JP4614371B2 - 操作感触付与型入力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、各種の電子機器や車載電装品等の入力デバイスとして利用することができ、その際、操作者に力学的な操作感触を付与することができる操作感触付与型入力装置に関する。
従来、この種の操作感触付与型入力装置に関して、操作ノブの回転を電磁ブレーキで規制することにより、操作ノブの回転に抵抗感を付与する先行技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この先行技術は、例えばロータリエンコーダで操作ノブの回転角を検出しながら電磁ブレーキの動作を制御し、操作ノブがある程度の回転角まで操作されると、そこで一気に電磁ブレーキを駆動して操作ノブの回転を阻止してロックを掛けることができる。これにより、操作者に対して回転方向への抵抗感(壁に突き当たった感触)を付与し、それ以上の回転ができないことを感覚的に伝えることができる。
ただし、電磁ブレーキによるロックは、機械的なストッパ等で回転を規制する場合と異なり、それまでと反対方向への回転をも規制するものであるから、操作者が操作ノブを反対方向へ戻そうとしても、依然として操作ノブがロック状態で固定されたままになってしまう。そこで上記の先行技術は、操作ノブと電磁ブレーキとの間に弾性部材を介在させ、ロックがかかった状態で操作ノブが操作された場合は弾性部材が撓むことにより、ロック後に与えられた回転方向を検出できる余地を設けている。これにより、それまでと同じ方向に操作ノブを回そうとしている場合はロック状態を継続しつつ、反対方向に操作ノブを戻そうとしている場合はロックを解除するといった柔軟な制御を実現することができる。
特開2005−19113号公報
上述した先行技術は、操作ノブにロック感触を付与している状態であっても、それまでと反対方向へ操作ノブにわずかの操作力を与えるだけで容易にロック状態を解除することができるので、操作の利便性に優れるという利点があり、依然としてその技術的価値は高いものである。
その上で本発明の発明者は、先行技術で用いられている弾性部材は、比較的弱い操作力でもねじり変形(撓み)を生じる必要があり、そのためにはスラスト方向(回転軸線の方向)にある程度の長さを必要とする点に着目し、さらなる改良を検討するに至った。すなわち本発明は、スラスト方向への小型化を実現することができる操作感触付与型入力装置の提供を課題としたものである。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の解決手段を採用する。
すなわち本発明は、操作者により回転操作される回転操作部材とともに回転可能に支持された回転軸と、この回転軸とともに回転する被検出体を有するとともに、この被検出体の回転状態を検出する検出部を有した回転検出手段と、回転軸のラジアル方向に拡がって設けられ、回転軸とともに回転するロータ部材と、回転軸及びロータ部材と同じ中心軸線回りに回転可能に設けられるとともにロータ部材に対してそのスラスト方向に変位自在に設けられた摩擦板と、ロータ部材の回転を摩擦に伝達して摩擦板をロータ部材に追従して回転させる回転伝達機構と、摩擦板をロータ部材のスラスト方向に吸着し、この吸着により発生する摩擦力で摩擦板の回転を規制する回転規制手段と、回転検出手段の検出結果に基づき回転規制手段の作動状態を制御する制御手段と、回転規制手段により摩擦板の回転が規制された状態で回転操作部材が回転操作されると、回転伝達機構に回転方向への弾性力を付与してロータ部材とともに被検出体が摩擦板に対して相対的に回転するのを許容する回転弾性付与手段とを備えた操作感触付与型入力装置である。
本発明の操作感触付与型入力装置は、上記の基本的な構成において以下の機能を発揮する。すなわち、回転操作部材が操作者(ユーザ)により回転操作されると、それに応じて回転操作部材とともに回転軸が回転する。また回転軸が回転することで、被検出体がともに回転し、その回転状態が検出部によって検出される。またロータ部材は、回転軸のラジアル方向に拡がった状態で回転軸とともに回転する。このとき制御手段が回転規制手段を作動(摩擦板の回転を規制)させていなければ、回転伝達機構によってロータ部材の回転が摩擦板に伝達され、摩擦板が回転軸及びロータ部材に追従して回転する。これに対し、制御手段が回転規制手段を作動させた場合、回転操作部材が操作されることで回転伝達機構は引き続きロータ部材の回転を摩擦板に伝達しようとするが、このとき回転弾性付与手段が回転伝達機構に回転方向への弾性力を付与するので、摩擦板に伝達されるはずの回転は弾性力によって吸収される。これにより、摩擦板の回転が規制(ロック)された状態でもロータ部材とともに被検出体の回転が許容され、その回転状態(回転方向)の検出が可能となる。したがって制御手段は、例えば摩擦板の回転を規制させる前と反対方向への回転が検出された場合、回転規制手段の作動を停止させて回転操作部材の自由な回転を可能にするといった制御が実現可能となる。
その上で、第1に本発明の操作感触付与型入力装置は以下の点に特徴を有する。すなわち回転伝達機構は、摩擦板に設けられた係合突起と、ロータ部材に設けられた係合挟部とから構成される。このうち係合突起は、摩擦板からロータ部材に向けて突出するものであり、また係合挟部は、ロータ部材の回転方向でみて両側から係合突起を挟み込んだ状態でロータ部材からの回転力を係合突起に伝達する一対の挟壁を有している。そして回転弾性付与手段は、摩擦板の回転が規制された状態で回転操作部材が回転操作された場合、係合突起からの反力で弾性変形することにより、係合挟部を変位させてロータ部材の相対的な回転を許容する弾性部から構成されている。
本発明の操作感触付与型入力装置によれば、係合挟部が係合突起を回転方向の両側から挟み込んで回転を伝達する構成であって、摩擦板の回転が規制された場合、弾性部による弾性変形の方向は回転方向(又はその反対方向)に合致する。このため弾性部は、特にスラスト方向への長さについて制約を受けることなく弾性変形が可能であるため、構造的にスラスト方向への大型化を招くことがない。
第2に本発明の操作感触付与型入力装置は、以下の点に特徴を有する。すなわちロータ部材は、摩擦板からロータ部材に向けて突出した係合突起を受け入れる受入部を有する構成である。この受入部は、回転方向でみて係合挟部の両側に間隔をおいて設けられた一対の規制壁を含むものであり、これら規制壁の間に係合突起を受け入れた状態で一対の規制壁の間を係合突起が相対的に回転方向へ移動するのを許容するとともに規制壁を係合突起に当接させた状態で係合突起の移動を規制することができる。
この場合、摩擦板の回転が規制された状態で回転操作部材に操作力が与えられたとしても、弾性部の弾性変形に伴って一対の規制壁の間で係合突起が相対的に移動するため、上記のように被検出体の回転状態を検出することができる。また、ある程度の角度まで回転操作が行われると、やがて係合突起が一対の規制壁のいずれか一方に当接することで、それ以上の回転は規制されることになる。これにより、弾性部が過度に変形(例えば降伏)したり、破損したりするのを防止することができる。
第3に本発明の操作感触付与型入力装置は、上記の基本的な構成を有しつつ、以下の点に特徴を有する態様であってもよい。すなわち回転伝達機構は、ロータ部材に係合突起が設けられており、摩擦板に係合挟部が設けられている構成である。この場合、係合突起はロータ部材から摩擦板に向けて突出するものとなり、また係合挟部は、摩擦板の回転方向でみて両側から係合突起を挟み込んだ状態で係合突起を通じてロータ部材から回転力の伝達を受ける一対の挟壁を有するものである。そして回転弾性付与手段は、摩擦板の回転が規制された状態で回転操作部材が回転操作された場合、係合挟部からの反力を受けて弾性変形することにより、係合突起を変位させてロータ部材の相対的な回転を許容する弾性部から構成されている。
このような態様であっても、本発明の操作感触付与型入力装置によれば、係合突起が係合挟部に回転方向の両側から挟み込まれた状態で回転を伝達する構成であって、摩擦板の回転が規制された場合、弾性部の弾性変形の方向と係合突起の変位方向は回転方向(又はその反対方向)に合致したものとなる。このため弾性部は、特にスラスト方向への長さについて制約を受けることなく弾性変形が可能であるため、構造的にスラスト方向への大型化を招くことはない。
第4に本発明の操作感触付与型入力装置は、以下の点に特徴を有する。すなわち係合突起が設けられたロータ部材は、係合突起の両側に形成されてその変位を許容したり、規制したりする一対の切欠部を有する構成である。すなわち一対の切欠部は、回転方向でみて係合突起の両側に間隔をおいて一対の規制壁を形成するものであり、これら規制壁の間にて係合突起の回転方向への変位を許容するとともに規制壁に係合突起を当接させた状態で係合突起の変位を規制することができる。
このような一対の切欠部(一対の規制壁)をロータ部材が有することにより、摩擦板の回転が規制された状態で回転操作部材に操作力が与えられた場合、弾性部の弾性変形に伴って一対の規制壁の間(切欠部の範囲内)で係合突起が相対的に移動することで、上記のように被検出体の回転状態を検出可能とする。また、ある程度の角度まで回転操作が行われると、やがて係合突起が一対の規制壁のいずれかに当接することで、それ以上の回転は規制されることになる。これにより、弾性部が過度に変形(例えば降伏)したり、破損したりするのを防止することができる。
第5に本発明の操作感触付与型入力装置は、上記の第4の特徴について以下の構成を有するものであってもよい。すなわちロータ部材は、回転軸を中心とした円盤形状をなす本体部を有しており、この本体部の外周縁から回転軸に向かって一対の切欠部が形成されている。そして、本体部のうち一対の切欠部に挟まれて内周位置から外周縁まで半島形状に延びる部位の一部が係合突起として形成されるとともに、その内周位置における基端部が弾性部として形成されている。
このような構成であれば、ロータ部材そのものに係合突起や弾性部を形成することができるので、それだけ部品点数を削減することができる。
第6に本発明の操作感触付与型入力装置は、上述した第1から第5の特徴について以下の構成を有してもよい。すなわち摩擦板は、回転軸を厚み方向に挿通させる貫通孔と、この貫通孔の内周面と回転軸の外周面との間に確保されたクリアランスとを有しており、このクリアランスにより回転軸の中心軸線方向に拘束されることなく摩擦板のスラスト方向への変位が許容されている。
この場合、摩擦板がスラスト方向へ変位自在であって、なおかつ回転軸の中心軸線方向には拘束されないので、回転規制手段に対して摩擦板を常に一様に吸着させることができる。この点、例えば回転軸の外周面に沿って摩擦板がスライドする構造では、摩擦板が回転軸によって中心軸線方向に拘束されるため、回転軸と回転規制手段との位置関係や、そのときの中心軸線と回転規制手段との間の角度によって摩擦板を回転規制手段に吸着させる際の状態が変化し、それによって摩擦力にばらつきが生じる可能性がある。これに対し、上記のようなクリアランスが確保されている構造であれば、回転軸に影響されることなく摩擦板を回転規制手段に吸着させることができるので、安定して摩擦力を発生させることができる。
第7に本発明の操作感触付与型入力装置は、上記の第3から第6の特徴について以下の構成を有してもよい。すなわちロータ部材には、その回転方向で少なくとも3箇所に係合突起が設けられるとともに、摩擦板には係合突起と同数の係合挟部が設けられていることが望ましい。
このような構成であれば、ロータ部材の回転方向に分布して係合突起と係合挟部との係合が行われるので、その回転中心(中心軸線)に対する横ずれを防止することができる。
第8に本発明の操作感触付与型入力装置は、摩擦板に対して吸着方向への弾性力を付与し、この弾性力により回転規制手段に摩擦板を接触させた状態でその自在な回転を許容する接触弾性付与手段をさらに備えていてもよい。
この場合、特に制御手段が回転規制手段を作動させていない状態であっても、常に弾性力によって摩擦板が回転規制手段に接した状態が維持される。このため、制御手段が回転規制手段を作動させた瞬間に、その吸着によって摩擦板が回転規制手段に衝突したり、それによって衝撃音が発生したりするのを防止することができる。
上記の接触弾性付与手段は、ロータ部材から摩擦板に向けて突出する係合突起を摩擦板に押し付けることにより、係合突起を通じて吸着方向への弾性力を付与する構成が好ましい。
このような構成であれば、接触弾性付与手段としての部品を新たに設ける必要がないので、その分、部品点数の増加を抑えることができる。また、係合突起が係合挟部から抜け出てしまうのを抑えることで、ロータ部材の空回りを防止することができる。
なお、上述した第5の特徴を有する場合、ロータ部材の本体部のうち一対の切欠部に挟まれて内周位置から外周縁まで半島形状に延びる部位の内周位置における基端部を弾性部として形成するとともに、この基端部を接触弾性付与手段として形成することもできる。このような態様であれば、ロータ部材の部品に多くの機能を持たせることができ、より合理的な構造を実現することができる。
以上のように本発明の操作感触付与型入力装置は、これまでと同様の基本的な機能性を損なうことなく、スラスト方向への小型化を図ることができる。また、無理な操作によって部品を損傷することがなく、耐久性に優れた構造を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明の操作感触付与型入力装置は、例えば、各種の電子機器(コンピュータ機器、オーディオ機器、ビデオ機器)をはじめ、カーナビゲーション装置等の車載電装品用の入力デバイス(ユーザインタフェース)として利用することができる。また操作感触付与型入力装置には、その具体的な構造の違いによりいくつかの実施形態が挙げられる。以下、操作感触付与型入力装置について複数の好ましい実施形態を挙げて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態の操作感触付与型入力装置10の全体的な構成を示す概略図である。図1中、操作感触付与型入力装置10の機械的な構成は、その大部分が縦断面により示されている。また図1中、操作感触付与型入力装置10の電気的な構成はブロック図により示されている。
〔回転操作部材〕
操作感触付与型入力装置10は回転操作部材12を備えており、この回転操作部材12は、例えば回転式のつまみ形状(ダイヤル形状)をなしている。操作者は回転操作部材12をつまんだ状態で回転操作することができ、このとき回転操作部材12は図中に一点鎖線で示される中心軸線CLの回りに回転する。
〔回転軸〕
回転操作部材12は、例えば回転軸14の一端に連結されている。この回転軸14は上記の中心軸線CLに沿って回転操作部材12から一方向(図1中の下方向)に延びており、回転軸14は回転操作部材12とともに中心軸線CLの回りに回転する。
〔回転状態の検出〕
回転軸14の外周には、被検出体であるコード板16が取り付けられている。このコード板16は回転軸14を中心とした薄板の円盤形状をなしており、その周方向には一定ピッチで図示しないスリットが形成されている。またコード板16の外周部には、回転方向の基準位置を基点として周方向に図示しないインデックス(遮光部)が形成されている。
回転軸14の近傍位置には、検出部として例えば2つのフォトインタラプタ18,19が設置されており、このうち一方のフォトインタラプタ18の配置は、その検出光がコード板16のスリットを透過する位置関係に調整されている。また他方のフォトインタラプタ19の配置は、その検出光が上記の基準位置でインデックスに遮られる位置関係に調整されている。回転操作部材12が回転操作されると、これに伴って回転軸14とともにコード板16が回転し、一方のフォトインタラプタ18から回転角信号(エンコーダパルス)が出力される。また、そのときの回転方向に応じて他方のフォトインタラプタ19から基準位置に対する回転方向信号(ON/OFF信号)が出力される。
〔ロータ部材〕
また回転軸14には、例えばその長手方向でみた中央付近にロータ部材20が取り付けられている。ロータ部材20は、例えば円盤形状の本体部20aを有しており、この本体部20aは回転軸14を中心としてラジアル方向に拡がっている。本体部20aの中央位置には貫通孔20bが形成されており、この貫通孔20bは本体部20aを厚み方向に貫通して形成されている。そしてロータ部材20は、貫通孔20bの内部に回転軸14を挿通させた状態で回転軸14に固定(嵌合)されている。このためロータ部材20は、回転操作部材12が操作されると回転軸14とともに中心軸線CLの回りに回転する。
〔摩擦板〕
また回転軸14には、その長手方向でみてロータ部材20に隣接する位置に摩擦板22が取り付けられている。この摩擦板22もまた、例えば円盤形状の本体部22aを有するとともに、その中央位置には挿通孔22bが形成されている。摩擦板22の挿通孔22bもまた本体部22aを厚み方向に貫通しているが、その内径は回転軸14の外径よりもわずかに大きい。このため摩擦板22は回転軸14に対して固定されておらず、回転軸14やロータ部材20に対しては中心軸線CLの回りに相対回転が可能な状態で支持されている。
また摩擦板22は、挿通孔22b内に回転軸14を挿通させた状態で、その長手方向(スラスト方向)に変位することも可能である。なお回転軸14の外周面と挿通孔22bの内周面との間には、例えば回転軸14に沿ってスライド自在な軸受(図示していない)が設けられていてもよい。また摩擦板22は、その全体が磁性材料(例えば鉄)で構成されている。
〔電磁ブレーキ(回転規制)〕
操作感触付与型入力装置10は、例えば電磁ブレーキ24を備えている。この電磁ブレーキ24は、例えば中空の円柱形状をなすケース型コア24aを有しており、このケース型コア24aの内部にフープ状の巻線24bを配置した構造である。ケース型コア24aの中央には例えば樹脂製の軸受24cが設けられており、回転軸14の他端部(図1でみて下端部)はこの軸受24cを介してケース型コア24aに回転自在に支持されている。電磁ブレーキ24は、巻線24bに通電された状態でケース型コア24aに電磁力を発生させ、上記の摩擦板22をスラスト方向に吸着することができる。
なお、回転軸14の他端はケース型コア24aを貫通してロータ部材20や摩擦板22と反対方向(図1でみて下方向)へ突出しており、この突出位置で回転軸14にはフランジ形状のストッパ26が取り付けられている。このストッパ26は、ケース型コア24aから回転軸14がその一端方向(図1で上方向)へ抜け出すのを防止している。
〔制御部〕
操作感触付与型入力装置10は、電気的な構成として制御部28を備えている。この制御部28は、例えば図示しないプロセッサ(CPU)をはじめ、ROMやRAM等のメモリデバイス、入出力回路等の周辺回路を備えたマイクロコンピュータとして構成されている。上記のフォトインタラプタ18,19から出力される回転角信号及び回転方向信号は、それぞれ入出力回路でA/D変換されてCPUに入力される。制御部28のCPUは、この入力信号に基づいて回転軸14(回転操作部材12)の回転角度及び回転方向を演算する。また制御部28のCPUは、回転角度及び回転方向の演算結果に基づき電磁ブレーキ24の作動(巻線24bへの通電又は非通電)を制御する。
〔回転伝達機構〕
また操作感触付与型入力装置10は、ロータ部材20の回転を摩擦板22に伝達するための回転伝達機構を有する。以下、回転伝達機構の具体的な構成について説明する。
〔係合突起〕
摩擦板22には、その表面(図1では上面)から突出する2つの係合突起22cが設けられている。これら係合突起22cは、いずれも摩擦板22(本体部22a)の表面からロータ部材20に向けて(スラスト方向)に延びている。
〔受入部〕
一方、ロータ部材20には、2つの係合突起22cにそれぞれ対応する位置に受入部20cが形成されている。これら受入部20cは本体部20aをその厚み方向に貫通して延びており、それぞれ内部に係合突起22cが挿通されている。また各係合突起22cは受入部20c内に挿通された状態で、ロータ部材20(本体部20a)の表面(図1では上面)から突出するだけの全長を有している。
またロータ部材20には、2つの係合突起22cに対応して2つのクリップ状部材30が設けられている。これらクリップ状部材30は、例えばねじ32を用いて本体部20aの表面に固定されている。図1では断面形状のみが示されているが、各クリップ状部材30は係合突起22cの突出端をその両側から挟み込むようにして配置されている。以下、この点について別図を参照しながら説明する。
図2は、ロータ部材20の表面における各部材の配置とその作動状態を示した連続図(図1中のII−II断面を含む)である。
〔係合挟部〕
図2中(A):上記のクリップ状部材30は、ロータ部材20の中心側からラジアル方向に延びており、その先端部は一対の係合挟部30aとして形成されている。そしてクリップ状部材30は、一対の係合挟部30aの間に係合突起22cを挟み込んだ状態で組み付けられている。
〔弾性部〕
またクリップ状部材30は、一対の係合挟部30aに連なった中間の部位がそれぞれ弾性部30bとして構成されている。これら弾性部30bは、例えば板ばねとしての機能を有する部位である。
なおクリップ状部材30は、それぞれ中心寄りの部位に連結板30cを有しており、連結板30cはロータ部材20の表面に沿って周方向に延びている。各クリップ状部材30は、連結板30cの位置で上記のねじ32によりロータ部材20に固定されている。上記の弾性部30bは、連結板30cの周方向でみた両側縁をそれぞれの基部としてラジアル方向に延びている。
〔規制壁〕
また上記の受入部20cは、回転軸14を中心とした周方向(ロータ部材20の回転方向)に延びており、その回転方向でみた両端の内面が一対の規制壁20dとして形成されている。これら一対の規制壁20dは、ロータ部材20の回転方向でみて係合突起22cの両側に間隔をおいて配置されている。
〔回転の伝達〕
電磁ブレーキ24が非作動の場合、回転操作部材12への回転操作によって回転軸14とともにロータ部材20が操作方向へ回転すると、その回転力が係合挟部30aから係合突起22cに伝達される。これにより、摩擦板22はロータ部材20の回転に追従して回転することができる。
〔弾性力の付与〕
図2中(B):これに対し、電磁ブレーキ24が作動した場合、上記のように摩擦板22が電磁力で吸着され、その回転がロックされた状態となる。この状態で回転操作部材12が例えば図示の矢印方向に回転操作された場合、係合突起22cからの反力で一方の弾性部30bが弾性変形し、係合挟部30aを回転方向と逆向きに変位させる。また、このとき係合突起22cは受入部20c内において一対の規制壁20dの間での相対的な移動が許容される。したがって、摩擦板22がロックされた状態であっても、図示のようにロータ部材20の相対的な回転が許容される。
〔規制壁による規制〕
図2中(C):さらに回転操作部材12が回転操作されると、やがて受入部20c内において係合突起22cが一方(回転方向と反対側)の規制壁20dに当接する。この状態で、それ以上の係合突起22cの相対的な移動は規制されるので、その結果としてロータ部材20の回転が規制されることになる。したがって、これ以上は回転操作部材12を回転させることができなくなるので、操作者に対して回転操作部材12が壁に突き当たったような感触を付与することができる。またこれにより、弾性部30bの過度な変形を防止することができる。
図3は、摩擦板22を単独で示した図(図1中のIII−III断面を含む)である。係合突起22cは例えば円柱形状(断面円形状)をなしており、その外周面(曲面)で一対の係合挟部30aと接触する。これにより、上記のように弾性部30bが弾性変形するとき、その外周面に沿って係合挟部30aの変位を滑らかに案内することができる。なお、ここでは係合突起22cを円柱形状(断面円形状)としているが、係合突起22cは角柱形状(断面角形状)であってもよい。
〔制御例〕
次に、制御部28による電磁ブレーキ24の制御例について説明する。図4は、回転操作部材12の回転角と電磁ブレーキ24による電磁力(摩擦力)との関係(励磁パターン)の一例を示す図である。
制御部28のCPUは、上記のようにフォトインタラプタ18,19からの回転角信号及び回転方向信号に基づき、現在の回転操作部材12の回転角を演算する。このとき回転角は、予め設定された基準角度(θ)から一方向への増加を正の角度(+θ)で表し、反対方向への増加を負の角度(−θ)で表すことができる。
図示の例では、回転操作部材12の回転角を両方向で対称に制限することができる。具体的には、両方向でそれぞれ制御上の上限角度(+θmax,−θmax)を設定しておき、算出した回転角がいずれかの上限角度に達すると、そこで制御部28は電磁ブレーキ24の巻線24bに通電し、ステップ状に最大の電磁力を発生させる。これにより、摩擦板22がスラスト方向に吸着された状態となるので、上記のように係合突起22cが規制壁20dに当接したところで回転操作部材12の回転がロックされる。なお上限角度は(+θmax,−θmax)、係合突起22cが規制壁20dに当接するまでの回転角を予め見越して設定しておいてもよい。
〔回転の規制〕
例えば、回転操作部材12の回転角が正の上限角度(+θmax)に達したところで電磁ブレーキ24を作動させた場合を想定する。この場合、操作者がそれ以上に回転操作部材12を回転させようとしても、電磁ブレーキ24によってロックがかかり、操作を続けることができない。
この状態から操作者が回転操作部材12をそれまでと反対方向(負方向)に回転操作すると、今度は他方の弾性部30bが弾性変形し、それによって回転操作の方向と反対側の係合挟部30aが変位する。これにより、それまでと反対方向へのロータ部材20の回転が許容されることになる。このとき係合突起22cは、それまで当接していた方と反対の規制壁20dに向かって相対的に移動が許容される。
〔規制の解除〕
この場合、それまでと反対方向への回転がフォトインタラプタ18,19によって検出されるので、制御部28は図4の励磁パターンに基づいて電磁ブレーキ24の作動を停止させる。これにより、摩擦板22の吸着が解除されてロータ部材20が自由に回転するので、操作者からみて回転操作部材12のロックが解除された状態になる。
上述した第1実施形態の操作感触付与型入力装置10は、ロータ部材20の回転方向に弾性部30bが弾性変形する構造であるため、特に回転軸14のスラスト方向の長さが制約されることはない。したがって、操作感触付与型入力装置10を全体としてスラスト方向に小型化することができることから、これを組み込む装置(例えば電子機器や車載電装品)全体の小型化にも寄与することができる。
また、電磁ブレーキ24の作動時に回転操作部材12がさらに回転操作された場合であっても、規制壁20dを係合突起22cに当接させてそれ以上の回転を阻止することができるので、クリップ状部材30の破損や塑性変形を防止して製品寿命を保証することができる。
〔第2実施形態〕
図5は、第2実施形態の操作感触付与型入力装置100の構成を部分的に示す縦断面図である。第2実施形態の操作感触付与型入力装置100は、第1実施形態とは異なるロータ部材200及び摩擦板220を備えている。その他の構成については、図示しないものも含めて第1実施形態と共通である。以下では第1実施形態と共通の構成について同じ符号を付し、その重複した説明を省略するものとする。
〔ロータ部材〕
第2実施形態においても、ロータ部材200は例えば円盤形状の本体部200aを有しており、この本体部200aは回転軸14を中心としてラジアル方向に拡がっている。また本体部200aの中央位置には貫通孔200bが形成されており、この貫通孔200bは本体部200aを厚み方向に貫通して形成されている。そしてロータ部材200は、貫通孔200bの内部に回転軸14を挿通させた状態で回転軸14に対して固定(嵌合)されている。このためロータ部材200は、回転操作部材12が操作されると回転軸14とともに中心軸線CLの回りに回転する。
〔摩擦板〕
摩擦板220もまた、例えば円盤形状の本体部220aを有するとともに、その中央位置には挿通孔220bが形成されている。なお第2実施形態においても、摩擦板220の挿通孔220bの内径は回転軸14の外径よりもわずかに大きく設定されているため、摩擦板220は回転軸14の長手方向(スラスト方向)に変位可能となっている。
〔係合突起、係合挟部〕
第2実施形態では、ロータ部材200に係合突起200cが形成されている。この場合、係合突起200cはロータ部材200から摩擦板220に向けて突出する形態である。そして第2実施形態では、摩擦板220に係合挟部220cが形成されている。
図6は、ロータ部材200の表面における各部材の配置とその作動状態を示した図(図5中のVI−VI断面を含む)である。
〔切欠部〕
図6中(A):ロータ部材200には、本体部200aの周方向でみて例えば2箇所に一対となる切欠部200dが形成されており、これら切欠部200dは、ロータ部材200の外周縁から回転軸14の方向へ平行に延びている。これら切欠部200dに挟まれた部位200fは本体部200aの内周位置から外周縁まで半島形状をなして延びており、その先端部に上記の係合突起200cが形成されている。そして第2実施形態では、このような半島形状の部位200fの内周位置における基端部が弾性部200eとして形成されている。また一対の切欠部200dにより、ロータ部材20の回転方向でみて係合突起200cの両側にそれぞれ規制壁200gが形成されている。
〔弾性力の付与〕
図6中(B):第2実施形態では、摩擦板22がロックされた状態で回転操作部材12が図示の矢印方向に回転操作された場合、係合挟部220cからの反力を受けて弾性部200eが弾性変形する。これにより、図中の二点鎖線で示されるように半島形状の部位200fが全体的に変位することで、係合突起200cを回転方向と逆向きに変位させることができる。また、このとき係合突起200cは、切欠部200d内において一対の規制壁200gの間での相対的な移動が許容される。したがって第2実施形態においても、摩擦板220がロックされた状態で、図示のようにロータ部材200の相対的な回転が許容されている。
〔規制壁による規制〕
電磁ブレーキ24の作動後も引き続き回転操作部材12が回転操作されると、やがて切欠部200d内において係合突起200c(部位200fの側面)が一方(回転方向と反対側)の規制壁200gに当接する。この状態で、それ以上の係合突起200cの相対的な移動は規制されるので、その結果としてロータ部材200の回転が規制されることになる。これにより、第2実施形態においても操作者に対して回転操作部材12が壁に突き当たったような感触を付与することができる。また、第1実施形態と同様に弾性部200eの過度な変形を抑え、その破損を防止することができる。
図7は、第2実施形態における摩擦板220を単独で示した図(図5中のVII−VII断面を含む)である。なお図7中、係合突起200cの断面の図示は省略している。係合挟部220cは、回転方向でみて係合突起200cの幅よりもわずかに大きい間隔をおいて形成されている。このため係合挟部220cは、係合突起200cを挟み込んだ状態でロータ部材20の回転を摩擦板22に伝達しつつ、電磁ブレーキ24の作動時には、係合突起200cに引っ張られることなく摩擦板220をスラスト方向に吸着させることができる。
上述した第2実施形態においても、回転軸14上に弾性部を設ける必要がないことから、第1実施形態と同様にスラスト方向への小型化を容易に実現することができる。また、ロータ部材20の本体部200aに弾性部200eを一体で形成しているため、それだけ部品点数を削減することができる。
〔第3実施形態〕
次に図8は、第3実施形態の操作感触付与型入力装置300の構成を部分的に示す縦断面図である。第3実施形態の操作感触付与型入力装置300もまた、第1実施形態とは異なるロータ部材250及び摩擦板260を備えている。その他の構成については、図示しないものも含めて第1実施形態と共通であり、その重複した説明を省略する。
〔ロータ部材〕
第3実施形態においても、ロータ部材250は例えば円盤形状の本体部250aを有しており、この本体部250aは回転軸14を中心としてラジアル方向に拡がっている。また本体部250aの中央位置には貫通孔250bが形成されており、この貫通孔250bは本体部250aを厚み方向に貫通して形成されている。そしてロータ部材250は、貫通孔250bの内部に回転軸14を挿通させた状態で回転軸14に対して固定(嵌合)されている。このためロータ部材250は、回転操作部材12が操作されると回転軸14とともに中心軸線CLの回りに回転する。
〔摩擦板〕
摩擦板260もまた、例えば円盤形状の本体部260aを有するとともに、その中央位置には挿通孔260bが形成されている。ただし第3実施形態では、挿通孔260bの内径が回転軸14の外径に対して、例えば2倍〜2.5倍程度に設定されている。このため回転軸14の外周面と挿通孔260bの内面との間には充分なクリアランスCが確保されている。このクリアランスCは、例えば回転軸14の両外側の合計で本体部260aの厚みよりも大きく設定されている。このため摩擦板260は回転軸14に対してスラスト方向への変位が自在であることに加え、その中心軸線CLに対する角度変位にも大きな自由度が与えられている。
〔係合突起、係合挟部〕
第3実施形態においても、第2実施形態と同様にロータ部材250に係合突起250cが形成されている。したがって係合突起250cは、ロータ部材250から摩擦板260に向けて突出する形態である。同じく第3実施形態では、摩擦板260に係合挟部260cが形成されている。
図9は、ロータ部材250の表面における各部材の配置とその作動状態を示した図(図8中のIX−IX断面を含む)である。第3実施形態の場合、ロータ部材250(本体部250a)の周方向でみて3箇所に係合突起250cが形成されている。この場合、周方向でみた係合突起250cの配置間隔(角度ピッチ)は均等であることが好ましい。なお、その他の切欠部250dや半島形状の部位250f、弾性部250e、規制壁250gの構成やそれぞれの基本機能については第2実施形態と同様である。
図10は、第3実施形態における摩擦板260を単独で示した図(図8中のX−X断面を含む)である。なお図10中、係合突起250cの断面の図示は省略している。第3実施形態でも第2実施形態と同様に、係合挟部260cは、回転方向でみて係合突起250cの幅よりもわずかに大きい間隔をおいて形成されている。
〔接触弾性〕
さらに第3実施形態では、各弾性部250eの弾性力によって摩擦板260を電磁ブレーキ24に常時接触させておくことができる。すなわち、回転軸14にロータ部材250を取り付けた状態で、各弾性部250eは係合突起250cを通じて摩擦板260をスラスト方向に押さえ付ける方向(図9では下方向)への弾性力を付与している。これにより、摩擦板260が電磁ブレーキ24の吸着面(摩擦面)に接触した状態を維持することができる。なお、ここで付与される弾性力は、摩擦板260を電磁ブレーキ24に接触させた状態であっても、その滑らかな回転(いわゆる摺動)を阻害しない程度の大きさである。
上述した第3実施形態においても第1,第2実施形態と同様に、スラスト方向への小型化を容易に実現することができる。また、ロータ部材250の本体部250aに弾性部250eを一体で形成しているため、それだけ部品点数を削減することができる点は第2実施形態と同じである。
特に第3実施形態の場合、クリアランスCを設けたことで摩擦板260の姿勢が回転軸14に拘束されないため、電磁ブレーキ24の作動時に摩擦板260を常に無理のない姿勢で吸着させることができる。このため、電磁ブレーキ24の作動時に発生する摩擦力のばらつきをなくし、安定した回転の規制を実現することができる。
また第3実施形態では、ロータ部材250の回転方向で少なくとも3箇所に係合突起250cが形成されており、これらが摩擦板260の係合挟部260cに挟み込まれているため、回転軸14に対して摩擦板260が横方向にずれてしまう(偏心する)のを防止することができる。
さらに第3実施形態では、摩擦板260を電磁ブレーキ24に常時接触させておくことができるため、電磁ブレーキ24の作動時に摩擦板260がケース型コア24aに衝突したり、それによって衝撃音が発生したりするのを防止することができる。
〔第4実施形態〕
図11は、第4実施形態の操作感触付与型入力装置400の構成を部分的に示す縦断面図である。第4実施形態の操作感触付与型入力装置400は、係合突起22c及び係合挟部30aをそれぞれ1箇所だけに設けた点が第1実施形態と異なっているが、基本的には第1実施形態の構成と同じである。以下、第1実施形態との相違点を中心として説明する。
図12は、ロータ部材20の表面における各部材の配置とその作動状態を示した連続図(図11中のXII−XII断面を含む)である。第4実施形態の場合、クリップ状部材30は、回転軸14を挟んでロータ部材20のラジアル方向に延びている。したがってロータ部材20の直径方向でみると、回転軸14の一方に位置する先端部が一対の係合挟部30aとして形成されており、その他方に連結板30cが位置している。弾性部30bは、第1実施形態のものと比較して長くなっているが、その基本的な機能は同じである。
受入部20cは、本体部20aを厚み方向に貫通するとともに、その外周縁にて開口している。つまり受入部20cは、本体部20aを外周縁部にて切り欠いた形態をなしている。この場合であっても、受入部20cの回転方向でみた両端の内面が一対の規制壁20dとして形成されており、これら一対の規制壁20dがロータ部材20の回転方向でみて係合突起22cの両側に間隔をおいて位置している点は第1実施形態と同じである。
第4実施形態のように、係合突起22c及び係合挟部30aが1箇所だけ設けられていても、電磁ブレーキ24が非作動の場合、回転操作部材12への回転操作によって回転軸14とともにロータ部材20が操作方向へ回転すると、一対の係合挟部30aが係合突起22cを挟み込んだ状態でロータ部材20の回転力を係合突起22cに伝達する。これにより、摩擦板22はロータ部材20の回転に追従して回転する。
また同様に、電磁ブレーキ24の作動時に回転操作部材12が回転操作された場合、同じく係合突起22cからの反力で一方の弾性部30bが弾性変形し、係合挟部30aを回転方向と逆向きに変位させる。また、このとき係合突起22cは受入部20c内において一対の規制壁20dの間での相対的な移動が許容されるため、摩擦板22がロックされた状態であっても、ロータ部材20の相対的な回転が許容される。
そして、電磁ブレーキ24の作動時に回転操作部材12がさらに回転操作されると、受入部20c内において係合突起22cが一方(回転方向と反対側)の規制壁20dに当接し、それ以上の係合突起22cの相対的な移動が規制される。その結果、ロータ部材20の回転が規制されて回転操作部材12を回転させることができなくなり、操作者に対して壁に突き当たったような感触を付与することができる。また同様に、このとき弾性部30bの破損(降伏変形)を防止することができる。
図13は、第4実施形態における摩擦板22を単独で示した図(図11中のXIII−XIII断面を含む)である。この場合、係合突起22cは例えば角柱形状(断面各形状)をなしている。なお、係合突起22cは第1実施形態のように円柱形状(断面円形状)であってもよい。
〔その他の実施形態〕
図14は、第1実施形態のクリップ状部材30に追加要素を設けた形態例を示す部分的な断面図である。第1実施形態のクリップ状部材30には、例えばその連結板30cと一体に接触弾性板30dを設けることができる。
このような接触弾性板30dは板ばねとして機能する部位であり、その基端が連結板30cと一体に連なった状態で内周位置から外周の方向へ延びている。そして接触弾性板30dは、その先端部が係合突起22cの上端に接触しており、この状態で係合突起22cに対して下向きへの弾性力を付与している。これにより、第1実施形態においても摩擦板22が電磁ブレーキ24に対して常時接触した状態となるので、第3実施形態と同様の利点を発揮することができる。
本発明は上述した各種の実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。各実施形態では円盤形状のロータ部材を挙げているが、ロータ部材は多角形の板状であってもよい。また、第1,第3実施形態では板ばね状の弾性部を例に挙げているが、コイルばねで弾性部を構成してもよい。
電磁ブレーキ24の励磁パターンは上述した一例に限らず、例えばクリック感が付与される励磁パターンを採用してもよいし、回転角の増加に伴って変化する抵抗感が付与される励磁パターンを採用してもよい。
また、回転状態の検出はコード板16とフォトインタラプタ18,19との組み合わせだけでなく、例えば反射板とフォトスイッチとの組み合わせで実現してもよい。
その他、図示とともに示した各種部材の形状や配置はいずれも好ましい例であり、本発明の実施に際してこれらを適宜変更可能であることはいうまでもない。
第1実施形態の操作感触付与型入力装置の全体的な構成を示す概略図である。 ロータ部材の表面における各部材の配置とその作動状態を示した連続図(図1中のII−II断面を含む)である。 摩擦板を単独で示した図(図1中のIII−III断面を含む)である。 回転操作部材の回転角と電磁ブレーキによる電磁力との関係の一例を示す図である。 第2実施形態の操作感触付与型入力装置の構成を部分的に示す縦断面図である。 ロータ部材の表面における各部材の配置とその作動状態を示した図(図5中のVI−VI断面を含む)である。 第2実施形態における摩擦板を単独で示した図(図5中のVII−VII断面を含む)である。 第3実施形態の操作感触付与型入力装置の構成を部分的に示す縦断面図である。 ロータ部材の表面における各部材の配置とその作動状態を示した図(図8中のIX−IX断面を含む)である。 第3実施形態における摩擦板を単独で示した図(図8中のX−X断面を含む)である。 第4実施形態の操作感触付与型入力装置の構成を部分的に示す縦断面図である。 ロータ部材の表面における各部材の配置とその作動状態を示した連続図(図11中のXII−XII断面を含む)である。 第4実施形態における摩擦板を単独で示した図(図11中のXIII−XIII断面を含む)である。 第1実施形態のクリップ状部材に追加要素を設けた形態例を示す部分的な断面図である。
符号の説明
10 操作感触付与型入力装置(第1実施形態)
12 回転操作部材
14 回転軸
16 コード板
18,19 フォトインタラプタ
20 ロータ部材
20c 受入部
20d 規制壁
22 摩擦板
22c 係合突起
24 電磁ブレーキ
28 制御部
30 クリップ状部材
30a 係合挟部
30b 弾性部
100 操作感触付与型入力装置(第2実施形態)
300 操作感触付与型入力装置(第3実施形態)
400 操作感触付与型入力装置(第4実施形態)

Claims (9)

  1. 操作者により回転操作される回転操作部材とともに回転可能に支持された回転軸と、
    前記回転軸とともに回転する被検出体を有するとともに、この被検出体の回転状態を検出する検出部を有した回転検出手段と、
    前記回転軸のラジアル方向に拡がって設けられ、前記回転軸とともに回転するロータ部材と、
    前記回転軸及び前記ロータ部材と同じ中心軸線回りに回転可能に設けられるとともに前記ロータ部材に対してそのスラスト方向に変位自在に設けられた摩擦板と、
    前記ロータ部材の回転を前記摩擦に伝達して前記摩擦板を前記ロータ部材に追従して回転させる回転伝達機構と、
    前記摩擦板を前記ロータ部材のスラスト方向に吸着し、この吸着により発生する摩擦力で前記摩擦板の回転を規制する回転規制手段と、
    前記回転検出手段の検出結果に基づき前記回転規制手段の作動状態を制御する制御手段と、
    前記回転規制手段により前記摩擦板の回転が規制された状態で前記回転操作部材が回転操作されると、前記回転伝達機構に回転方向への弾性力を付与して前記ロータ部材とともに前記被検出体が前記摩擦板に対して相対的に回転するのを許容する回転弾性付与手段とを備えた操作感触付与型入力装置であって、
    前記回転伝達機構は、
    前記摩擦板に設けられ、前記摩擦板から前記ロータ部材に向けて突出する係合突起と、
    前記ロータ部材に設けられ、その回転方向でみて両側から前記係合突起を挟み込んだ状態で前記ロータ部材からの回転力を前記係合突起に伝達する一対の挟壁を有した係合挟部とからなり、
    前記回転弾性付与手段は、
    前記摩擦板の回転が規制された状態で前記回転操作部材が回転操作された場合、前記係合突起からの反力で弾性変形することにより、前記係合挟部を変位させて前記ロータ部材の相対的な回転を許容する弾性部からなることを特徴とする操作感触付与型入力装置。
  2. 請求項1に記載の操作感触付与型入力装置において、
    前記ロータ部材は、
    回転方向でみて前記係合挟部の両側に間隔をおいて設けられた一対の規制壁を含み、これら規制壁の間に前記係合突起を受け入れた状態で一対の前記規制壁の間を前記係合突起が相対的に回転方向へ移動するのを許容するとともに前記規制壁を前記係合突起に当接させた状態で前記係合突起の移動を規制する受入部を有することを特徴とする操作感触付与型入力装置。
  3. 操作者により回転操作される回転操作部材とともに回転可能に支持された回転軸と、
    前記回転軸とともに回転する被検出体を有するとともに、この被検出体の回転状態を検出する検出部を有した回転検出手段と、
    前記回転軸のラジアル方向に拡がって設けられ、前記回転軸とともに回転するロータ部材と、
    前記回転軸及び前記ロータ部材と同じ中心軸線回りに回転可能に設けられるとともに前記ロータ部材に対してそのスラスト方向に変位自在に設けられた摩擦板と、
    前記ロータ部材の回転を前記摩擦に伝達して前記摩擦板を前記ロータ部材に追従して回転させる回転伝達機構と、
    前記摩擦板を前記ロータ部材のスラスト方向に吸着し、この吸着により発生する摩擦力で前記摩擦板の回転を規制する回転規制手段と、
    前記回転検出手段の検出結果に基づき前記回転規制手段の作動状態を制御する制御手段と、
    前記回転規制手段により前記摩擦板の回転が規制された状態で前記回転操作部材が回転操作されると、前記回転伝達機構に回転方向への弾性力を付与して前記ロータ部材とともに前記被検出体が前記摩擦板に対して相対的に回転するのを許容する回転弾性付与手段とを備えた操作感触付与型入力装置であって、
    前記回転伝達機構は、
    前記ロータ部材に設けられ、前記ロータ部材から前記摩擦板に向けて突出する係合突起と、
    前記摩擦板に設けられ、その回転方向でみて両側から前記係合突起を挟み込んだ状態で前記係合突起を通じて前記ロータ部材から回転力の伝達を受ける一対の挟壁を有した係合挟部とからなり、
    前記回転弾性付与手段は、
    前記摩擦板の回転が規制された状態で前記回転操作部材が回転操作された場合、前記係合挟部からの反力を受けて弾性変形することにより、前記係合突起を変位させて前記ロータ部材の相対的な回転を許容する弾性部からなることを特徴とする操作感触付与型入力装置。
  4. 請求項3に記載の操作感触付与型入力装置において、
    前記ロータ部材は、
    回転方向でみて前記係合突起の両側に間隔をおいて一対の規制壁を形成し、これら規制壁の間にて前記係合突起の回転方向への変位を許容するとともに前記規制壁に前記係合突起を当接させた状態で前記係合突起の変位を規制する一対の切欠部を有することを特徴とする操作感触付与型入力装置。
  5. 請求項4に記載の操作感触付与型入力装置において、
    前記ロータ部材は、
    前記回転軸を中心とした円盤形状をなす本体部を有し、この本体部の外周縁から前記回転軸に向かって一対の前記切欠部が形成されており、前記本体部のうち一対の前記切欠部に挟まれて内周位置から外周縁まで半島形状に延びる部位の一部が前記係合突起として形成されるとともに、その内周位置における基端部が前記弾性部として形成されていることを特徴とする操作感触付与型入力装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の操作感触付与型入力装置において、
    前記摩擦板は、
    前記回転軸を厚み方向に挿通させる貫通孔と、
    この貫通孔の内周面と前記回転軸の外周面との間に確保されたクリアランスとを有しており、
    前記クリアランスにより前記回転軸の中心軸線方向に拘束されることなく前記摩擦板の前記スラスト方向への変位が許容されていることを特徴とする操作感触付与型入力装置。
  7. 請求項3から6のいずれかに記載の操作感触付与型入力装置において、
    前記ロータ部材には、その回転方向で少なくとも3箇所に前記係合突起が設けられるとともに、前記摩擦板には前記係合突起と同数の前記係合挟部が設けられていることを特徴とする操作感触付与型入力装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の操作感触付与型入力装置において、
    前記摩擦板に対して前記吸着方向への弾性力を付与し、この弾性力により前記回転規制手段に前記摩擦板を接触させた状態でその自在な回転を許容する接触弾性付与手段をさらに備えたことを特徴とする操作感触付与型入力装置。
  9. 請求項8に記載の操作感触付与型入力装置において、
    前記接触弾性付与手段は、
    前記ロータ部材から前記摩擦板に向けて突出する前記係合突起を前記摩擦板に押し付けることにより、前記係合突起を通じて前記吸着方向への弾性力を付与することを特徴とする操作感触付与型入力装置。
JP2008228474A 2008-09-05 2008-09-05 操作感触付与型入力装置 Active JP4614371B2 (ja)

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