JP4615465B2 - 生分解性樹脂発泡体 - Google Patents

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Description

本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂を基材とした生分解性樹脂発泡体に関し、さらに詳しくは、均一で微細な気泡径を有するとともに、完全に生分解させることが可能な生分解性樹脂発泡体に関する。
生分解性樹脂は水中、土中などで分解するため、ゴミ処理問題などの環境対策の点で注目を集めている。特に生分解性樹脂からなる発泡体は、梱包材分野ではポリスチレン発泡体やポリエチレン発泡体に代わる新しい材料として注目されている。
例えば、特開平6−228354号公報、特開平6−16857号公報などには、デンプン系の生分解性樹脂発泡体が開示されている。しかし、これらは発泡倍率は高いものの、樹脂自体がもろいため、バラ緩衝材には適するがシート状の緩衝材には適さない。しかも、デンプンが半分量近く含まれるため、耐水性が悪く水分に弱いという欠点がある。
これに対して、樹脂特性および成形性の面で優れている合成系(あるいは微生物生産系)の生分解性樹脂である脂肪族ポリエステル樹脂を用いた発泡体も検討されている(例えば、特許文献1参照)。
合成系(あるいは微生物生産系)の生分解性樹脂である脂肪族ポリエステル樹脂は、利用する際は通常のポリオレフィン相当の特性を持ち、廃棄することにより生分解するために、今後の環境問題、特にゴミ廃棄問題を考えたときに非常に有効な材料である。
特開平11−147943号公報
上述したような樹脂発泡体の製造方法として、押出ガス発泡法がある。一般にこの押出ガス発泡法においては、発泡原料に気泡核剤を添加しないと気泡が巨大になり、製品として成り立たなくなるため、発泡原料に気泡核剤を添加している。
しかし、気泡核剤は、一般に炭酸ナトリウム、タルクなどの無機物を用いるため、生分解性を有しない。発泡原料に気泡核剤を添加する量は、一般に数パーセントであるが、大量に廃棄物として生分解性樹脂が廃棄され、これを地中に埋めると、気泡核剤は相当量が地中に残ってしまうことになる。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、脂肪族ポリエステル樹脂を用いた生分解性樹脂発泡体であって、均一で微細な気泡径を有し、しかも完全に生分解させることが可能な生分解性樹脂発泡体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の目的を達成するために鋭意検討を行った結果、脂肪族ポリエステル樹脂を基材とし、この基材にデンプンを含有する生分解性樹脂であるデンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイを所定量配合した組成物を発泡させることにより、気泡核剤を添加することなく、均一で微細な気泡径を有し、しかも完全に生分解させることが可能な生分解性樹脂発泡体が得られることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、生分解性を有し、かつ長鎖分岐を有する脂肪族ポリエステル樹脂を基材とし、デンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイを含有する生分解性樹脂を前記脂肪族ポリエステル樹脂に対して1〜5質量%含有する樹脂組成物を、発泡剤として炭酸ガスを用いて発泡させてなる生分解性樹脂発泡体であって、前記発泡体の平均気泡径が400〜860μmであることを特徴とする生分解性樹脂発泡体を提供する
本発明の生分解性樹脂発泡体は、均一で微細な気泡径を有するとともに、完全に生分解させることが可能である。したがって、本発明の生分解性樹脂発泡体は、気泡径が微細で外観にも優れているとともに、地中に埋設した際にも残渣が残らない。本発明の生分解性樹脂発泡体は、環境に優しい生分解性樹脂発泡体であり、産業面の発展に寄与するとともに、従来の地球温暖化およびプラスチックゴミ問題を抱える汎用プラスチック発泡体に代わり、これからの地球環境の保護にも寄与するものである。
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。まず、本発明の生分解性樹脂発泡体の各成分について説明する。
(生分解性を有する脂肪族ポリエステル樹脂)
本発明における生分解性を有する脂肪族ポリエステル樹脂(以下、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂とも言う)は、脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボン酸(またはその無水物)とから合成されたものであり、重量平均分子量が10万以上のものが好ましい。また、脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボン酸とから合成された数平均分子量(Mn)5000以上、好ましくは10000以上のポリエステル樹脂プレポリマーを、適当なカップリング剤を用いて結合することにより合成されたものであってもかまわない。
脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。エチレンオキシドを用いることもできる。これらの脂肪族グリコールは2種以上を併用してもよい。
脂肪族ジカルボン酸(またはその無水物)としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸などが挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸(またはその無水物)は2種以上を併用してもよい。
カップリング剤としては、ジイソシアナート、オキサゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物などが挙げられる。ジイソシアナートを用いた場合、ポリエステル樹脂プレポリマーはウレタン結合を介して連鎖構造を形成する。オキサゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物を用いた場合、ポリエステル樹脂プレポリマーはエステル結合を介して連鎖構造を形成する。
本発明で用いる生分解性脂肪族ポリエステル樹脂は、融点が70〜190℃であるのものが好ましい。さらに、発泡成形性を考えると長鎖分岐を有するものがより好ましい。なお、本発明において長鎖分岐を有する生分解性脂肪族ポリエステル樹脂とは、伸張粘度の測定で観測されるストレインハードニングを有するものをいう。長鎖分岐を有する生分解性脂肪族ポリエステル樹脂は溶融粘度が比較的高いため、高発泡倍率の発泡体を製造するのに好適である。長鎖分岐を有する生分解性脂肪族ポリエステル樹脂を合成する一つの手法としては、ポリエステル樹脂合成時に少量の多官能モノマーを添加する方法が挙げられる。
本発明で用いる生分解性脂肪族ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸などが挙げられるが、特にポリブチレンサクシネートが好ましい。具体的には、例えばビオノーレ(商品名、昭和高分子社製)などが挙げられる。本発明における生分解性脂肪族ポリエステル樹脂は、いずれか1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
デンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイ
本発明におけるデンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイの変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールを、例えば酢酸ビニルなどのビニルモノマー、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンなどで変性させたものである。デンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイとして、具体的には、例えばマタービー(商品名、ノバモント社製)などが挙げられる。
本発明におけるデンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイは、融点が50℃以下の場合は押出機のホッパー下部で樹脂が溶融してしまうなど成形上の問題が生じ、200℃を超える場合は樹脂が未溶解になる問題が生じることがあるため、融点が51℃〜200℃であることが好ましい。より好ましい融点は51〜150℃、特に51〜100℃、中でも51℃〜75℃である。
本発明において、樹脂組成物中におけるデンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイの配合量は、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂に対し1〜5質量%である。デンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイの配合量が多すぎると、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂の発泡性の低下をまねくおそれがある。
(発泡剤等)
本発明の生分解性樹脂発泡体は、前記生分解性脂肪族ポリエステル樹脂、デンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイおよび発泡剤を含有する樹脂組成物を発泡させることにより得られる。生分解性樹脂発泡体を得る方法としては、例えば化学発泡剤、物理発泡剤を用いる方法などが挙げられるが、本発明の主旨からは発泡剤として炭酸ガス、窒素、圧縮空気、アルゴン等の不活性ガスを用いる方法が好ましく、特に樹脂への溶解量を考慮すると炭酸ガスが好ましい。
また、本発明の生分解性樹脂発泡体は、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲で、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤などの通常発泡体で使用される添加剤を含有してもよい。
(押出ガス発泡法)
以下に、本発明に係る生分解性樹脂発泡体の製造方法の一例として押出ガス発泡法について述べる。押出ガス発泡法は、まず乾燥した生分解性脂肪族ポリエステル樹脂のペレットとデンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイをスクリュー式押出機のホッパーに供給し、樹脂をスクリューで前方にフィードしてメルティングゾーンで溶融し、樹脂組成物とする。ここで、脂肪族ポリエステル樹脂中へのデンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイの分散をよくするため、本発明で使われる脂肪族ポリエステル樹脂にデンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイをあらかじめ高濃度に混合したマスターバッチを作製しておき、原料供給時に必要量をマスターペレットで供給してもよい。
次に、樹脂組成物が溶融した状態で、樹脂組成物中に発泡剤であるガスを注入する。前記発泡剤は、環境への影響を考え無機ガスが好ましい。すなわち、環境に優しい樹脂(生分解性脂肪族ポリエステル樹脂、デンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイ)と、代替フロンガスや炭化水素系ガスと比べて地球温暖化係数(GWP)が小さく、環境に優しい発泡剤(無機ガス)とを用いることにより、環境への負荷を少なくすることが可能となる。さらに、高発泡倍率を得るためには、無機ガスの中でも炭酸ガスを選択することが好ましい。発泡体の発泡倍率は、基本的には発泡剤の注入量に比例するので、目標とする発泡倍率に応じて発泡剤の注入量を決定する。
前記工程で無機ガスを樹脂組成物に必要量注入し、混練するためには、樹脂温度を(脂肪族ポリエステル樹脂の融点+5)〜(同融点+120)℃とすることが好ましく、(同融点+25)〜(同融点+90)℃とすることがより好ましい。例えば融点が113℃である脂肪族ポリエステル樹脂の場合、樹脂温度を120〜230℃、さらに140〜200℃とすることが好ましい。樹脂温度が低すぎると、樹脂組成物の粘度が高くなるため、押出トルクが上昇して押出成形が困難になる。この場合、強制的に押出成形を行ったとしても、樹脂組成物中への炭酸ガスの注入が不十分になり、発泡体の発泡倍率が高くならない上に、気泡が非常に粗大になって外観が悪くなる。樹脂温度が高すぎると、ダイ出口において樹脂組成物を急激に冷却する必要が生じるなど実用的でない。押出機中で無機ガスと混練された樹脂組成物は、続いて発泡剤を高圧下にて充分溶解させるとともに、発泡に最適な温度まで均一に充分冷却する。
上述した工程を実施するための設備の一例について次に述べるが、設備構成はこれに限定されるものではない。例えば、注入した発泡剤を樹脂中に充分に溶解させるためには、ギヤポンプなどを用いて樹脂圧力を昇圧することが好ましい。また、樹脂を均一に冷却するためには、直長管の中にスタティックミキサーを配置した装置に樹脂を通す方法、冷却専用の押出機を配置し、ここで樹脂を冷却する方法、あるいはその両者の組み合わせなどが挙げられる。
直長管の中にスタティックミキサーを配置した装置を用いる場合は、直長管の長さおよびスタティックミキサーのエレメント数を調整することにより、樹脂の滞留時間および冷却能力を調整する方法が挙げられる。冷却能力を上げるためには、直長管の周囲にオイルなどの熱媒体を循環させて積極的に熱を奪う方法が挙げられる。また、冷却専用の押出機を配置する場合は、一般的にはガスと樹脂を混練した第1段目の押出機よりもスクリュー径が大きいものを配置し、低回転にて充分滞留時間をとることが望ましい。
発泡剤であるガスを十分に溶解させた樹脂は押出ダイへフィードされ、樹脂をダイ出口から大気中へ解放することにより、気泡を成長させて発泡体を成形する。例えば炭酸ガスを発泡剤として用いた場合、押出ダイ入口での樹脂圧力を10MPa以上、特に20MPa以上とすることが好ましい。さらに、押出ダイのリップ先端にできるだけ近い位置まで上記の圧力を維持することが好ましい。このようにリップ先端の近傍まで高い樹脂圧力を維持すると、ダイ出口での圧力低下率を大きくすることができ、高発泡倍率の発泡体を得ることができる。
押出ダイ出口における樹脂温度は、目的とする発泡体の発泡倍率にもよるが、(脂肪族ポリエステル樹脂の融点+15)〜(同融点−25)℃、特に同融点〜(同融点−15)℃の範囲とすることが望ましい。樹脂温度が高すぎると、ダイ出口で生じた気泡が破泡したり、気泡が成長する前に無機ガスが抜けたりして、良好な発泡体が得られないことがある。樹脂温度が低すぎると、ダイ出口での流動が不安定になり、ダイ内で樹脂が固まることにより圧力が異常に上昇して押出不能になり、危険性が増して人的災害につながるおそれがある。
上述したダイの種類は特に限定されず、T−ダイ、サーキュラーダイ、パイプダイ、ロッドダイなどを用いることができる。高発泡倍率の発泡シートを製造する場合には、サーキュラーダイを用いることが好ましい。
ダイ出口以降に冷却設備などを設けても良く、発泡体の冷却、引取り、巻き取りなど、それぞれの製品に応じたプロセスを経て最終発泡体を製造する。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<脂肪族ポリエステル樹脂の物性の測定方法>
使用する脂肪族ポリエステル樹脂の物性は以下のようにして測定した。
(1)結晶融点は、示差走査型熱量計(セイコー電子工業、DSC200)を用い、昇温速度10℃/minで測定した。
(2)樹脂中の長鎖分岐の有無は以下の方法により確認した。樹脂を180℃に設定したホットプレスでプレスし、30℃に冷却することにより厚さ1mmのシートを作製した。このシートから6mm幅のサンプルを採取し、ベルト式1軸伸張粘度計(レオメトリックス社製)を用い、温度を樹脂融点+15℃に設定し、ひずみ速度0.1で伸張粘度を測定した。伸張粘度の測定時間依存性(両対数表示)を示す特性図から、ストレインハードニングが認められた場合にはその樹脂は長鎖分岐を有すると判断し、認められない場合には直鎖状と判断した。
<基材A>
基材として、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂を使用した。この場合、上記樹脂としては、市販の脂肪族ポリエステル樹脂(昭和高分子社製、商品名ビオノーレ#1903、融点113℃、MFR(190℃)5.0g/10分)を用いた。この脂肪族ポリエステル樹脂Aについて、128℃、ひずみ速度0.1で伸張粘度を測定した結果、右上がりに屈曲するストレインハードニングを示し、長鎖分岐を含むことが確認された。
<添加剤>
添加剤として、下記のA〜Eを使用した。
(A)デンプン含有生分解性樹脂A
市販のデンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイ(日本合成化学社製、商品名マタービーAF05H、融点136℃、MFR(150℃)9.0g/10分)を用いた。
(B)デンプン含有生分解性樹脂B
市販のデンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイ(日本合成化学社製、商品名マタービーAI05H、融点150℃、MFR(170℃)3.0g/10分)を用いた。
(C)デンプン含有生分解性樹脂C
市販のデンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイ(日本合成化学社製、商品名マタービーZF03U/A、融点64℃、MFR(150℃)4.7g/10分)を用いた。
(D)生分解性樹脂D
市販の乳酸系生分解性樹脂(島津製作所社、商品名ラクティー#5000、融点175℃、MFR(200℃)2.7g/10分)を用いた。
(E)無機物のタルクE
タルク(日本タルク社製、商品名ミクロエースL−G)を用いた。
<発泡剤>
発泡剤として、市販の液化炭酸ガス(昭和炭酸社製)を用いた。
<発泡シートの製造装置>
図1に実施例で用いた製造装置の一例を示す。図1に示す製造装置は、スクリュー径40mm、L/D=34の単軸押出機1(池貝社製)、20cc/revのギヤポンプ7(川崎重工社製)、冷却・加圧ゾーンとしてスタティックミキサー8、押出ダイとしてサーキュラーダイ9を有する。また、図中2はホッパー、3はバレル、4はスクリュー、5は定量注入ポンプ、6はアダプタ、10は冷却マンドレル、11は発泡シートを示す。
また、図2に製造装置の他の例を示す。図2において、12は2軸押出機、13はホッパー、14はバレル、15はスクリュー、16は定量注入ポンプ、17はアダプタ、18はギヤポンプ、19は単軸押出機、20はサーキュラーダイ、21は冷却マンドレル、22は発泡シートを示す。
炭酸ガスの注入量[樹脂に対する重量%]は、ボンベの重量減少から直接求めた。装置内の樹脂圧力に関しては、第1段の押出機のヘッド(出口)圧P1[MPa]、第2段の推進機構を構成するギヤポンプの出口圧P2[MPa]、サーキュラーダイの入口圧P3[MPa]を測定した。
装置内の樹脂温度は以下のようにして調整した。押出機内の樹脂温度は、基材の生分解性脂肪族ポリエステル樹脂の融点に応じてバレルの設定温度を決定することにより調整した。一方、サーキュラーダイの設定温度を変化させ、これに応じてスタティックミキサーまたは(第2段)押出機内での樹脂温度がほぼ一定の割合で変化するように温度を決定した。
<生分解性樹脂の評価方法>
(1)発泡倍率は、電子天秤(メトラー社製、AE−240)を用い、水中置換法により測定した。
(2)平均気泡径は、シート断面をTD方向にカットし、その断面の中心部および両サイドより150mmの位置からサンプルを切り出し、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製)により50倍の倍率で断面写真を撮影し、ASTM−D3576−77に準拠して測定した。
(3)生分解性は、古河電気工業(株)平塚事業所敷地内に隣接する河原縁で深さ10cmの地中に10cm角の発泡シートサンプルを埋め、土中埋設テストを行い評価した。その評価基準は以下の通りである。また、分解した土中を詳細に調査し、分解残渣の有無を調査した。
◎:1年以内に100%分解した。
〇:1年以内に50%以上分解した。
×:1年で0〜15wt%未満の分解しかしない。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。また、これらの実施例における製造条件を表1にまとめて示す。以下の実施例1〜2および比較例1では、図1に示す装置を用いて発泡体の製造を行った。いずれもサーキュラーダイのリップ幅を0.2mmに設定した。一方、実施例3〜6および比較例2では、図2に示す装置を用いて発泡体の製造を行った。いずれもサーキュラーダイのリップ幅を0.15mmに設定した。
(実施例1)
基材である生分解性脂肪族ポリエステル樹脂100質量部および添加剤であるデンプン含有生分解性樹脂A2質量部をドライブレンドで混合し、ホッパーより第1段の押出機(スクリュー径φ40mm、L/D=34)に供給した。スクリューを65rpmの回転数で回転させて樹脂を前方へフィードしながら溶融させた。バレル設定温度(5ゾーン)は、上流側より130℃、180℃、170℃、170℃、165℃とした。バレルの途中において、炭酸ガスを7.5MPaの注入圧力で注入量が3wt%となるように樹脂に注入した。押出機ヘッド(スクリュー先端)での樹脂温度T1は182℃、押出機ヘッド(およびギヤポンプ入口)での樹脂圧力は5.5MPaであった。
第1段の押出機から樹脂をアダプタを経由してギヤポンプに供給した。ギヤポンプを11rpmの回転数で回転させ、樹脂をスタティックミキサーに供給した。ギヤポンプ出口での樹脂圧力は34MPaであり、ギヤポンプ以降で昇圧後の樹脂が10MPa以上の圧力を保持した時間は少なくとも80secあった。スタティックミキサーから樹脂を113℃に設定されたサーキュラーダイに供給し、リップ幅0.2mmのダイ出口から樹脂温度T3が111℃の樹脂を大気中に解放し、冷却マンドレルで冷却して発泡シートを製造した。
以上のようにして、厚さ0.5mm、幅700mm、発泡倍率7倍、平均気泡径640μmで、良好な外観を示す発泡シートを連続的に安定して製造することができた。
(実施例2)
生分解性樹脂Aの代わりに生分解性樹脂B2質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。これにより、厚さ0.5mm、幅700mm、発泡倍率11倍、平均気泡径530μmで、良好な外観を示す発泡シートを連続的に安定して製造することができた。
(実施例3)
基材である生分解性脂肪族ポリエステル樹脂100質量部および添加剤であるデンプン含有生分解性樹脂C1.5質量部をドライブレンドで混合し、ホッパーより第1段の押出機(スクリュー径φ29mm、L/D=40)に供給した。スクリューを250rpmの回転数で回転させて樹脂を前方へフィードしながら溶融させた。バレル設定温度(8ゾーン)は、上流側より120℃、155℃、170℃、170℃、165℃、160℃、160℃、160℃とした。バレルの途中において、炭酸ガスを6.0MPaの注入圧力で注入量が3wt%となるように樹脂に注入した。押出機ヘッド(およびギヤポンプ入口)での樹脂圧力は12MPaであった。
第1段の押出機から樹脂をアダプタを経由してギヤポンプに供給した。ギヤポンプを42rpmの回転数で回転させた。ギヤポンプ出口での樹脂圧力は20MPaであり、第2の推進機構であるギヤポンプ以降において、昇圧後の樹脂を10MPa以上の圧力を保持した状態で117℃に設定されたサーキュラーダイに供給し、リップ幅0.15mmのダイ出口から樹脂を大気中に解放し、冷却マンドレルで冷却して発泡シートを製造した。
以上のようにして、厚さ1.0mm、幅895mm、発泡倍率11倍、平均気泡径860μmで、良好な外観を示す発泡シートを連続的に安定して製造することができた。
(実施例4)
生分解性樹脂Cの添加量を2質量部としたこと以外は、実施例3と同様にして発泡シートを製造した。これにより、厚さ1.0mm、幅895mm、発泡倍率10倍、平均気泡径700μmで、良好な外観を示す発泡シートを連続的に安定して製造することができた。
(実施例5)
生分解性樹脂Cの添加量を3質量部としたこと以外は、実施例3と同様にして発泡シートを製造した。これにより、厚さ1.0mm、幅895mm、発泡倍率7.5倍、平均気泡径は640μmと細くなり、良好な外観を示す発泡シートを連続的に安定して製造することができた。この発泡シートは、発泡倍率は実施例3、4より低いが、平均気泡径は細かいものであった。
(実施例6)
生分解性樹脂Cの添加量を5質量部としたこと以外は、実施例3と同様にして発泡シートを製造した。これにより、厚さ0.4mm、幅895mm、発泡倍率3.2倍、平均気泡径400μmで、良好な外観を示す発泡シートを連続的に安定して製造することができた。この発泡シートは、発泡倍率は実施例3〜5より低いが、平均気泡径は細かいものであった。
(比較例1)
生分解性樹脂Aの代わりに生分解性樹脂D2質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。本例では、デンプンを含有しない乳酸系の生分解性樹脂Dを用いたため、得られた発泡体は、気泡径3000μmという巨大な気泡を持つ発泡体となり、外観もきわめて悪かった。また、得られた発泡体の発泡倍率は4倍であった。
(比較例2)
生分解性樹脂Cの代わりにタルクE0.8質量部を用いたこと以外は、実施例3と同様にして発泡シートを製造した。得られた発泡体は、厚さ1.0mm、幅895mm、発泡倍率10倍、平均気泡径890μmであり、良好な外観を示す発泡シートであった。
実施例、比較例における生分解性の評価結果および分解残渣の有無を表1に示す。表1より、表1より、本発明の実施例1〜6及び比較例1の生分解性樹脂発泡体は、100%の生分解性を有することが確認された。しかし、比較例1は気泡径が粗大となり、外観もわるく、発泡倍率も低いものとなった。また、比較例2は、樹脂部分は生分解されたものの、タルクが残渣として残ってしまうため、完全に分解はされなかった。
Figure 0004615465
本発明に係る生分解性樹脂発泡体の製造設備の一例の装置構成を示す概念図である。 本発明に係る生分解性樹脂発泡体の製造設備の他の例の装置構成を示す概念図である。
符号の説明
1…単軸押出機
2…ホッパー
3…バレル
4…スクリュー
5…定量注入ポンプ
6…アダプタ
7…ギヤポンプ
8…スタティックミキサー
9…サーキュラーダイ
10…冷却マンドレル
11…発泡シート
12…2軸押出機
13…ホッパー
14…バレル
15…スクリュー
16…定量注入ポンプ
17…アダプタ
18…ギヤポンプ
19…単軸押出機
20…サーキュラーダイ
21…冷却マンドレル
22…発泡シート

Claims (1)

  1. 生分解性を有し、かつ長鎖分岐を有する脂肪族ポリエステル樹脂を基材とし、デンプンと変性ポリビニルアルコールとのポリマーアロイを含有する生分解性樹脂を前記脂肪族ポリエステル樹脂に対して1〜5質量%含有する樹脂組成物を、発泡剤として炭酸ガスを用いて発泡させてなる生分解性樹脂発泡体であって、前記発泡体の平均気泡径が400〜860μmであることを特徴とする生分解性樹脂発泡体。
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