ステップS406)。
また、ヘッドタイプ決定部205aは、全実装点数mを部品実装機100の使用可能台数Mxで除算することにより、実装対象部品の平均実装点数mkを算出する(ステップS408)。そして、ヘッドタイプ決定部205aは、最適ヘッドタイプが決定された部品実装機100の台数(決定台数)nを0として初期設定しておく(ステップS410)。
ここで、ヘッドタイプ決定部205aは、決定台数nが使用可能台数Mxよりも小さいか否かを判別する(ステップS412)。ヘッドタイプ決定部205aは、決定台数nが使用可能台数Mxよりも小さいと判別すると(ステップS412のY)、未割り当ての実装点数が最大の部品種に対して吸着可能ノズル本数が最大のヘッドタイプを、1つの部品実装機100に対する最適ヘッドタイプとして決定する(ステップS414)。
さらに、ヘッドタイプ決定部205aは、決定された最適ヘッドタイプの部品実装機100に対して平均実装点数mkを割り当てることにより、未割り当ての実装対象部品を更新する(ステップS416)。つまり、ヘッドタイプ決定部205aは、最大の未割り当ての実装点数から平均実装点数mkを減算することによりその実装点数を更新する。
ステップS416の後、ヘッドタイプ決定部205aは、決定台数nを1だけ増加させて(ステップS418)、ステップS412からの処理を再び実行する。
一方、ヘッドタイプ決定部205aは、ステップS412において、決定台数nが使用可能台数Mx以上であると判別すると(ステップS412のN)、使用可能台数Mxの部品実装機100の全てに対して最適ヘッドタイプが決定されたと判断して、処理を終了する。
このように本変形例では、タスク数などを用いることなく、各ヘッド112(ヘッドタイプ)に予め定められたノズルnzの間隔(ノズル間ピッチ)と、複数の部品の部品種に応じた内訳とに基づいて、部品実装機100に搭載されるべきヘッドを決定する。したがって、上述のように、複数の部品種のうち、最も多くの部品が属する部品種に応じたサイズと、ノズル間ピッチとを用いて、ヘッド112(ヘッドタイプ)ごとに、互いに干渉することなく部品を吸着し得るノズルnzの吸着可能本数を算出することができる。その結果、複数のヘッドの中から、その吸着可能本数が最も多いヘッド112を、部品実装機100に搭載されるべきヘッド112(最適ヘッドタイプ)として決定することができる。したがって、1タスク当りに実装可能な部品の数が多くなり、実装基板のスループットの向上を図ることができる。
以上、本発明に係るヘッドの決定方法および配置決定方法、並びに決定装置について、上記実施の形態およびその変形例を用いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、実施の形態1および2並びにその変形例では、図2および図3に示す部品実装機100に搭載されるべきヘッド112(ヘッドタイプ)を決定したが、他の部品実装機に搭載されるべきヘッド112を決定してもよい。例えば、2つのヘッド112を備えて、その2のヘッド112が交互に部品を基板20に装着する、いわゆる交互打ちの部品実装機に搭載されるべきヘッド112を決定してもよい。また、生産ラインを1つの部品実装機として扱い、その部品実装機に搭載されるべき複数のヘッド112の最適ヘッドタイプや最適ヘッドタイプ配列を決定してもよい。
また、実施の形態1および2並びにその変形例では、複数の部品種の部品が基板20に実装されるように、ヘッドタイプやヘッドタイプ配列を決定したが、1つの部品種の部品、つまり同一サイズの部品だけが基板20に実装されるように、ヘッドタイプやヘッドタイプ配列を決定してもよい。
また、実施の形態1および2並びにその変形例では、ノズル本数算出部204が吸着可能ノズル本数を算出したが、これを算出することなく、第4格納部210に予め格納されているノズル本数データ210aを用いて、ヘッドタイプやヘッドタイプ配列を決定してもよい。
また、部品実装機100または生産ラインは決定装置200,200aを備えていてもよい。